特開2021-138426(P2021-138426A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-138426(P2021-138426A)
(43)【公開日】2021年9月16日
(54)【発明の名称】吸収性物品の包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/62 20060101AFI20210820BHJP
   B65D 33/00 20060101ALI20210820BHJP
   B65D 85/07 20170101ALI20210820BHJP
【FI】
   B65D75/62 B
   B65D33/00 C
   B65D85/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-39059(P2020-39059)
(22)【出願日】2020年3月6日
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104927
【弁理士】
【氏名又は名称】和泉 久志
(72)【発明者】
【氏名】森田 友貴
【テーマコード(参考)】
3E064
3E067
3E068
【Fターム(参考)】
3E064AA11
3E064AB03
3E064BA21
3E064BA26
3E064BA30
3E064FA01
3E064HM03
3E064HN01
3E064HN05
3E064HP02
3E064HP10
3E067AA12
3E067AB99
3E067AC03
3E067AC11
3E067BA12A
3E067BB14A
3E067BB14C
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BC06A
3E067EA04
3E067EB03
3E067EB22
3E067EE07
3E067EE59
3E067FA01
3E067FC01
3E068AA40
3E068AB03
3E068AC05
3E068BB06
3E068BB17
3E068CC22
3E068CD01
3E068CE02
3E068CE03
3E068CE10
3E068DD02
3E068DD40
3E068DE13
3E068EE32
(57)【要約】
【課題】包装袋を容易に開封できるようにする。
【解決手段】略直方体状に形成された包装袋1の高さ方向の中間部に、少なくとも周方向に隣接する2つの面(正面部4及び側面部6)に跨がる易破断部9が周方向に沿って形成され、前記易破断部9の上側及び下側それぞれにおいて、周方向に隣接する2つの面(正面部4及び側面部6)に、表面が凹凸状に形成されたエンボス領域10が設けられている。エンボス領域10を指で摘まんで上下方向に引き裂くことにより易破断部9を破断する。エンボス領域10の表面が凹凸状に形成されているため、指が滑りにくく、摘まみやすい。開封後は、易破断部より上側部分を残りの個装吸収性物品を覆う蓋として利用できるため、衛生的に保管できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略直方体状に形成された包装袋の高さ方向の中間部に、少なくとも周方向に隣接する2つの面に跨がる易破断部が周方向に沿って形成され、
前記易破断部の上側及び下側それぞれにおいて、周方向に隣接する2つの面に、表面が凹凸状に形成されたエンボス領域が設けられていることを特徴とする吸収性物品の包装袋。
【請求項2】
前記エンボス領域は、前記易破断部が延びる方向に沿う長さが10〜30mmであり、高さ方向に沿う長さが少なくとも10〜30mmである請求項1記載の吸収性物品の包装袋。
【請求項3】
前記エンボス領域は、前記易破断部からの高さ方向の離隔距離が0〜10mmであり、周方向に隣接する2つの面の角部からの離隔距離が0〜20mmである請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品の包装袋。
【請求項4】
前記エンボス領域が、周方向に隣接する2つの面にそれぞれ離隔して設けられるか、周方向に隣接する2つの面に跨がって連続して設けられている請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品の包装袋。
【請求項5】
前記易破断部の下側に設けられた前記エンボス領域が、包装袋の底面部近傍まで連続して延びている請求項1〜4いずれかに記載の吸収性物品の包装袋。
【請求項6】
前記エンボス領域に多数のエンボスが付与され、各エンボスは、前記易破断部が延びる方向に長い形状で形成されている請求項1〜5いずれかに記載の吸収性物品の包装袋。
【請求項7】
周方向に隣接する2つの面に設けられたエンボス領域にそれぞれ多数のエンボスが付与され、
前記包装袋の開封時に、周方向に隣接する2つの面に設けられた前記エンボス領域を摘まんで包装袋の内面同士を対面させた際、一方の前記エンボス領域の前記エンボスと、他方の前記エンボス領域の前記エンボスとが、係合可能な凹凸の関係を有している請求項1〜6いずれかに記載の吸収性物品の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキン等の吸収性物品を収納する包装袋であって、詳しくは包装袋を容易に開封できるようにした吸収性物品の包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物品は、小さく折り畳まれて個装されるとともに、複数個をまとめて一つの包装袋内に収納した状態で市販等されている。
【0003】
前記包装袋には、収納された吸収性物品を取り出す取出口を形成するための易破断部が形成されている。例えば、下記特許文献1には、包装袋本体の天面部に、該天面部の外周に沿って形成された第1のミシン目と、この第1のミシン目に沿って前記天面部から剥ぎ取られることで、前記天面部に開口部を形成する剥取部とを備え、前記天面部には、前記剥取部を剥ぎ取る際に、前記剥取部を天面部から引き起こし可能とする引起部が設けられた構造が開示されている。また、下記特許文献2には、頂部が胴部よりも破断し易い材料で形成された易破断部を有し、該易破断部には、包装袋の開封を行うために前記易破断部を破断させる開始点となる破断開始部が設けられた構造が開示されている。更に、下記特許文献3には、上開口部のシールラインよりも下方で充填収容される被包装物の上面またはその近傍に至るまでの区間で該包装袋の底面と概ね平行に破断線を付設した構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−162331号公報
【特許文献2】特開2016−216066号公報
【特許文献3】特開2001−301859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の包装袋の上面部(天面部)に包装袋を開封するための易破断部が形成されたものでは、上記特許文献1のように、引起部を指で押圧して天面部に穴を形成した上で、この穴から指を差し込んで剥取部を剥ぎ取るか、上記特許文献2のように、破断開始部を千切るように力を加えて包装袋を底面と平行な方向に破断するなどの方法によって、収納された個装吸収性物品の取出口が形成されるようになっている。このような破断方法は、切り取られる破断部を指でしっかりと摘まむことができるため、スムーズに破断できるという利点がある。
【0006】
一方で、上記特許文献3に記載のように、包装袋の高さ方向の中間部に周方向に沿って包装袋を開封するための易破断部が形成された形態では、易破断部で破断する際、包装袋内に個装吸収性物品が圧縮状態で収納されているため、包装袋を指で摘まみにくいとともに、指が滑って易破断部で破断しにくいという問題があった。このため、高さ方向の中間部に周方向に沿う易破断部が形成された包装袋では、スムーズに開封できない欠点があった。
【0007】
そこで本発明の主たる課題は、包装袋を容易に開封できるようにした吸収性物品の包装袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために第1の態様として、略直方体状に形成された包装袋の高さ方向の中間部に、少なくとも周方向に隣接する2つの面に跨がる易破断部が周方向に沿って形成され、
前記易破断部の上側及び下側それぞれにおいて、周方向に隣接する2つの面に、表面が凹凸状に形成されたエンボス領域が設けられていることを特徴とする吸収性物品の包装袋が提供される。
【0009】
上記第1の態様では、前記易破断部の上側及び下側それぞれにおいて、周方向に隣接する2つの面に、表面が凹凸状に形成されたエンボス領域が設けられているため、周方向に沿って形成された易破断部を破断する際、易破断部の上側及び下側それぞれにおいて、隣接する2つの面のエンボス領域を、左右の手の指でそれぞれ摘まんで上下方向に引き裂くことにより、易破断部が隣接する2つの面の角部を起点として容易に破断できるようになる。このとき、前記エンボス領域は表面が凹凸状に形成されているため、指が滑りにくく、容易に易破断部で破断できるとともに、エンボスの付与によってエンボス領域が高剛性化しているため、これらエンボス領域を指で摘まんだ際、収納された個装吸収性物品を押しのけて隣接する2つの面の角部が摘まみやすくなっている。
【0010】
第2の態様として、前記エンボス領域は、前記易破断部が延びる方向に沿う長さが10〜30mmであり、高さ方向に沿う長さが少なくとも10〜30mmである請求項1記載の吸収性物品の包装袋が提供される。
【0011】
上記第2の態様では、前記エンボス領域を手の親指と人差し指で摘まみやすくするため、これらの指の大きさを考慮してエンボス領域の大きさを規定している。
【0012】
第3の態様として、前記エンボス領域は、前記易破断部からの高さ方向の離隔距離が0〜10mmであり、周方向に隣接する2つの面の角部からの離隔距離が0〜20mmである請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品の包装袋が提供される。
【0013】
上記第3の態様では、隣接する2つの面のエンボス領域を指で摘まんで易破断部で容易に破断できるようにするため、エンボス領域を形成する位置について規定している。
【0014】
第4の態様として、前記エンボス領域が、周方向に隣接する2つの面にそれぞれ離隔して設けられるか、周方向に隣接する2つの面に跨がって連続して設けられている請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品の包装袋が提供される。
【0015】
上記第4の態様では、前記エンボス領域は、周方向に隣接する2つの面にそれぞれ離隔して設けてもよいし、これらの面に跨がって連続して設けてもよい。好ましくは、2つの面の角部を起点として易破断部で破断しやすくするため、各面にそれぞれ離隔して設けるのがよい。
【0016】
第5の態様として、前記易破断部の下側に設けられた前記エンボス領域が、包装袋の底面部近傍まで連続して延びている請求項1〜4いずれかに記載の吸収性物品の包装袋が提供される。
【0017】
上記第5の態様では、易破断部の下側に設けられたエンボス領域を、包装袋の底面部近傍まで連続して延在させることにより、包装袋を個装吸収性物品の保管容器として利用した際、高剛性化されたエンボス領域によって包装袋が自立しやすくなり、保管容器としての利便性が向上できるようになる。
【0018】
第6の態様として、前記エンボス領域に多数のエンボスが付与され、各エンボスは、前記易破断部が延びる方向に長い形状で形成されている請求項1〜5いずれかに記載の吸収性物品の包装袋が提供される。
【0019】
上記第6の態様では、前記エンボス領域を摘まんで包装袋を易破断部で破断する際、易破断部が延びる方向と略直交する方向に力が加わるため、前記エンボス領域に付与されたエンボスを易破断部が延びる方向に長い形状で形成することによって指の滑りが防止できるようにしている。
【0020】
第7の態様として、周方向に隣接する2つの面に設けられたエンボス領域にそれぞれ多数のエンボスが付与され、
前記包装袋の開封時に、周方向に隣接する2つの面に設けられた前記エンボス領域を摘まんで包装袋の内面同士を対面させた際、一方の前記エンボス領域の前記エンボスと、他方の前記エンボス領域の前記エンボスとが、係合可能な凹凸の関係を有している請求項1〜6いずれかに記載の吸収性物品の包装袋が提供される。
【0021】
上記第7の態様では、前記エンボス領域を指で摘まんで包装袋の内面同士を対面させたとき、一方のエンボス領域のエンボスと、他方のエンボス領域のエンボスとが、係合可能な凹凸の関係を有するように形成されているため、エンボス同士の凹凸が噛み合うことにより、易破断部を引き裂く方向に引っ張った際の対面した包装袋同士のズレが防止でき、包装袋を容易に開封することができるようになる。
【発明の効果】
【0022】
以上詳説のとおり本発明によれば、包装袋が容易に開封できる吸収性物品の包装袋が提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る生理用ナプキンの包装袋1を示す斜視図である。
図2】(A)、(B)は、包装袋1を易破断部9で破断する手順を示す斜視図である。
図3】エンボス領域10を拡大した包装袋1の展開図である。
図4】包装袋開封時の圧力分布状態を示す要部拡大展開図である。
図5】エンボス領域10に付与されるエンボスのパターンを示す平面図である。
図6】エンボス領域10を拡大した包装袋1の展開図である。
図7】変形例に係る包装袋1を示す斜視図である。
図8】変形例に係る包装袋1を示す斜視図である。
図9】変形例に係る包装袋1を示す斜視図である。
図10】エンボス領域10を手で摘まんだときのエンボス領域10の断面図である。
図11】他の形態例に係る包装袋1を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0025】
本発明の第1形態例に係る包装袋1は、図1に示されるように、複数の生理用ナプキンNが収納され、上面部2、底面部3、正面部4、背面部5及び一対の側面部6、6を有する略直方体状に形成されている。「略直方体状」とは、隣り合う面同士の接続辺が明確な直線で形成された直方体に限らず、全体として直方体と同視できるものも含む概念である。例えば、各面同士が接続する各辺や各頂点が若干丸くなっているものも含む。
【0026】
なお、本明細書においては、特に記載のない限り、「高さ方向」及び「上下方向」とは前記上面部2及び底面部3を結ぶ方向であり、「前後方向」とは前記正面部4及び背面部5を結ぶ方向であり、「左右方向」とは前記側面部6、6同士を結ぶ方向である。また、「周方向」とは、前記正面部4から順に、一方の側面部6、背面部5及び他方の側面部6の表面に沿う方向であって、前記上面部2及び底面部3と略平行する方向である。
【0027】
前記包装袋1は、可撓性のある薄いシート材で製造されるのが好ましい。前記包装袋1を構成する素材は、樹脂、不織布、紙等が使用でき、限定されないが、特に、樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)が好ましく使用される。樹脂フィルムを使用する場合は、通常、包装袋1の内容物が外部から視認されないよう、不透明となるように着色され、外面に商品名その他の必要事項が印刷されている。
【0028】
包装袋1の上面部2及び底面部3にはそれぞれ、管状の樹脂フィルムからなる包装袋原反の両端開口部を封止した封止部7が形成されている。前記封止部7は、上面部2及び底面部3の前後方向の中央部に、左右方向の全長に亘って形成されている。前記封止部7の接合手段としては、ヒートシール、超音波シール、接着剤など、公知のものを用いることができる。
【0029】
前記上面部2及び底面部3の両側部(左右方向の両端部)にはそれぞれ、三角形状に折り込まれたガセット部8、8が形成されている。前記ガセット部8は、側面部6から延在する部分が略直角二等辺三角形状に二重に折り返され、その外側が正面部4及び背面部5から延在する部分によって覆われている。略直角二等辺三角形状に形成されたガセット部8は、底辺が側面部6との接続辺に対応し、頂角が上面部2又は底面部3の中央側に向けて配置されている。これにより、前記封止部7は、略直角二等辺三角形状に形成されたガセット部8の底辺の中央部及び頂角の頂点を通る位置に配置されている。
【0030】
図1には、扁平な矩形に折り畳まれて個別包装された生理用ナプキンNが、両側面部6、6間に平面が左右方向に直交するように縦向きに複数収納されている形態が開示されるが、生理用ナプキンNの収納形態は特に限定されない。例えば、正面部4及び背面部5の間に平面が前後方向に直交するように縦向きに複数収納してもよいし、上面部2及び底面部3の間に平面が上下方向に直交するように横向きに複数積層して収納してもよい。また、縦向きに収納する場合には、上下方向に対し2層以上に積層してもよい。
【0031】
前記包装袋1の高さ方向(上下方向)の中間部に、少なくとも周方向に隣接する2つの面に跨がる易破断部9が周方向に沿って形成されている。前記易破断部9は、ミシン目、切り込みなど包装袋2が容易に破断できるようにしたものであれば公知のものを制限なく採用できるが、特にミシン目とするのが望ましい。前記易破断部9が形成される包装袋1の高さ方向の中間部とは、上面部2及び底面部3を除く、周面(正面部4、背面部5及び側面部6、6)の高さ方向の中間部のことである。また、周方向に隣接する2つの面とは、正面部4、背面部5及び両側面部6、6のうちの隣り合う2つの面、例えば正面部4と側面部6、背面部5と側面部6のことである。前記易破断部9は、隣接する2つの面が接続する角部を含むこれらの面に連続的に形成されている。前記易破断部9が形成される高さ位置は、周面の高さ方向の中央より上側であるのが好ましい。前記易破断部9は、図1及び図2に示されるように、包装袋1の全周に亘る環状に形成するのが望ましいが、後段で詳述するように、少なくとも周方向に隣接する2つの面に跨がって形成されていれば、周方向の中間位置までとしてもよい(図11参照)。
【0032】
前記易破断部9で破断して、易破断部9より上側部分を取り除くことにより、図2(B)に示されるように、上方に開口した個装生理用ナプキンNの取出口が形成されるようになる。個装生理用ナプキンNが縦向きに配置される図示例の場合では、収納された個装生理用ナプキンNの上端が包装袋1の開口から突出するため、個装生理用ナプキンNが取り出しやすくなる。
【0033】
本発明に係る包装袋1では、図1に示されるように、前記易破断部9の上側及び下側それぞれにおいて、周方向に隣接する2つの面に、表面が凹凸状に形成されたエンボス領域10が設けられている。前記エンボス領域10は、多数のエンボスが付与されることにより、表面が凹凸状に形成されている。前記エンボス領域10は、周方向に隣接する2つの面が接続する角部及びその近傍のみに形成され、周面の中間部には形成されていない。これにより、エンボス領域10が指で摘まむ部分であることが明確に判別しやすくなる。前記エンボス領域10は、周方向の4つの角部のうち少なくとも1つの角部に形成されていればよく、図1に示される形態例では、周方向の4つの角部のうちの1つのみ、即ち正面部4と一方の側面部6とが接続する角部の近傍のみに形成され、その他の角部には形成されていない。
【0034】
前記エンボス領域10を設けることにより、前記易破断部9を破断するに当たって、図2(A)に示されるように、易破断部9の上側及び下側それぞれにおいて、隣接する2つの面に設けられたエンボス領域10、10を、左右の手の親指と人差し指とで摘まんで上下方向に引き裂くことにより、易破断部9が隣接する2つの面の角部を起点として容易に破断できるようになる。図示例では、正面部4と一方の側面部6の角部を起点として易破断部9が引き裂かれるようになっている。このとき、前記エンボス領域10の表面が凹凸状に形成されているため、エンボス領域10を摘まんだ指の滑りが抑制され、容易に易破断部9で破断できるようになる。また、多数のエンボスを付与することによってエンボス領域10が高剛性化しているため、包装袋1内に個装生理用ナプキンNが圧縮された状態で収納されていても、前記エンボス領域10、10を指で摘まんだ際、収納された個装生理用ナプキンNを押しのけて隣接する2つの面の角部が摘まみやすくなっている。
【0035】
更に、開封後は、図2(B)に示されるように、包装袋1が、易破断部9を境に、複数の個装生理用ナプキンN…が収納された下側部分1Aと、取り除かれた上側部分1Bとに分離され、下側部分1Aは個装生理用ナプキンN…の保管容器として利用でき、上側部分1Bは残りの個装生理用ナプキンN…を覆う蓋として利用できる。このように、取り除かれた上側部分1Bが下側部分1Aに収納された個装生理用ナプキンN…を覆う蓋として利用できるため、包装袋1内や収納された個装生理用ナプキンN…に塵埃や虫などが入り込みにくく、生理用ナプキンを衛生的に保管できるようになる。
【0036】
前記エンボス領域10の大きさは、女性の親指の腹や人差し指の腹で摘まめる程度の大きさであれば任意であるが、好ましくは、図1に示されるように、易破断部9が延びる方向に沿う長さLが10〜30mm、特に15〜25mmであるのがよく、高さ方向に沿う長さHが少なくとも10〜30mm、特に少なくとも15〜25mmであるのがよい。易破断部9の上側及び下側それぞれにおいて、周方向に隣接する2つの面に設けられたエンボス領域10、10は、ほぼ同等の大きさで形成するのが好ましい。また、周方向に隣接する2つの面それぞれにおいて、易破断部9を境に上側及び下側に設けられたエンボス領域10、10は、ほぼ同等の大きさで形成してもよいし、異なる大きさで形成してもよい。図1に示される形態例では、正面部4に設けられたエンボス領域10と、側面部6に設けられたエンボス領域10とがほぼ同等の大きさで形成されるとともに、易破断部9を境に、上側に設けられたエンボス領域10と、下側に設けられたエンボス領域10とがほぼ同等の大きさで形成されている。一方、後段で詳述するように、易破断部9の下側に設けられたエンボス領域10は、包装袋1の底面部3近傍まで連続して延びるようにしてもよく(図9(A)参照。)、この場合には易破断部9の下側に配置されたエンボス10の高さ方向に沿う長さHが10〜30mmより大きく形成され、易破断部9の上側に配置されたエンボス領域10と下側に配置されたエンボス領域10とが異なる大きさで形成される。
【0037】
前記エンボス領域10を配置する位置としては、エンボス領域10を摘まんで易破断部9で破断しやすい位置であれば任意であるが、好ましくは、図1に示されるように、易破断部9からの高さ方向の離隔距離S1が0〜10mm、特に2〜5mmであるのがよく、周方向に隣接する2つの面(正面部4及び側面部6)の角部からの離隔距離S2が0〜20mm、特に4〜10mmであるのがよい。すなわち、エンボス領域10は、易破断部9で分断されることなく、易破断部9の上側及び下側に跨がって連続して形成されるようにしてもよいし、周方向に隣接する2つの面の角部で分断されることなく、周方向に隣接する2つの面に跨がって連続して形成されるようにしてもよい(図7参照。)。
【0038】
前記エンボス領域10の平面形状は、図1に示される形態例では、略正方形に形成されているが、図3に示されるように、(A)楕円形、(B)三角形、(C)円形などの公知の形状で形成することができる。また、同図3(D)に示されるように、公知の形状の2以上の組み合わせ、図示例では2つの長方形の組み合わせによって形成してもよい。特に、開封時にこの領域に作用する圧力分布を測定したところ、図4に示されるように、略正方形からなる測定領域Mに対して、易破断部9と、これに直交して上下方向に延びる隣接する2つの面の角部の線との交点Pを中心として、この交点Pに近い側と遠い側とに2等分する対角線を引いたとき、交点Pより遠い側の領域(図中のハッチング領域)に圧力集中領域Mが形成されるという結果が得られたため、図3(A)、(B)に示されるように、前記エンボス領域10を楕円形及び三角形に形成した場合、前記圧力集中領域Mがカバーできるように、易破断部9と周方向に隣接する2つの面の角部との交点を中心とする略菱形の空間を空けて、その外側に配置するのが好ましい。これにより、圧力が集中的に作用する領域に確実にエンボス領域10が配置されるようになり、開封時の指の滑りが確実に抑えられ、スムーズに開封できるようになる。なお、このような配置は、楕円形及び三角形状に限らず、長方形や半円形、ハート形など任意の形状で形成した場合にも行うことができる。
【0039】
前記エンボス領域10に付与されるエンボス11は、図5に示されるように、(A)円形、(B)四角形、(C)星形、(D)ハート形、(E)V形、(F)菱形、(G)X形、(H)三日月形、(I)三角形、(J)半円環形、(K)五角形、(L)六角形など公知の形状で形成することができる。特に、(E)V形、(H)三日月形、(J)半円環形など、短手方向と長手方向を有する形状で形成した場合、長手方向を易破断部9が延びる方向と平行して配置するのが好ましい。これにより、包装袋1の開封時に、易破断部9が延びる方向と直交する方向に作用する力に対して、指が滑るのがより確実に防止できる。図5では、多数のエンボス11…が千鳥格子状に配置された形態が図示されているが、正格子状に配置してもよい。なお、図6に示されるように、易破断部9が延びる方向に平行な直線からなるエンボス11を、これと直交する方向に所定の間隔を空けて複数配置してもよい。
【0040】
前記エンボス領域10は、図1に示されるように、周方向に隣接する2つの面にそれぞれ離隔して設けられるのが好ましい。すなわち、周方向に隣接する2つの面の角部から若干の離隔距離を空けて配置するのが好ましい。これにより、易破断部9が2つの面の角部を起点として破断しやすくなる。
【0041】
一方、前記エンボス領域10は、図7に示されるように、周方向に隣接する2つの面に跨がって連続して設けられるようにすることができる。図示例では、正面部4及び一方の側面部6に跨がって連続して設けられている。このように2つの面に跨がって連続して設けることにより、これらの面の角部が補強され、易破断部9で破断しやすくなる。また、図2(B)に示されるように、包装袋1の下側部分1Aを保管容器として利用した場合、角部がエンボス領域10によって補強されるため、包装袋1がヨレにくくなる。
【0042】
前記エンボス領域10は、周方向の4つの角部のうち、2つ以上の角部に形成してもよい。図8に示される形態例では、前記エンボス領域10は、周方向の全ての角部に設けられている。これにより、4つの角部のどこから開封しても、容易に開封できるようになるとともに、図2(B)に示されるように、包装袋1の下側部分1Aを保管容器として利用した場合、全ての角部がエンボス領域10によって補強されるため、包装袋1が更にヨレにくくなる。
【0043】
図9(A)に示されるように、前記易破断部9の下側に設けられたエンボス領域10は、包装袋1の底面部3近傍まで連続して延びるように形成することができる。これにより、図9(B)に示されるように、包装袋1の下側部分1Aを保管容器として利用した場合、下側部分1Aの角部が高さ方向のほぼ全長に亘ってエンボス領域10によって補強されるため、包装袋1が更にヨレにくくなる。この場合、4つの全ての角部でのヨレを防止するため、図示例のように、周方向に隣接する2つの面の全ての角部に前記エンボス領域10を設けるのが好ましい。
【0044】
前記エンボス領域10に付与されたエンボス11は、図10に示されるように、包装袋1の開封時に、周方向に隣接する2つの面に設けられたエンボス領域10、10を摘まんで包装袋1の内面同士を対面させた際、一方のエンボス領域10のエンボス11と、他方のエンボス領域10のエンボス11とが、係合可能な凹凸の関係を有しているのが好ましい。これにより、エンボス領域10、10を手の親指と人差し指とで摘まんで包装袋1の内面同士を対面させたときに、一方のエンボス領域10のエンボス11と、他方のエンボス領域10のエンボス11とが、係合して噛み合うことにより、易破断部9を引き裂く方向に引っ張ったときに、対面した包装袋同士のズレが防止でき、包装袋を更に容易に開封できるようになる。
【0045】
前記エンボス11、11がこのような凹凸の関係を有するようにするには、包装袋1の製造工程において、平面状の樹脂フィルムの両側縁同士を接合して両端が開口したチューブ状に形成した後、チューブ状の樹脂フィルムの一方側開口部に封止部7を形成するに当たって、包装袋1の両側面部6、6をそれぞれ前後方向中央部で上下方向に沿って形成された折り目に沿って内側に折り畳んだ状態で、正面部4側又は背面部5側から圧搾して、正面部4、側面部6及び背面部5に一体的に前記エンボス11を付与することにより成すことができる。これにより、一度の圧搾で、正面部4、側面部6及び背面部5にエンボス領域10が形成できるとともに、周方向に隣接する2つの面(正面部4と側面部6、背面部5と側面部6)のエンボスが、包装袋1の内面同士を対面させた際、係合可能な凹凸の関係を有するようになる。
【0046】
〔他の形態例〕
上記形態例では、前記易破断部9が包装袋1の全周に亘る環状に形成されていたが、図11に示されるように、少なくとも周方向に隣接する2つの面に跨がって形成されていれば、周方向の中間位置までとしてもよい。例えば、図11(A)では、易破断部9が、正面部4、一方の側面部6及び背面部5に形成され、他方の側面部6には形成されていない。この場合、前記易破断部9で破断することにより、易破断部9の上側部分が下側部分から分離せずに、他方の側面部6が蝶番のように作用して上側部分を持ち上げて収納された個装生理用ナプキンを取り出すことができる。また、図11(B)では、易破断部9が一方の側面部6から正面部4及び背面部5の略半分の位置まで延びている。この場合、前記易破断部9で破断することにより、易破断部9の上側部分を持ち上げて包装袋の略半分に開口を形成し、収納された個装生理用ナプキンを取り出すことができる。
【符号の説明】
【0047】
1…包装袋、2…上面部、3…底面部、4…正面部、5…背面部、6…側面部、7…封止部、8…ガセット部、9…易破断部、10…エンボス領域、11…エンボス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11