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特開2021-137221AR対応物品セット及びこれを構成するAR対応物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-137221(P2021-137221A)
(43)【公開日】2021年9月16日
(54)【発明の名称】AR対応物品セット及びこれを構成するAR対応物品
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/22 20060101AFI20210820BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20210820BHJP
   A47G 23/03 20060101ALI20210820BHJP
   A47G 23/00 20060101ALI20210820BHJP
【FI】
   A47G19/22 Z
   B65D25/20 P
   A47G23/03
   A47G23/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2020-36396(P2020-36396)
(22)【出願日】2020年3月4日
(11)【特許番号】特許第6771795号(P6771795)
(45)【特許公報発行日】2020年10月21日
(71)【出願人】
【識別番号】320000894
【氏名又は名称】株式会社ナイアー
(74)【代理人】
【識別番号】100155158
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 仁
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大輔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 由明
【テーマコード(参考)】
3B001
3B115
3E062
【Fターム(参考)】
3B001AA02
3B001AA29
3B001AA30
3B001BB10
3B001CC02
3B001CC22
3B001DA01
3B001DB20
3B115AA22
3B115AA29
3B115BB05
3B115DC16
3B115EA07
3E062AA10
3E062AB02
3E062BA20
3E062DA02
3E062DA08
3E062DA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】組み合わせて使用又は流通される複数の物品を備えた物品セットであって、組み合わせたときに1つのARマーカーを形成可能に構成されたAR対応物品セット及びこれを構成するAR対応物品を提供する。
【解決手段】AR対応物品セットST1は、AR対応コースター1及びAR対応グラス2を備え、AR対応コースター1のコースター本体10の周縁部10sには、ARマーカーを2分割した一方のARマーカー片11が周方向に沿って等間隔に4つ設けられており、AR対応グラス2のグラス本体20の下端側の外周面には、2分割した他方のARマーカー片21が周方向に沿って等間隔に4つ設けられており、ARマーカー片11及び21は、AR対応グラス2をAR対応コースター1の載置面に載置させたときにそれぞれのARマーカー片11及び21をつなぎ合わせてARマーカーを形成可能に設けられている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組み合わせて使用又は流通される複数の物品を備えたAR対応物品セットであって、
前記複数の物品の各々には、拡張現実(AR)を利用したARコンテンツを提供するシステムに使用されるARマーカーを複数に分割してなる複数のARマーカー片のうちいずれか1つ又は複数のARマーカー片が設けられており、
前記複数のARマーカー片は、前記複数の物品を組み合わせたときにそれぞれの前記ARマーカー片をつなぎ合わせて前記ARマーカーを形成可能に前記複数の物品に設けられていることを特徴とするAR対応物品セット。
【請求項2】
請求項1において、
前記複数のARマーカー片の一部は、複数種類のARマーカーに共通のARマーカー片から構成されているAR対応物品セット。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記複数の物品のうち少なくとも1つには、同一の前記ARマーカー片が複数個設けられているAR対応物品セット。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記複数の物品は、飲用容器と、コースター又はソーサーとを含むAR対応物品セット。
【請求項5】
請求項4において、
複数個の前記ARマーカー片が、前記コースター又はソーサーの周縁部に周方向に沿って所定間隔を空けて設けられているAR対応物品セット。
【請求項6】
組み合わせて使用又は流通される複数の物品を備えたAR対応物品セットであって、
前記複数の物品の各々には、拡張現実(AR)を利用したARコンテンツを提供するシステムに使用される複数種類のARマーカーをそれぞれ複数に分割してなる複数種類の複数のARマーカー片のうち各種1つずつ又は複数ずつのARマーカー片が設けられており、
前記複数種類の複数のARマーカー片は、前記複数の物品を組み合わせたときにそれぞれの同じ種類の前記ARマーカーに対応する前記ARマーカー片をつなぎ合わせて前記複数種類のARマーカーのうち少なくとも1種を形成可能に前記複数の物品に設けられていることを特徴とするAR対応物品セット。
【請求項7】
請求項6において、
前記複数種類のARマーカーの各々の複数のARマーカー片の一部は、前記複数種類のARマーカーに共通のARマーカー片から構成されており、
前記複数種類の物品の一部には、前記共通のARマーカー片のみが設けられているAR対応物品セット。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のAR対応物品セットを構成するAR対応物品であって、前記ARマーカー片が設けられていることを特徴とするAR対応物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組み合わせて使用又は流通可能な複数の物品を備えた物品セットに係り、特に、拡張現実(AR:Augmented Reality)のコンテンツを提供するシステムに使用されるARマーカーの設けられたAR対応物品セット及びこれを構成するAR対応物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、飲用容器と組み合わせて使用されるコースターなどの物品にARマーカーを設けたものがある。例えば、引用文献1には、容器の載置面又はその反対面にARマーカーが設けられたコースターの発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−83244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のコースターは、コースターに設けられたARマーカーに対応するARコンテンツを表示することしかできない。即ち、コースターと容器とがどのような組み合わせであってもコースターに設けられたARマーカーに対応するARコンテンツしか表示しない。特に、コースターに飲用容器を載置したときに、飲用容器によってコースターに設けられたARマーカーが隠れてしまいARコンテンツを表示できない場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、組み合わせて使用又は流通される複数の物品を備えた物品セットであって、組み合わせたときに1つのARマーカーを形成可能に構成されたAR対応物品セット及びこれを構成するAR対応物品を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1のAR対応物品セットは、組み合わせて使用又は流通される複数の物品を備えたAR対応物品セットであって、前記複数の物品の各々には、拡張現実(AR)を利用したARコンテンツを提供するシステムに使用されるARマーカーを複数に分割してなる複数のARマーカー片のうちいずれか1つ又は複数のARマーカー片が設けられており、前記複数のARマーカー片は、前記複数の物品を組み合わせたときにそれぞれの前記ARマーカー片をつなぎ合わせて前記ARマーカーを形成可能に前記複数の物品に設けられている。
【0007】
このような構成であれば、組み合わせて使用又は流通される複数の物品を組み合わせてそれぞれのARマーカー片をつなぎ合わせることで1つのARマーカーを形成することができる。
ここで、組み合わせて使用される複数の物品とは、例えば、グラスとグラスを置くコースター、カップとカップを置くソーサー、カードゲームのカードとカードを置くプレイマット、フライパンとフライパンの蓋、鍋と鍋蓋などの組み合わせて使用される物品が該当する。
【0008】
また、組み合わせて流通される複数の物品とは、例えば、石鹸、お菓子、文房具などの組み合わせて流通されるものが該当する。例えば、これらの物品を包装する箱などにARマーカー片が設けられ、複数の箱のARマーカー片をつなぎ合わせることでARマーカーを形成できるように構成にする。
【0009】
また、ARマーカー片をつなぎ合わせるとは、マーカー片同士をぴったりとつないだり、一方を他方にオーバーラップさせてつないだりすることに加えて、ARマーカー片が文字などの場合は隙間を空けた状態で所定の位置関係で配置することも含む。
〔発明2〕 さらに、発明2のAR対応物品セットは、発明1のAR対応物品セットにおいて、前記複数のARマーカー片の一部は、複数種類のARマーカーに共通のARマーカー片から構成されている。
【0010】
このような構成であれば、複数種類のARマーカーに共通のARマーカー片が設けられた物品に対して、複数種類のARマーカーのうちのいずれか1種のARマーカーに対応する非共通のARマーカー片が設けられた物品を組み合わせることで、複数種類のARマーカーのうちのいずれか1種を形成することができる。
【0011】
〔発明3〕 さらに、発明3のAR対応物品セットは、発明1又は2のAR対応物品セットにおいて、前記複数の物品のうち少なくとも1つには、同一の前記ARマーカー片が複数個設けられている。
このような構成であれば、複数の物品を組み合わせたときに少なくとも1つの物品に複数個設けられた同一のARマーカー片のいずれか1つと他の物品のARマーカー片とをつなぎ合わせてARマーカーを形成することができる。
【0012】
〔発明4〕 さらに、発明4のAR対応物品セットは、発明1乃至3のいずれか1のAR対応物品セットにおいて、前記複数の物品は、飲用容器と、コースター又はソーサーとを含む。
このような構成であれば、例えば飲用容器をコースター又はソーサー上に載置して、飲用容器に設けられたARマーカー片とコースター又はソーサーに設けられたARマーカー片とをつなぎ合わせることでARマーカーを形成することができる。
【0013】
ここで、飲用容器は、ティーカップ、コーヒーカップ等の取手付きの容器、湯呑、グラスなどの取手の無い容器、ペットボトル、ガラスびんなどの飲料を飲むときに用いられる容器が該当する。
〔発明5〕 さらに、発明5のAR対応物品セットは、発明4のAR対応物品セットにおいて、複数個の前記ARマーカー片が、前記コースター又はソーサーの周縁部に周方向に沿って所定間隔を空けて設けられている。
【0014】
このような構成であれば、例えばコースター又はソーサーの周縁部の内径以下の径の飲用容器をコースター又はソーサー上に載置したときに、飲用容器の周囲を囲むようにコースター又はソーサーに設けられたARマーカー片が配置される。
〔発明6〕 一方、上記目的を達成するために、発明6のAR対応物品セットは、組み合わせて使用又は流通される複数の物品を備えたAR対応物品セットであって、前記複数の物品の各々には、拡張現実(AR)を利用したARコンテンツを提供するシステムに使用される複数種類のARマーカーをそれぞれ複数に分割してなる複数種類の複数のARマーカー片のうち各種1つずつ又は複数ずつのARマーカー片が設けられており、前記複数種類の複数のARマーカー片は、前記複数の物品を組み合わせたときにそれぞれの同じ種類の前記ARマーカーに対応する前記ARマーカー片をつなぎ合わせて前記複数種類のARマーカーのうち少なくとも1種を形成可能に前記複数の物品に設けられている。
【0015】
このような構成であれば、組み合わせて使用又は流通される複数の物品を組み合わせて同じ種類のARマーカーに対応するARマーカー片をつなぎ合わせることで複数種類のARマーカーのうち少なくとも1種を形成することができる。
ここで、複数種類のARマーカーの全種を同時に形成できる構成としてもよいし、複数種類のうちの一部(1種も含む)を同時に形成できるようにしてもよい。
【0016】
〔発明7〕 さらに、発明7のAR対応物品セットは、発明6のAR対応物品セットにおいて、前記複数種類のARマーカーの各々の複数のARマーカー片の一部は、前記複数種類のARマーカーに共通のARマーカー片から構成されており、前記複数種類の物品の一部には、前記共通のARマーカー片のみが設けられている。
【0017】
このような構成であれば、複数の物品を組み合わせたときに少なくとも1つの物品に複数個設けられた共通のARマーカー片のいずれか1つと複数種類のARマーカーのうちいずれか1種の非共通のARマーカー片が設けられた他の物品のARマーカー片とをつなぎ合わせて複数種類のARマーカーのうち少なくとも1種を形成することができる。
【0018】
〔発明8〕 また、上記目的を達成するために、発明8のAR対応物品は、発明1乃至7のいずれか1に記載のAR対応物品セットを構成するAR対応物品であって、前記ARマーカー片が設けられている。
このような構成であれば、同じ物品セットに属する他の物品と組み合わせてそれぞれのARマーカー片をつなぎ合わせることでARマーカーを形成することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、発明1のAR対応物品セットによれば、複数の物品を組み合わせた状態でARマーカーを形成することができるので、カメラを搭載した情報通信端末にて、複数の物品を組み合わせた状態でARマーカーを撮像することができるとともにARコンテンツを表示することができる。また、複数の物品間で複数のARマーカー片をつなぎ合わせてARマーカーを形成することができるので、例えば、様々な種類の飲用容器と様々な種類のソーサーとの組み合わせごとに、形成可能なARマーカーの種類を変更することで、組み合わせごとに異なるARコンテンツを提供可能な物品セットを構成することができる。
【0020】
また、発明2のAR対応物品セットによれば、例えば、AR対応物品セットを構成する物品のうち共通のARマーカー片の設けられた少なくとも1つの物品に対して、各種非共通のARマーカー片の設けられた他の物品を組み合わせることで、様々なARコンテンツを提供することができる。その結果、AR対応物品セットを構成する物品のうち少なくとも1つに設けるARマーカー片を1種類にすることができるので、比較的低コストで、複数種類のARマーカーに対応した複数種類の物品セットを構成することができる。
【0021】
また、発明3のAR対応物品セットによれば、複数あるうちのいずれか1つとつなぎ合わせればよいのでARマーカーを形成し易くすることができる。
また、発明4のAR対応物品セットによれば、飲用容器とコースター又はソーサーとを含む物品セットにおいて、上記発明1乃至3のいずれか1と同等の効果が得られる。
【0022】
また、発明5のAR対応物品セットによれば、コースター又はソーサーに設けられたARマーカー片を隠さずに、飲用容器を、コースター又はソーサーの上に載置しやすくすることができる。加えて、飲用容器側にも複数個のARマーカー片を設けることで、飲用容器とコースター又はソーサーとの間で互いの最も近くにあるARマーカー片同士をつなぎ合わせることでARマーカーを形成できるので、ARマーカーを形成し易くできる。
【0023】
また、発明6のAR対応物品セットによれば、上記発明1と同等の効果に加えて、同じ物品セットにて、複数種類のARコンテンツを提供することが可能となる。
また、発明7のAR対応物品セットによれば、共通のARマーカー片の設けられた物品に対して、同じ物品セットに属する各種非共通のARマーカー片の設けられた他の物品を組み合わせることで、様々なARコンテンツを提供可能な物品セットを構成することができる。その結果、比較的低コストで、複数種類のARマーカーに対応した物品セットを構成することができる。
【0024】
また、発明8のAR対応物品によれば、上記発明1の効果と同等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
図2】ARコンテンツ提供サーバ100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】記憶装置42に記憶されている各種管理テーブルを示す図である。
図4】提供者管理テーブル400、ARマーカー管理テーブル410及びARコンテンツ管理テーブル420のデータ構造を示す図である。
図5】ARコンテンツ提供処理を示すフローチャートである。
図6】ARコンテンツ表示処理を示すフローチャートである。
図7】AR物品セットST1の一例を示す図である。図7では、AR対応コースター1とAR対応グラス2とのセットを示している。
図8】(a)〜(c)は、ARマーカーARM1とARマーカー片11及び12との関係を示す図である。同図(a)はARマーカーARM1を示し、同図(b)及び(c)は、ARマーカー片11及び12を示している。
図9】(a)〜(d)は、ARマーカー片の他の組み合わせ例を示す図である。
図10】複数種類のARマーカー片が設けられたAR対応コースター1Aの一例を示す平面図である。
図11】ARマーカー片11及び12をつなぎ合わせてARマーカーARM1を形成する様子を示す図である。
図12】(a)及び(b)は、ARアプリケーションを起動後のユーザ端末200の表示部に表示された表示内容を示す図である。同図(a)では、領域枠600内にARマーカーAM1を捉えた様子を示し、図10(b)では、撮像画像上に重ねて表示されたARコンテンツAC1を示している。
図13】ARマーカー片の他の構成例を示す図である。
図14】ARマーカーが周縁部に設けられたAR対応コースター3の一例を示す平面図である。
図15】AR対応コースター3にグラス4を載置した状態を示す斜視図である。同図中では、ARマーカーAM10を単純形状にデフォルメして記している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔構成〕
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1乃至図12は、本実施の形態を示す図である。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための物品を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施の形態に特定するものではない。
【0027】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図1は、本実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
インターネット199には、図1に示すように、ARコンテンツ提供サービスを提供する企業の管理下にあるARコンテンツ提供サーバ100と、ユーザごとに設置されたユーザ端末200とが接続されている。加えて、ARコンテンツ提供サービスを利用してユーザにARコンテンツを提供する提供者ごとに設置された提供者端末300が接続されている。
【0028】
ここで、AR(Augmented Reality)とは、拡張現実又は拡張現実感と呼ばれる技術であり、コンピューターを用いて、例えば、現実の映像にデジタル情報を加えたコンテンツ(ARコンテンツ)を出力する技術である。
本実施の形態において、ARコンテンツ提供サービスは、提供者端末300を介した提供者からのARマーカー及びARコンテンツのARコンテンツ提供サーバ100への登録を行うサービスを含む。加えて、ユーザ端末200から送信されてきたARマーカーデータを受信し、登録されたARコンテンツのなかから受信したARマーカーデータに対応するARコンテンツを索出し、索出したARコンテンツのデータをユーザ端末200に提供(送信)するサービスを含む。
【0029】
〔ARコンテンツ提供サーバ100のハードウェア構成〕
次に、ARコンテンツ提供サーバ100のハードウェア構成を説明する。
図2は、ARコンテンツ提供サーバ100のハードウェア構成の一例を示す図である。
ARコンテンツ提供サーバ100は、図2に示すように、制御プログラムに基づいて演算及びシステム全体を制御するCPU(Central Processing Unit)30と、所定領域に予めCPU30の制御プログラム等を格納しているROM(Read Only Memory)32と、ROM32等から読み出したデータやCPU30の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM(Random Access Memory)34と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F(interface)38とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス39で相互に且つデータ授受可能に接続されている。なお、I/F38には、ネットワークアダプタの機能も含まれている。
【0030】
I/F38には、外部装置として、ヒューマンインターフェースとしてデータの入力が可能なキーボードやマウス等からなる入力装置40と、データやテーブル等をファイルとして格納する記憶装置42と、画像信号に基づいて画面を表示する表示装置44と、インターネット199に接続するための信号線(図示略)とが接続されている。
【0031】
〔ユーザ端末200のハードウェア構成〕
ユーザ端末200は、例えば、スマートフォン、タブレットなどから構成されており、そのハードウェア構成は、図示省略するが、CPUと、アプリケーションソフトなどのプログラムやプログラムを実行するためのデータ等を格納しているROMと、ROM等から読み出したデータやCPUの演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAMと、付属の各種装置に対してデータの入出力を媒介するI/Fとで構成されている。これらは、データを転送するための信号線で相互に且つデータ授受可能に接続されている。
【0032】
I/Fには、付属の各種装置として、データ入力が可能で且つ画像信号に基づいて画像を表示可能なタッチパネル式の表示入力装置、記憶装置、無線通信装置、ビデオカメラ等の撮像装置210(図1参照)が接続されている。
〔提供者端末300のハードウェア構成〕
提供者端末300は、上記ARコンテンツ提供サーバ100のような据え置き型を想定した端末、または上記ユーザ端末200のようなスマートフォンやタブレットなどの携帯型の端末から構成されている。
【0033】
〔各種管理テーブルについて〕
次に、記憶装置42に記憶されている各種管理テーブルについて説明する。
図3は、記憶装置42に記憶されている各種管理テーブルを示す図である。
記憶装置42は、図3に示すように、提供者情報を管理する提供者管理テーブル400と、登録されたARマーカーデータを管理するARマーカー管理テーブル410と、登録されたARコンテンツデータを管理するARコンテンツ管理テーブル420とを記憶している。加えて、記憶装置42は、図示省略するが、提供者端末300から受信したARマーカーデータ及びARコンテンツデータが登録されたARマーカーライブラリ及びARコンテンツライブラリを記憶している。
【0034】
図4(a)〜(c)は、提供者管理テーブル400、ARマーカー管理テーブル410及びARコンテンツ管理テーブル420のデータ構造を示す図である。
提供者管理テーブル400には、図4(a)に示すように、個人又は法人などのARコンテンツの提供者ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、提供者ID、提供者名、メールアドレス、ログインパスワード、提供者情報の作成日(登録日)及び更新日、その他の情報が登録されている。ここで、提供者IDは、登録された提供者ごとにユニークなIDであり、ログインパスワードは、ARコンテンツ提供サーバ100の提供する提供者専用のページにアクセスするためのパスワードである。
【0035】
ARマーカー管理テーブル410には、図4(b)に示すように、ARマーカーごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、提供者ID、マーカーID、ARマーカーの作成日及び更新日、その他の情報が登録されている。ここで、マーカーIDは、登録されたARマーカーごとにユニークなIDである。
【0036】
ARコンテンツ管理テーブル420には、図4(c)に示すように、ARコンテンツごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、提供者ID、マーカーID、コンテンツID、ARコンテンツの作成日及び更新日、その他の情報が登録されている。ここで、コンテンツIDは、登録されたARコンテンツごとにユニークなIDである。
【0037】
〔ARコンテンツ提供サーバ100の機能について〕
次に、ARコンテンツ提供サーバ100の機能について説明する。
ARコンテンツ提供サーバ100は、CPU30において、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを実行することで実現される機能として、以下の機能を有している。
【0038】
ARコンテンツ提供サーバ100は、インターネット199を介して受信した提供者端末300からの提供者情報を、記憶装置42の提供者管理テーブル400に登録する機能を有している。加えて、インターネット199を介して受信した提供者端末300からのARマーカーデータ及びARコンテンツデータを、記憶装置42のARマーカーライブラリ及びARコンテンツライブラリに登録する機能を有している。さらに、これらARマーカーデータ及びARコンテンツデータの管理情報を、ARマーカー管理テーブル410及びARコンテンツ管理テーブル420に登録する機能を有している。
【0039】
ARコンテンツ提供サーバ100は、さらに、インターネット199を介して受信したユーザ端末200からのARマーカーデータに対応するARコンテンツデータをARコンテンツライブラリから読み出し、読み出したARコンテンツデータをユーザ端末200に送信する機能を有している。
【0040】
〔ユーザ端末200の機能について〕
次に、ユーザ端末200の機能について説明する。
ユーザ端末200は、CPUにおいて、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラム(アプリケーションソフト)を実行することで実現される機能として、以下に示す機能を有している。
【0041】
ユーザ端末200は、ARコンテンツ提供サービス用のアプリケーションプログラムを実行することで、ARアプリケーションを起動し、撮像装置210にて、物品等に設けられたARマーカーを撮像することで、撮像したARマーカーに対応するARコンテンツデータをARコンテンツ提供サーバ100から取得する。そして、取得したARコンテンツデータに基づいてARコンテンツを表示入力装置に表示する機能を有している。なお、ARコンテンツデータは、画像や音楽などのデータから構成されており、ARコンテンツは、撮像画像に重ねて画像を表示したり、表示した画像に合わせて効果音や楽曲を鳴らしたりするものである。
【0042】
〔提供者端末300の機能について〕
次に、提供者端末300の機能について説明する。
提供者端末300は、CPUにおいて、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラムを実行することで実現される機能として、以下に示す機能を有している。
提供者端末300は、ARコンテンツ提供サーバ100の提供する提供者登録用のWebページ(以下、「提供者ページ」と称す)において、入力装置を介した提供者の操作入力に応じて、提供者情報を入力する処理を行う機能を有している。加えて、入力された各情報をARコンテンツ提供サーバ100に送信する機能を有している。
【0043】
提供者端末300は、さらに、提供者ページにおいて、提供者の操作入力に応じて、ARコンテンツデータ及びARコンテンツデータをARコンテンツ提供サーバ100に送信する処理を行う機能を有している。
〔ARコンテンツ提供処理〕
次に、ARコンテンツ提供サーバ100で実行されるARコンテンツ提供処理の処理手順について説明する。
【0044】
図5は、ARコンテンツ提供処理を示すフローチャートである。
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図5のフローチャートに示すARコンテンツ提供処理を実行する。
ARコンテンツ提供処理は、CPU30において実行されると、図5に示すように、まず、ステップS100に移行する。
【0045】
ステップS100では、ユーザ端末200からのARマーカーデータを受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS102に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS102に移行した場合は、受信したARマーカーデータを記憶装置42のARマーカーライブラリに登録されたARマーカーデータと照合して、ステップS104に移行する。
【0046】
ステップS104では、ステップS102の照合結果に基づき、ARマーカーデータがARマーカーライブラリに登録されたデータか否かを判定する。そして、登録されたデータであると判定した場合(YES)は、ステップS106に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0047】
ステップS106に移行した場合は、登録されたARマーカーに対応するARコンテンツデータをARコンテンツライブラリから取得する。そして、取得したARコンテンツデータを、ARマーカーの送信元のユーザ端末200に送信して、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。
【0048】
〔ARコンテンツ表示処理〕
次に、ユーザ端末200で実行されるARコンテンツ表示処理の処理手順について説明する。
図6は、ARコンテンツ表示処理を示すフローチャートである。
ユーザ端末200のCPUは、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラム(ARアプリケーションソフト)を起動させ、そのプログラムに従って、図6のフローチャートに示すARコンテンツ表示処理を実行する。
【0049】
ARコンテンツ表示処理は、ユーザ端末200のCPUにおいて実行されると、図6に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、ARアプリケーションの起動に連動して起動される撮像装置210による撮像が開始されたか否かを判定する。そして、撮像が開始されたと判定した場合(YES)は、ステップS202に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、撮像が開始するまで判定処理を繰り返す。
【0050】
ステップS202に移行した場合は、撮像装置210の撮像画像に重ねて表示された領域枠内の撮像画像の撮像画像データをARマーカーデータとして取得して、ステップS204に移行する。
ステップS204では、ステップS202で取得したARマーカーデータを、ARコンテンツ提供サーバ100に送信して、ステップS206に移行する。
【0051】
ステップS206では、ARコンテンツ提供サーバ100からのARコンテンツデータを受信したか否かを判定する。そして、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS208に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0052】
ステップS208に移行した場合は、受信したARコンテンツデータと、撮像装置210で撮像しているARマーカーの位置情報とに基づいて、撮像画像に重ねてARコンテンツを表示する。その後、ステップS210に移行する。
ステップS210では、撮像画像中の領域枠内からARマーカーが外れたか否かを判定する。そして、外れたと判定した場合(YES)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS208に移行して、ARコンテンツの表示を継続する。
【0053】
ここで、ARマーカーが領域枠内から外れたか否かの判定は、例えば、ARマーカーが撮像されたときの位置情報を記憶しておき、この位置からどれだけ外れたかを判定することで行う。また、例えば、ARコンテンツが得られたときの領域枠内の画像を記憶しておき、この画像と領域枠内の撮像画像とのマッチングを行って判定する。なお、判定方法は、これらに限らず、別の方法を用いてもよい。
【0054】
〔AR対応物品セットについて〕
次に、本実施の形態に係るAR対応物品セットについて説明する。
本実施の形態に係るAR対応物品セットは、組み合わせて使用又は流通される複数の物品から構成されたものであり、これら複数の物品の各々には、ARマーカーを複数に分割してなる複数のARマーカー片のうちいずれか1つ又は複数のARマーカー片が設けられている。
【0055】
以下、組み合わせて使用されるAR対応物品セットについて、具体例を挙げて説明する。
図7(a)及び(b)は、AR対応物品セットST1(以下、単に「物品セットST1」と称す)を示す図である。同図(a)は、AR対応コースター1を示す平面図であり、同図(b)は、AR対応グラス2を示す正面図である。また、図8(a)〜(c)は、ARマーカーARM1とARマーカー片11及び12との関係を示す図である。
【0056】
図7(a)及び(b)に示すように、本実施の形態の物品セットST1は、AR対応コースター1(以下、単に「ARコースター1」と称す)と、AR対応グラス2(以下、単に「ARグラス2」と称す)とを備えている。
ARコースター1は、グラスやティーカップ等の飲用容器を載置するものであって、円盤形状のコースター本体10を備えている。コースター本体10の載置面側の周縁部10sには、周方向に沿って等間隔に4つのARマーカー片11が設けられている。これら4つのARマーカー片11は、例えば、プリント、刻印、描画などによってARコースター1に設けられている。また、コースター本体10は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、シリコンなどの材料から構成されている。
【0057】
さらに、4つのARマーカー片11は、いずれも平面視で略T字形状を成しており、T字の上辺部が周縁部10s内に配置され、T字の下方突出部が周縁部10sから、内側部10c内へとARコースター1の中心に向かって延びた配置となっている。また、内側部10cの中央部のやや上方には、漢字の「魚」と、その下にローマ字の「Sakana」とが設けられている。これら「魚」と「Sakana」とは、例えば、プリント、刻印、描画などによってARコースター1に設けられている。
【0058】
ARグラス2は、正面視で台形を上下逆さにした形状のグラス本体20を備え、その下端側の外周面に、周方向に沿って等間隔に4つのARマーカー片12が設けられている。これら4つのARマーカー片12は、プリント、刻印、描画などによってARグラス2に設けられている。さらに、4つのARマーカー片12は、正面視で略十字形状を成している。
【0059】
ここで、本実施の形態のARマーカー片11及び12は、図8(a)に示すARマーカーARM1を、同図(a)中に示す破線の位置で上下に2分割してなるものである。具体的に、図8(b)に示すように、分割後の上部分がARマーカー片12となっており、図8(c)に示すように、分割後の下部分がARマーカー片11となっている。
【0060】
また、本実施の形態では、各ARマーカー片11と各ARマーカー片12とは、ARグラス2をARコースター1の載置面の中央に載置した状態で、両者をつなぎ合わせることができる形状及び位置関係に構成されている。具体的に、ARマーカー片12の十字の縦棒はARグラス2の下端まで設けられており、ARマーカー片11のT字の下方突出部は、中央に載置されたARグラス2の十字の縦棒の下端に到達する長さに設けられている。
【0061】
また、本実施の形態では、4つのARマーカー片11と4つのARマーカー片12とが、いずれか1組のARマーカー片11とARマーカー片12とをつなぎ合わせることで、4つすべての組のARマーカーAM1を形成できる位置関係に構成されている。
なお、ARマーカー片は、上記のARコースター1及びARグラス2のように、組み合わせて使用される複数の物品の場合は、使用時の形態で組み合わせたときにつなぎ合わせることができる位置に設けることが望ましい。例えば、ARコースター1及びARグラス2の組み合わせであれば、カフェやレストランなどでドリンク商品に付随させてARコンテンツのサービスを提供することができる。また、例えば、ARコースター1の載置面に、ARグラス2を載置する位置をガイドする例えば円状のマークを設けてもよい。
【0062】
ここで、図9(a)〜(d)は、ARマーカー片の他の組み合わせを示す図である。また、図10は、複数種類のARマーカー片が設けられたAR対応コースター1Aの一例を示す平面図である。
上記ARコースター1及びARグラス2に形成するARマーカー片の組み合わせは、ARマーカーAM1を形成するARマーカー片11及び12の組み合わせに限らない。
【0063】
例えば、図9(a)に示すように、物品セットST1において、ARコースター1をそのままに、ARグラス2に代えて、略L字状のARマーカー片22をグラス本体20に設けたARグラス2Aを備える物品セットST2を構成することができる。この構成であれば、ARグラス2AのARマーカー片22とARコースター1のARマーカー片11とをつなぎ合わせてARマーカーAM2を形成することができる。
【0064】
また、図9(b)に示すように、物品セットST1において、ARコースター1をそのままに、ARグラス2に代えて、略Y字状のARマーカー片23をグラス本体20に設けたARグラス2Bを備える物品セットST3を構成することができる。この構成であれば、ARグラス2BのARマーカー片23とARコースター1のARマーカー片11とをつなぎ合わせてARマーカーAM3を形成することができる。
【0065】
また、例えば、図9(c)に示すように、物品セットST1において、ARグラス2をそのままに、ARコースター1に代えて、略L字状のARマーカー片12をコースター本体10に設けたARコースター1Aを備える物品セットST4を構成することができる。この構成であれば、ARグラス2のARマーカー片21とARコースター1AのARマーカー片12とをつなぎ合わせてARマーカーAM4を形成することができる。
【0066】
また、例えば、図9(d)に示すように、ARコースター1Aと、ARグラス2Bとを備える物品セットST5を構成することができる。この構成であれば、ARグラス2BのARマーカー片22とARコースター1AのARマーカー片12とをつなぎ合わせてARマーカーAM5を形成することができる。
【0067】
なお、物品セットST1〜ST4において、ARグラス2、2A及び2Bのグラス本体20の形状、色、模様などのデザインを、それぞれ異なるデザインに構成することもできる。また、物品セットST1〜ST4において、ARコースター1及び1Aのコースター本体10の形状、色、模様などのデザインを、それぞれ異なるデザインに構成することもできる。
【0068】
また、ARマーカー片の他の組み合わせについて、図9(a)〜(d)に示す内容に限らず、これら以外の他の組み合わせとすることもできる。また、ARマーカー片は、T字、十字、L字などの単純形状に限らず、複雑な絵や文字などから構成することもできる。
また、ARコースター1及びARグラス2には、1種類のARマーカー片を4つずつ設ける構成としたが、この構成に限らない。例えば、1種類のARマーカー片を3つ以下ずつ設けてもよいし、5つ以上ずつ設ける構成とすることもできる。
【0069】
また、ARマーカー片は、1つの物品に1種類を設ける構成に限らず、例えば、図10のARコースター1Bに示すように、2種類のARマーカー片11及び12を各種2つずつ設ける構成など、2種類以上のARマーカー片を設ける構成とすることができる。また、設ける数も、各種2つずつに限らず、各種1つずつ又は3つ以上ずつ設ける構成とすることができる。
【0070】
また、ARコースター1BとARグラス2との組み合わせを物品セットST6とすると、物品セットST6は、組み合わせることで2種類のARマーカーAM1及びAM4を同時に形成することができる。
〔動作〕
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図11は、ARマーカー片11及び12をつなぎ合わせてARマーカーAM1を形成する様子を示した図である。また、図12(a)及び(b)は、ARアプリケーションを起動後のユーザ端末200の表示部に表示された表示内容を示す図である。同図(a)では、領域枠600内にARマーカーAM1を捉えた様子を示し、同図(b)では、撮像画像上に重ねて表示されたARコンテンツAC1を示している。
【0071】
ここでは、ユーザが、図7に示す物品セットST1を使用した場合の動作を説明する。
ユーザは、図11の左図に示すように、ARコースター1の載置面上に、飲み物を注いだARグラス2を載置することで両者を組み合わせる。次に、ARコンテンツを利用するために、ARグラス2の載置位置や姿勢を調整して、図11の右図に示すように、ARコースター1のARマーカー片11と、ARグラス2のARマーカー片12とをつなぎ合わせて、ARマーカーAM1を形成する。
【0072】
引き続き、ユーザは、ユーザ端末200を操作して、ユーザ端末200に、ARアプリケーションを起動させ、撮像装置210による撮像を開始させる(ステップS200のYES)。ユーザは、ユーザ端末200の表示画面内に表示された撮像画像を見ながら、図12(a)に示すように、ARマーカーAM1が表示画面内に表示された4つの略L字状のマークから構成された領域枠600内に入るように撮像装置210の撮像位置を調整する。ユーザ端末200は、所定周期で領域枠600内の撮像画像データをARマーカーデータとして取得し(ステップS202)、取得したARマーカーデータをARコンテンツ提供サーバ100に送信する(ステップS204)。即ち、ユーザ端末200は、領域枠600内にARマーカーAM1が入っている場合は、領域枠600内のARマーカーAM1を含む撮像画像データをARコンテンツ提供サーバ100に送信する。
【0073】
一方、ARコンテンツ提供サーバ100は、ユーザ端末200からのARマーカーデータを受信すると(ステップS100のYES)、受信したARマーカーデータを、記憶装置42のARマーカーライブラリに登録されたARマーカーデータと照合する(ステップS102)。引き続き、この照合結果に基づき、受信したARマーカーデータ(厳密にはこのデータに含まれるARマーカーAM1のデータ部分)が登録されたデータであるか否かを判定する(ステップS104)。ここでは、ARマーカーAM1のARマーカーデータが登録されたデータであるとする。したがって、ARコンテンツ提供サーバ100は、受信したARマーカーデータを登録されたデータであると判定して(ステップS104のYES)、受信したARマーカーデータに対応するARコンテンツデータを、記憶装置42のARコンテンツライブラリから取得する。そして、取得したARコンテンツデータを、ARマーカーデータの送信元のユーザ端末200に送信する(ステップS106)。
【0074】
ユーザ端末200は、ARコンテンツ提供サーバ100からのARコンテンツデータを受信すると(ステップS206のYES)、受信したARコンテンツデータと、ARマーカーAM1の位置情報(座標情報)とに基づき、ARコンテンツAC1を撮像画像上に重ねて表示する。具体的に、ユーザ端末200は、図12(b)に示すように、ARコンテンツACとして、潜水状態の魚が同図中の矢印に示すように、ARコースター1の撮像画像であるコースター撮像画像1imの周りを泳いだ後に水しぶきを上げてARグラス2の撮像画像であるグラス撮像画像2imの上までジャンプするアニメーションを表示する。なお、アニメーションに合わせて効果音や楽曲などを、ユーザ端末200の備えるスピーカーから出力してもよい。
【0075】
以降は、領域枠600内にARマーカーAM1を捉えている間は(ステップS208のNO)、ARコンテンツAC1が繰り返し表示され、ARマーカーAM1が領域枠600内から外れた場合(ステップS208のYES)は、ARコンテンツAC1の表示が終了する。
【0076】
〔対応関係〕
本実施の形態において、AR対応コースター1及びAR対応グラス2は、発明8のAR対応物品に対応している。
〔実施の形態の効果〕
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、物品セットST1を、ARマーカー片11が設けられたARコースター1と、ARマーカー片12が設けられたARグラス2とから構成した。ここで、ARコースター1は、円盤形状のコースター本体10の載置面側の周縁部10sから下方突出部が内側部10cの中心方向に向かって延びる略T字形状の4つのARマーカー片11が周方向に沿って等間隔に設けられた構成とした。また、ARグラス2は、グラス本体20の下端側の外周面に略十字形状の4つのARマーカー片12が周方向に沿って等間隔に設けられた構成とした。また、ARマーカー片11とARマーカー片12とは、ARコースター1の載置面の中央にARグラス2を載置した状態で、ARマーカー片11とARマーカー片12とをつなぎ合わせてARマーカーAM1を形成できる構成とした。
【0077】
このような構成であれば、ARコースター1とARグラス2とを、使用時の形態で組み合わせた状態でARマーカーAM1を形成することができる。これにより、ユーザ端末200にて、使用時の形態で組み合わされた状態の物品セットST1に対してARマーカーAM1を撮像することができるとともに、ユーザ端末200の表示画面にARコンテンツAC1を表示することができる。加えて、2つのARマーカー片11及び12をつなぎ合わせてARマーカーAM1を形成する構成としたので、例えば、様々な種類のグラスと様々な種類のコースターとの組み合わせごとに、形成可能なARマーカーの種類を変更することで、組み合わせごとに異なるARコンテンツを提供可能な物品セットを構成することができる。
【0078】
また、ARマーカー片11を、コースター本体10の周縁部に設けたので、ARグラス2をARコースター1に設けられたARマーカー片11を隠さずに載置しやすくすることができる。加えて、コースター側及び飲用容器側にそれぞれ4つずつ同一のARマーカー片を設けるようにしたので、飲用容器とコースターとの間で互いの最も近くにあるARマーカー片同士をつなぎ合わせることでARマーカーを形成できるので、ARマーカーを形成し易くできる。
【0079】
また、本実施の形態では、図9(a)〜(d)に例示したように、ARコースター1又は1Aのコースター本体10に設けるARマーカー片を共通として、ARグラス2、2A及び2Bのグラス本体20に設けるARマーカー片を様々な種類とする構成とした。
このような構成であれば、AR対応物品セットを構成する物品のうち少なくとも1つに設けるARマーカー片を1種類にして、組み合わせごとに異なる種類のARコンテンツを提供可能な物品セットを構成することができる。その結果、比較的低コストで、複数種類ARマーカーに対応した複数種類の物品セットを構成することができる。
【0080】
また、本実施の形態では、図10に例示したように、ARコースター1Bのコースター本体10に、2種類のARマーカー片11及び12を各種2つずつ設ける構成とした。
このような構成であれば、ARコースター1BとARグラス2とを組み合わせた物品セットST6を構成した場合に、1つの物品セットで2種類のARコンテンツを提供することができる。また、ARグラス2の方は共通の1種類のARマーカー片21を設ける構成としたので、比較的低コストで、複数種類のARマーカーに対応した物品セットを構成することができる。
【0081】
なお、ARグラス2側にも2種類のARマーカー片を設けることで、1つの物品セットで4種類のARコンテンツを提供することができる。このように、組み合わせるm種類(mは2以上の自然数)の物品のそれぞれにn種類(nは2以上の自然数)のARマーカー片を設けることで、n種類のARマーカーを形成することができ、n種類のARコンテンツを提供することが可能となる。
【0082】
〔変形例〕
また、上記実施の形態では、ARコースター1及び1Bの形状を、円盤形状とする例を説明したが、この構成に限らない。例えば、平面視で三角形、四角形、五角形、六角形などの多角形の形状から構成してもよいし、ひし形、星形などの他の形状から構成してもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例において、AR対応物品セットを構成する複数のAR対応物品の少なくとも1つに、ARマーカー片に加えて、ARマーカーを設ける構成としてもよい。または、ARマーカー片にARマーカーとしての役割も持たせてもよい。この構成であれば、ユーザは、AR対応物品セットを構成する複数のAR対応物品の一部を無くしたり壊したりしても、AR対応物品単体でARコンテンツを利用することができる。
【0083】
また、上記実施の形態及びその変形例では、コースターとグラスとからなる物品セットを例に挙げて説明したが、この構成に限らない。例えば、コースターとコーヒーカップなど他の種類の飲用容器と組み合わせて物品セットを構成してもよいし、コースターに限らず、ソーサーとコーヒーカップなどのソーサーと飲用容器との組み合わせでAR対応物品セットを構成してもよい。また、ペットボトルやガラス瓶などの他の飲用容器と組み合わせてAR対応物品セットを構成してもよい。また、コースター又はソーサーと飲用容器との組み合わせに限らず、例えばコースター又はソーサーとこれらを置くランチョンマットとの組み合わせや、例えばフライパンとフライパンの蓋、鍋と鍋蓋などの容器と容器の蓋との組み合わせや、例えばカードゲームのカードとカードを置くプレイマットとの組み合わせなど他の物品の組み合わせから物品セットを構成してもよい。
【0084】
また、上記実施の形態及びその変形例では、コースターとグラスの2種類の物品から物品セットを構成する例を説明したが、この構成に限らず、ARマーカーを形成可能な組み合わせであれば3種類以上の物品から物品セットを構成してもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、組み合わせて使用される複数の物品を備えた物品セットを例に挙げて説明したが、この構成に限らず、例えば、組み合わせて流通される複数の物品を備える物品セットに本発明を適用してもよい。具体的に、組み合わせて流通されるお菓子や石鹸などの包装箱にARマーカー片を設け、複数の包装箱を組み合わせることでARマーカーを形成可能な構成とする。以下、具体例を挙げて説明する。
【0085】
ここで、図13(a)〜(c)は、組み合わせて流通される複数の物品を包装する包装箱にARマーカー片を設けた場合の構成例を示す図である。図13(a)に示すように、例えば、立方体形状の3種類のAR対応包装箱5A、5B及び5C(以下、「AR包装箱5A、5B及び5C」と称す)を作成する。これらAR包装箱5A〜5Cには、それぞれ異なる物品が入れられていてもよいし、同じ物品が入れられていてもよい。例えば、同種で香りや味が異なる複数種類の石鹸やお菓子などを種類ごとに異なる包装箱に入れてもよいし、例えば、同種で香りや味が同じ石鹸やお菓子などをそれぞれ異なる包装箱に入れてもよい。
【0086】
AR包装箱5Aの少なくとも1つの面には正面視で略L字形状のARマーカー片51Aが設けられており、AR包装箱5Bの少なくとも1つの面には正面視で略十字形状のARマーカー片51Bが設けられている。加えて、AR包装箱5Cの少なくとも1つの面には正面視で略T字形状のARマーカー片51Cが設けられている。なお、ARマーカー片51Aは、AR包装箱5Aの下端にマーカー片の一部が到達するように設けられ、ARマーカー片51Cは、AR包装箱5Cの上端にマーカー片の一部が到達するように設けられている。また、ARマーカー片51Bは、AR包装箱5Bの上端及び下端にマーカー片の一部が到達するように設けられている。このような構成とすることで、図13(b)に示すように、AR包装箱5A〜5CのARマーカー片51A〜51Cをつなぎ合わせてARマーカーAM6を形成することができる。
【0087】
なお、図13(c)に示すように、AR包装箱5A〜5Cからいずれか1つを抜いて、残り2つのARマーカー片をつなぎ合わせて、ARマーカーAM7、AM8及びAM9を形成できる構成としてもよい。逆にいうと、図13(c)に示す各2つの組み合わせに対して、AR包装箱5A〜5Cのうち組み合わせに無いAR包装箱を1つ足すことで、図13(b)に示すARマーカーAM6を形成できる構成とすることができる。
このように、組み合わせて流通される複数の物品の組み合わせの仕方によって複数種類のARマーカーを形成できる構成としてもよい。なお、製品を入れる包装箱にARマーカー片を設ける構成を説明したが、この構成に限らず、例えば、箱以外の他の包装物や組み合わせて流通される製品本体にARマーカー片を設ける構成としてもよい。
【0088】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、複数の物品に設けられたARマーカー片をつなぎ合わせて1つのARマーカーを形成可能な物品セットについて説明をしたが、ARコースター1の周縁部にARマーカー片を設ける構成は、ARマーカー片に代えてARマーカーを設ける構成にも有用である。以下、具体例を挙げて説明する。
【0089】
ここで、図14は、ARマーカーが周縁部に設けられたAR対応コースター3の一例を示す平面図であり、図15は、AR対応コースター3にグラス4を載置した状態を示す模式的な斜視図である。同図中では、ARマーカーAM10を単純形状にデフォルメして記している。
【0090】
図14に示すように、AR対応コースター3(以下、単に「ARコースター3」と称す)は、円盤形状のコースター本体30を備え、その載置面側の周縁部30sに4つのARマーカーAM10が周方向に沿って等間隔に設けられている。コースター本体30は、上記コースター本体10と同様の材料から構成することができる。また、4つのARマーカーAM10は、周方向の時計回り方向を正方向、反時計回り方向を逆方向として、いずれも正逆方向に線対称となる図形から構成されており、且つ周縁部30s内に収まる形状およびサイズに構成されている。
具体的に、コースター本体の直径を例えば80[mm]とした場合に、各ARマーカーAM10の周方向の長さは例えば40[mm]に構成され、径方向の長さは例えば6.179[mm]に構成される。また、4つのARマーカーAM10は、上記コースター本体10の中心を回転中心とした回転角度で90[°]の等間隔となる位置に周方向の中心位置が来るようにそれぞれ配置されている。例えば、いずれか1つのARマーカーAM10の中心位置を0°とすると、0°、90°、180°、270°の位置にそれぞれ配置されている。そして、これら各周方向の中心位置から周方向の正逆方向にそれぞれ例えば25.044[°](トータルで50.088[°])の角度範囲に亘って配置されている。
また、コースター本体30の内側部30cの中央部のやや上方には、漢字の「魚」と、その下にローマ字の「Fish」とが描かれている。
【0091】
かかる構成によって、図15に示すように、ARコースター3の載置面の中央にARマーカーAM10を隠すことなく例えば底部の直径50[mm]のグラス4を載置することができる。これにより、ARコースター3とグラス4とを使用時の形態で組み合わせた状態でもARマーカーAM10を撮像することができる。
【0092】
なお、上記実施の形態及びその変形例と同様に、ユーザ端末200にてARアプリケーションを起動し、撮像装置210にてARマーカーAM10を撮像して、そのARマーカーデータをARコンテンツ提供サーバ100に送信することでARコンテンツを利用することができる。
【符号の説明】
【0093】
1,1A,1B,3…AR対応コースター、 1im…コースター撮像画像、 2im…グラス撮像画像、 2,2A,2B…AR対応グラス、 4…グラス、 10…コースター本体、10s,30s…周縁部、10c,30c…内側部、 11,12,21〜23,51A〜51C…ARマーカー片、 20…グラス本体、 100…ARコンテンツ提供サーバ、 200…ユーザ端末、 300…提供者端末、 AM1〜AM10…ARマーカー、 ST1〜ST6…AR対応物品セット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2020年8月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組み合わせて使用又は流通される複数の物品を備えたAR対応物品セットであって、
前記複数の物品の各々には、拡張現実(AR)を利用したARコンテンツを提供するシステムに使用されるARマーカーを複数に分割してなる複数のARマーカー片のうちいずれか1つ又は複数のARマーカー片が設けられており、
前記ARコンテンツは、前記物品の撮像画像に重ねて又は前記物品の撮像画像の周辺に表示されるコンテンツであり、
前記複数の物品の一部である第1の物品に複数種類の前記ARマーカーに共通のARマーカー片である共通マーカー片を設け、前記複数種類の物品のうちの残りの物品である第2の物品に前記複数種類のARマーカーに非共通の異なる個別のARマーカー片である個別マーカー片を設け、
1又は複数の前記共通マーカー片及び1又は複数の前記個別マーカー片を含む前記複数のARマーカー片は、前記複数の物品を組み合わせたときにそれぞれの前記共通マーカー片及び前記個別マーカー片をつなぎ合わせて前記ARマーカーを形成可能に前記複数の物品に設けられ
前記システムは、1又は複数の前記共通マーカー片と1又は複数の前記個別マーカー片とをつなぎ合わせてなる複数種類の前記ARマーカーのそれぞれについて異なる前記ARコンテンツを登録し、登録した複数種類の前記ARコンテンツのうち、提供要求のあった前記ARマーカーの種類に対応する前記ARコンテンツを提供するように構成されていることを特徴とするAR対応物品セット。
【請求項2】
請求項において、
前記複数の物品のうち少なくとも1つには、同一の前記ARマーカー片が複数個設けられているAR対応物品セット。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記複数の物品は、飲用容器と、コースター又はソーサーとを含むAR対応物品セット。
【請求項4】
請求項において、
複数個の前記ARマーカー片が、前記コースター又はソーサーの周縁部に周方向に沿って所定間隔を空けて設けられているAR対応物品セット。
【請求項5】
請求項3又は4において、
前記複数の物品は、前記飲用容器と前記コースターとを含み、
前記コースターの前記飲用容器を載置する載置面には、前記飲用容器を載置する位置をガイドするマークが設けられているAR対応物品セット。
【請求項6】
組み合わせて使用又は流通される複数の物品を備えたAR対応物品セットであって、
前記複数の物品の各々には、拡張現実(AR)を利用したARコンテンツを提供するシステムに使用される複数種類のARマーカーをそれぞれ複数に分割してなる複数種類の複数のARマーカー片のうち各種1つずつ又は複数ずつのARマーカー片が設けられており、
前記ARコンテンツは、前記物品の撮像画像に重ねて又は前記物品の撮像画像の周辺に表示されるコンテンツであり、
前記複数の物品の一部である第1の物品に複数種類の前記ARマーカーに共通のARマーカー片である共通マーカー片を設け、前記複数種類の物品のうちの残りの物品である第2の物品に前記複数種類のARマーカーに非共通の異なる個別のARマーカー片である個別マーカー片を設け、
1又は複数の前記共通マーカー片及び1又は複数の前記個別マーカー片を含む前記複数種類の複数のARマーカー片は、前記複数の物品を組み合わせたときにそれぞれの同じ種類の前記ARマーカーに対応する共通マーカー片及び前記個別マーカー片をつなぎ合わせて前記複数種類のARマーカーのうち少なくとも1種を形成可能に前記複数の物品に設けられ
前記システムは、1又は複数の前記共通マーカー片と1又は複数の前記個別マーカー片とをつなぎ合わせてなる複数種類の前記ARマーカーのそれぞれについて異なる前記ARコンテンツを登録し、登録した複数種類の前記ARコンテンツのうち、提供要求のあった前記ARマーカーの種類に対応する前記ARコンテンツを提供するように構成されていることを特徴とするAR対応物品セット。
【請求項7】
請求項1乃至のいずれか1項に記載のAR対応物品セットを構成するAR対応物品であって、前記ARマーカー片が設けられていることを特徴とするAR対応物品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
〔変形例〕
また、上記実施の形態では、ARコースター1及び1Bの形状を、円盤形状とする例を説明したが、この構成に限らない。例えば、平面視で三角形、四角形、五角形、六角形などの多角形の形状から構成してもよいし、ひし形、星形などの他の形状から構成してもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例において、AR対応物品セットを構成する複数のAR対応物品の少なくとも1つに、ARマーカー片に加えて、ARマーカーを設ける構成としてもよい。この構成であれば、ユーザは、AR対応物品セットを構成する複数のAR対応物品の一部を無くしたり壊したりしても、AR対応物品単体でARコンテンツを利用することができる。