【実施例】
【0074】
以下に実施例を示し、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。尚、実施例中の化合物の略号、及び各特性の測定方法は以下の通りである。
【0075】
[ポリオレフィン系樹脂成形体の評価方法]
(1)結晶化温度
示差走査熱量分析装置(パーキンエルマー社製、DSC8500)を用い、JISK7121(1987)に従って測定した。評価用試料には、各実施例・比較例のポリオレフィン樹脂組成物約6mgを使用した。その試料を装置にセットし、200℃で3分間保持した後、10℃/分の冷却速度で冷却し、吸熱ピークの頂点を結晶化温度(℃)とした。
【0076】
(2)半結晶化時間(T
1/2)
示差走査熱量分析装置(同社製)を用い、JISK7121(1987)に従って測定した。評価用試料には、各実施例・比較例のポリオレフィン樹脂組成物約6mgを使用した。その試料を装置にセットし、200℃で3分間保持した後、750℃/分の冷却速度で140℃まで冷却し、その温度において等温結晶化を行った。等温結晶化工程開始から、時間と熱量との関係図において認められる結晶化に基づく発熱ピークの面積の 1/2 に到達するまでの所要時間を半結晶化時間(T
1/2、秒)とした。
【0077】
(3)曇り度(ヘイズ値)
日本電色工業(株)のヘイズメータ(NDH 7000)を用いて、JISK7136(2000)に準じた方法でヘイズ値(%)を測定した。評価試料には、0.5mm厚み射出成形品のオレフィン系樹脂成形体を使用した。得られたヘイズ値の数値が小さい程、透明性に優れていることを示す。
【0078】
(4)曲げ弾性率
万能材料試験機(インストロン社製)を用い、JISK7171(2016)に準じた方法で曲げ弾性率を測定した。なお、試験温度は25℃、試験速度は10mm/分とした。
【0079】
実施例又は比較例で用いた脂環式ジカルボン酸の金属塩
化合物1:4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩(MH−Ca)、水和物の割合;100質量%、結晶水の含有量;7.44質量%、アルキル置換基とオキシカルボニル基の立体構造;シス体比率95%
化合物2:4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩(MH−Ca)、水和物の割合;75質量%、結晶水の含有量;5.58質量%、アルキル置換基とオキシカルボニル基の立体構造;シス体比率95%
化合物3:4-メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩(MH−Ca)、水和物の割合;50質量%、結晶水の含有量;3.72質量%、アルキル置換基とオキシカルボニル基の立体構造;シス体比率95%
化合物4:4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩(MH−Ca)、水和物の割合;12.5質量%、結晶水の含有量;0.93質量%、アルキル置換基とオキシカルボニル基の立体構造;シス体比率95%
化合物5:4−t−ブチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩(tBuH−Ca)、水和物の割合;100質量%、結晶水の含有量;6.34質量%、アルキル置換基とオキシカルボニル基の立体構造;シス体比率100%
化合物6:シクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩(HH−Ca)、水和物の割合;100質量%、結晶水の含有量;7.89質量%、
化合物7:4−シクロヘキセンジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩(TH−AlOH)、水和物の割合;100質量%、結晶水の含有量;7.83質量%、2つのオキシカルボニル基の立体構造;シス体比率100%
化合物8:4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩(MH−Ca)、水和物の割合;0%、結晶水の含有量;0%、アルキル置換基とオキシカルボニル基の立体構造;シス体比率95%
化合物9:4−t−ブチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩(tBuH−Ca)、水和物の割合;0%、結晶水の含有量;0%、アルキル置換基とオキシカルボニル基の立体構造;シス体比率100%
化合物10:シクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩(HH−Ca)、水和物の割合;0%、結晶水の含有量;0%、
化合物11:4−シクロヘキセンジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩(TH−AlOH)、水和物の割合;0%、結晶水の含有量;0%、2つのオキシカルボニル基の立体構造;シス体比率100%
【0080】
[実施例1]
ポリプロピレンホモポリマー(MFR=9g/10分(荷重2160g、温度230℃))100質量部に、結晶核剤として化合物1の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩0.2質量部及びその他の添加剤としてステアリン酸カルシウム(日東化成工業(株)製)0.05質量部、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(BASFジャパン(株)製、商品名「IRGANOX1010」)0.05質量部、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(BASFジャパン(株)製、商品名「IRGAFOS168」)0.05質量部を加えて、ドライブレンドした。得られたドライブレンド物を二軸押出機((株)テクノベル社製、L/D=45、スクリュー径15mm、ダイス径5mm)を用いてバレル温度200℃にて溶融混合後、押し出されたストランドを冷却し、ペレタイザーでカッティングして、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0081】
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製NS40−5A)にて射出成形温度(加熱温度)200℃、金型温度(冷却温度)40℃の条件下で成形して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0082】
[実施例2]
化合物1の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物2の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0083】
[実施例3]
化合物1の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物3の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0084】
[実施例4]
化合物1の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物4の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0085】
[実施例5]
化合物1の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物5の4−t−ブチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0086】
[実施例6]
化合物1の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物6のシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0087】
[実施例7]
化合物1の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物7の4−シクロヘキセンジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩を用いた以外は実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
【0088】
【表1】
【0089】
[比較例1]
化合物1の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物8の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
【0090】
[比較例2]
化合物5の4−t−ブチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物9の4−t−ブチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例5と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例5と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
【0091】
[比較例3]
化合物6のシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物10のシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例6と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例6と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
【0092】
[比較例4]
化合物7の4−シクロヘキセンジカルボン酸のヒドロキアルミニウム塩の代わりに化合物11の4−シクロヘキセンジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩を用いた以外は実施例7と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例7と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
【0093】
[比較例5]
結晶核剤を用いない以外は実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
【0094】
【表2】
【0095】
[実施例8]
一軸押出機((株)テクノベル社製、L/D=28、スクリュー径25mm、ダイス径4mm)を用いた以外は実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
【0096】
[実施例9]
化合物1の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物2の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例8と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例8と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
【0097】
[実施例10]
化合物1の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物3の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例8と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例8と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
【0098】
[実施例11]
化合物1の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物4の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例8と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例8と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
【0099】
[実施例12]
更に、12ヒドロキシステアリン酸の亜鉛塩0.2質量部を加えた以外は実施例8と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例8と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
【0100】
[実施例13]
化合物1の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物5の4−t−ブチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例8と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例8と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
【0101】
[実施例14]
化合物1の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物6のシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例8と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例8と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
【0102】
[実施例15]
化合物1の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物7の4−シクロヘキセンジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩を用いた以外は実施例8と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例8と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表3に示した。
【0103】
【表3】
【0104】
[比較例6]
化合物1の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物8の4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例8と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表4に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例8と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表4に示した。
【0105】
[比較例7]
化合物5の4−t−ブチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物9の4−t−ブチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例13と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表4に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例13と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表4に示した。
【0106】
[比較例8]
化合物6のシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩の代わりに化合物10のシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩を用いた以外は実施例14と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表4に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例14と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表4に示した。
【0107】
[比較例9]
化合物7の4−シクロヘキセンジカルボン酸のヒドロキアルミニウム塩の代わりに化合物11の4−シクロヘキセンジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩を用いた以外は実施例15と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表4に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例15と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表4に示した。
【0108】
[比較例10]
結晶核剤を用いない以外は実施例8と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表4に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例8と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表4に示した。
【0109】
【表4】
【0110】
表1中の実施例の結果と表2中の比較例結果の比較より、水和物並びに結晶水の存在により樹脂中での分散性が大きく改善され、その結果、結晶化促進効果だけでなく、得られた成形品の透明性や剛性との性能もより一層改善されていることがわかる。また、表3中の実施例の結果と表4中の比較例の比較より、上記効果は練り効果の少ない加工条件下でより一層発揮され、成形加工条件に影響されることなく、安定して優れた性能を得られることを示している。