(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-142310(P2021-142310A)
(43)【公開日】2021年9月24日
(54)【発明の名称】ヘアクリップ
(51)【国際特許分類】
A45D 8/14 20060101AFI20210827BHJP
【FI】
A45D8/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2020-58954(P2020-58954)
(22)【出願日】2020年3月10日
(71)【出願人】
【識別番号】520109427
【氏名又は名称】株式会社AcoLor
(72)【発明者】
【氏名】関 涼子
(57)【要約】
【課題】 十分に毛髪の巻き込みを防止できるヘアクリップを提供する。
【解決手段】 ヘアクリップは回転軸により互いに連結された第1挟持部及び第2挟持部と、第1挟持部と第2挟持部とを付勢するねじりコイルバネを備えて、さらに、ヘアクリップは、第1挟持部に一体化され、ねじりコイルバネの収納室が内部に形成されて、前記の収納室の開口を塞ぐ蓋部とをさらに備え、前記収納室にねじりコイルバネのコイル部を内蔵されてなることを特徴とするヘアクリップ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸により互いに連結された第1挟持部及び第2挟持部と、
前記の第1挟持部の先端側と第2挟持部の先端側で毛髪を挟持可能に、前記の第1挟持部と第2挟持部とを付勢するねじりコイルバネを備えたヘアクリップであって、
前記の第1挟持部に一体化され、ねじりコイルバネの収納室が内部に形成された筒部と、
前記の収納室の開口を塞ぐ蓋部とをさらに備え、
前記収納室にねじりコイルバネのコイル部を内蔵されてなることを特徴とするヘアクリップ。
【請求項2】
前記筒部には、前記コイル部から延びる第1のアーム部は前記筒部に固定され、前記コイル部から延びる第2のアーム部を通す隙間が形成され、
前記第2のアーム部は第2挟持部側に拘束されていることを特徴とする請求項1に記載のヘアクリップ。
【請求項3】
前記ねじりコイルバネを第1のねじりコイルバネとして第2のねじりコイルバネをさらに備え、筒部には内部空間を一端側の収納室と他端側の収納室に区画する仕切壁が設けられ、前記一端側の収納室に第1ねじりコイルバネが収納され、前記他端側の収納室に第2のねじりコイルバネが収納されていることを特徴とする請求項2に記載のヘアクリップ。
【請求項4】
前記仕切壁からは前記コイル部の内側を通り、前記回転軸が固定される軸支持部が突出していることを特徴とする請求項3に記載のヘアクリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪を固定保持するヘアクリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘアクリップ各種、一対の挟持部が一端の開閉操作部においてお互いに組み合わせされると共に、バネにより、両挟持部の他端部どうしが常に合わせ方向に付勢されてなる髪止め具が公知である。
【0003】
従来のヘアクリップとしては回転軸により互いに連結された第1挟持部及び第2挟持部と、前記の第1挟持部の先端側と第2挟持部の先端側で毛髪を挟持可能に、前記の第1挟持部と第2挟持部とを付勢するねじりコイルバネを備えたヘアクリップがある。
【0004】
従来のヘアクリップは、不使用時において、両挟持部の先端側どうしが閉じ合わせでおり、使用時に開閉操作部を操作することにより、閉じ合わせを解除し、両挟持部の間に毛髪を挟む込むものとなる。
【0005】
特許文献1の髪止め具は挟持片の片側に毛髪防止部を架設され、両挟持片の閉じ合わせ状態の時、少し枢軸の下方にまで延設されているが、バネが十分隠れておらず、毛髪をバネのコイル部に巻き込むことを十分防ぐことできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−016346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のヘアクリップは毛髪を挟む際、ねじりコイルバネのコイル部側への毛髪の侵入を十分に防ぐことができない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、課題を解決するに、回転軸により互いに連結された第1挟持部と第2挟持部と、
前記の第1挟持部の先端側と第2挟持部の先端側で毛髪を挟持可能に、前記の第1挟持部と第2挟持部とを付勢するねじりコイルバネを備えてヘアクリップであって、
前記の第1挟持部に一体化され、ねじりコイルバネの収納室が内部に形成された筒部と、
収容室の開閉口を塞ぐ蓋部とをさらに備え、
ねじりコイルバネのコイル部を内蔵されてなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、ねじりコイルバネのコイル部が筒部内の収納室に内蔵されているため、外部からコイル部がほぼ隠されている。そのため、ねじりコイルバネのコイル部に毛髪が挟まれることをさらに抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態のヘアクリップの静止形態を示す側面図。
【
図2】第1の実施形態のヘアクリップの挟持部(1)(2)が開いている形態を示す側面図。
【
図3】第1の実施形態のヘアクリップの挟持部(1)(2)の分解図。
【
図4】第1の実施形態のヘアクリップの挟持部(1)とねじりコイルバネの左側面分解図。
【
図5】第1の実施形態のヘアクリップの挟持部(1)とねじりコイルバネの右側面分解図。
【
図6】第1の実施形態のヘアクリップの挟持部(2)とねじりコイルバネを装飾した挟持部(1)の分解図。
【
図7】第1の実施形態のクリップの開閉操作部の直視図。
【
図8】第2の実施形態のクリップの開閉操作部の直視図。
【
図9】第2の実施形態のヘアクリップの挟持部(1)(2)が開いている形態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0012】
<第1の実施形態>
本実施形態に係るヘアクリップは、回転軸により互いに連結された第1挟持部1及び第2挟持部2と、第1挟持部1の先端側と第2挟持部2の先端側で毛髪を挟持可能に、第1挟持部1と第2挟持部2とを付勢するねじりコイルバネ31、32とを備えている。本実施形態では、ヘアクリップが、第1のねじりコイルバネ31と第2のねじりコイルバネ32とを備えている。
【0013】
第1挟持部1は、細長い形状の部材である。第1挟持部1では、毛髪を挟むための先端側とは反対側に、使用者により操作される操作部1Aが設けられている。第1挟持部1では、操作部1A寄りの位置に筒部3が一体化されている。
【0014】
第2挟持部2は、細長い形状の部材である。操作部2Aが設けられている。第2挟持部2では、操作部2A寄りの位置に、筒部3の両端の開口を塞ぐ一対の蓋部が一体化されている。各蓋部6A、6Bは、板状に形成されている。各蓋部には、後述するビス8を通す穴が設けられている。第2挟持部2には一対の蓋部にビスを通す穴を設け、第1挟持部1の筒部3の隙間から延ばしてくる第2のアームが第2挟持部2の開閉操作部2Aに固定される。
【0015】
筒部3は、略円筒状に形成されている。筒部3には、内部空間を一端側の第1収納室3Aと他端側の第2収納室3Bとに区画する仕切壁7が設けられている。筒部3では、その軸方向の中央部に仕切壁7が配置されている。収容室3Aにはねじりコイルバネ31のコイル部31Cが収納され、収容室3Bにはねじりコイルバネ32のコイル部32Cが収納されている。
【0016】
筒部3の内側には、軸支持部4が設けられている。軸支持部4は、円柱状に形成され、仕切壁7の中央部から一端側と他端側とにそれぞれ突出している。軸支持部4は、一端側ではねじりコイルバネ31のコイル部31Cの内側を通り、他端側ではねじりコイルバネ32のコイル部32Cを通る。軸支持部4では、ビス8を取り付けるネジ穴が軸方向に貫通している。
【0017】
各収容室3A,3Bでは、筒部3の内面に、収納するねじりコイルバネ31、 32の第1アーム部31A、32Aを固定する欠部5A、5Bが形成されている。
【0018】
筒部3の両端には、各ねじりコイルバネ31、32のコイル部31C、32Cから延びる第2アーム31B、32Bを通す隙間322A、322Bが形成されている。そして、各ねじりコイルバネ31、32の第2アーム31B、32Bは、第2挟持部2側に拘束されている。本実施形態では、上述の隙間322A、322Bを形成するために、筒部3の各端面において、全周の一部の範囲は窪ませて凹部322A、322Bを形成している。凹部322A、322Bの形成範囲は、第2挟持部2側(先端とは反対側)である。
【0019】
〈第1実施形態の効果〉
本実施形態では、ねじりコイルバネ31、32のコイル部31C、32Cが筒部3内の収納室3A、3Bに内蔵されているため、外部からコイル部31C、32Cがほぼ隠されている。そのため、ねじりコイルバネ31、32のコイル部31C、32Cに毛髪が挟まれることをさらに抑制できる。
また、本実施形態では、2つのねじりコイルバネ31、32を用いているため、左右のバランスが良好である。
【0020】
〈第2の実施形態〉
第2の実施形態のヘアクリップは、第1の実施形態とは各挟持部の形状が異なる。このヘアクリップにも、第1の実施形態と同様な筒部を備えることができる。このヘアクリップも、筒部3、蓋部6A、6B、ねじりコイルバネ31、32、その収容室31A、32B、及び、各ねじりコイルバネ31、32のアーム部31A、31B、32A、32Bの固定又は拘束について、第1の実施形態と同様の構成とすることができる。
【0021】
〈その他の実施形態〉
上述の実施形態においては、ねじりコイルバネは、1つであってもよい。その場合、仕切壁7を省略することができる。
【符号の説明】
【0022】
1挟持部
2挟持部
1A、2A開閉操作部
3筒部
3A、3B収容室
31、32 ねじりコイルバネ
31A、32A 第1アーム
31B、32B 第2アーム
31C、32Cコイル部
322A、322B凹部
4軸支持部
5A、5B欠部
6A、6B回転軸受突片
7ヒンジ部支持部兼二つバネの仕切壁
8ビス