【課題】 バリの除去を行うに従い、ロールブラシの特定の部分が消耗する。この場合、消耗することでバリの除去が十分に行えなくなるため、ロールブラシ全体を交換する。しかしながら、ロールブラシの一部が消耗したにも関わらず、ロールブラシ全体を交換するのは資源の無駄であり、不経済であること。
本発明の第一の観点は、ブラシの消耗部分を交換できるようにしたことである。ブラシの一部が消耗ないし摩耗した場合、ブラシ全体を交換することが従来の方法であったが、本発明では一部を交換可能な構造とすることで消耗部分のみを交換してブラシ全体の寿命を長くできる。本発明の第二の観点は、ブラシの交換を自在にできるためブラシの全体で強さの強弱を自由に設定できることである。これにより、ブラシの強度を部分ごとに変えることで、様々なワークに対応可能となる。
所定のブラシ毛を植設する複数の金具と、当該金具に設けられ且つ当該金具同士を連結する連結部とを有し、各金具には消耗時期を同じくする所定のブラシ毛を設けることでブラシとして構成し、それぞれ消耗時期が異なるブラシの金具同士を前記連結部で連結してなることを特徴とする組合せブラシ。
【背景技術】
【0002】
一般的なロールブラシは、軸に多数のブラシ毛を植設した構成である。このロールブラシにより、所定のワークのバリを除去する。具体的には、軸を回転機械のチャックに装着し、所定の回転数で且つワークに対してブラシ毛が適切に接触する位置になるように移動させ、ワークのバリをブラシ毛により研削ないし研磨する。これにより、ワークのバリが除去される。
【0003】
バリの除去を行うに従い、ロールブラシの特定の部分が消耗する。この場合、消耗することでバリの除去が十分に行えなくなるため、ロールブラシ全体を交換する。しかしながら、ロールブラシの一部が消耗したにも関わらず、ロールブラシ全体を交換するのは資源の無駄であり、不経済である。
【0004】
本願発明者は上記の大変に問題視しており、係る問題をいかに解決するべきかを鋭意研究している。以下に、本願発明者の本発明に至る動機をそのまま表す。
【0005】
ブラシの種類によっては長期間使用できるブラシもあれば、短期間で使用できなくなるブラシもある。この長期間使用できるブラシと、短期間使用できるブラシが一体化されて販売されています。これにより、短期間で使用できなくなったブラシを処分となりますが、同時に一体化されている長期間使用できるブラシも処分となってしまいます。そこで本発明は、交換ができるようにしたことで、無駄にならないブラシを提供することを目的としたことが特徴である。
使用したいブラシなどが交換することができれば、世界中の一体化され処分されてしまう無駄なブラシや金具・木柄・樹脂柄が利用されることになります。
一般的なほうきや洋服ブラシ、靴磨きブラシ、切り粉や埃払いブラシなどは、樹脂や木柄に一体化され植え込まれた状態で、ブラシ毛が短くなったり、曲がってしまったりすることで処分となってしまいます。工業用ブラシでは、ワークのバリ取りや航空機洗浄ブラシ、列車洗浄ブラシ、車洗浄ブラシ、電気電子でのガラス洗浄や、銅白バリ取り、ハンダボール排除や、錆取り、研磨など多種の企業が使用されていますが、これらの商品は一体化となったブラシを使用されています。もったいないという言葉が今では世界の人達にも知られる言葉となりましたが、使える部分はそのまま利用することでゴミを少なくすることができます。多くの企業がこのもったいないという気持ちをもって頂けるために本発明は交換できるブラシを提供することが特徴のブラシです。
今までブラシ毛素材や、そのブラシ毛素材を利用したブラシなどの特許の取得ができましたが、それは私が産まれたのがブラシ屋としての会社を祖父、父親が歴史を続けていたからです。祖父は木の柄に動植物繊維を植えたブラシを製造販売していました。父親は太平洋戦争後、米軍から呼ばれ銃口手入れブラシや大砲で打った後の手入れブラシを作ってほしいとなり、口径に合わせたブラシを豚毛と隣青銅混毛で制作し販売しました。現在でも同じですが、問題があります。それは戦後70年が過ぎると弊社が制作したブラシを真似して作るのは良いですが、米国では豚毛と隣青銅ではなく、豚毛と黒ナイロンになってしまっています。豚毛が黒く見えたのか黒ナイロンに。これでは打った後、まだ口径の中は熱い状態ですからナイロンを溶かすことになるからです。また、私が韓国に行ったときに、韓国での隣青銅を日本と同じ番定・線径の素材を受け取ったときに、これは日本の隣青銅とは全く違う真鍮線と思えるほど固い素材で、これでは銃口の中を傷付けてしまうというほどの素材でした。なぜ打った後に豚毛と隣青銅の捻りブラシを使用するかというと、打った後の薬莢砥粒をブラシで取り、口径の中は傷を付けないためのブラシとなっているからです。それは、なぜ必要かというと、弾がまっすぐ長い距離を飛べるように考えての豚毛と隣青銅の混毛捻りブラシだからです。この捻りブラシは警察にも口径に合わせた捻りブラシを制作するために弊社に警察官が銃を持ってきて口径に合わせたブラシです。その後、祖父が木柄などに植え込みブラシを製作販売していましたが、金属を利用したチャンネルブラシ製造での特許取得から工業用ブラシを製造販売する一番古い会社として今でも続けています。今から約50年前、1人の男性が弊社に来られ、オートバイを製造しているが、エンジンの中に砥粒が落ち、中に入ってしまうと故障の原因となるため、良いブラシはないですかと話しました。その当時にあったブラシ毛素材では、エンジンのバリ取りができる素材は無かったのですが、米国のナイペル社が製作した樹脂の中にシリコンやアルミナ混入の線があることを知り、父親が米国に飛び、三菱商事を中間に入れ、そのナイペル社が製作したナイブラットの名称のブラシ毛を購入し、その素材でブラシを持って行きました。その企業は、その当時オートバイを製造販売していましたが、現在は車も製造販売している社長の本田宗一郎さんでした。そのブラシをボール盤に取り付け、ワークに当てる前に現場の方々が樹脂ブラシ毛素材でのブラシでバリが取れるかと心配も言いましたが、バリは取れました。これが世界初めのエンジンバリ取りとなり、現在は世界の自動車産業が多くのワークに対してのバリ取りをすることになりました。本田宗一郎さんと父親が至らなければ現在でも故障の多い車やオートバイが走っていたことになります。
今では日本でも樹脂の中に砥粒混入のブラシ毛素材を作っていますし、アメリカ・ヨーロッパ・アジアでも作っていて、これもバリ取りができたために必要となったブラシ毛素材となった訳です。
砥粒混入素材ではない塩ビ素材でマットとして特許も取得しました。マットは企業内での油で転んで怪我をしないためや、作業所で長時間作業する人が疲れないためや、ゴルフ場での泥落としマットしてや、玄関などにも使われました。また、このマットは、冬季オリンピック時に、夏場に訓練がとのことで、その当時のよみうりランド内にジャンプスキー等のコースをマット利用で作りました。これも世界初めての人口スキー場となりました。
ブラシ毛素材でも今は当たり前の直線素材と波線素材があります。昔は直線素材しかありませんでした。その直線素材でロールブラシを作り、鉄鋼企業の鉄板を磨くブラシでしたが、直線素材で当てるとチャンネルとチャンネルの隙間がそのまま鉄板に出て線として鉄板に残ってしまいました。そこで、この隙間をなくすため波線を素材メーカーに注文し作らせ、それでブラシを作ることで直線素材より広がる波線素材を利用することで隙間部分に線が出ることをストップさせるブラシを提供しました。現在、波線素材があるのは当たり前となっていますが、初めはこのような問題をなくすため父親が素材メーカーに作らせた訳です。
また、成田空港内にあるジャンボ洗浄での大きな装置にも弊社のブラシが使用されていますが、この素材については、その素材にするため、どの素材が航空機に傷を付けず洗浄できるかを考えた素材です。空を飛ぶ訳で、傷を付けたり、その傷から錆を発生し穴を開けてしまうという列車洗浄のように陸地を走っているのとは違う訳で、この素材も探し、ロープ材的なモップ素材に何年もかかりましたが、決めることができました。
列車洗浄については、普通の列車とステンレス車両での洗浄ブラシのブラシ毛素材が違います。ステンレス車両は走って戻ってくると、ほかの車両よりゴミを付けて戻ってきます。そのため、素材の中に砥粒が混入している素材になっています。これも世界では日本だけとなっています。
先に記載したバリ取りは難しく簡単ではありません。そのために、ブラシ毛素材も多くの素材を利用しブラシにしてきました。初めは樹脂に研磨砥粒が混入した素材から始まり、今でも使われておりますが、私が特許取得したブラシ毛素材は、樹脂素材のナイロンに研磨砥粒と金属ステンレス砥粒を同時に混入した素材があります。この素材は、金属ブラシ毛素材で手動としてのブラシは問題がありませんが、電動でブラシを回転し、ワークに押し、圧を加え当てていると金属疲労や錆の問題も考えられ、折れて10m〜15m先までそのブラシが飛び、遠くで作業している人に刺さるという問題が何回か発生しましたそのため、金属ブラシ毛を使用せず樹脂素材であれば危険が少なくなるという考え方で、素材メーカーに作らせた素材です。しかし、金属ブラシ毛を利用したブラシは今でも世界で使われています。そこで、この危険防止ブラシ毛素材を次に特許取得したのが、金属ブラシ毛の周りに樹脂でカバーリングし、なお、その樹脂の中にダイヤ砥粒やアルミナ・シリコン等の研磨砥粒を混入したブラシ毛素材です。この素材で今までの金属のみのブラシとカバーリングしたブラシを回転し押圧も同じように当てると、今までの金属のみのブラシの素材は、数十本折れて飛び、カバーリング素材では数本が折れましたが、ごく近くに落ちて危険防止としては、カバーリングの素材は樹脂があるため人に刺さることもないブラシとなりました。
このワイヤー・カバーリング素材は、日本国内でのブラシ企業は知っていますが、世界のブラシ企業は、まだ知らない人達が多くいて、今でも危険な金属のみのブラシを製造販売しているのが現状で、日本のブラシ企業も知っていても金属のみのブラシを販売していることもあり心配しています。
また、この危険防止として考えると金属ブラシ毛がそうですが、最近世界中で問題が起きている世界の海の中に世界中の人が使っている樹脂素材での物が海の中に流されて、今後のブラシ毛素材を考えると、金属素材は土に還りますが樹脂素材は残ります。そのため、別件として特許取得した紙を利用したブラシ毛素材です。紙メーカーに行き作ってもらったのが、日本で使われている水引線の中に、ダイヤモンド砥粒混入線と、酸化セリウム砥粒混入線です。紙素材ですので、燃やすこともできる訳ですし、折れて飛んでも人に刺さるということもありません。この紙ブラシ素材をブラシにすることで、携帯やその他のガラス加工をした側面バリを、初めにダイヤモンド砥粒混入線のブラシを当て、その後、酸化セリウム混入線のブラシを当てることでバリを取り、磨くというブラシとなります。今後は、紙は水・油に弱いですが、水・油にも適した紙に砥粒を混入したブラシ毛を作る動きをしており、それらの紙素材でのブラシを製造し、提供することを進めようとしております。
【0006】
以上が発明者の本発明の創作に至る動機である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る組合せブラシを示す説明図である。同図(a)は組み立て状態を示し、同図(b)は分離状態を示す。この組合せブラシ101は、同図(c)に示すワークWのバリ除去に好適なものである。この組合せブラシ101は、軸の中央付近にカップブラシ201が設けられ、先端に捩りブラシ202が設けられた構造である。
【0015】
前記ワークWは、立方体の側方及び上方から穴を設けた横穴Wa及び縦穴Wbが交差した構造である。バリは、特に縦穴Wbと横穴Waの交差部分Wcに生じる。このバリを上記組合せブラシ101を用いて除去するものとする。組合せブラシ101の有するカップブラシ201は、ワークWの上面かつ穴の周囲に生じたバリを主に除去する。捩りブラシ202は、ワークWの前記縦穴Waと横穴Wbの交差部分Wcに生じたバリを主に除去する。
【0016】
同図(a)及び(b)に示す組合せブラシ101では、本体となる第一軸301の軸方向の略中央位置にカップブラシ201が設けられる。第一軸301の先端には、雌ネジ401が軸方向に設けられる(以下、雌ネジは軸内部に設けられるが説明のため点線又は実線で図示するものとする)。第二軸302の先端には捩りブラシ202が設けられる。第二軸302は第一軸301と同径であり且つ前記雌ネジ401に螺合する雄ネジ402が設けられる。使用の際には、第二軸302を第一軸301に螺合して一体化し、第一軸301の後端を図示しない加工機のスピンドルに装着し、上記のようなワークWのバリ除去を行う。当該ワークWの場合は捩りブラシ202が早く消耗することが多い。捩りブラシ202が消耗した場合、第二軸302を第一軸301から取り外して新しい捩りブラシ202を第一軸301に装着する。
【0017】
また、前記カップブラシ201が早く消耗する場合があるが、その場合も同様に第一軸301から第二軸302を取り外して新しいカップブラシ201と捩りブラシ202とを連結する。このように、消耗の早いほうのブラシを交換することで、消耗が少ないほうのブラシを長く使用できることから、経済的であり且つゴミを削減できる。ブラシの消耗の程度はブラシ毛素材やワークの性状により異なる。このため金具ごとに消耗時期が同じになるようブラシ毛を植設する。そうすれば、金具単位でブラシを交換できる。雌ネジ401及び雄ネジ402により金具どうしの連結部が構成される(以下同じ)。また、本発明の組合せブラシは101は、上記ワークに合うように組合せられたものである。即ち、ワーク毎に専用のブラシを準備しなくても良く、現場でワークにあった組合せブラシを構築できる。
【0018】
図2は、別のブラシ構成を有する組合せブラシを示す説明図である。同図(a)に示す組合せブラシ102は、バリの出方により様々な組み合わせがあるなかの一つの例であり、本体となる第一軸301の軸方向の略中央位置にカップブラシ201が設けられる。第一軸301の先端には、雌ネジ401が軸方向に設けられる。第二軸302の先端にはコイルブラシ203が設けられる。第二軸302は第一軸301と同径であり且つ前記雌ネジ401に螺合する雄ネジ402が設けられる。また、第二軸302の先端には雌ネジ401が設けられ、第三軸302aの雄ネジ402が螺合される。第三軸302aには、トリバリー204が設けられる。
【0019】
使用の際には、第三軸302aを第二軸302に、第二軸302を第一軸301に螺合して一体化し、第一軸301の後端を図示しない加工機のスピンドルに装着し、上記
図1に示したようなワークWに生じたバリの除去を行う。この場合も、早く消耗したブラシを軸ごと外して交換することで組合せブラシ102を長く経済的に且つ無駄なく使用できる。本発明の組合せブラシ102は、ワークWに合わせて自在に組み合わせを設定できるうえ、使用済みのブラシでもまだ使用できるものであれば、別のブラシと組み合わせて他のワークに使用することもできる。
【0020】
同図(b)に示す組合せブラシ103は、上記(a)に示した構成に、混毛ブラシ205を追加した構成である。混毛ブラシ205は、第一軸301と第二軸302との間に連結される。混毛ブラシ205の第四軸302bには上記同様に雌ネジ401、雄ネジ402が設けられる。このように、本発明の組合せブラシ103は、ワークWに合わせて自在に組み合わせを設定できるうえ、使用済みのブラシでもまだ使用できるものであれば、別のブラシと組み合わせて他のワークに使用することもできる。
【0021】
図3は、組合せブラシに用いる交換用のブラシの例を示す説明図である。交換用のブラシは、同図に示すようなものが挙げられる。
同図(a)に示すのは、雄ネジ402を有する軸に設けた捩りブラシである。先端の素材がソフト素材で後方がハード素材となる。
同図(b)に示すのは、雄ネジ402を有する軸に設けた捩りブラシであり、ブラシ毛が混毛となったものである。
同図(c)に示すのは、雄ネジ402を有する軸に設けた捩りブラシであり、その先端が通常のブラシ毛からなり、中間が混毛となり、後方が他の素材との組み合わせとなる。その先端はテーパ状となる。
【0022】
同図(d)に示すのは、雄ネジ402を有する軸に設けたコイルブラシであって、その先端が一般素材のブラシ毛からなり、後方が混毛のブラシ毛となる。
同図(e)に示すコイルブラシは、雄ネジ402を有する軸の先端の周方向に複数設けた植え込みブラシと、後方に設けたチャネルブラシから構成される。
同図(f)に示すブラシは、雄ネジ402を有する軸の先端にサンドペーパーがブラシ毛として用いられ、後方が砥石で構成された構成である。
同図(g)に示すのは、雄ネジ402を有する軸のカップにブラシ毛を設けた筒型ブラシである。なお、図示しないが傘形ないし平形でも良い。
同図(h)に示すのは、同図(g)に示したブラシのカップの周囲に更にブラシ毛を設けた構成のブラシである。先端に設けたのは混毛のブラシ毛であり、カップに設けたのはコイルブラシである。このコイルブラシの先端側から一般素材、ハード素材、混毛素材が配設される。
【0023】
同図(i)に示すのは、大径のカップブラシであり、雄ネジ402を有する軸の先端にワイヤーカバーリング素材で構成されたカップブラシが設けられ、後方にはカップ周囲にコイルブラシが設けられる(カップは図示省略)。
同図(j)に示すのは、雄ネジ402を有する軸に設けたカップブラシの中に丸棒を設け、この丸棒の軸中に雌ネジ401を設けた構成である。丸棒には、直線ブラシが周方向に複数設けられる。
同図(k)に示すブラシのは、雄ネジ402を有する軸の先端にチェーンを設け、当該軸に捩りブラシを設けたものである。ワークの目くら部分(目視できない部分や奥まった穴など)のバリを当該チェーンで除去できる。
同図(l)に示すのは、同図(k)のチェーンの先端に丸棒、三角棒、四角棒等の金属片にダイヤモンド砥粒を電着し、その金属片で目くら部分のバリを除去するものである。
同図(m)に示すのは、雄ネジ402を有する軸に設けた捩りブラシの周りに金属の平鋼線を複数設け、この平鋼線にダイヤモンド砥粒をその全部または先端に或いは所望の場所に電着した構成である。軸に設けたカップにはコイルブラシが設けられる。
【0024】
同図(n)に示すのは、先端に筒型ブラシを設け、その後方に捩りブラシ、コイルブラシ及びカップブラシを設けた構成の組合せブラシである。先端の筒型ブラシにより、ワークの通しになっていない穴底を傷つけないように研磨・研削できる。
【0025】
図4乃至
図8は、組合せブラシに用いる金具の例を示す説明図である。まず、同図に示す組合せ金具は所望のブラシ(例えば
図3に示したブラシ)を装着できる他、金具どうしを自在に組み合わせ可能である。各金具は、金属製であるが樹脂でも製作可能である。なお、木又は紙でも製作可能であるが、ネジ部分は金属製とする又は表面処理を施した硬質面とするのが好ましい。
【0026】
図4に示す金具は主にブラシを実際に設ける金具と連結して延長したり、間隔を設けたりする用途に好適である。同図(a)に示す金具304は、本体の一端に雄ネジ402が設けられ、他端に雌ネジ401が設けられる。また、雌ネジ401を設けた部分は、径の大きい雄ネジ402を螺合するため大径になる。中央部分は小径となり、他の金具のスリーブ等に挿入可能である。また、当該中間部分の長さにより組み合わせた差にブラシとブラシとの間隔を調整できる。
【0027】
同図(b)に示す金具305は、本体の一端に雄ネジ402が設けられ、他端に雌ネジ401が設けられる。雄ネジ402と雌ネジ401の呼び径は同じでもよいし異なるものとしても良い。同図(c)に示す金具306は、本体の両端に雄ネジ402が設けられる。この場合、雄ネジ402の呼び径は両側で同じでもよいし異なるものとしても良い(図示省略)。同図(d)に示す金具307は、本体の両端に雌ネジ401が設けられる。なお、当該雌ネジ401の呼び径は両端側で同じでもよいし異なるものとしても良い。同図(e)に示す金具308は、本体の長さが長いものである。先端には雌ネジ401が形成され、後端にはそのままの径で雄ネジ402が形成される。
【0028】
このように様々な金具を準備しておくことで、組合せブラシがより多くの形状のワークWに対応できるようになる。このため、ワーク毎に専用のブラシを準備しなくても良いので、経済的である。また、上記金具は組合せが自在であるから異なる形状のワークに適用する場合のみならず、金具に設けたブラシが消耗した場合にも交換できるようになる。
【0029】
図5(a)に示す金具309はカップブラシ用でありカップ部351の軸352には同径の呼びの雄ネジ402が設けられる。この金具309は、ブラシ毛(図示省略)をカップ部309に設けてカップブラシとすると共に他の所望の金具に取り付け可能である。例えば、上記
図4の金具の雌ネジ401に螺合して連結できる(図示省略)。
【0030】
また、同図(b)に示す金具310は、カップブラシ用の金具でありカップ部351の軸352には雄ネジ402が設けられると共に、カップ部351の内側中央から前記雄ネジ402の内部にかけて雌ネジ401が形成される。この金具311ではカップ内から別の金具ないしブラシを螺合して連結できる。カップ部351の内側にはブラシ毛が植設されてブラシとなる。
【0031】
同図(c)に示す金具312は、カップブラシ用の金具であり、カップ部351の軸352には雌ネジ401が設けられる。カップ部351の底には軸方向に所定の板厚(少なくとも他の部位よりも厚い)を有し、カップ部351の内側中央から当該板厚部の内部(及び必要により軸内部)にかけて雌ネジ401が形成される。この金具312では、軸後端及びカップ部内に他の金具やブラシを装着できる。例えば、上記
図4の金具の雄ネジ402を螺合して連結できる(図示省略)。
【0032】
同図(d)に示す金具313は、カップブラシ用の金具であり、カップ部351の中央には軸353が設けられる。また、軸353はカップ部351を貫通して他端まで設けられ、その先端から軸353内に雌ネジ401が設けられる。カップ部351の内側と軸353との間にブラシ毛が配設される。さらに、前記雌ネジ401に所望の金具又はブラシが連結される。例えば、
図3に示したブラシや
図4に示した金具のいずれかを連結する。さらに、同図(e)に示すように、前記金具314の軸354の先端位置をカップ部351の端縁より突出させても良い。突出した軸354の先端には雌ネジ401が設けられる。なお、軸352の端部には雄ネジ402が設けられる。
【0033】
図6に示す金具315は、チャネルブラシを組み込むカップブラシで使用されるものであり、金具の構成部品を交換可能にしたものである。同図(a)に示すように、軸355の先端にカップ356が設けられると共に後端に雄ネジ402が設けられる。この雄ネジ402の部分を図示しない所望の金具やブラシに螺合して連結できる。ブラシ毛は、所望のものをカップ356内に植設する。
【0034】
同図(b)に示す金具316は軸357の先端に雄ネジ402が設けられ、円盤状の平板358を螺合しナット板359で固定したものである。軸端はナット板359と略面一になる。ナット板359を外すことで平板358を交換できる。平板358には、例えばチャネルブラシを円環状に装着できる(図示省略)。同図(c)に示す金具319は、軸360の先端に雄ネジ402が形成され且つ円盤状の平板358を先端の雄ネジ402に螺合したものである。軸360の先端は平板358から突出している。先端には別の金具やブラシを装着できる。
【0035】
同図(d)に示す金具318は、軸361の先端に大径の雄ネジ402を設け、この雄ネジ402にカップ362を螺合した構造である。また、雄ネジ402の先端から軸内にかけて雌ネジ401が設けられる。このため、雄ネジ402の部分に別の金具又はブラシを装着できる。同図(e)に示す金具319は、軸363の先端に雄ネジ402が設けられ且つその先端に大径の円盤状の平板358、小径の円盤状の平板364が順次螺合され、ナット板359で固定される構造である。平板358,364には、例えばチャネルブラシが取り付けられる。ナット板359を外すことで平板358、364を交換できる。同図(f)に示す金具320は、軸365の先端に平板358が固定され且つ当該平板358から軸365の内部にかけて雌ネジ401が形成された構造である。雌ネジ401には別の金具やブラシを装着できる。
【0036】
同図(g)及び(h)に示す金具321,322は、ベベルブラシ用の金具である。中央には雌ネジ401が設けられる。この雌ネジ401は、例えば同図(d)の軸の先端の雄ネジ402に螺合して連結できる。ベベルブラシは製法上から同じ素材のブラシ毛を用いる傾向があり混毛の構成が難しい。このため、ベベルカップ自体を他のブラシと組合せすることができればブラシの強さに強弱をつけることができる。例えば、同図(d)の軸の先端にベベルカップを装着し(この場合、ベベルカップには所定のブラシ毛が設けてある)、当該軸の雌ネジ401に
図3に示した所望のブラシを装着する。例えば、ベベルカップのブラシ毛が金属の一般的なブラシ毛であり、内部に設けるブラシのブラシ毛はダイヤモンド粒子を混入したブラシ毛とすれば、外側をソフト、内側をハードに構成できる。
【0037】
図7(a)に示す金具は、円盤の外側に向かってチャネル323aを有するスクラッチブラシの金具323であるが、中央に他のブラシとの連結を行う穴366を設けてある。この穴366の片側又は両側に対して例えば
図3に示したようなブラシを装着することで組合せブラシとして構成できる。この場合も、スクラッチブラシ又は組み合わせたブラシが消耗しても当該ブラシを交換することで長寿命を実現できる。同図(b)に示す金具324は、(a)に示した金具323の穴366に雌ネジ401を設けたものである。
【0038】
図8は、金具の別の例を示す斜視図である。同図(a)に示す金具3は、直線の棒体325の先端に雄ネジ402を形成したものである。同図(b)に示す金具3は、筒状の棒体325の両端に雄ネジ402を形成したものである。同図(c)に示す金具3は、軸326の軸径を異ならしめて段差を設けたものであり、後端に雄ネジ402が形成され、先端に雌ネジ401が形成される。同図(d)に示す金具3は、大径の丸棒からなる軸327の後端に雌ネジ401を形成し、先端に雄ネジ402を突出形成したものである。雄ネジ402の内部には同軸に雌ネジ401が設けられている。
【0039】
同図(e)〜(h)に示す金具3は、差し込み式の金具3である。同図(e)に示す金具3は、長尺の丸棒からなる軸328の先端に径方向断面が正方形の差込軸329を有するものである。同図(f)に示す金具3は、丸棒からなる軸328の先端に径方向断面が十字形の差込軸330を有するものである。同図(g)に示す金具3は、軸328の先端及び後端に径方向断面が三角形の差込軸331を有するものである。同図(h)に示す金具3は、軸328の先端及び後端に径方向断面が蟻溝形の差込穴332を有するものである。差し込み式の金具3は、互いの金具3の差込軸と差込穴との形状が一致している必要があるため、例えばブラシ2の組み合わせを強制できる。即ち、この金具3とこの金具3を接続し、この金具3は接続してはいけない、等の設定を当該差込軸及び差込穴の形状の設定により可能ならしめるのである。なお、前記差込軸及び差込穴によっても連結部を構成できる(以下同じ)。
【0040】
なお、差込軸及び差込穴の形状例については、同図(i)に示すものが挙げられる。差込軸と差込穴との嵌め合いは、仮固定が可能なように中間嵌め又は隙間嵌めとし、差込軸と差込穴との間に接着層を設けても良い。これにより、金具3同士の連結及び分離が可能となり消耗したブラシ2の交換が容易になる。
【0041】
図9乃至
図13は、組合せブラシの例を示す説明図である。この組合せブラシ104は、軸に上記図に示した金具3を使用しており、
図9に示す組合せブラシ104は、第一の金具370の軸の後端が回転機械のチャックに装着する部分となり、金具370の後端側にはロールブラシ270が設けられる。また、チャネル型のコイルブラシ271が先端側に更に設けられる。更にその先端には雄ネジ402が設けられる。なお、図示しないが、このロールブラシ270とコイルブラシ271は異なる金具同士を連結して構成したものでも良い。
【0042】
次に、後端に雌ネジ401を設け且つ先端に雄ネジ402を設けた軸からなる第二金具371の後端にチャネル型の波打ったコイルブラシ272を設け、中間にロールブラシ273を設け、先端に混毛のロールブラシ274を設けたものである。更にその先端には雄ネジ402が設けられる。当該第二の金具371は前記第一の金具370の雄ネジ402と螺合して連結する。
【0043】
更に、第三金具372は、後端に雌ネジ401を設け且つ先端に軸を突出させた構成である。第三金具372にはロールブラシ275が設けられる。この第三金具372は、前記第二金具371の雄ネジ402と螺合して連結できる。この組合せブラシ104では、第一金具370乃至第三金具372に設けたブラシが消耗した場合、各金具を分離して新しいブラシに交換できる。これにより、組合せブラシ104の寿命を長くし、各ブラシを無駄なく使用できる。特に、同図に示した組合せブラシ104は大物のブラシであり、鉄道車両等の掃除等にも使用できる。この場合も特定の部分のブラシが早く消耗しても当該消耗したブラシを交換できるので大変経済的である。また、ワークに合わせて自在に組み合わせを設定できるうえ、使用済みのブラシでもまだ使用できるものであれば、別のブラシと組み合わせて他のワークに使用することもできる。
【0044】
図10は、家庭用ブラシを組合せブラシとしたものを示す説明図である。同図(a)に示す組合せブラシ105はグリップ317の先端に雌ネジ401が設けられる。この雌ネジ401にはチャネルブラシ229、カップブラシ227、ロールブラシ228等の所望のブラシを装着できる。各ブラシには、雄ネジ402が設けられる。この雄ネジ402を先端の雌ネジ401に螺合して装着するものとする。そして、ブラシが消耗した場合は、交換してグリップを再利用する。グリップは樹脂製であるが、金属でも良い。
【0045】
同図(b)に示す組合せブラシ106はハンド型のブラシであり第一本体318はわずかに湾曲し握りやすくなっている。この第一本体318の片面にはブラシ232が植設される。第一本体318の一端には断面十字形状の差込軸321が設けられる。第二本体319はわずかに湾曲し握りやすくなっている。この第二本体319の片面にはブラシ231が植設される。第二本体319の一端には断面十字形状の差込穴322が設けられ、他端には断面が蟻溝形状の差込穴323が設けられる。第三本体320は平面視で矢印形状であり片面にブラシ230が植設される。この第三本体320の後端には断面蟻溝形状の差込軸324が設けられる。この組合せブラシ106は第一本体318、第二本体319及び第三本体320を差込軸及び差込穴で連結して組合せブラシ106として使用する。差込軸は第一本体318及び第二本体319、第二本体319及び第三本体320で異なる形状としているので、組合せ順番を間違うことがない。この組合せブラシ106でも消耗したブラシを交換できるので大変経済的である。また、現場で自在に組み合わせを設定できるうえ、使用済みのブラシでもまだ使用できるものであれば、別のブラシと組み合わせて他のワークに使用することもできる。
【0046】
図11は、ワークに適した組合せブラシの構成例を示す説明図である。同図(a)に示すように、この組合せブラシ107は、下端から先端に傘型のブラシ206が設けられた捩りブラシ207と、一般的な素材による複数種類のブラシ毛を混毛したコイルブラシ208と、研削研磨の能力が高いダイヤモンド砥粒を含むブラシ毛を混毛したコイルブラシ209と、研削研磨の能力が高いシリコンやアルミナ砥粒をブラシ毛に混入したブラシ210と、軸方向にブラシ毛の素材を変更してソフト、ハード、ソフトに構成したコイルブラシ211ないしスクラッチブラシ211と、多種のブラシ毛を植設したカップブラシ212とから構成される。
【0047】
各ブラシ206〜212は、同図に示したワークWの形状とバリの性状に適したものとして組み合わされている。また、各ブラシ206〜212は、
図3に示したような金具3に対してブラシ毛を植設した構成であり、互いの金具が連結可能である。このため、特定のブラシ206〜212が消耗した場合、当該ブラシ206〜212を新しいものに交換して使用できる。なお、各ブラシ206〜212に用いるブラシ毛は、同種、混毛でも良い。またブラシ毛素材は、シリコン、アルミナ砥粒による研磨素材や、ダイヤモンド砥粒による研削素材、酸化セリウム砥粒による磨き素材を混入したものを使用できる。更に、ワイヤーカバーリングにより危険を防止できるブラシ毛素材を使用することもできる。この組合せブラシ107は、図示したワークWに合わせて現場で組み合わせを設定したものであり、また使用済みのブラシでもまだ使用できるものであれば、別のブラシと組み合わせて他のワークに使用することもできる。
【0048】
同図(b)に示す組合せブラシ108は、歯抜け状にした捩りブラシであり、各金具316に対して所望の捩りブラシ213を設けた構成である。当該組合せブラシ108も、ワークWのバリが生じる場所に合わせてブラシ213が配置されたものである。具体的には、下から第一ブラシ213a、第二ブラシ213b、第三ブラシ213cを配設した構成であり、各ブラシ213は同径の円柱状の金具316に捩りブラシ213を設けたものである。捩りブラシ213の場合も金具316の周囲に巻き付けるようにブラシ213を設けることで、金具316の先端及び後端に雄ネジ402又は雌ネジ401を設けることができる(図示省略)。これにより、第一ブラシ213a乃至第三ブラシ213cのいずれかが消耗しても当該ブラシを交換できるので、経済的である。この組合せブラシ108は、図示したワークWに合わせて現場で組み合わせを設定したものであり、また使用済みのブラシでもまだ使用できるものであれば、別のブラシと組み合わせて他のワークに使用することもできる。
【0049】
図12は、カップブラシを組合せブラシとして構成した例を示す平面図である。図示したすべてのブラシにおいて、外側のブラシと内側のブラシとは別の金具に植設された構造であり、各金具を連結して組合せブラシとしたものである。外側又は内側のブラシが円形のものは金具にベベルカップ等を使用できる。内側又は外側のブラシは、さまざまの形状を平板の上に自由に配置するため、チャネル構造にして所定の曲げを行い、当該平板に取り付ける。
図6(e)に示す金具319等が本構成に用いる金具として好適である。
【0050】
係る構成の具体例は次の通りである。同図(a)に示すブラシ214では、円形の平板にチャネルにより円環状にブラシ214を設けた構成である。同図(b)に示すブラシ215では、外側のブラシと内側のブラシとが円形であり、それぞれが平板に対してチャネルにより取り付けられる。また中心には筒型ブラシが設けられる。同図(c)に示すブラシは、円形の平板に対して外側に円環状のブラシが設けられ且つ内側に三角形のブラシが設けられる。同図(d)に示すブラシ217では、円形の平板に対して外側に円環状のブラシが設けられ且つ内側に四角形のブラシが設けられる。
【0051】
同図(e)に示すブラシ218では、歯車形状の平板の外周円に当該形状に曲げたチャネル型のブラシを設け、その内側に円形を四分割したブラシが配置された構成である。同図(f)に示すブラシ219では、三角形の平板に対して外側に三角形のブラシが設けられ且つ内側に筒型ブラシが設けられる。同図(g)に示すブラシ220では、三角形の平板に対して外側に三角形のブラシが設けられ且つ内側にも三角形のブラシが設けられる。同図(h)に示すブラシ221では、四角形の平板に対して外側に四角形のブラシが設けられ且つ内側に四角形を四等分した形のブラシが設けられる。同図(i)に示すブラシ222では、四角形の平板に対して外側に四角形のブラシが45度回転した状態の相似形のブラシが設けられる。
【0052】
同図(j)に示すブラシ223では、八角形の平板に対して外側に八角形のブラシが設けられ、内側には、半円状のブラシが周方向に4つ均等配置されている。同図(k)に示すブラシ224では、円形の平板に花びら形状のブラシを設け、内側に円形のブラシを設けた構成である。同図(l)に示すブラシ225では、円形の平板に渦巻き状にブラシを設けた構成である。同図(m)に示すブラシ226では、四角形の平板の外周に四角形のブラシを設け、内側に円形のブラシを設け、更に内側に三角形のブラシを設けたものである。
【0053】
上記の構成において、外側のブラシと内側のブラシの一方が消耗した場合、平板ごと交換することで組合せブラシを無駄なく使用できるようになる。本構成は、平面のバリを除去するのに好適である。
【0054】
図13は、チャネル型のカップブラシに係る組合せブラシを示す構成図である。同図(a)に示すように、円形の平板の中央に軸334を有すると共に平板350から軸334の内部にかけて雌ネジ401が形成され、且つ、この雌ネジ401にロールブラシ216の金具335の軸に設けた雄ネジ402を螺合させ、組合せブラシ109としたものである。平板350の周縁には、チャネルブラシ218が円形に且つ着脱可能に配置される。また、チャネルの内側には且つ着脱可能に空チャネル219が配置され、この空チャネル219に対してもう一つのチャネルブラシ220が円形に配置される。ブラシ毛の長さ(ブラシの下端の位置)は外側及び内側で一致することから、同図(b)の模式図に示すようにブラシ毛の長さが外側で長く内側で短くなり、その結果、外側がソフト、内側がハードにワークWに当たるようになる。この場合も、消耗したチャネルブラシを交換することで無駄をなくすことができる。
【0055】
また、同図(c)に示す組合せブラシ110のように、更に内側に且つ着脱可能にチャネルブラシ221を円形に配置しても良い。ブラシ毛の下端の位置は、同図(d)の模式図に示すように各ブラシ毛で同じになる。この場合、外側からソフト、ハード、ソフトの強さを有する組合せブラシ110となる。従来は、外側と内側とを異なる強さにする場合、ブラシ毛に混入する砥粒を変えることで対応していたが、当該構成によれば同じブラシ毛により同様の作用効果が得られるものとなる。
【0056】
なお、上記構成において、外側、中央、内側にそれぞれ異なるブラシ毛を設けることができるし、その場合は当該ブラシ毛に応じた強さを有するブラシとなる。この場合も、消耗したチャネルブラシを交換することで無駄をなくすことができる。なお、前記雌ネジ401には、捩りブラシ224が取り付けられる。金具350に対する着脱は、チャネル部分をボルト止めする構成でよい(図示省略)。
【0057】
また、同図(e)に示すように、平板222に対して外周及び内周に、所定間隔で雌ネジ401を複数設けた円環部材223を設け、前記雌ネジ401に対して所望のブラシ270(例えば
図3に示したもの)を連結して組合せブラシ111を構成しても良い。そして、中心軸に設けた雌ネジ401に対して植え込みブラシ225を連結する。同図(f)は、当該組合せブラシ111を下から見た場合の平面図である。この場合も、外周と内周の円環部材223で異なるブラシ毛を有するブラシ270を使用することで強弱をつけることができる。更に、各円環部材223の周方向で異なるブラシ毛を有するブラシ270を取り付けることで、周方向でも強弱をつけることもできる。係る組合せブラシ111でも消耗したブラシ270を交換することで無駄をなくすことができる。
【0058】
また、この組合せブラシ109〜111は、所定のワークに合わせて現場で組み合わせを設定したものであり、また使用済みのブラシでもまだ使用できるものであれば、別のブラシと組み合わせて他のワークに使用することもできる。
【0059】
図14は、差込式の組合せブラシを示す説明図である。この組合せブラシ112はカップブラシであり、金具であるカップ337の外周に円環状のリング体338が設けられ当該リング体338の下面周方向に複数の差込穴339が設けられる。カップブラシ226の中央から軸にかけて雌ネジ401が形成される。この雌ネジ401には別のブラシに係る金具を連結できる(図示省略)。
【0060】
また、リング体338には、更に大径のカップブラシ227を取り付けできる。当該カップブラシ227の上面には、前記リング体338の差込穴339に差し込まれる差込軸340が複数周方向に設けられている。またカップ342の外周に円環状のリング体341が設けられ当該リング体341の下面周方向に複数の差込穴343が設けられる。更に、当該リング体341には、更に大径のカップブラシ228を取り付けできる。当該カップブラシ228の上面には、前記リング体341の差込穴343に差し込まれる差込軸345が複数周方向に設けられている。またカップ346の外周に円環状のリング体347が設けられ当該リング体347の下面周方向に複数の差込穴348が設けられる。
【0061】
前記リング体338,341,347及びカップ337,340,346に設ける差込軸340,345及び差込穴339,343,347は、同図(b)に示すように、その断面を例えば三角形等の非円形としても良い。
【0062】
同図(c)に示す組合せブラシ113は、筒型ブラシ234の外周に円環状のリング体349を設けた構造である。リング体349の下面周方向に複数の差込穴350が設けられる。更に、この筒型ブラシ234に対してカップブラシ235を装着できる。カップブラシ235は、カップ351の上面に前記リング体349の差込穴350に差し込まれる差込軸352が周方向に複数設けられている。またカップ351の外周に円環状のリング体353が設けられ当該リング体353の周方向に複数の差込穴354が設けられ、更に大径のカップブラシを連結可能とする。
【0063】
同図(d)に示す組合せブラシ114はスクラッチブラシ236であり、軸方向に別のスクラッチブラシ237を連結できるようにした構成である。スクラッチブラシ226の軸355には雄ネジ402が設けられ、他の金具に連結可能となる。また、前記軸355の反対側には複数の差込穴357が設けられる。別のスクラッチブラシ237は、中心部材の片面に前記差込穴357に対応した複数の差込軸358が設けられる。その反対側には、複数の差込軸359が設けられ、更に他のスクラッチブラシを連結できる(図示省略)。
【0064】
このスクラッチブラシ236,237を多数連結すると大型のロールブラシとなる(図示省略)。この場合も、消耗した部分のスクラッチブラシのみを交換することで無駄なくブラシを使用できる。更に、ワークに合わせて現場で組み合わせが可能であり、また使用済みのブラシでもまだ使用できるものであれば、別のブラシと組み合わせて他のワークに使用することもできる。
【0065】
図15及び
図16は、本発明の構造を用いた別の組合せブラシを示す構成図である。この組合せブラシは、
図15に示すように複数の部品から構成される。同図(a)に示す組合せブラシの金具360は、カップ361の軸の後端に雄ネジ402を設け、カップ内側から軸の内部にかけて雌ネジ401を設けた構成である。同図(b)に示す補助金具362は、長尺及び短尺の棒体の後端に雄ネジ402を設け且つ先端に雌ネジ401を設けた構成である。また、同図(c)に示すように、補助金具には単純な筒体の補助金具363及び棒体の補助金具364がある。
【0066】
更に、同図(d)に示すように、筒状の回転軸365の外周に複数のフラップ状のブラシ板51を設けてブラシ240を構成しても良い。このブラシ板51は、同図(e)に示すように、3枚、4枚を回転軸365の周方向に均等配置したものでも良い。なお、図示しないが前記ブラシ板51は6枚、8枚及びそれ以上であっても良い。このブラシ板51は紙製とするのが好ましい。なお、木、樹脂、薄い金属であっても良い。なお、前記ブラシ板51は、ブラシ自体を構成することもあれば、他のブラシ毛と組み合わされて全体としてブラシを構成することもある。
【0067】
図16は、
図15の金具及びブラシ板を用いて構成した組合せブラシを示す説明図である。この組合せブラシ115は、
図16(a)に示すように、
図15に示したカップを有する金具360に2枚のブラシ板51を有するブラシ240を装着すると共に異なるブラシ毛を前記ブラシ板51により分割された領域にぞれぞれ設けた構成である。また、
図16(b)に示すように、3枚のブラシ板51を有するブラシ241をカップ360内に設けてカップ360内を3分割した場合はそれぞれの領域に異なるブラシ毛を設ける。同様に、
図16(c)に示すように、4枚のブラシ板51を有するブラシ242をカップ360内に設けてカップ360内を4分割した場合はそれぞれの領域に異なるブラシ毛を設けた構成とする。
【0068】
このように構成した組合せブラシは、ブラシ毛による研磨・研削効果の他、ブラシ板51による特有の研磨研削の効果が得られる。
【0069】
次のブラシ243の構成は、
図16(d)に示すように、カップ360に所望のブラシ毛を植設したものである。カップ360の中央には筒体の金具363が取り付けられる。この筒体の金具363の中央に植え込みブラシ244を挿入して装着する。図中には、植え込みブラシ244を挿入する方向を示す。植え込みブラシ244のブラシ毛をハード又はソフトにすることでワークWへのあたりを変えることができる。
【0070】
また、
図16(e)に示すブラシ245のように、カップ360に4枚のブラシ板51を有する金具365を設けると共にその中央の穴に筒体の補助金具363に設けた植え込みブラシ246を挿入して装着する。図中には、植え込みブラシ246を挿入する方向を示す。この植え込みブラシ246の先端はテーパ状になっており、ブラシ毛の先端位置から突出する。この植え込みブラシ246のブラシ毛をハード又はソフトにすることでワークWへのあたりを変えることができる。
【0071】
また、
図16(f)に示すブラシ247のように、穴なしの棒体の補助金具364の端部にブラシ毛を植設し、カップ360の中心に挿入した構成であっても良い。このカップ360は、通常のカップブラシのカップよりもサイズが小さいものであるため、前記補助金具364の周囲に配置するブラシはチャネル型のものとする。この場合も、前記ブラシ毛をハード又はソフトにすることでワークWへのあたりを変えることができる。
【0072】
次に、
図16(g)に示すブラシ250のように、カップ360に2枚のブラシ板51を有する金具365を設けると共にその中央の穴に前記ブラシ244(同図(d)に示したもの)を挿入して装着するようにしても良い。ブラシ板51の間には、ブラシ毛が植設される。当該ブラシ毛の端部の位置は一致している。また、中央の穴に前記ブラシ248(同図(f)に示したもの)を挿入固定しても良い。
【0073】
更に、
図17に示す組合せブラシ120は、カップ370にチャネルによりブラシ260を設け、カップ370内の軸に対して4枚のブラシ毛を板状に並べたブラシ板52を周方向に4つ均等配置すると共に、先端に捩りブラシ261を差し込んだ構成である。カップ370の中央には雌ネジが形成されており、ブラシ板52を設けた金具371の軸端に設けた雄ネジを螺合する。当該軸の先端には小径の雌ネジが設けられ、捩りブラシ261の軸372に形成した雄ネジを螺合して連結する。この組合せブラシ120では、ブラシが交換可能であるから、経済的である。また、ブラシ板52のブラシ毛には、紙、木、樹脂、金属を使用できる。
【0074】
図18は、本発明に係る組合せブラシに用いることができるブラシ毛の例を示す説明図である。
図18(a)に示すブラシ毛素材は、例えば自己修復プラスチック製ブラシ毛素材であり、当該樹脂素材の傷を修復するための補修材(ポリフェニレン・エーテルや、ポリカーボネート等)が混ぜられ、さらに、ダイヤモンド砥粒、金属砥粒、または、その他の研磨砥粒(前記のその他の研磨砥粒とは、例えば、シリコンカーバイド、アルミナ、セラミックス、セラミックスアルミナ、セラミック酸化アルミニウム、ジルコニア、ジルコニウム、アルミニウムトリハードライト、ボロンカーバイド、ボロンナイトライド、酸化セリウム、ガーネット、硬質ガラス、水晶などの内の少なくとも一種類をいう。)の内の少なくとも1種類(図ではダイヤモンド砥粒とその他の研磨砥粒)が混入されたものが射出成形によりブラシ毛に成形されたものである。
【0075】
自己修復プラスチック製ブラシ毛素材は、樹脂素材の中に、該樹脂素材の傷を修復するための補修材が混ぜられて射出成形されてブラシ毛に成形されたものである。前記ブラシ毛は、樹脂素材がポリフェニレン・エーテル(PPE)であれば、Cu−アミン触媒と水素が、前記樹脂素材(PPE)の傷を修復するため補修材として作用する。ポリフェニレン・エーテルの自己修復作用については、「内田一路・南谷千城・武田邦彦の三名により高分子学会予稿集48巻4号に発表された論文「題名:人工代謝材料の主鎖の切断により劣化したポリマーの自己代謝機構の研究」、「芝浦工業大学大学院工学研究科材料工学専攻武田研究室により1999年ポリマー材料フォーラムで発表された論文「題名:主鎖の切断により劣化したポリマーの自己修復機構の研究」に記載されている。
【0076】
前記論文には、樹脂素材の中に、該樹脂素材の傷を修復するための補修材が混ぜられて成形された場合、樹脂素材が自己修復作用を有するようになるということについて、「ポリフェニレン・エーテル(PPE)の切断によるラジカルが水素供与体から水素を供与されて安定化し、Cu−アミン触媒が作用して修復が行われる。」という主旨の記載がある。なお、樹脂素材と補修材を組合せて、樹脂素材が自己修復作用を有する別の例として、樹脂素材にポリカーボネートを使用し、前記樹脂素材の傷を修復するため補修材として炭酸ソーダを作用させるものがある。
【0077】
図18(b)に示すブラシ毛素材は、自己修復プラスチック製ブラシ毛素材であって、自己修復プラスチック製ブラシ毛素材の表面に、ダイヤモンド砥粒、金属砥粒、または、その他の研磨砥粒の内の少なくとも1種類(図ではダイヤモンド砥粒と金属砥粒)が混入されているか、または、自己修復プラスチック製ブラシ毛素材の表面に、コーティングされているものである。前記コーティングは、塗布、メッキ、溶着等により行われる。
【0078】
上記の自己修復プラスチック製ブラシ毛素材は、帯電され易いので、前記帯電された静電気を除去できるように、導電材が使用されている。即ち、前記自己修復プラスチック製ブラシ毛素材は、導電材が中に、混入された状態で成形されたり、成形後に導電材を前記自己修復プラスチック製ブラシ毛素材の表面に混入させたり、コーティングされる。
【0079】
図18(c)に示すブラシ毛素材は、自己修復プラスチック製ブラシ毛素材であり、形状記憶材が使用されている。即ち、同図において、自己修復プラスチック製ブラシ毛素材は、形状記憶合金線を心材として、その表面に自己修復プラスチック製ブラシ毛素材が成形されたものである。この自己修復プラスチックブラシ毛素材は、ダイヤモンド砥粒、金属砥粒、または、その他の研磨砥粒が全く混入されないで成形されても良いが、ダイヤモンド砥粒、金属砥粒、または、その他の研磨砥粒の内の少なくとも1種類(図ではダイヤモンド砥粒)が混入されて成形されても良い。
【0080】
図18(d)に示すブラシ毛素材は、1本の線状体のブラシ毛素材、または複数本の線状体のブラシ毛素材が把ねられその周りに、別のブラシ毛素材が巻付けられて形成されているブラシ毛である。
【0081】
図18(e)に示すブラシ毛素材は、ブラシ毛素材より径の細いブラシ毛素材を網組みして筒状体に形成されているブラシ毛である。
【0082】
図18(f)に示すブラシ毛素材は、自己修復プラスチック製ブラシ毛素材であり、自己修復プラスチック製ブラシ毛素材の少なくとも1種類に形状記憶合金線が混毛されて形成されたもので、撚り合せて太い線状に形成されている。
【0083】
図18(g)及び(h)に示すブラシ毛素材は、ブラシ毛の先端に金属粘土素材を取付けて燒結して形成した自己修復プラスチック製ブラシ毛素材の例を示す概略図である。
図18(g)において、自己修復プラスチック製ブラシ毛素材は、片側一端に球状の金属粘土素材(純金属または合金の1種以上からなる金属微粉末と有機系バインダと水等を混練してなる)が取付けられて電気炉、電子レンジ、バーナーにて焼結される際に、有機系バインダと水が除去されて燒結金属に形成されたもので、金属粘土素材の中には、ダイヤモンド砥粒、金属砥粒、または、その他の研磨砥粒の内の少なくとも1種類(図ではその他の研磨砥粒)が混入されている。
【0084】
また、
図18(h)において、自己修復プラスチック製ブラシ毛素材は、一端に球状の金属粘土素材が取付けられ、また、他端に球状の金属粘土素材が取付けられて電気炉、電子レンジ、バーナーにて焼結される。自己修復プラスチック製ブラシ毛素材は、前記焼結において、有機系バインダと水が除去されて燒結金属が形成されるもので、金属粘土素材の中には、ダイヤモンド砥粒、金属砥粒、または、その他の研磨砥粒の内の少なくとも1種類が混入されている。
【0085】
また、
図18(i)に示すブラシ毛素材は、金属粘土素材の中に金属砥粒が混入され、金属粘土素材の中にその他の研磨砥粒が混入されている。アルミナ繊維を主成分とする部材は、円筒状に成形されており、ダイヤモンド砥粒、金属砥粒、および研磨砥粒の少なくとも1種類が混入されている。中心には、軸方向に金属のブラシ毛が設けられる。更に、等間隔に環状の金属製のブラシ毛が内包される。
【0086】
また、
図18(j)に示すブラシ毛素材において、アルミナ繊維を主成分とする部材は、ダイヤモンド砥粒および金属砥粒の少なくとも1種類が混入されて、先端部がテーパー状に成形されている。中心には、軸方向に金属のブラシ毛が設けられる。更に、等間隔に環状の金属製のブラシ毛が内包される。
【0087】
また、
図18(k)に示すブラシ毛素材において、 アルミナ繊維を主成分とする部材は、円筒状に成形されており、ダイヤモンド砥粒、金属砥粒、および研磨砥粒の少なくとも1種類が混入されている。
【0088】
また、
図18(l)に示すブラシ毛素材おいて、アルミナ繊維を主成分とする部材は、ダイヤモンド砥粒および金属砥粒の少なくとも1種類が混入されて、先端部がテーパー状に成形されている。
【0089】
図18(m)及び(n)に示すブラシ毛素材において、自己修復プラスチック製ブラシ毛素材の端部形状は、同図(m)で示すように一端だけが他の部分より径の大きな球状に形成されたものであったり、または、同図(n)で示すように両端が他の部分より径の大きな球状に形成されたものであっても良い。
【0090】
図18(o)及び(p)に示すように、ブラシ毛素材は、一端または両端が先割れ状に形成された形状の自己修復プラスチック製ブラシ毛素材であっても良い。
【0091】
図18(q)及び(r)に示すように、ブラシ毛素材は、一端または両端がテーパ状に形成された自己修復プラスチック製ブラシ毛素材であっても良い。
【0092】
図18(s)に示すブラシ毛素材は、樹脂のブラシ毛素材の芯線にカーボンナノチューブを使用したものである。軽量で機械的強度が高いことから研磨に適したものとなる。
【0093】
図18(t)に示すように、上記ブラシ毛素材の断面形状は略丸形のものについて図示したが、この他に、同図(t)に示すように三角形、四角形、六角形、八角形等の多角形、楕円形、十字形、瓢箪のようなメガネ形、四葉のクローバ形(または、図示しない三つ葉クローバ形)に成形しても良い。
【0094】
以上、本発明の組合せブラシ10では、消耗したブラシ2を交換して無駄をなくす点に特徴があるが、ワークWのバリが生じる部分に合わせて組合せブラシ10を適宜構成できる点にも特徴がある。従来ではワーク毎にブラシ2を準備する必要があったため、ブラシ2を余分に購入したり或いはバリ除去の途中でブラシ2が不足したり不便が多かった。これに対し、本発明の組合せブラシ10は、同一又は異なるブラシ2を有する金具3を多数準備しておくことで、ワークWに合わせて現場で適切なブラシ2を構築できる。このため、ワーク毎にオーダーメイド的にブラシ2を製作する必要がないため、コスト低減や無駄な発注の防止が可能になる。そして、使用が終了した場合、金具3を分離してまだ使用できるブラシ2を別のワークWに用いる組合せブラシ10として組み立てて使用できるため、経済性と現場対応性に大変資するものである。