【解決手段】飲食物Mが指定場所DPに移動されて消費者Uに提供されるまでの一連の流れにおいて、飲食物Mの材料、飲食物M、並びに飲食物Mが盛り付けられたホテルパンH若しくは飲食物Mが格納されたコンテナCのうち少なくとも1つを管理対象Tとして、管理対象Tの温度を制御する制御システムにおいて、取得部101は、工程P5乃至P7の夫々に設定されたコントロールポイントCP1乃至CP3の夫々において、管理対象Tの温度情報を取得する。コントロール部102は、コントロールポイントCP1乃至CP3の夫々から取得された管理対象Tの測定温度に基づいて、管理対象Tの温度を一連の流れにおいて一貫して管理する。
前記飲食物の移動前の所定タイミングにおいて、当該飲食物の移動中における温度が前記所定範囲を逸脱しないように、予め設定された温度となるように当該飲食物の包装の温度を調整する調整手段をさらに備える、
請求項2又は3に記載の制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
まず、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る制御システム(後述する
図2参照)の適用対象となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る制御システムの適用対象となる本サービスの概要を示す図である。
【0012】
本サービスは、料理提供者から消費者Uに飲食物Mが提供される際の温度管理に関するサービスである。
料理提供者は、消費者Uに飲食物Mを提供する者である。料理提供者には、例えば、飲食物Mのデリバリサービスを行う会社や、飲食物Mのケータリングサービスを行う会社等が含まれる。
図1の例では、料理提供者に属する者として、サーバ1を管理するセンターに存在する者G1(以下「センター管理者G1」と呼ぶ)、飲食物Mを製造等する現場の者G2(以下「現場者G2」と呼ぶ)、飲食物Mを運搬するドライバーG3、及び指定場所DPにて飲食物Mを提供する者G4(以下「目的地スタッフG4」と呼ぶ)が存在するものとする。なお、以下、図示はしないが、料理提供者に対しても符号Gを付して、「料理提供者G」として説明する。
消費者Uは、飲食物Mを消費する者、例えば、飲食物Mのデリバリサービスを利用する会社や個人、或いは飲食物Mのケータリングサービスを利用する会社や個人等である。
【0013】
本サービスには、セントラルコントロールサービスと、温度コントロールサービスと、モニタリングサービスとが含まれる。
「セントラルコントロールサービス」とは、飲食物Mの材料が仕入れられ、その材料が用いられて飲食物Mが生成(調理)され、飲食物Mが指定場所DPに移動され、飲食物Mが消費者Uに提供されるまでの一連の流れにおいて、飲食物Mに関わる温度管理の対象T(以下、「管理対象T」と呼ぶ)の温度を一貫して管理するサービスである。
「温度コントロールサービス」とは、飲食物Mの移動前の所定タイミングにおいて、管理対象Tの温度が設定温度stになるようにコンテナCの内部の温度を調整するサービスである。
「モニタリングサービス」とは、消費者Uが料理提供者Gに飲食物Mを注文した場合に、消費者Uと料理提供者Gとの夫々が、管理対象Tの温度の推移を容易に確認(モニタリング)できるようにするサービスである。消費者Uと料理提供者Gとの夫々は、モニタリングサービスを利用することで、管理対象Tの温度の推移を確認(モニタリング)することができる。
【0014】
料理提供者G及び消費者Uの夫々は、本サービスを利用する場合、本サービスを利用可能にする専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)をスマートフォン等にインストールすることができる。また、料理提供者G及び消費者Uの夫々は、スマートフォン等のブラウザ機能を用いて、本サービスを利用可能にする専用のWebサイト(以下、「専用サイト」と呼ぶ)にアクセスすることによっても本サービスを利用することができる。
【0015】
本サービスは、例えば
図1に示すような流れで提供される。
なお、
図1の例では、消費者Uは会社であり、社員の福利厚生の一環として、料理提供者Gにより提供される飲食物Mのケータリングサービスを昼食時に利用するものとする。
また、管理対象Tは、全て同一でもよいが、本実施形態では後述する各工程P1乃至P9毎に、飲食物Mの材料、飲食物M自体、当該飲食物Mが盛り付けられるホテルパンHのうちの何れかが設定されているものとする。
【0016】
まず、料理提供者G(特に現場者G2)は、飲食物Mの調理に必要となる材料の仕入れを行う(工程P1)。
料理提供者Gにより仕入れられた材料は、冷蔵庫や冷凍庫等に適宜貯蔵される(工程P2)。
【0017】
また、本サービスの提供を受けようとする消費者Uは、料理提供者Gに対し、飲食物Mのケータリングサービスの提供をオーダーする。
具体的には例えば、消費者Uは、専用アプリや専用サイト、電話、ファクシミリ等の手法を用いてケータリングサービスをオーダーする。
消費者Uは、料理提供者Gにケータリングサービスをオーダーする際、ケータリングサービスの提供を希望する日時及び場所を指定する。
なお以下、消費者Uにより指定された日及び時間の夫々のことを「指定日DD」及び「指定時間DT」の夫々と呼び、消費者Uにより指定された場所のことを「指定場所DP」と呼ぶ。例えば
図1の例では、指定日DDが2020年2月28日であり、指定時間DTが12:00であり、指定場所DPが消費者Uの会議室であるものとする。
【0018】
消費者Uからのオーダーを受けた料理提供者G(特に現場者G2)は、指定日DD(2020年2月28日)の所定タイミング(例えば9:00)になると飲食物Mの調理を開始する(工程P3)。
料理提供者G(特に現場者G2)が調理を開始するタイミングは、飲食物Mの調理場所から指定場所DP(会議室)までの距離、指定時間DT(12:00)、道の混雑状況等が考慮される。
【0019】
料理提供者G(特に現場者G2)は、飲食物Mを完成させると、飲食物MをホテルパンHに盛り付ける(工程P4)。
飲食物Mが盛り付けられたホテルパンHは、コンテナCに格納される(工程P5)。
ホテルパンHが格納されたコンテナCは、料理提供者G(特にドライバーG3)により指定場所DPに向けて配送される(工程P6)。
料理提供者G(特にドライバーG3及び目的地スタッフG4)は、指定場所DPに到着すると、コンテナCを会議室に搬出する(工程P7)。
料理提供者G(特に目的地スタッフG4)は、コンテナCを開けて飲食物Mを消費者Uに提供する(工程P8)。
消費者Uが飲食物Mを消費することで、当該飲食物Mの提供が終了となる(工程P9)。
【0020】
ここで、工程P4において、飲食物Mが盛り付けられたホテルパンHが格納されるコンテナCは、管理対象TとしてのホテルパンHの温度を測定可能とする温度測定器5を備える。これにより、ホテルパンHの温度が常時測定可能となる。
また、工程P5において、コンテナCは、コンテナC内の温度を調整可能とする温度制御装置2を備える。これにより、コンテナC内の温度が常時調整可能となる(温度コントロールサービス)。
【0021】
飲食物Mが載せられたホテルパンHをコンテナCに格納する工程P5において、ホテルパンHは、コンテナCの加温機能により既に設定温度st(例えば飲食物Mの完成時の温度以上の温度)になるように加温された状態になっている。具体的には例えば、コンテナCの内部が加温されることでホテルパンHが加温される。このように、コンテナCの内部を予め温めておくことで、コンテナCに格納された飲食物Mの温度低下を抑えて、所定温度以下になることを防止することが可能となる。
【0022】
また、図示はしないが、コンテナC自体の保温力を高めるための措置を講じることでも、飲食物Mの温度低下を抑えることができる。
具体的には例えば、保温媒体(例えばスチーム・ホットパック等)をコンテナCに同梱させたり、ホテルパンHに入れたりすることで、保温効果を高めることもできる。
また、蓄電池から得られる電力を利用して加温する媒体(以下「電力加温媒体」と呼ぶ)をコンテナCに同梱させることでさらに保温効果を高めることもできる。また、より保温力の高い材質や構造のコンテナC、及びホテルパンHを採用することでも保温効果を高めることもできる。
ここで、電力加温媒体は、蓄電池から得られる電力を利用して加温する媒体であって、高保温(周囲への熱量の供給能力)、高保湿(周囲への湿度の供給能力)、且つ省電力な媒体である。温度制御装置2は、電力加温媒体を制御することにより、コンテナC内の温度を調整することができる。
【0023】
本サービスでは、上述の各工程P1乃至P9の夫々が、飲食物Mに関わる管理対象Tの温度のコントロールがなされるポイントCP1乃至CP9の夫々とされている。このようなポイントCP1乃至CP9の夫々を以下、「コントロールポイントCP1乃至CP9」の夫々と呼ぶ。
コントロールポイントCP1乃至CP9の夫々では、管理対象Tの温度が測定され、その測定温度を含む情報(以下、「温度情報」と呼ぶ)がサーバ1に向けて送信される。
【0024】
サーバ1は、コントロールポイントCP1乃至CP9の夫々の温度情報をデータログとして飲食物M毎に管理する。
これにより、飲食物Mの材料が仕入れられ、その材料が用いられて飲食物Mが生成(調理)され、飲食物Mが指定場所DPに移動され、飲食物Mが消費者Uに提供されるまでの一連の流れにおいて、飲食物Mの温度(実際には管理対象Tの温度)を一貫して管理することが可能となる(セントラルコントロールサービス)。
【0025】
具体的には例えば、コントロールポイントCP1乃至CP9の夫々には、適切とされる温度の所定範囲が夫々設定されている。そこで、サーバ1は、コントロールポイントCP1乃至CP9の夫々毎に、管理対象Tの測定温度(温度情報により示される温度)が所定範囲内であるか否かを監視する。
そして、サーバ1は、管理対象Tの測定温度が所定範囲を逸脱した場合、その旨を報知する。
報知の形態は、特に限定されないが、ここでは「逸脱アラート」が採用されているものとする。また、報知の手法も、特に限定されず、例えばメール、電話、SMS(Short Message Service)、各コントロールポイントCP1乃至CP9の夫々における現場温度計の変化(例えば点滅等)の各種各様なものにより報知される手法を採用することができる。
【0026】
サーバ1は、さらに、コントロールポイントCP1乃至CP9のうち、管理対象Tの測定温度が所定範囲を逸脱したコントロールポイントCPにおける対処マニュアルを報知することもできる。
【0027】
具体的には例えば、コントロールポイントCP1乃至CP5のうちの何れかにおいて、管理対象Tの測定温度が所定範囲を逸脱した場合、センター管理者G1(サーバ1又は図示せぬ端末)に対しては逸脱アラートが報知され、現場者G2(料理提供者端末3−2)に対しては逸脱アラートが報知されると共に対処マニュアルも報知(例えば料理提供者端末3−2に表示)される。
【0028】
また例えば、コントロールポイントCP6において、管理対象Tの測定温度が所定範囲を逸脱した場合、逸脱アラートが、センター管理者G1(サーバ1又は図示せぬ端末)、ドライバーG3(料理提供者端末3−3)、及び目的地スタッフG4(料理提供者端末3−4)に対して報知される。そして、対処マニュアルが、目的地スタッフG4に対して報知(例えば料理提供者端末3−4に表示)される。
【0029】
また例えば、コントロールポイントCP7乃至CP9のうちの何れかにおいて、管理対象Tの測定温度が所定範囲を逸脱した場合、逸脱アラートが、センター管理者G1(サーバ1又は図示せぬ端末)及び目的地スタッフG4(料理提供者端末3−4)に対して報知される。そして、対処マニュアルが、目的地スタッフG4(料理提供者端末3−4)に対して報知(例えば料理提供者端末3−4に表示)される。
【0030】
より具体的には例えば、コントロールポイントCP5(配送が開始される前のタイミング)における温度情報から、管理対象T(例えばホテルパンH)の測定温度が、許容される所定範囲(例えば65乃至70℃の範囲)を逸脱して低下していることが判明したとする。
この場合、サーバ1は、センター管理者G1(サーバ1又は図示せぬ端末)に対しては逸脱アラートを報知し、現場者G2(料理提供者端末3−2)に対しては逸脱アラートと対処マニュアルとを報知(料理提供者端末3−2に表示)する。
これにより、現場者G2は、出来立てに近い状態の飲食物Mを消費者に提供するための適切な措置(例えばコンテナCの内部の温度を上げる措置)を、対処マニュアルに沿って適切に講じることができる。
なお、逸脱アラートの態様は特に限定されず、例えば視覚や聴覚に訴えかける態様であってもよい。具体的には例えば、視覚に訴えかける態様として、管理対象の測定温度が所定範囲内である旨を示すシンボル(例えばグリーンランプ)が変化する(例えばレッドランプに変わる)等の態様を採用することができる。
【0031】
さらに、本実施形態では、サーバ1は、自律的な判断で、コンテナCの温度制御装置2に対し、ホテルパンHの温度が許容される範囲になるように、コンテナCの内部の温度を上げる制御を実行させることもできる。
【0032】
また、サーバ1により各コントロールポイントCP1乃至CP9の夫々で取得された飲食物M毎の温度情報は、消費者Uと料理提供者Gとの夫々が飲食物Mの温度の推移を容易に確認(モニタリング)できる態様(例えばグラフや表)で出力される。
これにより、料理提供者Gと消費者Uとの夫々は、専用アプリや専用サイトから飲食物Mの温度の推移をグラフや表によって確認(モニタリング)することができる(モニタリングサービス)。
【0033】
また、上述のセントラルコントロールサービスによれば、例えば以下のようなサービスも提供可能となる。
即ち、各コントロールポイントCP1乃至CP9の夫々では、測定温度と共に、その測定温度が測定された時刻が自動的に取得される。これにより、料理提供者Gは、例えば調理が完了した飲食物Mについての工程P5乃至P7に要する時間の短縮を図るための目標値等を設定したり、その評価を行ったりすることもできる。
また、工程P1乃至P9間を示す動線を可視化することもできる。具体的には例えば、生鮮食品の仕入れ(工程P1)から冷蔵庫に貯蔵する(工程P2)までの動線を可視化させ、調理担当者(現場者G2)がキッチンから見えるようにすることもできる。これにより、材料の過剰な報知をなくすことができる。さらに、調理済み食材(飲食物M)を一時的に置くテーブル等に、位置センサ及び重量センサを付けて、過剰な報知が行われている場合にはアラートが報知されるようにすることもできる。
更に言えば、工程P1乃至P9間を示す動線を可視化することにより、工程P1乃至P9間における無駄な動線の有無を検討することが可能となる。即ち、料理提供者Gは、工程間の移動を最速で行えるような動線づくりをすることができる。
【0034】
以上まとめると、セントラルコントロールサービスによれば、例えば次のようなことが可能になる。
即ち、リアルタイムで、管理対象Tの温度変化の監視が可能になる。
管理対象Tの温度の逸脱があるときに逸脱アラートによる報知が可能になる。
コントロールポイントの増減が容易なので(コントロールポイントCP1乃至CP9は一例に過ぎないので)、管理対象Tの温度を測定するための温度測定機器の増減に容易に対応することが可能になる。
場所毎、食材毎、メニュー毎、季節毎の温度変化が時系列で表示可能になる。
管理対象Tの温度が逸脱した際、対処マニュアルの現地への報知(表示設定)が可能になる。また、対処マニュアルの設定が容易に可能になる。
【0035】
ところで、
図1(B)には、本サービスに適用されるコンテナC、及びホテルパンHの構成の一例が示されている。
【0036】
コンテナCは、飲食物Mが格納されたホテルパンHを、ドライバーG3が指定場所DPに配送する際に用いられる携帯用の収納箱である。コンテナCは、保温機能と加温機能とを備える。本実施形態におけるコンテナCは、その内部の温度を制御する温度制御装置2と、温度測定器5とを備える。なお、コンテナCの態様は特に限定されない。例えば断熱効果を有する多重層からなるコンテナを採用することができる。
ホテルパンHは、調理された飲食物Mを載せた状態でコンテナCに格納される。ホテルパンHの態様は特に限定されない。例えば、アルミニウムや、ステンレススチール製のホテルパンが採用されている。
【0037】
図2は、
図1の本サービスが適用される制御システム、即ち本発明の一実施形態に係る制御システムの構成を示すブロック図である。
【0038】
図2に示す制御システムは、サーバ1と、温度制御装置2と、料理提供者端末3と、消費者端末4と、各コントロールポイントCPとを含む。
各コントロールポイントCPは、
図1の例ではコントロールポイントCP1乃至CP9の夫々を示している。
また、料理提供者端末3は、料理提供者Gが管理する端末であり、
図1の例では、料理提供者端末3−2乃至3−4の夫々を示している。
【0039】
サーバ1と、温度制御装置2と、料理提供者端末3と、消費者端末4と、各コントロールポイントCPは、インターネット(Internet)等のネットワークNを介して相互に接続されている。なお、ネットワークNは、その形態は特に限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi、LAN(Local Area Network)、インターネット等を採用することができる。
【0040】
サーバ1は、センター管理者G1により管理される情報処理装置である。サーバ1は、温度制御装置2、料理提供者端末3、及び消費者端末4の各動作を管理する。
【0041】
温度制御装置2は、コンテナCに設けられる装置である。温度制御装置2は、コンテナC内の温度を制御する。温度制御装置2は、ホテルパンHの温度を測定する温度測定器5に接続されている。温度制御装置2と温度測定器5との間は、例えばNFC(Near Field Communication)(登録商標)等の近距離無線通信技術によって接続がなされる。
具体的には、温度制御装置2は、温度測定器5にホテルパンHの温度を測定させる制御を実行し、測定されたホテルパンHの温度を示す温度情報をサーバ1に送信する。また、温度制御装置2は、図示せぬ加温機器にコンテナC内の温度を加温させる制御を実行する。
【0042】
料理提供者端末3は、上述したように料理提供者G(
図1の例ではセンター管理者G1、現場者G2、ドライバーG3、及び目的地スタッフG4)により管理される情報処理装置である。料理提供者端末3は、例えばスマートフォンやタブレット等で構成される。
【0043】
消費者端末4は、消費者Uにより管理される情報処理装置である。消費者端末4は、例えばスマートフォンやタブレット等で構成される。
【0044】
図3は、
図2の制御システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0045】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memoy)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0046】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0047】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0048】
出力部16は、液晶等のディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。
入力部17は、各種ハードウェア釦等で構成され、操作者の指示操作に応じて各種情報を入力する。
【0049】
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(温度制御装置2、料理提供者端末3、及び消費者端末4)との間で行う通信を制御する。
【0050】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0051】
このような
図3のサーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、サーバ1で後述する各種処理の実行が可能になる。
なお、図示はしないが、
図3の制御システムのうち、温度制御装置2、料理提供者端末3、及び消費者端末4も、
図3に示すハードウェア構成を有している。このため、消費者端末4のハードウェア構成についての説明は省略する。ただし、料理提供者端末3、及び消費者端末4が、スマートフォンやタブレットで構成される場合には、出力部16及び入力部17として、タッチパネルを有している。
【0052】
図4は、
図3のサーバ1により実行が制御される処理のうち、セントラルコントロール処理、温度コントロール処理、及びモニタリング管理処理を実現させる機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0053】
「セントラルコントロール処理」は、飲食物Mの材料が仕入れられ、その材料が用いられて飲食物Mが生成(調理)され、飲食物Mが指定場所DPに移動され、飲食物Mが消費者Uに提供されるまでの一連の流れにおいて実行が制御される処理である。セントラルコントロール処理の実行が制御されることで、管理対象Tの温度が一貫して管理される。
【0054】
「温度コントロール処理」とは、飲食物Mの移動前の所定タイミングにおいて実行が制御される処理である。温度コントロール処理の実行が制御されることで、管理対象Tの温度が設定温度stになるようにコンテナCの内部の温度が調整される。
【0055】
「モニタリング管理処理」とは、消費者Uから料理提供者Gに対して飲食物Mのケータリング等の注文がなされた場合に実行が制御される処理である。モニタリング管理処理の実行が制御されることで、飲食物Mのケータリングを注文した消費者Uと、飲食物Mの提供を行う料理提供者Gとの夫々は、管理対象Tとしての管理対象Tの温度の推移を確認(モニタリング)することができる。管理対象Tの温度の推移は、専用アプリや専用サイトから確認(モニタリング)することができる。
【0056】
図4に示すように、サーバ1のCPU11においては、セントラルコントロール処理が実行される場合には、取得部101と、コントロール部102とが機能する。また、温度コントロール処理が実行される場合には、調整制御部103がさらに機能する。また、モニタリング管理処理が実行される場合には、モニタリング管理部104がさらに機能する。また、サーバ1の記憶部18の一領域には、管理対象DB181が設けられている。
【0057】
取得部101は、工程P1乃至P9の夫々に設定された複数のコントロールポイントCP1乃至CP9(温度制御装置2を介する場合も含む)から供給された、管理対象Tの測定温度を含む温度情報を取得する。取得部101により取得された温度情報は、管理対象Tを一意に特定可能な情報と、コントロールポイントCPを一意に特定可能な情報とに対応付けられて、管理対象DB181に記憶されて管理される。
【0058】
コントロール部102は、複数のコントロールポイントCPの夫々から取得された各温度情報に基づいて、管理対象Tの温度を、上記一連の流れにおいて一貫して管理する。コントロール部102では、監視部121と、報知部122とが機能する。
監視部121は、複数のコントロールポイントCPの夫々において、管理対象Tの測定温度が所定範囲内であるかを監視する。
報知部122は、監視部121において管理対象Tの測定温度が所定範囲を逸脱した場合、その旨を温度逸脱アラートによって報知する。
また、報知部122は、複数のコントロールポイントCPのうち、管理対象Tの測定温度が所定範囲を逸脱したコントロールポイントCPにおける対処マニュアルを報知する。
【0059】
調整制御部103は、飲食物Mの移動前の所定タイミングにおいて、飲食物Mの移動中における温度(管理対象Tの温度)が所定範囲を逸脱しないよう設定温度stになるように、温度制御装置2にコンテナCの内部の温度を調整させる制御を実行する。
【0060】
「設定温度st」は、サービス提供者又はサーバ1により予め設定される、管理対象Tの温度である。設定温度stは、例えば移動中の飲食物Mの温度変化の予測値と、飲食物Mが消費者Uに提供される際の最適温度とから逆算された値が設定される。また、設定温度stの設定に際しては、例えば飲食物Mの完成時の温度、飲食物Mの移動距離や移動時間、周囲の環境(室温、外気温、季節等)等が考慮される。
具体的には例えば、飲食物Mの完成時の温度が90℃、移動中の飲食物Mの温度変化の予測値が−(マイナス)40℃、移動中に許容される温度範囲が70乃至90℃であるとする。この場合、何らの措置を講じなければ、消費者Uに提供されたタイミングにおける飲食物Mの温度は50℃となってしまう。そこで、調整制御部103は、消費者Uに提供されるタイミングにおける飲食物Mの温度が70℃以上になるような設定温度st(例えば90℃よりも高い温度)を設定する。
【0061】
モニタリング管理部104は、コントロールポイントCP1乃至CP9の夫々から取得された管理対象Tの測定温度の推移のモニタリングを外部の者に行わせる管理をする。具体的には、モニタリング管理部104は、管理対象Tの測定温度の推移を示す情報(例えばグラフや表)を生成して、専用アプリ及び専用サイトにアップロードする。
また、モニタリング管理部104は、管理対象Tの測定温度が所定範囲内である場合には、その旨を示すシンボルを、モニタリングを行っている外部の者(例えばセンター管理者G1や消費者U)に提示する。
【0062】
以上本発明の制御システムの一実施形態について説明したが、本発明は上述した本実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙に過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0063】
例えば、
図1の例では、コントロールポイントCPは、9つとされているが、これに限定されない。コントロールポイントCPは、9つよりも多くてもよいし、少なくてもよい。任意の数のコントロールポイントCPを設定することができる。
【0064】
また例えば、上述の実施形態では、管理対象TがホテルパンHとされているが、これに限定されない。飲食物Mの温度を適切に管理することができればよいので、例えばコンテナCの内部の温度であってもよいし、飲食物M自体の温度であってもよい。また、飲食物Mの材料であってもよい。
【0065】
また例えば、上述の実施形態では、飲食物Mのケータリングサービスが対象とされているが、これに限定されない。例えば、飲食物Mのデリバリサービスであってもよい。
【0066】
また、
図2に示すシステム構成や、
図3に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0067】
換言すると、
図4に示す機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が制御システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図4の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、
図4に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロックを温度制御装置2や料理提供者端末3、又は消費者端末4、或いは図示せぬ他の情報処理装置等に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0068】
また例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0069】
また例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、利用者にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成される。
【0070】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される
図2のリムーバブルメディア30により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア30は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている
図2のROM12や、
図3の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0071】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0072】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される制御システムは、
飲食物(例えば
図1の飲食物M)が指定場所(例えば
図1の指定場所DP)に移動され、前記飲食物が消費者(例えば
図1の消費者U)に提供されるまでの一連の流れにおいて、
前記飲食物の材料、前記飲食物、並びに、前記材料若しくは前記飲食物の提供にかかる物(例えば
図2のホテルパンH)若しくは包装(例えば
図1のコンテナC)のうち少なくとも1つを管理対象(例えば上述の管理対象T)として、
当該管理対象の温度を制御する制御システム(例えば
図2の制御システム)において、
前記一連の流れの複数の工程(例えば
図1の工程P1乃至P9)の夫々に設定された複数のコントロールポイント(例えば
図1のコントロールポイントCP1乃至CP9)の夫々において、前記管理対象の測定温度を取得する温度取得手段(例えば
図4の取得部101)と、
前記複数のコントロールポイントの夫々から取得された前記管理対象の測定温度に基づいて、前記管理対象の温度を前記一連の流れにおいて一貫して管理する制御手段(例えば
図4のコントロール部102)と、
を備える。
【0073】
これにより、飲食物が指定場所に移動されて消費者に提供されるまでの一連の流れにおいて、飲食物の材料、飲食物、飲食物の提供にかかる物、又は包装のうち少なくとも1つが管理対象とされる。そして、管理対象の温度を制御すべく以下の処理が実行される。即ち、複数の工程の夫々に設定された複数のコントロールポイントの夫々において、管理対象の測定温度が取得される。そして、取得された測定温度に基づいて、管理対象の温度が一連の流れにおいて一貫して管理される。その結果、出来立てに近い状態の飲食物が消費者に提供されるようにすることが可能となる。
【0074】
また、前記制御手段は、
前記複数のコントロールポイントの夫々において、前記管理対象の測定温度が所定範囲内であるかを監視する監視手段(例えば
図4の監視部121)と、
前記監視手段において前記管理対象の測定温度が前記所定範囲を逸脱した場合、その旨を報知(例えば上述のアラート)する報知手段(例えば
図4の報知部122)と、
を有することができる。
【0075】
これにより、複数のコントロールポイントの夫々において、管理対象の測定温度が所定範囲内であるかどうかが監視される。そして、管理対象の測定温度が所定範囲を逸脱した場合、その旨が報知される。その結果、飲食物の提供者は、出来立てに近い状態の飲食物を消費者に提供するための適当な措置を講じることが可能となる。
【0076】
また、前記報知手段は、さらに、
前記複数のコントロールポイントのうち、前記管理対象の測定温度が前記所定範囲を逸脱したコントロールポイントにおける対処マニュアル(例えば上述の対処マニュアル)を報知することができる。
【0077】
これにより、複数のコントロールポイントのうち、管理対象の測定温度が所定範囲を逸脱すると、そのコントロールポイントにおける対処マニュアルが報知される。その結果、飲食物の消費者への提供を担当する者は、対処マニュアルに沿った行動をとることで、出来立てに近い状態の飲食物を消費者に提供するが可能となる。
【0078】
また、前記飲食物の移動前の所定タイミングにおいて、当該飲食物の移動中における温度が所定範囲を逸脱しないように、予め設定された温度(例えば上述の設定温度st)となるように当該飲食物の包装の温度(例えば
図1のコンテナCの内部の温度)を調整する調整手段(例えば
図4の調整制御部103)をさらに備えることができる。
【0079】
これにより、飲食物の移動前の所定タイミングにおいて、飲食物の移動中における温度が予め設定された温度となるように飲食物の包装の温度が調整される。その結果、出来立てに近い状態の飲食物が消費者に提供されるようにすることが可能となる。
【0080】
また、前記複数のコントロールポイントの夫々から取得された前記管理対象の測定温度の推移のモニタリングを外部の者に行わせる管理をするモニタリング管理手段(例えば
図4のモニタリング管理部104)をさらに備え、
前記モニタリング管理手段は、前記管理対象の測定温度が所定範囲内である場合には、その旨を示すシンボルを、前記モニタリングを行っている前記外部の者に提示するようにすることができる。
【0081】
これにより、例えば上述の専用アプリや専用サイトから飲食物の温度の推移をグラフや表によって確認(モニタリング)することができるようになる。さらに、管理対象の測定温度が所定範囲内である旨を、シンボルによって視覚的に訴えかけることが可能となる。