【実施例】
【0036】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
〔実施例1:高親和力を有する改良型抗コルチゾール変異scFvの作製〕
1−1 野生型抗コルチゾールscFvの作製
(1)モノクローナル抗コルチゾール抗体(Ab#3)の可変部遺伝子のクローニングとscFv遺伝子の構築
本発明者らが以前に樹立したモノクローナル抗コルチゾール抗体(Ab#3)(Oyama H et al., Anal. Chem., 87, 12387-12395 (2015))を産生するハイブリドーマから総RNAを抽出し、Superscript II
TM reverse transcriptaseを用いて逆転写反応を行いcDNAを合成した。得られたcDNAを鋳型としてrapid amplification of cDNA 5’-ends(5’-RACE)を行い、V
H遺伝子およびV
L遺伝子を含むDNA断片を得た。これらDNA断片をpBluescript IIプラスミドのXmaI−SalIサイトヘサブクローニングし、V
H遺伝子およびV
L遺伝子の塩基配列を常法により決定した。得られた塩基配列情報に基づいて、scFvの構築に必要となる制限酵素認識配列を付加したV
H遺伝子断片(V
H’ 断片)およびV
L遺伝子断片(V
L’ 断片)をPCRで作製した。PCRにはEx Taq DNAポリメラーゼを使用し、制限酵素認識配列を付加するためのPCRプライマーは以下のものを使用した。
V
H’ 断片用
CS#3V
H-Rev:5’-CTCGCGGCCCAGCCGGCCATGGCCCAGGTCCAACTGCAGCAGCCTG-3’(配列番号19)
CS#3V
H-For:5’-TGAACCGCCTCCACCGCTCGAGACTGCAGAGACAGTGACCAGAGTC-3’(配列番号20)
V
L’ 断片用
CS#3V
L-Rev:5’-GGATCCGGCGGTGGCGGGTCGACGGACATTGTGCTGACACAGTCTC-3’(配列番号21)
CS#3V
L-For:5’-GGGCTCAACTTTCTTTGCGGCCGCAGCCCGTTTTATTTCCAGCTTG-3’(配列番号22)
【0038】
得られたV
H’ 断片を制限酵素NcoIおよびXhoIで、V
L’ 断片を制限酵素SalIおよびNotIでそれぞれ消化し、scFv発現用プラスミドベクターに順次導入し、ベクター内にscFv遺伝子(5’-V
H-linker-V
L-FLAG-3’)を構築した。V
H遺伝子およびV
L遺伝子を連結するリンカー配列は、VVSGGGGSGGGGSGGGGST(配列番号23)の19アミノ酸をコードしている。またscFvの3’末端には、発現するscFvの精製と検出を容易にするため、FLAGタグの塩基配列が付加されている。
【0039】
(2)可溶型scFvタンパク質の産生と精製
構築したscFv発現用プラスミドベクターを大腸菌XL1-Blue細胞に電気穿孔法により導入した。形質転換菌をアガープレート上に塗布して37℃で一晩培養し、出現したコロニーがscFv遺伝子を保持していることを、scFv遺伝子に特異的なコロニーPCRおよびscFv遺伝子塩基配列の解析により確認した。この形質転換菌を、アンピシリンとグルコースを含む2×YT培地に加え、600 nmにおける吸光度が0.8に達するまで37℃で振とう培養した。培養液を遠心分離し、沈殿をisopropyl β-D-1-thiogalactopyranoside(IPTG)を含むタンパク質発現誘導培地に懸濁し、25℃で一晩振とう培養した。培養液を遠心分離し、沈殿を浸透圧ショック用緩衝液(スクロースおよびエチレンジアミン四酢酸を含むトリス緩衝液)で懸濁した後、氷上で1時間インキュベートした。インキュベート後の菌懸濁液を遠心分離し、上清のペリプラズム抽出液(scFvタンパク質を含む)を回収し、-20℃で保存した。この一部を抗FLAG-M2抗体固定化アガロースゲルを充填したアフィニティーカラムに供し、緩衝液で洗浄後、0.10 mol/L グリシン塩酸緩衝液(pH 3.5)で可溶型scFvを溶出した。この画分を4℃で一晩透析した後、遠心式限外濾過膜を用いて濃縮した。この抗コルチゾールscFvの一次構造(アミノ酸配列)を
図1に示した。
【0040】
1−2 「FR1ランダム化」変異scFv遺伝子ライブラリーの構築
(1)マウス抗体V
Hドメイン各サブグループのFR1の一次構造の比較
抗体分子のうち、抗原との相互作用に直接関わるのは上述のV
HおよびV
Lドメインであり、その結合特異性と親和力はこれらドメインの立体構造と連関する。いずれのドメインも、ループ構造を形成し抗原と接触する相補性決定部(complementarity-determining region; CDR)と、β-シート構造を形成しCDRループを支える土台となる枠組み配列(framework region; FR)が交互に現れるモザイク様構造をとる。すなわち、そのN末端から、FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4 の順に連なっている。CDRのアミノ酸配列は抗原特異性を異にする抗体分子間で大きく異なり莫大な多様性を示すが、FRの多様性はCDRに比べると小さい。このため、V
HおよびV
LドメインはFRの配列の類似性により、サブグループに分類されている。すなわち、マウス抗体のV
HドメインはIA、IB、IIA、IIB、IIC、IIIA、IIIB、IIIC、IIID、VA、VBの11グループに、L鎖のうちκタイプ(マウス抗体の約95%がκタイプである)の可変部(Vκ)は、I、II、III、IV、V、VI、VII の7グループに分類されている(Kabat EA et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest; U. S. Department of Health and Human Services, National Institutes of Health, U. S. Government Printing Office: Washington, DC, (1991))。V
HドメインのFR1は、H鎖N末端アミノ酸を1番とするとき1〜30番のアミノ酸からなるが、そのうち1〜15番のアミノ酸について、各サブグループの典型的な配列(最も出現頻度が高いアミノ酸を選択して並べた配列)を
図2に示した。N末端の1〜10番目に着目すると、2、4、8番目のアミノ酸はいずれのサブグループでもそれぞれV、L、Gであり、高度に保存されていることがわかる。これに対して、1番目と6番目はEまたはQ、3番目はQまたはKであり、サブグループの違いに応じた変動がある。5番目はさらに変化が激しく、Q、K、V、E、またはLのいずれかであり、各サブグループを特徴づける部位となっている。
【0041】
本発明者らは、予備検討において、サブグループ間で変動するV
HドメインのFR1内の1〜10番の位置について、本来のアミノ酸を異なるサブグループにおける頻出アミノ酸に置換したところ、scFvの抗原結合親和力が顕著に高いscFv変異体が出現することに気付いた。そこで、上記1−1で作製した野生型抗コルチゾールscFvのV
HドメインのFR1内の1〜10番の位置について、本来のアミノ酸を異なるサブグループの頻出アミノ酸に置換した変異scFvを作製し、抗原結合親和力が向上した変異scFvを見出すことを試みた。
【0042】
(2)抗コルチゾールscFvの「FR1ランダム化」変異体ライブラリーの構築
上記1−1で作製した野生型抗コルチゾールscFvのV
Hドメインの1、2、3、5、6、7、9および10番目のアミノ酸について、表1に示すアミノ酸のいずれかが出現する変異体ライブラリーを構築した。2番目のアミノ酸については、頻度は小さいながらVに加えIが出現することを考慮した。理論上は2×2×2×6×2×2×4×2=1,536通りの1〜10番のアミノ酸配列を持つ変異体が含まれることになる。
【0043】
【表1】
【0044】
上記1−1で構築したscFv発現用プラスミドベクターを鋳型とし、縮重プライマーV
H-FR1-1〜10mut(5’-ATTGTTATTACTCGCGGCCCAACCGGCCATGGCCSAGRTCMAACTGVWASAGYCTGGGSSTGRACTTGTGAAGCCTGGGGCTTCAGTGAAA-3’、配列番号24)と上記プライマーCS#3V
L-Forを用い、複製酵素としてKOD Fx DNA ポリメラーゼを用いてPCRを行い、V
Hの1〜10番のアミノ酸のコドンとして縮重コドン(SAG RTC MAA CTG VWA SAG YCT GGG SST GRA:配列番号25)を有する変異scFv遺伝子群を作製した。得られた変異scFv遺伝子群を制限酵素NcoIおよびNotI で消化し、scFvファージ提示用ベクターに導入した。得られた組換えプラスミドを大腸菌TG1株に電気穿孔法により導入した。形質転換菌をアガープレート上に塗布して37℃で一晩培養し、出現したコロニーの一部を後述のコロニーアレイプロファイリング(colony-array profiling: CAP)法に供して、コルチゾールに対する結合親和力が向上した変異scFvを産生する大腸菌クローンを探索した。なお、核酸塩基の一文字表記を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
1−3 「FR1伸長」変異scFv遺伝子ライブラリーの構築
(1)「FR1伸長」変異scFv遺伝子について
本発明者らは、予備検討において、V
HドメインのFR1内の6番目のアミノ酸と7番目のアミノ酸の間に1つのアミノ酸が挿入されたscFv変異体は抗原結合親和力が顕著に高いことを見出した。そこで、上記1−1で作製した野生型抗コルチゾールscFvのV
HドメインのFR1内の6番目のアミノ酸と7番目のアミノ酸の間に1〜6個のアミノ酸を挿入した変異体ライブラリーを構築することにした。アミノ酸の挿入はNNS縮重コドンの挿入により行い、挿入されたアミノ酸として20種のタンパク質構成アミノ酸のすべてがランダムに出現し得るようにした。したがって、1個、2個、3個、4個、5個または6個のアミノ酸を挿入した変異体ライブラリーは、理論上、それぞれ20種、20
2=400種、20
3=8,000種、20
4=160,000種、20
5=3,200,000種、20
6=64,000,000種の変異体を含み得ることになる。
【0047】
(2)抗コルチゾールscFvの「FR1伸長」変異scFv遺伝子ライブラリーの構築
上記1−1で構築したscFv発現用プラスミドベクターを鋳型とし、伸長用プライマー(5’-ATTGTTATTACTCGCGGCCCAACCGGCCATGGCCCAGGTCCAACTGCAGCAG(NNS)nCCTGGGGCTGAACTTGTGAAGC-3’; n=1、2、3、4、5、6、配列番号26〜31)および上記プライマーCS#3V
L-Forを用い、複製酵素としてKOD Fx DNAポリメラーゼを用いてPCRを行った。得られた6種の変異scFv遺伝子群を、n=1、2、3の遺伝子群の混合物、n=4、5の遺伝子群の混合物、n=6の遺伝子群に分けて、それぞれ制限酵素NcoIおよびNotIで消化し、scFvファージ提示用ベクターに導入した。得られた組換えプラスミドを大腸菌TG1株に電気穿孔法により導入した。形質転換菌をアガープレート上に塗布して37℃で一晩培養し、出現したコロニーの一部を後述のコロニーアレイプロファイリング(colony-array profiling: CAP)法に供して、コルチゾールに対する結合親和力の向上した変異scFvを産生する大腸菌クローンを探索した。
【0048】
1−4 ファージディスプレイを利用した抗コルチゾールscFv高親和力変異体の探索
(1)コロニーアレイプロファイリング(colony-array profiling: CAP)法
上記1−2および1−3で作製した変異scFv遺伝子を導入した形質転換菌をアガープレートに播種し、クローン化されたコロニーを形成させた。あらかじめコルチゾール基がアルブミン結合体としてコーティングされた96ウェルマイクロプレートのマイクロウェル(KM13ヘルパーファージを含む2×YT培地が分注されている)に、形質転換菌のコロニーを1つずつ移植し、25℃で45時間振とう培養し、各ウェルにおいて単一の形質転換菌から「モノクローナルscFv提示ファージ」を産生させた。ファージ粒子上に提示されているscFvがコルチゾールに対して十分な親和力を示す場合、これらファージはコルチゾール基が結合しているマイクロウェルに捕捉される。そこで、プレートを洗浄後、新規に作製した抗ファージscFv(Kiguchi Y et al., Biol. Pharm. Bull., 41, 1062-1070 (2018))と海洋性カイアシ類(Gaussia princeps)由来ルシフェラーゼ(GLuc)の融合タンパク質を反応させ、GLucの基質であるセレンテラジンを加え、生じる発光の強度を計測した。
【0049】
上記1−2で作製した「FR1ランダム化」ライブラリーおよび1−3で作製した「FR1伸長」ライブラリーのそれぞれについて、約5,000個の形質転換菌に由来するモノクローナルscFv提示ファージの発光強度を比較し、上位40種を更なる評価に供した。
【0050】
(2)CAP法に用いるコルチゾール基固定化マイクロプレートの作製
コルチゾール3-(O-carboxymethyl)oximeを常法によりN-hydroxysuccinimide esterに変換した。そのピリジン溶液をウシ血清アルブミンのリン酸緩衝溶液と混和して、室温で1時間、更に4℃で一晩撹拌した。これを透析し、アセトンの添加によるタンパク質沈殿反応に付して未反応のステロイド等を除去し、コルチゾール−アルブミン結合体(平均結合モル比12)を得た。本結合体を含む0.10 mol/L炭酸緩衝液(pH 8.6)を、発光ELISA用白色96ウェルマイクロプレートに分注し(100μL/ウェル)、室温で一晩放置した。溶液を除去してリン酸緩衝生理食塩水(phosphate-buffered saline; PBS)で3回洗浄した後、ブロックエース溶液(300μL/ウェル)を加えて37℃で2時間放置した。溶液を除去した後、0.050(v/v)% Tween 20を含むPBS(T-PBS)で3回洗浄し、コルチゾール基固定化マイクロプレートを得た。
【0051】
(3)CAP法による高親和力変異scFv提示ファージクローンの探索と回収
上記(2)で作製したコルチゾール基固定化マイクロプレートのウェルに、アンピシリン(100 μg/mL)、カナマイシン(5.0μg/mL)およびKM13(5×10
8 pfu/mL)を含む2×YT培地を分注した(200μL/ウェル)。上記1−2および1−3で作製した変異scFv遺伝子を導入した形質転換菌のアガープレート上のコロニーを滅菌した爪楊枝を用いてマイクロプレートのウェルの培地中に懸濁させ、25℃で45時間振とう培養した。培地を除去し、T-PBSで3回洗浄した後、2.0%スキムミルクを含むPBSで500倍に希釈した抗ファージscFv-GLuc結合体を加え(100μL/ウェル)、37℃で30分インキュベートした。同様に洗浄後、セレンテラジン(5.0μmol/L)を含むPBSを加え(100μL/ウェル)、直後に300〜700 nmにおける発光強度を測定した。発光強度が大きく、高親和力のscFv提示ファージの産生が期待できるウェルを選択し、残存する溶液を除いた後、ウェルに結合したファージを解離させるために0.10 mol/L グリシン塩酸緩衝液(pH 2.2, 100μL)を加えて室温で10分振とうした。ウェル内の溶液をマイクロチューブに回収し、2.0 mol/L Trisを加えて中和した後、その一部を対数増殖期の大腸菌TG1に加え、37 ℃で30分インキュベーションした。その一部を2×YT培地で段階希釈し(10〜1,000倍希釈)、アンピシリンとグルコースを含む2×YTアガープレートに塗布して37℃で一晩培養した。得られるコロニーをscFv遺伝子に特異的なコロニーPCRに付して、scFv遺伝子を保持する大腸菌を特定した。
【0052】
(4)可溶型変異scFvの調製
上記(3)で特定したscFv遺伝子を保持する大腸菌を培養してプラスミドを抽出し、このプラスミドを鋳型としてPCR を行い、scFv遺伝子を増幅した。増幅したscFv遺伝子を可溶型scFv発現用プラスミドにサブクローニングし、大腸菌XL1Blueに導入した。得られた形質転換菌を上記1−1(2)と同じ手順で処理して、可溶型変異scFvタンパク質をペリプラズム抽出液として回収し、-20℃で保存した。
【0053】
1−5 改良型抗コルチゾール変異scFvの一次構造と親和力の解析
(1)コルチゾールに対して高い親和力を示す変異scFvの選抜
1−4で作製した可溶型変異scFv、および1−1で作製した野生型scFvを用いてコルチゾールの競合ELISAを行い、標準曲線の50%置換値の比較によりコルチゾールに対する親和力向上の程度を推定した(一般に、50%置換値が小さいほどそのscFvは親和力が高い)。有望な変異scFvについては、Scatchard法(Scatchard G., Ann. N. Y. Acad. Sci., 51, 660-972 (1949))により結合定数(Ka)を算出した。その結果、野生型scFvに比べ10倍以上大きいKaを示す改良型変異scFvを、1−2で作製した「FR1ランダム化」ライブラリーから7種、1−3で作製した「FR1伸長」ライブラリーから9種、それぞれ特定した。特定した16種の改良型変異scFvの一次構造と結合定数(Ka)を
図3に示した。
【0054】
(2)コルチゾールの競合ELISA
上記1−4(2)に記載のコルチゾール基固定化マイクロプレートを作製した。0.10%ゼラチンを含むPBS(G-PBS)で適切に希釈したペリプラズム抽出液(可溶型変異scFvを含む)(100μL/ウェル)および各種濃度のコルチゾール標準品を含むG-PBS溶液(50μL/ウェル)を加えて混合し、4℃で2時間インキュベートした。同様に洗浄後、G-PBSで5,000倍に希釈したペルオキシダーゼ標識抗FLAG抗体(100μL/ウェル)を加えて37℃で30分インキュベートした。溶液を除去し、ウェルを洗浄した後、各ウェルに0.04% o-フェニレンジアミン塩酸塩および0.018% 過酸化水素を含む基質溶液を分注し(100μL/ウェル)、十分な発色が認められるまで(10〜30分)室温で放置した後、1.0 mol/L 硫酸水溶液を添加して(100μL/ウェル)混合し、酵素反応を停止させた。マイクロプレートリーダーを用いて各ウェルの490 nmの吸光度を測定し、GraphPad Prism version 3.0aを用いてデータ処理を行い、コルチゾールの標準曲線を作成し、50%置換値を求めた。
【0055】
(3)Scatchard法によるscFvのコルチゾールに対する結合定数の算出
ガラス試験管(12×75 mm)に、G-PBSで各種濃度に希釈したコルチゾールの標準液(100μL)、[1,2,6,7-3H (N)]-コルチゾール(1.5×10
4 dpm; 500μL)、および可溶型scFv (ペリプラズム抽出液) を添加して撹拌後、4℃で一晩インキュベートした。反応液を氷上で10分間インキュベートし、これにデキストラン炭末懸濁液(0.4%の活性炭末を0.010%のデキストランを含むG-PBSで懸濁した液)(500μL)を添加して撹拌後、氷上で更に20分間インキュベートした。この懸濁液を遠心分離し(2000 rpm, 10分, 4℃)、上清をクリアゾルII(10 mL)と混和し、放射能を液体シンチレーションカウンターで測定した。得られた放射能(dpm)と添加したコルチゾール量(pmol)からScatchardプロットを行い、可溶型scFvのコルチゾールに対する結合定数Kaを算出した。
【0056】
なお本発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。