【課題】容積を変更することのできる配送箱において、大容量の形態とした配送箱の上下方向に荷重がかかっても、配送箱の側壁がつぶれ難い構造とすること、配送箱を閉める際に、接着剤や接着テープ等を用いずに蓋となる部分を固定できるようにすること。
【解決手段】各々が長方形状の底面部1及び第一〜第八側面部2〜9、各々が長方形に近い形状の第一〜第四表面部10〜13、第一〜第三係止部14〜16、第一〜第三挿入部17〜19及び第一〜第四折り返し部20〜23を有し、L6=L3+L5等の関係を有する配送箱であって、各側面部及び表面部の折り曲げ方によって、縦横高さがL1×L2×L3の直方体状又はL4×L2×L6の直方体状に組み立て可能な配送箱。
【背景技術】
【0002】
配送箱は、通常は縦横高さが変化しない直方体状のものであるが、同じ配送箱を小容量の形態で用いたり、大容量の形態で用いたりすることができるようにしたものもある。
例えば、特許文献1(特許第5948189号公報)には、容量を変更できる包装箱(10)であって、底面部材(11)、側壁部材(21,31,41)、各側壁部材(21,31,41)の上端の辺に折り曲げ可能に接合されている展開部材(22,32,42)、展開部材(22)の上端の辺に接合されているフラップ部材(23)、展開部材(32,42) の上端の辺にそれぞれ接合されている第1蓋部材(50)及び第2蓋部材(60)等から構成され、往路配送の場合には小容量形態とし、復路配送の場合には大容量形態として使用することのできる包装箱(10)が記載されている(特に、段落0019〜0024、0044及び
図1(a)、
図2(c)、
図3(f)を参照)。
また、特許文献2(実願昭52−147949号(実開昭54-74680)のマイクロフィルム)には、底板(1)、底板(1)の前側縁(2)から連設されている折返し重合部(3)、前側板(4)及び内蓋片(5)、底板(1)の後側縁(2a)から連設されている折返し重合部(3a)、後側板(4a)及び内蓋片(5a)、底板(1)の右側縁(6)から連設されている右側板(7)及び外蓋片(8)並びに底板(1)の左側縁(6a)から連設されている左側板(7a)及び外蓋片(8a)等から構成され、底板(1)上に梱包すべき書籍を載置し、書籍の厚みに応じて内蓋片(5,5a)及び外蓋片(8,8a)の折り畳み位置を最適な折り畳み溝(10)に選定することにより、前・後側板(4,4a)及び左・右側板(7,7a)の高さを任意に変えることができる梱包用紙が記載されている(特に、明細書第3頁第6行〜第4頁第16行及び第1図、第2図を参照)。
【0003】
ところが、特許文献1記載の包装箱(10)では、大容量形態で使用する場合には、展開部材(22,32,42)と側壁部材(21,31,41)とが面一となって側面部を構成するため(段落0021及び
図1(a)を参照)、包装箱(10)の上下方向に荷重がかかると、展開部材(22,32,42)と側壁部材(21,31,41)との接合部が折れて側壁がつぶれてしまうという問題があった。
また、特許文献2記載の梱包用紙では、前後の折返し重合部(3,3a)によって二重構造となるから内容物は外圧に対し強固に保護されるとされているが(明細書第4頁第16〜19行及び第2図を参照)、側壁となる前・後側板(4,4a)及び左・右側板(7,7a)には多数の折り畳み溝(10)が形成されているので、書籍等を梱包した状態で上下方向、特に周辺部の上下方向に荷重がかかったり、側壁の面に垂直な力がかかったりすると、折り畳み溝(10)が折れて側壁がつぶれてしまうという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題を解決し、側壁の高さを変化させて容積を変更することのできる配送箱であるにもかかわらず、大容量の形態とした配送箱の上下方向等に荷重がかかっても、配送箱の側壁がつぶれ難い構造とすることを第1の課題としている。
また、配送箱を閉める際に、接着剤や接着テープ等を用いずに蓋となる部分を固定できるようにすることを第2の課題とし、蓋となる部分が固定された配送箱を容易に開梱できるようにすることを第3の課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明の配送箱(
図6参照)は、
第1長さの左右辺及び第2長さの上下辺を有する長方形状の板状体からなる底面部と、
前記底面部の左辺に折り曲げ可能に接続され、前記第1長さの左右辺及び第3長さの上下辺を有する長方形状の板状体からなる第一側面部と、
前記底面部の右辺に折り曲げ可能に接続され、前記第1長さの左右辺及び前記第3長さの上下辺を有する長方形状の板状体からなる第二側面部と、
前記底面部の上辺に折り曲げ可能に接続され、前記第3長さの左右辺及び前記第2長さの上下辺を有する長方形状の板状体からなる第三側面部と、
前記底面部の下辺に折り曲げ可能に接続され、前記第3長さの左右辺及び前記第2長さの上下辺を有する長方形状の板状体からなる第四側面部と、
前記第一側面部の左辺の中央に折り曲げ可能に接続され、第4長さの左右辺及び第5長さの上下辺を有する長方形を含む形状の板状体からなる第五側面部と、
前記第二側面部の右辺の中央に折り曲げ可能に接続され、前記第4長さの左右辺及び第5長さの上下辺を有する長方形を含む形状の板状体からなる第六側面部と、
前記第三側面部の上辺に折り曲げ可能に接続され、第6長さの左右辺及び前記第2長さの上下辺を有する長方形状の板状体からなる第七側面部と、
前記第四側面部の下辺に折り曲げ可能に接続され、前記第6長さの左右辺及び前記第2長さの上下辺を有する長方形状の板状体からなる第八側面部と、
前記第五側面部の左辺に折り曲げ可能に接続され、前記第4長さの左右辺及び第7長さの上下辺を有する長方形を含む形状の板状体からなる第一表面部と、
前記第六側面部の右辺に折り曲げ可能に接続され、前記第4長さの左右辺及び第8長さの上下辺を有する長方形を含む形状の板状体からなる第二表面部と、を備え、
前記第4長さは、前記第1長さから前記第3長さの2倍の長さを引いた長さに等しく、
前記第6長さは、前記第3長さと前記第5長さの和に等しく、
前記第7長さ及び前記第8長さは、前記第2長さと前記第5長さの差以下であり、
前記第7長さと前記第8長さの和は、前記第2長さ以上であることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の配送箱において、
図1のように、
前記第一表面部(10)の左辺に折り曲げ可能に接続されている板状体からなる第一係止部(14)と、
前記第二側面部(3)と前記第六側面部(7)との接続部に設けられ前記第一係止部を挿入可能な第一挿入部(17)と、を備え、
前記第7長さは、前記第2長さと前記第5長さの差に等しいことを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の配送箱において、
図1のように、
前記第七側面部(8)の上辺に折り曲げ可能に接続されている板状体からなる第三表面部(12)と、
前記第八側面部(9)の下辺に折り曲げ可能に接続されている板状体からなる第四表面部(13)と、
前記第二表面部(11)の上辺に折り曲げ可能に接続されている板状体からなる第二係止部(15)と、
前記第二表面部(11)の下辺に折り曲げ可能に接続されている板状体からなる第三係止部(16)と、
前記第七側面部(8)と前記第三表面部(12)との接続部に設けられ前記第二係止部(15)を挿入可能な第二挿入部(18)と、
前記第八側面部(9)と前記第四表面部(13)との接続部に設けられ前記第三係止部を挿入可能な第三挿入部(19)と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の配送箱において、
図5のように、
前記第一側面部(2)と前記第五側面部(6)に跨って破断部(28)が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明の配送箱は、
図6のように、それぞれが上記のとおりに特定されている形状の板状体からなる、底面部、底面部の左辺に折り曲げ可能に接続されている第一側面部、底面部の右辺に折り曲げ可能に接続されている第二側面部、底面部の上辺に折り曲げ可能に接続されている第三側面部、底面部の下辺に折り曲げ可能に接続されている第四側面部、第一側面部の左辺の中央に折り曲げ可能に接続されている第五側面部、第二側面部の右辺の中央に折り曲げ可能に接続されている第六側面部、第三側面部の上辺に折り曲げ可能に接続されている第七側面部、第四側面部の下辺に折り曲げ可能に接続されている第八側面部、第五側面部の左辺に折り曲げ可能に接続されている第一表面部及び第六側面部の右辺に折り曲げ可能に接続されている第二表面部を備え、
第4長さ(L4:第五側面部及び第六側面部の左右辺の最小の長さ)は、第1長さ(L1:底面部の左右辺の長さ)から第3長さ(L3:第一側面部及び第二側面部の上下辺の長さ)の2倍の長さを引いた長さに等しく、
第6長さ(L6:第七側面部及び第八側面部の左右辺の長さ)は、第3長さ(L3)と第5長さ(L5:第五側面部及び第六側面部の上下辺の長さ)の和に等しく、
第7長さ(L7:第一表面部の上下辺の長さ)及び第8長さ(L8:第二表面部の上下辺の長さ)は、第2長さ(L2:底面部の上下辺の長さ)と第5長さ(L5)の差以下であり、
第7長さ(L7)と第8長さ(L8)の和は、第2長さ(L2)以上となっている。
そのため、第一側面部〜第四側面部を底面部に対して垂直に折り曲げ、第七側面部と第八側面部を、それぞれ第三側面部と第四側面部に対して垂直に折り曲げ、さらに、第六側面部と第二表面部を第二側面部に対して垂直に折り曲げて第七側面部と第八側面部に固定し、第五側面部と第一表面部を第一側面部に対して垂直に折り曲げて第六側面部と第二表面部に固定すれば、高さの低い(高さがL3:第3長さの)直方体状の配送箱となる。
また、第三側面部と第四側面部を底面部に対して180度折り曲げ、第七側面部と第八側面部を底面部に対して垂直に折り曲げた後に、第一側面部と第五側面部を底面部に対して垂直に折り曲げ、第二側面部と第六側面部を底面部に対して垂直に折り曲げ、さらに、第二表面部を第六側面部に対して垂直に折り曲げて第七側面部と第八側面部に固定し、第一表面部を第五側面部に対して垂直に折り曲げて第二表面部に固定すれば、高さの高い(高さがL6:第6長さの)直方体状の配送箱となる。
そして、高さの高い直方体状の配送箱とした場合でも、底面部に対して垂直な側壁となっている第七側面部と第八側面部は、いずれも一枚の板状体である上に、第三側面部と第四側面部が折り返されて二重構造となっているため、配送箱の上下方向に荷重がかかったり、第七側面部や第八側面部の面に垂直な力がかかったりしても、それらが簡単に折れ曲がってしまうことがなく、配送箱の側壁がつぶれにくいという効果を奏する。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明による効果に加えて、
図1のように、第一表面部(10)の左辺に折り曲げ可能に接続されている板状体からなる第一係止部(14)と、第二側面部(3)と第六側面部(7)との接続部に設けられ第一係止部(14)を挿入可能な第一挿入部(17)と、を備え、第7長さ(L7)は、第2長さと第5長さの差(L2−L5)に等しくなっているので、高さの低い直方体状の配送箱とした場合に、第五側面部(6)と第一表面部(10)を第一側面部(2)に対して垂直に折り曲げると、第二側面部(3)と第六側面部(7)との接続部に設けられている第一挿入部(17)に第一係止部(14)を挿入できる。
そのため、梱包する書類等(高さがL3:第3長さ以下)を底面部(1)の上に載置した後に、第一側面部〜第四側面部(2〜5)を底面部(1)に対して垂直に折り曲げ、第七側面部(8)と第八側面部(9)を折り曲げて書類等の上に被せ、さらに、第六側面部(7)と第二表面部(11)を第二側面部(3)に対して垂直に折り曲げて第七側面部(8)と第八側面部(9)の上に被せ、最後に第五側面部(6)と第一表面部(10)を折り曲げて第二表面部(11)の上に被せるとともに、第一係止部(14)を第一挿入部(17)に挿入すれば、第一表面部(10)が第二表面部(11)から離脱しないので、接着剤や接着テープ等を用いずに蓋となる第一表面部(10)及び第二表面部(11)を固定することができる。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は2に係る発明による効果に加えて、
図1のように、第七側面部(8)の上辺に折り曲げ可能に接続されている板状体からなる第三表面部(12)、第八側面部(9)の下辺に折り曲げ可能に接続されている板状体からなる第四表面部(13)、第二表面部(11)の上辺に折り曲げ可能に接続されている板状体からなる第二係止部(15)、第二表面部(11)の下辺に折り曲げ可能に接続されている板状体からなる第三係止部(16)、第七側面部(8)と第三表面部(12)との接続部に設けられ第二係止部(15)を挿入可能な第二挿入部(18)及び第八側面部(9)と第四表面部(13)との接続部に設けられ第三係止部(16)を挿入可能な第三挿入部(19)を備えているので、高さの高い直方体の配送箱とした場合に、第二表面部(11)を第六側面部(7)に対して垂直に折り曲げると、第二係止部(15)及び第三係止部(16)を、それぞれ第二挿入部(18)及び第三挿入部(19)に挿入することができる。
そのため、梱包する荷物等(高さがL6:第6長さ以下)を底面部(1)の上に載置した後に、第三側面部(4)と第四側面部(5)を180度折り曲げ、第七側面部(8)と第八側面部(9)を底面部(1)に対して垂直に折り曲げ、第三表面部(12)と第四表面部(13)を各々第七側面部(8)と第八側面部(9)に対して垂直に折り曲げた後に、第一側面部(2)と第五側面部(6)を底面部(1)に対して垂直に折り曲げ、第一表面部(10)を第五側面部(6)に対して垂直に折り曲げ、さらに、第二側面部(3)と第六側面部(7)を底面部(1)に対して垂直に折り曲げ、第二表面部(11)を折り曲げて第一表面部(10)の上に被せるとともに、第二係止部(15)と第三係止部(16)を各々第二挿入部(18)と第三挿入部(19)に挿入すれば、第二表面部(11)が第一表面部(10)から離脱しないので、配送箱を高さの高い状態に組み立てて梱包物を収容する場合にも、接着剤や接着テープ等を用いずに蓋となる第一表面部(10)及び第二表面部(11)を固定することができる。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、請求項1〜3のいずれかに係る発明による効果に加えて、
図5のように、第一側面部(2)と第五側面部(6)に跨って破断部(28)が設けられているので、書類や荷物等を梱包した配送箱を開梱する際に、配送箱の高さが低くても高くても側壁側から破断部(28)を切り取ることができ、カッター等を用いることなく容易に第一表面部(10)を取り除くことができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は実施例1に係る配送箱の展開図である。
図1に示すとおり、実施例1に係る配送箱は、それぞれが厚さ約2mmの段ボール製の板状体からなる以下の要素によって構成されている。
(1)左右辺及び上下辺の長さが各々L1及びL2の長方形状の底面部1。
(2)底面部1の左辺に折り曲げ可能に接続され、左右辺及び上下辺の長さが各々L1及びL3の長方形状の第一側面部2。
(3)底面部の右辺に折り曲げ可能に接続され、左右辺及び上下辺の長さが各々L1及びL3の長方形状の第二側面部3。
(4)底面部1の上辺に折り曲げ可能に接続され、左右辺及び上下辺の長さが各々L3及びL2の長方形状の第三側面部4。
(5)底面部1の下辺に折り曲げ可能に接続され、左右辺及び上下辺の長さが各々L3及びL2の長方形状の第四側面部5。
(6)第一側面部2の左辺に折り曲げ可能に接続され、左右辺及び上下辺の長さが各々L1及びL5の長方形状の第五側面部6。
(7)第二側面部3の右辺に折り曲げ可能に接続され、左右辺及び上下辺の長さが各々L1及びL5の長方形状の第六側面部7。
(8)第三側面部4の上辺に折り曲げ可能に接続され、左右辺及び上下辺の長さが各々L6及びL2の長方形状の第七側面部8。
(9)第四側面部5の下辺に折り曲げ可能に接続され、左右辺及び上下辺の長さが各々L6及びL2の長方形状の第八側面部9。
(10)第五側面部6の左辺に折り曲げ可能に接続され、右辺の長さがL1、左辺の長さがL4で平行な右辺と左辺との間隔がL7の第一表面部10。
(11)第六側面部7の右辺に折り曲げ可能に接続され、左辺の長さがL1、右辺の長さがL4で平行な右辺と左辺との間隔がL8の第二表面部11。
(12)第七側面部8の上辺に折り曲げ可能に接続され、下辺の長さがL2で上辺に下辺より短い直線部分を有するとともに、平行な下辺と上辺の直線部分との間隔がL9の第三表面部12。
(13)第八側面部9の下辺に折り曲げ可能に接続され、上辺の長さがL2で下辺に上辺より短い直線部分を有するとともに、平行な上辺と下辺の直線部分との間隔がL9の第四表面部13。
(14)第一表面部10の左辺の中央に折り曲げ可能に接続され、右辺の長さがL10で左辺に右辺より短い直線部分を有するとともに、平行な右辺と左辺の直線部分との間隔がL11の第一係止部14。
(15)第二表面部11の上辺の右端に折り曲げ可能に接続され、下辺の長さがL12で上辺に下辺より短い直線部分を有するとともに、平行な下辺と上辺の直線部分との間隔がL13の第二係止部15。
(16)第二表面部11の下辺の右端に折り曲げ可能に接続され、上辺の長さがL12で下辺に上辺より短い直線部分を有するとともに、平行な上辺と下辺の直線部分との間隔がL13の第三係止部16。
(17)第二側面部3と第六側面部7との接続部の中央に設けられ、第一係止部14を挿入可能で長さがL10の第一挿入部17。
(18)第七側面部8と第三表面部12との接続部に設けられ、第二係止部15を挿入可能で長さがL12の第二挿入部18。
(19)第八側面部9と第四表面部13との接続部に設けられ、第三係止部16を挿入可能で長さがL12の第三挿入部19。
(20)第七側面部8の左辺に折り曲げ可能に接続され、右辺の長さがL6で左辺に右辺より短い直線部分を有するとともに、平行な右辺と左辺の直線部分との間隔がL14の第一折り返し部20。
(21)第七側面部8の右辺に折り曲げ可能に接続され、左辺の長さがL6で右辺に左辺より短い直線部分を有するとともに、平行な左辺と右辺の直線部分との間隔がL14の第二折り返し部21。
(22)第八側面部9の左辺に折り曲げ可能に接続され、右辺の長さがL6で左辺に右辺より短い直線部分を有するとともに、平行な右辺と左辺の直線部分との間隔がL14の第三折り返し部22。
(23)第八側面部9の右辺に折り曲げ可能に接続され、左辺の長さがL6で右辺に左辺より短い直線部分を有するとともに、平行な左辺と右辺の直線部分との間隔がL14の第四折り返し部23。
【0017】
実施例1に係る配送箱を製造するに際しては、厚さ約2mmの段ボールの板を
図1に示す展開図の形状に打ち抜き、
図1に点線で示す部分は内側に折り曲げられるように折り目をつけ、
図1に一点鎖線で示す部分は内側及び外側に折り曲げられるようにするため鎖線状に切れ目を入れ、第一〜第三挿入部17〜19は亀甲括弧状に切れ目を入れると良い。
また、実施例1に係る配送箱を構成する各要素の寸法は、次の関係を満たしている。
(a)第一表面部10の左辺の長さL4及び第二表面部11の右辺の長さL4は、底面部1の左右辺の長さL1から第一側面部2及び第二側面部3の上下辺の長さL3の2倍の長さを引いた長さに等しい(L4=L1−L3×2)。
(b)第七側面部8及び第八側面部9の左右辺の長さL6は、第一側面部2及び第二側面部3の上下辺の長さL3と第五側面部6及び第六側面部7の上下辺の長さL5の和に等しい(L6=L3+L5)。
(c)第一表面部10の右辺と左辺との間隔L7は、底面部1の上下辺の長さL2と第五側面部6の上下辺の長さL5の差に等しい(L7=L2−L5)。
(d)第七側面部8の左上隅から第二挿入部18の左端までの長さL15及び第八側面部9の左下隅から第三挿入部19の左端までの長さL15は、第一表面部10の右辺と円弧状の縁の左端までの距離L16以上(L15≧L16)。
(e)第七側面部8の右上隅から第二挿入部18の左端までの長さ及び第八側面部9の右下隅から第三挿入部19の左端までの長さ(L2−L15)は、第二表面部11の右辺と左辺との間隔L8と等しい(L2−L15=L8)。
(f)第三表面部の下辺と上辺の直線部分との間隔L9及び第四表面部の上辺と下辺の直線部分との間隔L9は、底面部1の左右辺の長さL1と第七側面部8及び第八側面部9の左右辺の長さL6の差以下(L9≦L1−L6)。
(g)第一係止部14の右辺と左辺の直線部分との間隔L11は、第二側面部3の左右辺の長さL3以下(L11≦L3)。
(h)第二係止部15の下辺と上辺の直線部分との間隔L13及び第三係止部16の上辺と下辺の直線部分との間隔L13は、第三側面部4及び第三側面部5の左右辺の長さL3以下(L13≦L3)。
(i)第一折り返し部20及び第三折り返し部22の右辺と左辺の直線部分との間隔L14並びに第二折り返し部21及び第四折り返し部23の左辺と右辺の直線部分との間隔L14は、第三側面部4及び第四側面部5の左右辺の長さL3以下(L14≦L3)。
なお、規格内の定形外郵便物としての取扱いを受けるためには、14cm≦L1≦34cm、9cm≦L2≦25cm、L3≦3cmとすれば良く、規格外の定形外郵便物としての取扱いを受けるためには、14cm≦L1≦60cm、9cm≦L2≦60cm、23cm<L1+L2+L3≦90cmとすれば良いが、低い状態と高い状態の高さの差をだすため、L3は2cm以上あった方が良い。
【0018】
図2は実施例1に係る配送箱を高さの低い状態にする場合の組立図である。
図2(a)に示す状態から、第三側面部4と第四側面部5を底面部1に対して垂直に折り曲げ、第七側面部8を第三側面部4に対して垂直に折り曲げ、第八側面部9を第四側面部5に対して垂直に折り曲げ、さらに第一折り返し部20と第二折り返し部21を第七側面部8に対して垂直に折り曲げ、第三折り返し部22と第四折り返し部23を第八側面部9に対して垂直に折り曲げると、
図2(b)に示す状態となる。
次に、
図2(b)に示す状態から、第二側面部3を底面部1に対して垂直に折り曲げ、第六側面部7と第二表面部11を第二側面部3に対して垂直に折り曲げると、
図2(c)に示す状態となる。
最後に、
図2(c)に示す状態から、第一側面部2を底面部1に対して垂直に折り曲げ、第五側面部6と第一表面部10を第一側面部2に対して垂直に折り曲げ、第一係止部14を第一挿入部17に挿入すると、
図2(d)に示す状態となって、第一表面部10が固定され第二表面部11から離脱しないので、接着剤や接着テープ等を用いずに高さの低い状態の配送箱を組み立てることができる。
【0019】
図3は実施例1に係る配送箱を高さの高い状態にする場合の組立図である。
図3(a)に示す状態から、第三側面部4と第四側面部5を底面部1に対して180度折り曲げ、第七側面部8と第八側面部9を底面部1に対して垂直に折り曲げた後、第三表面部12と第四表面部13を各々第七側面部8と第八側面部9に対して垂直に折り曲げ、さらに、第一折り返し部20と第二折り返し部21を第七側面部8に対して垂直に折り曲げ、第三折り返し部22と第四折り返し部23を第八側面部9に対して垂直に折り曲げると、
図3(b)に示す状態となる。
次に、第一側面部2と第五側面部6を底面部1に対して垂直に折り曲げ、第一表面部10を第五側面部6に対して垂直に折り曲げると、
図3(c)に示す状態となる。
最後に、第二側面部3と第六側面部7を底面部1に対して垂直に折り曲げ、第二表面部11を第六側面部7に対して垂直に折り曲げ、第二係止部15と第三係止部16を各々第二挿入部18と第三挿入部19に挿入すると、
図3(d)に示す状態となって、第二表面部11が固定され第一表面部10から離脱しないので、接着剤や接着テープ等を用いずに高さの高い状態の配送箱を組み立てることができる。
そして、実施例1に係る配送箱は、
図3(b)〜(d)から分かるように、高さの高い直方体状の配送箱とした場合でも、底面部1に対して垂直な側壁となっている第七側面部8と第八側面部9は、いずれも一枚の板状体である上に、第三側面部4と第四側面部5が折り返されて二重構造となっているため、配送箱の上下方向に荷重がかかっても、第七側面部8や第八側面部9が簡単に折れ曲がってしまうことがなく、配送箱の側壁がつぶれにくい構造となる。
【実施例2】
【0020】
図4は実施例2に係る配送箱を展開した状態の図である。
実施例2に係る配送箱は、実施例1(
図1の展開図参照)と同様、底面部1、第一側面部2、第二側面部3、第三側面部4、第四側面部5、第五側面部6、第六側面部7、第七側面部8、第八側面部9、第一表面部10、第二表面部11、第三表面部12、第四表面部13、第一係止部14、第二係止部15、第三係止部16、第一挿入部17、第二挿入部18、第三挿入部19、第一折り返し部20、第二折り返し部21、第三折り返し部22及び第四折り返し部23を有している点では共通している。
また、各板状体の厚さ、材質、寸法、形状及び他の要素との接続関係は、第二係止部15と第三係止部16を除き実施例1と全く同じであり、製造方法も実施例1と同様である。
【0021】
実施例2に係る配送箱が実施例1と異なっているのは、以下の各点である。
(A)第二係止部15の上辺と第三係止部16の下辺が直線状であり、それらの下辺と上辺との間隔がL3となっている点。
(B)第二係止部15の上辺に折り曲げ可能に接続され、上辺に下辺より短い直線部分を有するとともに、平行な下辺と上辺の直線部分との間隔がL17の第四係止部24を設けている点。
(C)第三係止部16の下辺に折り曲げ可能に接続され、下辺に上辺より短い直線部分を有するとともに、平行な上辺と下辺の直線部分との間隔がL17の第五係止部25を設けている点。
(D)第二挿入部18が第四係止部24と第二係止部15を挿入可能である点。
(E)第三挿入部19が第五係止部25と第三係止部16を挿入可能である点。
(F)第三側面部4と第七側面部8との接続部に、第四係止部24を挿入可能で長さがL12の第四挿入部26を設けている点。
(G)第四側面部5と第八側面部9との接続部に、第五係止部25を挿入可能で長さがL12の第五挿入部27を設けている点。
そして、第三側面部4の右上隅から第四挿入部26の左端までの長さL18及び第四側面部5の右下隅から第五挿入部27の左端までの長さL18は、第二表面部11の右辺と左辺との間隔L8と第六側面部7の上下辺の長さL5の和に等しい(L18=L8+L5)、第四係止部24の下辺と上辺の直線部分との間隔L17及び第五係止部25の上辺と下辺の直線部分との間隔L17は、第三側面部4及び第四側面部5の左右辺の長さL3以下(L17≦L3)という関係がある。
【0022】
実施例2に係る配送箱を高さの低い状態にする際の組立図は
図2とほぼ同様であるが、
図2(b)に示す状態から第二側面部3を底面部1に対して垂直に折り曲げ、第六側面部7と第二表面部11を第二側面部3に対して垂直に折り曲げる時、実施例2の第二係止部15と第三係止部16には各々第四係止部24と第五係止部25が延設されているとともに、それらを挿入可能な第四挿入部26と第五挿入部27が設けてあるので、
図2(c)に対応する状態において、第四係止部24と第五係止部25を各々第二係止部15と第三係止部16に対して垂直に折り曲げ、それぞれ第四挿入部26と第五挿入部27に挿入した状態にすることができる。
そのため、第二表面部11が固定され、第七側面部8及び第八側面部9から離脱しないので、高さの低い状態の配送箱の組み立ては容易になる。
なお、実施例2に係る配送箱を高さの高い状態にする際の組立図は
図3と同様であり、最後に第二表面部11を第六側面部7に対して垂直に折り曲げる時に、第四係止部24と第二係止部15を第二挿入部18に挿入するとともに、第五係止部25と第三係止部16を第三挿入部19に挿入する点が異なるだけである。
【実施例3】
【0023】
図5は実施例3に係る配送箱を展開した状態の図である。
実施例3に係る配送箱は、実施例1(
図1の展開図参照)と同様、底面部1、第一側面部2、第二側面部3、第三側面部4、第四側面部5、第五側面部6、第六側面部7、第七側面部8、第八側面部9、第一表面部10、第二表面部11、第三表面部12、第四表面部13、第一係止部14、第二係止部15、第三係止部16、第二挿入部18、第三挿入部19、第一折り返し部20、第二折り返し部21、第三折り返し部22及び第四折り返し部23を有している点では共通している。
また、各板状体の厚さ、材質、寸法、形状及び他の要素との接続関係は、ほぼ同じであるが、第一表面部10と第二表面部11は寸法と形状が異なり、第三表面部12と第四表面部13は形状が異なり、第一係止部14は寸法と形状が異なり、第二係止部15と第三係止部16は寸法、形状及び他の要素との接続関係が異なり、第一挿入部17は省かれ、別に複数の要素が追加されている。なお、製造方法は実施例1と同様である。
【0024】
実施例3に係る配送箱が実施例1と異なっているのは、以下の各点である。
(ア)第一表面部10の左辺の長さがL1であり、全体の形状が長方形状である点及び平行な右辺と左辺との間隔がL7より小さいL19となっている点。
(イ)第二表面部11の平行な右辺と左辺との間隔がL8より大きいL20であり、上下辺の円弧状の縁部が急峻な傾斜の縁部となっている点。
(ウ)第三表面部12の上辺の直線部分及び第四表面部13の下辺の直線部分が長く、全体の形状が長方形に近い形になっている点。
(エ)第一係止部14の右辺の長さがL10より短いL21であり、左辺の直線部分が短く全体の形状が異なっている点。
(オ)第二係止部15及び第三係止部16が第二表面部11の上辺及び下辺の右端ではなく、少し左側に寄った箇所に折り曲げ可能に接続されている点及び第二係止部15の上辺と第三係止部16の下辺に直線部分がなく、全体の形状が異なっている点(ただし、下辺と頂上部との間隔は同じL13である)。
(カ)第一側面部2と第五側面部6に跨って破断部28を設けている点。
(キ)第一表面部10の上辺の右寄りに折り曲げ可能に接続され、下辺の長さがL12で高さがL3の帽子形をしている第六係止部29を設けている点。
(ク)第一表面部10の下辺の右寄りに折り曲げ可能に接続され、上辺の長さがL12で高さがL3の帽子形をしている第七係止部30を設けている点。
(ケ)第二表面部11の上辺の左寄りに折り曲げ可能に接続され、下辺の長さがL12で高さがL3の帽子形をしている第八係止部31を設けている点。
(コ)第二表面部11の下辺の左寄りに折り曲げ可能に接続され、上辺の長さがL12で高さがL3の帽子形をしている第九係止部32を設けている点。
(サ)第三側面部4と第七側面部8との接続部の左寄りに、第六係止部29を挿入可能で長さがL12の第六挿入部33を設けている点。
(シ)第四側面部5と第八側面部9との接続部の左寄りに、第七係止部30を挿入可能で長さがL12の第七挿入部34を設けている点。
(ス)第三側面部4と第七側面部8との接続部の右寄りに、第八係止部31を挿入可能で長さがL12の第八挿入部35を設けている点。
(セ)第四側面部5と第八側面部9との接続部の右寄りに、第九係止部32を挿入可能で長さがL12の第九挿入部36を設けている点。
(ソ)第一挿入部17を省き、代わりに第二表面部11の中央左寄りに第一係止部14を挿入可能で長さがL21の第十挿入部37と、第二表面部11の中央右寄りに第一係止部14を挿入可能で長さがL21の第十一挿入部38とを設けている点。
そして、第三側面部4の左上隅から第六挿入部33の右端までの長さは、第一側面部2の左上隅から第六係止部29の左端までの長さと等しい、第四側面部5の左下隅から第七挿入部34の右端までの長さは、第一側面部2の左下隅から第七係止部30の左端までの長さと等しい、第三側面部4の右上隅から第八挿入部35の左端までの長さは、第二側面部3の右上隅から第八係止部31の右端までの長さと等しい、第四側面部5の右下隅から第九挿入部36の左端までの長さは、第二側面部3の右下隅から第九係止部32の右端までの長さと等しいという関係がある。
また、第十挿入部37は、高さの低い状態の配送箱を組み立てる時に第一係止部14が挿入されるものであって、第二表面部11の左辺と第十挿入部37の上下の頂点を結ぶ線との間隔をL22とした時、L5×2+L19+L22=L2という関係があり、第十一挿入部38は、高さの高い状態の配送箱を組み立てる時に第一係止部14が挿入されるものであって、第二表面部11の左辺と第十一挿入部38の上下の頂点を結ぶ線との間隔をL23とした時、L19+L23=L2という関係がある。
【0025】
実施例3に係る配送箱を高さの低い状態にする際の組立図は
図2とほぼ同様であるが、
図2(b)に示す状態から第二側面部3を底面部1に対して垂直に折り曲げ、第六側面部7と第二表面部11を第二側面部3に対して垂直に折り曲げる時、実施例3には、第八係止部31と第九係止部32が設けられているとともに、それらを挿入可能な第八挿入部35と第九挿入部36を設けてあるので、
図2(c)に対応する状態において、第八係止部31と第九係止部32を各々第八挿入部35と第九挿入部36に挿入した状態にすることができる。
そして、
図2(c)に示す状態から第一側面部2を底面部1に対して垂直に折り曲げ、第五側面部6と第一表面部10を第一側面部2に対して垂直に折り曲げる時、実施例3には、第六係止部29と第七係止部30が設けられているとともに、それらを挿入可能な第六挿入部33と第七挿入部34が設けてあるので、
図2(d)に対応する状態において、第一係止部14を第十挿入部37に挿入した状態にするとともに、第六係止部29と第七係止部30を各々第六挿入部33と第七挿入部34に挿入した状態にすることができる。
そのため、
図2(c)に対応する状態において第二表面部11が固定され、第七側面部8や第八側面部9から離脱しないので、高さの低い状態の配送箱の組み立てが容易になり、また、
図2(d)に対応する状態において、第一表面部10が第一係止部14だけでなく第六係止部29や第七係止部30によっても固定されるので、配送箱の蓋としての機能を有する第一表面部10が配送中に開放しにくいという効果を奏する。
【0026】
実施例3に係る配送箱を高さの高い状態にする際は、
図3(b)に示す状態までは実施例1及び2と同様であるが、
図3(b)に示す状態からは、先に第二側面部3と第六側面部7を底面部1に対して垂直に折り曲げ、第二表面部11を第六側面部7に対して垂直に折り曲げ、第二係止部15、第三係止部16、第八係止部31及び第九係止部32を、それぞれ第二挿入部18、第三挿入部19、第八挿入部35及び第九挿入部36に挿入する。
その後、第一側面部2と第五側面部6を底面部1に対して垂直に折り曲げ、第一表面部10を第五側面部6に対して垂直に折り曲げるが、実施例3には、高さの高い状態の配送箱を組み立てる時に第一係止部14を挿入可能な第十一挿入部38が設けられているので、第一係止部14を第十一挿入部38に差し込むことによって、第一表面部10を第二表面部11から離脱しないように固定することができる。
また、実施例3では、第一側面部2と第五側面部6に跨って破断部28が設けてあるので、配送箱の高さが低くても高くても、配送箱の側面になる第一側面部2の部分から破断部28を切り取ることによって、配送箱の蓋として機能する第一表面部10を取り除くことができ、配送箱をワンタッチで開梱することができる。
【0027】
実施例1〜3に係る配送箱の変形例を説明する。
(1)実施例1〜3に係る配送箱は、底面部1、第一〜第八側面部2〜9、第一〜第四表面部10〜13、第一〜第三係止部14〜16、第一〜第三挿入部17〜19、第一〜第四折り返し部20〜23等を有していたが、本発明に係る配送箱の最低限の構成は、
図6に示すように、左右辺及び上下辺の長さが各々L1及びL2の長方形状の底面部、底面部の左辺に折り曲げ可能に接続され左右辺及び上下辺の長さが各々L1及びL3の長方形状の第一側面部、底面部の右辺に折り曲げ可能に接続され左右辺及び上下辺の長さが各々L1及びL3の長方形状の第二側面部、底面部の上辺に折り曲げ可能に接続され左右辺及び上下辺の長さが各々L3及びL2の長方形状の第三側面部、底面部の下辺に折り曲げ可能に接続され左右辺及び上下辺の長さが各々L3及びL2の長方形状の第四側面部、第一側面部の左辺の中央に折り曲げ可能に接続され左右辺及び上下辺の長さが各々L4及びL5の長方形状の第五側面部、第二側面部の右辺の中央に折り曲げ可能に接続され左右辺及び上下辺の長さが各々L4及びL5の長方形状の第六側面部、第三側面部の上辺に折り曲げ可能に接続され左右辺及び上下辺の長さが各々L6及びL2の長方形状の第七側面部、第四側面部の下辺に折り曲げ可能に接続され左右辺及び上下辺の長さが各々L6及びL2の長方形状の第八側面部、第五側面部の左辺に折り曲げ可能に接続され左右辺及び上下辺の長さが各々L4及びL7の長方形状の第一表面部、第六側面部の右辺に折り曲げ可能に接続され左右辺及び上下辺の長さが各々L4及びL8の長方形状の第二表面部である。
そして、実施例1の説明に記載したL4=L1−L3×2及びL6=L3+L5という関係を満たすとともに、L7≦L2−L5(配送箱を高さの低い状態にする際に第一表面部がはみ出さないようにするため)、L8≦L2−L5(配送箱を高さの低い状態にする際に第二表面部がはみ出さないようにするため)、L7+L8≧L2(配送箱を高さの高い状態にする際に第一表面部と第二表面部の間に隙間ができないようにするため)という関係を満たしていれば、第一〜第八側面部、第一表面部及び第二表面部を実施例1〜3と同様に折り曲げ、接着剤や接着テープ等を用いて第七側面部及び第八側面部と第一表面部又は第二表面部を固定し、さらに第一表面部と第二表面部を固定することによって、縦横高さがL1×L2×L3の直方体状又はL4×L2×L6の直方体状とすることができるので、いずれか所望の大きさの配送箱に組み立てて利用することができる。
なお、第五側面部と第一表面部及び第六側面部と第二表面部の上辺側と下辺側に各々記載してある網掛けの領域は、板状体があってもなくても良い領域を示している。
すなわち、同領域の縁部は、実施例1及び2のように一部を円弧状としたり、実施例3のように一部を急峻な段部としたり、適宜の形状の縁部としたりすることが可能であり、また、同領域には任意の形状の穴やスリットを設けても良いので、網掛けの領域は様々な意匠的効果を施せる領域として活用できる。
【0028】
(2)実施例1〜3においては、厚さ約2mmの段ボール製の板状体を用いたが、各要素を厚さや材質はこれに限定されず、例えば、厚紙、木製の板、各種プラスチック板等の適度の強度を有する板状体であれば、どのようなものを用いても良い。
(3)実施例1〜3においては、厚さ約2mmの段ボール製の板状体を展開図の形状に打ち抜き、折り目をつけたり、切れ目を入れたりして製造したが、各要素の板状体を別々に作成し、それぞれを
図1、
図4又は
図5のように配置して、隣り合う辺を折り曲げ可能に接続して製造しても良い。
(4)実施例1〜3においては、第一係止部14を第一表面部10の左辺の中央に接続したが、中央からずれていても良く、左辺の複数箇所に設けても良い。そうした場合、第一挿入部17も対応する中央からずれた位置又は対応する複数箇所に設ける必要がある。
【0029】
(5)
図7は実施例1に係る配送箱の変形例を説明する説明図である。以下、各要素別に説明し、最後に各要素の長さの関係について説明する。
実施例1に係る配送箱の第五側面部6と第六側面部7は、各々がL1の左右辺及びL3の上下辺を有する長方形状であり、第一表面部10と第二表面部11は、各々が円弧状の縁部を有する形状であったが、
図7に示すように、第五側面部6と第六側面部7は、各々が最低限L4(n+r+s)の左右辺及びL3(a)の上下辺を有する長方形状であれば良く、第一表面部10は、最低限L4(n+r+s)の左右辺及びL7(e+f)の上下辺を有する長方形状であれば良く、第二表面部11は、最低限L4(n+r+s)の左右辺及びL8(g+h+i)の上下辺を有する長方形状であれば良い。
なお、
図7において網掛けを施してある領域、すなわち、第五側面部6と第六側面部7の上辺の上側及び下辺の下側にある縦L3(a)、横L5(b)の領域、第一表面部10の上辺の右上側及び下辺の右下側にある縦L3(a)、横L16(e)の領域並びに第二表面部11の上辺の左上側及び下辺の左下側にある縦L3(a)、横gの領域は、
図6(変形例1)の説明に記載したように、板状体があってもなくても良い領域を示している。
実施例1に係る配送箱の第三表面部12、第四表面部13及び第一係止部14は、それぞれ円弧状の縁部を有していたが、
図7に示すように長方形状であっても良く、第一表面部10の固定や、第二挿入部18と第三挿入部19の形成に支障がなければどのような形状であっても良い。
実施例1に係る配送箱の第二係止部15と第三係止部16は、各々を第二挿入部18と第三挿入部19に挿入した時に抜けにくい形状とし、それぞれ第二表面部11の上辺の右端及び下辺の右端に接続していたが、
図7に示すように長方形状であっても良く、第二表面部11の固定に支障がなければどのような形状であっても良い。
また、第二係止部15と第三係止部16の接続位置は、実施例3で説明したように、第二表面部11の上辺及び下辺の右端に限らず、左端以外であれば任意の位置とすることができる。
さらに、実施例1に係る配送箱は、第一〜第四折り返し部20〜23を有していたが、これらは配送箱の密閉性や強度を高めるものであるので、密閉性や強度をそれほど必要としない用途の場合には、
図7に示すように省略しても良い。
各要素の長さの関係は、
図7に記載したとおり、c=a+b(実施例1のL6=L3+L5に相当)、d=b+e+f=b+h+k(実施例1のL7=L2−L5及びL2−L15=L8に相当)、d≦e+f+g+h+i(変形例(1)のL7+L8≧L2に相当)、d≧b+g+h+i(変形例(1)のL8≦L2−L5に相当)、k≧e(実施例1のL15≧L16に相当)、m=a×2+n+r+s(実施例1のL4=L1−L3×2に相当)、o≦a(実施例1のL11≦L3に相当)、p≦a(実施例1のL13≦L3に相当)、q≦m−c(実施例1のL9≦L1−L6に相当)
【0030】
(6)
図8は実施例2に係る配送箱の変形例を説明する説明図である。
図8に示す変形例は、
図7に示す変形例とほぼ同じであるが、第二係止部15の上辺及び第三係止部16の下辺に、それぞれ長方形状の第四係止部24及び第五係止部25を設けてある点、第三側面部4と第七側面部8との接続部及び第四側面部5と第八側面部9との接続部に、それぞれ第四挿入部26及び第五挿入部27を設けてある点並びにd=b+g+j+h(実施例2のL18=L8+L5に相当)を追加してある点が異なっている。
【符号の説明】
【0031】
1 底面部 2 第一側面部 3 第二側面部 4 第三側面部
5 第四側面部 6 第五側面部 7 第六側面部 8 第七側面部
9 第八側面部 10 第一表面部 11 第二表面部
12 第三表面部 13 第四表面部 14 第一係止部
15 第二係止部 16 第一係止部 17 第一挿入部
18 第二挿入部 19 第三挿入部 20 第一折り返し部
21 第二折り返し部 22 第三折り返し部 23 第四折り返し部
24 第四係止部 25 第五係止部 26 第四挿入部
27 第五挿入部 28 破断部 29 第六係止部
30 第七係止部 31 第八係止部 32 第九係止部
33 第六挿入部 34 第七挿入部 35 第八挿入部
36 第九挿入部 37 第十挿入部 38 第十一挿入部
L1 第1長さ(底面部の左右辺の長さ) L2 第2長さ(底面部の上下辺の長さ)
L3 第3長さ(第一側面部及び第二側面部の上下辺の長さ)
L4 第4長さ(第五側面部及び第六側面部の左右辺の最小の長さ)
L5 第5長さ(第五側面部及び第六側面部の上下辺の長さ)
L6 第6長さ(第七側面部及び第八側面部の左右辺の長さ)
L7 第7長さ(第一表面部の上下辺の最小の長さ)
L8 第8長さ(第二表面部の上下辺の最小の長さ)
L9 第三表面部12及び第四表面部13における平行な上辺と下辺との間隔
L10 第一係止部14の右辺の長さ
L11 第一係止部14における平行な右辺と左辺との間隔
L12 第二係止部15の下辺及び第三係止部16の上辺の長さ
L13 第二係止部15及び第三係止部16における平行な上辺と下辺との間隔
L14 第一折り返し部〜第四折り返し部20〜23における平行な右辺と左辺との間隔
L15 第七側面部8の左上隅から第二挿入部18の左端までの長さ及び第八側面部9の左下隅から第三挿入部19の左端までの長さ
L16 第一表面部10の右辺と円弧状の縁の左端までの距離
L17 実施例2の第四係止部24と第五係止部25における平行な上辺と下辺との間隔
L18 実施例2における第三側面部4の右上隅から第四挿入部26の左端までの長さ及び第四側面部5の右下隅から第五挿入部27の左端までの長さ
L19 実施例3の第一表面部10における平行な右辺と左辺との間隔
L20 実施例3の第二表面部11における平行な右辺と左辺との間隔
L21 実施例3における第一係止部14の右辺の長さ
L22 実施例3の第二表面部11左辺と第十挿入部37の上下頂点を結ぶ線との間隔
L23 実施例3の第二表面部11左辺と第十一挿入部38の上下頂点を結ぶ線との間隔