特開2021-142809(P2021-142809A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2021-142809ラックアンドピニオン式ステアリングギアユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-142809(P2021-142809A)
(43)【公開日】2021年9月24日
(54)【発明の名称】ラックアンドピニオン式ステアリングギアユニット
(51)【国際特許分類】
   B62D 3/12 20060101AFI20210827BHJP
【FI】
   B62D3/12 501B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-41494(P2020-41494)
(22)【出願日】2020年3月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】森山 誠一
(72)【発明者】
【氏名】西村 信幸
(72)【発明者】
【氏名】根岸 武司
(57)【要約】
【課題】複数のラックガイド傾動抑止部におけるラックガイドの往復移動方向の間隔を広くしてラックガイドの傾動作動を十分に抑止することを可能にしたラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットを提供する。
【解決手段】ラックガイド15におけるギアハウジング10cとの接触領域に備えられるラックガイド傾動抑止部19を有し、ラックガイド15は、ラック軸4の円柱面形状の外周部分を跨ぐようにして当接するガイド溝18を有し、ラックガイド15の接触領域は、ガイド溝18の外方にて相対向して位置する第一外周領域20と、第一外周領域以外の第二外周領域21と、で構成されており、ラックガイド傾動抑止部19は、それぞれの第一外周領域20にて突状に備えられる第一突部22と第二外周領域21にて突状に備えられる第二突部24とで構成され、第一突部22と第二突部24との間隔L1は大きく形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラック軸をピニオン軸に向けて付勢して前記ラック軸と前記ピニオン軸との噛合状態を保持せしめるラックガイドと、前記ラックガイドを往復移動可能に収容するギアハウジングと、前記ラックガイドにおける前記ギアハウジングとの接触領域に備えられるラックガイド傾動抑止部と、を備え、前記ラックガイドは、前記ラック軸の円柱面形状の外周部分を跨ぐようにして当接するガイド溝を有してなり、
前記ラックガイドの接触領域は、前記ガイド溝の外方にて相対向して位置する第一外周領域と、前記第一外周領域以外の第二外周領域と、で構成されており、
前記ラックガイド傾動抑止部は、前記それぞれの第一外周領域にて突状に備えられる第一突部と、前記第二外周領域にて突状に備えられる第二突部と、で構成されていることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリングギアユニット。
【請求項2】
前記第一突部は、前記それぞれの第一外周領域に備えられる一個又は複数個の独立弾性体で、
前記第二突部は、前記第二外周領域に備えられる環状弾性体で、あることを特徴とする請求項1に記載のラックアンドピニオン式ステアリングギアユニット。
【請求項3】
前記第一突部は、前記それぞれの第一外周領域に備えられる一個又は複数個の独立弾性体で、
前記第二突部は、前記第二外周領域にて周方向にそれぞれ独立して備えられる複数個の独立弾性体で、あることを特徴とする請求項1に記載のラックアンドピニオン式ステアリングギアユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットであって、ラックガイドの傾動作動を抑止する構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットを備えたステアリング装置は、ステアリングホイールを操作してピニオン軸を回転させることで、ピニオン軸に噛み合うラック軸を往復直線移動させてタイロッドを介して舵輪を操舵するものである。このようなラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットでは、ピニオン軸の回転に伴って、ピニオン軸とラック軸との間で互いに離反する方向の力が作用し、ラック軸が撓んでピニオン軸とラック軸との噛み合い部のバックラッシュが増大し、ピニオン軸とラック軸との噛み合い部に打音が生じることがある。
【0003】
そこで、ラック軸のラック歯をピニオン軸に押圧し、ピニオン軸とラック軸との噛み合い部のバックラッシュを無くすようにした押圧構造が採用されている。
この種の押圧構造は、ピニオン軸を収容する収容部とラック軸を収容する収容部とに連通して設けられたギアハウジングと、ギアハウジング内に往復移動可能に収容されるとともに、後端側に備えたばね部材によって、ラック軸方向に付勢されてラック軸とピニオン軸との噛合状態を保持せしめるラックガイドと、で構成されている。また、ラックガイドは、ばね部材を受ける後端側の円柱状領域(円柱状部)と、ラック軸の円柱面形状の外周部分を跨ぐようにして当接する先端側のガイド溝領域(先端部)とで構成されている。
【0004】
路面からタイヤを介した入力や車体自体の振動で、ラック軸にラックガイドの往復移動方向に直交する方向で、ラック軸のラジアル方向に大きなラジアル荷重が加わり、ラックガイドの外周面が、ギアハウジングの内周面に直接接触して異音を発生することがある。また、ラックガイドの押し当て力が弱い場合には、バックラッシュによる噛み合い歯面での打音が発生する場合がある。
【0005】
特許文献1では、ラックガイドにおけるギアハウジングとの接触領域にラックガイドの傾動動作を抑止するラックガイド傾動抑止部を備えている。ラックガイド傾動抑止部は、ラックガイドの移動方向において、外周面に2つの環状弾性部材(Oリング)を間隔をあけて突状に備えることで構成し、この2つの環状弾性部材によってラックガイドの傾動動作を抑止するようにしていた。
【0006】
しかし、環状弾性部材からなるラックガイド傾動抑止部は、ラックガイドにおけるガイド溝領域、すなわち、ラック軸と重なる領域を避けた円柱状領域の外周面のみにて、ラックガイドの移動方向で間隔をあけて並設させていたため、その並設間隔を大きくとることができなかった。従って、ラックガイドの傾動動作を十分に抑止する事ができず、打音が発生することがある。また、先端部の先端側が金属接触により摩耗してしまう虞もある。
なお、ラックガイドを大きくすれば環状弾性部材の並設間隔を大きくとることもできるが、ラックガイドを大きくすると、必然的にギアハウジングの体格も大きくせざるを得なくなるため、搭載スペースの関係からラックガイドには寸法制約が課せられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−41251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は従来技術の有するこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、ラックガイドの大きさを大きくすることなく、複数のラックガイド傾動抑止部におけるラックガイドの往復移動方向の間隔を広くしてラックガイドの傾動作動を十分に抑止することを可能にしたラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、第1の本発明は、ラック軸をピニオン軸に向けて付勢して前記ラック軸と前記ピニオン軸との噛合状態を保持せしめるラックガイドと、前記ラックガイドを往復移動可能に収容するギアハウジングと、前記ラックガイドにおける前記ギアハウジングとの接触領域に備えられるラックガイド傾動抑止部と、を備え、前記ラックガイドは、前記ラック軸の円柱面形状の外周部分を跨ぐようにして当接するガイド溝を有してなり、
前記ラックガイドの接触領域は、前記ガイド溝の外方にて相対向して位置する第一外周領域と、前記第一外周領域以外の第二外周領域と、で構成されており、
前記ラックガイド傾動抑止部は、前記それぞれの第一外周領域にて突状に備えられる第一突部と、前記第二外周領域にて突状に備えられる第二突部と、で構成されていることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットとしたことである。
【0010】
第2の本発明は、第1の本発明において、前記第一突部は、前記それぞれの第一外周領域に備えられる一個又は複数個の独立弾性体で、
前記第二突部は、前記第二外周領域に備えられる環状弾性体で、あることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットとしたことである。
【0011】
第3の本発明は、第1の本発明において、前記第一突部は、前記それぞれの第一外周領域に備えられる一個又は複数個の独立弾性体で、
前記第二突部は、前記第二外周領域にて周方向にそれぞれ独立して備えられる複数個の独立弾性体で、あることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットとしたことである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ラックガイドを大きくすることなく、複数のラックガイド傾動抑止部におけるラックガイドの往復移動方向の間隔を広くしてラックガイドの傾動作動を十分に抑止することを可能にしたラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットを提供し得た。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットを備えたステアリング装置の第一実施形態を示す概略図である。
図2】第一実施形態におけるステアリングギアユニットの要部を示す概略断面図である。
図3】第一実施形態のラックガイドで、(a)は平面図、(b)は(a)のb方向矢視図、(c)は(a)のc方向矢視図、(d)は斜視図を示す。
図4】第二実施形態のラックガイドで、(a)は平面図、(b)は(a)のb方向矢視図、(c)は(a)のc方向矢視図、(d)は斜視図を示す。
図5】第三実施形態のラックガイドで、(a)は平面図、(b)は(a)のb方向矢視図、(c)は(a)のc方向矢視図、(d)は斜視図を示す。
図6】第四実施形態のラックガイドで、(a)は平面図、(b)は(a)のb方向矢視図、(c)は(a)のc方向矢視図、(d)は斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットの一実施形態について、添付図面を参照して説明する。
本実施形態では、図1に示すラックアンドピニオン式のステアリング装置に用いた実施の一形態を示す。なお、本実施形態は、本発明の一実施形態であって、何等これに限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能である。
「第一実施形態」
【0015】
図1乃至図3は第一実施形態を示す。
図1に示すラックアンドピニオン式のステアリング装置1は、ピニオン軸3とラック軸4とを備えたステアリングギアユニット5を有している。運転者がステアリングホイール2を回転操作することで、ステアリングシャフト6及び中間シャフト8を回転操作させる。
そして、中間シャフト8と接続されているピニオン軸3を回転させることで、ピニオン軸3に噛み合うラック軸4を往復直線移動させてタイロッド9を介して舵輪を操舵する。符号7は、中間シャフト8をそれぞれステアリングシャフト6とピニオン軸3とに接続する自在継手を示す。
【0016】
ステアリングギアユニット5は、ハウジング10と、ピニオン軸3と、ラック軸4と、ラック軸4をピニオン軸3に向けて付勢してラック軸4とピニオン軸3との噛合状態を保持せしめるラックガイド(プレッシャーパッド)15とで構成されている。
【0017】
ハウジング10は、ラック軸4の軸方向中間部を収容するラック軸ハウジング10aと、ピニオン軸3の先半部を収容するピニオン軸ハウジング10bと、ラックガイド15を往復移動可能に収容するギアハウジング10cと、車体に固定するための一対の取付フランジ部11と、で構成されている。ラック軸ハウジング10aの内部空間と、ピニオン軸ハウジング10bの内部空間と、ギアハウジング10cの内部空間と、は互いに連通している。
【0018】
以下、本発明の特徴的部分について詳細に説明し、その他の構成については本発明の範囲内において適宜設計変更可能であるためそれらの詳細な説明は省力する。
【0019】
ギアハウジング10cは、ラック軸ハウジング10aとピニオン軸ハウジング10bとの交差領域にて、ピニオン軸ハウジング10bに対して直交状に備えられている。
【0020】
ギアハウジング10cは、全体を中空の略円筒形状に形成するとともに、一端側開口がピニオン軸ハウジング10bと連通状に一体成形され、他端側開口はカバー12によって着脱可能に閉蓋されている。
内部空間は、ラックガイド15と、ラックガイド15をラック軸4方向へと付勢するばね部材13の後端側を押さえるカバー12と、を収容し、ラックガイド15をギアハウジング10cの筒軸方向に接触移動(往復移動)可能な内径を有する円筒形状に形成されている。
ばね部材13は、ラックガイド15をラック軸4方向へと付勢することが可能なものであれば本発明の範囲内で適宜最適なものが選択され、本実施形態では図示したコイルバネが想定されている。
【0021】
ラックガイド15は、ラック軸4をピニオン軸3に向けて付勢してラック軸4とピニオン軸3との噛合状態を保持せしめるものであって、ばね部材13の前端側を受ける後端側の円柱状部16と、円柱状部16の先端側にて一体に形成され、ラック軸4の円柱面形状の外周部分を跨ぐようにして当接する円柱面形状の内面を有するガイド溝18を備えた先端部17と、ラックガイド15の傾動動作を抑止するラックガイド傾動抑止部19と、で構成されている(図2及び図3参照。)。ガイド溝18は、先端部17の先端側を横切るようにして円柱面状に凹設されている。
【0022】
ラックガイド傾動抑止部19は、ラックガイド15におけるギアハウジング10cとの接触領域に備えられる(図2参照。)。
ラックガイド15の接触領域は、ガイド溝18を備えた先端部17のそれぞれの外周を構成する第一外周領域20と、円柱状部16の外周を構成する第一外周領域20以外の第二外周領域21と、で構成されている。
【0023】
ラックガイド傾動抑止部19は、ラックガイド15のそれぞれの先端部17の第一外周領域20にて突状に備えられる第一突部22と、ラックガイド15の円柱状部16の第二外周領域21にて突状に備えられる第二突部24と、で構成されている(図2及び図3参照。)。
【0024】
第一突部22は、それぞれの先端部17の第一外周領域20にて半球状に凹設された取付穴部23に固着して備えられる独立弾性体である。
取付穴部23は、それぞれの先端部17の第一外周領域20の最大径位置にて、相対向して一つずつ同一深さで設けられている。
独立弾性体は、少なくとも外方に位置する先端部分が球状である弾性体で、本実施形態では、ギアハウジング10c内に収容されたときに、所定の締め代をもって押圧可能な程度に突出されている全体が球状の球状弾性体を想定している。
また、本実施形態の球状弾性体は、全て同一形態のものを想定している。第一突部22は、取付穴部23が凹設され、強度的に特段の問題が生じない範囲内であれば、先端部17の先端側に近い位置に配設されることが好ましい。
【0025】
第二突部24は、円柱状部16の第二外周領域21に備えられる環状弾性体である。本実施形態では、円柱状部16の第二外周領域21の後端側に近い位置で周方向に連続した環状取付溝部25が凹設され、この環状取付溝部25に突出状に固着され、ギアハウジング10c内に収容されたときに、所定の締め代をもって押圧可能な程度に突出されているOリングを想定している。
【0026】
第一突部22を構成する球状弾性体は、第二突部24を構成するOリングと比してボリュームが小さいため、締め代を大きくすることで付勢力のバランスが取れる。したがって、本実施形態では、第二突部24(Oリング)よりも第一突部(球状弾性体)22が突出するように構成する(図3参照。)。
【0027】
本実施形態によれば、それぞれの先端部17の第一外周領域20、すなわち、ラックガイド15と重なる領域に第一突部22を設けることができるため、ラックガイド15の移動方向において、第一突部22と第二突部24との間隔(距離)L1を大きくとることができる。
これにより、ラックガイド15に発生する倒れ(ラックガイド15の移動方向に間隔をあけて設けた第一突部22と第二突部24との中間を支点とする回転モーメント)に対して、従来技術と比してレバー比を大きくし(付勢力を高め)、ラックガイド15の傾動動作(ラックガイド15の暴れ)を抑制することができるため、打音を抑止することが可能である。
【0028】
第一突部22は、ラックガイド15の第一外周領域20に半球状に凹設される取付穴部23に球状弾性体を固着するだけのものであるため、取付穴部23の加工が容易である。
また、球状弾性体を想定しているため、取付時の方向性などを考慮する必要もなく製造・組立時間の短縮化も図れる。
「第二実施形態」
【0029】
図4は本発明の第二実施形態に採用されるラックガイド15を示す。ラックガイド15の構成以外は第一実施形態と同じであるため、第一実施形態の説明を援用する。
【0030】
第一突部22は、それぞれの先端部17の第一外周領域20にて半球状に凹設された取付穴部23に固着して備えられる独立弾性体である。独立弾性体は第一実施形態と同じ球状弾性体を想定している。
取付穴部23は、それぞれの先端部17の第一外周領域20の最大径位置から周方向に均等に離れた位置にて、一つずつ同一深さで設けられている。すなわち、第一突部22は、それぞれの先端部17に2つずつ、対向して計4つ設けられている。
【0031】
第二突部24は、第一実施形態の第二突部24の構成と同じくOリングを想定している。
【0032】
本実施形態によれば、第一実施形態と比して第一突部22の配設数量・配設位置を異にしており、各方向からの入力に対してバランスよく傾動を抑止可能である。その他の構成及び作用効果は第一実施形態と同じである。
「第三実施形態」
【0033】
図5は本発明の第三実施形態に採用されるラックガイド15を示す。ラックガイド15の構成以外は第一実施形態と同じであるため、第一実施形態の説明を援用する。
【0034】
第一突部22は、第二実施形態と同じ構成を採用しており、それぞれの先端部17の第一外周領域20にて半球状に凹設された取付穴部23に固着して備えられる独立弾性体である。独立弾性体は第一実施形態と同じ球状弾性体を想定している。
取付穴部23は、それぞれの先端部17の第一外周領域20の最大径位置から周方向に均等に離れた位置にて、一つずつ同一深さで設けられている。すなわち、第一突部22は、それぞれの先端部17に2つずつ、計4つ設けられている。
【0035】
本実施形態における第二突部26は、第一実施形態や第二実施形態の第二突部24のようにOリングを使用していない。すなわち、本実施形態では、第二外周領域21にて周方向にそれぞれ独立して備えられる複数個の独立弾性体を第二突部26とする実施の一形態である。
【0036】
第二突部26は、ラックガイド15の移動方向で、それぞれの第一突部22と同一位置にそれぞれ突状に設けられている。すなわち、第二突部26は、円柱状部16の第二外周領域21の周方向に4つ設けられている。第二突部26の球状弾性体は、第一突部22の球状弾性体と同じものを想定しており、円柱状部16の第二外周領域21にて半球状に凹設された取付穴部27に固着して備えられる。
取付穴部27は、ラックガイド15の移動方向で、取付穴部23と同一線上にて、それぞれ一つずつ同一深さで設けられている。すなわち、第二突部26は、それぞれの先端部17に設けられた第一突部22と同じく2つずつ、対向して計4つ設けられている。第二突部26を構成する独立弾性体は第一突部22と同じ球状弾性体を想定している。
【0037】
ラック軸と重なる領域への入力が大きいことから、この領域部分の締め代を大きくすることでバランスをとるように構成する。例えば本実施形態では、第一突部22の球状弾性体を取付固着する取付穴部23の凹設深さを浅くすることで、第一突部22の突出量を多くする。このように構成することで第一突部22の突出高さが第二突部26の突出高さよりも高く設定されることから締め代を大きくすることが可能である。
このように構成することで、第一突部22と第二突部26との球状弾性体の共通化が図れ、在庫管理の容易化及びコスト安価にもなる。その他の構成及び作用効果は第一実施形態及び第二実施形態と同じである。
「第四実施形態」
【0038】
図6は本発明の第四実施形態に採用されるラックガイド15を示す。ラックガイド15の構成以外は第一実施形態と同じであるため、第一実施形態の説明を援用する。
【0039】
第一突部22は、第一実施形態乃至第三実施形態に示す第一突部22よりも多少大径の独立弾性体(球状弾性体)を想定している。このように第一突部22の球状弾性体を大径とすることにより、第一突部22の突出量を多くして、第一突部22の締め代を大きくしている。
【0040】
第二突部26は、第三実施形態と同じく、第二外周領域21にて周方向にそれぞれ独立して備えられる複数個の独立弾性体を第二突部とする他の実施の一形態である。第二突部26を構成する独立弾性体は第三実施形態の第二突部26と同じ球状弾性体を想定している。
【0041】
第二突部26は、ラックガイド15の移動方向で、第一突部22と同一位置にそれぞれ突状に設けられているものと、ラックガイド15の移動方向で、ガイド溝18の切り欠き領域の最深部と同一線上にて突状に設けられているものと、で構成されている。
すなわち、第二突部26は、円柱状部16の第二外周領域21の周方向に4つ、それぞれ相対向して設けられており、円柱状部16の第二外周領域21の周方向にて、90度毎に半球状に凹設された各取付穴部27に固着して備えられる。すなわち、本実施形態の第二突部26は、それぞれ対向して計4つ設けられている。
取付穴部27は、円柱状部16の第二外周領域21にて、ラックガイド15の移動方向で、取付穴部23と同一線上にて、それぞれ一つずつ同一深さで設けられるものと、ラックガイド15の移動方向で、ガイド溝18の切り欠き領域の最深部と同一線上にてそれぞれ一つずつ同一深さで設けられるものと、がある。
【0042】
なお、第一突部22は、第一実施形態と同じ径の球状弾性体を採用することも当然に可能である。この場合、第一突部22の球状弾性体を取付固着する取付穴部23の凹設深さを浅くすることで、第一突部22の突出量を多くして、第一突部22の締め代を大きくしてバランスを取ることが可能である。その他の構成及び作用効果は第一実施形態乃至第三実施形態と同じである。
【0043】
上記説明した各実施形態における球状弾性体の配設数量は特に限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で適宜最適な配設数量が選択可能である。
【0044】
取付穴部23、27は、半球状に凹設されるものに限定解釈されるものではなく、例えば、円筒状に凹設されるものであってもよく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
第一突部22、第二突部26も球状弾性体に代えて、突出部分となる先端が球状を有する円柱状弾性体であったり、楕円状弾性体であったりしても対応可能である。また、第一突部22、第二突部26は先端が球状のものに限定解釈されるものではなく、取付穴部23、27から所定高さをもって突出されるものであればよく本発明の範囲内で設計変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、本実施形態で示したステアリング装置以外であっても採用可能である。
【符号の説明】
【0046】
3 ピニオン軸
4 ラック軸
10c ギアハウジング
15 ラックガイド
18 ガイド溝
19 ラックガイド傾動抑止部
20 第一外周領域
21 第二外周領域
22 第一突部
24,26 第二突部
図1
図2
図3
図4
図5
図6