内骨格を有する部位を内包する外骨格構造に、統一的な構成配置の着脱装置と人工筋装置を用いて、外骨格と内骨格の幾何学的な関係に基づいた、関節角の時系列データの保存と操作ができる制御システムを設けた外骨格装置を提供する。
内骨格を有する部位を内包する殻型の構造を半割した外骨格構造と、外骨格構造を身体に装着するための着脱装置と、着脱装置により身体に装着した隣り合う外骨格構造を、板バネ、直動DCモーター、直動DCモーターと制御装置の格納箱、人工筋装置用バネ、力センサー、及びソフトウエア・ダンパー駆動プログラムを内蔵したマイコン装置、ドライバー、蓄電池を配置した複数個の人工筋装置により連結して、着脱装置と人工筋装置を外骨格構造に統一的に配置して、外骨格と内骨格の幾何学的な関係に基づいた、関節角の時系列データの保存と操作ができる制御システムを設けた外骨格装置を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような従来の欠点に鑑み、内骨格を有する各部位を内包するための外骨格装置であって、内骨格を有する部位を内包する殻型の構造を半割した外骨格構造と、外骨格構造を身体に装着するための着脱装置と、着脱装置により身体に装着した隣り合う外骨格構造を、ソフトウエア・ダンパー駆動プログラムを内蔵させたマイコン装置を内装した人工筋装置で連結して、外骨格と内骨格の幾何学的な関係に基づいた、関節角の時系列データの保存と操作ができる制御システムを設けた外骨格装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
図9の内骨格74、75を有する各部位を内包するための
図1の外骨格装置100であって、内骨格を有する部位を内包する殻型の構造を半割した
図4の外骨格構造150と、外骨格構造を身体に装着するための
図5の着脱装置と、着脱装置により身体に装着した隣り合う外骨格構造を
図6、
図7の人工筋装置で連結してなる外骨格装置であることを主な特徴とする。
【0008】
そして、人工筋装置は、着脱装置の機構に加えて、
図6の板バネ51、直動DCモーター52,53,59、直動DCモーターと制御装置の格納箱54、人工筋装置用バネ56,57、直動DCモーターの両側のバネの先端に設置する力センサー60,61、及びソフトウエア・ダンパー駆動プログラムを内蔵したマイコン装置63、ドライバー64、蓄電池65を配置した複数個の人工筋装置300による、統一的な構成の、着脱機能と人工筋機能を設けた外骨格装置であることを特徴とする。
【0009】
また、内骨格を有する各部位を内包する外骨格構造150に、外骨格と内骨格の幾何学的な関係に基づいた、関節角の時系列データの保存と操作ができる制御システムを設けた外骨格装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の外骨格装置は、内骨格を有する部位を内包する殻型の構造を半割した外骨格構造と、外骨格構造を身体に装着するための着脱装置と、着脱装置により身体に装着した隣り合う外骨格構造を人工筋装置で連結してなる装着と、連結が簡単な外骨格装置であることを特徴とする。
【0011】
そして、着脱機構に人工筋機構を加えて、統一的な構成の着脱装置と人工筋装置を設けてなる作業介助服の機能をもつ外骨格装置であることを特徴とする。
【0012】
また、外骨格構造に、外骨格と内骨格の幾何学的な関係に基づいた、関節角の時系列データの保存と操作ができる制御システムを設けてなる遠隔操作用の作業介助服の機能をもつ外骨格装置であることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、内骨格を有する部位を内包する殻型の構造を、半割した外骨格構造と、外骨格構造を身体に装着するための着脱装置取り付け部と、着脱装置により身体に装着した隣り合う外骨格構造に、人工筋装置を取り付けるための取り付け部を配置した外骨格構造150の斜視図である。(実施例1)
【
図2】
図2は、
図1の外骨格構造150を着脱装置で内骨格に装着して、人工筋装置で外骨格構造を連結する方法を示した外骨格装置100の斜視図である。(実施例2)
【
図3】
図3は、
図2の外骨格装置の正面図である。(実施例2)
【
図4】
図4は、
図2の外骨格装置の側面図である。(実施例2)
【
図5】
図5は、着脱装置200を示す斜視図(a)と、着脱装置取り付け部を取り外した着脱装置の平面図(b)と外骨格構造に取り付けた着脱装置の一部の側面図(c)である。(実施例3)
【
図6】
図6は、人工筋装置300を示す斜視図(a)と、人工筋装置の取り付け装置を取り除いた斜視図(b)400と、
図6(a)のDCモーターと制御装置の格納箱54の蓋55を取り除いた斜視図(c)450である。(実施例4)
【
図7】
図7は、
図6(c)の正面図(a)500と、制御部の格納箱54の正面図(b)54と、人工筋装置300の直動アクチュエーター部600の斜視図(c)である。(実施例4)
【
図8】
図8は、内骨格モデル69において隣り合う内骨格74,75と、それを内包する外骨格構造70,17との関係を示したものである。(実施例5)
【
図9】
図9は、隣り合う内骨格74,75の関節角が人工筋装置で操作された場合の、外骨格構造70,71の関節角との関係を、関節角αで近似するための幾何学的関係の説明図である。(実施例5)
【
図10】
図10は、人工筋装置300の制御システム80をブロック線図で示した説明図である。(実施例6)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を
図1〜
図10に基づいて説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明の実施形態に係る、外骨格構造1a,1b,2を示す斜視
図150であり、各々の半割した外骨格構造に複数個の着脱装置取り付け部3a,3b〜8a,8bを配置し、外骨格構造1a,1b,2の周囲に、複数個の人工筋装置取り付け部9a,9b〜11a,11bを配置する。内骨格全体は、体幹から頸椎を経て頭部に分岐しており、そして、肩関節、肘関節、手根関節、及び指関節をもつ上肢に分岐して、さらに、股関節、膝関節、距腿関節、及び足指関節をもつ下肢に分岐しているので、統一的な構成の、着脱機能と人工筋機能を設けた外骨格装置を提供する。2点鎖線は切り取るか、湾曲させる。指先では閉じて使用する。
【実施例2】
【0016】
図2は、内骨格を有する部位を内包する殻型の外骨格装置を示す斜視
図100であり、内骨格を有する部位を内包する殻型の構造を半割した外骨格構造と、外骨格構造の1a,1b,2を身体に装着するための着脱装置20a,20b〜25a,25bと、着脱装置により、身体に装着した隣り合う外骨格構造を複数の人工筋装置26a,26b〜28a,28bで連結してなる外骨格装置である。
【0017】
図3は、外骨格装置100の正面図であり、外骨格構造の1a,1b,2の各々の取り付け部3a,3b〜8a,8bに、着脱装置20a,20b〜25a,25bと人工筋装置26a,26b〜28a,28bを取り付けた図である。
【0018】
図4は外骨格装置100の側面図であり、外骨格構造の各々の取り付け部に、着脱装置と人工筋装置を取り付けた図である。
【実施例3】
【0019】
図5(a)は、着脱装置の斜視
図200である。取り付け部20aと取り付け部20bを外骨格構造1a,1b,2の取り付け部の溝に沿って、両サイドからスライドさせて挿入後、レバー40a,40bを操作して、外骨格装置100を身体に着装する。
図5(b)は着脱装置200の取り付け部20a,20bを取り除いた状態の上面
図201である。レバー40a,40bとレバー閉じ用バネ41とレバー支点台42は取り付け部20aに内装しておく。フック43と2つの着脱力調整用バネ44aとフック台45は取り付け部20bに内装しておく。レバー40a,40bを操作してレバー先端を開き、フック43を挿入した時点で、レバー閉じバネ41によりフック43を固定する。レバーを操作して開かない限りフック43は外れない。また、着脱装置200は着脱力調整バネ44aのバネ定数を選択することにより装着時の柔らかい密着性を提供できる。
図5(c)は着脱装置200を外骨格構造1aの取り付け部3aに装着した場合の側面図の一部を示す。着脱装置取り付け部20a、26bにより、外骨格構造1a,1b,2の着脱装置取り付けの部3a,3bの停止位置3c,3dまでスライドさせた後にレバー40a,40bを用いて外骨格構 造1a,1b,2を連結する。他の取り付け部も同様に着脱する。
【0020】
図1〜
図5により、内骨格を有する各部位を内包するための外骨格装置であって、内骨格を有する部位を内包する殻型の構造を半割した外骨格構造1a,1b,2と、外骨格構造を身体に装着するための着脱装置200により、外骨格による内骨格の内包に関して統一的な構成が提供できるようにしたことで、従来の技術に比し有利な外骨格装置100を提供する。
【実施例4】
【0021】
図6(a)は人工筋装置の斜視
図300であり、人工筋装置取り付け部26a、26bにより、外骨格構造1a,1b,2の人工筋装置取り付けの部9a,9b〜11a,11bの挿入停止位置9c,9d〜11c,11dまでスライドさせた後に、レバー40a,40bを用いて外骨格構造を連結する。
【0022】
図6(b)は人工筋装置取り付け部26a、26bを取り除いた人工筋装置300の斜視図であり、フック50、板バネなどで構成する板バネ51、直動DCモーター軸52、ストッパー62は直動DCモーターにより一体で動く。直動DCモーターハウジング53と制御装置は制御装置格納箱54に入れて、蓋55をする。従って、人工筋装置取り付け部26a、26bと直動アクチュエーター部は人工筋装置用バネ56,57により人工筋肉として連動して動く。直動DCモーター軸52にはストッパー62がついており、電力の供給が停止した場合には、直動DCモーター軸とハウジングはフリーとなり、板バネ51とストッパー62の間の任意の位置で停止する。
【0023】
図6(c)は
図5(b)の斜視
図400の蓋55を取り外した斜視
図450である。人工筋装置用フック50、板バネ51、直動DCモーター駆動軸52、ストッパー62は一体で動作し、人工筋装置の制御部となるマイコン装置63、ドライバー64、蓄電池65、直動DCモーターの両側のバネの先端に設置する力センサー60,61は直動アクチュエーターとして一体で動作するので、人工筋装置用バネ56,57を介して直動アクチュエーターが動き、さらにその直動アクチュエーターの長さを直動DCモーターで変えることができるので、人工筋の効果を提供できる。
【0024】
図7(a)は人工筋装置300の伸縮部を構成する部位の正面
図500で、DCモーターのハウジング53と制御装置を格納箱54に格納しておき、人工筋装置用バネ56,57で人工筋装置取り付け部を伸縮させる。人工筋装置用フック50、板バネ51、直動DCモーター駆動軸52と人工筋装置用バネ56、57と力センサー60,61は移動量L66と移動量X67とを示す。電源が入力されると、直動DCモーターと人工筋装置用バネが対になって動くので、パソコンに内蔵したソフトウエア・ダンパープログラムにより、人工筋装置を構成する。
【0025】
図7(b)は
図5(d)の制御装置格納箱の正面
図54である。両サイドに2つの人工筋装置用バネ56,57を配置して、力センサー押さえ58,59で、板バネの長さLとコイルばねの変位Xに応じて、力センサー60,61を押さえる。
【0026】
図7(c)は人工筋装置300のDCモーターを示す斜視図であり、フック50、板バネ51、直動DCモーター軸52がDCモーターのハウジング53に対して移動する。
【0027】
図7により、身体に装着した隣り合う外骨格構造1a,1b,2を連結するための人工筋装置300に、板バネ51、直動DCモーター52,53,59、直動DCモーターと制御装置の格納箱54、人工筋装置用バネ56,57、力センサー60,61、及びソフトウエア・ダンパー駆動プログラムを内蔵したマイコン装置63、ドライバー64、蓄電池65を配置した複数個の人工筋装置を設けて、これを身体の内骨格を有する各部位に適用できるようにしたことで、従来の技術に比し有利な外骨格装置を提供する。
【実施例5】
【0028】
図8、
図9は内骨格74,75と着脱装置により身体に装着した隣り合う外骨格構造70,71を複数個の人工筋装置300で連結してなる外骨格装置の関節角の幾何学的な関係の初期状態を0としてαで表したものである。
図8は人工筋相当部76,77,78と長さL1,L2,L3と内骨格74,75の初期状態を示し、
図9は人工筋相当部がL1、L2、L3からL1+X1、L2+X2、L3+X3に変化することを示す。
【0029】
その場合には、
図8、
図9の外骨格構造70,71の仮想楕円72,73上の各3点に人工筋機構が取り付けられた状態になるので、内骨格は、その楕円上の各三角形を貫通する状態となる。従って、関節点をA、貫通点をB,Cとすれば、三角形ABCは関節角αに従い、人工筋相当部76,77,78に従属する。ここでAB=a、BC=b、CA=cとすれば、人工筋の伸縮により三角形ABCが決まり、関節角αが決まる。従って、人工筋相当部をLn+Xnとして伸縮量をXn(n=1,2,3)とすると、近似的に[数1]が成立する。
【0030】
[数1]
b
2=a
2+c
2−2・a・c・sinα
∴α=sin
−1(f(a、b、c))
【0031】
人工筋装置用バネの変位X1、X2、X3に対する伸縮力はバネ定数をkとして、Nn=k・Xn(n=1,2,3)となる。直動DCモーターの出力En時の速度Vn、人工筋装置用バネの伸縮量をXn、力センサーの出力Fnとすれば、[数2]が成立する。
【0032】
[数2]
Vn=dX/dt Vn:人工筋装置の速度
Fn = k・∫(Vn)dt = kX
【実施例6】
【0033】
図10は、人工筋装置における制御システム80のブロック線図である。ソフトウエア・ダンパーと力センサー入力の差(Rn-Fn)の入力に対して、ソフトウエア・ダンパーの出力はEnであるが、直動DCモーター52の速度(Vn=dx/dt)から積分値として人工筋長(Ln)が決まり、人工筋装置用バネ力(Fn)が変化して、力センサー58,59の値(Fn)がフィードバックされて人工筋の作用をするので、ソフトウエア・ダンパー(Rn-Fn)は0に近づき、人工筋の作用が得られる。Rnは直動DCモーター52の電源が入力された時点で決まる値である。
【0034】
図6〜
図10により、内骨格を有する各部位に対して外骨格による統一的な内包が提供できるようにしたことに加えて、着脱装置200により身体に装着した隣り合う外骨格構造1a,1b,2を外骨格と内骨格の幾何学的な関係に基づいた人工筋装置300を用いて連結して、関節角の時系列データの操作と保存を行う制御システム80を構成できるようにしたことで、従来の技術に比し有利な外骨格装置100を提供する。
【符号の説明】
【0038】
1a、1b、2 殻型の構造を半割した外骨格構造
20a,20b〜25a,25b 着脱装置取り付けカバー
26a,26b〜28a,28b 人工筋装置取り付けカバー
3a,3b〜8a,8b 着脱装置取り付け部
3c,3d〜8c,8d 着脱装置取り付け部のストッパー部
9a,9b〜11a,11b 人工筋装置取り付け部
9c,9d〜11c,11d 人工筋装置取り付け部のストッパー部
40a、40b レバー
41 レバー閉じ用バネ
42 レバー取り付け台
43 着脱用フック
44a、44b 着脱力調整用バネ
50 人工筋装置用フック
51 板バネ
52 直動DCモーター駆動軸
53 直動DCモーターハウジング
54 直動DCモーターと制御装置の格納箱
55 蓋
56、57 人工筋装置用バネ
58、59 力センサー押さえ
60、61 力センサー
62 ストッパー
63 マイコン装置
64 ドライバー
65 蓄電池
66 直動DCモーターの移動量
67 人工筋装置用バネの伸び
69 内骨格を有する部位
70、71 外骨格構造
72、73 人工筋装置取り付け位置表示楕円
74、75 内骨格
76、77、78 人工筋装置
80 制御システム
100 外骨格装置
150 外骨格構造
200 着脱装置斜視図
201 取り付けカバーを外した着脱装置
300 人工筋装置
400 人工筋装置の内部構造
450 人工筋装置の制御機構
500 人工筋装置の伸縮機構
550 人工筋装置の制御装置格納箱
600 人工筋装置の駆動機構