【発明を実施するための形態】
【0011】
[1.緑茶]
本発明は、緑茶を必須成分とする。緑茶は、ツバキ科チャノキ属チャノキ(Camellia sinensis)の葉や茎を由来とするものである。採取後、蒸す又は炒る等の方法で加熱処理して、発酵させることなく乾燥させる工程を経て得られるものであり、例えば、抹茶、碾茶、煎茶、かぶせ茶、番茶、茎茶、粉茶、玉露等がある。品種は特に限定されないが、例えば、やぶきた、みなみさやか、さえみどり、ゆたかみどり、かなやみどり、さやまかおり、おくみどり、とよか、めいりょく、ふくみどり、みねかおり、みなみかおり、りょうふう、はるみどり、そうふう、おくゆたか、しゅんめい等が挙げられる。これらの品種は、1種類のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
本発明で用いる緑茶としては、茶葉の乾燥物、粉砕物、粉砕末、細片化物、細片化末、搾汁、搾汁末、エキス、エキス末などが挙げられる。茶葉のエキスを得る場合、その抽出溶媒は特に限定はされないが、例えば、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなど)、アセトンなどの溶媒が挙げられ、好ましくは、水および/またはエタノールなどを使用することができる。エキスを得る際の溶媒の温度は特に制限はなく、例えば室温程度の常温から溶媒の沸点以下まで適宜選択することができる。また、エキス末を得る場合は、例えば減圧乾燥や噴霧乾燥等、当業者が通常用いる方法によりエキスの溶媒を除去することで得ることができる。
【0013】
本発明においては、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、搾汁、搾汁末、エキス、エキス末が好ましく使用され、特に、加工性の観点から搾汁末、エキス末がより好ましく、特にエキス末が好ましい。
【0014】
本発明において使用する緑茶は、1種のみを使用しても良いし、2種以上を用いることもできる。本発明の経口組成物に配合される緑茶の含有量としては、特に制限はなく、目的や形状、使用対象等の様々な条件に応じて、広範囲でその含有量を適宜設定できる。例えば、0.0001〜50質量%、好ましくは0.0005〜40質量%、より好ましくは0.001〜30質量%の範囲で選択される。本発明においては、市販品を使用してもよく、また当該分野で公知の方法で製造したものを使用することもできる。但し、緑茶を2種以上含有する場合は、その総量である。
【0015】
本発明の緑茶は、緑茶ポリフェノールを含有する。緑茶ポリフェノールとしては、カテキン類、没食子酸が挙げられ、カテキンを含むものが好ましい。緑茶ポリフェノールには、カテキン類として(−)-エピカテキン(EC)、(−)-エピガロカテキン(EGC)、(−)-エピカテキンガレート(ECG)及び(−)-エピガロカテキンガレート(EGCG)、(+)-カテキン(C)、(−)-ガロカテキン(GC)、(−)-カテキンガレート(CG)及び(−)-ガロカテキンガレート(GCG)の8 種類が含まれている。本発明において、緑茶に含まれる緑茶ポリフェノールの含有量は特に制限はないが、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が特に好ましい。また、本発明において、緑茶に含まれるカテキン類の含有量は、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が特に好ましい。
【0016】
本発明の経口組成物に含まれる緑茶ポリフェノールの含有量は特に制限はないが、0.0001質量%以上が好ましく、0.0005質量%以上がより好ましく、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、0.001質量%以上が特に好ましい。また、本発明の経口組成物に含まれるカテキンの含有量は特に制限はないが、0.0001質量%以上が好ましく、0.0005質量%以上がより好ましく、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、0.001質量%以上が特に好ましい。
【0017】
[2.紅茶]
本発明は、紅茶を必須成分とする。紅茶は、ツバキ科チャノキ属チャノキ(Camellia sinensis)の葉や茎を由来とし、採取後、乾燥し、完全に発酵させて得られるものである。紅茶葉の産地は特に限定されないが、例えば、インド(アッサム、ダージリン、ニルギリ、ドアーズ、シッキムなど)、インドネシア(ジャワなど)、スリランカ(セイロンなど)、中国(キーマンなど)、ケニア、日本などが挙げられる。紅茶葉の品種は特に限定されないが、例えば、ケニアCTC、アッサムCTC、アッサム・ファニングス、ニルギリBOP、ジャワなどが挙げられる。これらの品種は、1種類のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
本発明で用いる紅茶としては、茶葉の乾燥物、粉砕物、粉砕末、細片化物、細片化末、搾汁、搾汁末、エキス、エキス末などが挙げられる。茶葉のエキスを得る場合、その抽出溶媒は特に限定はされないが、例えば、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなど)、アセトンなどの溶媒が挙げられ、好ましくは、水および/またはエタノールなどを使用することができる。エキスを得る際の溶媒の温度は特に制限はなく、例えば室温程度の常温から溶媒の沸点以下まで適宜選択することができる。また、エキス末を得る場合は、例えば減圧乾燥や噴霧乾燥等、当業者が通常用いる方法によりエキスの溶媒を除去することで得ることができる。
【0019】
本発明においては、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、搾汁、搾汁末、エキス、エキス末が好ましく使用され、特に、加工性の観点から搾汁末、エキス末がより好ましく、特にエキス末が好ましい。
【0020】
本発明において使用する紅茶は、1種のみを使用しても良いし、2種以上を用いることもできる。本発明の経口組成物に配合される紅茶の含有量としては、特に制限はなく、目的や形状、使用対象等の様々な条件に応じて、広範囲でその含有量を適宜設定できる。例えば、0.0001〜50質量%、好ましくは0.0005〜40質量%、より好ましくは0.001〜30質量%の範囲で選択される。本発明においては、市販品を使用してもよく、また当該分野で公知の方法で製造したものを使用することもできる。但し、紅茶を2種以上含有する場合は、その総量である。
【0021】
本発明の紅茶は、紅茶ポリフェノールを含有する。紅茶ポリフェノールとしては、テアフラビン類、テアシネンシン類、テアルビジン類、プロアントシアニジン類が挙げられ、テアフラビンを含むものが好ましい。紅茶に含まれるテアフラビン類のうち、主要なテアフラビンは、テアフラビン、テアフラビン-3-ガレート、テアフラビン-3'-ガレート、テアフラビン-3,3'-ジガレートである。本発明において、紅茶に含まれる紅茶ポリフェノールの含有量は特に制限はないが、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が特に好ましい。また、本発明において、紅茶に含まれるテアフラビン類の含有量は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が特に好ましい。
【0022】
本発明の経口組成物に含まれる紅茶ポリフェノールの含有量は特に制限はないが、0.0001質量%以上が好ましく、0.0005質量%以上がより好ましく、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、0.001質量%以上が特に好ましい。また、本発明の経口組成物に含まれるテアフラビンの含有量は特に制限はないが、0.00001質量%以上が好ましく、0.00005質量%以上がより好ましく、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、0.0001質量%以上が特に好ましい。
【0023】
[3.乳酸菌]
本発明の経口組成物は、乳酸菌を必須成分とする。本発明の乳酸菌とは、代謝により乳酸を産生する細菌のことを言う。本発明で使用できる乳酸菌は、生菌であっても死菌であってもよく、死菌の場合は菌体破砕物であってもよい。乳酸菌粉末は、例えば培養した乳酸菌又は発酵に使用した乳酸菌培養物から培地等の不要分を除いた後に乳酸菌の菌体を公知の方法で粉末化して得ることができる。乳酸菌の種類としては、代謝産物として乳酸を産生するものであれば特に限定されず、ヒト等の動物において従来経口摂取されているものが挙げられ、例えば、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、ラクトバチルス(Lactbacillus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、リューコノストック(Leuconostoc)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属、テトラゲノコッカス(Tetragenococcus)属、バチルス(Bacillus)属のものが挙げられる。
【0024】
本発明で使用できる乳酸菌としては、例えば、Bifidobacterium属としては、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium mongoliense、Bifidobacterium thermophilumが挙げられる。Lactbacillus属としては、Lactbacillus brevis、Lactbacillus gasseri、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus buchneri、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delburvecki、Lactobacillus casei、Lactobacillus crispatus、Lactobacillus curvatus、Lactobacillus halivaticus、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus plantarum、Lactobacilus paracasei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus salivarius、Lactobacillus sporogenes、Lactobacillus sakei、Lactobacillus fructivorans、Lactobacillus hilgardii、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus fermentumが挙げられる。Enterococcusとしては、Enterococcus faecalis(Streptococcus faecalis と称されることもある)、Enterococcus faesium(Streptococcus faesiumと称されることもある)、Streptococcus thermophilus、Lactococcus lactis(Streptococcus lactisと称されることもある) が挙げられる。Leuconostoc属としては、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc oenos が挙げられる。Pediococcus属としては、Pediococcus acidilactici、Pediococcus pentosaceusが挙げられる。Staphylococcus属としては、Staphylococcus carnosus、Staphylococcus xylosusが挙げられる。Tetragenococcus属としては、Tetragenococcus halophilusが挙げられる。Bacillus属としては、Bacillus coagulans、及びBacillus mesentericus等が挙げられる。これらの中でも、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、Bifidobacterium属、Lactbacillus属が好ましく、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium thermophilum、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus casei、Lactobacillus crispatus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus pentosusが特に好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】
本発明の経口組成物に配合される乳酸菌の含有量としては、特に制限はなく、目的や形状、使用対象等の様々な条件に応じて、広範囲でその含有量を適宜設定できる。例えば、0.0001〜90質量%、好ましくは0.0005〜85質量%、より好ましくは0.001〜80質量%の範囲で選択される。本発明においては、市販品を使用してもよく、また当該分野で公知の方法で製造したものを使用することもできる。但し、乳酸菌を2種以上含有する場合は、その総量である。
【0026】
本発明の経口組成物の1日の使用量は特に限定されず、使用態様や使用者の使用内容などに応じて適宜設定され得るが、例えば、使用者の体重を基準として、1〜500mg/kgであり、好ましくは5〜4000mg/kgであり、より好ましくは10〜3000mg/kgであり、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、さらに好ましくは10〜2000mg/kgである。本発明の経口組成物の1回の使用量についても同様に特に限定されず、例えば、使用者の体重を基準として、0.5〜700mg/kgであり、好ましくは1〜1000mg/kgであり、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、より好ましくは5〜500mg/kgである。
【0027】
また、本発明の経口組成物の1日の使用量は特に限定されず、例えば、0.1〜300g、好ましくは0.5〜200g、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、特に好ましくは1〜150gとすることができる。本発明の経口組成物の1回の使用量は、例えば、0.1〜100g、好ましくは0.5〜80g、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、より好ましくは1〜60gとすることができる。
【0028】
本発明の経口組成物において、緑茶、紅茶の含有比(質量比)は特に限定されないが、緑茶:紅茶=1:0.0001〜30が好ましく、1:0.001〜20がより好ましく、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、1:0.005〜10が特に好ましい。
【0029】
本発明の経口組成物において、緑茶、乳酸菌の含有比(質量比)は特に限定されないが、緑茶:乳酸菌=1:0.001〜50が好ましく、1:0.005〜30がより好ましく、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、1:0.01〜20が特に好ましい。
【0030】
本発明の経口組成物において、紅茶、乳酸菌の含有比(質量比)は特に限定されないが、紅茶:乳酸菌=1:0.001〜50が好ましく、1:0.005〜30がより好ましく、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、1:0.01〜20が特に好ましい。
【0031】
本発明の経口組成物において、緑茶ポリフェノール、紅茶ポリフェノールの含有比(質量比)は特に限定されないが、緑茶ポリフェノール:紅茶ポリフェノール=1:0.0001〜30が好ましく、1:0.001〜20がより好ましく、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、1:0.005〜10が特に好ましい。
【0032】
本発明の経口組成物において、カテキン、テアフラビンの含有比(質量比)は特に限定されないが、カテキン:テアフラビン1:0.0001〜30が好ましく、1:0.001〜20がより好ましく、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、1:0.005〜10が特に好ましい。
【0033】
本発明の経口組成物において、緑茶ポリフェノール、乳酸菌の含有比(質量比)は特に限定されないが、緑茶ポリフェノール:乳酸菌=1:0.001〜50が好ましく、1:0.005〜30がより好ましく、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、1:0.01〜20が特に好ましい。
【0034】
本発明の経口組成物において、カテキン、乳酸菌の含有比(質量比)は特に限定されないが、カテキン:乳酸菌=1:0.001〜50が好ましく、1:0.005〜30がより好ましく、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、1:0.01〜20が特に好ましい。
【0035】
本発明の経口組成物において、紅茶ポリフェノール、乳酸菌の含有比(質量比)は特に限定されないが、紅茶ポリフェノール:乳酸菌=1:0.001〜50が好ましく、1:0.005〜30がより好ましく、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、1:0.01〜20が特に好ましい。
【0036】
本発明の経口組成物において、テアフラビン、乳酸菌の含有比(質量比)は特に限定されないが、テアフラビン:乳酸菌=1:0.001〜50が好ましく、1:0.005〜30がより好ましく、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、1:0.01〜20が特に好ましい。
【0037】
本発明の経口組成物は、緑茶、紅茶、乳酸菌のみを含むものであってもよいし、上記3成分に加えて、その他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、通常食品として使用されるものであれば限定されず、例えば、ビタミン、ミネラル等の栄養成分、緑茶、紅茶以外の植物由来成分、動物由来成分、機能性糖類、ポリペプチドを挙げることができ、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、ビタミン、植物由来成分、動物由来成分、機能性糖類が好ましく、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンD、大麦若葉、スイカズラ(金銀花)、じゃばら、霊芝、もずく、コンブ、ワカメ、スピルリナ、ラクトフェリン、燕の巣、フコイダン、シアル酸、ムチン、ポリグルタミン酸が特に好ましい。その他の成分の含有量は、本発明の経口組成物の利用形態などに応じて適宜選択することができる。
【0038】
本発明の経口組成物は、免疫強化作用、感染予防作用を得ることを目的とした種々の形態で利用され得る。
【0039】
本発明の経口組成物は、免疫強化作用、感染予防作用の機能がある旨の表示も可能である。このような表示としては、例えば、体に入る前にブロックする、近づくウィルスや細菌を攻撃する、免疫力を高める、免疫力をサポートする、ウィルスや細菌の体内への侵入を防御する、ウィルスや細菌から守る、体の粘膜や唾液を増やし、防御する、などが挙げられる。また、商品名やキャッチコピー、パッケージやwebページ、広告物のデザイン等において、これらの機能を明示・暗示させるものも含まれる。
【0040】
本発明の経口組成物の形態は特に限定されず、任意の形態とすることができる。例えば、経口的な使用に適した形態、具体的には、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、液状、ジェル状、ペースト状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、チュアブル状などの各形態が挙げられ、使用する形態に合わせて、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、着色料、香料、甘味料、添加剤などを配合することができる。本発明の経口組成物は、免疫強化作用、感染予防作用の観点から、顆粒状、液状、ジェル状、チュアブル状が好ましく、顆粒状、ジェル状、チュアブル状がより好ましい。ここで、顆粒状とは粉末を造粒した組成物のことを言い、ジェル状とは水とゲル化剤を含有し、粘性又は弾性を有する組成物のことを言い、チュアブル状とは水を使用せずに服用する錠剤のことを言う。
【0041】
本発明の経口組成物は、口腔内に十分に成分を行きわたらせて摂取することが、唾液の分泌促進作用や口腔内や喉の粘膜量増加作用の観点から好ましい。例えば、本発明の経口組成物がチュアブル状である場合は、口腔内で徐々に溶解させて摂取したり、ゆっくり舐めて摂取するのが良い。また、ジェル状、液状の組成物や、顆粒状組成物を水などに溶解し、摂取する場合は、口に含んだ後に口中全体に組成物を行きわたらせた後、飲み込むと良い。
【0042】
また、本発明の経口組成物の摂取時期は特に限定されないが、感染予防作用の観点から、感染症発症前に摂取するのが良く、また、免疫強化作用の観点から継続的に摂取することが好ましい。
【0043】
本発明の経口組成物の包装形態は特に限定されず、剤形などに応じて適宜選択できるが、例えば、PTPなどのブリスターパック;ストリップ包装;ヒートシール;アルミパウチ;プラスチックや合成樹脂などを用いるフィルム包装;バイアルなどのガラス容器;アンプルなどのプラスチック容器などが挙げられる。
【実施例】
【0044】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
【0045】
<IFN−γ遺伝子発現の評価>
比較例1〜6、実施例1〜15
表1及び2に記載の組成物について、ヒトNK様細胞株を用いてIFN−γ遺伝子の発現量を測定した。各被験物質は下記のものを使用した。
緑茶エキス:カテキンを80%以上含有する緑茶エキスを使用した
紅茶エキス:テアフラビンを1%以上含有する紅茶エキスを使用した
乳酸菌:Lactobacillus crispatus、Lactobacillus casei、Enterococcus faecalisを使用した
大麦若葉:大麦若葉の粉砕末を使用した
スイカズラ:スイカズラの蕾の抽出物を使用した
燕の巣エキス:シアル酸及びムチンを含有する燕の巣エキス末を用いた
ポリグルタミン酸:市販のポリグルタミン酸を用いた
ワカメ抽出物:フコイダンを含有するワカメ抽出物を用いた
スピルリナ:スピルリナの粉砕末を用いた
ラクトフェリン:ミルク由来ラクトフェリンを用いた
じゃばら:じゃばら果実の乾燥粉末を用いた
メントール:市販のメントール香料を用いた
ビタミン:市販のビタミンD3、ビタミンB2、ビタミンB6を用いた
【0046】
表1に記載された組成物を用いて以下の手順でIFN-γ遺伝子のmRNA発現量を測定した。
(1)ヒトNK 様細胞株(KHYG-1)を1.2×10
5cells/wellとなるように播種し、37℃、5%CO
2インキュベーター内で、24時間培養した。
(2)プレートを遠心して細胞を落とし、培地の半量を除去した。終濃度の2倍濃度の被験物質含有培地を250μL/well添加し、37℃、5%CO
2インキュベーター内で24時間培養した。
(3)細胞をエッペンチューブに回収し、140gで5分遠心後、細胞培地を除去してPBSで洗浄する作業を2回繰り返した。
(4)Rneasy Mini Kit(QIAGEN製)を用いてRNAを回収し、ReverTra Ace(R) qPCR RT Master Mix(TOYOBO製)を用いてcDNAを合成した。
(5)得られたcDNAを鋳型として、IFN-γ遺伝子のプライマー(QIAGEN製)を用いて、Rotor-Gene SYBR Green PCR Kit(QIAGEN製)により定量リアルタイムPCRを行い、IFN-γ遺伝子のmRNA発現量を測定した。内在性コントロールとして、ACTINβのプライマー(QIAGEN製)を用いて、ACTINβのmRNA発現量を測定した。比較例1の遺伝子発現量を基準とし、比較例2〜6、実施例1〜15における遺伝子発現量の相対値を算出した。
【0047】
【表1】
【0048】
結果を
図1に示す。IFN-γは、T細胞、B細胞、マクロファージ、NK細胞等の細胞種の活性化、増殖、分化に関与し、病原体の認識や排除を制御することで、様々な免疫応答において重要な役割を果たすことが知られている。
図1より、緑茶エキス、紅茶エキス、乳酸菌のすべてを含有する実施例1〜3は、これらいずれか1種以上を含有しない比較例1〜6と比べて高いIFN-γ遺伝子発現を示した。特に、乳酸菌としてLactobacillus属の乳酸菌を使用することで、優れたIFN-γ遺伝子発現を示した。さらに、緑茶エキス、紅茶エキス、乳酸菌に加えて大麦若葉、スイカズラ、燕の巣エキス、ポリグルタミン酸、フコイダン含有ワカメ抽出物、スピルリナ、ラクトフェリン、じゃばら、メントール香料、ビタミンD3、ビタミンB2、ビタミンB6を配合した実施例4〜15は、比較例1〜6や実施例1〜3と比較して高いIFN-γ遺伝子発現を示した。以上より、本願発明の組成物は緑茶、紅茶、乳酸菌を配合することによりIFN-γ遺伝子の発現が促進されることから、優れた免疫強化作用が期待でき、さらに、緑茶、紅茶、乳酸菌に加えて大麦若葉、スイカズラ、シアル酸、ムチン、ポリグルタミン酸、ビタミン、スピルリナ、フコイダン、ラクトフェリン、じゃばら、メントール香料のうち、少なくとも1種を含有することにより、IFN-γ遺伝子の発現がさらに促進されることから、より優れた免疫強化作用が期待できる。
【0049】
実施例16
下記成分からなるジェル剤を製造した。得られたジェル剤を1日1回、1回あたり10g摂取することで、優れた免疫強化作用、感染予防作用が得られる。
【0050】
【表2】
【0051】
実施例17
下記成分からなるジェル剤を製造した。得られたジェル剤を1日2回、1回あたり10g摂取することで、優れた免疫強化作用、感染予防作用が得られる。
【0052】
【表3】
【0053】
実施例18
下記成分からなるチュアブル剤(1粒あたり1000mg)を製造した。得られたチュアブル剤を1日2回、1回あたり1粒摂取することで、優れた免疫強化作用、感染予防作用が得られる。
【0054】
【表4】
【0055】
実施例19
下記成分からなるチュアブル剤(1粒あたり750mg)を製造した。得られたチュアブル剤を1日3回、1回あたり1粒摂取することで、優れた免疫強化作用、感染予防作用が得られる。
【0056】
【表5】
【0057】
実施例20
下記成分からなる顆粒剤を製造した。得られた顆粒剤1.5gを10gの水に溶解し、1日3回、1回あたり2g摂取することで、優れた免疫強化作用、感染予防作用が得られる。
【0058】
【表6】