特開2021-141910(P2021-141910A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-141910(P2021-141910A)
(43)【公開日】2021年9月24日
(54)【発明の名称】茶漉し付き急須
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/22 20060101AFI20210827BHJP
   A47J 31/06 20060101ALI20210827BHJP
【FI】
   A47G19/22 L
   A47J31/06 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-40442(P2020-40442)
(22)【出願日】2020年3月10日
(71)【出願人】
【識別番号】518322388
【氏名又は名称】株式会社IPM研究社
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】鶴藤 友義
【テーマコード(参考)】
3B001
4B104
【Fターム(参考)】
3B001AA22
3B001BB10
3B001CC03
3B001CC16
4B104AA09
4B104BA86
4B104BA87
(57)【要約】
【課題】茶葉の成分浸出時の湯と茶葉の動きをコントロールすることができ、茶葉を美味しく淹れることを可能にする茶漉し付き急須を提供する。
【解決手段】本発明の茶漉し付き急須は、底部12と上部開口部10aと取手とを備え、水が収容される容器本体10Aを有する急須10と、上部開口部10aに対向する鍔部50aと茶葉を保持する有底の網状部50cとを備えた茶漉し50と、を有する。茶漉しの鍔部50aには、茶漉しを容器本体内に装填した際、茶漉しを回動させる操作部が設けられており、容器本体10Aと茶漉し50は、網状部50cの下部が容器本体の底部12に接触した状態で、鍔部50aの下面と上部開口部10aが非接触部分を有するように形成されている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と上部開口部と取手とを備え、水が収容される容器本体を有する急須と、
前記上部開口部に対向する鍔部と茶葉を保持する有底の網状部とを備えた茶漉しと、
を有する茶漉し付き急須において、
前記鍔部には、茶漉しを容器本体内に装填した際、茶漉しを回動させる操作部が設けられており、
前記容器本体と茶漉しは、以下の(1)から(3)の内、
(1)前記網状部の下部が容器本体の底部に接触した状態で、前記鍔部の下面と上部開口部が非接触部分を有する
(2)前記茶漉しは、上部開口部に対して、鍔部の下面が円周方向の一部で支持される
(3)前記鍔部に、鍔部よりも滑り性が良い部材を配設する
いずれか1つ以上を備えていることを特徴とする茶漉し付き急須。
【請求項2】
前記上部開口部を閉塞する上蓋を備えており、
前記上蓋の下面は、下方に突出形成された係合部を備えており、
前記係合部は、前記茶漉しを上部開口部にセットした際、前記操作部の回動操作と干渉することなく茶漉しと係合して上蓋を保持する、
ことを特徴とする請求項1に記載の茶漉し付き急須。
【請求項3】
前記係合部は、径方向内側に突出形成された内側突起と、径方向外側に突出形成された外側突起と、を備えており、
前記茶漉しが上部開口部に装填された際、前記内側突起は鍔部の内側に挿入可能であると共に、前記外側突起は鍔部の表面に当接可能であり、
前記茶漉しが上部開口部から外された際、前記外側突起は上部開口部に密着される、
ことを特徴とする請求項2に記載の茶漉し付き急須。
【請求項4】
前記係合部は、前記茶漉しの非使用時に、前記網状部を保持可能であることを特徴とする請求項2又は3に記載の茶漉し付き急須。
【請求項5】
前記上蓋の係合部の径方向内側には、凹所が形成されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の茶漉し付き急須。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に茶葉(緑茶、紅茶等)を淹れる際に用いられる急須に関し、詳細には、茶漉しがセットされる茶漉し付き急須に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、緑茶を淹れる道具として急須が知られている。この急須は、陶器、磁器、鉄等の材料で作られており、茶葉を投入した後、電気ポット、やかん、茶釜などで沸かした湯を注ぎ、茶葉の成分を浸出することでお茶を淹れることができる。
【0003】
通常、上記の急須には、茶葉をお湯の中で保持するための茶漉しが用いられている。例えば、特許文献1には、茶葉からエキスを浸出した後の茶殻の処理、洗浄、保管を容易にできるように、飲茶用容器の内壁に内接する枠を有する網に柄部を設けた茶漉しが開示されている。また、特許文献2には、大径部、フランジ部、切欠き部、把手などを有する装着体に対して、網状の茶漉し部を昇降可能に形成し、茶漉し部の高さを無段階に調整して殆どの急須に対して使用可能な茶漉しが開示されている。さらに、特許文献3には、帯状のリングと柔軟性を有する材料により袋状に形成された透水性膜からなる茶漉しによって、袋状部を急須内部で上下左右に揺れるようにし、短時間で茶成分を抽出できる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−143614号
【特許文献2】特開2000−262406号
【特許文献3】特開2013−99488号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1に開示されている茶漉しは、成分抽出後の茶殻を処理すること、及び、洗浄が容易になる構成を開示したものであり、茶葉の成分浸出時の湯と茶葉の動きを考慮したものではない。このため、茶葉を美味しく淹れることはできない。また、上記した特許文献2に開示されている茶漉しは、急須内の所定位置で茶を漉すことや茶葉が漏れることは防止できるが、茶葉の成分浸出時の湯と茶葉の動きを考慮していない。そのため茶葉を美味しく淹れることはできない。さらに、上記した特許文献3に開示されている茶漉しは、袋状部が急須内部で上下左右に揺れることで、短時間で茶成分を浸出させることはできるが、急須を揺らさない限り袋状部は上下左右に揺れないので、茶漉しで茶葉と湯の動きをコントロールすることはできず、茶葉を美味しく淹れることはできない。
【0006】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、茶葉の成分浸出時の湯と茶葉の動きをコントロールすることができ、茶葉を美味しく淹れることを可能にする茶漉し付き急須を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明は、底部と上部開口部と取手とを備え、水が収容される容器本体を有する急須と、前記上部開口部に対向する鍔部と茶葉を保持する有底の網状部とを備えた茶漉しと、を有する茶漉し付き急須において、前記鍔部には、茶漉しを容器本体内に装填した際、茶漉しを回動させる操作部が設けられており、前記容器本体と茶漉しは、(1)前記網状部の下部が容器本体の底部に接触した状態で、前記鍔部の下面と上部開口部が非接触部分を有する、(2)前記茶漉しは、上部開口部に対して、鍔部の下面が円周方向の一部で支持される、(3)前記鍔部に、鍔部よりも滑り性が良い部材を配設する、の内、いずれか1つ以上を備えていることを特徴とする。
【0008】
上記した構成の茶漉し付き急須を用いてお茶を淹れる場合、茶漉しを急須の容器本体の上部開口部に装填すると、茶漉しの鍔部と容器本体の上部開口部との間の接触抵抗が少ない、或いは、無くなるので、茶漉しの操作部は周方向に回動操作し易くなる。茶葉は、湯の中で上下動させるよりも、静かに回動(周方向への回転)させた方が雑味のない美味しいお茶に淹れることができ、茶漉しと急須(容器本体)が上記した(1)から(3)の1以上の関係を備えていることで、使用者は、茶葉を収容した茶漉しをゆっくりと容器本体内で回動させることができ、美味しいお茶を淹れることが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の茶漉し付き急須によれば、茶葉の成分浸出時の湯と茶葉の動きをコントロールし易くなり、茶葉を美味しく淹れることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る茶漉し付き急須の一実施形態を示す側面図。
図2図1のA−A線に沿った断面図。
図3】容器本体の上部開口部と、上蓋との関係を示した部分拡大図。
図4】容器本体の上部開口部に茶漉しをセットした状態(上蓋を点線で示す)を示した部分拡大図。
図5】上蓋に茶漉しを置いた状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る茶漉し付き急須の実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
【0012】
図1は、茶漉し付き急須の一実施形態を示す側面図、図2は、図1のA−A線に沿った断面図、図3は、容器本体の上部開口部と、上蓋との関係を示した部分拡大図。そして、図4は、器本体の上部開口部に茶漉しをセットした状態を示した部分拡大図である。
【0013】
本発明の茶漉し付き急須1は、急須10と、急須10内に装填される茶漉し50とを備えている。前記急須10は、水が収容される容器本体10Aを備えており、本実施形態の急須10(容器本体10A)は、基台100に載置して水を加熱する構成となっている。このため、基台100は、加熱手段、加熱状態を制御する制御手段を備えており、容器本体10A内に水を収容し、容器本体を基台の所定位置にセットすることで、水を所定の温度(設定温度)に加熱するよう構成されている。
【0014】
この場合、加熱手段については特に限定されることはなく、加熱ヒータ方式、電磁誘導加熱方式(induction heating;IH方式)等で構成することが可能である。また、制御手段についても、使用者が設定する水の温度(設定温度)に加熱し、その後、設定温度を一定に保つ等、水の管理方法については様々な態様で構成することが可能である。
【0015】
最初に、急須10の構成について説明する。
急須の容器本体10Aは、例えば、ガラス素材(耐熱強化ガラス)、透明樹脂素材等によって一体形成されており、その底部(本実施形態では、水に直接接触するように磁性体で構成された加熱体12)と対向する位置に設けられた上部開口部10aを介して水が収容される収容部10Bを備えている。すなわち、前記加熱体12と、その周囲から立ち上がる筒状壁(側壁)10bで囲まれた領域によって、水を収容する収容部10Bが形成されている。
【0016】
前記容器本体10Aは、透明の素材で形成されているため、収容部10B内に投入した茶葉の成分浸出状態は、全ての方向から視認することが可能となっている。このため、茶漉し50に茶葉を投入して茶葉の成分を浸出させているとき、色の濃さ(濁り)や、澱を視認することが可能となる。
【0017】
前記上部開口部10aの一部には、前記収容部10Bから水を注ぎ出すことが可能な注出口10cが形成されている。注出口10cは、収容部内の湯(茶葉が浸出された湯)を安定して注出できるように形成されたものであれば良く、例えば、上部開口部10aの縁の一部を嘴状に屈曲して形成したり、従来の陶器製の急須のように、側壁10bから上方に向けて突出する注出管部として構成されたものであっても良い。
【0018】
前記容器本体10Aの側壁10bには、収容部10Bからお茶を注出する際に把持される取手15が設けられている。この取手15は、上部15a、側部15b、下部15cを具備し、容器本体の側壁10bとの間で指を挿入できる開口15Aを有するように形成されている。取手15は、お茶を注出する際に把持される部位であり、取手15を把持した状態で加熱体12に指が当たることなく、更には、操作性が良く、安定して注出操作が行えるように形成されていることが好ましい。
【0019】
前記容器本体10Aの側壁10bの下端には、下方に延びる円筒状のカバー部材17を設けておくことが好ましい。このようなカバー部材17を設けることで、容器本体10Aを、取手15を摘まんで持ち上げてお茶を湯呑に注ぐ際、加熱体12からの熱伝導を防止することが可能となる。
【0020】
前記上部開口部10aは、略円形状に形成されており、この部分に茶漉し50が装填される。上部開口部10aは、図3及び図4に示すように、略平坦で360度に亘って形成される部分(後述する茶漉しの鍔部が対向する部分であり、以下では対向部10dと称する)と、対向部の径方向外方で上方に向けて広がるように立ち上がる周壁部10eとを備えている。なお、周壁部10eは、対向部から略垂直状に環状に立ち上がる周壁面10e1と、周壁面10e1の上端で径方向に広がりながら上昇する傾斜面10e2を備えている。
【0021】
次に、上部開口部10aに装填される茶漉し50について説明する。
本実施形態の茶漉し50は、急須との関係で収容部10B内の水と茶葉の相対位置を、特に回転方向で動かし易くするよう構成されている。茶漉し50は、略円形状(リング形状)の鍔部50aと、鍔部50aから下方に環状に形成された周壁部50bと、周壁部50bから下方に一定の長さで垂下し、投入される茶葉を保持する有底の網状部50cとを備えている。前記鍔部50aは、急須の上部開口部10aの開口径よりも若干大きく形成されており、その一部には、上部開口部10aに装填した状態で、上部開口部10aから径方向外方に突出する操作部50dを備えている。
【0022】
前記網状部50cは、収容部内の水が自由に通過できると共に、茶葉を収容部内に散逸させない網目を具備しており、本実施形態では、急須10の上部開口部、特に対向部10dとの関係で上下方向に以下の関係となるように形成されている。
前記網状部50cを収容部10B内に挿入して、網状部50cの下端表面が急須の底部(本実施形態では、加熱体12の表面)に設置(当接)した状態で、前記鍔部50aは、対向部10dとの間で隙間(非接触部分)Gが生じるように設定されている。隙間Gについては、操作部50dを摘まむか周方向に押圧した際に、全周に亘って対向部10dと接触しないようになっていることが好ましく、特に限定されることはないが、後述する上蓋60を被せた際にガタ付く等、取扱性や操作性が低下しないように、平均で0.5〜3mm程度あれば良い。
【0023】
上記した茶漉し付き急須1は、急須10の収容部10B内に水を入れて、これを基台100によって目標温度に温め、その状態で茶漉し50を収容部10B内に装填する。茶漉し50を収容部10Bに装填すると、網状部50cが加熱体12に当接した状態で、鍔部50aは上部開口部を構成する対向部10dから浮いた状態(鍔部50aと対向部10dは非接触状態)になる。このため、茶漉しの鍔部50aと上部開口部10aとの間の接触抵抗が無くなるため、網状部50cに茶葉を投入した状態において茶漉しの操作部50dは回動操作し易くなる。網状部50c内の茶葉は、湯の中で上下動させるよりも、静かに回転させた方が雑味のない美味しいお茶に淹れることができるため、上記した構成によれば、茶漉し50を持ち上げることのない操作が容易に行えるようになり(茶葉の成分浸出時の湯と茶葉の動きをコントロールし易くなる)、透明な容器本体10Aを介して色を見ながら茶葉を収容した茶漉し50をゆっくりと回動させることで、美味しいお茶を淹れることが可能となる。
【0024】
また、上記した実施形態の茶漉し付き急須1は、急須10の上部開口部10aを閉塞する上蓋(蓋体)60を備えていることが好ましい。このような上蓋60は、取扱性が良く、茶漉し50を装填した状態で茶漉し50の回動操作に影響を与えることなく、更には、茶漉し50を急須10から取り外した際にも、ガタ付きことなく安定して上部開口部10aを閉塞できる構成であることが好ましい。
【0025】
以下、本実施形態の上蓋60の構成例について説明する。
上蓋60は、略円板形状に形成された本体60Aを備えており、その上面61には、指で摘まむことができるように窪んだ摘み部61aが形成されている。摘み部61aの形状については、限定されることはないが、一対の長穴で形成する等、摘み操作し易くなっていれば良く、上面は、逆向きにした際、テーブルなどに安定して載置できるように平坦面となっていることが好ましい。
【0026】
上蓋の下面62には、下方に突出形成された係合部65が設けられている。この係合部65は、茶漉し50を上部開口部10aにセットした際、操作部50dの上記したような回動操作と干渉することなく、茶漉し50と係合して上蓋60を保持する機能を備えている。すなわち、上蓋60は、下方に突出形成された係合部65によって、茶漉し50が上部開口部にセットされていてもガタ付くことなく安定して保持される。また、茶漉し50が上部開口部にセットされていない状態では、上部開口部を閉塞する機能を有する。
【0027】
本実施形態の係合部65は、上蓋の下面62の径方向内側に突出形成された内側突起66と、径方向外側に突出形成された外側突起67とを備えており、内側突起66の高さが高く形成されている。各突起は、360°に亘って環状に形成されていても良いが、本実施形態の内側突起66については、周方向に沿って、一定間隔をおいて円弧状に形成されており(図1から3では、そのような円弧部分の内壁面を符号66aで示す)、外側突起67については環状に形成されている。なお、内側突起の形状は、円弧状に形成する以外にも、柱状(例えば4本の柱)に形成する等、任意である。
【0028】
内側突起66は、図3に示すように、上蓋60を上部開口部に被せた際、前記対向部10dよりも径方向内側に位置するように形成されており、外側突起67は、対向部10d上に当接するように形成されている。前記外側突起67の外周面には、前記周壁面10e1と密着するように弾性部材67aを設けておくことが好ましく、これにより、上蓋60を被せた際、上部開口部と密着させてガタ付かないようにすることが可能となる。なお、弾性部材67aは、外側突起67に対して環状に取着されていても良いし、周方向に間隔をおいて取着されていても良い。
【0029】
前記内側突起66は、前記対向部10dよりも径方向内側に位置しているが、図4に示すように、茶漉し50が上部開口部に装填された際、鍔部50aの内側に挿入可能であると共に、外側突起67については、鍔部50aの表面に当接可能であることが好ましい。
このような構成によれば、茶漉し50をセットした状態で上蓋60を上部開口部に被せても、茶漉し50の回動操作を支障なく行なうことが可能となる。
【0030】
また、上記した係合部65については、茶漉し50を急須から取り出した際(非使用時)に、網状部50cを保持可能であることが好ましい。通常、茶葉からエキスが抽出されると、茶漉し50は急須10から取り出されるため、取り出した茶漉し50を安定して保持しておくことで、2煎目・3煎目を淹れる作業が行い易くなる。
具体的には、前記内側突起66の径を、網状部50cの下端の外径よりも僅かに大きく形成しておくことで、図5に示すように、上蓋60をひっくり返してテーブルなどに置くと、茶漉し50を安定して保持する保持部として機能させることが可能となる。
【0031】
この場合、内側突起66の径方向内側に、凹所68を形成しておくことで、茶漉し50から落ちる水分を周囲にこぼすことなく保持することが可能となる。
【0032】
上記した蓋体60の形成材料については特に限定されることはないが、プラスチックやシリコンなどで形成することが好ましく、柔軟部材で形成することにより、異音の発生を防止することができ、容器本体10Aに対する滑りを防止することが可能となる。
【0033】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
前記急須10と茶漉し50の関係については、茶漉し50を容器本体にセットした状態で回動操作し易くなっていれば良い。上記した実施形態では、網状部50cの下部が容器本体10Aの底部(加熱体12)に接触した状態で、茶漉しの鍔部50aは、対向部10dとの間で非接触部を有する(隙間Gが生じる)ように形成されていたが、全周に亘って非接触ではなく、その一部が接触していても良いし、対向部10dの一部を高くして、鍔部50aの下面が円周方向の一部で支持されていても良い。或いは、鍔部50aに、茶漉し(鍔部)の形成材料よりも滑り性が良い部材(摩擦係数が低い部材)を配設したり、鍔部のみを滑り易い材料で形成しても良い。
【0034】
また、上記した急須10、茶漉し50、上蓋60については、一例を示したに過ぎず、急須の全体形状、茶漉しの網部の形状、上蓋の形状等、係合部(内側突起、外側突起)の形状等、種々変形することが可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 茶漉し付き急須
10 急須
10A 容器本体
10B 収容部
10a 上部開口部
10b 側壁
10d 対向部
12 加熱体(底)
50 茶漉し
60 上蓋
図1
図2
図3
図4
図5