【解決手段】使用者の背部と胸部との間を自在に移動させることができるバック1であって、背負いベルト部2と、前記背負いベルト部の後方において一端が固定され、前記背負いベルト部と交差する方向に延び、前記背負いベルト部の前方に延び回され他端が前記背負いベルト部の前方において固定されるガイド部3と、収容部4と、前記収容部に固定され且つ前記ガイド部上を摺動する摺動部5とを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態、実施例に記載された例示にのみ限定されるわけではない。
【0028】
図1は、本実施形態に係るバッグ(以下「本バッグ」という。)1の概略を示す図である。本図で示すように、本バッグ1は、背負いベルト部2と、背負いベルト部2の後方において一端が固定され、背負いベルト部2と交差する方向に延び、背負いベルト部2の前方に延び回され他端が背負いベルト部2の前方において固定されるガイド部3と、収容部4と、ガイド部3に収容部を保持及び摺動させる摺動部5と、を有するものである。なお本実施形態において「バッグ」は、上記の記載及び後述の記載から明らかであるが、荷物を運搬するために収容部、具体的には袋と背負いベルト等の取っ手が付されたものであって、具体的にはリュックサック、ショルダーバッグ、メッセンジャーバッグ、ボディーバッグ等様々な背負うことが可能な背負い肩掛けバッグが該当するが、乳児や幼児を背負ったり抱っこしたりするために使用されるベビーキャリア(おんぶ紐、抱っこ紐ともいう)も、含む概念である。
【0029】
本バッグ1は、固定されたガイド部3を設けることでこのガイド部3において収容部4を摺動(スライド)させることが可能となり、上記発明の効果を達成することができるようになる。詳細については追って説明する。
【0030】
まず、本バッグ1において、背負いベルト部2は、バッグを背負うために使用者が腕を通し肩に掛けるための輪状に形成された帯状の部材である。幅を持った帯状の部材を採用することで、使用者が肩にかけたとしても方に食い込むことが無い。
【0031】
背負いベルト部2の材質はしっかりと帯状を保持することができる程度の硬さを備えたものであることが好ましい一方、ある程度柔軟な部材で構成されていることが好ましく、例えば綿や麻等の天然繊維を用いて構成されていてもよく、また、ポリエステル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維やナイロン等の化学繊維を用いて構成されていてもよい。なお、上記繊維を用いる場合、ある程度の硬さを確保して形状を安定化させるために紙や繊維を集合させて帯状にした芯材を中に配置してもよい。また、背負いベルト部2は、天然皮や合成皮革で構成されていてもよい。
【0032】
本バッグ1では、背負いベルト部は左右に複数設けられていること、具体的には2本設けられていることが好ましい。左右に2本設けることで、左右両方に掛けることが可能となるため、より収容部の一つを安定させ使用者の負担が軽減させることができる。
【0033】
本図の例では右側(本明細書では、使用者が本バッグ1を背負った状態で使用する場合を左右の基準とする)の背負いベルト部21及び左側の背負いベルト部22の2本の例を示している。
【0034】
なお、本実施形態では説明のしやすさのため2本の背負いベルト部を設けた例を示しているが1本であるものとしてもよい。これについては、本図で示すような2本の例を以下詳述した後で改めて説明する。
【0035】
また、本バッグ1において、ガイド部3は、背負いベルト部2に対して固定され、背負いベルト部2と交差する方向に延びるものである。より詳細には、背負いベルト部2の後方において一端31が固定され、背負いベルト部2と交差する方向に延び、背負いベルト部2の前方に延び回され他端32が背負いベルト部の前方において固定される。また、後述の記載からも明らかであるが、ガイド部3は、収容部4を摺動させるガイドとなるものである
【0036】
また、ガイド部3の延びる方向に関し、「背負いベルトと交差する方向」とは、背負いベルト部2が延びる方向に対して垂直な方向が典型的なものであるが製造上の誤差やガイド部の部材の自重や強度などによる傾きは不可避的に発生する。そのため垂直だけではなく、平行ではない角度であれば充分である。ただ、好ましくは、背負いベルトの延伸方向に垂直な方向からプラスマイナス45度以下、好ましくは30度以下の範囲にあることが好ましい。この場合の方向のイメージについて
図2に示しておく。
【0037】
また、ガイド部3は、二つの端部を備えた線状又は帯状のものとなっている。具体的には背負いベルト部2の後方において一端31が固定され、上記の通り背負いベルト部2と交差する方向に延び、背負いベルト部2の前方に延び回され他端32が背負いベルト部の前方において固定される。ここで「背負いベルト部の後方」とは、使用者が背負いベルト部に肩を入れた場合の背中側をいい、「背負いベルト部の前方」とは、使用者が背負いベルト部に肩を入れた場合の胸側をいう。これにより、使用者の背中を通って使用者の胸側(前方)にガイド部3が延び回される。すなわち「延び回される」とは、延びながら使用者の背中(後方)から胸側(前方)に回り込むことをいう。このガイド部3の両端の具体的な位置関係などについては改めて後述する。
【0038】
ガイド部3の構成は、背負いベルト部2と交差する方向で収容部4を摺動させることができる限りにおいて限定されず、線状の部材であっても、帯状の部材であってもよいが帯状の部材であることで、収容部4による重さをより広い接触面積で支持することができるようになるため好ましい。
【0039】
ガイド部3が線状の部材で構成される場合、紐であることも可能であるが、ガイド用の部材としてある程度の硬さを維持するために、樹脂や金属で形成されたレールとすることとしてもよい。レールを用いることで形状を安定化し、レールに摺動可能に保持されるランナーを摺動部材5として採用し、これを収容部4に接続させることで、カーテンレールにより移動するカーテンのように収容部4を移動させることが可能となる。この場合のイメージ図を
図3に示しておく。
【0040】
また、ガイド部3の帯状の部材で構成される場合は、上記背負いベルト部2と同様の帯状の部材を採用することができる。この場合において帯状の部材は、布であることが好ましく、綿や麻等の天然繊維を用いて構成されていてもよく、ポリエステル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維やナイロン等の化学繊維を用いて構成されていてもよい。なお、上記繊維を用いる場合、ある程度の硬さを確保して形状を安定化させるために紙や繊維を集合させて帯状にした芯材を中に配置してもよい。また、天然皮や合成皮革で構成されていてもよい。
図4に、ガイド部3が帯状の部材である場合における本バッグ1(収容部4等の表示を省略したもの。)の概略図を示す。
【0041】
また、本バッグ1において、上記の通りガイド部3は、背負いベルト部2の後方において固定されている。ガイド部3は、背負いベルト部2に対して直接接続、固定されていてもよいが、例えば背当て部6を設け、背当て部6に背当てベルト2を固定するとともにこの背当て部6にもこのガイド部3を固定することとしてもよい。これによってもガイド部3が背負いベルト部2の後方において固定されているということができる。背当て部6を設けることで、背中に直接ガイド部3等が当たるのを防ぎ、背負う際の快適性を確保することができる。なおこの場合において、背負いベルト部2は、背当て部6の前側に固定されていてもよく、後ろ側に固定されていてもよい。また、背負いベルト部2を背当て部6の上端及び下端に接続させて背当て部6を背負いベルト部2の一部として機能させることも好ましい。なお、背当て部6の前方とは、使用者が本バッグ1を背負った際に背中に接する側をいい、背当て部6の後方とは、これと反対側をいう。
【0042】
本バッグ1によると、上記のように、背当て部6を設けることで、背負いベルト部2、ガイド部3の位置関係を安定的に固定できる。また背当て部6を設けることにより、使用者は背中を背当て部に当てることが可能となり快適にバッグを背負うことができる。この場合において背当て部6は、上記背負いベルト部と同様、例えば綿や麻等の天然繊維で構成されていてもよく、また、ポリエステル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維やナイロン等の化学繊維で構成されていてもよい。なお、上記繊維を用いる場合、ある程度の硬さを確保して形状を安定化させるために紙や繊維を集合させて平板状にした芯材を中に配置してもよい。また、背負いベルト部2は、天然皮や合成皮革で構成されていてもよい。なお、上記の通り、背当て部6は設けたほうが非常に好ましい例ではあるが、しっかりと背負いベルト部2とガイド部3、収容部4等が固定可能であれば省略することも可能ではある。
【0043】
また、本バッグ1において、上記の通りガイド部3の一端31は、使用者の背中側(より具体的には背負いベルト部2の後方又は背当て部6の後方)に固定され、他端32は使用者の胸側(より具体的には背負いベルト部2の前方)に固定されていることが好ましい。このようにすることで、背中側から胸側に収容部4を摺動させる道筋を形成することが可能となる。より具体的に説明すると、本バッグ1では、ガイド部3は背中側において背負いベルト部2と交差する方向に延び、胸側に回って固定されるため、この道筋に従い収容部4が背中側から胸側に移動可能となる。
【0044】
また、本バッグ1において、ガイド部3の後端の一端31を使用者の背中側に固定する場合、背中の中心(より具体的には背当て部6の中心又は左右一対の背負いベルト部2の中間位置)に固定してもよいが、左右のいずれかの側(背当て部6の後方の左右いずれかの端部近傍)に偏らせて固定しておくことが好ましく、一方の背負いベルト部2に直接又は背当て部6の一方の端に固定しておくことがより好ましい。下記の記載から明らかとなるが、左右に偏らせることで、収容部4を胸側に持ってくる場合において、胸側のガイド部3の長さが必要以上に長くなり邪魔になるのを防止できる。なおここで、「左」は、本バッグ1を使用者が背負った場合において左側にあることをいい、「右」は、本バッグ1を使用者が背負った場合において右側にあることをいう。
【0045】
また、本バッグ1において、ガイド部3は、使用者の背中、より具体的には背当て部6の後方において延び回され、ガイド部3の前端である他端32は、背負いベルト部2の前方において固定されることが好ましい。より具体的に、ガイド部3の他端32は、背負いベルト部の一方に固定しておくことが好ましい。このようにすることで、ガイド部3を安定的に固定することができる。なお、この場合において他端32は、使用者が本バッグ1を背負う前は背負いベルト2に対し取り外し可能である一方、背負った後で背負いベルト2に固定できるよう着脱可能な構成としてもよい。このようにすることで、本バッグ1を背負う際にガイド部3が邪魔してしまわないようにできる。ただし、収容部4を移動する際このガイド部3が外れてしまわないようしっかりとした固定方法であることが好ましい。この着脱の方法としては特に限定されるわけではないが、例えばバックル、ボタン、カラビナ、フック、スイベル、面ファスナー等を採用することができる。ただし、上記の通り収容部4の荷重に十分耐えられる固定方法である必要がある。
【0046】
また、この場合において、ガイド部3の他端32は、一端31と左右逆の側に接続、固定されていることが好ましく、より具体的には、例えば本図のように、左側の背当て部6の端近傍に一端31が固定されている場合、右前の背負いベルト部に他端32が固定されていることが好ましい。このようにすることで、ガイド部3が不必要に使用者の胸側に長く巻き回されてしまい邪魔になることを防ぐことが可能となる。もちろんこの場合において、左側の背負いベルト部にガイド部3を固定することを否定するものではない。すなわち、ガイド部材の後端と前端は左右が異なるように付されていることが好ましい。
【0047】
また、本バッグ1において、収容部4は、文字通り荷物等を収容することができるものであるが、荷物だけではなく乳児、幼児、動物を収容することとしてもよく、袋状に形成されたものである。収容部4の形状や材質は特に限定されないが、線ファスナー等により空間を閉じることができるものであることが好ましい。また、乳児や幼児を収容するために袋の底部の左右に足を袋外に出すための一対の開放穴が形成されていてもよい。
【0048】
収容部4の材質としては、上記他の構成要件と同様、綿や麻等の天然繊維を用いた布で構成されていてもよく、ポリエステル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維やナイロン等の化学繊維を用いて構成されていてもよい。なお、上記繊維を用いる場合、ある程度の硬さを確保して形状を安定化させるために紙や繊維を集合させた芯材を中に配置してもよい。また、天然皮や合成皮革で構成されていてもよい。
【0049】
また、本バッグ1では、背負いベルト部2の後方において収容部4を固定するための後方固定部7を備えている。これにより、収容部4が落ちることなく使用者に対して固定される。特に、使用者が歩いたとしても収容部4がずれてしまうことがない。具体的に、後方固定部7は、一対の後方固定具71、72を備えており、一方の後方固定具71は収容部4に、他方の後方固定具72は背負いベルト部2の後方又は背当て部6の後方に固定され、一対の後方固定具71、72が組み合わされることで収容部4を確実に保持することができる。一方、この固定を外したい場合、後方固定具71、72を外せばよい。この場合の後方固定部の具体的なイメージについて
図5に示しておく。
【0050】
この後方固定部7を構成する後方固定具71、72の例としてはリング、バックル、ボタン、フック、カラビナ、スイベル、面ファスナー等を例示することができるがこれに限定されず、周知の構成を採用することができる。
【0051】
また、後方固定部7は、上記の他、例えば、収容部4を背負いベルト部2の後方において固定する場合において、収容部4に帯状の面ファスナーを用い、この面ファスナーを使用者の後方から前方に肩の上を延び回して背負いベルト2にくっつける構造としてもよい。
【0052】
また、本バッグ1において、摺動部5は、上記のとおり、ガイド部3に対して収容部4を支持及び摺動させるために用いられるものであり、より具体的に摺動部5は、収容部4に固定されている一方、ガイド部3にも接続されており、ガイド部3に対して収容部4を支持し、摺動させることができる。特に本バッグ1では、上記後方固定部と相まってより確実に収容部4を安定的に保持することができる。
【0053】
より具体的に説明すると、本バッグ1では、後方固定部7による固定を解除すれば、摺動部5に沿って収容部4を移動させることが可能である。すなわち使用者は、収容部4を持ちながら、背中側から胸側に摺動部5をガイド部に対して摺動させつつ移動させることができる。しかもこの際、摺動部5によって収容部4は固定されているため、仮に収容部4から手を離したとしても収容部4が落ちることがない。
【0054】
摺動部5の位置は、収容部4の中心近傍、背当て部6の中心近傍又は背負いベルト2の中心若しくは中間位置に配置しておくこととしてもよいが、位置を偏らせて配置すること、より具体的には収容部4の左右端近傍、背当て部6の左右端近傍又は背負いベルト2の左右一方側に配置しておくこと、更には、ガイド部3が固定される背当て部6又は背負いベルト2の接続端近傍に配置しておくことが好ましい。上このようにすることで、収容部4を前方に移動させた場合でもこの位置が偏った位置となるため、前方に延び回されたガイド部3が短い場合でも十分な展開距離を確保すること(収容部4を十分に使用者の胸側正面まで移動させること)ができ、180度の展開も可能である。
【0055】
摺動部5の構造としても、上記の機能を有する限りにおいて限定されず、ガイド部3の構成によって適宜調整可能である。例えば、ガイド部3が、樹脂や金属などによって構成されたレールである場合、摺動部5としてはこのレールに摺動可能に設けられるランナーを採用することができ、ガイド部3が帯状の部材である場合、この帯状の周囲に巻かれたリングであることが好ましく、より好ましくは帯状のリングである。帯状とすることで使用者の背中に当たったとしても凹凸が少なく、特に背当て部があれば違和感を抑えることができる。なおこのリングの材質としては特に限定されず、上記他の構成のように、ポリエステル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維やナイロン等の化学繊維で構成されていてもよい。なお、上記繊維を用いる場合、ある程度の硬さを確保して形状を安定化させるために紙や繊維を集合させた芯材を中に配置してもよい。また、天然皮や合成皮革で構成されていてもよい。
【0056】
また、本バッグ1では、使用者が収容部4を前方に移動させた後、収容部4を安定した位置で固定させるために、前方固定部8を備えていることが好ましい。前方固定部8を設けておくことで、使用者が歩くなどの動作を行ったとしても、収容部4がずれてしまう虞が少なくなる。
【0057】
具体的に、前方固定部8は、前方固定具を備えており、一方は上記した後方固定具71と共用できる。この前方固定具と一方の後方固定具71とを用いることで、上記後方固定部と同様の機能を実現することができる。なお、この前方固定具は、背負いベルト部2に固定されていることが好ましい。
【0058】
この前方固定部7を構成する前方固定具の例としても、上記後方固定部7と同様に、リング、バックル、ボタン、フック、カラビナ、スイベル、面ファスナー等を例示することができるがこれに限定されず、周知の構成を採用することができる。
【0059】
また、本バッグでは、収容部4は、着脱可能であることとしてもよい。具体的には、摺動部5と収容部4とを着脱可能に取り付けることが可能な取り付け具を備えていてもよい。取り付け具により収容部4は摺動部5と固定される一方必要に応じて外すことが可能となる。この場合の取り付け具としても、上記した各固定具と同様、リング、バックル、ボタン、フック、カラビナ、スイベル、面ファスナー等を例示することができる。この場合、上記取り付け具と、摺動部5、ガイド部3、背負いベルト部2は、収容部4を着脱可能に支持する支持具として機能する。この支持具は、荷物を収容する任意の袋物(収容袋)を支持するために使用することができる。すなわち、本バッグ用の収容部4に限らず、使用者がすでに所有している任意の収容袋を用いてもよい。これにより支持具は、単体として、リュックサック、ショルダーバッグ、ベビーキャリーなど種々の袋物に使用することができ、収容袋を背側と胸側との間を自在に移動できる機能性及び汎用性に優れた道具となる。
【0060】
(動作)
ここで、本バッグ1において、収容部4を背中側(後方)から胸側(前方)に移動させる動作について、実際に人が背負った状態での使用方法で説明する。
【0061】
まず、
図6に、初期状態として背中に収容部4を配置した状態で本バッグ1を背負った状態を示す。この状態では、収容部4は使用者の背中に配置された状態となっており、収容部4は、後方固定部7及び摺動部5によって安定的に保持されている。なお図中(a)は使用者を側面から見た場合の図であり、(b)は収容部4及び使用者の表示を省略して斜め後方から見た場合のイメージ図である。
【0062】
次に、使用者は、後方固定部7による固定を解除する。具体的には、後方固定具71、72による組み合いを解除し、摺動部5のみの接続とする。これにより収容部は摺動部によってのみ保持されることになる。なおこの場合、手を離すことも可能であるが、使用者は収容部4を保持しておくことが好ましい。
【0063】
そして、使用者は、収容部4をつかみ、摺動部5をガイド部3に沿って移動させる。これにより収容部がガイドに沿って動く。なおこの場合、使用者は、一方の腕を上げる程度で収容部を背中から胸側に移動させることができる(
図7参照)。なお、この際使用者が手を離したとしても収容部4は内容物がさかさまになることも、落ちることもない。なお図中(a)は使用者を側面から見た場合の図であり、(b)は収容部4及び使用者の表示を省略して斜め後方から見た場合のイメージ図である。
【0064】
そして、使用者は、収容部4を前方に持ってくることができる(
図8参照)。この動作は非常に簡便である。また、この位置を安定させたい場合、使用者は前方固定部8、具体的には後方固定具71と前方固定具81を組み合わせて位置を固定する。以上により、後方から前方に収容部を安定的にワンタッチで移動させることができる。なお、使用者が収容部4を前方(胸側)から後方(背中側)に移動させたい場合、この逆の動作を行うことで容易に実現可能である。なお図中(a)は使用者を側面から見た場合の図であり、(b)は収容部4及び使用者の表示を省略して斜め前方から見た場合のイメージ図である。
【0065】
ところで、上記の記載は、背負いベルト2が二本ある場合の例を主として説明しているが上述した通り、背負いベルト2は一本であってもよい。この場合の例を
図9に示す。本図中(a)〜(c)は収容部4が使用者の後方(背中側)にある場合を示しており、(a)は使用者を前方から見た状態、(b)は使用者を後方から見た状態、(c)は使用者を後側から見た場合であって、収容部4の表示を省略(点線で表記)した状態をそれぞれ示している。また、(d)〜(f)は収容部4を使用者の前側(胸側)に移動させた場合を示しており、(d)は使用者を前方から見た状態、(e)は使用者を後方から見た状態、(f)は使用者を前方から見た場合であって、収容部の表示を省略(点線で表記)した状態をそれぞれ示している。
【0066】
本図で示すように、一本の場合も上記と同様、簡便に後方から前方に移動させることができる。なおこの場合、ガイド部3と使用者の脇の下の距離は比較的短く、収容部の上部が引っかかる場合もあるが、使用者は腕を上げることで脇の下の空間を確保しつつ収容部4を前方に移動させることで十分対応できる。
【0067】
背負いベルト2が二本ある場合の変形例を
図10に示す。先の例では、
図5に示すように後方固定部7において後方固定具71、72を用いて収容部4を背負いベルト部また背当て部6で支持していたが、これに代えて
図10に示すように収容部4の上方から一端が延在し、他端が背負いベルト部21の前方に着脱可能に連結または付着される帯状部材41を用いることができる。帯状部材41は、背負いベルト部21に着脱可能に連結または付着するための部材41aを有し、例えば、面ファスナーやバックルを用いることができる。面ファスナーを用いる場合は、面ファスナーのフック側またはループ側の一方を背負いベルト部の前方表面に、そして他方を帯状部材41の裏側に取り付ければよい。こうすることで、収容部4の荷重が帯状部材41を介して使用者の肩にかかり、収容部4をしっかりと支持することができる。収容部4を背側から胸側に移動する際に、帯状部材41を背負いベルト部21から引き上げて面ファスナーを剥離し、そのまま帯状部材41を使用者の脇下を通して胸側に引き回すことで収容部4を前方に移動することができる。もう一方の背負いベルト部22の前方に帯状部材41と付着する面ファイスナーのフックまたはループを設けておけば、帯状部材41を背負いベルト部22の前方に固定することができ、前述の前方固定部として作用する。帯状部材41は、一方の背負いベルト部21を覆うように取り付けたが、他方の背負いベルト部22を覆うように取り付けてもよい。これにより一層確実に収容部4を帯状部材41を介して肩で担ぐことができる。
【0068】
以上、本バッグは(1)ワンタッチでの展開が容易で、(2)展開時に収容部がさかさまにならず、(3)省スペースで、重さの分散が効率的に行われ、(4)展開時において展開状態を保つために手で保持する必要がないものとなる。特に、本バッグでは、簡便な部材によって作製することが可能となるため、(5)製作コストが安いといった利点もある。
【0069】
さらに具体的に言及すると、本バッグ1では、固定部を有しており、安定的に収容部を保持することができるとともに、着脱不要のワンタッチ前方移動可能となる。
【0070】
また、本バッグ1は、ベルトを外すことなく前方に展開可能であり、リュックサック本来の形状で再現可能であって、移動させる際にスペースをとらない。さらに、一度の動作でロック・解除可能であり、移動させる際に上下反転しない。また、前方固定具を用いることで、前方の体制でロック可能であるとともに、容易に背面に戻し、後方でもロック可能である。また、展開機構の重量保持に金属部品を用いるような機械構成を必要としていない為、安全かつ製作が容易である。