【解決手段】 放射線を蛍光に変換するシンチレータ層と、シンチレータ層の一面側に設けてシンチレータ層から受けた蛍光を電気信号に変換する複数の光電変換部を、基板に設けたアレイ基板層と、シンチレータ層の他面側に設けてシンチレータ層で発生した蛍光をアレイ基板層側へ反射させる反射層と、アレイ基板層について、シンチレータ側と反対側に設けて基板を支持する支持体と、を備え、支持体が基板よりも大きい熱収縮率を有する。
前記基板のヤング率をE1、前記支持体のヤング率をE2、前記シンチレータ層のヤング率をE3、前記基板の厚さをD1、前記支持体の厚さをD2、前記シンチレータ層の厚さをD3としたときに、
E1×D1+E2×D2<E3×D3 (式1)
上記式1を満たす請求項1に記載の放射線検出モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
一実施形態に係る放射線検出器1は、放射線としてX線を検出する放射線検出器である。この放射線検出器1は、放射線画像であるX線画像を検出するX線平面センサであり、例えば、一般医療用途などに用いられる。放射線検出器1の用途は、一般医療用途に限定されず、例えば、非破壊検査などに用いることもできる。
図3に示すように、放射線検出器1は、放射線検出モジュール10と、回路基板11とで構成されている。これらの放射線検出モジュール10と回路基板11は、図示しない筐体内に収納されている。
図1に一実施形態に係る放射線検出モジュールを模式的に示すように、放射線検出モジュール10は、アレイ基板層2、シンチレータ層3、反射層4及び支持体5を備えており、反射層4側からX線が入射される。
【0010】
図3に示すように、アレイ基板層2は、基板2a、光電変換部2b、制御ライン2c1、データライン2c2、配線パッド2d1、配線パッド2d2および保護層2f(
図4参照)を有する。
基板2aは、平面視四角形状の板状を成す樹脂材製であり、例えば、ポリイミドから形成されている。基板2aは、可撓性を有する。基板2aの厚みや熱収縮率及びヤング率等の物性は後述する。
光電変換部2bは、基板2aの一方の面側に複数設けられており、制御ライン2c1とデータライン2c2とにより区画されている。複数の光電変換部2bは、マトリクス状に並べてられている。なお、1つの光電変換部2bは、X線画像の1つの画素(pixel)に対応する。
【0011】
図3及び
図4に示すように、複数の光電変換部2bのそれぞれには、光電変換素子2b1と、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)2b2とが設けてある。
また、光電変換素子2b1において変換した信号電荷を蓄積する蓄積キャパシタが設けられている。蓄積キャパシタは、例えば、平板状を呈し、各薄膜トランジスタ2b2の下に設けられている。ただし、光電変換素子2b1の容量によっては、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタを兼ねることができる。
【0012】
光電変換素子2b1は、例えば、フォトダイオード等である。
薄膜トランジスタ2b2は、蓄積キャパシタへの電荷の蓄積および放出のスイッチングを行う。薄膜トランジスタ2b2は、ゲート電極2b2a、ドレイン電極2b2b及びソース電極2b2cを有する。薄膜トランジスタ2b2のゲート電極2b2aは、対応する制御ライン2c1と電気的に接続することができる。薄膜トランジスタ2b2のドレイン電極2b2bは、対応するデータライン2c2と電気的に接続することができる。薄膜トランジスタ2b2のソース電極2b2cは、対応する光電変換素子2b1と蓄積キャパシタとに電気的に接続することができる。また、光電変換素子2b1のアノード側と蓄積キャパシタは、グランドに接続されている。
【0013】
制御ライン2c1は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けられており、制御ライン2c1は、例えば、行方向に配置されている。1つの制御ライン2c1は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d1のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d1には、フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線のうちの1つに電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線の他端は、回路基板11に設けられた読み出し回路とそれぞれ電気的に接続されている。
【0014】
データライン2c2は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けてい。データライン2c2は、例えば、行方向に直交する列方向に配置されている。1つのデータライン2c2は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d2のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d2には、フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線のうちの1つを電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線の他端は、回路基板11に設けられた信号検出回路とそれぞれ電気的に接続されている。
制御ライン2c1、およびデータライン2c2は、例えば、アルミニウムやクロムなどの低抵抗金属を用いて形成されている。
【0015】
図4に示すように、保護層2fは、第1層2f1および第2層2f2を有することができる。第1層2f1は、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2を覆うことができる。第2層2f2は、第1層2f1の上に設けられている。
第1層2f1および第2層2f2は、絶縁性材料から形成されている。絶縁性材料は、例えば、酸化物絶縁材料、窒化物絶縁材料、酸窒化物絶縁材料、および樹脂材料等である。
【0016】
シンチレータ層3は、複数の光電変換部2bの上に設けられている。シンチレータ層3は、入射するX線を可視光すなわち蛍光に変換する。シンチレータ層3は、基板2a上の複数の光電変換部2bが設けられた領域(有効画素領域A(
図4参照))を覆うように設けられている。
【0017】
シンチレータ層3は、例えば、ヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、ヨウ化ナトリウム(NaI):タリウム(Tl)、あるいは臭化セシウム(CsBr):ユーロピウム(Eu)等を用いて形成されている。シンチレータ層3は、例えば、真空蒸着法を用いて形成される。真空蒸着法を用いてシンチレータ層3を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ層3を形成することができる。
【0018】
反射層4は、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために設けている。すなわち、反射層4は、シンチレータ層3において生じた蛍光のうち、光電変換部2bが設けられた側とは反対側に向かう光を反射させて、光電変換部2bに向かうようにしている。反射層4は、シンチレータ層3のX線の入射側を覆って配置してある。反射層4は、例えば、酸化チタン(TiO2)などからなる光散乱性粒子と、樹脂と、溶媒とを混合した材料をシンチレータ層3の上に塗布し、塗布した材料を乾燥することで形成されている。前述したように、シンチレータ層3は、複数の柱状結晶を有している。そのため、反射層4の一部は、シンチレータ層3の柱状結晶同士の間に設けられる。
【0019】
支持体5は、アレイ基板層2の、シンチレータ層3が設けられる側とは反対側の面に設けて基板2aを支持している。支持体5を設けることにより、アレイ基板層2の剛性を大きくして、取り扱いを容易にすることができる。
支持体5は、例えば、アレイ基板層2の基板2aに接着により固定することができる。支持体5は、基板2aよりも大きな熱収縮率を持つ材料から形成されている。ここで、熱収縮率とは、ある温度まで物体を加熱してから元の温度に戻したときに、物体が元の寸法と比較して収縮した割合のことを指す。
一般に、延伸履歴を持つ樹脂材料は残留応力が存在し、熱収縮率が大きいため、支持体5に用いる材料として好ましい。
また、支持体5は、高い耐熱性を持つことが好ましい。
支持体5に用いられる高い熱収縮率と耐熱性をあわせ持つ材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、芳香族ポリアミドがあり、支持体5はこれらのいずれかの材料から形成されている。
【0020】
アレイ基板層2の基板2a及び支持体5について、熱収縮率及び剛性を含む物性については、後述する。
【0021】
その他、放射線検出モジュール10には防湿部を設けることもできる。防湿部は、空気中に含まれる水蒸気により、シンチレータ層3の特性と反射層4の特性が劣化するのを抑制するために設けることができる。防湿部は、膜状を呈し、シンチレータ層3と反射層4を覆うように設けることができる。防湿部は、X線透過性が高く、透湿係数の小さい材料から形成することができる。防湿部は、例えば、ポリパラキシリレン、ポリモノクロロパラキシリレン、ポリフルオロパラキシリレン、ポリジメチルパラキシリレン、ポリジエチルパラキシリレンなどから形成することができる。防湿部は、例えば、熱CVD法などを用いて形成することができる。また、防湿部は、例えば、厚みの薄い金属膜、もしくは厚みの薄い金属膜と厚みの薄い樹脂膜との積層膜などから形成することもできる。なお、反射層4が防湿性を有するものである場合には、防湿部を省くこともできる。
【0022】
図3に示すように、回路基板11は、アレイ基板層2の、シンチレータ層3が設けられる側とは反対側に設けられている。回路基板11は、放射線検出モジュール10(アレイ基板層2)と電気的に接続されている。
回路基板11には、読み出し回路、信号検出回路、および画像処理回路が設けられている。なお、これらの回路を1つの基板に設けることもできるし、これらの回路を複数の基板に分けて設けることもできる。
【0023】
読み出し回路は、薄膜トランジスタ2b2のオン状態とオフ状態を切り替えることができる。読み出し回路には、画像処理回路などから制御信号が入力される。読み出し回路は、X線画像の走査方向に従って、制御ライン2c1に制御信号を入力することができる。例えば、読み出し回路は、フレキシブルプリント基板2e1を介して、制御信号を各制御ライン2c1毎に順次入力する。制御ライン2c1に入力された制御信号により薄膜トランジスタ2b2がオン状態となり、蓄積キャパシタからの電荷(画像データ信号)が受信できるようになる。
【0024】
信号検出回路は、複数の積分アンプ、複数の選択回路、および複数のADコンバータなどを有することができる。
1つの積分アンプは、1つのデータライン2c2と電気的に接続することができる。例えば、積分アンプは、光電変換部2bからの画像データ信号を順次受信する。そして、積分アンプは、一定時間内に流れる電流を積分し、その積分値に対応した電圧を選択回路へ出力することができる。この様にすれば、所定の時間内にデータライン2c2を流れる電流の値(電荷量)を電圧値に変換することが可能となる。すなわち、積分アンプは、シンチレータ層3において発生した蛍光の強弱分布に対応した画像データ情報を、電位情報へと変換することができる。
【0025】
選択回路は、読み出しを行う積分アンプを選択し、電位情報へと変換された画像データ信号を順次読み出すことができる。
ADコンバータは、読み出された画像データ信号をデジタル信号に順次変換することができる。デジタル信号に変換された画像データ信号は、画像処理回路に入力することができる。
【0026】
画像処理回路は、複数のADコンバータによりデジタル信号に変換された画像データ信号に基づいて、X線画像を構成することができる。構成されたX線画像のデータは、画像処理回路から外部の機器に向けて出力することができる。
【0027】
次に、本実施の形態に係る放射線検出モジュール10の製造方法、および放射線検出器1の製造方法について例示をする。
まず、基板2aの上に、制御ライン2c1、データライン2c2、配線パッド2d1、配線パッド2d2、光電変換部2b、および保護層2fなどを順次形成してアレイ基板層2を製造する。アレイ基板層2は、例えば、半導体製造プロセスを用いて製造することができる。なお、アレイ基板層2の製造には既知の技術を適用することができるので詳細な説明は省略する。
【0028】
また、基板2aの、制御ライン2c1などが形成される側とは反対側の面に、支持体5を接着する。なお、支持体5の接着は、制御ライン2c1などが形成される前であってもよいし、制御ライン2c1などやシンチレータ層3が形成された後であってもよい。例えば、支持体5の接着は、反射層4が形成される前であればよい。
【0029】
次に、基板2aの有効画素領域A(
図4参照)を覆うようにシンチレータ層3を形成する。
例えば、シンチレータ層3は、真空蒸着法を用いて形成することができる。真空蒸着法を用いてシンチレータ層3を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ層3が形成される。シンチレータ層3の厚みは、放射線検出器1に求められるDQE特性、感度特性、解像度特性などに応じて適宜変更することができる。シンチレータ層3の厚みについては後述する。
【0030】
次に、シンチレータ層3の上に反射層4を形成する。
例えば、反射層4は、複数の光散乱性粒子、樹脂、および溶媒を混合した材料をシンチレータ層3上に塗布し、塗布した材料を乾燥させることで形成することができる。塗布した材料は、乾燥する際に体積が小さくなる。そのため、乾燥後の反射層4は、材料の塗布時と比較して収縮するので、反射層4と、シンチレータ層3が形成されたアレイ基板層2との間に応力が発生する。その結果、材料の塗布直後には、アレイ基板層2は平坦な形状をしているが、材料の乾燥時の収縮により反射層4の上面が凹面となるような反りが発生する場合がある。反りが発生するとアレイ基板層2の、反射層4が設けられる側が凹状となるように湾曲する。しかし、この実施形態では、後述する支持体5を加熱する際に発生する収縮による応力と、反射層4の材料が乾燥する際に発生する応力との間のバランスにより、アレイ基板層2及びシンチレータ層3の湾曲が生じないようにしている。
【0031】
次に、必要に応じて、防湿部を形成することができる。例えば、熱CVD法などを用いて、シンチレータ層3と反射層4を覆う膜状の防湿部を形成することができる。防湿部は、例えば、ポリパラキシリレン、ポリモノクロロパラキシリレン、ポリフルオロパラキシリレン、ポリジメチルパラキシリレン、ポリジエチルパラキシリレンなどから形成することができる。
以上の様にして、放射線検出モジュール10を製造することができる。
【0032】
次に、フレキシブルプリント基板2e1、2e2を介して、アレイ基板層2と回路基板11を電気的に接続する。
その他、回路部品などを適宜実装する。
【0033】
その後、図示しない筐体の内部にアレイ基板層2、回路基板11などを格納する。
そして、必要に応じて、光電変換素子2b1の異常の有無や電気的な接続の異常の有無を確認する電気試験、放射線画像試験などを行う。
以上のようにして、放射線検出器1を製造する。
なお、製品の防湿信頼性や温度環境の変化に対する信頼性を確認するために、高温高湿試験、冷熱サイクル試験などを実施することもできる。
【0034】
次に、放射線検出モジュール10の湾曲及びその防止について説明する。
反射層4は、塗布した材料が乾燥する際に体積が小さくなり収縮するため、シンチレータ層3が形成されたアレイ基板層2との間に応力が発生する。
反射層4による応力は、反射層4の上面(X線の入射側面)が凹面となるような反りを発生させる方向に働く。これにより、反射層4の一部は複数の柱状結晶の間に入り込んで設けられているため、反射層4による応力は各柱状結晶に対して均一に働く。このため、柱状結晶の破損を防ぐことができる。
一方で、アレイ基板層2に設けられた支持体5を加熱した場合、支持体5が熱収縮するため、アレイ基板との間に応力が発生する。支持体5による応力は、支持体5の下面が凹面となるような反りを発生させる方向に働く。
このように、反射層4による応力、および支持体5による応力は、放射線検出モジュール10の反りに関して、互いに反対方向に作用する。したがって、この2つの応力のバランスをとることにより、シンチレータ層3およびアレイ基板層2を、反りのない平坦な形状にすることができる。
【0035】
ところで、真空蒸着法を用いてアレイ基板層2上にシンチレータ層3を形成する場合、蒸着中のアレイ基板層2は、蒸発源からの輻射熱、および蒸着分子の潜熱により加熱される。このため、アレイ基板層2と支持体5が接合された状態でシンチレータ層3の形成を行うことにより、支持体5を加熱することができる。この支持体5の加熱により、支持体5には、反射層4と反対向きの応力が発生し、シンチレータ層3およびアレイ基板層2を、反りのない平坦な形状にすることができる。
ここで、支持体5の熱収縮率T1はアレイ基板層2の基板2aの熱収縮率T2よりも大きければ、即ち、T1>T2の関係を満たすことにより、放射線検出モジュール10に湾曲(反り)が生じるのを防止できる。このように、放射線検出モジュール10の湾曲を防止することにより、シンチレータ層3やアレイ基板層2の破損を防止できるので画像特性の向上を図ることができる。
一実施形態では、例えば、支持体5の熱収縮率T1は2.0%であり、基板2aの熱収縮率T2は、0.01%である。
【0036】
また、アレイ基板層2の基板2aをポリイミドで形成することより、基板2aの熱収縮率を支持体5の熱収縮率よりも小さくし、なおかつ基板2aに可撓性をもたせることができる。基板2aが可撓性をもつことにより、基板2aの破損を防止し、放射線検出モジュール10の破損を抑制することができる。
更に、支持体5を、前述したように、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリアミドの少なくとも一つの材質で形成することにより、これらの材質は、他の材質に比較して熱収縮率T1が大きいから、基板2aがガラスやポリイミドの場合の熱収縮率T2よりも、大きな熱収縮率を得ることができる。
【0037】
一実施形態では、基板2aと支持体5の熱収縮率によるバランスをとることにより、
図2に実線で示すように、製造した放射線検出モジュール10を室温で前記支持体5を下にして定盤13に載置した自由状態において、目視で湾曲していない状態にすることができる。
一方、二点鎖線で示すように、製造した放射線検出モジュール10に湾曲がある場合には、前記支持体5をヒーター等で加熱することで、定盤13に載置した自由状態において、目視で湾曲していない状態に調整しても良い。
【0038】
次に、放射線検出モジュール10における各部の剛性とひずみについて説明する。
基板2aのヤング率をE1、支持体5のヤング率をE2、シンチレータ層3のヤング率をE3とする。また、基板2aの厚さをD1、支持体5の厚さをD2、シンチレータ層3の厚さをD3とする。
この場合において、一実施形態では、下記式1を満足する関係にある。
E1×D1+E2×D2<E3×D3 (式1)
この式1を満たすことにより、更に、放射線検出モジュール10の画像特性の劣化を防止することができる。
この式1では、基板2aの、シンチレータ層3と接する面に平行な方向の軸剛性がE1×D1に比例し、支持体5の、前記方向の軸剛性がE2×D2に比例し、シンチレータ層3の、前記方向の軸剛性がE3×D3に比例するから、基板2aと支持体5の合計の軸剛性がシンチレータ層3の軸剛性よりも小さい。このため、支持体5の応力によって生じるシンチレータ層3の圧縮ひずみを小さくすることができるから、シンチレータ層3の破損を防止し、画像特性の劣化を防ぐことができる。
一実施形態では、例えば、基板2aのヤング率をE1は5.8GPaであり、支持体5のヤング率をE2は5.1GPaであり、シンチレータ層3のヤング率はE3は5.3GPaである。また、基板2aの厚さD1は0.04mmであり、支持体5の厚さD2は0.1mmであり、シンチレータ層3の厚さD3は0.3mmである。
【0039】
本発明の上記実施形態を説明したが、上記の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記の実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。