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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-139609(P2021-139609A)
(43)【公開日】2021年9月16日
(54)【発明の名称】輪ゴム銃
(51)【国際特許分類】
   F41B 7/02 20060101AFI20210820BHJP
【FI】
   F41B7/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-46960(P2020-46960)
(22)【出願日】2020年2月28日
(11)【特許番号】特許第6894029号(P6894029)
(45)【特許公報発行日】2021年6月23日
(71)【出願人】
【識別番号】518098911
【氏名又は名称】鈴木 涼太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 涼太
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の輪ゴムを装填部材に装填後、引き金の操作で、一つの輪ゴムを発射でき、引き金と連動した撃鉄を備えた輪ゴム銃を提供する。
【解決手段】輪ゴムの装填部材20と、引き金30と、撃鉄40とを銃本体10に設けた輪ゴム銃であって、銃身部材10aの先端部に設けられ、輪ゴムを引っ掛ける第1のフック10fを有し、装填部材20は、三角形状で、三つの側面及び頂部20sを有し、引き金30は、上端部の一側面に伝達面30aと、伝達面30aの反対側に押圧面30cとを有し、押圧面30cから上方端部に装填部材20の頂部20sを引掛ける引っ掛け部と、伝達面30aの下には、突出した突起部30tと、を備え、撃鉄40は伝達面30aと接触可能な撃鉄面40aを有し、撃鉄面40aの下には、突起部30tを止める切欠き40kを有し、引き金30及び撃鉄40に一端が固定され、グリップ部材110gに他端が固定された楕円形ゴム50を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1の輪ゴムを引き金の操作に応じ、連続的に発射可能である第1の射撃形態を有しており、板状で、対向して設けられ、グリップ部を有する一対の銃本体を備え、
銃身部材と、第1の輪ゴムを装填する装填部材と、該装填部材と連動する引き金と、該引き金と連動する撃鉄とを順に前記銃本体どうしで、挟持すると共に、前記グリップ部どうしで挟持されるグリップ部材とを有しており、前記銃本体には、前記銃身部材と前記グリップ部材が固定されると共に、前記装填部材、前記引き金、前記撃鉄が回転可能に取付けられ輪ゴム銃であって、
前記銃身部材には、先端部に設けられ、前記第1の輪ゴムを引っ掛ける第1のフックを有し、
前記装填部材は、側面視三角形状の板状で、三つの側面及び頂部を有し
前記引き金は板状で、前記側面を押圧し得る押圧面と、この押圧面と反対方向の上端部の一側面に伝達面と、前記押圧面から上方端部に前記頂部を引掛ける引っ掛け部と、前記伝達面の下には、突出した突起部とを有しており、
前記撃鉄は板状で、前記伝達面と接触可能な撃鉄面を有し、前記撃鉄面の下には、前記突起部を止める被係止部を備えており、
一端と他端とを有し、前記突起部の下側及び前記撃鉄の底辺部に前記一端が固定され、前記グリップ部材に前記他端が連結固定された伸び縮み可能な弾性手段を、
備えたことを特徴とする輪ゴム銃。
【請求項2】
前記第1の射撃形態と、一つの第2の輪ゴムを単発で発射する第2の射撃形態とを有する複数の射撃形態を備えた輪ゴム銃であって、
前記撃鉄は、前記第2の輪ゴムを掛ける立設された棒状の発射部を上端に有しており、
前記銃身部材の下側に上端面が接触してスライド可能に配置され、複数の凹凸部を下側に有するラック部、該ラック部と連通すると共に、前記装填部材の一つの側面と接触し得る傾斜状の制止面を有するラック部材と、
板状で、一端部に前記凹凸部に歯合するピニオンを有する半円部と、該半円部が前記銃本体に回転可能に設けられると共に、前記半円部と反対方向の他端部に前記第2の輪ゴムを引っ掛ける第2のフックを有する単発用銃身とを備え、
前記ラック部材、前記単発用銃身は、前記銃本体どうしで、挟持すると共に、前記銃本体に回転可能に取付けられており、
前記第1の射撃形態では、前記単発用銃身が折り畳まれた状態で、前記制止面と前記装填部材の側面とが離れ、前記装填部材が回転可能である、
前記第2の射撃形態では、前記単発用銃身と前記銃身部材とが一直線状にした状態で、前記制止面が前記装填部材の側面と当接して、前記装填部材が前記銃本体の天面と前記発射部の上面とを結ぶ線上よりも、突出しないように形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の輪ゴム銃。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輪ゴム銃に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の輪ゴム銃は下記特許文献1によれば、銃身と、多数の歯を有する回転板としての装填部材と、歯をバネにより押圧する引き金と、装填部材を止めるストッパーとを備えている。この輪ゴム銃では、銃身の先端と各歯に輪ゴムを順次かけた後、引き金を引くと、ストッパーが歯から外れて装填部材が回転し、輪ゴムが歯から外れて発射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭56−121999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、発明者は上記輪ゴム銃では、装填部材の回転を引き金とストッパーとにより操作していたので、操作する部材が複数のため、構成が複雑になっており、しかも、撃鉄がないため、本物の拳銃との類似性が低下し、迫力に欠けるという課題を見出した。
【0005】
本発明は上記課題を解決するもので、多数の輪ゴムを装填部材に装填後、装填部材の操作を単一部材の引き金により操作する共に、撃鉄を有する拳銃に似ている輪ゴム銃を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る輪ゴム銃は、複数の第1の輪ゴムを引き金の操作に応じ、連続的に発射可能である第1の射撃形態を有しており、板状で、対向して設けられ、グリップ部を有する一対の銃本体を備え、
銃身部材と、第1の輪ゴムを装填する装填部材と、該装填部材と連動する引き金と、該引き金と連動する撃鉄とを順に前記銃本体どうしで、挟持すると共に、前記グリップ部どうしで挟持されるグリップ部材とを有しており、前記銃本体には、前記銃身部材と前記グリップ部材が固定されると共に、前記装填部材、前記引き金、前記撃鉄が回転可能に取付けられ輪ゴム銃であって、
前記銃身部材には、先端部に設けられ、前記第1の輪ゴムを引っ掛ける第1のフックを有し、
前記装填部材は、側面視三角形状の板状で、三つの側面及び頂部を有し
前記引き金は板状で、前記側面を押圧し得る押圧面と、この押圧面と反対方向の上端部の一側面に伝達面と、前記押圧面から上方端部に前記頂部を引掛ける引っ掛け部と、前記伝達面の下には、突出した突起部とを有しており、
前記撃鉄は板状で、前記伝達面と接触可能な撃鉄面を有し、前記撃鉄面の下には、前記突起部を止める被係止部を備えており、
一端と他端とを有し、前記突起部の下側及び前記撃鉄の底辺部に前記一端が固定され、前記グリップ部材に前記他端が連結固定された伸び縮み可能な弾性手段を、
備えたことを特徴とするものである。
【0007】
上記輪ゴム銃によれば、第1のフックに第1の輪ゴムの内側を引っ掛けて、装填部材を回転して頂点部を突出し、その頂点部に第1の輪ゴムの内側を掛けて装填部材を回転し、第1の輪ゴムを巻取りながら装填部材に装填する。同様に、複数の第1の輪ゴムを装填部材に装填する。この状態で、装填部材は、一側面と引き金の押圧面とが接触して制止している。ここで、引き金を引くと、引き金の伝達面、突起部が撃鉄の撃鉄面、被係止部からそれぞれ離れ、撃鉄が第1フック側に倒れると共に、装填部材が一定角度回転し、第1の輪ゴムを発射する。発射すると、装填部材は、頂部が引き金の引っ掛け部に引っ掛って回転を停止する。これにより、引き金の操作で、第1の輪ゴムを一つ発射できる。ここで、撃鉄を押すと、撃鉄が回転して引き金を引く前の状態に戻る。そして、引き金を一度引くと、第1の輪ゴムが発射し、撃鉄を押して元の状態に復帰する。次に、引き金を引くと、第1の輪ゴムを発射できる。なお、撃鉄を抑えた状態のままにしておくと、引き金の引き操作のみで第1の輪ゴムを連続的発射できる。
加えて、グリップ部材の上端部に引っ掛け片が設けられ、撃鉄の下端面には、引っ掛け片と当接する突起片を設けることが好ましい。引き金を引くと、撃鉄の突起片がグリップ部材の引っ掛け片に当接して回転を阻止するためである。
【0008】
第2の発明に係る輪ゴム銃は、前記第1の射撃形態と、一つの第2の輪ゴムを単発で発射する第2の射撃形態とを有する複数の射撃形態を備えた輪ゴム銃であって、
前記撃鉄は、前記第2の輪ゴムを掛ける立設された棒状の発射部を上端に有しており、
前記銃身部材の下側に上端面が接触してスライド可能に配置され、複数の凹凸部を下側に有するラック部、該ラック部と連通すると共に、前記装填部材の一つの側面と接触し得る傾斜状の制止面を有するラック部材と、
板状で、一端部に前記凹凸部に歯合するピニオンを有する半円部と、該半円部が前記銃本体に回転可能に設けられると共に、前記半円部と反対方向の他端部に前記第2の輪ゴムを引っ掛ける第2のフックを有する単発用銃身とを備え、
前記ラック部材、前記単発用銃身は、前記銃本体どうしで、挟持すると共に、前記銃本体に回転可能に取付けられており、
前記第1の射撃形態では、前記単発用銃身が折り畳まれた状態で、前記制止面と前記装填部材の側面とが離れ、前記装填部材が回転可能である、
前記第2の射撃形態では、前記単発用銃身と前記銃身部材とが一直線状にした状態で、前記制止面が前記装填部材の側面と当接して、前記装填部材が前記銃本体の天面と前記発射部の上面とを結ぶ線上よりも、突出しないように形成されている、ことが好ましい。
本発明によれば、第1の射撃形態では、単発用銃身が折り畳まれた状態で、ラック部材の制止面と装填部材の側面とが離れ、装填部材が回転可能になる。そして、装填部材の一側面を引き金の押圧面と接触後、第1の発明と同様に、第1の輪ゴムを装填後、第1の輪ゴムを発射できる。
第2の射撃形態では、単発用銃身を回転して、単発用銃身と銃身部材とが一直線状にした状態で、ラック部材の制止面が装填部材の側面と当接して、装填部材が銃本体の天面と発射部とを結ぶ線上よりも、突出しなくなる。この状態で、装填部材が第2の輪ゴムの発射に邪魔にならなくなる。
ここで、第2のフックに一つの第2の輪ゴムの一方を掛けて、撃鉄の発射部に第2の輪ゴムの他方を十分に伸ばして掛ける。第2の輪ゴムを装填した後に、引き金を引くと、引き金の伝達面、突起部が撃鉄の撃鉄面、被係止部からそれぞれ離れ、撃鉄が第2の輪ゴムの張力により倒れ、第2の輪ゴムを発射する。次に、撃鉄を押すと、撃鉄が回転して引き金を引く前の状態に復帰する。これにより、銃本体を共通にする簡易な構成で、セミオートと、輪ゴムを目いっぱい伸ばして発射できる単発銃との射撃形態とを有する輪ゴム銃を得ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、多数の輪ゴムを装填部材に装填後、装填部材の操作を引き金により操作すると共に、引き金と連動する撃鉄を有する輪ゴム銃を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態による輪ゴム銃の分解斜視図である。
図2図1による輪ゴム銃のセミオートの射撃形態を示す正面図である。
図3図1による輪ゴム銃の単発銃の射撃形態を示す正面図である。
図4図1による輪ゴム銃の装填部材に第1の輪ゴムAを装填する手順を示し、装填部材の初期状態図(a)、輪ゴムAを装填部材に掛けた状態図(b)、装填部材を一定角度回転した状態図(c)、輪ゴムAを装填部材に掛け終えた状態図(d)である。
図5】輪ゴムAを装填部材に掛け終えた状態図(a)、引き金を引いて一発目の輪ゴムAを発射後の状態図(b)、撃鉄を押して引き金が復帰した状態図(c)、引き金を引いて二発目の輪ゴムAを発射後の状態図(d)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
本発明の一実施の形態を図1及び図3によって説明する。図1から図3において、輪ゴム銃1は、段ボール製で全体がピストル形状で、複数の第1の輪ゴムを装填後、第1の輪ゴムを引き金の操作に応じて、連続的に発射可能であるセミオートとしての第1の射撃形態と、一つの第2の輪ゴムBを装填後、輪ゴムBを単発で発射する単発銃としての第2の射撃形態とを有するものである。
輪ゴム銃1は、板形状で、一対の銃本体10と、一対の銃本体10に挟持される銃身部材10aと、第1の輪ゴムAを装填する装填部材20と、装填部材20と連動する引き金30と、引き金30と連動する撃鉄40とを横方向に順に設けられ、これらの板状に形成された部材が銃本体10どうしで、挟持されると共に、銃本体10のグリップ部10gどうしで挟持されるグリップ部材110gとを有している。銃本体10には、銃身部材10aとグリップ部材110gがピン200を用いて固定されると共に、装填部材20、引き金30、撃鉄40が回転可能にピン200を用いて取付けられている。本体10には、人の指で握られるグリップ部10gを有していている。グリップ部材110gには、引き金30を覆う略U形状の保護部110pが設けられている。
銃身部材10aは、板形状で、L形状を時計方向に90°回転した形状となっており、輪ゴムAを引っ掛ける第1のフック10fが先端部に設けられ、下側に平らなスライド面を有している。装填部材20は、側面視三角形状の板状で、三つの側面及び頂部20sを有している。銃身部材10aには、輪ゴムを案内する案内ピン202、204が設けられている。
【0012】
引き金30は板状で、略T形状をしており、上端部の一側面に伝達面30aと、伝達面30aの反対側に装填部材20の側面と接触可能な押圧面30cとを有しており、押圧面30cから上方端部に装填部材20の頂部20sを引掛ける引っ掛け部30Lと、伝達面30aの下には、突出した突起部30tとを有している。撃鉄40は、板状で、第2の輪ゴムBを係止する立設された棒状の発射部40iを上端に有すると共に、伝達面30aと接触可能な撃鉄面40aを有しており、撃鉄面40aの下には、突起部30tを止める被係止部としての切欠き40kを有していて、下端面には、グリップ部材110gの上端部に設けられた引っ掛け片110Lと当接する突起片40tを備えている。弾性手段としての二つの楕円形ゴム50は伸び縮み可能で、引き金30の突起部30tの下側、撃鉄40の切欠き40kの隣の底辺に一端がそれぞれ固定され、グリップ部材110gに他端が固定されている。
【0013】
単発用銃身100を回転可能にする可動機構60は、銃身部材10aの下側に上端面が接触してスライド可能に配置され、複数の凹凸部を下側に形成されたラック70rを有するラック部材70を有している。ラック部材70は側面視へ形状で、該ラック部70rと連通し、装填部材20の一つの側面と接触し得る傾斜状の制止面70sを有しており、上端部に第1の溝70vと、この第1の溝70vから第1のフック10fと反対方向に一定距離離れた第2の溝70uとを有している。
【0014】
単発用銃身100は板状の側面視L形状で、長方形状の短部とこの端部よりも幅が長い長部とを有する単発用銃身部100aを有しており、端部には半円部100pが銃本体10に回転可能に設けられ、半円部100pと反対方向に第2の輪ゴムを引っ掛ける第2のフック100fを有している。ここで、半円部100pには、ラック部70rの凹凸歯合するピニオンが形成されている。銃本体10には、銃身部材10aから隙間を介して板状の弾力部10dを有し、弾力部10dには、第1又は第2の溝70v,70uと係止する突起状の係止部10tが形成されている。ここで、セミオート射撃では、係止部10tが第1の溝70vと係止してラック部材70の移動を阻止し、単発射撃では、係止部10tが第2の溝70uと係止してラック部材70の移動を阻止するように形成されている。なお、単発用銃身部100aの長部の内側には、保護部110pと当接し得るようにV形状に切欠きされている。
【0015】
上記輪ゴム銃の輪ゴムの装填、発射の動作を図2から図5を参照して説明する。
<セミオートの射撃における第1の輪ゴムAの装填と発射>
セミオートの射撃では、単発用銃身100を反時計方向に回転し、単発用銃身100が折り畳まれた状態で、ラック部材70の制止面70sから装填部材20が離れて回転可能となる(図4(a))。銃本体10の第1のフック10fに第1の輪ゴムAの内側を引っ掛けて、装填部材20を時計方向に回転して頂点部20sを突出し、その頂点部20sに輪ゴムAの内側を掛けて、装填部材20を時計方向に回転して輪ゴムAを巻取りながら装填部材20に装填する(図4(b)〜(d))。同様に、次の輪ゴムAを装填部材20に装填する。この状態で、装填部材20は、複数の輪ゴムAを装填すると共に、一側面と引き金30の押圧面30cとが接触して回転を制止している(図4(d))。
【0016】
輪ゴムAを装填部材20に二つ装填した後(図5(a))、引き金30を引くと、引き金30の伝達面30a、突起部30tが撃鉄40の撃鉄面40a、切欠き40kからそれぞれ離れて、撃鉄40が第1のフック10f側に倒れると共に、装填部材20が一定角度反時計方向に回転し、一つの輪ゴムAが発射する。発射すると、引き金30の引っ掛け部30Lが装填部材20の頂部20sを引っ掛って装填部材20の回転を停止する。この際、撃鉄40の突起片40tが引っ掛け片110Lに当接して、撃鉄40の回転を制止する。これにより、引き金30の一回の操作で、輪ゴムAを一つ発射できる(図5(b))。発射する。撃鉄40の端部を下側に押すと、回転して引き金30を引く前の状態に戻る(図5(c))。二つ目の輪ゴムAを上記動作に従って発射する(図5(d))。
【0017】
<単発銃の射撃における第2の輪ゴムBの装填と発射>
単発銃の射撃では、単発用銃身100を時計方向に回転し、単発用銃身100と銃本体10の銃身部材10aとが一直線状にした状態で、ラック部材70の制止面70sが装填部材20の側面と当接して、装填部材20が銃本体10の天面と発射部40iとを結ぶ線上よりも、突出しなくなっている。ここで、輪ゴムBは、第2のフック100fに一方を掛け、撃鉄40の発射部40iに他方を十分に伸ばして掛けると装填が完了する。この装填状態から、引き金30を引くと、引き金30の伝達面30a、突起部30tが撃鉄40の撃鉄面40a、切欠き40kからそれぞれ離れて、撃鉄40が輪ゴムBの張力により倒れ、輪ゴムBを発射する。発射後、撃鉄40の端部を下側に押すと、撃鉄が回転して、引き金30を引く前の状態に復帰する。
【符号の説明】
【0018】
1 輪ゴム銃、10 銃本体、10a 銃身部材、10f 第1のフック、10g グリップ部、10t 係止部、20 装填部材、30 引き金、30a 伝達面、30c 押圧面、30L 引っ掛け部、30t 突起部、40 撃鉄、40a 撃鉄面、40i 発射部、40k 切欠き、50 楕円形ゴム、70 ラック部材、70r ラック部、70v 第1の溝、70s 制止面、70u 第2の溝、100 単発用銃身、100f 第2のフック、100p 半円部、110g グリップ部材。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2020年9月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1の輪ゴムを引き金の操作に応じ、連続的に発射可能である第1の射撃形態と、一つの第2の輪ゴムを単発で発射する第2の射撃形態とを有する複数の射撃形態を備えており、板状で、対向して設けられ、グリップ部を有する一対の銃本体を備え、
銃身部材と、第1の輪ゴムを装填する装填部材と、該装填部材と連動する引き金と、該引き金と連動する撃鉄とを順に前記銃本体どうしで、挟持すると共に、前記グリップ部どうしで挟持されるグリップ部材とを有しており、前記銃本体には、前記銃身部材と前記グリップ部材が固定されると共に、前記装填部材、前記引き金、前記撃鉄が回転可能に取付けられ輪ゴム銃であって、
前記銃身部材には、先端部に設けられ、前記第1の輪ゴムを引っ掛ける第1のフックを有し、
前記装填部材は、側面視三角形状の板状で、三つの側面及び頂部を有し
前記引き金は板状で、前記側面を押圧し得る押圧面と、この押圧面と反対方向の上端部の一側面に伝達面と、前記押圧面から上方端部に前記頂部を引掛ける引っ掛け部と、前記伝達面の下には、突出した突起部とを有しており、
前記撃鉄は板状で、前記伝達面と接触可能な撃鉄面を有し、前記撃鉄面の下には、前記突起部を止める被係止部を備えており、
一端と他端とを有し、前記突起部の下側及び前記撃鉄の底辺部に前記一端が固定され、前記グリップ部材に前記他端が連結固定された伸び縮み可能な弾性手段を、備えており、
記撃鉄は、前記第2の輪ゴムを掛ける立設された棒状の発射部を上端に有しており、
前記銃身部材の下側に上端面が接触してスライド可能に配置され、複数の凹凸部を下側に有するラック部、該ラック部と連通すると共に、前記装填部材の一つの側面と接触し得る傾斜状の制止面を有するラック部材と、
板状で、一端部に前記凹凸部に歯合するピニオンを有する半円部と、該半円部が前記銃本体に回転可能に設けられると共に、前記半円部と反対方向の他端部に前記第2の輪ゴムを引っ掛ける第2のフックを有する単発用銃身とを備え、
前記ラック部材、前記単発用銃身は、前記銃本体どうしで、挟持すると共に、前記銃本体に回転可能に取付けられており、
前記第1の射撃形態では、前記単発用銃身が折り畳まれた状態で、前記制止面と前記装填部材の側面とが離れ、前記装填部材が回転可能である、
前記第2の射撃形態では、前記単発用銃身と前記銃身部材とが一直線状にした状態で、前記制止面が前記装填部材の側面と当接して、前記装填部材が前記銃本体の天面と前記発射部の上面とを結ぶ線上よりも、突出しないように形成されている、
ことを特徴とする輪ゴム銃。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
第1の発明に係る輪ゴム銃は、複数の第1の輪ゴムを引き金の操作に応じ、連続的に発射可能である第1の射撃形態を有しており、一つの第2の輪ゴムを単発で発射する第2の射撃形態とを有する複数の射撃形態を備え、板状で、対向して設けられ、グリップ部を有する一対の銃本体を備え、
銃身部材と、第1の輪ゴムを装填する装填部材と、該装填部材と連動する引き金と、該引き金と連動する撃鉄とを順に前記銃本体どうしで、挟持すると共に、前記グリップ部どうしで挟持されるグリップ部材とを有しており、前記銃本体には、前記銃身部材と前記グリップ部材が固定されると共に、前記装填部材、前記引き金、前記撃鉄が回転可能に取付けられ輪ゴム銃であって、
前記銃身部材には、先端部に設けられ、前記第1の輪ゴムを引っ掛ける第1のフックを有し、
前記装填部材は、側面視三角形状の板状で、三つの側面及び頂部を有し
前記引き金は板状で、前記側面を押圧し得る押圧面と、この押圧面と反対方向の上端部の一側面に伝達面と、前記押圧面から上方端部に前記頂部を引掛ける引っ掛け部と、前記伝達面の下には、突出した突起部とを有しており、
前記撃鉄は板状で、前記伝達面と接触可能な撃鉄面を有し、前記撃鉄面の下には、前記突起部を止める被係止部を備えており、
一端と他端とを有し、前記突起部の下側及び前記撃鉄の底辺部に前記一端が固定され、前記グリップ部材に前記他端が連結固定された伸び縮み可能な弾性手段を、備えており、
前記撃鉄は、前記第2の輪ゴムを掛ける立設された棒状の発射部を上端に有しており、
前記銃身部材の下側に上端面が接触してスライド可能に配置され、複数の凹凸部を下側に有するラック部、該ラック部と連通すると共に、前記装填部材の一つの側面と接触し得る傾斜状の制止面を有するラック部材と、
板状で、一端部に前記凹凸部に歯合するピニオンを有する半円部と、該半円部が前記銃本体に回転可能に設けられると共に、前記半円部と反対方向の他端部に前記第2の輪ゴムを引っ掛ける第2のフックを有する単発用銃身とを備え、
前記ラック部材、前記単発用銃身は、前記銃本体どうしで、挟持すると共に、前記銃本体に回転可能に取付けられており、
前記第1の射撃形態では、前記単発用銃身が折り畳まれた状態で、前記制止面と前記装填部材の側面とが離れ、前記装填部材が回転可能である、
前記第2の射撃形態では、前記単発用銃身と前記銃身部材とが一直線状にした状態で、前記制止面が前記装填部材の側面と当接して、前記装填部材が前記銃本体の天面と前記発射部の上面とを結ぶ線上よりも、突出しないように形成されている、ことを特徴とするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記輪ゴム銃によれば、第1の射撃形態では、単発用銃身が折り畳まれた状態で、ラック部材の制止面と装填部材の側面とが離れ、装填部材が回転可能になる。そして、装填部材の一側面を引き金の押圧面と接触後、第1の輪ゴムを装填後、第1の輪ゴムを発射できる。
第1のフックに第1の輪ゴムの内側を引っ掛けて、装填部材を回転して頂点部を突出し、その頂点部に第1の輪ゴムの内側を掛けて装填部材を回転し、第1の輪ゴムを巻取りながら装填部材に装填する。同様に、複数の第1の輪ゴムを装填部材に装填する。この状態で、装填部材は、一側面と引き金の押圧面とが接触して制止している。ここで、引き金を引くと、引き金の伝達面、突起部が撃鉄の撃鉄面、被係止部からそれぞれ離れ、撃鉄が第1フック側に倒れると共に、装填部材が一定角度回転し、第1の輪ゴムを発射する。発射すると、装填部材は、頂部が引き金の引っ掛け部に引っ掛って回転を停止する。これにより、引き金の操作で、第1の輪ゴムを一つ発射できる。ここで、撃鉄を押すと、撃鉄が回転して引き金を引く前の状態に戻る。そして、引き金を一度引くと、第1の輪ゴムが発射し、撃鉄を押して元の状態に復帰する。次に、引き金を引くと、第1の輪ゴムを発射できる。なお、撃鉄を抑えた状態のままにしておくと、引き金の引き操作のみで第1の輪ゴムを連続的発射できる。
加えて、グリップ部材の上端部に引っ掛け片が設けられ、撃鉄の下端面には、引っ掛け片と当接する突起片を設けることが好ましい。引き金を引くと、撃鉄の突起片がグリップ部材の引っ掛け片に当接して回転を阻止するためである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記輪ゴム銃によれば、第2の射撃形態では、単発用銃身を回転して、単発用銃身と銃身部材とが一直線状にした状態で、ラック部材の制止面が装填部材の側面と当接して、装填部材が銃本体の天面と発射部とを結ぶ線上よりも、突出しなくなる。この状態で、装填部材が第2の輪ゴムの発射に邪魔にならなくなる。
ここで、第2のフックに一つの第2の輪ゴムの一方を掛けて、撃鉄の発射部に第2の輪ゴムの他方を十分に伸ばして掛ける。第2の輪ゴムを装填した後に、引き金を引くと、引き金の伝達面、突起部が撃鉄の撃鉄面、被係止部からそれぞれ離れ、撃鉄が第2の輪ゴムの張力により倒れ、第2の輪ゴムを発射する。次に、撃鉄を押すと、撃鉄が回転して引き金を引く前の状態に復帰する。これにより、銃本体を共通にする簡易な構成で、セミオートと、輪ゴムを目いっぱい伸ばして発射できる単発銃との射撃形態とを有する輪ゴム銃を得ることができる。