特開2021-138904(P2021-138904A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2021-138904大豆脂肪酸を用いたナノエマルジョン組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-138904(P2021-138904A)
(43)【公開日】2021年9月16日
(54)【発明の名称】大豆脂肪酸を用いたナノエマルジョン組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/04 20060101AFI20210820BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20210820BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20210820BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20210820BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20210820BHJP
【FI】
   C11D1/04
   C11D17/08
   A61K8/06
   A61K8/9789
   A61Q19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【全頁数】3
(21)【出願番号】特願2020-50112(P2020-50112)
(22)【出願日】2020年3月3日
(71)【出願人】
【識別番号】519301216
【氏名又は名称】ネクスト・ジェネレーション株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】519301227
【氏名又は名称】株式会社エコジョーカー
(72)【発明者】
【氏名】小澤 正
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083CC22
4C083DD35
4C083FF01
4H003AB03
4H003BA12
4H003BA20
4H003CA03
4H003DB02
(57)【要約】
【課題】本発明は残存性のある化学物質を用いることなく、単純な成分で構成された消臭、除菌、洗浄を行うことのできる組成物を作ることを、課題としたものである。
【解決手段】本発明は、液体石鹸に着目し、大豆脂肪酸を水酸化カリウム溶液で鹸化することで、液体石鹸状の物質を得た。この場合、大豆脂肪酸濃度を10%程度とし、従来の液体石鹸とは異なったものを作り上げた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大豆脂肪酸と精製水で構成された溶液を鹸化する工程を行い、得られたエマルジョン溶液を超音波で微細化したナノエマルジョン組成物。
【請求項2】
請求項1において用いる超音波振動子は3種類の周波数で行うことを特徴とするナノエマルジョン組成物。
【請求項3】
鹸化剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムによって行う請求項1及び2のナノエマルジョン組成物。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大豆脂肪酸を用いて、作られるナノエマルジョン組成物に関してのものである。
【技術背景】
【0002】
除菌剤、消臭剤、洗浄剤という分類において、用いられる原料は人体に対して有害な成分を含むものが多くあり、これらはまた地球環境に対しても海洋、大気に関しての汚染を引き起こすことが大きな問題となっている。
【0003】
本発明はこの点に着目して、単純な構成成分で安全性の高い消臭除菌洗浄剤の開発を行ったものである。
【0004】
本来、石鹸は昔から使い慣れた洗浄成分であり、水酸化カリウム或いは水酸化ナトリウムを用いることで、油脂を鹸化することで作られる。これらは、洗浄の分野においては人や環境に優しい成分であり、広く用いられている。
【先行技術文献】
【0005】
特開2018―135403
特許第6067114号
特表2000―504344
特許出願2009―182706
登録第3224587号
【発明を解決しようとする課題】
【0006】
本発明は残存性のある化学物質を用いることなく、単純な成分で構成された消臭、除菌、洗浄を行うことのできる組成物を作ることを、課題としたものである。
【課題を解決する為の手段】
【0007】
本発明は、液体石鹸に着目し、大豆脂肪酸を水酸化カリウム溶液で鹸化することで、液体石鹸状の物質を得た。この場合、大豆脂肪酸濃度を10%程度とし、従来の液体石鹸とは異なったものを作り上げた。液体石鹸はエマルジョンであり、水中に大豆脂肪酸の油滴が分散する構造である。これの油滴を超音波振動子で細かくすることによって、ナノサイズのエマルジョンを生成させた。
【0008】
上記先行技術においては、エマルジョンの微細化についての記述はあるが、鹸化工程と超音波による微細化についての記載はみられない。また、登録第3224587号は弊社であるネクスト・ジェネレーション株式会社と株式会社エコジョーカーの製造機のものである。
【0009】
この生成物は、油汚れに対して大きな洗浄性を有している。例えば、液体石鹸では壁面にこびりついた油汚れに吹き付けたとしても、簡単には落とすことが出来ない。また、一般の家庭洗剤でも強く拭き取る必要がある。
【0010】
本発明における生成物は、スプレー容器に入れ壁面に吹き付けるだけで、油汚れが簡単に拭き取れた。
【実施例1】
【0011】
大豆脂肪酸溶液15gに対して精製水85gの混合液を作り、これを水酸化カリウムで鹸化した。大豆脂肪酸の鹸化価を192として水酸化カリウムを0.875gを加えた。これを3種類の超音波振動子を用いナノサイズのエマルジョンを得た。この場合の粒子の大きさは平均30nm(ナノメートル)であった。
【0012】
この溶液を100倍に希釈しスプレー容器に入れ、台所のレンジまわりの壁面に吹きつけた。瞬時に油汚れは溶けるように流れ出した。また、たばこの臭いが付着した衣類に吹きつけると数十秒後には、無臭状態となった。
菌に対しては、大腸菌などの一般細菌に対しても90%以上の効果がみられ、また、ウイルスに対しても同様の効果がみられた。