【解決手段】補聴器用の装飾チップ10は、補聴器1の外面を被覆する被覆部22を有し、被覆部23と補聴器1の外面との間に位置する止着手段16を介して補聴器1に着脱可能に取り付けられる。
補聴器の外面を被覆する被覆部を有し、前記被覆部と前記補聴器の外面との間に位置する止着手段を介して前記補聴器に着脱可能に取り付けられる前記補聴器用の装飾チップ。
前記装飾チップは、断面視において、チップ本体を形成する熱可塑性樹脂からなる基材層と、前記基材層の外面に順に積層される、熱可塑性樹脂と水溶性インクとに接着性を有するベース層、水溶性インクからなるデザイン層、光硬化性樹脂を有するハード層、光沢剤が配合されたトップ層とを含む請求項1に記載の補聴器用の装飾チップ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された補聴器によれば、補聴器本体に、外面にデザインが施されたデザインプレートが着脱可能に取り付けられることによって、補聴器の装飾性を高めることができるとともに、デザインの変更を容易に行うことができる。また、特許文献2に開示された補聴器において、補聴器本体にイヤリングを着脱可能に取り付けることができ、補聴器の装飾性を高めることができるとともに、使用しているイヤリングとは異なる形状のイヤリングに変更することで、デザインの変更も容易に行うことができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の補聴器においては、デザインプレートが、その内面側に位置する係合溝に補聴器本体のバッテリードアの係合突起を係合させることで互いに係合するものである。したがって、デザインプレートは、いわば、補聴器の蓋体であって、補聴器本体と同様の硬質材料から形成された、容易に交換することができるものではなく、デザインプレートの装飾は、補聴器自体に施されたものであるといえる。一方、特許文献2に開示された補聴器においては、イヤリングが補聴器本体から突出した取付部に篏着されていることから、使用中にイヤリングが外れてしまうおそれがあり、また、装着者が男性の場合等、装着者によっては、イヤリングによって補聴器に装飾性を付与すること自体に抵抗感があるといえる。
【0006】
本発明は、従来の補聴器の改良であって、補聴器の外観に装飾性を付与することができ、かつ、装飾を容易に変更することのできる補聴器用の装飾チップの提供に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、補聴器用の装飾チップに関する。
【0008】
本発明に係る補聴器用の装飾チップは、補聴器の外面を被覆する被覆部を有し、前記被覆部と前記補聴器の外面との間に位置する止着手段を介して前記補聴器に着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る補聴器用の装飾チップは、以下の実施態様を含む。
(1)前記装飾チップは、断面視において、チップ本体を形成する熱可塑性樹脂からなる基材層と、前記基材層の外面に順に積層される、熱可塑性樹脂と水溶性インクとに接着性を有するベース層、水溶性インクからなるデザイン層、光硬化性樹脂を有するハード層、光沢剤が配合されたトップ層とを含む。
(2)前記トップ層の厚さ寸法が、前記ハード層の厚さ寸法の3.0〜5.0倍である。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る補聴器用の装飾チップは、補聴器の外面を被覆する被覆部を有し、被覆部と前記補聴器の外面との間に位置する止着手段を介して補聴器に着脱可能に取り付けられることから、補聴器の側面視及び背面視においても、デザイン性を発揮することができる。また、デザインの異なる装飾チップを貼付方式で自由に取替えて使用することで、補聴器を意匠的に新規な外観とすることができ、視覚的価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面は、本発明に係る補聴器用の装飾チップの特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
【
図1】本発明に係る補聴器用の装飾チップを補聴器に取り付けた状態における斜視図。
【
図2】補聴器本体と装飾チップとを分離した状態を示す斜視図。
【
図3】(a)装飾チップの斜視図。(b)装飾チップの側面図。
【
図4】
図3(a)において示すIV−IV線に沿う断面図。
【
図5】装飾チップを取り付けた補聴器の装着状態を示す図。
【
図6】(a)他の実施形態における補聴器1の斜視図。(b)は、
図6のVI(b)−VI(b)線に沿う断面図。
【
図7】他の実施形態における補聴器の補聴器本体と装飾チップとを分離した状態を示す斜視図。
【
図9】(a)さらに他の実施形態に係る装飾チップ10の斜視図。(b)
図9(a)の装着チップ10の装着状態を示す図。
【
図10】(a)さらに他の実施形態に係る装飾チップ10の斜視図。(b)さらに他の実施形態に係る装飾チップ10の斜視図。
【
図11】(a)基材層40の断面図。(b)さらに他の実施態様における
図4と同様の装飾チップ10の断面図。(c)さらに他の実施態様における
図4と同様の装飾チップ10の断面図。
【
図12】さらに他の実施態様における装飾チップの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面1−5を参照して、本発明に係る補聴器1用の装飾チップ10の詳細を説明すると、以下のとおりである。また、以下の実施形態は、本発明の欠くことのできない要件を含む他に、選択的に採用することのできる要件及び適宜に組み合わせることのできる要件を含んでいる。
【0013】
図1〜3を参照すると、補聴器1は、補聴器本体2と補聴器本体2に着脱可能に取り付けられる蓋体3とを備える。補聴器1は、電源スイッチ3と、音量を調整するための操作部4と、外部からの音を導入する音波通過部位としての音孔5と、補聴器本体2から延出する音導チューブ6と、音導チューブ6の先端に位置する耳栓7とを備える。補聴器本体2には、増幅器、外部音を拾うためのマイクロフォン、スピーカ、携帯電話機の音声信号を受け取る誘導磁界受信素子としての受信コイル等が内蔵されている。
【0014】
一般的な補聴器には、装着者の外耳道の形状に沿うように配置される耳穴タイプ、補聴器本体が耳に掛止された状態で使用される耳掛けタイプ、補聴器本体がポケット等に収納された状態で使用されるポケットタイプ等があるが、本発明に係る補聴器1は、耳穴タイプと耳掛けタイプのように、補聴器本体2が着用者の耳近傍に露出された状態で使用されるものであれば、いかなる形態及び着用態様のものであっても含まれる。
【0015】
補聴器1は、立体的な流線形状を有し、曲状を有する基部11と、基部11からその長さ方向へ次第に幅狭となるように延びる先端部12とを有する。補聴器1は、平面視において、基部11から先端部12にかけて屈曲しながら次第に幅狭となる形状を有する。補聴器1は、さらに、装着状態において着用者の身体と対向して位置する内面部(第1面)13と、内面部13の反対側に位置する外面部(第2面部)14と、内外面部13,14間に位置する周面部15とを有する。
【0016】
周面部15には、操作部4、電源スイッチ3及び音孔5が補聴器1の長さ方向に並んで位置している。また、内外面部13,14と周面部15との間には、周面部15に沿って略環状に延びる屈曲部分17が位置している。補聴器1のうち、装着状態において外部に露出される外面部14と周面部15とを補聴器の外面側、外部に露出されない内面部13を内面側という。
【0017】
装飾チップ10は、薄板(チップ)状であって、曲状を有する基部20と、基部20からその長さ方向へ次第に幅狭となるように延びる先端部21とを有する。装飾チップ10は、平面視において、基部20から先端部21にかけて屈曲しながら次第に幅狭となる形状を有する。装飾チップ10は、使用状態において補聴器1の外面部14と対向して位置する被覆部22と、被覆部20の外周から屈曲して外方へ延びる外周リブ23とを有する。装飾チップ10は、補聴器1の外面側を被覆するように補聴器1に着脱可能に取り付けられている。
【0018】
具体的には、補聴器1の基部11の外面と、装飾チップの基部20の内面との間に位置する止着手段16を介して、装着チップ10は補聴器1の外面に取り付けられている。止着手段16は、装着チップ10を着脱可能に止着するものであって、各種公知の接着剤、粘着剤のほか、両面テープ等を使用することができる。
【0019】
止着手段16は、装着チップ10からはみ出さないように配置されていることが好ましく、また、止着手段16を介して補聴器1に固定される固定域の面積(止着手段16の面積)が、装着チップ10の被覆部22の面積の30〜60%の大きさであることが好ましい。固定域の面積がかかる大きさにあれば、装飾チップ10を補聴器1から容易に引き剥がすことができ、無理に引き剥がして装飾チップ10の一部が破損したりするおそれはない。また、装着チップ10を安定的に固定するために、止着手段16は、装飾チップ10のうちの被覆部22のみならずその一部が外周リブ23の内面に位置していることが好ましい。さらに、装着チップ10を取り外す際に、使用者が容易に指先の爪を先端部21に引っ掛けて引き剥がすことができるように、先端部21の内面には止着域16が位置していないことが好ましい。
【0020】
装飾チップ10が止着域16を介して補聴器1に着脱可能に取り付けられている状態において、補聴器1の外面部14が装飾チップ10の被覆部22によって被覆されるとともに、周面部15の一部が外周リブ23によって被覆されている。外周リブ23の外周縁23aは、装着チップ10を取り付けた状態で蓋体3が取り外せるように、蓋体3の外周縁3aを跨ぐことなく、その手前に位置すること好ましい。また、外周リブ23が補聴器1の周面部15全体を被覆しないことによって、外周リブ15が操作部4や電源スイッチ3及び音孔5と重なることはなく、装飾チップ10を取り付けた状態であっても、音量調整や電源操作等を行うことができる。
【0021】
また、装飾チップ10の被覆部21と外周リブ23との間に位置する屈曲部分25は、補聴器1の屈曲部分17に隙間なく当接されている。このように、装飾チップ10の内面全体が補聴器1に隙間なく当接されることによって、装飾チップ10の密着性が向上するとともに、装着中に補聴器1が外部衝撃を受けても、装飾チップ10が不意に外れるのを抑制することができ、また、隙間ができることによるハウリングの発生を抑制することができる。このように、装飾チップ10を補聴器1の形状に適合するように形成するために、例えば、補聴器1の形状を型取りしたシリコーン製の型枠に装飾チップ10のチップ本体の材料となる樹脂を流し込んで成形することができる。
【0022】
装飾チップ10の外面には、装飾要素30が位置している。装飾要素30は、装飾チップ10の装飾性を付与するものであれば適宜自由に選択することができ、例えば、多種な色彩及び絵・文字・動植物・記号・数字・デザインマーク・模様等である。装飾要素30は、好ましくは、装飾チップ10の外面全体、すなわち、被覆部21及び外周リブ15の外面全体に施されていることが好ましい。装飾要素30は、被覆部21と外周リブ23とに連続して形成されるものであってもよいし、被覆部21と外周リブ23とにおいて異なるものであってもよい。また、装飾チップ10の装飾性を向上させるために、装飾チップ10の外面にラメパウダー、ラインストーン、ビーズ、スパンコール等を付加的な装飾要素として配置してもよい。
【0023】
図4を参照すると、装飾チップ10は、断面視において、チップ本体を形成する基材層40と、基材層40の外面に順に積層される、ベース層(接着層)50、デザイン層60、ハード層70、最も外層に位置するトップ層80とを有する。
【0024】
基材層40は、好ましくは疎水性の熱可塑性樹脂、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂等の各種公知の材料から形成することができる。ベース層(接着層)50は、熱可塑性樹脂から形成された基材層40に対して、後述する水溶性インクからなるデザイン層60の密着性を良好にし、滲みや流れを抑制して彩色を明瞭にし、かつ、耐久性を高めるために設けるためのものである。ベース層50としては、疎水性の熱可塑性樹脂と水溶性インクとの双方に接着性を有するものであることが好ましく、また、速乾性の観点から、光硬化型樹脂、特に、メチルアクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の紫外線硬化型樹脂を主成分とするものが好ましい。
【0025】
デザイン層60は、水溶性インク、例えば、水、染料または顔料、界面活性剤、エタノール等の水溶性有機溶剤、乾燥防止剤等を含有したものから成る。また、デザイン層60には、ネイルカラー用マニキュア液を使用することもできる。デザイン層60は、インクを筆や刷毛で塗布してもよいし、インクジェットプリント装置で転写してもよい。ハード層70は、装飾チップ10の強度を補強するためのものであって、ベース層50と同様の材料から形成することができ、光硬化型樹脂、特に、紫外線硬化型樹脂を主成分とするものから成る。ハード層70は、紫外線照射をして短期間で重合硬化させることができる。このように、デザイン層60に直接トップ層80を塗布せずにハード層60を介在させることで、装飾チップ10の強靭性及び光沢性を向上させることができる。
【0026】
最も外層に位置するトップ層80は、デザイン層60に光沢を与えるために、光硬化型樹脂に光沢剤等の各種添加物を配合したものを用いることができる。各層を筆や刷毛で塗布した後、仕上げ工程として、基材の外周縁に付着したインクや樹脂、塵芥等を除去したり、さらに光沢を出すための磨き作業を行うことが好ましい。積層された各層の厚さ寸法は、必要に応じて適宜自由に設定することができるが、装飾チップ10の強度(強靭性)及び光沢性を向上させるために、ハード層70とトップ層80とを比較した場合、トップ層80の厚さ寸法t1がハード層70の厚さ寸法t2の3倍以上、好ましくは、3.0〜5.0倍の範囲内の大きさであることが好ましい。さらに、トップ層80の厚さ寸法t1とハード層70の厚さ寸法t2との合計寸法が、デザイン層50の厚さ寸法の7倍以上、好ましくは、7.0〜10.0倍の大きさであることが好ましい。
【0027】
図5を参照すると、装飾チップ10を取り付けた補聴器1を使用者に装着した状態において、装飾要素30が装飾チップ10の被覆部21のみならず外周リブ23にも位置していることから、使用者(補聴器)の側面視及び背面視においても、デザイン性を発揮することができる。また、装飾チップ10は、補聴器1の外面に着脱可能に取り付けられることから、デザインの異なる装飾チップ10を貼付方式で自由に取替えて使用することで、補聴器10を意匠的に新規な外観とすることができ、視覚的価値を高めることができる。さらに、装飾チップ10の装飾要素として、例えば、補聴器1の色や形状と意匠的に統一したデザインを採用することで、自分だけのオリジナリティーのあるバラエティに富んだ組み合わせを表現することができる。
【0028】
図6(a)は、他の実施形態における補聴器1の斜視図、(b)は、
図6のVI(a)−VI(a)線に沿う断面図、
図7は、他の実施形態における補聴器1の補聴器本体2と装飾チップ10とを分離した状態を示す斜視図である。
【0029】
本実施形態における補聴器1では、蓋体を有さずに補聴器本体2のみから形成されていて、補聴器本体2のうちの先端部12側に音孔5が位置している。装飾チップ10の先端部21には音孔5に対応する位置に切欠部90が形成されている。このように、装飾チップ10の先端部21に切欠部90が位置し、音孔5が外部に露出しているので、音孔5が装飾チップ10に被覆されている場合に比べて、マイク5aは高周波数の音を補足でき、ノイズが入りこむのを抑制することができる。
【0030】
切欠部90の形状は、角が先鋭状ではなく曲状であって全体的にカーブした形状を有していることが好ましい。かかる形状を有することによって、切欠部90のエッジが肌に触れても刺激を与えることはない。
【0031】
本願人の知見によれば、音孔5の大きさや形状に合わせて装飾チップ10に開口を形成する場合には、高周波数(4000〜8000Hz)の音の補足に影響が出ることを確認している。本実施形態のように、装飾チップ10の外周縁から内方へ延びるように切欠部90を形成することによって、高周波数の音でも確実に補足することができる。また、切欠部90の内周縁は、音孔5の外周縁から所定寸法離間して位置していることが好ましく、例えば、切欠部90の内周縁と音孔5の外周縁との離間寸法R1は1−2mmであることが好ましい。
【0032】
図示例においては、補聴器1の音孔5は1つであるが、複数存在する場合には、装飾チップ10には、それぞれに対応した切欠部90が形成されていることが好ましい。また、複数の音孔5に対応して複数の切欠部90が形成されていてもよいし、複数に音孔5に対応した切欠部90が連続して1つの切欠を形成してもよい。
【0033】
本実施形態に係る補聴器1では、装飾チップ10の外面に立体的な装飾要素91が配置されている。装飾要素91は、装飾チップ10とは別体に形成されたものであって、接着剤等の接着剤を介して装飾チップ10の外面に取り付けられている。このように、立体的な装飾要素91が配置されることで、装飾チップ10の外面に印刷された模様等に比べて補聴器1の装飾性が向上する。
【0034】
また、装飾要素(第1装飾要素)91には、チェーンを介して吊持された装飾要素(第2装飾要素)92が取り付けられている。このように、装飾要素92が装飾チップ10が垂れ下がってイヤリングのような外観を有することから、装飾チップ10の装飾性がさらに向上する。
【0035】
立体的な装飾要素91は、その一部が装飾チップ10の外周縁からはみ出るように、外部に延出していてもよい。外部に延出する部分の長さは、破損するのを防止するために、1〜2mmであることが好ましい。また、装着時の邪魔にならないように、立体的な装飾要素91の厚みは、2−4mmであることが好ましい。
【0036】
装飾要素91は、装着状態において耳部に隠れないように、装飾チップ10の外面において耳内側に偏移せずに、装飾チップ10の外側縁から所定寸法R離間していることが好ましい。所定寸法R2は3−6mmであることが好ましく、かかる範囲であれば、装着状態において装飾要素91全体が外部から視認される。
【0037】
図8は、さらに他の実施形態に係る補聴器1の斜視図である。本実施形態においては、装飾チップ10の外面に複数のビーズやガラス玉が散りばめられた装飾要素(第1装飾要素)30に加えて、トカゲの形状をした装飾要素(第2装飾要素)100が配置されている。
【0038】
装飾要素100のうちのトカゲの頭部にリング101が位置し、リング101に連結されたチェーン102には複数の装飾要素(第3装飾要素)103が取り付けられている。このように、装飾要素100が、動物や昆虫、キャラクター等の高い装飾性を有するものから形成することによって、装飾チップ10の装飾性をさらに向上させることができる。また、装飾要素103が装飾チップ10からイヤリングのように吊持されていることから、装飾要素100と相俟って高い装飾性を発揮しうる。
【0039】
図9(a)さらに他の実施形態に係る装飾チップ10の斜視図、
図9(b)は、その装着状態を示す図である。本実施形態においては、装飾チップ10の端部にループ状の取付部200が位置し、取付部200には、チェーン201を介して装飾部材202が取り付けられている。装飾部材202は、イヤーカフやイアリング等の装飾チップ10の外観を装飾するものではなく、装着者の耳部に取り付けるためのものであるが、このように装飾チップ10に取り付けることで、装飾チップ10とともに使用することができるとともに、装飾部材202に紛失を防止することができる。図示していないが、例えば、装飾部材202はチェーン201から分離可能に取り付けられていてもよいし、装飾トップ10と同じデザインを施してもよい。
【0040】
図10(a),(b)は、さらに他の実施形態に係る装飾チップ10の斜視図である。
図10(a)の実施形態では、装飾チップ10にチェーン301を介してQRコード(登録商標)等の二次元コードを有する電子認識部302が取り付けられている。電子認識部302に装着者の氏名や連絡先等の個人情報を記録することで、装飾チップ10を紛失した際に、拾得した第三者から連絡を受けることができる。また、視力や聴力に関する情報等を電子認識部302に記録することで、眼鏡や補聴器の販売店において商品を購入したり修理するときに利用することができる。
【0041】
図10(b)の実施態様では、
図10(a)の実施態様とは異なり、電子認識部302が装飾チップ10に埋め込まれている。かかる実施態様では、電子認識部302がフィルム等で保護されていてもよいし、そのフィルムが装飾チップ10の外面と統一感のあるデザインを有していてもよい。
【0042】
図11(a)は、基材層40の断面図であって、本実施態様においては、外周リブ23に位置する部分40aにおける厚みが、被覆部22に位置する部分40bの厚みよりも大きくなっている。具体的には、例えば、外周リブ23に位置する部分40aの厚さ寸法が0.5〜0.9mmであるのに対し、被覆部22に位置する部分40bの厚さ寸法は0.1〜0.4mmである。このように、外周リブ23に位置する部分40aの厚みが被覆部22に位置する部分40bよりも大きくなっていることによって、外周リブ23が破損するのを効果的に抑制することができる。
【0043】
図11(b)は、さらに他の実施態様における
図4と同様の装飾チップ10の断面図である。本実施態様においては、トップ層80の厚みが被覆部22の外周から中心に向かって次第に大きくなっていて、トップ層80はその断面形状において幅方向の中央部分が外方へ凸となるような隆起形状を有している。このように、トップ層80の厚みを中央部分において大きくすることで、被覆部22の外面に配置された装飾要素のうちの中央部分に位置する装飾要素のみにより光沢感を与えることができる。
【0044】
図11(c)は、さらに他の実施態様における
図4と同様の装飾チップ10の断面図である。本実施態様においては、装飾チップ10は、被覆部22から延びる外周リブ23を有していない。装飾チップ10は、補聴器1の形状に合わせて種々必要な外形を有し、本明細書のすべての実施態様を含め、外周リブ22を有さずに被覆部22のみから形成されていてもよい。
【0045】
図12は、さらに他の実施態様における装飾チップ10の平面図である。本実施態様においては、補聴器1は、電池を内部に収納するための電池カバー96を有する。装飾チップ10は、音孔5に対応した切欠90と、電池カバー96に対応した切欠95とを有する。このように、電池カバー96を装飾チップ10が覆わないように切欠95が設けられていることによって、装飾チップ10補聴器1に取り付けた状態であっても電池交換を行うことができる。
【0046】
また、切欠90,95が装飾チップ10外面に位置する装飾要素のデザインの一部を構成するものであってもよい。すなわち、例えば、装飾要素が複数の動物の絵柄からなる場合において、切欠90,95が動物の大きく開けた口を表すようにデザインが施されている場合には、装飾要素と切欠90,95とが統一的なデザインをなし、より装飾性が向上する。
【0047】
本明細書において、装飾チップ10を構成する各構成材料には、特に記述がなされている場合を除き、この種の分野において通常用いられている、各種の公知の材料を制限なく用いることができる。