【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、請求項1による対象物の画像化および/または分光法のための方法が提供されている。
【0006】
本方法は、以下のステップ、
i)第1の信号フィールドs
1および第1のアイドラーフィールドi
1を、ポンプビームを用いた第1の非線形媒体のポンピングにより、2つのフィールドが相関するように生成するステップと、
ii)対象物を、第1のアイドラーフィールドi
1を用いたそれぞれ透過および/または反射により照明するステップと、
iii)第2の信号フィールドs
2および第2のアイドラーフィールドi
2を、
−ポンプビームを用いた、空間的に分離した第2の非線形媒体のポンピングにより、または
−ポンプビームを用いた、第1の非線形媒体の2回目のポンピングにより、
2つのフィールドが相関するように生成するステップと、
iv)第1のアイドラーフィールドi
1および第2のアイドラーフィールドi
2を、2つのフィールドの区別がつかないように結合させ、かつ
第1の信号フィールドs
1および第2の信号フィールドs
2を、2つのフィールドが干渉するように結合させるステップと、
v)検出手段により、干渉信号フィールドs
12の第1の測定を行うステップと、
vi)検出手段により、干渉信号フィールドs
12の1つ以上の追加測定を行うステップであって、
ここで、ステップvi)の追加測定ごとに、異なる位相シフトαがセットアップにおいて生成され、
ここで、ステップv)の第1の測定およびステップvi)の1つ以上の追加測定は、セットアップの安定時間内ですべて実行される、ステップと、
vii)対象物の画像および/またはスペクトルを得るために、ステップv)およびステップvi)からの測定値から位相関数Φを計算するステップと、を含む。
【0007】
本発明は、請求項10による画像化および/または分光法のための装置をさらに提供する。
【0008】
本装置は、
ポンプビームを生成するためのポンプ源と、
ポンプビームによりポンピングされる、第1の信号フィールドs
1および第1のアイドラーフィールドi
1を生成する第1のフィールド生成手段と、
ポンプビームによりポンピングされる、第2の信号フィールドs
2および第2のアイドラーフィールドi
2を生成する第2のフィールド生成手段と、を備え、
ここで、第1のフィールド生成手段および第2のフィールド生成手段は、
−ポンプビームによりポンピングされる2つの空間的に分離された非線形媒体か、または
−第1の信号フィールドs
1および第1のアイドラーフィールドi
1の生成のためにポンプビームにより1回目のポンピングがなされかつ第2の信号フィールドs
2および第2のアイドラーフィールドi
2の生成のために2回目のポンピングがなされる1つの非線形媒体であり、さらに
第1のアイドラーフィールドi
1によるそれぞれ透過または反射によって照明される測定すべき対象物と、
第1の信号フィールドs
1および第2の信号フィールドs
2を、2つのフィールドが干渉するように重ね合わせるための信号結合手段と、
第1のアイドラーフィールドi
1および第2のアイドラーフィールドi
2を、2つのフィールドの区別がつかないように重ね合わせるためのアイドラー結合手段と、
干渉信号フィールドの強度および/または位相を検出するための検出手段と、を備える。
これにより、移相器は、第1の信号フィールドs
1内、および/または第2の信号フィールドs
2内、および/またはポンプビーム内、および/または区別のつかない第1の信号フィールドs
1および第2の信号フィールドs
2内に配置され、
ここで、移相器は、対象物の画像および/またはスペクトルを得るために、測定中に装置内に位相シフトαを導入するように適合化されている。
【0009】
本発明は、既知のシステムに対して、干渉計を調整および/または再調整する必要がない改善された解決手段を提供する。好適には、セットアップ内に対象物がない状態で測定の開始時にセットアップを調整する必要がなく、かつ/または干渉計の安定時間よりも長い測定時間の間システムを再調整する必要はない。本発明の別の利点は、分光法のための干渉縞中心または強め合うもしくは弱め合う干渉のための干渉計設定を見つける必要がないことである。
【0010】
本発明の別の利点は、例えば、強め合う干渉および/または弱め合う干渉のために、測定の開始時の位相を特定値に設定する必要がないことである。本発明の利点として、測定の開始時の干渉計の位相は、未知および/または任意であってよい。
【0011】
本発明の別の利点は、測定精度をさらに改善する必要がある場合、または測定時間をさらに延長する必要がある場合に、ステップv)およびステップvi)の測定を2回、または3回、または4回、またはそれ以上繰り返すことができることである。本発明の利点は、(1回のステップv)およびステップvi)からなる)各測定単位のみが、セットアップの安定時間内に実行されればよいことにある。システムの再調整は、セットアップにおける開始フェーズが未知であってもよいため測定単位間では必要がない。ステップvii)の計算のために、複数の測定単位が実行される場合には、測定単位の測定値が合計されてもよい。
【0012】
本発明の1つの原理は、時間変化する強度測定点からあらゆる測定位置での波面位相を計算することである。時間変化する信号が検出され、相対位相がこれらの信号にエンコードされる。フィールド間の位相シフトは、データ収集中に既知のように変化し、位相シフトが計算のために考慮される。
【0013】
好適な方法および/または装置では、第1および/または第2の非線形媒体は、非線形結晶、好適にはppKTP結晶(周期的に分極されたチタンリン酸カリウム結晶)、好適にはBBO結晶、好適には同じ物理的および光学的特性を有する2つの結晶である。
【0014】
ステップi)および/またはステップiii)の好適な方法では、信号フィールドおよびアイドラーフィールドは、結晶の内部またはその後方の分離手段によって分離されるか、または非線形媒体での信号フィールドおよびアイドラーフィールドの生成のために分離され、それぞれBBO(β−ホウ酸バリウム)結晶でのフィールドの生成のために分離されている。
【0015】
好適な方法および/または装置では、位相整合条件は、第1の信号フィールドs
1およびアイドラーフィールドi
1ならびに/または第2の信号フィールドs
2およびアイドラーフィールドi
2の生成において満たされる。
【0016】
好適な方法および/または装置では、第1の非線形媒体の後方において、分離手段が、第1の信号フィールドs
1およびアイドラーフィールドi
1を空間的に分離するためにフィールドパス内に配置されている。
【0017】
好適な方法および/または装置では、分離手段は、ダイクロイックミラーまたはプリズムまたは回折格子である。
【0018】
好適な方法および/または装置では、ポンプビームは、コヒーレントな光ビームもしくはレーザービームを生成するためのコヒーレントな光源もしくはレーザーを含むポンプ源によって生成されている。
【0019】
好適には、ポンプ源は、ポンプビームまたはそれぞれコヒーレントな光ビームもしくはレーザービームを生成するためのコヒーレントな光源もしくはレーザーを含むことができる。
【0020】
好適な方法および/または装置では、ポンプビームは、第1の非線形媒体をポンピングする第1のポンプビームと、第2の非線形媒体をポンピングする第2のポンプビームとに分離され、ここで、この分離は、ポンプビーム分離手段によって、好適には、ビームスプリッタかまたは波長板を備えた偏光ビームスプリッタによって実現される。
【0021】
好適な方法および/または装置では、第1および第2の信号フィールドs
1,s
2ならびに第1および第2のアイドラーフィールドi
1,i
2の生成は、誘導放出を伴うおよび/または伴わない誘導コヒーレンスによって、好適には非線形媒体を低ゲインまたは高ゲインの状況でポンピングすることによって実現される。
【0022】
好適な方法および/または装置では、相関信号フィールドs
1,s
2およびアイドラーフィールドi
1,i
2は、相関光子ビーム、または相関光子対すなわちそれぞれ絡み合った光子対である。
【0023】
好適な方法および/または装置では、第1の信号フィールドs
1は、波長λ
s1を有し、第1のアイドラーフィールドi
1は、波長λ
i1を有し、ならびに/またはここで第2の信号フィールドs
2は、波長λ
S2を有し、第2のアイドラーフィールドは、波長λ
i2を有する。好適には、波長λ
s1は、波長λ
S2に等しく、ならびに/または波長λ
i1は、波長λ
i2に等しい。好適には、波長λ
s1および波長λ
S2は、波長λ
i1およびλ
i2とは異なる。これは、測定手段上の測定が異なる波長で実行される間に、特定の波長で対象物をプローブすることを可能にする。
【0024】
好適な方法および/または装置では、相関という表現は、好適には、第1の信号フィールドs
1およびアイドラーフィールドi
1ならびに/または第2の信号フィールドs
2およびアイドラーフィールドi
2が、位相、および/または強度、および/または振幅、および/またはコヒーレンス時間、および/または運動量、および/または空間、および/またはスペクトル特性において相関しているという意味で理解される。
【0025】
好適な方法および/または装置では、第1の信号フィールドs
1および第1のアイドラーフィールドi
1は、第1の非線形媒体における2つのフィールドの生成によって相関される。好適には、第1の信号フィールドs
1および第1のアイドラーフィールドi
1は、位相、および/または強度、および/または振幅、および/またはコヒーレンス時間、および/または運動量、および/または空間において相関している。
【0026】
好適な方法および/または装置では、第2の信号フィールドs
2および第2のアイドラーフィールドi
2は、第2の非線形媒体における2つのフィールドの生成によって相関される。好適には、第2の信号フィールドs
2および第2のアイドラーフィールドi
2は、位相、および/または強度、および/または振幅、および/またはコヒーレンス時間、および/または運動量、および/または空間において相関している。
【0027】
好適な方法および/または装置では、区別がつかないという表現は、好適には、これらのフィールドの区別がつかず、ゆえにそれらは干渉している、好適には、すべての自由度において区別がつかず、ゆえにそれらは干渉しているという意味で理解される。自由度とは、空間的、および/または周波数、および/または偏光、および/またはモードであり得る。
【0028】
好適な方法および/または装置では、第1の信号フィールドs
1および第2の信号フィールドs
2の干渉は、好適には干渉手段上での、好適にはビームスプリッタもしくは偏光ビームスプリッタ上での、第1の信号フィールドs
1および第2の信号フィールドs
2の区別がつかないことに起因する。
【0029】
好適な方法および/または装置では、第1の信号フィールドs
1および第2の信号フィールドs
2の干渉は、干渉計へのコンポーネントの配置のために発生する。好適には、これらのコンポーネントは、マッハツェンダー干渉計構成またはフィゾー干渉計構成またはマイケルソン干渉計構成で配置される。
【0030】
好適な方法および/または装置では、第1および第2のアイドラーフィールドi
1,i
2は、それぞれ非線形結晶をコヒーレントなポンプビームでポンピングすることによって相関され、かつ/または2つのフィールドの区別がつかないことによって、好適にはそれらはすべての自由度において区別がつかず、ゆえにそれらは干渉する。自由度とは、空間的、および/または周波数、および/または偏光、および/またはモードであり得る。
【0031】
好適な方法および/または装置では、第1および第2の信号フィールドs
1,s
2は、それぞれ第1および第2の非線形結晶をコヒーレントなポンプビームでポンピングすることによって相関され、かつ/または2つのフィールドの区別がつかないことによって、好適にはそれらはすべての自由度において区別がつかず、ゆえにそれらは干渉する。自由度とは、空間的、および/または周波数、および/または偏光、および/またはモードであり得る。
【0032】
好適な方法および/または装置では、ポンプフィールドおよびアイドラーフィールドの空間的およびスペクトル的コヒーレンスは、第1の信号フィールドs
1と第2の信号フィールドs
2との間の一次干渉が観察できる程度である。レーザーのコヒーレンス時間が結晶1と結晶2との間の伝搬時間よりも短い場合、生成されるフィールドの所要コヒーレンスは、ポンプと第1のアイドラーフィールドi
1との間のパスに光学的遅延を導入することによって達成することができ、付加的に、第1の信号フィールドs
1と第2の信号フィールドs
2との間の一次干渉条件が満たされなければならない。ここでは、ポンプとは、好適には、第2の信号フィールドs
2および第2のアイドラーフィールドi
2の生成のためのポンプを意味する。これは、どの結晶でフィールドが生成されるかは未知なはずであることを意味する。これは、例えば、第1の結晶からのアイドラーフィールドを、第2の結晶からのアイドラーフィールドと完全に位置合わせすることによって得ることができる。
【0033】
好適な方法および/または装置では、第1の信号フィールドs
1および第2の信号フィールドs
2の干渉により、干渉信号フィールドs
12が生成される。
【0034】
好適な方法および/または装置では、第1のアイドラーフィールドi
1および第2のアイドラーフィールドi
2の結合は、第2の非線形媒体の内部および/またはその後方で発生し、またはアイドラー結合手段のために発生する。
【0035】
好適な方法および/または装置では、第1および第2のアイドラーフィールドi
1,i
2の結合は、第1および第2のアイドラーフィールドi
1,i
2の空間的重ね合わせにより実現される。好適には、第1および第2のアイドラーフィールドi
1,i
2の空間的重ね合わせは、非線形媒体の内部やその後方での、あるいはアイドラー結合手段、それぞれビームスプリッタおよび/またはダイクロイックミラー内でのフィールドの空間的重ね合わせによって実現される。
【0036】
好適な方法および/または装置では、第1および第2の信号フィールドs
1,s
2の結合は、信号結合手段により発生する。
【0037】
好適な方法および/または装置では、第1および第2の信号フィールドs
1,s
2の結合は、第1および第2のアイドラーフィールドi
1,i
2の空間的重ね合わせにより実現される。好適には、第1および第2のアイドラーフィールドi
1,i
2の空間的重ね合わせは、信号結合手段、それぞれビームスプリッタおよび/またはダイクロイックミラーによって実現される。
【0038】
好適な方法および/または装置では、第1および第2の信号フィールドs
1,s
2の干渉は、それぞれビームスプリッタ、および/または50/50ビームスプリッタ、および/または偏光ビームスプリッタ、および/またはダイクロイックミラーによる信号結合手段内のフィールドの空間的重ね合わせによって実現され、ならびに/または非線形媒体後方でのフィールドの空間的重ね合わせによって実現される。
【0039】
好適な方法および/または装置では、信号および/またはアイドラー結合手段は、ビームスプリッタ、および/または50/50ビームスプリッタ、および/または偏光ビームスプリッタ、および/またはダイクロイックミラーを含む。
【0040】
好適な方法および/または装置では、ステップv)およびステップvi)の測定は、対象物上または対象物内の特定の点について行われる。
【0041】
好適な方法および/または装置では、ステップv)およびステップvi)の測定は、対象物上の移動または異なる測定点のための対象物による追加位相シフトを導入しないために、対象物の移動なしで行われる。
【0042】
好適な方法および/または装置では、位相シフトαは、
−第1の信号フィールドs
1内、および/または
−第2の信号フィールドs
2内、および/または
−第1のアイドラーフィールドi
1内、および/または
−第2のアイドラーフィールドi
2内、および/または
−第1の非線形媒体前方のポンプビーム内、好適には第1のポンプビーム内、および/または
−第2の非線形媒体前方のポンプビーム内、好適には第2のポンプビーム内、および/または
−第1の信号フィールドi
1と第2の信号フィールドi
2との間、および/または
−第1の信号フィールドs
1と第1のアイドラーフィールドi
1との間、および/または
−第1のポンプビームと第2のポンプビームとの間、および/または
−干渉信号フィールドs
12内で形成される。
【0043】
上記の任意選択事項はすべて同じ結果につながる。また、組み合わせ、すなわちいくつかの任意選択事項の組み合わせも、同じ結果につながる。
【0044】
好適な方法および/または装置では、位相シフトαは、
−1つ以上のフィールドのパス長を変更すること、および/または
−第1および/または第2のポンプビームの波長を変更することによって、ならびに/または
−熱効果によって、ならびに/または
−一方もしくは両方の干渉計アームの光路長の空間変位もしくは変更によって作成される。
【0045】
好適な方法および/または装置では、ファイバ内で位相シフトαは、
−熱効果、および/または
−1つ以上のフィールドのパス長を変更すること、および/または
−第1および/または第2のポンプビームの波長を変更すること、および/または
−ファイバ内の機械的応力によって作成される。
【0046】
ステップvi)の好適な方法および/または装置において、異なる位相シフトとは、セットアップにおける、好適には干渉計におけるステップv)の位相に、位相シフトαが追加されることを意味する。
【0047】
好適な方法および/または装置では、ステップv)の位相、好適にはセットアップの位相、好適にはステップv)の干渉計の位相は、未知および/または任意である。
【0048】
好適な方法および/または装置では、位相シフトは、それぞれピエゾ素子によって可動なミラーの並進および/または光学面の並進および/またはダイクロイックミラーの並進によって、ならびに/またはファイバエキスパンダーによって、ならびに/または平面平行板の傾斜によって、ならびに/または2つのビーム、好適には2つのポンプビーム間の光周波数差によって、ならびに/またはEOMおよび/または波長板および/または偏光ビームスプリッタおよび/または偏光子よる偏光の変化によって、ならびに/または平面平行板の傾斜によって、ならびに/または複屈折板の回転もしくは移動によって、導入することができる。
【0049】
好適な方法および/または装置では、セットアップの安定時間は、安定時間の間、セットアップの可視性の変化、好適には干渉計の可視性の変化が、0.6〜1の範囲、好適には0.9〜1の範囲、好適には0.95〜1の範囲にあることを意味する。
【0050】
好適な方法および/または装置では、検出手段は、CCDカメラまたはCMOSカメラまたは分光計またはファイバアレイまたはSPADアレイである。
【0051】
好適な方法および/または装置では、検出手段上で検出された干渉信号フィールドs
12のみが、ステップvii)の位相関数の計算に使用され、好適には、干渉信号フィールドs
12を検出する検出手段の検出領域のみが、ステップvii)の位相関数の計算に使用される。
【0052】
ステップv)および/またはステップvi)の好適な方法、ならびに/または好適な装置では、干渉信号フィールドs
12の強度および/または位相および/または振幅が測定される。
【0053】
ステップv)および/またはステップvi)の好適な方法、ならびに/または好適な装置では、強め合うおよび弱め合う干渉は、それぞれ、干渉手段、それぞれ50/50ビームスプリッタの2つの出力アーム後方の第1の検出手段および第2の検出手段によって測定され、それぞれここでは、50/50ビームスプリッタは、信号結合手段である。強め合うおよび弱め合う干渉が、本発明による2つの検出手段を備えた干渉手段の後方で測定される場合、さらに、追加の位相シフトαが、ステップvi)のセットアップで生成される。この実施形態の利点は、1つの位相シフトαおよび強め合うおよび弱め合う干渉の検出によって、4つの測定ステップを行うことができることである。好適には、位相シフトαは、干渉手段の第1の出力アーム上の(例えば強め合う干渉での)測定に追加され、さらに位相シフトαは、干渉手段の第2の出力アーム上の(例えば弱め合う干渉での)測定に追加される。
【0054】
ステップv)および/またはステップvi)の好適な方法では、1つの検出手段が使用され、ここで測定ごとに位相シフトαが生成されるか、または2つ以上の検出手段が使用され、ここで追加の検出手段ごとに同じまたは別個の位相シフトαが生成される。
【0055】
好適な方法および/または装置では、検出手段は、検出領域を有し、ここで、領域全体が、ステップv)および/またはステップvi)の1つの特定の測定に使用されるか、またはここで領域が、より個別の測定領域に分割され、ここで、個々の測定領域ごとに、別個の位相シフトαが生成される。
【0056】
好適な方法では、ステップv)およびステップvi)の測定は、対象物全体の位相関数Φ(x,y)の計算のために、対象物の点x,yごとに繰り返される。
【0057】
対象物の位相関数Φの計算は、以下のステップの1つに従った計算によって行うことができる。
【0058】
ステップv)およびステップvi)の好適な方法および/または装置では、2つの測定が2つの異なる位相で実行され、これは、1つの位相シフトαが生成されることを意味する。
【0059】
ステップv)およびステップvi)の好適な方法および/または装置では、3つの測定が3つの異なる位相で実行され、これは、2つの位相シフトαが生成されることを意味する。
【0060】
ステップv)およびステップvi)の好適な方法および/または装置では、4つの測定が4つの異なる位相で実行され、これは、3つの位相シフトαが生成されることを意味する。
【0061】
ステップv)およびステップvi)の好適な方法および/または装置では、5つの測定が5つの異なる位相で実行され、これは、4つの位相シフトαが生成されることを意味する。
【0062】
ステップv)およびステップvi)の好適な方法および/または装置では、6つの測定が6つの異なる位相で実行され、これは5つの位相シフトαが生成されることを意味する。
【0063】
ステップv)およびステップvi)の好適な方法および/または装置では、2つの位相シフトαが、1つの位相シフトステップならびにそれぞれ干渉手段の2つの出力アーム後方の第1の検出手段および第2の検出手段による強め合うおよび弱め合う干渉の測定のみで生成される。
【0064】
好適な方法では、位相関数Φ(x,y)は、以下の関係式、
【0065】
【数1】
【0066】
ただし、好適には、
位相φをそれぞれφ=0もしくは任意とした干渉信号フィールドの強度I
1、
位相シフトαをそれぞれα=π/2とした干渉信号フィールドs
12の強度I
2、
位相シフトα’をそれぞれα’=πとした干渉信号フィールドs
12の強度I
3を、
位相シフトα’’をそれぞれα’’=3π/2とした干渉信号フィールドs
12の強度I
2、
により、ステップv)およびvi)での測定によって、それぞれステップv)およびvi)での強度測定によって計算される。
【0067】
好適な方法では、位相関数Φ(x,y)は、以下の関係式、
【0068】
【数2】
【0069】
ただし、好適には、
位相φ=0もしくは任意での干渉信号フィールドs
12の強度I
2、
位相シフトαでの干渉信号フィールドs
12の強度I
1、
位相シフトα’=−αでの干渉信号フィールドs
12の強度I
3、
により、ステップv)およびvi)での測定によって、それぞれステップv)およびvi)での強度測定によって計算される。
【0070】
好適な方法では、位相関数Φ(x,y)は、以下の関係式、
【0071】
【数3】
【0072】
ただし、好適には、
位相φ=0もしくは任意での干渉信号フィールドs
12の強度I
2、
位相シフトαをそれぞれα=π/2とした干渉信号フィールドs
12の強度I
1、
位相シフトα’をそれぞれα’=−αとした干渉信号フィールドs
12の強度I
3、
により、ステップv)およびvi)での測定によって、それぞれステップv)およびvi)での強度測定によって計算される。
【0073】
好適な方法では、位相関数Φ(x,y)は、以下の関係式、
【0074】
【数4】
【0075】
ただし、好適には
位相φ=π/4での干渉信号フィールドs
12の強度I
1、
位相シフトα=3π/4での干渉信号フィールドs
12の強度I
2、
位相シフトα’=5π/4での干渉信号フィールドs
12の強度I
3、
により、ステップv)およびvi)での測定によって、それぞれステップv)およびvi)での強度測定によって計算される。
【0076】
好適な方法では、位相関数Φ(x,y)は、以下の関係式、
【0077】
【数5】
【0078】
により、ステップv)およびvi)での測定によって、それぞれステップv)およびvi)での強度測定によって計算される。
【0079】
好適な方法では、ステップvii)において、対象物の位相分布は、強度測定の強度パターンによって検索される。
【0080】
好適な方法および/または装置では、セットアップは、好適には、ファイバ内ポンプ、ファイバ内フィールド生成、ファイバ内干渉、およびファイバ内検出を伴うファイバ内セットアップとして設計されてよい。好適には、対象物のために、第1のアイドラーフィールドは、ファイバから第1のアイドラーフィールドを結合する第1のファイバカプラと、第1のアイドラーフィールドを対象物後方のファイバに結合する第2のファイバカプラとによって形成される自由空間チャネル内に配置されている。
【0081】
好適な方法および/または装置では、分離手段および信号結合手段は、マッハツェンダー干渉計構成で配置され、それぞれマッハツェンダー干渉計のビームスプリッタのように作用する。
【0082】
好適な方法および/または装置では、ポンプビーム分離手段および信号結合手段は、マッハツェンダー干渉計構成で配置され、それぞれマッハツェンダー干渉計のビームスプリッタのように作用する。
【0083】
マッハツェンダー干渉計構成での好適な方法および/または装置では、第1のフィールド生成手段は、分離手段の前方およびポンプビーム分離手段の後方に配置されており、ここで、分離手段は、第1の信号フィールドs
1および第1のアイドラーフィールドi
1を分離し、ここで、対象物は、第1のアイドラーフィールドi
1内に配置され、ここで、第2のフィールド生成手段は、対象物の後方に配置され、ここで、結合手段内で、第1の信号フィールドs
1および第2の信号フィールドs
2が干渉する。
【0084】
マッハツェンダー干渉計構成での好適な方法および/または装置では、第1のフィールド生成手段および干渉手段は、マッハツェンダー干渉計構成で配置され、それぞれマッハツェンダー干渉計のビームスプリッタのように作用する。ここで、一方のアームには、第2の生成手段が配置されている。ここで、好適には、第1および第2の生成手段は、BBO結晶である。
【0085】
好適な方法および/または装置では、分離手段および信号結合手段は、レーザーフィゾー干渉計構成で配置されている。
【0086】
好適な方法および/または装置では、分離手段および信号結合手段は、レーザーマイケルソン干渉計構成で配置されている。
【0087】
好適な方法および/または装置では、干渉計は、偏光干渉計であり、好適には、2つの偏光がそれぞれ干渉計の一方のアームに送信される。
【0088】
好適な方法および/または装置では、位相シフトαは、干渉計内で作成されている。
【0089】
本発明は、上記の方法のうちの1つを提供するように適合化された画像化および/または分光法のための装置をさらに提供する。
【0090】
本発明は、制御デバイスが移相器および検出手段に接続されている、上記の方法のうちの1つを提供するように適合化された制御デバイスを備えた装置をさらに提供する。
【0091】
本発明はさらに、不揮発性メモリを有するマイクロプロセッサを備えたコンピュータデバイスを提供し、ここで、不揮発性メモリは、上記の方法の1つを提供するように適合化された実行可能プログラムを含み、好適には、ここで、コンピュータデバイスが制御デバイスである。
【0092】
本発明の上記および他の態様、特徴、および利点は、添付の図面と共に解釈するならば、以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。