(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-141559(P2021-141559A)
(43)【公開日】2021年9月16日
(54)【発明の名称】無線イヤホンのインイヤー装着検知方法及び無線イヤホン
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20210820BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20210820BHJP
【FI】
H04R1/10 104E
H04R1/10 104Z
H04R3/00 310
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-78487(P2020-78487)
(22)【出願日】2020年4月27日
(31)【優先権主張番号】202010135489.9
(32)【優先日】2020年3月2日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519445886
【氏名又は名称】安福瑞有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】曹 交平
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 振▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼ 云
【テーマコード(参考)】
5D005
5D220
【Fターム(参考)】
5D005BA11
5D005BB01
5D220AA04
5D220DD03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】無線イヤホンのインイヤー装着検知方法及び無線イヤホンを提供する。
【解決手段】無線イヤホンのインイヤー装着検知方法は、位置検知モジュールにより送信された位置パラメータを取得することS10と、位置パラメータに基づいて無線イヤホンが充電ケースから離れたことを確認することS20と、オーディオ再生モジュールを制御して検知音声波を再生することS30と、音声波センサーが収集する検知音声波の反射波から生成する検知信号を取得して検知信号の音声学パラメータを識別することS40と、音声学パラメータに基づいて無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたか否かを判断することS50と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置検知モジュールにより送信された位置パラメータを取得することと、
前記位置パラメータに基づいて無線イヤホンが充電ケースから離れたことを確認することと、
オーディオ再生モジュールを制御して検知音声波を再生することと、
音声波センサーが収集する前記検知音声波の反射波から生成する検知信号を取得して前記検知信号の音声学パラメータを識別することと、
前記音声学パラメータに基づいて前記無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたか否かを判断することと、を含む、
ことを特徴とする無線イヤホンのインイヤー装着検知方法。
【請求項2】
前記無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたと判定した場合、前記オーディオ再生モジュールを制御してオーディオを再生する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線イヤホンのインイヤー装着検知方法。
【請求項3】
前記音声学パラメータは、波形パラメータと、周波数パラメータとを含み、
前記音声学パラメータに基づいて前記無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたか否かを判断することは、
前記波形パラメータが第1プリセット波形と一致するか否かを判断することと、
一致すると、前記周波数パラメータが第1プリセット周波数と一致するか否かを判断することと、
一致すると、前記無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたと判定することと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線イヤホンのインイヤー装着検知方法。
【請求項4】
前記無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたと判定することと、前記オーディオ再生モジュールを制御してオーディオを再生することとの間に、
前記音声学パラメータに基づいてユーザーの耳が健康であるか否かを判断すること、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の無線イヤホンのインイヤー装着検知方法。
【請求項5】
前記音声学パラメータに基づいてユーザーの耳が健康であるか否かを判断することは、
前記波形パラメータが第2プリセット波形と一致するか否か、かつ、前記周波数パラメータが第2プリセット周波数と一致するか否かを判断することと、
一致すると、ユーザーの耳が健康であると判定し、一致しないと、ユーザーの耳が不健康であると判定することと、を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の無線イヤホンのインイヤー装着検知方法。
【請求項6】
前記音声学パラメータに基づいてユーザーの耳が健康であるか否かを判断することは、
ユーザーの耳が健康であると判定した場合、あるいは、ユーザーの耳が不健康であると判定した場合、ユーザーの耳の健康又は不健康の結果を伝送モジュールで移動端末に送信すること、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の無線イヤホンのインイヤー装着検知方法。
【請求項7】
前記位置パラメータに基づいて無線イヤホンが充電ケースから離れたことを確認することは、
前記位置パラメータを前記無線イヤホンの変位値Lとし、Lと第1プリセット閾値L1の大きさを比較し、L>L1の場合、前記無線イヤホンが充電ケースから離れたことを確認すること、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線イヤホンのインイヤー装着検知方法。
【請求項8】
無線イヤホンが充電ケースから離れたことを確認することと、オーディオ再生モジュールを制御して検知音声波を再生することとの間に、
Lと第2プリセット閾値L2及び第3プリセット閾値L3の大きさを比較し、そのうちL2<L3、L2≦L≦L3の場合、オーディオ再生モジュール3を制御して検知音声波を再生すること、を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線イヤホンのインイヤー装着検知方法。
【請求項9】
データ処理モジュールと、前記データ処理モジュールに接続される位置検知モジュールと、オーディオ再生モジュールと、音声波センサーとを備える無線イヤホンであって、
前記位置検知モジュールは、無線イヤホンの位置パラメータを取得することに用いられ、
前記オーディオ再生モジュールは、再生指令を受信した後、検知音声波を出力することに用いられ、
前記音声波センサーは、前記検知音声波の反射波を収集して検知信号を生成することに用いられ、
前記データ処理モジュールは、位置パラメータを取得し、前記位置パラメータに基づいて無線イヤホンが充電ケースから離れたことを確認することと、オーディオ再生モジュールを制御して音声波を再生することと、検知信号の音声学パラメータを取得して識別し、前記音声学パラメータに基づいて前記無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたか否かを判断することとに用いられる、
ことを特徴とする無線イヤホン。
【請求項10】
前記データ処理モジュールに接続され、前記データ処理モジュールにより送信されたユーザーの耳の健康あるいは不健康の結果を受信して移動端末に送信することに用いられる伝送モジュールをさらに備える、
ことを特徴とする請求項9に記載の無線イヤホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤホン技術分野に関し、特に無線イヤホンのインイヤー装着検知方法及び無線イヤホンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のイヤホンは有線イヤホンと無線イヤホンに分けることができ、そのうち有線イヤホンが左右2つのイヤホンが有線接続方式で左右のチャンネルを構成する必要があり、ステレオ効果を生成するため、装着が非常に不便である。それに対して、無線イヤホンは無線通信プロトコル(例えばBluetooth(登録商標))を介して端末と通信するため、有線イヤホンと比べて、データ線を片付ける必要がなく、使いやすいという特徴がある。無線イヤホンは、装着が便利で単独使用できるため、ますます大衆の愛顧を受けるようになっている。
【0003】
従来技術では、無線イヤホンが確実に耳にインイヤー装着されたか否かに対して、通常、光学センサーで検知し、例えば、反射光の光強度を光学センサーで検知することで、ユーザーがイヤホンを耳にインイヤー装着されたか否かを判定する。あるいは、特許文献1に開示された無線イヤホンの装着状況検知方法、装置及び無線イヤホンでは、無線イヤホンの耳に入れる位置に設けられる第1光センサーにより収集された第1光値と、無線イヤホンの耳に入れない位置に設けられる第2光センサーにより収集された第2光値を取得することで、第1光値と第2光値との差分に基づいて、無線イヤホンが装着状態にあるか、非装着状態にあるかを確定する。
【0004】
光センサーの特性に制限があるため、光学センサーを設けるには、光学センサーのレンズを取り付けるために無線イヤホンに開口する必要があるため、無線イヤホンの外観を完全無欠に設計することができず、製品の全体的な密封性および外観の美しさには不利であり、しかも光学センサーのコストが高く、無線イヤホンのコストもさらに高めてしまう。一方、消費者がイヤホンを正しく装着していないと、光学センサーの判定ミスを招きやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願第201810601224.6号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、関連技術における無線イヤホンのインイヤー装着を検知する時に光学センサーの特性に制限されて無線イヤホンに開口する必要があり、製品全体の密封性および外観の美しさには不利である問題を解決するために、無線イヤホンのインイヤー装着検知方法及び無線イヤホンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、本発明は、
位置検知モジュールにより送信された位置パラメータを取得することと、
前記位置パラメータに基づいて無線イヤホンが充電ケースから離れたことを確認することと、
オーディオ再生モジュールを制御して検知音声波を再生することと、
音声波センサーが収集する前記検知音声波の反射波から生成する検知信号を取得して前記検知信号の音声学パラメータを識別することと、
前記音声学パラメータに基づいて前記無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたか否かを判断することと、を含む無線イヤホンのインイヤー装着検知方法を提供する。
【0008】
無線イヤホンのインイヤー装着検知方法では、好ましくは、前記無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたと判定した場合、前記オーディオ再生モジュールを制御してオーディオを再生する。
【0009】
無線イヤホンのインイヤー装着検知方法では、好ましくは、前記音声学パラメータは、波形パラメータと、周波数パラメータとを含み、
前記音声学パラメータに基づいて前記無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたか否かを判断することは、
前記波形パラメータが第1プリセット波形と一致するか否かを判断することと、
一致すると、前記周波数パラメータが第1プリセット周波数と一致するか否かを判断することと、
一致すると、前記無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたと判定することと、を含む。
【0010】
無線イヤホンのインイヤー装着検知方法では、好ましくは、前記無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたと判定することと、前記オーディオ再生モジュールを制御してオーディオを再生することとの間に、
前記音声学パラメータに基づいてユーザーの耳が健康であるか否かを判断することを含む。
【0011】
無線イヤホンのインイヤー装着検知方法では、好ましくは、前記音声学パラメータに基づいてユーザーの耳が健康であるか否かを判断することは、
前記波形パラメータが第2プリセット波形と一致するか否か、かつ、前記周波数パラメータが第2プリセット周波数と一致するか否かを判断することと、
一致すると、ユーザーの耳が健康であると判定し、一致しないと、ユーザーの耳が不健康であると判定することと、を含む。
【0012】
無線イヤホンのインイヤー装着検知方法では、好ましくは、前記音声学パラメータに基づいてユーザーの耳が健康であるか否かを判断することは、
ユーザーの耳が健康であると判定した場合、あるいは、ユーザーの耳が不健康であると判定した場合、ユーザーの耳の健康又は不健康の結果を伝送モジュールで移動端末に送信すること、をさらに含む。
【0013】
無線イヤホンのインイヤー装着検知方法では、好ましくは、前記位置パラメータに基づいて無線イヤホンが充電ケースから離れたことを確認することは、
前記位置パラメータを前記無線イヤホンの変位値Lとし、Lと第1プリセット閾値L1の大きさを比較し、L>L1の場合、前記無線イヤホンが充電ケースから離れたことを確認すること、を含む。
【0014】
無線イヤホンのインイヤー装着検知方法では、好ましくは、無線イヤホンが充電ケースから離れたことを確認することと、オーディオ再生モジュールを制御して検知音声波を再生することとの間に、
Lと第2プリセット閾値L2及び第3プリセット閾値L3の大きさを比較し、そのうちL2<L3、L2≦L≦L3の場合、オーディオ再生モジュール3を制御して検知音声波を再生すること、を含む。
【0015】
別の態様では、本発明は、データ処理モジュールと、前記データ処理モジュールに接続される位置検知モジュールと、オーディオ再生モジュールと、音声波センサーとを備える無線イヤホンであって、
前記位置検知モジュールは、無線イヤホンの位置パラメータを取得することに用いられ、
前記オーディオ再生モジュールは、再生指令を受信した後、検知音声波を出力することに用いられ、
前記音声波センサーは、前記検知音声波の反射波を収集して検知信号を生成することに用いられ、
前記データ処理モジュールは、位置パラメータを取得し、前記位置パラメータに基づいて無線イヤホンが充電ケースから離れたことを確認することと、オーディオ再生モジュールを制御して音声波を再生することと、検知信号の音声学パラメータを取得して識別し、前記音声学パラメータに基づいて前記無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたか否かを判断することとに用いられる、無線イヤホンを提供する。
【0016】
無線イヤホンでは、好ましくは、前記無線イヤホンは、前記データ処理モジュールに接続され、前記データ処理モジュールにより送信されたユーザーの耳の健康あるいは不健康の結果を受信して移動端末に送信することに用いられる伝送モジュールをさらに備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有益な効果は以下とおりである。
【0018】
本発明は無線イヤホンのインイヤー装着検知方法及び無線イヤホンを提供し、該無線イヤホンのインイヤー装着検知方法は、位置検知モジュールにより送信された位置パラメータを取得することと、位置パラメータに基づいて無線イヤホンが充電ケースから離れたことを確認することと、オーディオ再生モジュールを制御して検知音声波を再生することと、音声波センサーが検知音声波の反射波を収集して生成する検知信号を取得して検知信号の音声学パラメータを識別することと、音声学パラメータに基づいて無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたか否かを判定することと、を含む。該無線イヤホンのインイヤー装着検知方法は、音声波で無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたか否かを判断し、従来技術と比べて光センサーを設ける必要がなく、ひいては無線イヤホンに光を透過させる開口を設ける必要がなく、無線イヤホンの構造を簡略化し、製造コストを削減し、無線イヤホンの設計スペースを十分にリリースし、より高い設計自由度を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施例に係る無線イヤホンのインイヤー装着検知方法の構造模式
図1である。
【
図2】本発明の実施例に係る無線イヤホンのインイヤー装着検知方法の構造模式
図2である。
【
図3】本発明の実施例に係る無線イヤホンの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の技術案は、図面を参照して明確且つ完全に説明されるが、説明される実施例は、本発明の一部の実施例であり、すべての実施例ではないことは明らかである。本発明の実施例に基づいて、創造的な働きを行わずに当業者によって得られる他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0021】
本発明の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」等の用語で表された方向又は位置関係は、図面に示す方向又は位置関係に基づくものであり、本発明を便宜及び簡略に説明するためのものに過ぎず、該当装置又は要素が、必ず定められた方向を有したり、定められた方向に構成、操作されたり、することを明示又は暗示するものではないため、本発明を限定するものではないと理解すべきである。また、「第1」、「第2」等の用語は、説明のために使用されるものにすぎず、相対重要性を明示又は暗示するものではないと理解すべきである。そのうち、用語の「第1位置」と「第2位置」は、2つの異なる位置であり、また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含むか、あるいは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことだけを表す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあることを含むか、あるいは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことだけを表す。
【0022】
さらに、本発明の説明において、明確な定義と限定がない限り、「装着」、「連結」、「接続」の用語は、広義的に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。さらに、直接連結でもよいし、中間媒体で間接的な連結でもよいし、2つ要素の内部の連通でもよい。当業者にとって、本発明における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することが可能である。
【0023】
以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。実施例の例示が図に示されるが、同一又は類似する符号は、常に、同一又は類似する部品、あるいは、同一又は類似する機能を有する部品を表す。以下に、図面を参照しながら説明された実施例は、例示的なものであり、本発明を解釈するためだけに用いられ、本発明を限定するものと理解してはいけない。
【実施例1】
【0024】
本発明実施例は、無線イヤホンを充電ケースから取り出して耳に挿入する場合に適用可能な無線イヤホンのインイヤー装着検知方法を提供する。無線イヤホは、Bluetooth(登録商標)などの通信プロトコルに基づいて無線通信機能を実現する。本発明が指している無線イヤホンは、1つの独立する無線イヤホン主体を含んでもよいし、ペアになって設けられるマスタイヤホンとスレイブイヤホンとを含んでもよい。該無線イヤホンは、耳に全体的に挿入するイヤホンでもよいし、耳に半分挿入するイヤホンでもよい。
図3に示すように、該無線イヤホンは、位置検知モジュール2、オーディオ再生モジュール3、音声波センサー4、データ処理モジュール1、伝送モジュール5などを備える。ペアになって設けられるTWS無線イヤホンを例として説明すると、マスタ無線イヤホンは、スマートフォンなどのスマート端末から受信したオーディオデータをさらにスレイブ無線イヤホンに送信することができ、あるいは、必要に応じて、マスタ無線イヤホンおよびスレイブ無線イヤホンは充電ケースなどの補助デバイスと無線通信を確立することができ、マスタ無線イヤホンと、スレイブ無線イヤホンと、充電ケースと、スマート端末とが選択可能な方式で互いに通信できる無線通信ネットワークを確立することができる。スマート端末は、オーディオデータを記憶し、備えたアプリケーションプログラムを利用してオーディオデータを管理し、あるいは、オーディオデータと、マスタ無線イヤホンおよびスレイブ無線イヤホンの例えば装着状況、電池残量などの使用状態とをディスプレイで表示する。
【0025】
図1に示すように、該無線イヤホンのインイヤー装着検知方法は以下とおりのステップを含む。
【0026】
S10では、位置検知モジュール2により送信された位置パラメータを取得する。
【0027】
S20では、位置パラメータに基づいて無線イヤホンが充電ケースから離れたことを確認する。
【0028】
具体的には、無線イヤホンが充電ケースに位置すると、充電ケースによって無線イヤホンを充電することができ、無線イヤホンが充電ケースより離れると、無線イヤホンが使用される可能性があるが、使用されない可能性もある。データ処理モジュール1は、位置検知モジュール2により送信された位置パラメータを取得することで、イヤホンの変位量を判定し、ひいてはイヤホンが充電ケースから離れたか否かを判定する。具体的には、位置パラメータを無線イヤホンの変位値Lとし、Lとデータ処理モジュール1に予め設定される第1プリセット閾値L1の大きさを比較し、L>L1の場合、無線イヤホンが充電ケースから離れたことを確認する。L<L1の場合、無線イヤホンが充電ケースから離れていないと判断する。ただし、L1は充電ケースの奥行き値である。もちろん、他の実施例でも、無線イヤホンと充電ケースとの充放電関係が切れているか否かによって、イヤホンが充電ケースから離れたか否かを判断してもよい。
【0029】
本実施例において、位置検知モジュール2は加速度センサーであり、該加速度センサーは3軸加速度センサーであってもよく、即ち3つのセンサーを有することで、互いに直交する3つの軸(即ちX軸、Y軸、Z軸)方向の加速度をそれぞれ検知することができ、3つの独立した信号として外部に出力することができる。もちろん、該加速度センサーは4軸又はそれ以上の加速度センサーであってもよい。好ましくは、加速度センサーはMEMS加速度センサーであり、その内部にマイクロプロセッサーが集積され、無線イヤホンの装着中の運動加速度の収集を実現することができ、生成したアナログ電圧信号をフィルタリングして変換し、デジタルフォーマットの加速度データを得ることもできる。さらに、加速度データと時間との組み合わせから、無線イヤホンの変位値Lを得られる。
【0030】
他の実施例では、加速度センサーは位置センサーとして設定されてもよく、位置センサーによってイヤホンのリアルタイムの位置を直接取得することができ、このリアルタイム位置と無線イヤホンが充電ケース内に位置するときの位置との相対距離は変位値Lである。
【0031】
無線イヤホンが充電ケースから取り出されたと判断した後、無線イヤホンはユーザーに直接装着される可能性があるが、直接装着されない可能性もある。このとき、変位値Lによってイヤホンが装着されたか否かを予備的に判断することができる。
【0032】
具体的には、Lとデータ処理モジュール1に予め設定される第2プリセット閾値L2及び第3プリセット閾値の大きさを比較し、そのうちL2<L3、L2≦L≦L3の場合、オーディオ再生モジュール3を制御して検知音声波を再生する。ただし、L2とL3は経験値であり、充電ケースから人の耳までの距離範囲を表し、多くの人に適用することができる。
【0033】
S30では、オーディオ再生モジュール3を制御して検知音声波を再生する。
【0034】
オーディオ再生モジュール3は、オーディオを再生するためのスピーカーであってもよい。音声波は、電磁波信号に対して、複雑な構造を有する耳の内部で良好な伝播特性を持っているため、インイヤー装着検知の正確性を効果的に高め、異物が検知音声波の伝送を妨害することによる誤判定率を低下させることができる。
【0035】
S40では、音声波センサー4が収集する前記検知音声波の反射波から生成する検知信号を取得して検知信号の音声学パラメータを識別する。
【0036】
本実施例では、音声波センサー4は超音波センサーであることが好ましく、超音波は比較的に強い方向性を持ち、検知結果の正確性を保証することができる。
【0037】
S50では、音声学パラメータに基づいて無線イヤホンは耳にインイヤー装着されたか否かを判定する。
【0038】
具体的には、音声学パラメータは、波形パラメータと、周波数パラメータとを含み、波形パラメータが第1プリセット波形と一致するかどうかを判断し、一致すると、周波数パラメータが第1プリセット周波数と一致するか否かを判断し、一致すると、無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたと判定する。波形パラメータが第1プリセット波形と一致しない場合、又は周波数パラメータが第1プリセット周波数と一致しない場合、無線イヤホンが耳に装着されていないと判定する。そのうち、無線イヤホンが耳にインイヤー装着されていないと判定すると、S30を繰り返し実行する。第1プリセット波形および第2プリセット周波数は、人の耳の内部に形成される腔の共振波の特性に基づいて、ビッグデータの統計解析処理により設定することができる。
【0039】
該無線イヤホンのインイヤー装着検知方法は、音声波で無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたか否かを判断し、従来技術と比べて光センサーを設ける必要がなく、ひいては無線イヤホンに光を透過させる開口を設ける必要がなく、無線イヤホンの構造を簡略化し、製造コストを削減し、無線イヤホンの設計スペースを十分にリリースし、より高い設計自由度を提供する。そして、位置検知モジュール2によって無線イヤホンが充電ケースから取り出されて装着されたか否かの判断を補助することで、オーディオ再生モジュール3が持続的に超音波を発信することを避け、無線イヤホンの電力の無駄遣いを防ぐことができる。
【0040】
好ましくは、
図2に示すように、無線イヤホンが耳にインイヤー装着されたと判定した後、該無線イヤホンのインイヤー装着検知方法は以下のS60〜S80をさらに含んでもよい。
【0041】
S60では、音声学パラメータに基づいてユーザーの耳が健康であるか否かを判断する。具体的には、波形パラメータが第2プリセット波形と一致するか否か、かつ、周波数パラメータが第2プリセット周波数と一致するか否かを判断し、一致すると、ユーザーの耳が健康であると判定し、一致しないと、ユーザーの耳が不健康であると判定する。ただし、第2プリセット波形および第2プリセット周波数は、耳が健康状態にあることを表すために用いられる。第1プリセット波形および第2プリセット周波数は、人の耳の内部に形成される腔の共振波の特性に基づいて、ビッグデータの統計解析処理により設定することができる。このように設定することで、無線イヤホンにユーザーの耳の健康状態を検知する機能を同時に持たせることができる。
【0042】
S70では、ユーザーの耳が健康又は不健康であると判定した後、データ処理モジュール1はユーザーの耳の健康又は不健康の結果を伝送モジュール5で移動端末に送信する。
【0043】
これにより、ユーザーの耳の健康状態をユーザーに知らせることができる。ただし、伝送モジュール5はBluetooth(登録商標)であることが好ましく、移動端末は携帯電話やタブレットなどであってもよい。
【0044】
S80では、オーディオ再生モジュール3を制御してオーディオを再生する。
【実施例2】
【0045】
本実施例は、データ処理モジュール1と、データ処理モジュール1に接続される位置検知モジュール2と、オーディオ再生モジュール3と、音声波センサー4とを備える無線イヤホンをさらに提供する。位置検知モジュール2は、無線イヤホンの位置パラメータの取得に用いられ、オーディオ再生モジュール3は、再生指示を受信した後に検知音声波を出力することに用いられ、音声波センサー4は、検知音声波の反射波を収集して検知信号を生成することに用いられ、データ処理モジュール1は、位置パラメータを取得し、位置パラメータに基づいて無線イヤホンが充電ケースから離れたか否かを確認することと、オーディオ再生モジュール3に再生指示を送信することと、検知信号の音声学パラメータを取得して識別し、音声学パラメータに基づいて無線イヤホンは耳にインイヤー装着されたか否かを判断することとにも用いられる。
【0046】
該無線イヤホンは、データ処理モジュール1に接続され、データ処理モジュール1により送信されたユーザー耳の健康又は不健康の結果を受信して移動端末に送信することに用いられる伝送モジュール5をさらに備える。
【0047】
該無線イヤホンは、上記の無線イヤホンのインイヤー装着検知方法の実行に用いられることができ、その検知方法に対応する機能モジュールと有益な効果を備えている。
【0048】
加えて、ユーザーが無線イヤホンの格納位置を忘れた場合、例えば、無線イヤホンがカバン内やポケット内に位置すると、移動端末から捜索指示を送信することができ、データ処理モジュール1は、伝送モジュール5を介して捜索指示を受信し、S30およびS40を実行し、そして、データ処理モジュール1は、データ処理モジュール1に予め記憶された複数の目標波形から波形パラメータと一致する目標波形を取得し、且つ、データ処理モジュール1に予め記憶された複数の目標周波数から周波数パラメータと一致する目標周波数を取得し、データ処理モジュール1に予め記憶された目標波形と、目標周波数と、目標位置との対応グラフから、該目標波形と目標周波数に対応する目標位置を捜索して、その目標位置を伝送モジュール5を介して移動端末に送信することで、ユーザーが無線イヤホンを見つけるのを助ける。なお、目標位置はポケット、引き出し、バックパック、ショルダーバッグなどであってもよい。目標波形および目標周波数は、いずれもビッグデータの統計分析処理で取得する。
【0049】
明らかなように、本発明の上記実施例は、本発明を説明するための好ましい実施例にすぎず、本発明はそれに限定されず、当業者にとって、上記説明を基礎に様々な変更及び変化を実施してもよい。ここですべての実施例を列挙する必要がないしできない。本発明の精神と原則内で行われる任意の修正、同等の代替、改良などは、すべて本発明請求の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1 データ処理モジュール
2 位置検知モジュール
3 オーディオ再生モジュール
4 音声波センサー
5 伝送モジュール
【外国語明細書】