(54)【発明の名称】癌、アレルギー性障害、自己免疫性疾患または炎症性疾患を治療するための、JAK阻害物質、ASK1阻害物質、BRD阻害物質及び/またはMMP9阻害物質から選択される阻害物質とBTK阻害物質GS−4059の組み合わせ
癌及びアレルギー性障害、自己免疫性障害及び炎症性障害(血液学的悪性腫瘍が含まれる)の治療のための治療法ストラテジーに関連する方法が、本明細書において提供される。特に、方法は、BTK阻害物質及び1つまたは複数の阻害物質の投与を包含する。例えば、1つまたは複数の阻害物質は、JAK阻害物質、ASK1阻害物質、BRD4阻害物質またはMMP9阻害物質であり得る。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の記載は、例示的な方法、パラメーター及び同種のものを説明する。しかしながら、かかる記載は本開示の範囲に対する限定として意図されないが、その代りに、例示的な実施形態の記載として提供されることを認識するべきである。BTK阻害物質、ならびにJAK阻害物質、ASK阻害物質、BRD阻害物質及びMMP9阻害物質から選択される1つまたは複数の阻害物質を含む、方法、組成物(医薬組成物、製剤または単位投薬量が含まれる)、製造品及びキットが提供される。
【0016】
本明細書において記載されるような、BTK阻害物質、ならびにJAK阻害物質、ASK阻害物質、BRD阻害物質及びMMP9阻害物質から選択される1つまたは複数の阻害物質の薬学的有効量の組み合わせを使用して、ヒトにおける癌、アレルギー性障害、自己免疫性疾患及び炎症性疾患を治療することができ、その方法は、薬学的有効量のBTK阻害物質またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物、ならびにJAK阻害物質、ASK阻害物質、BRD阻害物質及びMMP9阻害物質から選択される薬学的有効量の1つまたは複数の阻害物質をそれを必要とするヒトへ投与することを含む。本明細書において教示される組み合わせは、アレルギー性障害、自己免疫性疾患及び炎症性疾患(全身性紅斑性狼瘡(SLE)、慢性関節リウマチ(RA)、多発性血管炎、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、重症筋無力症、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸窮迫症候群(ARD)及び喘息等)の治療のために使用され得る。本明細書において教示される組み合わせは、癌(血液系悪性腫瘍、白血病、リンパ腫慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、非ホジキンリンパ腫、低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)、難治性iNHL、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)、リンパ形質細胞性リンパ腫、及び辺縁帯リンパ腫等)の治療のために使用され得る。
定義
【0017】
化学基の前方または末尾でのダッシュは利便性の理由であり;化学基はそれらの通常の意味を失わずに、1つまたは複数のダッシュ有りまたは無しで描写され得る。構造中の線を介して描かれた波線は基の付加の点を指示する。破線は随意の結合を指示する。化学的または構造的に要求されない限り、方向性は、化学基が書かれる順序によって指示または暗示されない。例えば、基「−SO
2CH
2−」は「−CH
2SO
2−」に等価であり、両者ともいずれの方向でも接続され得る。「C
u−v」という接頭語は、後続の基がu〜vの炭素原子を有することを指摘し、そのうちの1つまたは複数は、ある特定の基(例えばヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルなど)において、1つまたは複数のヘテロ原子またはヘテロ原子基により置き換えられ得る。例えば、「C
1−6アルキル」はアルキル基が1〜6の炭素原子を有することを指摘する。
【0018】
さらに、ある特定の一般的に使用される代替の化学名は使用されても使用されなくてもよい。例えば、二価「アルキル」基、二価「アリール」基など等の二価基は、それぞれ「アルキレン」基または「アルキレニル」基、「アリーレン」基または「アリーレニル」基
とも称され得る。
【0019】
「アルキル」は、任意の脂肪族炭化水素基(すなわち、任意の直鎖炭化水素基、環式炭化水素基、分岐炭化水素基もしくはスピロ非芳香族炭化水素基、またはその異性体もしくは組み合わせ)を指す。本明細書において使用される時、「アルキル」という用語には、1つまたは複数の付加点を備えた飽和及び不飽和の脂肪族炭化水素基を記載するのに当該技術分野において使用される用語が含まれ、アルケニル(少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有している脂肪族基)、アルキレン(二価脂肪族基)、アルキニル(少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する脂肪族基)、シクロアルキル(環式脂肪族基)、アルキルシクロアルキル(環式脂肪族基へ付加された直鎖脂肪族基または分岐脂肪族基)、及び同種のものが含まれる。アルキル基には、メチル;エチル;プロピル(プロパン−1−イル、プロパン−2−イル(イソ−プロピル)、シクロプロピル(シクロプロパン−1−イル等)等);ブチル(ブタン−1−イル、ブタン−2−イル(sec−ブチル)、2−メチル−プロパン−1−イル(イソ−ブチル)、2−メチル−プロパン−2−イル(t−ブチル)、シクロブタン−1−イル等);ブテン(例えば(E)−ブタ−2−エン、(Z)−ブタ−2−エン);ペンチル;ペンテン;ヘキシル;ヘキセン;オクチル;デシル;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、スピロ[2.4]ヘプチル、及び同種のものが含まれるがこれらに限定されない。アルキル基は、1〜約10の炭素原子(例えば1〜6の炭素原子)を含む。いくつかの実施形態において、アルキルは、一価の、直鎖または分岐の、1〜約10の炭素原子(例えば1〜6の炭素原子)を含む飽和脂肪族炭化水素基である。
【0020】
「アルケニル」は「アルキル」のサブセットであり、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有し、2〜約10の炭素原子を有する脂肪族基(例えば2〜6の炭素原子または2〜4の炭素原子及び少なくとも1つのビニル不飽和の部位(>C=C<)を有すること)を指す。アルケニル基には、エテニル、プロペニル、1,3−ブタジエニル、及び同種のものが含まれる。アルキニルは、2〜約10の炭素原子(例えば2〜6の炭素原子または2〜4の炭素原子)を有し得る。
【0021】
「アルキニル」は「アルキル」のサブセットであり、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する脂肪族基を指す。「アルキニル」という用語は、1つの三重結合及び1つの二重結合を有する基も含まれることを意味する。
【0022】
「アルコキシ」は基−O−アルキルを指し、アルキル基は随意に置換され得る。アルコキシには、一例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、sec−ブトキシ、及びn−ペンタオキシが含まれる。
【0023】
「アシル」は基−C(=O)Rを指し、式中、Rは、本明細書において定義されるような水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、その各々は本明細書において定義されるように随意に置換され得る。代表的な例には、ホルミル、アセチル、シルコヘキシルカルボニル(cylcohexylcarbonyl)、シクロヘキシルメチル−カルボニル、ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル、及び同種のものが含まれるがこれらに限定されない。
【0024】
「アミド」は、基−C(=O)NR
yR
zを指す「C−アミド」基、及び基−NR
yC(=O)R
zを指す「N−アミド」基の両方を指し、式中、R
y及びR
zは、水素、アルキル、アリール、ヘテルアルキル(heteralkyl)、ヘテロアリール(その各々は随意に置換され得る)からなる群から独立して選択され、そこで、R
y及びR
zは、それへ結合された窒素または炭素と一緒に随意に繋がれて、随意に置換されたヘテロシクロ
アルキルを形成する。
【0025】
「アミノ」は基−NR
yR
zを指し、式中、R
y及びR
zは、水素、アルキル、アリール、ヘテルアルキル(heteralkyl)、ヘテロアリール(その各々は随意に置換され得る)からなる群から独立して選択され、そこで、R
y及びR
zは、それへ結合された窒素と一緒に随意に繋がれて、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールヘテロアリール(その各々は随意に置換され得る)を形成する。
【0026】
「アミジノ」は基−C(=NR
x)NR
yR
zを指し、式中、R
x、R
y及びR
zは、水素、アルキル、アリール、ヘテルアルキル(heteralkyl)、ヘテロアリール(その各々は随意に置換され得る)からなる群から独立して選択され、そこで、R
y及びR
zは、それへ結合された窒素と一緒に随意に繋がれて、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール(その各々は随意に置換され得る)を形成する。
【0027】
「アリール」は、1つまたは複数の芳香族環を備えた基を指す。それは、単一の芳香族環、または一緒に縮合されるか、共有結合で連結されるか、もしくは1つもしくは複数のメチレン部分もしくはエチレン部分等経由で連結される複数の芳香族環であり得る。アリール基には、アセナフチレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、ビフェニル、クリセン、シクロペンタジエン陰イオン、ジフェニルメチル、フルオランテン、フルオレン、インダン、インデン、ナフタレン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピレン、トリフェニレン、及び同種のものに由来する基が含まれるがこれらに限定されない。アリール基は、5〜約20の炭素原子(例えば5〜20の炭素原子、例えば5〜10の炭素原子)を含む。いくつかの実施形態において、アリールは、単一の芳香族環、または一緒に縮合された複数の芳香族環である。
【0028】
「アリールアルキル」(「アラルキル」とも)は、アルキル基へ付加されたアリール基を指す。アリールアルキル基には、ベンジル、トリル、ジメチルフェニル、2−フェニルエタン−1−イル、2−ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、ナフトベンジル、フェニルビニル、ジフェニルメチル、及び同種のものが含まれるがこれらに限定されない。例えば、「アリールアルキル」は、アリール基を介して式(I)の化合物の残りへ付加され得る。あるいは、「アリールアルキル」は、アルキル基を介して式(I)の化合物の残りへ付加され得る。具体的なアルキル部分が意図される場合に、アリールアルカニル、アリールアルケニル及び/またはアリールアルキニルという名称が使用され得る。アリールアルキル基は6〜約30の炭素原子を含み、例えばアリールアルキル基のアルキル部分は1〜約10の炭素原子を含むことができ、アリールアルキル基のアリール部分は5〜約20の炭素原子を含むことができる。いくつかの実例において、アリールアルキル基は6〜約20の炭素原子を含み、例えばアリールアルキル基のアルキル部分は1〜約10の炭素原子を含むことができ、アリールアルキル基のアリール部分は5〜約10の炭素原子を含むことができる。
【0029】
「アリールオキシ」は、基−Oアリール(一例としてフェノキシ及びナフトキシが含まれる)を指す。
【0031】
「ボロン酸」は基−B(OH)
2を指す。
【0032】
「ボロン酸エステル」ボロン酸化合物のエステル誘導体を指す。好適なボロン酸エステル誘導体には式−B(OR)
2のものが含まれ、式中、Rは、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり、その各々は随意に置
換され得る。例えば、ボロン酸エステルは、ピナコールエステルまたはカテコールエステルであり得る。
【0033】
「炭素環」または「カルボシクリル」は、単環として3〜7の炭素原子、二環として7〜12の炭素原子、及び多環として最大約20の炭素原子を有する、飽和環、部分不飽和環、または芳香環を指す。単環式炭素環は、3〜6の環原子、さらにより典型的には5または6の環原子を有する。二環式炭素環は7〜12の環原子を有し、例えば、ビシクロ(4,5)、(5,5)、(5,6)もしくは(6,6)系としてアレンジされるか、または9または10の環原子はビシクロ(5,6)もしくは(6,6)系としてアレンジされる。炭素環には、縮合、架橋、またはスピロに関わらず、芳香族及び非芳香族の単環式環、二環式環、及び多環式環が含まれる。単環式炭素環の非限定例には、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンタ−1−エニル、1−シクロペンタ−2−エニル、1−シクロペンタ−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニル、1−シクロヘキサ−3−エニル等)またはアリール基(フェニル等)、及び同種のものが含まれる。したがって、「炭素環」は、本明細書において使用される時、「アリール」、「フェニル」及び「ビフェニル」を包含するがこれらに限定されない。
【0034】
「カルバモイル」は基−C(O)NR
yR
zを指し、式中、R
y及びR
zは上記の「アミノ」において定義された通りである。
【0035】
「カルボニル」は二価基−C(O)−を指し、それは−C(=O)−に等価である。
【0036】
「カルボキシル」または「カルボキシ」は−COOHまたはその塩を指す。
【0037】
「カルボキシルエステル」または「カルボキシエステル」は基−C(O)ORを指し、式中、Rは、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、その各々は随意に置換され得る。一実施形態において、Rは、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、その各々は随意に置換され得る。
【0038】
「シアノ」または「カルボニトリル」は基−CNを指す。
【0039】
「シクロアルキル」は「アルキル」のサブセットであり、3〜約10の炭素原子であり環ヘテロ原子が無く、単環または多環(縮合環系、架橋環系及びスピロ環系が含まれる)を有する、飽和環式基または部分飽和環式基を指す。環ヘテロ原子を有していない芳香族環及び非芳香族環を有する多環系について、付加点が非芳香族炭素原子である場合に「シクロアルキル」という用語が適用される(例えば5,6,7,8,−テトラヒドロナフタレン−5−イル)。「シクロアルキル」という用語にはシクロアルケニル基が含まれる。シクロアルキル基の例には、例えばアダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル、及びシクロヘキセニルが含まれる。
【0040】
「グアニジノ」は基−NHC(=NH)NH
2を指す。
【0041】
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを指す。
【0042】
「ハロアルキル」は、1〜5またはいくつかの実施形態において1〜3のハロ基によるアルキル基の置換を指し(例えば、−CH
2Cl、−CH
2F、−CH
2Br、−CFClBr、−CH
2CH
2Cl、−CH
2CH
2F、−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CCl
3、及び同種のもの)、水素原子がすべてフッ素原子によって置き換えられるアル
キル基(ペルフルオロアルキル等)も含まれる。
【0043】
「ハロアリール」は、1つまたは複数のハロ置換基またはハロゲン置換基を備えたアリール基を指す。例えば、ハロアリール基には、1〜5の水素がハロゲンにより置き換えられたフェニル基が含まれる。ハロアリール基には、例えばフルオロフェニル、ジフルオロフェニル、トリフルオロフェニル、クロロフェニル、クロロフルオロフェニル及び同種のものが含まれる。
【0044】
「ヘテロアルキル」は、炭素原子(及び任意の関連する水素原子)のうちの1つまたは複数が、各々、同じまたは異なるヘテロ原子またはヘテロ原子基により独立して置き換えられたアルキル基を指す。例えば、ヘテロアルキルは、1、2または3のヘテロ原子基(例えば1つのヘテロ原子基)を含み得る。ヘテロ原子には、N、P、O、Sなどが含まれるがこれらに限定されない。ヘテロ原子基には、−NR−、−O−、−S−、−PH−、−P(O)
2−、−S(O)−、−S(O)
2−、及び同種のものが含まれるがこれらに限定されず、式中、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキルである。「ヘテロアルキル」という用語には、ヘテロシクロアルキル(環式ヘテロアルキル基)、アルキル−ヘテロシクロアルキル(環式ヘテロアルキル基へ付加された直鎖脂肪族基または分岐脂肪族基)、及び同種のものが含まれる。ヘテロアルキル基には、−OCH
3、−CH
2OCH
3、−SCH
3、−CH
2SCH
3、−NRCH
3−CH
2NRCH
3、及び同種のものが含まれるがこれらに限定されず、式中、Rは、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり、その各々は随意に置換され得る。ヘテロアルキル基は、1〜約10の炭素及びヘテロ原子(例えば1〜6の炭素及びヘテロ原子)を含む。
【0045】
「ヘテロアリール」は、炭素原子(及び任意の関連する水素原子)のうちの1つまたは複数が、上で定義されるように、各々、同じまたは異なるヘテロ原子により独立して置き換えられたアリール基を指す。例えば、ヘテロアリールは、1、2または3のヘテロ原子基(例えば1つのヘテロ原子基)を含み得る。ヘテロアリール基には、アクリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、カルボリン、シンノリン、フラン、イミダゾール、イミダゾピリジン、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテン、及び同種のものに由来する基が含まれるがこれらに限定されない。ヘテロアリール基は、環(複数可)中に5〜約20の炭素原子及びヘテロ原子(例えば5〜20の炭素原子及びヘテロ原子、例えば5〜10の炭素原子及びヘテロ原子)を含む。
【0046】
「ヘテロアリールアルキル」は、1つまたは複数の炭素原子(及び任意の関連する水素原子)が、上で定義されるように、各々、同じまたは異なるヘテロ原子により独立して置き換えられたアリールアルキル基を指す。例えば、ヘテロアリールアルキルは、1、2または3のヘテロ原子の基を含み得る。ヘテロアリールアルキル基には、アルキル置換基を備えたヘテロアリール基(例えばメチルピリジン、ジメチルイソオキサゾールなど)、水素添加ヘテロアリール基(ジヒドロキノリン、例えば3,4−ジヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、例えば1,2−ジヒドロイソキノリン、ジヒドロイミダゾール、テトラヒドロイミダゾールなど)、イソインドリン、イソインドロン(例えばイソインドリン−1−オン)、ジヒドロフタラジン、キノリンオン、スピロ[シクロプロパン−1,1’−
イソインドリン]−3’−オン、ジ(ピリジン−2−イル)メチル、ジ(ピリジン−3−イル)メチル、ジ(ピリジン−4−イル)メチル、及び同種のものに由来する基が含まれるがこれらに限定されない。ヘテロアリールアルキル基は、6〜約30の炭素及びヘテロ原子(例えば6〜約20の炭素及びヘテロ原子)を含む。
【0047】
「ヘテロシクロアルキル」は「ヘテロアルキル」のサブセットであり、1つまたは複数の炭素原子(及び任意の関連する水素原子)が同じまたは異なるヘテロ原子により独立して置き換えられた、飽和シクロアルキル基または非飽和シクロアルキル基を指す。ヘテロ原子には、N、P、O、Sなどが含まれるがこれらに限定されない。ヘテロシクロアルキル基は、荷電ヘテロ原子または荷電基、例えば四級化アンモニウム基(−N+(R)2−等、式中、Rはアルキル(例えばメチル、エチルなど)である)も含有し得る。ヘテロシクロアルキル基には、エポキシド、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピロリジン、ピロリジノン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、キヌクリジン、N−ブロモピロリジン、N−ブロモピペリジン、N−クロロピロリジン、N−クロロピペリジン、N,N−ジアルキルピロリジニウム(N,N−ジメチルピロリジニウム等)、N,N−ジアルキルピペリジニウム(N,N−ジメチルペリジウム等)、及び同種のものに由来する基が含まれるがこれらに限定されない。ヘテロシクロアルキル基は、環(複数可)中に3〜約10の炭素原子及びヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、1、2または3のヘテロ原子の基を含む。
【0048】
本明細書において使用される時、「ヘテロ環」または「ヘテロシクリル」には、Paquette,Leo A.;Principles of Modern Heterocyclic Chemistry(W.A. Benjamin、New York、1968年)、特に1、3、4、6、7及び9章;The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A Series of Monographs”(John Wiley & Sons,New York、1950年〜現在)、特に13、14、16、19及び28巻;及びJ.Am.Chem.Soc.(1960)82:5566中で記載されるヘテロ環が含まれるが、一例としてであり限定するものではない。本発明の1つの具体的な実施形態において、「ヘテロ環」は本明細書において定義されるように「炭素環」を含み、式中、1つまたは複数の(例えば1、2、3または4の)炭素原子は、ヘテロ原子(例えばO、N、PまたはS)により置き換えられている。「ヘテロ環」または「ヘテロシクリル」という用語には、飽和環、部分不飽和環及び芳香環(すなわちヘテロ芳香環)が含まれる。ヘテロ環には、縮合、架橋、またはスピロに関わらず、芳香族及び非芳香族の単環式環、二環式環、及び多環式環が含まれる。本明細書において使用される時、「ヘテロ環」という用語は「ヘテロアリール」を包含するがこれらに限定されない。置換されたヘテロシクリルには、例えば本明細書において開示される置換基(カルボニル基が含まれる)のうちの任意のものにより置換されたヘテロ環式の環が含まれる。ヘテロ環の例には、ピリジル、ジヒドロイピリジル(dihydroypyridyl)、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、硫黄酸化テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、アゼチジニル、2−ピロリドニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、アゾシニル、トリアジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、チエニル、チアントレニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチニル、2H−ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、1H−インダゾリイ
(indazoly)、プリニル、4H−キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、オキシンドリル、ベンゾオキサゾリニル、イサチノイル、及びビス−テトラヒドロフラニルが含まれるが、一例としてであり限定するものではない。
【0049】
一例としてであり限定するものではないが、炭素結合ヘテロ環は、ピリジンの2、3、4、5もしくは6位、ピリダジンの3、4、5もしくは6位、ピリミジンの2、4、5もしくは6位、ピラジンの2、3、5もしくは6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロールもしくはテトラヒドロピロールの2、3、4もしくは5位、オキサゾール、イミダゾールもしくはチアゾールの2、4もしくは5位、イソオキサゾール、ピラゾールもしくはイソチアゾールの3、4もしくは5位、アジリジンの2もしくは3位、アゼチジンの2、3もしくは4位、キノリンの2、3、4、5、6、7もしくは8位、またはイソキノリンの1、3、4、5、6、7もしくは8位で結合される。さらにより典型的には、炭素結合ヘテロ環には、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリジル、6−ピリジル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル、6−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−ピラジニル、5−ピラジニル,6−ピラジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、または5−チアゾリルが含まれる。一例としてであり限定するものではないが、窒素結合ヘテロ環は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドールまたはイソインドリンの2位、モルホリンの4位、及びカルバゾールまたはβ−カルボリンの9位で結合される。さらにより典型的には、窒素結合ヘテロ環には、1−アジリジル、1−アゼテジル、1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、及び1−ピペリジニルが含まれる。
【0050】
「ヒドラジノ」は基−NHNH
2を指す。
【0051】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は基−OHを指す。
【0052】
「イミノ」は基−C(=NR)−を指し、式中、Rは、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、その各々は随意に置換され得る。
【0054】
「随意の」または「随意に」という用語は、続いて記載される事象または状況が起こるが起こる必要がないこと、ならびにこの記載には事象または状況が起こる事例及びそれらが起こらない事例が含まれることを意味する。
【0055】
「酸化物」は1つまたは複数ヘテロ原子の酸化からもたらされる産物を指す。例には、N−酸化物、スルホキシド、及びスルホンが含まれる。
【0056】
「オキソ」は二重結合された酸素(=O)を指す。オキソ基がsp
2窒素原子へ結合さ
れる化合物において、N−酸化物が指摘される。
【0057】
「ラセミ化合物」は、鏡像異性体の混合物を指す。
【0058】
「立体異性体(複数可)」は、1つまたは複数の立体中心のキラリティーにおいて異なる化合物を指す。立体異性体にはエナンチオマー及びジアステレオマーが含まれる。化合物が1つまたは複数の不斉中心または非対称置換のある二重結合を保持するならば、立体異性形態で存在することができ、したがって、個別の立体異性体または混合物として産生され得る。特別の指示のない限り、記載には、個別の立体異性体に加えて混合物が含まれることが意図される。立体化学の決定及び立体異性体の分離のための方法は、当技術分野において周知である(例えばAdvanced Organic Chemistryの4章、第4版、J.March、John Wiley and Sons、New York、1992年を参照)。
【0059】
「置換された」は、1つまたは複数の水素が1つまたは複数の置換基(アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アシル、アミノ、アミド、アミジノ、アリール、アジド、カルバモイル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、グアニジノ、ハロ、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、ヒドラジノ、ヒドロキシル、イミノ、オキソ、ニトロ、スルフィニル、スルホン酸、スルホニル、チオシアネート、チオール、チオン、またはその組み合わせが含まれるがこれらに限定されない)により独立して置き換えられた基を指す。無制限に添付されたさらなる置換基を備えた置換基を定義することによって到達されるポリマーまたは類似する無限構造(例えば置換されたアリールは置換されたアルキルを有し、置換されたアルキルは置換されたアリール基によりそれ自体置換され、置換されたアリール基は置換されたヘテロアルキル基によってさらに置換されるなど)は、本明細書における包含には意図されない。特に断りのない限り、本明細書において記載される化合物中の一連の置換の最大数は3である。例えば、2つの他の置換されたアリール基により置換されたアリール基の一連の置換は、−置換されたアリール−(置換されたアリール)−置換されたアリールに限定される。例えば、いくつかの実施形態において、「随意に置換された」として上記の基が置換された場合、その置換基それ自体は置換されない。同様に、上記の定義が容認できない置換パターンを含むようには意図されないことが理解される(例えば5つのフルオロ基により置換されたメチルまたは2つの隣接する酸素環原子を有するヘテロアリール基)。かかる容認できない置換パターンは当業者に周知である。化学基の修飾に使用される場合に、「置換された」という用語は、本明細書において定義された他の化学基を記載し得る。例えば、「置換されたアリール」という用語には「アリールアルキル」が含まれるがこれに限定されない。一般的に、置換された基は、1〜5の置換基、1〜3の置換基、1もしくは2の置換基、または1つの置換基を有するだろう。あるいは、本発明の随意に置換された基は置換されなくてもよい。
【0060】
「スルホニル」は二価基−S(O)
2−を指す。
【0061】
「互変異性体」は、プロトンの位置において異なる化合物の代替形態(エノール−ケト互変異性体及びイミン−エナミン互変異性体等)、または環−NH−部分及び環=N−部分の両方へ付加された環原子を含有するヘテロアリール基の互変異性形態(ピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、及びテトラゾール等)を指す。
【0062】
「チオシアネート」は基−SCNを指す。
【0064】
「チオン」はチオケトン(=S)基を指す。
【0065】
「薬学的に許容される」は、動物用またはヒト用の医薬使用に好適な医薬組成物の調製において有用な、化合物、塩、組成物、投薬形態及び他の材料を指す。
【0066】
「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、親化合物の所望される薬理活性を保持する(または保持する形態に変換することができる)化合物の塩を指す。かかる塩には、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、及び同種のもの等)により形成されるか;または有機酸(酢酸等、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、2−ナフタタレンスルホン(napththalenesulfonic)酸、オレイン酸、パルミチン酸、プロピオン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸、及び同種のもの)により形成される酸付加塩、及び親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンのいずれかによって置き換えられるか;または有機塩基(ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミン、及び同種のもの等)と配位する場合に形成される塩が含まれる。アンモニウム及び置換されたアンモニウム塩または四級化されたアンモニウム塩もこの定義中に含まれる。薬学的に許容される塩の代表的な非限定的リストは、S.M.Berge et al.,J.Pharma Sci.,66(1),1−19(1977)、及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy、R.Hendrickson編、第21版、Lippincott、Williams & Wilkins、Philadelphia、PA、(2005)、p.732、表38−5中で見出すことができ、その両方は本明細書において参照することにより本明細書に援用される。
【0067】
以下の略語も使用され得る。AcOH:酢酸;nBuLi:n−ブチルリチウム;CC:カラムクロマトグラフィー;Cs
2CO
3:炭酸セシウム;CH
2Cl
2またはDCM:ジクロロメタン;CH
3MgI:メチルヨウ化マグネシウム;CuCl
2:塩化銅;DAST:(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオリド;DEAD:アゾジカルボン酸ジエチル;DIBAL:水素化ジイソブチルアルミニウム;DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン;DMF:ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;Et
3N:トリエチルアミン;EtOAc:酢酸エチル;EtOH:エタノール;g:グラム;h:時間;H
2:水素;HBr:臭化水素;HCl:塩化水素;H
2O:水;H
2O
2:過酸化水素;HPLC:高速液体クロマトグラフィー;KCN:シアン化カリウム;LHMDS:リチウムヘキサメチルジシラジド;LiAlH
4:水素化アルミニウムリチウム;LiOH:水酸化リチウム;M:モーラー;MeCN:アセトニトリル;MeI:ヨウ化メチル;MeOH:メタノール;MgSO
4:硫酸マグネシウム;MgCO
3:炭酸マグネシウム;mg:ミリグラム;MsCl:塩化メシル;mmol:ミリモル;mL:ミリリットル;亜硫酸水素ナトリウム;mCPBA:メタクロロ過安息香酸;N:規定度;N
2:窒素;Na
2CO
3:炭酸ナトリウム;NaHCO
3:重炭酸ナトリウム;NaNO
2:亜硝酸ナトリウム;NaOH:水酸化ナトリウム;Na
2S
2O
3:硫酸水素ナトリウム;Na
2SO
4:硫酸ナトリウム;NBS:N−ブロモスクシンイミド;NH
4Cl:塩化アンモニウム;NH
4OAc:酢酸アンモニウム;NMR:核磁気共鳴;Pd/C:パラジウム炭素;PPh
3:トリフェニルホスフィン;iPrOH:イソプロピルアルコール;RT:室温;SOCl
2:塩化チオニル;THF:テトラヒドロフラン;TLC:薄層クロマトグラフィー;μL:マイクロリットル。
【0068】
化学基の組み合わせを使用することができ、当業者によって認識されるであろうことが理解される。例えば、基「ヒドロキシアルキル」は、アルキル基へ付加されたヒドロキシ
ル基を指すだろう。多くのかかる組み合わせは容易に意図され得る。
【0069】
本明細書において記載される与えられた式の化合物は、特別の定めのない限り、開示された化合物、及びそのすべての薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、ならびに重水素化形態を包含する。
【0070】
「有効量」または「治療有効量」は、所望される生物学的応答または医学的応答を惹起するのに効果的であり得る、本明細書において記載される化合物または分子の量を意味する。これらの用語には、疾患の治療のために被験体へ投与された場合に疾患のためのかかる治療を達成するのに十分な化合物の量が含まれる。有効量は、化合物、疾患及びその重症度、ならびに治療される被験体の年齢、重量などに依存して変動するだろう。
【0071】
別の態様において、癌治療に「不応性である」かまたは癌(例えば血液系悪性腫瘍)の治療後に「再発した」ヒトを治療する方法が本明細書において提供される。抗癌療法に「不応性である」被験体は、特定の治療に応答しないことを意味し、耐性があるとも称される。癌は、治療の開始から治療へ耐性があり得るか、または例えば治療が癌に対してある程度の効果を示した後に治療の経過の間に耐性があるようになり得るが、寛解または部分寛解と判断されるには十分ではない。「再発した」被験体は、改善の期間後に、例えば治療が癌において効果的な低減を示した後に(被験体が寛解または部分寛解になった等の後に)、癌が再発したか、または癌の徴候及び症状が再発したことを意味する。
【0072】
いくつかのバリエーションにおいて、ヒトは、(i)少なくとも1つの抗癌療法に不応性である、または(ii)少なくとも1つの抗癌療法による治療後に再発している、または(i)及び(ii)の両方である。実施形態のうちのいくつかにおいて、ヒトは、少なくとも2、少なくとも3、または少なくとも4の抗癌療法(例えば標準的化学療法または実験的化学療法が含まれる)に不応性である。
【0073】
「被験体(複数可)」はそれを必要とするヒトを指し、癌を有するかまたは有する疑いのある個体であり得る。バリエーションのうちのいくつかにおいて、ヒトは癌を発症するリスクがあり(例えば遺伝的に癌を発症するかまたはそうでなければその素因のあるヒト)、癌と診断されるかまたはされていない。本明細書において使用される時、「リスクがある」被験体は、癌(例えば血液系悪性腫瘍)を発症するリスクがある被験体である。被験体は検出可能な疾患を有していても有していなくてもよく、本明細書において記載される治療方法の前に検出可能な疾患を提示しも提示しなくてもよい。リスクがある被験体は、1つまたは複数のいわゆるリスクファクター(それは本明細書において記載されるような癌の発症と相関する測定可能なパラメーターである)を有し得る。これらのリスクファクターのうちの1つまたは複数を有する被験体は、これらのリスクファクター(複数可)なしの個体よりも癌を発症するより高い確率を有する。これらのリスクファクターには、例えば年齢、性別、人種、食餌、既往疾患の病歴、前駆疾患の存在、遺伝学的(例えば遺伝的)な考慮、及び環境暴露が含まれ得る。いくつかの実施形態において、癌のリスクがあるヒトには、例えばかれらの親族がこの疾患を経験したヒト、及び彼らのリスクが遺伝学的または生化学的なマーカーの分析によって決定されるヒトが含まれる。癌を有していた既往歴も、癌再発の事例についてのリスクファクターであり得る。
【0074】
本明細書において使用される時、「治療」または「治療すること」は、有益なまたは所望される結果(臨床結果が含まれる)を得るためのアプローチである。有益なまたは所望される臨床結果には、以下の、
(i)疾患もしくは病態を阻害すること(例えば、疾患もしくは病態からもたらされる1つもしくは複数の症状を減少させること、及び/または疾患もしくは病態の程度を減じること);
(ii)疾患もしくは病態と関連する1つまたは複数の臨床症状の発症の減速または阻止すること(例えば、疾患もしくは病態を安定化すること、疾患もしくは病態の悪化もしくは進行を予防もしくは遅延させること、及び/または疾患もしくは病態の伝播(例えば転移)を予防もしくは遅延させること);及び/または
(iii)疾患を軽減すること、すなわち臨床症状の退行を引き起こすこと(例えば、疾患状態を回復させること、疾患もしくは病態の部分寛解もしくは全寛解を提供すること、別の医薬物の効果を促進すること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を増加させること、及び/または生存を延長させること)
のうちの1つまたは複数が含まれる。
【0075】
いくつかのバリエーションにおいて、疾患または病態の発症を「遅延させること」は、疾患もしくは病態の発症を、延ばす、妨害する、遅くする、遅らせる、安定化する、及び/または、延期することを意味する。この遅延は、疾患もしくは病態の病歴、及び/または治療されている被験体に依存する、時間の長さの変動であり得る。例えば、疾患または病態の発症を「遅延させる」方法は、方法を使用しないことに比較した場合に、与えられた時間枠における疾患もしくは病態の発症の確率を低減させる、及び/または与えられた時間枠における疾患もしくは病態の程度を低減させる方法である。かかる比較は、典型的には、統計的に有意な数の被験体を使用する臨床試験に基づく。疾患または病態の発症は、標準的な方法(常用の健康診断、マンモグラフィー、画像化、または生検等)を使用して、検出可能であり得る。発症は最初に検出不可能であり得る疾患または病態進行も指し、それには出現、再発、及び開始が含まれる。
【0076】
本明細書における値またはパラメーターの「約」への参照は、その値またはパラメーターそれ自体に関する実施形態を含む(記述する)。ある特定の実施形態において、「約」という用語には指示された量±10%が含まれる。他の実施形態において、「約」という用語には指示された量±5%が含まれる。ある特定の他の実施形態において、「約」という用語には指示された量±1%が含まれる。さらに、「約X」という用語には「X」の記載が含まれる。さらに、単数形「1つの(a)」及び「その(the)」には、文脈が明確に指示しない限り複数の参照が含まれる。したがって、例えば、「化合物」への参照には複数のかかる化合物が含まれ、「アッセイ」への参照には1つまたは複数のアッセイへの参照が含まれ、その等価物は当業者へ公知である。
【0077】
抗体
本明細書において使用される時、「抗体」という用語は、抗原エピトープを特異的に結合するペプチド配列(例えば可変領域配列)を含む、単離ポリペプチドまたは組換えポリペプチドの結合剤を意味する。この用語はその最も広義の意味において使用され、それらが所望される生物学的活性を示す限り、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体が含まれる)、ポリクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、ナノボディ、ダイアボディ、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、及び抗体断片(Fv、scFv、Fab、Fab’、F(ab’)
2及びFab
2が含まれるがこれらに限定されない)を具体的に包含する。「ヒト抗体」という用語は、可能な非ヒトCDR領域以外の、ヒト起源の配列を含有する抗体を指し、免疫グロブリン分子の全構造が存在することは意味せず、抗体はヒトにおいて最小の免疫原性効果のみを有する(すなわちそれ自体への抗体の生産を誘導しない)。
【0078】
「抗体断片」は、全長抗体の一部(例えば全長抗体の抗原結合領域または可変領域)を含む。かかる抗体断片は、本明細書において「機能的断片」;または「抗原結合断片」とも称され得る。抗体断片の例には、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)
2断片、及びFv断片;ダイアボディ;直線状抗体(Zapata et al.(1995)Protein Eng.8(10):1057−1062);一本鎖抗体分子;ならびに抗
体断片から形成された多重特異性抗体が含まれる。抗体のパパイン消化は、各々、単一の抗原結合部位を備えた「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片、及び残りの「Fc」断片(容易に結晶する能力を反映する表記)を生ずる。ペプシン処理は、2つの抗原結合部位を有し、抗原をなお架橋できるF(ab’)
2断片をもたらす。
【0079】
「Fv」は、完全な抗原認識及び抗原結合部位を含有する最小抗体断片である。この領域は、緊密な非共有結合の会合における、1つの重鎖及び1つの軽鎖の可変ドメインの二量体からなる。Fvは、各々の可変ドメインの3つの相補性決定領域(CDR)が相互作用して、V
H−V
Lの二量体の表面上の抗原結合部位を定義する、この立体配置中にある。集合的に、6つのCDRは抗原結合特異性を抗体に付与する。しかしながら、一般的には全体のFv断片よりも低い親和性であるのだが、単一の可変ドメイン(または抗原について特異的な6つのCDRのうちの3つのみを含む、単離されたV
H領域またはV
L領域)でさえ、抗原を認識し結合する能力を有する。
【0080】
「F
ab」断片は、重鎖及び軽鎖の可変領域に加えて、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1の定常ドメイン(CH
1)も含有する。Fab断片は、元は抗体のパパイン消化に後続して観察された。F(ab’)断片が重鎖CH
1ドメインのカルボキシ末端でいくつかの追加の残基(抗体ヒンジ領域からの1つまたは複数のシステインが含まれる)を含有するという点で、Fab’断片はFab断片とは異なる。F(ab’)
2断片は、ジスルフィド結合によってヒンジ領域の近くで繋がれた2つのFab断片を含有し、元は抗体のペプシン消化に後続して観察された。Fab’−SHは、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離チオール基を持つFab’断片についての本明細書における表記である。抗体断片の他の化学的カップリングも公知である。
【0081】
任意の脊椎動物種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、κ及びλと呼ばれる2つの明らかに別個のタイプのものへ割り当てることができる。それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に依存して、免疫グロブリンは5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMへ割り当てることができ、これらのうちのいくつかのものは、サブクラス(イソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2へとさらに分けられ得る。
【0082】
「単一鎖Fv」または「sFv」または「scFv」抗体断片は、抗体のV
H及びV
Lのドメインを含み、そこで、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖である。いくつかの実施形態において、Fvポリペプチドは、V
HドメインとV
Lドメインとの間のポリペプチドリンカーをさらに含み、sFvはそれによって抗原結合のために所望される構造を形成することができる。sFvの総説については、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies、113(Rosenburg and Moore編)Springer−Verlag、New York、pp.269−315(1994)中のPluckthunを参照されたい。
【0083】
「ダイアボディ」という用語は、2つの抗原結合部位を備えた小さな抗体断片を指し、その断片は、同じポリペプチド鎖(V
H−V
L)中で軽鎖可変ドメイン(V
L)へ接続された重鎖可変ドメイン(V
H)を含む。短すぎて同じ鎖上の2つのドメインの間でのペアになることが不可能であるリンカーの使用によって、ドメインは、別の鎖の相補的なドメインとペアになることを強いられ、それによって2つの抗原結合部位を生成する。ダイアボディは、例えばEP404,097;WO93/11161及びHollinger et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448中に追加で記載される。
【0084】
「単離された」抗体は、同定され、その天然環境の構成要素から分離及び/または回収されたものである。その天然環境の構成要素は、酵素、ホルモン及び他のタンパク性または非タンパク性の溶質を含み得る。いくつかの実施形態において、単離された抗体は、(1)ローリー法によって決定されるように、抗体の重量で95%を超える、例えば重量で99%を超えるまで、(2)例えばスピニングカップシークエネーターの使用によってN末端または内部のアミノ酸配列のうちの少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、または(3)クマシーブルーまたは銀染色による検出により、還元条件または非還元条件下でのゲル電気泳動(例えばSDS−PAGE)によって均一になるまで、精製される。「単離された抗体」という用語には、組換え細胞内のインサイチュの抗体が含まれ、これは抗体の天然環境のうちの少なくとも1つの構成要素が存在しないからである。ある特定の実施形態において、単離された抗体は、少なくとも1つの精製ステップによって調製される。
【0085】
本明細書において使用される時、「免疫反応性である」は、アミノ酸残基の配列(「結合部位」または「エピトープ」)へ特異的であるが、他のペプチド/タンパク質に交差反応性であるならば、それらがヒト使用の投与のために製剤化されるレベルで毒性でない、抗体またはその断片を指す。「エピトープ」は、抗体またはその抗原結合断片との結合相互作用を形成できる抗原のその部分を指す。エピトープは、直線状ペプチド配列(すなわち「連続的」)であり得るか、または隣接しないアミノ酸配列(すなわち「立体配座的」または「不連続的」)から構成され得る。「優先的に結合する」という用語は、結合剤が、無関係なアミノ酸配列を結合するよりも高い親和性で結合部位へ結合することを意味する。
【0086】
本明細書において使用される時、「CDR」または「相補性決定領域」という用語は、重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドの両方の可変領域内で見出される不連続の抗原結合部位を意味することが意図される。これらの特定の領域は、Kabat et al.,J.Biol.Chem.252:6609−6616(1977);Kabat et al.、U.S.Dept.of Health and Human Services、「Sequences of proteins of immunological interest」(1991);Chothia et al.,J.Mol.Biol.196:901−917(1987);及びMacCallum et al.,J.Mol.Biol.262:732−745(1996)によって記載され、そこで、これらの定義には、互いに比較した場合に、アミノ酸残基のオーバーラップまたはサブセットが含まれる。それにもかかわらず、抗体またはグラフトされた抗体またはそのバリアントのCDRを指すいずれか定義の適用は、本明細書において定義及び使用されるような用語の範囲内であることが意図される。上記の引用された参照文献の各々によって定義されるようなCDRを包含するアミノ酸残基は、比較として表1中で以下に説明される。
【0088】
本明細書において使用される時、「フレームワーク」という用語は、抗体可変領域を参照して使用される場合に、抗体の可変領域内のCDR領域の外側のすべてのアミノ酸残基を意味することが意図される。可変領域フレームワークは、一般的には約100〜120のアミノ酸の長さの間の不連続のアミノ酸配列であるが、CDRの外側のそれらのアミノ酸のみを参照することが意図される。本明細書において使用される時、「フレームワーク領域」という用語は、CDRによって分離されるフレームワークの各々のドメインを意味することが意図される。
【0089】
「相同性」または「同一性」または「類似性」は、本明細書において使用される時、核酸及びポリペプチドの文脈において、アミノ酸配列または核酸配列のアライメントに基づく、2つのポリペプチドまたは2つの核酸分子の間の関係性をそれぞれ指す。相同性及び同一性は、各々、比較の目的のためにアライメントされ得る各々の配列中の位置の比較によって決定され得る。比較した配列中の等価な位置が同じ塩基またはアミノ酸によって占められる場合に、そのとき分子はその位置で同一であり;等価な部位が同じまたは類似するアミノ酸残基(例えば立体的性質及び/または電子的性質において類似する)によって占められる場合に、そのとき分子はその位置で相同である(類似する)と称され得る。相同性/類似性または同一性のパーセンテージとしての表現は、比較した配列によって共有される位置で同一または類似するアミノ酸の数の関数を指す。2つの配列の比較において、残基(アミノ酸または核酸)の非存在または余剰残基の存在も、同一性及び相同性/類似性を減少させる。
【0090】
本明細書において使用される時、「同一性」は、配列が配列マッチングを最大化する(すなわちギャップ及び挿入を考慮に入れる)ようにアライメントされる場合に、2つ以上の配列中の対応する位置での同一のヌクレオチドまたはアミノ酸残基のパーセンテージを意味する。配列は、一般的には、指定される領域(例えば少なくとも約20、25、30、35、40、45の、50、55、60、65またはそれ以上の長さのアミノ酸またはヌクレオチドの領域)にわたる最大の対応のためにアライメントさせ、最大で参照アミノ酸またはヌクレオチドの全長であり得る。配列比較のために、典型的には、1つの配列が参照配列として働き、それへ試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムを使用する場合に、試験配列及び参照配列はコンピュータープログラムへと入力され、必要であるならばサブ配列座標は指定され、配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指定される。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメーターに基づいて、参照配列に比べた試験配列(複数可)についてのパーセント配列同一性を計算する。
【0091】
パーセント配列同一性の決定に好適なアルゴリズムの例は、BLAST及びBLAST
2.0アルゴリズムであり、それぞれAltschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403−410及びAltschul et al.(1977)Nucleic Acids Res.25:3389−3402中で記載される。BLAST分析の遂行のためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information(www.ncbi.nlm.nih.gov)を介して公的に利用可能である。さらに例示的なアルゴリズムには、www.ebi.ac.uk/Tools/clustalw/index.htmlで利用可能なClustalW(Higgins D.,et al.(1994)Nucleic Acids Res 22:4673−4680)が含まれる。
【0092】
同一でない残基位置は、保存的アミノ酸置換で異なり得る。保存的アミノ酸置換は、類似する側鎖を有する残基の互換性を指す。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸の群はグリシン、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシンであり;脂肪族ヒドロキシルの側鎖を有するアミノ酸の群はセリン及びスレオニンであり;アミド含有側鎖を有するアミノ酸の群はアスパラギン及びグルタミンであり;芳香族側鎖を有するアミノ酸の群はフェニルアラニン、チロシン及びトリプトファンであり;塩基性側鎖を有するアミノ酸の群はリジン、アルギニン及びヒスチジンであり;含硫側鎖を有するアミノ酸の群はシステイン及びメチオニンである。
【0093】
化合物
本明細書において提供される化合物名はChemBioDraw Ultraを使用して命名される。当業者は、化合物が様々な一般的には認識される命名法システム及び記号を使用して、命名または同定され得ることを理解する。一例として、化合物は、一般名称、系統的名称、非系統的名称により命名または同定され得る。化学の技術分野において一般的に認識される命名法システム及び記号には、例えばChemical Abstract Service(CAS)、ChemBioDraw Ultra及びInternational Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)が含まれる。
【0094】
本明細書において詳述される化合物の同位体標識形態も本明細書において提供される。同位体標識化合物は、選択された原子質量または質量数を有する原子によって1つまたは複数の原子が置き換えられる以外は、本明細書において与えられた式によって描写される構造を有する。本開示の化合物の中へ取り込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体(
2H(重水素、D)、
3H(トリチウム)、
11C、
13C、
14C、
15N、
18F、
31P、
32P、
35S、
36Cl及び
125I等であるがこれらに限定されない)が含まれる。本開示の様々な同位体標識された化合物(例えば
3H、
13C及び
14C等の放射性同位体が取り込まれるもの)が提供される。かかる同位体標識化合物は、代謝研究、反応動態研究、検出もしくは画像化技法(陽電子放射断層撮影法(PET)または単光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)(薬物または基質の組織分布アッセイが含まれる)等)において、または被験体(例えばヒト)の放射性治療において有用であり得る。本明細書において記載される同位体標識化合物のために、事例に応じて、任意の薬学的に許容される塩または水和物も提供される。
【0095】
いくつかのバリエーションにおいて、炭素原子へ付加される1〜nの水素が重水素によって置き換えられるように、本明細書において開示される化合物が変更され得る(そこでnは分子中の水素の数である)。かかる化合物は代謝への耐性の増加を示すことができ、したがって哺乳動物へ投与された場合に化合物の半減期を増加させるために有用である。例えばFoster、「Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism」、Trends Pharm
acol.Sci.5(12):524−527(1984)を参照されたい。かかる化合物は、例えば1つまたは複数の水素が重水素によって置き換えられた出発材料を用いることによって、当技術分野において周知の手段によって合成される。
【0096】
本開示の重水素で標識または置換された治療化合物は、吸収、分布、代謝及び排泄(ADME)に関連して、DMPK(薬物代謝及び薬物動態)特性を改善し得る。より重い同位体(重水素等)による置換は、より高い代謝安定性からもたらされる特定の治療上の利点(例えばインビボの半減期の増加、投薬量要求性の低減、及び/または治療指数の改善)を提供し得る。
18F標識化合物はPETまたはSPECTの研究のために有用であり得る。本開示の同位体標識化合物は、一般的には、非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬で置き換えることによって、スキームにおいてまたは下記の実施例及び調製において開示される手順の実行によって調製することができる。この文脈における重水素が、本明細書において提供される化合物中の置換基と見なされることが理解される。
【0097】
かかるより重い同位体(具体的には重水素)の濃度は同位体濃縮係数によって定義され得る。本開示の化合物において、特定の同位体として具体的に指定されない任意の原子は、その原子の任意の安定的な同位体を表わすことが意図される。特別の指示の無い限り、具体的に「H」または「水素」として位置が指定される場合に、その位置はその天然存在度の同位体組成で水素を有することが理解される。したがって、本開示の化合物中で、重水素(D)として具体的に指定される任意の原子は、重水素を表わすことが意図される。
【0098】
BTK阻害物質
いくつかのバリエーションにおいて、BTK阻害物質は、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物である。化合物A1は、構造:
【化1】
を有する。
【0099】
いくつかのバリエーションにおいて、BTK阻害物質は、化合物A1の塩酸塩またはその水和物である。化合物A1は、米国特許第8,557,803号(Yamamoto et al.)及びUS2014/0330015中で記載される方法に従って合成され得る。化合物A1は、(R)−6−アミノ−9−(1−(ブト−2−イノイル)ピロリジン−3−イル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オンまたは6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オンと称され得る。追加のBTK阻害物質には、(S)−6−アミノ−9−(1−(ブト−2−イノイル)ピロリジン−3−イル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン、イブルチニブ(1−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−イル]
プロプ−2−エン−1−オン)、アカラブルチニブ、HM71224、CNX−774、RN486、ONO−4059、及びCC−292(スペブルチニブ(speburtinib))が含まれるがこれらに限定されない。
【0100】
JAK阻害物質
いくつかのバリエーションにおいて、JAK阻害物質は、化合物B1、化合物B2、化合物B3もしくは化合物B4、またはその薬学的に許容される塩である。化合物B1(それは、モメロチニブ、CYT1137、CYT387、またはN−(シアノメチル)−4−[2−[[4−(4−モルホリニル)フェニル]アミノ]−4−ピリミジニル]−ベンズアミド、またはN−(シアノメチル)−4−(2−((4−モルホリノフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ベンズアミドと称され得る)は、構造:
【化2】
を有する。
【0101】
化合物B2(それは、フィルゴチニブ、GLPG0634、G146034、N−(5−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドN−[5−[4−[(1,1−ジオキソ−1,4−チアジナン−4−イル)メチル]フェニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]シクロプロパンカルボキサミド、またはN−[5−[4−[(1,1−ジオキシド−4−チオモルホリニル)メチル]フェニル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]−シクロプロパンカルボキサミドと称され得る)は、構造:
【化3】
を有する。
【0102】
化合物B3(Chemical Abstracts登録番号1334298−90−6を有する)は、1−[1−[[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ピリジニル]カルボニル]−4−ピペリジニル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−3−アゼチジンアセトニトリルと称され、構造:
【化4】
を有する。
【0103】
化合物B4(それは、トファシチニブ、(3R,4R)−1−4−メチル−3−(メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−β−オキソ−ピペリジンプロパンニトリル、または3−((3R,4R)−4−メチル−3−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−3−オキソプロパンニトリルと称され得る)は、構造:
【化5】
を有する。
【0104】
化合物B5(それは、オクラシチニブまたはN−メチル−1−((1r,4r)−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メタンスルホンアミドと称され得る)は、構造:
【化6】
を有する。
【0105】
化合物B6(それは、ルクソロチニブ(ruxolotinib)(INC424、INCB18424、JAKAFI(登録商標)、JAKAVI(登録商標)、Incyte Pharmaceuticals及びNovartisから入手可能)、または(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルと称され得る)は、構造:
【化7】
を有する。
【0106】
化合物B7(それは、バラシチニブ(baracitinib)(LY3009104、INCB28050)、2−[1−エチルスルホニル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル]アセトニトリル、または2−(3−(4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−1−(エチルスルホニル)アゼチジン−3−イル)アセトニトリルと称され得る)は、構造:
【化8】
を有する。
【0107】
化合物B8(それは、レスタウルチニブ(CEP−701、KT5555及びA 154475.0)−2,3,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−10−ヒドロキシ−10−(ヒドロキシメチル)−9−メチル−,(9S,10S,12R)−9,12−エポキシ−1H−ジインドロ[1,2,3−fg:3’,2’,1’−kl]ピロロ[3,4−i][1,6]ベンゾジアゾシン−1−オンと称され得る)は、構造:
【化9】
を有する。
【0108】
化合物B9(それは、パクリチニブ(SB1518)、または(16E)−11−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−14,19−ジオキサ−5,7,26−トリアザテトラシクロ[19.3.1.12,6.18,12]ヘプタコサ−1(25),2(26),3,5,8,10,12(27),16,21,23−デカエンと称され得る)は、構造:
【化10】
を有する。
【0109】
化合物B10(それは、TG101348、SAR302503、N−tert−ブチル−3−{5−メチル−2−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−ベンゼンスルホンアミド、またはN−(tert−ブチル)−3−((5−メチル−2−((4−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)フェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)ベンゼンスルホンアミドと称され得る)は、構造:
【化11】
を有する。
【0110】
化合物B11(それは、JSI−124、ククルビトラシン(Cucurbitracin)、エラテリシンB、NSC−521777(8S,9S,10R,13R,14R,16R,17R)−17−((R,E)−2,6−ジヒドロキシ−6−メチル−3−オキソヘプタ−4−エン−2−イル)−2,16−ジヒドロキシ−4,4,8,9,13,14−ヘキサメチル−7,8,9,10,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,11(4H)−ジオン、または2,16α,20,25−テトラヒドロキシ−9−メチル−19−Nor−9β,10α−ラノスタ−1,5,23−トリエン−3,11,22−トリオンと称され得る)は、構造:
【化12】
を有する。
【0111】
本明細書における組み合わせ、方法、キット、及び製造品において使用され得る追加のJAK阻害物質化合物には、GSK2586184、VX−509、INCB16562、XL019、NVP−BSK805、CEP33779、R−348、AC−430、CDP−R723またはBMS 911543、NVP−BSK805、CEP3377
9に加えて、米国特許第7,879,844号中で開示されるもの、及びU.S.2014−0357557中で記載されるJAK阻害物質シクロデキストリンベースのポリマーコンジュゲートが含まれる。
【化13-1】
【化13-2】
【0112】
いくつかの実施形態において、化合物B1またはその薬学的に許容される塩は、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。他の実施形態において、化合物B2またはその薬学的に許容される塩は、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。さらに他の実施形態において、化合物B3またはその薬学的に許容される塩は、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。さらに他の実施形態において、化合物B4またはその薬学的に許容される塩は、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。さらに他の実施形態において、化合物B5またはその薬学的に許容される塩は、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。さらになお別の実施形態において、化合物B6またはその薬学的に許容される塩は、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。別の実施形態において、化合物B7またはその薬学的に許容される塩は、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。さらに他の実施形態において、化合物B8またはその薬学的に許容される塩は、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。更なる実施形態において、化合物B9またはその薬学的に許容される塩は、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。さらに他の実施形態において、化合物B10またはその薬学的に許容される塩は、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。他の実施形態において、化合物B11またはその薬学的に許容される塩は、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。
【0113】
本明細書における、「化合物B1〜B11」、「B1からB11」、または「B1を介してB11」への参照には、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10及びB11の完全な群が含まれることが理解される。化合物B1〜B11は商業的に入手可能であるか、または合成のそれらの方法は一般的には当技術分野において公知である。例えば、トファシチニブは米国特許第6,956,041号中で記載されるように調製することができ、フィルゴチニブは米国特許第8,853,240号及びUS2015/0225398A1中で参照される方法によって調製することができ、INCB−039110(INCB−39110)はUS2011/112662及びUS2015/1246046中で参照される方法によって調製することができ、ペフィシチニブは米国特許第7,879,844号及び同第8,779,140号中で記載されるように調製することができ、モメロチニブは米国特許第8,486,941号中で記載されるように調製することができる。
【0114】
一実施形態において、JAK阻害物質は、モメロチニブ(CYT0387)、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、バリシチニブ、レスタウルチニブ、パクリチニブ、XL019、AZD1480、LY2784544、BMS911543、及びNS018、またはその薬学的に許容される塩の群から選択される。一実施形態において、JAK阻害物質は、TG101348、JS−124、及びINCB39110、CHZ868、及びGSK2586184、またはその薬学的に許容される塩の群から選択される。別のバリエーションにおいて、JAK阻害物質は、モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩酸塩である。別のバリエーションにおいて、JAK阻害物質は、フィルゴチニブまたはその薬学的に許容される塩である。
【0115】
ASK1阻害物質
いくつかのバリエーションにおいて、ASK1阻害化合物は、式Iの化合物:
【化14】
(式中、
R
1は、1〜10の炭素原子のアルキル、2〜10の炭素原子のアルケニル、2〜10の炭素原子のアルキニル、3〜8の炭素原子のシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルから選択され、そのすべては、ハロ、オキソ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アリールオキシ、−NO
2、R
6、−C(O)R
6、−OC(O)−R
6、−OC(O)−O−R
6、−C(O)−N(R
6)(R
7)、−S−R
6、−S(=O)−R
6、−S(=O)
2−R
6、−S(=O)
2−N(R
6)(R
7)、−S(=O)
2−O−R
6、−N(R
6)(R
7)、−N(R
6)−C(O)−R
7、−N(R
6)−C(O)−O−R
7、−N(R
6)−C(=O)N(R
6)(R
7)、−N(R
6)−S(=O)
2−R
6、CN、及び−OR
6から選択される1、2または3の置換基により随意に置換され;
そこで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、及びフェノキシは、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロから選択される1、2または3の置換基によって随意に置換され;
そこで、R
6及びR
7は、水素、C
1−C
15アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から独立して選択され、そのすべては、ハロ、アルキル、モノアルキルアミノもしくはジアルキルアミノ、アルキルアミドもしくはアリールアミドもしくはヘテロアリールアミド、−CN、低級アルコキシ、−CF
3、アリール、及びヘテロアリールから選択される、1〜3の置換基により随意に置換されるか;または
R
6及びR
7は、それらが付加される窒素と一緒になる場合に、ヘテロ環を形成し;
R
2は、水素、ハロ、シアノ、アルコキシ、またはハロによって随意に置換されたアルキルであり;
R
3は、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、そのすべては、1〜6の炭素原子のアルキル、1〜6の炭素原子のアルコキシ、3〜8の炭素原子のシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ハロ、オキソ、−NO
2、ハロアルキル、ハロアルコキシ、−CN、−O−R
6、−OC(O)−R
6、−OC(O)−O−R
6、−C(O)−N(R
6)(R
7)、−S−R
6、−N(R
6)(R
7)、−S(=O)−R
6、−S(=O)
2−R
6、−S(=O)
2−N(R
6)(R
7)、−S(=O)−O−R
6、−N(R
6)−C(O)−R
7、−N(R
6)−C(=O)N(R
6)(R
7)、−N(R
6)−C(O)−O−R
7、−N(R
6)−C(=O)N(R
6)(R
7)、−C(O)R
6、−C(O)−O−R
6、−C(O)−N(R
6)(R
7)、及び−N(R
6)−S(=O)
2−R
7から選択される、1つまたは複数の置換基により随意に置換され、そこで、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルは、ハロ、オキソ、−NO
2、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、−N(R
6)(R
7)、−C(O)R
6、−OC(O)−R
6、−C(O)−N(R
6)(R
7)、−CN、−O−R
6、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルから選択される、1つまたは複数の置換基によりさらに随意に置換され;
但し、ヘテロアリール部分もしくはヘテロシクリル部分は少なくとも1つの環窒素原子を含み;X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、及びX
8は、独立して、C(R
4
)もしくはNであり、式中、各々のR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロ、1〜6の炭素原子のアルキル、1〜6の炭素原子のアルコキシもしくは3〜8の炭素原子のシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ハロ、−NO
2、ハロアルキル、ハロアルコキシ、−CN、−O−R
6、−S−R
6、−N(R
6)(R
7)、−S(=O)−R
6、−S(=O)
2−R
6、−S(=O)
2−N(R
6)(R
7)、−S(=O)−O−R
6、−N(R
6)−C(O)−R
6、−N(R
6)−C(O)−O−R
7、−N(R
6)−C(=O)N(R
6)(R
7)、−C(O)−R
6、−C(O)−O−R
6、−C(O)−N(R
6)(R
7)、−N(R
6)−S(=O)
2−R
7であり、そこで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、ハロ、オキソ、−NO
2、−CF
3、−O−CF
3、−N(R
6)(R
7)、−C(O)−R
6、−C(O)−O−R
7、−C(O)−N(R
6)(R
7)、−CN、−CO−R
6から選択される、1つまたは複数の置換基によりさらに随意に置換されるか;または
X
5及びX
6もしくはX
6及びX
7は繋がれて、随意に置換された縮合アリールもしくは随意に置換された縮合ヘテロアリールを提供し;但し、X
2、X
3及びX
4のうちの少なくとも1つはC(R
4)であり;X
5、X
6、X
7及びX
8のうちの少なくとも2つはC(R
4)であり;及びX
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7及びX
8のうちの少なくとも1つはNである);
またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物である。
【0116】
式Iの化合物が使用される本明細書における方法の各々内の実施形態は、上記のような式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物の使用を含み、式中、R
3は以下の基:
【化15】
(式中、
R
11は、水素、1〜6の炭素原子のアルキル、または3〜8の炭素原子のシクロアルキルから選択され、そこで、アルキル及びシクロアルキルは、ヒドロキシルまたはハロによって随意に置換され;
R
12は、水素、1〜6の炭素原子のアルキル、または3〜8の炭素原子のシクロアルキル、−S(=O)−R
6、または−S(=O)2−R
6から選択され、そこで、アルキル及びシクロアルキルは、ヒドロキシルまたはハロによって随意に置換される)
から選択される。
【0117】
別の実施形態は、上記のような式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物の本明細書における方法における使用を含み、式中、X
1、X
2及びX
5はすべてNであり、X
3、X
4、X
6、X
7及びX
8はC(R
4)である。この実施形態は、式中、R
1が、1〜6の炭素原子の随意に置換されたアルキル、3〜8の炭素原子の随意に置換されたシクロアルキル、または随意に置換されたヘテロシクリルであり、特に随意の置換基がヒドロキシル、ハロ、または3〜8の炭素原子のシクロアルキルから選択される、1、2または3の置換基である場合の、化合物を包含する。この実施形態内で、別の実施形態は、R
3が随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、または随意に置換されたヘテロシクリルである化合物を包含し、式中、ヘテロアリール部分または
ヘテロシクリル部分は、1、2または3の環窒素原子を含有し、アリール部分、ヘテロアリール部分、及びヘテロシクリル部分は、1〜6の炭素原子のアルキル、3〜8の炭素原子のシクロアルキル、ハロ、シアノ、または−OR
6によって随意に置換され、そこで、アルクリル(alklyl)及びシクロアルキルは、ヒドロキシルまたはハロによって随意に置換される。R
3部分の好ましい基には、上記の非限定例のものが含まれる。
【0118】
別の実施形態は、式中、X
1及びX
5がNであり、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7及びX
8がC(R
4)である、式Iの化合物の本明細書における方法における使用を包含する。この群は、式中、R
1が、1〜6の炭素原子の随意に置換されたアルキル、3〜8の炭素原子の随意に置換されたシクロアルキル、または随意に置換されたヘテロシクリルであり、そこで、特に随意の置換基がヒドロキシル、ハロ、または3〜8の炭素原子のシクロアルキルから選択される、1、2または3の置換基である、化合物を包含する。この群内で、下位群は、R
3が随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリールまたは随意に置換されたヘテロシクリルである化合物を包含し、式中、ヘテロアリール部分またはヘテロシクリル部分は、1、2または3の環窒素原子を含有し、アリール部分、ヘテロアリール部分、及びヘテロシクリル部分は、1または2または3の環窒素原子を含有し、アリール部分、ヘテロアリール部分、及びヘテロシクリル部分は、1〜6の炭素原子のアルキル、3〜8の炭素原子のシクロアルキル、ハロ、シアノ、または−OR
6によって随意に置換され、そこで、アルキル及びシクロアルキルは、ヒドロキシルまたはハロによって随意に置換される。
【0119】
別の実施形態は、式中、X
1及びX
2がNであり、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7及びX
8がC(R4)である、式Iの化合物の本明細書における方法における使用を提供する。この群は、式中、R
1が、1〜6の炭素原子の随意に置換されたアルキル、3〜8の炭素原子の随意に置換されたシクロアルキル、または随意に置換されたヘテロシクリルであり、そこで、特に随意の置換基がヒドロキシル、ハロ、またはシクロアルキルから選択される、1、2または3の置換基である、化合物を包含する。この群内で、下位群は、R
3が随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロシクリルである化合物を包含し、式中、ヘテロアリール部分またはヘテロシクリル部分は、1、2または3の環窒素原子を含有し、アリール部分、ヘテロアリール部分、及びヘテロシクリル部分は、1〜6の炭素原子のアルキル、3〜8の炭素原子のシクロアルキル、ハロ、シアノ、または−OR
6によって随意に置換され、そこで、アルキル及びシクロアルキルは、ヒドロキシルまたはハロによって随意に置換される。
【0120】
別の実施形態は、式中、X
1がC(R
4)である、式Iの化合物の本明細書における方法における使用を包含する。この群は、式中、R
1が、1〜6の炭素原子の随意に置換されたアルキル、3〜8の炭素原子の随意に置換されたシクロアルキル、または随意に置換されたヘテロシクリルであり、そこで、特に随意の置換基がヒドロキシル、ハロ、または3〜8の炭素原子のシクロアルキルから選択される、化合物を包含する。この群内で、下位群は、R
3が随意に置換されたヘテロアリールまたは随意に置換されたヘテロシクリルである化合物を包含し、式中、ヘテロアリール部分またはヘテロシクリル部分は、1、2または3の環窒素原子を含有し、アリール部分、ヘテロアリール部分、及びヘテロシクリル部分は、1〜6の炭素原子のアルキル、3〜8の炭素原子のシクロアルキル、ハロ、シアノ、または−OR
6によって随意に置換され、そこで、アルキル基及びシクロアルキル基は、ヒドロキシルまたはハロによって随意に置換される。
【0121】
本明細書における方法における使用のためのASK1阻害化合物には、以下で命名されるそれらの化合物が含まれるがこれらに限定されず、それらは米国特許第8,552,196号及び同第8,742,126号(それらは参照により本明細書に援用される)中で記載される方法によって調製され得る。
5−(2,5−ジフルオロフェニル)−N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ニコチンアミド;
4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)−N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−ピコリンアミド;
4−(2−アミノピリミジン−5−イル)−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−チアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−5−フェニルニコチンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−フェニルピコリンアミド;
N−(3−(4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン2’−カルボキサミド;
2−ヒドロキシ−N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−フェニルピリミジン−4−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−フェニルピコリンアミド;
N−(3−(4−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−フェニルピコリンアミド;
N−(3−(4−(2−アセトアミドエチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−カルボキサミド;
N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−2,31−ビピリジン−6−カルボキサミド;
N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−モルホリノピコリンアミド;
N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(キノリン−6−イル)ピコリンアミド;
(R)−N−(3−(4−(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−ヒドロキシ−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド;
(S)−N−(3−(4−(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(3−オキソピペラジン−1−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−メトキシ−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
4−(3−アミノピロリジン−1−イル)−N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−2−フェニルイソニコチンアミド;
6−アミノ−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
(R)−N−(3−(4−(2−ヒドロキシプロピル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
5−メトキシ−N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
メチル2’−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニルカルバモイル)−3,4’−ビピリジン−6−イルカルバマート;
5−メトキシ−N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
メチル2’−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニルカルバモイル)−3,4’−ビピリジン−6−イルカルバメート;
(S)−N−(3−(4−(2−ヒドロキシプロピル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
4−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)ピコリンアミド;
4−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−A−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−((1−ヒドロキシシクロプロピル)メチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
(S)−N−(3−(4−(2−ヒドロキシプロピル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロブチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N2’−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’,6−ジカルボキサミド;
(S)−N−(3−(4−(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロペンチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(トリフルオロメチル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N2’−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’,5−ジカルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェ
ニル)−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−メチル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
5−シアノ−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
2−アミノ−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−((1S,2S)−2−メチルシクロプロピル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4)−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−2−メトキシ−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(2−メトキシピリミジン−5−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−メチル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)ピコリンアミド;
エチル−N−(3−(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
6−クロロ−[3,2’,5’,4”]テルピリジン−2”−カルボキシル酸[3−(4−シクロプロピル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−フェニル]アミド
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(ピロリジン−1−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−5−(トリフルオロメチル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(1−シクロプロピル−1H−イミダゾール−5−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)ピコリンアミド;
4−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−イル)−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド
;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−スルファモイルフェニル)ピコリンアミド;
5N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−5−メトキシ−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3)フェニル)−6−フルオロ−5−メチル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−5−フルオロ−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−2−メチル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−(Nメチルスルファモイル)フェニル)ピコリンアミド;
N5−tert−ブチル−N2’−(3(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’,5−ジカルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(ピラジン−2−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−(Nイソプロピルスルファモイル)フェニル)ピコリンアミド;
クロロ−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
4−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)−N−(3−(1−シクロプロピル−1H−イミダゾール−5−イル)フェニル)ピコリンアミド;
6−シクロプロピル−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(3−(メチルスルホニル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(イソキノリン−4−イル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(4−(メチルスルホニル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(2−(メチルスルホニル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピコリンアミド;
6−シクロブチル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−イソプロピル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−5H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−(メチルスルホニル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(ジメチルアミノ)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(ピリジン−3−イル)キノリン−2−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(1Hピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピコリンアミド;
6−シクロプロポキシ−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−フルオロ−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(3Hイミダゾ[4,5−1)]ピリジン−3−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−イソプロポキシ−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−エチル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)ピコリンアミド;
6−シクロブトキシ−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(1−シクロプロピル−1H−イミダゾール−5−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(キノリン−3−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−(Nシクロプロピルスルファモイル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(1−シクロプロピル−1H−イミダゾール−5−イル)フェニル)−4−(キノリン−3−イル)ピコリンアミド;
6−シクロペンチル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(イミダゾ[2,1−b][1,3,4]チアジアゾール−5−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(5−シクロプロピルピラジン−2−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(1−メチル−2−オキソピロリジン−3−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
4−(4−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−5−フルオロ−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
(S)−4−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(3−(4−(3−メチルブタン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−2,31−ビピリジン−6−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾ
ール−3−イル)フェニル)−2,31−ビピリジン−4−カルボキサミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−5−(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)−2,4−ジフルオロベンズアミド;
6−シクロプロピル−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−2,31−ビピリジン−4−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3,31−ビピリジン−5−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−2,31−ビピリジン−6−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(5−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(5−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)ピコリンアミド;
4−(5−シクロプロピル−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
4−(3−シクロプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピコリンアミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−(3−ヒドロキシブタン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
4−クロロ−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−5−(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)−2−フルオロベンズアミド;
6−シクロプロピル−N−(6−(4−((2S,3R)−3−ヒドロキシブタン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(6−(4−((2S,3S)−3−ヒドロキシブタン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(6−(4−(1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(イソプロピル−1−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル)ピコリンアミド;
S)−6−シクロプロピル−N−(3−(4−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(6−(4−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4H−
1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−sec−ブチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−シクロプロピル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
(S)−6−シクロプロピル−N−(3−(4−(1−シクロプロピルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−(ペンタノ−3−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
(S)−6−シクロプロピル−N−(3−(4−(1−メトキシプロパン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−6’−メチル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
(S)−6−シクロプロピル−N−(6−(4−(1−メトキシプロパン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−ジン−2’−カルボキサミド;
(S)−N−(3−(4−sec−ブチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−シクロプロピル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−メトキシエチル)−1H−イミダゾール−1−イル)ベンズアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)−7,8−ジメチルキノリン−2−カルボキサミド;
(S)−6−シクロプロピル−N−(3−(4−(3−メチルブタン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
(R)−6−シクロプロピル−N−(3−(4−(1−(2,6−ジメチルフェノキシ)プロパン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)−7,8−ジメチルキノリン−2−カルボキサミド;
3−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−メトキシベンズアミド;
4−クロロ−3−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
4−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)キノリン−2−カルボキサミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)キノリン−2−カルボキサミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−5−(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)−2−フルオロベンズアミド;
(S)−6−シクロプロピル−N−(3−(4−(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
(S)−tert−ブチル2−(3−(3−(6−シクロプロピル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド)フェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)プロパノエート;
N−(3−(4−シクロブチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−シクロプロピル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
(S)−6−シクロプロピル−N−(3−(4−(1−フェニルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−イソプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
3−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−イソプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
(S)−3−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−(1−フェニル−エチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(6−(1−シクロプロピル−1H−イミダゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)−4−(4,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−1−イル)ベンズアミド;
N−(6−(1−シクロプロピル−1H−イミダゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)−6−(2−ベンズアミド;ヒドロキシプロパン−2−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
3−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−5−メチルベンズアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3−(4,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンズアミド;
N−(3−(4−(シクロプロピルメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジンカルボキサミド;
4−(4−シクロプロピル−2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
4−(4−シクロプロピル−2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ピコリンアミド;
4−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(3−(4−イソプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
4−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(3−(4−(シ
クロプロピルメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
4−(4−シクロプロピル−1−イミダゾール−1−イル)−N−(3−(4−(1−フェニルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ベンズアミド;
1−(3−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イルカルバモイル)フェニル)−5−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸;
(S)−3−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−(1−フェニルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
6−シクロプロピル−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−5’−メチル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
(S)−3−(4,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(2−エチルピリミジン−5−イル)ピコリンアミド;
(R)−4−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(3−(4−(1,1,1−トリ−フルオロプロパン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−5−エチル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−4−フルオロフェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(1,5−ナフチリジン−3−イル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3−(1,5−ナフチリジン−3−イル)ベンズアミド;
3−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−4−フルオロフェニル)−6−エチル−3,4’−ビピリジンカルボキサミド;
6−tert−ブチル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3−(キノリン−3−イル)ベンズアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリ
ジン−2−イル)−3−(4−イソプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンズアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3−(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)ベンズアミド;
6−シクロプロピル−N−(2−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)3−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−シクロプロピル−ピリジン−4−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンズアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(4−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)ピコリンアミド;
5−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンズアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4(パーフルオロエチル)−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(4−(パーフルオロエチル)−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
3−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−メチルベンズアミド;
4−(3−シクロプロピル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ピコリンアミド;
4−(3−シクロプロピル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
4−(5−シクロプロピル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4−H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3−(6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド;
3−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロベンズアミド;
N−(2−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−4−イル)−4−(キノリン−3−イル)ピコリンアミド;
45N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−イル)ピコリンアミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2−フルオロフェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサ
ミド;
5−シクロプロピル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2−フルオロフェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−エチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
55N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(4,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(6−(2,2,2−トリフルオロエチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−イソプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(4−イソプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−5−フルオロフェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−5−フルオロフェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
4−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(6−イソプロピル−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ピコリンアミド;
6−シクロプロピル−N−(6−(4−イソプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−エチル−3−オキソピペラジン−1−イル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(4−エチル−3−オキソピペラジン−1−イル)ピコリンアミド;
(R)−6−シクロプロピル−N−(6−(4−(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−イソプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
6−シクロペンチル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(1−メチル−2−オキソピロリジン−3−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(4−(N−メチルスルファモイル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(キノリン−3−イル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−プロピル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−ネオペンチル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(1−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−(エチルスルホニル)フェニル)−ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−(イソプロピルスルホニル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(チルアミノ(thylamino))−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(シクロプロピルアミノ)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(イミダゾ[2,1−b][1,3,4]チアジアゾール−5−イル)ピコリンアミド;
4−(4−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(2−シクロプロピルピリミジン−5−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6’−(トリフルオロメチル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(キノリン−3−イル)−6−(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
N−(6−(1−シクロプロピル−1H−イミダゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)−4−(キノリン−3−イル)ピコリンアミド;
6−シクロプロピル−N−(6−(1−シクロプロピル−1H−イミダゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
5N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(1Hピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−シクロプロピルフェニル)ピコリンアミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3−10(ピリジン−3−イル)ベンズアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(メチルチオ)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(イソブチルチオ)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
15N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(5−シクロプロピルピラジン−2−イル)ピコリンアミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−5−フルオロ−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
5−クロロ−6−シクロプロピル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(2−メトキシエチルアミノ)−3,4’−ヒピリジン(hipyridine)−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−エチル−5−フルオロ−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
5−クロロ−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−エチル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
4−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−5,6−ジエチル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(フロ(furo)[3,2−b]ピリジン−6−イル)ピコリンアミド;
N−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6’−メチル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−5’−メチル−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサ
ミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−(5−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)ピコリンアミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(5−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)ピコリンアミド;
6’−シクロプロピル−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−2,31−ビピリジン−6−カルボキサミド;
6’−シクロプロピル−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3,31−ビピリジン−5−カルボキサミド;
6’−シクロプロピル−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−2,31−ビピリジン−4−カルボキサミド;
N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−5−(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)−2,4−ジフルオロベンズアミド;
6’−シクロプロピル−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−2,31−ビピリジン−6−カルボキサミド;
(S)−4−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(3−(4−(3−メチルブタン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
4−クロロ−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−5−(6−シクロプロピルピリジン−3−イル)−2−フルオロベンズアミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−(2−フェニルシクロプロピル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−6−(シクロプロピルメチル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
3−(4−シクロプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
4−(5−シクロプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−N−(3−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−(ピリジン−2−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−(ピリジン−3−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−(ピリジン−4−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
6−シクロプロピル−N−(3−(4−(ピリミジン−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−3,4’−ビピリジン−2’−カルボキサミド;
4−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(3−(4−(ピリジン−3−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
4−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(3−(4−(ピリジン−4−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
4−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(3−(4−(ピリミジン−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;及び
N−(3−(4−(ブト−2−イニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル)−4−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)ピコリンアミド;またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【0122】
いくつかの実施形態において、ASK1阻害化合物は、以下の構造の化合物:
【化16】
またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物である。この化合物は、3−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−メチルベンズアミド、または3−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−[6−(4−シクロプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2−ピリジニル]−4−メチル−ベンズアミドと称され、CAS登録番号1262041−67−7を割り当てられた。化合物及びその塩(蟻酸塩が含まれる)(CAS登録番号1262041−68−8)は、US2014/0228412及び米国特許第9,067,933号中で開示される方法によって調製され得る。
【0123】
他の実施形態において、ASK1阻害化合物は、以下の構造の化合物:
【化17】
またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物である。この化合物は、5−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロ−N−(6−(4−イソプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−メチルベンズアミド、または5−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロ−4−メチル−N−[6−[4−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−2−ピリジニル]−ベンズアミドと称され、CAS登録番号1448428−04−3を割り当てられた。化合物及びその塩(塩酸塩が含まれる)(CAS登録番号1448428−05−4)は、US2014/0228412及び米国特許第9,067,933号中で開示される方法によって調製され得る。
【0124】
「阻害物質」、「阻害化合物」という用語、及び同種のものが、被験体(ヒト等)においてある特定の標的の活性を阻害する薬学的活性を提示する化合物または薬剤を指すことが理解されるだろう。例えば、「ASK1阻害物質」、「ASK1阻害化合物」、「ASK1の阻害物質」という用語、及び同種のものは、ヒトにおけるアポトーシスシグナル調節キナーゼ1の活性を阻害する薬学的活性を提示する化合物を指すことが理解されるだろう。本明細書における方法の各々のいくつかの実施形態において、化合物C2またはその薬学的に許容される塩は、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。本明細書における方法の各々の他の実施形態において、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。別のバリエーションにおいて、ASK1を阻害する化合物は、4−[4−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−1−ピペラジニル]−N−[[4−[[(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルチオ)メチル]プロピル]アミノ]−3−ニトロフェニル]スルホニル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩である。
【0125】
ブロモドメイン阻害物質
いくつかのバリエーションにおいて、BETまたはBRD(ブロモドメイン含有タンパク質)阻害物質は、ブロモドメイン含有タンパク質4(BRD4)の阻害物質である。一態様において、ブロモドメイン含有タンパク質の修飾物質は、式(II)の化合物:
【化18】
(式中、
R
1a及びR
1bは、各々独立して、1〜5のR
20基により随意に置換されたC
1−6アルキルであり;
R
2a及びR
2bは、各々独立して、Hまたはハロであり;
R
3は、
C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、もしくは−S(O)
2NR
aR
bであるか;または
C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
R
4a及びR
4bのうちの1つは、1〜5のR
20基により随意に置換されたH及びC
1−6アルキルからなる群から選択され、他のものは存在せず;
R
5は、−C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、もしくは−S(O)
2NR
aR
bであるか;または
R
5は、H、C
1−10アルキル、C
1−10ハロアルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
各々のR
a及びR
bは、H、C
1−10アルキル、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から独立して選択され、その各々は1〜5のR
20
基により随意に置換され;
各々のR
20は、アシル、C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、アミド、アミジノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、アジド、カルバモイル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、グアニジノ、ハロ、C
1−10ハロアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、C
6−20ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドラジノ、イミノ、オキソ、ニトロ、スルフィニル、スルホン酸、スルホニル、チオシアネート、チオール、及びチオンからなる群から独立して選択され;
そこで、C
1−10アルキル基、C
5−10アリール基、C
6−20アリールアルキル基、C
1−10ヘテロアルキル基、C
5−10ヘテロアリール基、及びC
6−20ヘテロアリールアルキル基は、C
1−6アルキル、C
5−10アリール、ハロ、C
1−6ハロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、及びC
1−6アルコキシから独立して選択される1〜3の置換基により随意に置換される);
またはその薬学的に許容される塩である。
【0126】
式(II)の化合物(それには、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)及び(IIe)のいずれかの化合物が含まれ、以下に記載される)は、以下の特色のうちの1つまたは複数を、独立して包含し得る。各々の実施形態において規定される特色を他の規定された特色と組み合わせて、さらなる実施形態を提供し得ることが認識されるだろう。
【0127】
いくつかの化合物において、R
1a及びR
1bは、各々独立して、C
1−6アルキル(それには、本明細書において定義されるように、アルケニル、アルキニル及びシクロアルキルが含まれる)である。いくつかの化合物において、R
1a及びR
1bは異なり、他の化合物において、R
1a及びR
1bは同じである。いくつかの化合物において、R
1a及びR
1bは、各々独立して、1〜5のR
20基により随意に置換されたC
1−6アルキルである。いくつかの化合物において、R
1a及びR
1bは両方ともメチルである。いくつかの化合物において、R
1aまたはR
1bのうちの1つはメチルであり、他のものはヒドロキシにより置換されたメチルである。いくつかの化合物において、R
1a及びR
1bは両方ともヒドロキシにより置換されたメチルである。いくつかの化合物において、R
1aまたはR
1bのうちの1つはメチルであり、他のものはアミンにより置換されたメチルである。いくつかの化合物において、R
1a及びR
1bは両方ともアミンにより置換されたメチルである。
【0128】
いくつかの化合物において、R
2a及びR
2bは両方ともHである。いくつかの化合物において、R
2a及びR
2bは両方ともハロである。いくつかの化合物において、R
2a及びR
2bのうちの1つはHであり、他のものはハロである。いくつかの化合物において、ハロは−Fまたは−Clである。
【0129】
いくつかの化合物において、R
3は、ボロン酸、ボロン酸エステル、またはハロである。いくつかの化合物において、R
3は、−C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、または−S(O)
2NR
aR
bであり、式中、R
a及びR
bは上記される。いくつかの化合物において、R
3は、−C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、または−S(O)
2NR
aR
bであり、式中、各々のR
a及びR
bは、独立して、C
1−10アルキル、C
5−10アリール、C
1−10ヘテロアルキル、またはC
5−10ヘテロアリールであり、その各々は上で定義されるように随意に置換され得る。例えば、いくつかの化合物において、R
3は、−C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、または−S(O)
2NR
aR
bであり、式中、各々のR
a及びR
bは独立して、C
5−10アリールまたはC
5−10ヘテロアリールである。いくつかの化合物において、R
3は、C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、ア
ミノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され、そこで、R
20は上記される。いくつかの化合物において、R
3は、C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、またはC
1−10ヘテロアルキルであり、その各々は上で定義されるように随意に置換され得る。いくつかの化合物において、ヘテロアルキルはヘテロシクロアルキルである。他の化合物において、R
3は、C
6−20アリールアルキルまたはC
6−20ヘテロアリールアルキルであり、その各々は上で定義されるように随意に置換され得る。他の化合物において、R
3は、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
5−10ヘテロアリール、またはC
6−20ヘテロアリールアルキルであり、その各々は上で定義されるように随意に置換され得る。いくつかの化合物において、R
3は上記のような随意に置換されたアミノである。例えば、いくつかの化合物において、R
3は−NH
2であり、他の化合物において、R
3は−NR
yR
zであり、そこで、R
y及びR
zはそれらが接合されている窒素と一緒にC
1−10ヘテロアルキルまたはC
5−10ヘテロアリールを形成し、その各々は上で定義されるように随意に置換され得る。
【0130】
R
3の他の非限定例には、以下のもの:
【化19-1】
【化19-2】
【化19-3】
が含まれる。
【0131】
いくつかの化合物において、R
4aまたはR
4bのうちの1つはHであり、他のものは存在せず、すなわち、いくつかの化合物において、R
4aはHであり、R
4bは存在せず、他の化合物において、R
4aは存在せず、R
4bはHである。他の化合物において、R
4a及びR
4bのうちの1つはアルキルであり、他のものは存在せず、すなわち、いくつかの化合物において、R
4aはアルキルであり、R
4bは存在せず、他の化合物において、R
4aは存在せず、R
4bはアルキルである。いくつかの化合物において、アルキルはメチルである。
【0132】
いくつかの化合物において、R
5は、−C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、または−S(O)
2NR
aR
bであり、式中、R
a及びR
bは上記される。いくつかの化合物において、R
5は、−C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、または−S(O)
2NR
aR
bであり、式中、各々のR
a及びR
bは、独立して、C
1−10アルキルまたはC
5−10アリールであり、その各々は上で定義されるように随意に置換され得る。例えば、いくつかの化合物において、R
5は−NHC(O)OR
aであり、式中、R
aはメチルである。いくつかの化合物において、R
5は−NHS(O)
2R
aであり、式中、R
aはC
1−10アルキルまたはC
5−10アリ
ールであり、その各々は上で定義されるように随意に置換され得る。例えば、いくつかの化合物において、R
5は−NHS(O)
2R
aであり、式中、R
aはシクロプロピルである。いくつかの化合物において、R
5は、H、C
1−10アルキル、C
1−10ハロアルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され、そこで、R
20は上記される。いくつかの化合物において、R
5は、上記のように随意に置換されたC
1−10アルキルである。いくつかの化合物において、C
1−10アルキルは、C
1−10シクロアルキル(例えばシクロプロピル)である。他の化合物において、R
5は、上記のように随意に置換されたアミノである。例えば、いくつかの化合物において、R
5は−NH
2であり、他の化合物において、R
5は−NR
yR
zであり、式中、R
yはHであり、R
zはアルキル(例えばシクロプロピル)である。他の化合物において、R
5はアルコキシ(例えばメトキシ)である。
【0133】
いくつかの化合物において、R
1a、R
1b、R
3、R
4a、R
4b及びR
5は、1〜5(すなわち1、2、3、4または5)の上記のようなR
20基により随意に置換される。いくつかの化合物において、R
1a、R
1b、R
3、R
4a、R
4b及びR
5は、1、2または3のR
20基により随意に置換される。いくつかの化合物において、各々のR
20は、アルキル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ヒドロキシ、及びスルホニルからなる群から独立して選択される。いくつかの化合物において、各々のR
20は、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、及びヘテロアルキルアリールからなる群から独立して選択される。いくつかの化合物において、R
1a、R
1b、R
3、R
4a、R
4b及びR
5は、置換されない。いくつかの化合物において、R
20は置換されない。
【0134】
式(II)の化合物のうちの1つのサブセットは、式(IIa)の化合物
【化20】
(式中、
R
1a及びR
1bは、各々独立して、1〜5のR
20基により随意に置換されたC
1−6アルキルであり;
R
3は、
ボロン酸またはハロであるか;または
C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、もしくは−S(O)
2NR
aR
bであるか;または
C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
R
4a及びR
4bのうちの1つは、H、及び1〜5のR
20基により随意に置換されたC
1−6アルキルからなる群から選択され、他のものは存在せず;
R
5は、
C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、もしくは−S(O)
2NR
aR
bであるか;または
H、C
1−10アルキル、C
1−10ハロアルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
各々のR
a及びR
bは、H、C
1−10アルキル、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から独立して選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
各々のR
20は、アシル、C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、アミド、アミジノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、アジド、カルバモイル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、グアニジノ、ハロ、C
1−10ハロアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、C
6−20ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドラジノ、イミノ、オキソ、ニトロ、スルフィニル、スルホン酸、スルホニル、チオシアネート、チオール、及びチオンからなる群から独立して選択され;
そこで、C
1−10アルキル基、C
5−10アリール基、C
6−20アリールアルキル基、C
1−10ヘテロアルキル基、C
5−10ヘテロアリール基、及びC
6−20ヘテロアリールアルキル基は、C
1−6アルキル、C
5−10アリール、ハロ、C
1−6ハロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、及びC
1−6アルコキシから独立して選択される1〜3の置換基により随意に置換される);
またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0135】
式(II)の化合物のうちの別のサブセットは、式(IIb)の化合物
【化21】
(式中、
R
1a及びR
1bは、各々独立して、1〜5のR
20基により随意に置換されたC
1−6アルキルであり;
R
2a及びR
2bは、各々独立して、Hまたはハロであり;
R
3は、
ボロン酸またはハロであるか;または
C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、もしくは−S(O)
2NR
aR
bであるか;または
C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
R
5は、
C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、もしくは−S(O)
2NR
aR
bであるか;または
H、C
1−10アルキル、C
1−10ハロアルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−
10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
各々のR
a及びR
bは、H、C
1−10アルキル、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から独立して選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
各々のR
20は、アシル、C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、アミド、アミジノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、アジド、カルバモイル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、グアニジノ、ハロ、C
1−10ハロアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、C
6−20ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドラジノ、イミノ、オキソ、ニトロ、スルフィニル、スルホン酸、スルホニル、チオシアネート、チオール、及びチオンからなる群から独立して選択され;
そこで、C
1−10アルキル基、C
5−10アリール基、C
6−20アリールアルキル基、C
1−10ヘテロアルキル基、C
5−10ヘテロアリール基、及びC
6−20ヘテロアリールアルキル基は、C
1−6アルキル、C
5−10アリール、ハロ、C
1−6ハロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、及びC
1−6アルコキシから独立して選択される1〜3の置換基により随意に置換される);
またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0136】
式(II)の化合物のうちの別のサブセットは、式(IIc)の化合物
【化22】
(式中、
R
1a及びR
1bは、各々独立して、1〜5のR
20基により随意に置換されたC
1−6アルキルであり;
R
3は、
ボロン酸またはハロであるか;または
C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、もしくは−S(O)
2NR
aR
bであるか;または
C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
R
5は、
C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、もしくは−S(O)
2NR
aR
bであるか;または
H、C
1−10アルキル、C
1−10ハロアルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
各々のR
a及びR
bは、H、C
1−10アルキル、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−2
0ヘテロアリールアルキルからなる群から独立して選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
各々のR
20は、アシル、C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、アミド、アミジノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、アジド、カルバモイル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、グアニジノ、ハロ、C
1−10ハロアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、C
6−20ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドラジノ、イミノ、オキソ、ニトロ、スルフィニル、スルホン酸、スルホニル、チオシアネート、チオール、及びチオンからなる群から独立して選択され;
そこで、C
1−10アルキル基、C
5−10アリール基、C
6−20アリールアルキル基、C
1−10ヘテロアルキル基、C
5−10ヘテロアリール基、及びC
6−20ヘテロアリールアルキル基は、C
1−6アルキル、C
5−10アリール、ハロ、C
1−6ハロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、及びC
1−6アルコキシから独立して選択される1〜3の置換基により随意に置換される);
またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0137】
式(II)の化合物のうちの別のサブセットは、式(IId)の化合物
【化23】
(式中、
R
3は、
ボロン酸またはハロであるか;または
C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、もしくは−S(O)
2NR
aR
bであるか;または
C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
R
5は、
C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、もしくは−S(O)
2NR
aR
bであるか;または
H、C
1−10アルキル、C
1−10ハロアルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
各々のR
a及びR
bは、H、C
1−10アルキル、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から独立して選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
各々のR
20は、アシル、C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、アミド、アミジノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、アジド、カルバモイル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、グアニジノ、ハロ、C
1−10ハロアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、C
6−20ヘテロア
リールアルキル、ヒドロキシ、ヒドラジノ、イミノ、オキソ、ニトロ、スルフィニル、スルホン酸、スルホニル、チオシアネート、チオール、及びチオンからなる群から独立して選択され;
そこで、C
1−10アルキル基、C
5−10アリール基、C
6−20アリールアルキル基、C
1−10ヘテロアルキル基、C
5−10ヘテロアリール基、及びC
6−20ヘテロアリールアルキル基は、C
1−6アルキル、C
5−10アリール、ハロ、C
1−6ハロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、及びC
1−6アルコキシから独立して選択される1〜3の置換基により随意に置換される);
またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0138】
式(II)の化合物のうちの別のサブセットは、式(IIe)の化合物
【化24】
(式中、
R
3は、
ボロン酸またはハロであるか;または
C(O)OR
a、−NHC(O)OR
a、−NHS(O)
2R
a、もしくは−S(O)
2NR
aR
bであるか;または
C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
各々のR
a及びR
bは、H、C
1−10アルキル、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、及びC
6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から独立して選択され、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され;
各々のR
20は、アシル、C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、アミノ、アミド、アミジノ、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、アジド、カルバモイル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、グアニジノ、ハロ、C
1−10ハロアルキル、C
1−10ヘテロアルキル、C
5−10ヘテロアリール、C
6−20ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドラジノ、イミノ、オキソ、ニトロ、スルフィニル、スルホン酸、スルホニル、チオシアネート、チオール、及びチオンからなる群から独立して選択され;
そこで、C
1−10アルキル基、C
5−10アリール基、C
6−20アリールアルキル基、C
1−10ヘテロアルキル基、C
5−10ヘテロアリール基、及びC
6−20ヘテロアリールアルキル基は、C
1−6アルキル、C
5−10アリール、ハロ、C
1−6ハロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、及びC
1−6アルコキシから独立して選択される1〜3の置換基により随意に置換される);
またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0139】
式II、IIa、IIb及びIIcについて記載される化合物の各々内の分離した実施形態において、別の実施形態は、R
1a及びR
1bが各々独立してC
1−6アルキルである、化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。式II、IIa及びIIb、IIc
、IId及びIIeについて記載される化合物の各々内の分離した実施形態において、別の実施形態は、R
3がC
1−10アルキル、C
1−10アルコキシもしくはC
1−10ヘテロアルキルであり、その各々が1〜5のR
20基により随意に置換され得る、化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。式II、IIa及びIIb、IIc、IId及びIIeについて記載される化合物の各々内の分離した実施形態において、別の実施形態は、R
3がC
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
5−10ヘテロアリールもしくはC
6−20ヘテロアリールアルキルであり、その各々が1〜5のR
20基により随意に置換され得る、化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。式II、IIa、IIb、IIc及びIIdについて記載される化合物の各々内の分離した実施形態において、別の実施形態は、R
5がC
1−10アルキルである、化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。分離した実施形態は、R
3がC
1−10アルキル、C
1−10アルコキシもしくはC
1−10ヘテロアルキルであり、その各々が1〜5のR
20基により随意に置換され得る、上で定義されるような式IIeの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。さらにR
3が、C
5−10アリール、C
6−20アリールアルキル、C
5−10ヘテロアリールもしくはC
6−20ヘテロアリールアルキルであり、その各々は1〜5のR
20基により随意に置換され得る、式IIeの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、本明細書において記載される実施形態の各々による分離した実施形態も提供される。
【0140】
いくつかの実施形態において、ブロモドメイン含有タンパク質の修飾物質は、以下の群から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物である。
【化25-1】
【化25-2】
【化25-3】
【化25-4】
【化25-5】
【化25-6】
【化25-7】
【化25-8】
【化25-9】
【化25-10】
【化25-11】
【化25-12】
【化25-13】
【化25-14】
【化25-15】
【化25-16】
【化25-17】
【化25-18】
【化25-19】
【化25-20】
【化25-21】
【化25-22】
【化25-23】
【化25-24】
【化25-25】
【化25-26】
【0141】
分離した単一の実施形態は方法、レジメン、キット及び製造品を含み、それらにおいてブロモドメイン含有タンパク質の修飾物質は上記の表中でリストされた各々の分離した化合物であることが理解される。例えば、本明細書において議論される方法、レジメン、キット及び製造品の各々の一実施形態において、ブロモドメイン含有タンパク質の修飾物質が、(2−シクロプロピル−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−イル)ジ(ピリジン−2−イル)メタノール、またはその薬学的に許容される水和物である、実施形態がある。本明細書において議論される方法、レジメン、キット及び製造品の各々についての分離した他の実施形態において、ブ
ロモドメイン含有タンパク質の修飾物質が、(2−シクロプロピル−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−イル)ジ(ピラジン−2−イル)メタノール、またはその薬学的に許容される水和物である、実施形態がある。ブロモドメイン含有タンパク質の修飾物質が、(2−シクロプロピル−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−イル)(ピリジン−2−イル)(ピリミジン−5−イル)メタノール、またはその薬学的に許容される水和物である、実施形態もある。
【0142】
ブロモドメイン含有タンパク質の修飾物質が、(2−シクロプロピル−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−イル)(ピリジン−2−イル)(ピリミジン−2−イル)メタノール、またはその薬学的に許容される水和物である、実施形態もある。ブロモドメイン含有タンパク質の修飾物質が、(2−シクロプロピル−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−イル)ジ(ピリジン−3−イル)メタノール、またはその薬学的に許容される水和物である、実施形態もある。ブロモドメイン含有タンパク質の修飾物質が、(2−シクロプロピル−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−イル)(フェニル)(ピリジン−2−イル)メタノール、またはその薬学的に許容される水和物である、実施形態もある。ブロモドメイン含有タンパク質の修飾物質が、(2−シクロプロピル−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−イル)(フェニル)(ピリジン−3−イル)メタノール、またはその薬学的に許容される水和物である、実施形態もある。上記のブロメイン(bromain)ドメイン含有タンパク質の修飾物質である化合物は、US2014−0336190中で教示されるように、調製され得る。
【0143】
MMP9阻害剤
有用なMMP9阻害剤には、結合タンパク質、例えばマトリックスメタロプロテイナーゼ−9(MMP9)タンパク質(MMP9はゼラチナーゼ−Bとしても公知である)へ結合する抗体及びその抗原結合断片が含まれ、そこで、結合タンパク質は、U.S.2015−0140580(Smith et al.)ならびに米国特許第8,377,443号(McAuley et al.)、同第8,501,916号(McAuley et al.)及び同第9,120,863号(McAuley et al.)(その各々は参照することにより本明細書に援用される)中で開示される免疫グロブリン(Ig)重鎖(またはその機能的断片)及びIg軽鎖(またはその機能的断片)を含む。
【0144】
本開示の実践は、特別の指示のない限り、当業者の技能の範囲内にあるような、細胞生物学、毒物学、分子生物学、生化学、細胞培養、免疫学、腫瘍学、組換えDNAの分野、及び関連する分野において標準的な方法及び従来の技法を用いる。かかる技法は文献中で記載され、そのために当業者は利用可能である。例えばAlberts,B.et al.、「Molecular Biology of the Cell」、第5版、Garland Science、 New York、NY、2008年;Voet,D.et al.「Fundamentals of Biochemistry:Life
at the Molecular Level」、第3版、John Wiley & Sons、Hoboken、NJ、2008年;Sambrook,J.et al.、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、2001年;Ausubel,F.et al.、「Current Protocols in Molecular Biology」、John Wiley & Sons、New York、1987年及び定期的な改訂版;Freshney,R.I.、「Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique」、第4版、John Wiley & Sons、So
merset、NJ、2000年;ならびにシリーズ「Methods in Enzymology」、Academic Press、San Diego、CAを参照されたい。例えば「Current Protocols in Immunology」(R.Coico、シリーズ編集者)、Wiley(最終更新2010年8月)も参照されたい。
【0145】
本組み合わせは、結合タンパク質、例えばマトリックスメタロプロテイナーゼ−9(MMP9)タンパク質(MMP9はゼラチナーゼ−Bとしても公知である)へ結合する抗体及びその抗原結合断片を提供する。本開示の結合タンパク質は、一般的には、化合物A1の、薬学的有効量と共に、または薬学的有効量を含有する個別の用量単位と共に、本明細書における方法、レジメン、キット及び製造品において使用される、免疫グロブリン(Ig)重鎖(またはその機能的断片)及びIg軽鎖(またはその機能的断片)を含む。
【0146】
この組み合わせは、MMP9へ特異的に結合し、他のマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP1、MMP2、MMP3、MMP7、MMP9、MMP10、MMP12、MMP13等)に結合しない、MMP9結合タンパク質を含む。かかる特異的なMMP9結合タンパク質は、したがって一般的には、非MMP9マトリックスメタロプロテイナーゼと有意にまたは検出可能に交差反応性ではない。MMP9を特異的に結合するMMP9結合タンパク質は、MMP9の特異的な修飾(例えば阻害)を得ることが必要または所望される適用における使用が見出され、例えば他のマトリックスメタロプロテイナーゼの活性を直接的に影響することはない。
【0147】
本開示のある特定の実施形態において、抗MMP9抗体はMMP9の活性の阻害物質であり、MMP9の特異的な阻害物質であり得る。特に、本明細書において開示されるMMP9結合タンパク質は、他の関連するマトリックスメタロプロテイナーゼの正常な機能を可能にする一方で、MMP9の阻害に有用である。「MMPの阻害物質」または「MMP9活性の阻害物質」は抗体またはその抗原結合断片であり得、それは、MMP9の活性(酵素的なプロセシングが含まれるがこれらに限定されない)を直接的にまたは間接的に阻害し、基質に対するMMP9の作用を阻害する(例えば基質結合、基質切断、及び同種のものの阻害による)、などである。
【0148】
本組み合わせは、非マウスMMP9(ヒトMMP9、カニクイザルMMP9、及びラットMMP9)へ特異的に結合するMMP9結合タンパク質も含む。この組み合わせは、非競合的阻害物質として作用するMMP9結合タンパク質(例えば抗MMP9抗体及びその機能的断片)も含む。「非競合的阻害物質」は、酵素の基質結合部位から離れた部位で結合し、したがって、酵素がその基質へ結合されるかどうかにかかわらず、酵素を結合し阻害活性を達成することができる、阻害物質を指す。かかる非競合的阻害物質は、例えば基質濃度に実質的に非依存性であり得る阻害のレベルを提供することができる。
【0149】
本開示のMMP9結合タンパク質(例えば抗体及びその機能的断片)には、MMP9(特にヒトMMP9)を結合し、本明細書において開示される重鎖ポリペプチドへ少なくとも約80%、85%、90%、95%またはそれ以上のアミノ酸配列同一性を有する重鎖ポリペプチド(またはその機能的断片)を有するものが含まれる。本組み合わせ、方法、製造品及びキットのMMP9結合タンパク質(例えば抗体及びその機能的断片)には、MMP9(特にヒトMMP9)を結合し、本明細書において開示される重鎖ポリペプチドへ少なくとも約80%、85%、90%、95%またはそれ以上のアミノ酸配列同一性を有する軽ポリペプチド(またはその機能的断片)を有するものが含まれる。本開示のMMP9結合タンパク質(例えば抗体及びその機能的断片)にはMMP9(特にヒトMMP9)を結合するものが含まれ、それらは、本明細書において開示される時、重鎖ポリペプチドの相補性決定領域(「CDR」)を有する重鎖ポリペプチド(またはその機能的断片)及
び軽鎖ポリペプチド(またはその機能的断片)のCDRを有する。
【0150】
抗体及びその機能的断片を含むMMP9結合タンパク質。したがって、本開示は、例えば、本明細書において記載される重鎖可変領域のアミノ酸配列(例えば配列番号:1または5〜8)へ少なくとも80%、85%、90%、95%またはそれ以上のアミノ酸配列同一性を有する重鎖可変領域ポリペプチド、及び本明細書において説明されるような軽鎖ポリペプチド(例えば配列番号:2または9〜12)のアミノ酸配列へ少なくとも80%、85%、90%、95%またはそれ以上のアミノ酸配列同一性を有する可変軽鎖ポリペプチドを含む抗体(またはその抗原結合断片)を含む、実施形態を提供する。
【0151】
2つの核酸の間の配列同一性は、ストリンジェントな条件下の2つの分子の互いのハイブリダイゼーションの面からも記載することができる。ハイブリダイゼーション条件は当技術分野における標準的な方法に従って選択される(例えばSambrook,et al.、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、(1989)Cold Spring Harbor、N.Y.を参照)。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は、50℃またはより高温及び0.1×SSC(15mMの塩化ナトリウム/1.5mMのクエン酸ナトリウム)でのハイブリダイゼーションである。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の別の例は、42℃の溶液(50%のホルムアミド、5×SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×Denhardt溶液、10%のデキストラン硫酸塩、20mg/mlの変性剪断化サケ精子DNA)中での一晩のインキュベーション、続いて約65℃の0.1×SSC中でフィルターを洗浄する。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件とは、上記の代表的な条件と少なくとも同じくらいストリンジェントなハイブリダイゼーション条件であり、そこでは、条件は、それらが、上記の具体的なストリンジェントな条件と少なくとも約80%程度ストリンジェント、典型的には少なくとも90%程度ストリンジェントであるならば、少なくともストリンジェントであると判断される。本開示の抗MMP9抗体の例は、以下でより詳細に記載される。
【0152】
抗MMP9抗体は、重鎖及び軽鎖のCDRに関して記載され得る。いくつかの実施形態において、抗体はヒト化抗体またはヒト抗体である。ヒト化抗体は、所望される特異性、親和性及び能力を有する、マウス、ラットまたはウサギ等の非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基によって、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が置き換えられた、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)が含まれる。したがって、非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有するキメラ免疫グロブリンである。非ヒト配列は、主として可変領域中に、特に相補性決定領域(CDR)中に所在する。いくつかの実施形態において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。ヒト化抗体は、レシピエント抗体中でもインポートされたCDRまたはフレームワーク配列中でも見出されない残基も含むことができる。ある特定の実施形態において、ヒト化抗体は、少なくとも1つ(典型的には2つ)の可変ドメインの実質的にすべてを含み、そこで、CDRのすべてまたは実質的にすべては非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、フレームワーク領域のすべてまたは実質的にすべてはヒト免疫グロブリン共通配列のものである。本開示の目的のために、ヒト化抗体には、免疫グロブリン断片(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)
2または抗体の他の抗原結合サブ配列等)が含まれ得る。
【0153】
ヒト化抗体は、少なくとも免疫グロブリン定常領域の一部(Fc)(典型的にはヒト免疫グロブリンのもの)も含むことができる。例えばJones et al.(1986)Nature 321:522−525;Riechmann et al.(1988)Nature 332:323−329;及びPresta(1992)Curr.
Op.Struct.Biol.2:593−596を参照されたい。
【0154】
非ヒト抗体をヒト化する方法は当技術分野において公知である。一般的には、ヒト化抗体は、非ヒト源からその中へ導入された1つまたは複数のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、多くの場合、典型的には「インポート」可変ドメインまたは「ドナー」可変ドメインから得られる、「インポート」残基または「ドナー」残基として参照される。例えば、ヒト化は、ヒト抗体の対応する配列の代わりに齧歯類のCDRまたはCDR配列で置き換えることによって、Winter及び共同研究者の方法に本質的に従って遂行することができる。例えばJones et al.、前掲;Riechmann et al.、前掲及びVerhoeyen et al.(1988)Science 239:1534−1536を参照されたい。したがって、かかる「ヒト化」抗体には、インタクトなヒト可変ドメインよりも実質的に少ないものが非ヒト種からの対応する配列によって置換された、キメラ抗体(米国特許第4,816,567号)が含まれる。ある特定の実施形態において、ヒト化抗体はヒト抗体であり、そこで、いくつかのCDR残基及び随意にいくつかのフレームワーク領域残基が、齧歯類抗体(例えばマウスモノクローナル抗体)中の類似した部位からの残基によって置換される。
【0155】
ヒト抗体は、例えばファージディスプレイライブラリーの使用によっても産生され得る。Hoogenboom et al.(1991)J.Mol.Biol,227:381;Marks et al.(1991)J.Mol.Biol.222:581。ヒトモノクローナル抗体を調製する他の方法は、Cole et al.(1985)「Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy」、Alan R.Liss、p.77及びBoerner et al.(1991)J.Immunol.147:86−95によって記載される。
【0156】
ヒト抗体は、内在性免疫グロブリン遺伝子が部分的にまたは完全に不活性化された遺伝子導入動物(例えばマウス)の中へヒト免疫グロブリン遺伝子座を導入することによって作製され得る。免疫学的攻撃に際して、ヒト抗体産生が観察され、それは遺伝子再構成、アセンブリー及び抗体レパートリーが含まれるすべての点において、ヒトで観察されるものに非常によく類似する。このアプローチは、例えば米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,661,016号、ならびに以下の科学的な出版物:Marks et al.(1992)Bio/Technology 10:779−783(1992);Lonberg et al.(1994)Nature 368:856−859;Morrison(1994)Nature 368:812−813;Fishwald et al.(1996)Nature Biotechnology 14:845−851;Neuberger(1996)Nature Biotechnology 14:826;及びLonberg et al.(1995)Intern.Rev.Immunol.13:65−93中で記載される。
【0157】
公知の選択方法及び/または突然変異誘発方法を上記のように使用して、抗体は親和性成熟させることができる。いくつかの実施形態において、親和性成熟抗体は、成熟抗体が調製される開始抗体(一般的にはマウス、ウサギ、ニワトリ、ヒト化、またはヒト)のものよりも5倍以上、10倍以上、20倍以上、30倍以上の親和性を有する。
【0158】
抗体は二重特異性抗体でもあり得る。二重特異性抗体はモノクローナルであり、少なくとも2つの異なる抗原についての結合特異性を有するヒト抗体またはヒト化抗体であり得る。この事例において、2つの異なる結合特異性は、2つの異なるMMPまたは単一のMMP(例えばMMP9)上の2つの異なるエピトープへ向けられ得る。
【0159】
抗体は、本明細書において開示される時、免疫コンジュゲートでもあり得る。かかる免疫コンジュゲートは、第2の分子(レポーター等)へコンジュゲートされた抗体(例えばMMP9に対する)を含む。免疫コンジュゲートは、細胞毒性剤(化学療法剤等)、毒素(例えば細菌、真菌、植物もしくは動物起源の酵素的に活性のある毒素、またはその断片)、または放射性同位体(すなわち放射性コンジュゲート)へコンジュゲートされた抗体も含み得る。
【0160】
特定のポリペプチド、もしくは特定のポリペプチド上のエピトープへ「特異的に結合する」抗体、またはそれらに「特異的である」抗体は、他のポリペプチドまたはポリペプチドエピトープへ実質的に結合せずに、特定のそのポリペプチドまたはエピトープへ結合するものである。いくつかの実施形態において、本開示の抗体は、モノクローナル抗体、scFv、Fabの形態、または抗体の他の形態において、約4℃、25℃、37℃または42℃の温度で測定されて、100nM以下、随意で10nM未満、随意で1nM未満、随意で0.5nM未満、随意で0.1nM未満、随意で0.01nM未満、または随意で0.005nM未満の解離定数(k
d)で、ヒトMMP9へ特異的に結合する
【0161】
ある特定の実施形態において、本開示の抗体の使用は、MMP9中の1つまたは複数のプロセッシング部位(例えばタンパク質分解性切断の部位)へ結合し、それによってプロ酵素またはプレプロ酵素が触媒的に活性のある酵素へプロセシングされることを実質的にブロッキングし、したがってMMP9のタンパク質分解性活性を低減させる。ある特定の実施形態において、本開示に記載の抗体の使用は、別のMMPについての結合親和性よりも、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、または少なくとも1000倍高い親和性で、MMP9へ結合する。結合親和性は当技術分野において公知の任意の方法によって測定され得、例えばオンレート、オフレート、解離定数(k
d)、平衡定数(K
eq)または当技術分野における任意の用語として表現され得る。
【0162】
ある特定の実施形態において、本開示に記載の抗体の使用は、MMP9の触媒活性の非競合的阻害物質である。ある特定の実施形態において、本開示に記載の抗体は、MMP9の触媒ドメイン内に結合する。追加の実施形態において、本開示に記載の抗体は、MMP9の触媒ドメインの外側に結合する。
【0163】
本開示は、本明細書において記載される抗MMP9抗体またはその抗原結合断片とMMP9への結合について競合する、抗体またはその抗原結合断片の、本明細書における方法、レジメン、キット及び製造品における使用も企図する。したがって、本開示は、例えば配列番号:1もしくは5〜8のうちの任意の重鎖ポリペプチド、配列番号:2もしくは9〜12の軽鎖ポリペプチド、またはその組み合わせを有する抗体と結合について競合する、抗MMP9抗体及びその機能的断片の使用を企図する。一実施形態において、抗MMP9抗体は、その機能的断片について、AB0041として本明細書において記載される抗体とヒトMMP9への結合について競合する。
【0164】
MMP9配列
ヒトMMP9タンパク質のアミノ酸配列は、以下の通りである。
【化26】
【0165】
タンパク質ドメインは
図3中で概略的に示され、以下に示される。
アミノ酸番号 特色
1〜19 シグナルペプチド
38〜98 ペプチドグリカン結合ドメイン
R98/C99 プロペプチド切断部位(切断酵素に依存する)
112〜445 Zn依存性メタロプロテイナーゼドメイン
223〜271 フィブロネクチンタイプIIドメイン(ゼラチン結合ドメイン)
281〜329 フィブロネクチンタイプIIドメイン(ゼラチン結合ドメイン)
340〜388 フィブロネクチンタイプIIドメイン(ゼラチン結合ドメイン)
400〜411 Zn結合領域
521〜565 ヘモペキシン様ドメイン
567〜608 ヘモペキシン様ドメイン
613〜659 ヘモペキシン様ドメイン
661〜704 ヘモペキシン様ドメイン
【0166】
成熟全長ヒトMMP9のアミノ酸配列(それはシグナルペプチドなしの配列番号:27のプロポリペプチドのアミノ酸配列である)は、以下のとおりである。
【化27】
【0167】
シグナルペプチドのアミノ酸配列は、MSLWQPLVLV LLVLGCCFAA(配列番号:29)である。
【0168】
本開示は、特に対象となる他のMMPに比べてMMP9を優先的に結合するMMP9結合タンパク質とMMP9(例えばヒトMMP9)の任意の部分を結合する、MMP9結合タンパク質の使用を企図する。抗MMP9抗体及びその機能的断片は、当技術分野における周知の方法に従って生成され得る。抗MMP9抗体の例は以下に提供される。
【0169】
マウスモノクローナル抗MMP9
実施例2中で記載されるように、ヒトMMP9に対するマウスモノクローナル抗体が得られた。この抗体は、マウスIgG2b重鎖及びマウスκ軽鎖を含有し、AB0041と表示される。
【0170】
AB0041重鎖のアミノ酸配列は以下の通りである。
【化28】
【0171】
シグナル配列は下線が引かれ、IgG2b定常領域の配列はイタリック体で示される。
【0172】
AB0041軽鎖のアミノ酸配列は以下の通りである。
【化29】
【0173】
シグナル配列は下線が引かれ、κ定常領域の配列はイタリック体で示される。
【0174】
以下のアミノ酸配列は、AB0041のIgG2b重鎖の可変領域のフレームワーク領域及び相補性決定領域(CDR)を含む(CDRに下線が引かれる)。
【化30】
【0175】
以下のアミノ酸配列は、AB0041のκ軽鎖の可変領域のフレームワーク領域及び相補性決定領域(CDR)を含む(CDRに下線が引かれる)。
【化31】
【0176】
重鎖バリアント
米国特許第8,377,443号(McAuley et al.)、同第8,501,916号(McAuley et al.)、及び同第9,120,863号(McAuley et al.)中で指摘されるように、AB0041の重鎖及び軽鎖の可変領域のアミノ酸配列は、重鎖及び軽鎖の可変領域中のフレームワーク領域配列の改変によって、個別に修飾された。これらの配列変更の効果は、ヒトT細胞エピトープの抗体を枯渇させ、その結果としてヒトにおける免疫原性を低減または消失させることである(Antitope、Babraham、英国)。
【0177】
4つの重鎖バリアントが、ヒンジドメインを安定化するS241Pアミノ酸変化を含有するヒトIgG4重鎖バックグラウンド中で構築され(Angal et al.(1993)Molec.Immunol.30:105−108)、VH1、VH2、VH3及びVH4と表示される。それらのフレームワーク領域及びCDRのアミノ酸配列は、以下の通りである。
【化32】
【0178】
軽鎖バリアント
4つの軽鎖バリアントが、ヒトκ鎖バックグラウンド中で構築され、Vk1、Vk2、Vk3及びVk4と表示される。それらのフレームワーク領域及びCDRのアミノ酸配列は、以下の通りである。
【化33】
【0179】
ヒト化された重鎖及び軽鎖はすべてのペアの組み合わせで組み合わせられて、多くの機能的なヒト化抗MMP9抗体を生成する。
【0180】
本明細書において開示される重鎖可変領域配列への75%以上、80%以上、90%以上、95%以上、または99%以上の相同性を有する追加の重鎖可変領域アミノ酸配列も、提供される。さらに、本明細書において開示される軽鎖可変領域配列への75%以上、80%以上、90%以上、95%以上、または99%以上の相同性を有する追加の軽鎖可変領域アミノ酸配列も、提供される。
【0181】
本明細書において開示される重鎖可変領域配列への75%以上、80%以上、90%以上、95%以上、または99%以上の配列同一性を有する追加の重鎖可変領域アミノ酸配列も、提供される。さらに、本明細書において開示される軽鎖可変領域配列への75%以上、80%以上、90%以上、95%以上、または99%以上の配列同一性を有する追加の軽鎖可変領域アミノ酸配列も、提供される。
【0182】
相補性決定領域(CDR)
抗MMP9抗体の重鎖のCDRは、本明細書において開示される時、以下のアミノ酸配列を有する。
CDR1:GFSLLSYGVH(配列番号:13)
CDR2:VIWTGGTTNYNSALMS(配列番号:14)
CDR3:YYYGMDY(配列番号:15)
【0183】
抗MMP9抗体の軽鎖のCDRは、本明細書において開示される時、以下のアミノ酸配列を有する。
CDR1:KASQDVRNTVA(配列番号:16)
CDR2:SSSYRNT(配列番号:17)
CDR3:QQHYITPYT(配列番号:18)
【0184】
抗MMP9抗体をコードする核酸
本開示は、抗MMP9抗体及びその機能的断片をコードする核酸の本明細書における方法、レジメン及びキット及び製造品における使用を提供する。したがって、本開示は、本明細書において記載されるような抗体または抗原結合断片をコードする単離されたポリヌクレオチド(核酸)、かかるポリヌクレオチドを含有するベクター、ならびにかかるポリヌクレオチドをポリペプチドへと転写及び翻訳するための宿主細胞及び発現系を提供する。本開示は、上記のような少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む、プラスミド、ベクター、転写または発現カセットの形態におけるコンストラクトの使用も企図する。
【0185】
本開示は、上記のように1つまたは複数のコンストラクトを含む組換え宿主細胞の使用に加えて、本明細書において記載される抗体またはその抗原結合断片の産生の方法も提供し、その方法は、組換え宿主細胞において、重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドをコードする核酸の発現を含む(同じまたは異なる宿主細胞において、及び同じまたは異なるコンストラクトから)。発現は、核酸を含有する組換え宿主細胞を適切な条件下で培養することによって達成することができる。発現による産生に後続して、抗体または抗原結合断片は任意の好適な技法を使用して単離及び/または精製され、次いで必要に応じて使用され得る。
【0186】
様々な異なる宿主細胞中のポリペプチドのクローニング及び発現のための系は周知である。好適な宿主細胞には、細菌、哺乳類細胞、酵母、及びバキュロウイルスの系が含まれる。異種ポリペプチドの発現のために当技術分野において利用可能な哺乳類細胞株には、チャイニーズハムスター卵巣細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓細胞、NSOマウス黒色腫細胞、及び他に多くのものが含まれる。一般的な細菌宿主はE.coliである。
【0187】
好適なベクターは、適切な調節配列(作動可能に連結されたプロモーター配列、ターミネーター配列、ポリアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子、及び/または必要に応じて他の配列が含まれる)を含有して、選択または構築され得る。ベクターは、必要に応じて、プラスミド、ウイルス、例えばファージまたはファージミドであり得る。詳細については、例えばMolecular Cloning:a Laboratory Manual:第2版、Sambrook et al.、1989年、Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照されたい。核酸の操作のための多くの公知の技法及びプロトコル(例えば、核酸コンストラクトの調製における、突然変異誘発、シーケンシング、細胞の中へのDNAの導入及び遺伝子発現、ならびにタンパク質の分析)は、Short Protocols in Molecular Biology、第2版、Ausubel et al.編、John Wiley & Sons、1992年中で詳述される。Sambrook et al.及びAusubel et al.の開示は、それらの全体の参照により本明細書に援用される。
【0188】
対象となるポリペプチドをコードする核酸は、宿主細胞のゲノムの中へ組み込まれるか、または安定的もしくは一時的なエピソームエレメントとして維持され得る。様々な発現制御配列(それへ作動可能に連結されたDNA配列の発現を制御する配列)のうちの任意のものをこれらのベクター中で使用して、DNA配列を発現させることができる。例えば、対象となるポリペプチドをコードする核酸は、プロモーターへ作動可能に連結され、組換えMMP9タンパク質またはその部分の産生の方法における使用のための発現コンストラクト中で提供され得る。当業者は、分子生物学における標準的な知識及び手順を使用して、本明細書において開示される抗体鎖をコードする核酸を合成できることを承知する。
【0189】
本明細書において開示される重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列の例は、以下の通りである。
【化34-1】
【化34-2】
【化34-3】
【0190】
抗体の構造(可変領域中のCDR及びフレームワーク領域の並置、フレームワーク領域の構造、ならびに重鎖及び軽鎖の定常領域の構造が含まれる)が、当技術分野において周知であるので;抗MMP−9抗体をコードする関連核酸を得ることは、当業者の技能の範囲内である。したがって、本明細書において開示されるヌクレオチド配列のうちの任意のものへの少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、及び少なくとも99%の相同性を有する核酸配列を含むポリヌクレオチドが、提供される。したがって、本明細書において開示されるヌクレオチド配列のうちの任意のものへの少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、及び少なくとも99%の同一性を有する核酸配列を含むポリヌクレオチドが、提供される。
【0191】
MMP9結合タンパク質に加えて、MMP9結合タンパク質をコードする核酸(例えばDNAまたはRNA)は、例えば薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせた医薬組成物として提供され得る。かかる医薬組成物は、例えば、インビボまたはエクスビボでの被験体への投与に、及びMMP9結合タンパク質による被験体の治療及び/または診断に有用である。
【0192】
薬学的に許容される担体は、投与された患者に生理学的に許容されて、投与される抗体またはペプチドの治療特性を保持する。薬学的に許容される担体及びそれらの製剤は、一般的には、例えばRemington’pharmaceutical Sciences(第18版、A.Gennaro編、Mack Publishing Co.、Easton、PA、1990年)中で記載される。1つの例示的な薬学的担体は生理的塩類液である。各々の担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者へ実質的に有害でないという意味において「薬学的に許容される」。
【0193】
医薬組成物は、全身的または局部的な特定の投与経路と適合性のあるように製剤化され得る。したがって、医薬組成物は、様々な経路による投与に好適な担体、希釈液、または賦形剤を含む。
【0194】
医薬組成物は、薬学的に許容される添加物を含み得る。添加物の例には、糖(マンニトール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、トレハロース、ソルボース、スクロース、ガラクトース、デキストラン、デキストロース、フルクトース、ラクトース、及びその混合物等)が含まれるがこれらに限定されない。薬学的に許容される添加物は、薬学的に許容される担体及び/または賦形剤(デキストロース等)と組み合わせられ得る。添加物には、界面活性剤(ポリソルベート20またはポリソルベート80等)も含まれる。
【0195】
製剤及び送達方法は、一般的には、治療される部位及び疾患に従って適合されるだろう。例示的な製剤には、非経口投与(例えば静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、皮下投与)に好適なものが含まれるがこれらに限定されない。
【0196】
非経口送達のための医薬組成物は、例えば、水、食塩水、リン酸緩衝食塩水、ハンクス溶液、リンガー溶液、デキストロース/食塩水、及びグルコース溶液を含む。製剤は、生理学的条件に近似させるように補助物質(バッファー剤、等張性調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び同種のもの等)を含有することができる。添加物には、追加の活性成分(殺菌剤または安定剤等)も含まれ得る。例えば、溶液は、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、モノラウリン酸ソルビタン、またはオレイン酸トリエタノールアミンを含有することができる。追加の非経口製剤及び方法は、Bai(1997)J.Neuroimmunol.80:65 75;Warren(1997)J.Neurol.Sci.152:31 38;及びTonegawa(1997)J.Exp.Med.186:507 515中で記載される。非経口調製物は、ガラスまたはプラスチックから作製された、アンプル、ディスポーザブルシリンジまたは複数用量バイアル中に封入され得る。
【0197】
皮内投与または皮下投与のための医薬組成物は、滅菌希釈液(水、塩類溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶媒等);抗菌薬剤(ベンジルアルコールまたはメチルパラベン等);抗酸化剤(アスコルビン酸、グルタチオンまたは亜硫酸ナトリウム等);キレート剤(エチレンジアミン四酢酸等);緩衝液(酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩等)、及び等張性の調整のための薬剤(塩化ナトリウムまたはデキストロース等)を含み得る。
【0198】
注射のための医薬組成物は、滅菌注射可能な溶液もしくは分散物の即時調製のための水溶液(水溶性である場合)または分散物及び滅菌粉末を包含する。静脈内投与のために、好適な担体には、生理的塩類液、静菌水、クレモフォールELTM(BASF、Parsippany、N.J.)、またはリン酸緩衝食塩水(PBS)が含まれる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール及び同種のもの)、及び好適なその混合物を含有する、溶媒または分散媒であり得る。流動性は、例えばコーティング(レシチン等)の使用によって、分散物の事例では要求される粒子サイズの維持によって、及び界面活性剤の使用によって、維持することができる。抗菌剤及び抗真菌剤には、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸及びチメロサールが含まれる。等張剤、例えば糖、ポリアルコール(マンニトール、ソルビトール等)、及び塩化ナトリウムは、組成物中に含まれ得る。もたらされた溶液は、使用のためにそのままパッケージングまたは凍結乾燥され得る。凍結乾燥された調製物は、投与の前に滅菌溶液と後に組み合わせられ得る。
【0199】
薬学的に許容される担体は、吸収またはクリアランスを安定化、増加または遅延させる化合物を含有することができる。かかる化合物には、例えば炭水化物(グルコース、スクロースまたはデキストラン等);低分子量タンパク質;ペプチドのクリアランスもしくは加水分解を低減させる組成物;または賦形剤もしくは他の安定剤及び/もしくはバッファーが含まれる。吸収遅延剤には、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンが含まれる。界面活性剤を使用して、医薬組成物(リポソーム型担体が含まれる)の吸収を安定化または増加もしくは減少させることができる。消化から保護するために、化合物は酸加水分解及び酵素加水分解に耐性のあるようにする組成物と複合体化され得るか、または化合物は適切に耐性のある担体(リポソーム等)中で複合体化され得る。化合物を消化から保護する手段は当技術分野において公知である(例えば治療剤の経口送達のための脂質組成を記載する、Fix(1996)Pharm Res.13:1760 1764;Samanen(1996)J.Pharm.Pharmacol.48:119 13
5;及び米国特許第5,391,377号を参照)。
【0200】
本発明の組成物は、本明細書において提供されるような他の治療部分または画像化/診断部分と組み合わせられ得る。治療部分及び/または画像化部分は、分離した組成物として、またはMMP9結合タンパク質上に存在するコンジュゲート部分として、提供され得る。
【0201】
インビボの投与のための製剤は一般的には滅菌されている。一実施形態において、医薬組成物は、発熱性物質を不含有であるように製剤化され、その結果、それらはヒト患者への投与に許容される。
【0202】
様々な他の医薬組成ならびにそれらの調製及び使用のための技法は、本開示を考慮して当業者に公知であろう。好適な薬理学的組成物及び関連する管理技法の詳細なリストについては本明細書における詳細な教示を参照することができ、それは教科書(Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版(Lippincott,Williams & Wilkins、2003年)等)によってさらに補足され得る。
【0203】
医薬組成物は、治療を必要とする患者/被験体の身体的特徴、投与経路、及び同種のものに基づいて、製剤化され得る。かかるものは、病院及びクリニックへの配布のための適切な標識と共に好適な医薬用パッケージ中にパッケージングすることができ、そこで、標識は、被験体における本明細書において記載されるような障害を治療するための指示のためのものである。医薬品は単一単位または複数単位としてパッケージングされ得る。本発明の医薬組成物の投薬量及び投与のための説明書は、下記の医薬用パッケージ及びキットに含まれ得る。
【0204】
使用及び治療の方法
本明細書において開示される方法は、1つまたは複数の阻害物質と組み合わせて治療有効量のBTK阻害物質をヒトへ投与することを含む、それを必要とするヒトにおける癌を治療するために使用され得る。例えば、1つまたは複数の阻害物質は、本明細書において記載されるような、治療有効量のJAK阻害物質、ASK1阻害物質、BET阻害物質及びMMP9阻害物質であり得る。
【0205】
本明細書において記載される使用または治療の方法は、1つまたは複数の阻害物質及び別の医薬剤または治療剤と組み合わせて、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を含み得る。本明細書において記載される方法の各々において、各々の阻害物質及び各々の医薬剤の薬学的有効量が使用される。
【0206】
疾患
いくつかの態様において、疾患または病態は、自己免疫性疾患、炎症性疾患、神経変性疾患、心臓血管障害、腎機能異常、ウイルス感染、及び肥満から選択される。いくつかの態様において、疾患または病態は、慢性関節リウマチ、骨関節炎、アテローム性動脈硬化症、乾癬、全身性紅斑性狼瘡、多発性硬化症、炎症性大腸疾患、喘息、慢性閉塞性気道疾患、肺炎、皮膚炎、脱毛症、腎炎、血管炎、アテローム性動脈硬化症、アルツハイマー病、肝炎、原発性胆汁性肝硬変症、硬化性胆管炎、糖尿病(I型糖尿病が含まれる)、及び移植器官の急性拒絶から選択される。いくつかの態様において、疾患または病態は、癌(血液癌、リンパ腫、多発性骨髄腫、白血病、新生物、癌または腫瘍(例えば固形腫瘍)が含まれる)である。
【0207】
いくつかの実施形態において、癌は、癌腫、肉腫、黒色腫、リンパ腫または白血病であ
る。他の実施形態において、癌は血液系悪性腫瘍である。いくつかの実施形態において、癌は、白血病(例えば慢性リンパ球性白血病)、リンパ腫(例えば非ホジキンリンパ腫)、または多発性骨髄腫である。他の実施形態において、癌は固形腫瘍である。
【0208】
いくつかのバリエーションにおいて、癌は、小リンパ球性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)、難治性iNHL、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫(±有毛リンパ球)、節性辺縁帯リンパ腫(±単球様B細胞)、粘膜関連リンパ組織型節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、節外性T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、菌状息肉症、B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、小型非切れ込み核細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、急性リンパ性白血病、T細胞急性リンパ芽球性白血病、B細胞急性リンパ芽球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、急性骨髄白血病、慢性リンパ球性白血病、若年性骨髄単球性白血病、微小残存病変、有毛細胞白血病、原発性骨髄線維症、続発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、またはワルデストレーム(Waldestrom)マクログロブリン血症である。
【0209】
他のバリエーションにおいて、癌は、膵臓癌、泌尿器癌、膀胱癌、結腸直腸癌、結腸癌、乳癌、前立腺癌、腎癌、肝細胞癌、甲状腺癌、胆嚢癌、肺癌(例えば非小細胞肺癌、小細胞肺癌)、卵巣癌、子宮頸癌、胃癌、子宮内膜癌、食道癌、頭頸部癌、黒色腫、神経内分泌癌、CNS癌、脳腫瘍(例えば神経膠腫、退形成性乏突起神経膠腫、成人多形神経膠芽腫,及び成人退形成性星細胞腫)、骨癌、軟部組織肉腫、網膜芽細胞腫、神経芽細胞腫、腹水、悪性胸膜滲出、中皮腫、ウィルムス腫瘍、栄養膜新生物、血管周囲細胞腫、カポジ肉腫、粘液様腫(myxoid carcinoma)、円形細胞癌、扁平上皮細胞癌、食道扁平上皮癌、口腔癌、副腎皮質癌、またはACTH産生腫瘍である。
【0210】
いくつかの実施形態において、癌(例えば血液系悪性腫瘍)と関連する1つまたは複数の症状を示すヒトを治療する方法が本明細書において提供される。いくつかの実施形態において、ヒトは癌の初期である。他の実施形態において、ヒトは癌の進行期である。
【0211】
いくつかの実施形態において、癌(例えば血液系悪性腫瘍)の治療のための1つまたは複数の標準療法(化学療法、放射線療法、免疫療法及び/または外科手術等)を受けているヒトを治療する方法が本明細書において提供される。したがって、いくつかの先の実施形態において、本明細書において記載されるようなBTK阻害物質及び1つまたは複数の阻害物質の組み合わせは、化学療法、放射線療法、免疫療法及び/または外科手術の投与の前、その間またはその後に投与され得る。例えば、1つまたは複数の阻害物質は、本明細書において記載されるようなJAK阻害物質、ASK1阻害物質、BETの阻害物質及びMMP9阻害物質であり得る。いくつかの実施形態において、化合物A1は、JAK阻害物質(化合物B1及び化合物B2等)と組み合わせて使用され得る。他の実施形態において、化合物A1は、BRD阻害物質((2−シクロプロピル−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−イル)ジ(ピリジン−2−イル)メタノール等)と組み合わせて使用され得る。
【0212】
別の態様において、(i)少なくとも1つの化学療法による治療へ不応性である、または(ii)化学療法による治療後に再発している、または(i)及び(ii)の両方である、ヒトに感受性を与える方法が提供され、そこで、この方法は、本明細書において記載されるような1つまたは複数の阻害物質と組み合わせたBTK阻害物質をヒトへ投与することを含む。感受性を与えられるヒトは、本明細書において記載されるような1つもしく
は複数の阻害物質と組み合わせたBTK阻害物質の投与を包含する治療へ応答性であるか、またはかかる治療に対する耐性を発達させていないヒトである。例えば、1つまたは複数の阻害物質は、本明細書において記載されるようなJAK阻害物質、ASK1阻害物質、BETの阻害物質及び/またはMMP9阻害物質であり得る。
【0213】
慢性リンパ球性白血病についてヒトが受け得る従来の治療には、以下のレジメンが含まれる。
フルダラビン(Fludara(登録商標));
リツキシマブ(Rituxan(登録商標));
フルダラビンと組み合わせたリツキシマブ(Rituxan(登録商標))(時々FRとして短縮される);
フルダラビンと組み合わせたシクロホスファミド(Cytoxan(登録商標));
リツキシマブ及びフルダラビンと組み合わせたシクロホスファミド(時々FCRとして短縮される);
ビンクリスチン及びプレドニゾンと組み合わせたシクロホスファミド(時々CVPとして短縮される);
ビンクリスチン、プレドニゾン及びリツキシマブと組み合わせたシクロホスファミド;
シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン(オンコビン)及びプレドニゾンの組み合わせ(時々CHOPと称される);
プレドニゾン、リツキシマブ、オビヌツズマブまたはオファツムマブと組み合わせたクロラムブシル
シクロホスファミド及びリツキシマブと組み合わせたペントスタチン(時々PCRとして短縮される);
リツキシマブと組み合わせたベンダムスチン(Treanda(登録商標))(時々BRとして短縮される);
アレムツズマブ(Campath(登録商標));
フルダラビン+シクロホスファミド、ベンダムスチンまたはクロラムブシル;及び
抗CD20抗体(リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、ルミルキシマブ(lumiluximab)またはオビヌツズマブ等)と組み合わせた、フルダラビン+シクロホスファミド、ベンダムスチンまたはクロラムブシル。
【0214】
別の態様において、併存症のあるヒトの癌を治療するための方法が本明細書において提供され、そこで、この治療は併存症の治療にも効果的である。癌への「併存症」は癌と同時に起こる疾患である。
【0215】
本明細書において記載されるような1つまたは複数の阻害物質と化合物A1の本明細書における組み合わせができるように、BTK阻害物質、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物は、アレルギー性障害、自己免疫性障害及び炎症性障害の治療において有用な公知の薬剤及びレジメンと組み合わせられ得る。加えて、化合物A1と組み合わせられ得るものには、腫瘍壊死因子阻害物質(TNFi)(インフリキシマブ(REMICADE(登録商標)マーク下で販売される)、エタネルセプト(ENBREL(登録商標))、セルトリズマブ・ペゴル(CIMZIA(登録商標))、ゴリムマブ(SIMPONI(登録商標))、アダリムマブ(HUMIRA(登録商標))、及びオゾアリズマブ(ozoalizumab)等)が含まれる。
【0216】
治療有効量
いくつかのバリエーションにおいて、治療有効量は、かかる治療を必要とする被験体(例えばヒト)へ投与された場合に、以下で定義されるような治療を達成するのに十分な量を指す。治療有効量は、治療されている被験体及び疾患の状態、被験体の体重及び年齢、疾患状態の重症度、投与の様式、ならびに同種のものに依存して、変動し、それは当業者
によって容易に決定され得る。例えば、1つのバリエーションにおいて、化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物の治療有効量は、BTK発現を修飾し、それによって兆候に苦しむヒトを治療するかまたは既存の兆候の症状を回復もしくは緩和するのに十分な量である。
【0217】
別のバリエーションにおいて、BTK阻害物質(化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物等)の治療有効量は、BTK活性の阻害へ応答性の疾患または病態の症状を減少させるのに十分な量であり得る。
【0218】
本明細書において記載される化合物、阻害物質、または治療剤は、当技術分野において公知の任意の好適な方法を使用して投与され得る。例えば、化合物は、頬側に、眼に、経口で、浸透圧により、非経口的に(筋肉内に、腹腔内に、胸骨内に、静脈内に、皮下に)、経直腸的に、局所的に、経皮的に、または経膣的に投与され得る。ある特定の実施形態において、Btk阻害物質は経口で投与される。一実施形態において、Btk阻害物質は化合物A1またはその塩酸塩であり、それは用量20mg、40mg、80mgまたは150mgでそれを必要とする被験体へ1日1回経口で投与される。いくつかの実施形態において、Btk阻害物質は化合物A1またはその塩酸塩であり、それは用量20mg、40mgまたは75mgで被験体へ1日2回経口で投与される。1つのバリエーションにおいて、BTK阻害物質の治療有効量は、10%の血清によるアポトーシスアッセイランにおいて使用される1nmol〜10,000nmolのBTK阻害物質に対応する用量であり、それは500nmol〜2500nmolのBTK阻害物質の血漿濃度に近似的に関連する。1つのバリエーションにおいて、1つまたは複数の阻害物質の治療有効量は、10%の血清によるアポトーシスアッセイランにおいて使用される1nmol〜200nmolの1つまたは複数の阻害物質に対応する用量である。本明細書において記載される1つまたは複数の阻害物質と組み合わせた場合の、具体的な例には、3nM、5nM、10nM、20nM及び30nMの濃度が含まれる。
【0219】
本明細書において記載される阻害物質の治療有効量は、当技術分野において公知のアッセイ(例えばアポトーシスアッセイが含まれる)から得られるデータに基づいても決定され得る。1つのバリエーションにおいて、ヒトにおけるBTK阻害物質の治療有効量は、約1mg〜約200mgの用量である。別の実施形態において、ヒトにおけるBTKは、約10mg〜約200mgの用量で投与される。別の実施形態において、ヒトにおけるBTKは、約20mg〜約160mgの用量で投与される。他の分離した実施形態において、BTK阻害物質は、a)約10mg〜約100mg、b)約50mg〜約175mg、c)約20mg〜約150mg、d)約75mg〜約100mg、及びe)約100mg〜約200mgの用量でヒトへ投与される。それを必要とするヒトへ投与され得るBTK阻害物質の個別の用量には、1mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、901mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、及び200mgの個別の用量が含まれる。BTK阻害物質の用量は医学専門家によって決定されるように投与され、1日1回で投与されるか、または1日2回、1日3回、もしくは1日4回送達され得る。
【0220】
別のバリエーションにおいて、BTK阻害物質(化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物等)は、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約90%、約95%、または約99%のBTK標的阻害をもたらす用量でヒトへ投与される。別のバリエーションにおいて、1つまたは複数の阻害物質(JAK阻害物質、ASK阻害物質、BRD阻害物質及びMMP9阻害物質等)は、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約90%、約95%、または約99%の標的阻害をもたらす用量でヒトへ投与される。
【0221】
いくつかのバリエーションにおいて、BTK阻害物質(化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物等)は、40mg〜1200mgの間、40mg〜800mgの間、40mg〜600mgの間、40mg〜40mgの間、約100mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、または約800mgの用量でヒトへ投与される。いくつかのバリエーションにおいて、JAK阻害物質(化合物B1、化合物B2、化合物B3もしくは化合物B4またはその薬学的に許容される塩等)は、20〜600mgの間、20〜400mgの間、20〜200mgの間、約20mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、または約800mgの用量でヒトへ投与される。いくつかの実施形態において、JAK阻害物質はモメロチニブ(化合物B1)またはその塩酸塩であり、50mg、100mg、200mg、または400mgの用量で経口で投与される。ある特定の実施形態において、JAK阻害物質はフィルゴチニブ(化合物B2)または薬学的にその塩であり、30mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、または300mgの用量で経口で投与される。ある特定の実施形態において、JAK阻害物質は1日1回または1日2回投与される。
【0222】
BTK阻害物質及び本明細書において記載される1つまたは複数の阻害物質の治療有効量は、所望される治療エンドポイントを達成するように、単一用量または複数用量で提供され得る。本明細書において使用される時、「用量」は、各々の回でヒトによって服用される全量の活性成分を指す。投与される用量(例えば上記の経口投与について)は、週1回、1日1回(QD)、1日2回(BID)、1日3回、1日4回、または1日4回以上投与され得る。いくつかの実施形態において、BTK阻害物質及び/または1つまたは複数の阻害物質は、1日1回投与され得る。いくつかの実施形態において、BTK阻害物質及び/または1つまたは複数の阻害物質は、1日2回投与され得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の阻害物質は、週1回、または1日の間で変動し得る頻度、1日おき、5日ごとに1回、1日1回を1、2、3、4、5、6もしくは7日間で次いで週1回で、または忍容され効率的な最終用量及びレジメンをもたらすようにこれらの異なる頻度及び用量を組み合わせることができるレジメンで、投与され得る
【0223】
1つのバリエーションにおいて、ASK1阻害化合物の治療有効量は、10%の血清によるアポトーシスアッセイランにおいて使用される1nmol〜200nmolのASK1阻害化合物に対応する用量である。本明細書におけるAsk1阻害化合物(式(I)の化合物及び化合物C1が含まれる)は、薬学的有効量で投与され得る。経口投与について、各々の投薬量単位は、好ましくは1mg〜500mgのASK1阻害化合物を含有する。より好ましい用量は、1mg〜250mgの化合物のASK1阻害化合物である。約20mgで1日2回〜約50mgで1日2回の範囲のASK1阻害化合物の用量が、特に好ましい。いくつかの実施形態において、ASK阻害物質は化合物C2であり、それは2mg、6mg、10mg、18mgまたは50mgの用量で経口で投与される。ある特定の実施形態において、ASK阻害物質は1日1回または1日2回投与される。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、関連する状況(治療される病態、選択された投与経路、該当すれば併用投与化合物、個別の患者の年齢、体重及び応答、患者の症状の重症度、ならびに同種のものが含まれる)を考慮して、通常医師によって決定されるであろうことが理解されるだろう。
【0224】
いくつかのバリエーションにおいて、BTK阻害物質(化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物等)は、40mg〜1200mgの間、40mg〜800mgの間、40mg〜600mgの間、40mg〜40mgの間、約100mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約7
00mg、または約800mgの用量でヒトへ投与される。いくつかのバリエーションにおいて、ASK1阻害化合物(化合物C1、化合物C2もしくは式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩等)は、20〜600mgの間、20〜400mgの間、20〜200mgの間、約20mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、または約800mgの用量でヒトへ投与される。
【0225】
いくつかのバリエーションにおいて、BET阻害物質(本明細書において記載されるようなブロモドメイン含有タンパク質の修飾物質またはその薬学的に許容される塩等)は、20〜600mgの間、20〜400mgの間、20〜200mgの間、約20mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、または約800mgの用量でヒトへ投与される。
【0226】
いくつかのバリエーションにおいて、MMP9阻害物質は、20〜600mgの間、20〜400mgの間、20〜200mgの間、約20mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、または約800mgの用量でヒトへ投与される。
【0227】
別の実施形態において、MMP9阻害物質(特に抗MMP9抗体が含まれる)は、約600mg〜1,000mgの単一用量で2週間ごとに1回投与される。別の実施形態において、MMP9阻害物質(特に抗MMP9抗体が含まれる)は、約700mg〜約900mgの単一用量で2週間ごとに1回投与される。別の実施形態において、MMP9阻害物質(特に抗MMP9抗体が含まれる)は、約750mg〜約850mgの単一用量で2週間ごとに1回投与される。別の実施形態において、MMP9阻害物質(特に抗MMP9抗体が含まれる)は、約800mgの単一用量で2週間ごとに1回投与される。別の実施形態において、MMP9阻害物質(特に抗MMP9抗体が含まれる)は、約1000mg〜1,400mgの単一用量で3週間ごとに1回投与される。別の実施形態において、MMP9阻害物質(特に抗MMP9抗体が含まれる)は、約1100mg〜1,300mgの単一用量で3週間ごとに1回投与される。別の実施形態において、MMP9阻害物質(特に抗MMP9抗体が含まれる)は、約1200mgの単一用量で3週間ごとに1回投与される。一実施形態において、MMP9阻害物質は配列番号:7及び12のアミノ酸配列を有する抗MMP9抗体であり、それは、用量150mg、300mgまたは600mgで静脈内または皮下に投与される。特定の実施形態において、MMP9阻害物質は週に1回または2週間ごとに1回投与される。
【0228】
本開示は、かかる方法に関連する使用のための医薬組成物を企図する。組成物は、任意の好適な経路による局部的または全身的な投与に好適であり得る。
【0229】
例えば、抗MMP9抗体のインビボの投与が用いられる場合に、正常な投薬量は、投与経路に依存して、1日あたり約10ng/kg〜100mg/kg哺乳動物体重以上、好ましくは約1μg/kg/日〜50mg/kg/日、随意に約100μg/kg/日〜20mg/kg/日、500μg/kg/日〜10mg/kg/日、または1mg/kg日〜10mg/kg日で変動し得る。
【0230】
選択される投薬レジメンは、様々な因子に依存し、それらには、MMP9結合タンパク質の活性、投与経路、投与の時間、用いられる特定の化合物の排泄の率、治療の継続期間、用いられる特定の組成物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物及び/または材料、治療される患者の年齢、性別、体重、病態、全体的な健康及び従来の病歴、ならびに医学分野において周知の同種の因子が含まれる。
【0231】
通常の技能を有する臨床医は、要求される医薬組成物の有効量(ED50)を容易に決定し処方することができる。例えば、医師または獣医師は、医薬組成物中で用いられる本発明の化合物の用量を、所望される治療効果を達成するために要求されるものよりも低いレベルで開始し、所望される効果が達成されるまで徐々に投薬量を増加させることができる。
【0232】
癌治療のために必要であるならば、方法は、MMP9結合タンパク質に加えて、癌の外科的除去及び/または抗ガン剤もしくは治療の投与をさらに含み得る。かかる抗ガン剤または治療の投与は本明細書において開示される組成物の投与と同時であり得る。
【0233】
投与
BTK阻害物質(化合物A1等)は、当技術分野において公知の任意の好適な方法も使用して、1つまたは複数の阻害物質と共に投与され得る。例えば、BTK阻害物質と組み合わせられる1つまたは複数の阻害物質は、JAK阻害物質(化合物B1、化合物B2、化合物B3、化合物B4、化合物B5、化合物B6、化合物B7、化合物B8、化合物B9、化合物B10または化合物B11等)であり得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の阻害物質は、ASK1阻害物質(化合物C1、化合物C2または式Iの化合物等)であり得る。他の実施形態において、1つまたは複数の阻害物質は、ブロモドメイン含有タンパク質の修飾物質((2−シクロプロピル−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−イル)ジ(ピリジン−2−イル)メタノール等)であり得る。さらに他の実施形態において、1つまたは複数の阻害物質は、MMP9阻害物質(抗MMP9抗体等)であり得る。
【0234】
例えば、化合物は、頬側に、眼に、経口で、浸透圧により、非経口的に(筋肉内に、腹腔内に、胸骨内に、静脈内に、皮下に)、経直腸的に、局所的に、経皮的に、または経膣的に投与され得る。さらに、ある特定のバリエーションにおいて、本明細書において記載されるBTK阻害物質は、1つまたは複数の阻害物質の前、その後、またはそれと同時に投与され、そこで、1つまたは複数の阻害物質は、本明細書において記載されるようなJAK阻害物質、ASK1阻害物質、BETの阻害物質及びMMP9阻害物質であり得る。
【0235】
一態様において、本明細書において記載される化合物は経口で投与され得る。経口投与は、例えばカプセルまたは腸溶性コーティング錠剤経由であり得る。少なくとも1つの本明細書において記載される化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物の作製において、活性成分は、通常賦形剤によって希釈される、及び/または、カプセル、分包、紙もしくは他の容器の形態であり得る担体内に封入される。賦形剤が希釈剤として供される場合に、それは、固体材料、半固体材料、または液体材料の形態(上記のように)であり得、ベヒクル、担体または活性成分のための媒体として作用する。したがって、組成物は、錠剤、ピル、粉末、ロゼンジ、小袋、カシェ、エリキシル、懸濁物、エマルション、溶液、シロップ、エアロゾル(固体としてまたは液体媒質中で)、重量で例えば10%までの活性化合物を含有する軟膏、ソフトゼラチンカプセル及びハードゼラチンカプセル、滅菌注射可能溶液、ならびに滅菌パッケージ粉末の形態であり得る。
【0236】
適切な賦形剤のいくつかの例には、ラクトース、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、及びメチルセルロースが含まれる。製剤には、追加で、潤滑剤(タルク、ステアリン酸マグネシウム及び鉱物油等);湿潤剤;乳化剤及び懸濁化剤;保存剤(ヒドロキシ安息香酸メチル及びヒドロキシ安息香酸プロピル等);甘味剤;ならびに着香剤が含まれ得る。
【0237】
本明細書において記載される化合物のうちの少なくとも1つの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、当技術分野において公知の手順を用いることによる被験体への投与後に、活性成分の急速放出、持続的放出または遅延放出を提供するように製剤化することができる。経口投与のための制御放出性薬物送達システムには、浸透圧ポンプシステム、及びポリマーコーティングしたリザーバーまたは薬物−ポリマーマトリックス製剤を含有する溶解システムが含まれる。制御放出システムの例は、米国特許第3,845,770号;同第4,326,525号;同第4,902,514号;及び同第5,616,345号中で与えられる。本発明の方法で使用される別の製剤は、経皮送達デバイス(「パッチ」)を用いる。かかる経皮パッチを使用して、制御された量で本発明の化合物の連続または不連続の注入を提供することができる。医薬用薬剤の送達のための経皮パッチの構築及び使用は、当技術分野において周知である。例えば米国特許第5,023,252号、同第4,992,445号及び同第5,001,139号を参照されたい。かかるパッチは、医薬用薬剤の連続送達、パルス性送達、オンデマンド送達のために構築され得る。
【0238】
組成物は、いくつかの実施形態において、単位投薬形態で製剤化され得る。「単位投薬形態」という用語は、ヒト被験体及び他の哺乳動物のために一体型投薬量として適切な物理的に分離した単位を指し、各々の単位は、適切な医薬賦形剤(例えば錠剤、カプセル、アンプル)と共同して、所望される治療効果を産生するよう計算された既定の量の活性材料を含有する。化合物は、一般的には薬学的有効量において投与される。いくつかの実施形態において、経口投与のために、各々の投薬単位は、約10mg〜約1000mg、例えば約50mg〜約500mg、例えば約50mg、約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、または約300mgの本明細書において記載される化合物を含有する。他の実施形態において、非経口投与のために、各々の投薬単位は、0.1〜700mgの本明細書において記載される化合物を含有する。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、関連する状況(治療される病態、選択された投与経路、投与される実際の化合物及びその相対的活性、個別の被験体の年齢、体重、及び応答、ならびに被験体の症状の重症度が含まれる)を考慮して、通常医師によって決定されるであろうことが理解されるだろう。
【0239】
ある特定の実施形態において、投薬レベルは、体重1キログラムあたり1日あたり0.1mg〜100mg、例えば1キログラムあたり約1mg〜約50mg、例えば1キログラムあたり約5mg〜約30mgであり得る。かかる投薬レベルは、ある特定の事例において、上で指示された病態の治療において有用であり得る。他の実施形態において、投薬レベルは、1日あたり1被験体あたり約10mg〜約2000mgであり得る。ベヒクルと組み合わせて単一投薬形態を産生することができる活性成分の量は、治療される宿主及び投与の特定のモードに依存して変動するだろう。投薬単位形態は、1mg〜500mgの活性成分を含有し得る。
【0240】
投薬の頻度は、使用される化合物及び治療される特定の疾患または病態にも依存して変動し得る。いくつかの実施形態において、例えば、自己免疫性疾患及び/または炎症性疾患の治療のために、1日4回以下の投薬レジメンが使用される。いくつかの実施形態において、1日1回または1日2回の投薬レジメンが使用される。しかしながら、任意の特定の被験体のための具体的な用量レベルは多様な因子(用いられた具体的な化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康、性別、食餌、投与の時間、投与経路及び排泄率、薬物の組み合わせならびに治療法を受ける被験体の特定の疾患の重症度が含まれる)に依存するであろうことが理解されるだろう。
【0241】
固体組成物(錠剤等)の調製のために、主要な活性成分を医薬用賦形剤と混合して、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩の均一混合物を含有する固体の前製剤
組成物を形成することができる。これらの前製剤組成物を均一であると称する場合に、活性成分は組成物の全体にわたって一定に分散され、その結果、組成物が等しく効果的な単位投薬形態(錠剤、ピル及びカプセル等)へと容易に細分され得る。
【0242】
本明細書において記載される化合物の錠剤またはピルはコーティングされ得るか、または、そうでなければ、延長作用の利点を与える投薬形態を提供するかもしくは胃の酸条件から保護するように調合され得る。例えば、錠剤またはピルは内側投薬量及び外側投薬量の構成要素を含むことができ、後者は前者の上でエンベロープの形態である。2つの構成要素は、胃中での崩壊に耐えて、内側構成要素が十二指腸の中へインタクトで通過するかまたは遅れて放出されることを可能にする腸溶性の層によって分離することができる。かかる腸溶性の層またはコーティングのために多様な材料を使用することができ、それらには、多数のポリマー性酸、ならびにセラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースのような材料とポリマー性酸の混合物が含まれる。
【0243】
医薬組成物は、例えば参照により援用されるこれらの特許及び特許出願中で記載されるように、類似の有用性を有する薬剤の容認される投与モードのうちの任意のもの(直腸経路、頬腔経路、鼻腔内経路、及び経皮経路、動脈内注射によるもの、静脈内、腹腔内、非経口的、筋肉内、皮下、経口的、局所的なもの、吸入薬として、または含浸もしくはコーティングされたデバイス(ステントまたは例えば動脈挿入円筒状ポリマー等)経由によるものが含まれる)によって、単一用量または複数用量で投与され得る。
【0244】
医薬組成物
BTK阻害物質及び1つまたは複数の阻害物質は、医薬組成物の形態で投与され得る。例えば、いくつかのバリエーションにおいて、本明細書において記載されるBTK阻害物質は、BTK阻害物質及び少なくとも1つの薬学的に許容されるベヒクルを含む医薬組成物中に存在し得る。いくつかのバリエーションにおいて、本明細書において記載される阻害物質は、1つまたは複数の阻害物質及び少なくとも1つの薬学的に許容されるベヒクルを含む医薬組成物中に存在し得る。例えば、1つまたは複数の阻害物質は、JAK阻害物質、ASK1阻害物質、BET阻害物質及びMMP9阻害物質であり得る。薬学的に許容されるベヒクルには、薬学的に許容される担体、アジュバント及び/または賦形剤が含まれ、製剤の他の成分と適合性があり、そのレシピエントに有害でない限りで、他の成分は薬学的に許容されると考えることができる。
【0245】
したがって、本開示は、BTK阻害物質及び1つまたは複数の阻害物質(そこで1つまたは複数の阻害物質は、本明細書において記載されるようなJAK阻害物質、ASK1阻害物質、BET阻害物質及びMMP9阻害物質であり得る)及び1つまたは複数の薬学的に許容されるベヒクル(賦形剤、担体(不活性固体希釈剤及び充填剤が含まれる)、希釈剤(滅菌水溶液及び様々な有機溶媒が含まれる)、透過促進剤、溶解剤及びアジュバント等)を含有する医薬組成物を提供する。医薬組成物は、単独でまたは他の阻害物質と組み合わせて投与され得る。かかる組成物は、医薬用技術分野において周知の様式で調製される(例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences、Mace Publishing Co.、Philadelphia、PA、第17版(1985);及びModern Pharmaceutics、Marcel Dekker,Inc.、第3版(G.S.Banker & C.T.Rhodes編)を参照)。
【0246】
医薬組成物は、類似の有用性を有する薬剤の容認される投与モードのうちの任意のもの(直腸経路、頬腔経路、鼻腔内経路、及び経皮経路、動脈内注射によるもの、静脈内、腹腔内、非経口的、筋肉内、皮下、経口的、局所的なもの、吸入薬として、または含浸もしくはコーティングされたデバイス(ステントまたは例えば動脈挿入円筒状ポリマー等)経
由によるものが含まれる)によって、単一用量または複数用量で投与され得る。
【0247】
いくつかの実施形態において、本明細書において記載される医薬組成物は、単位投薬形態で製剤化される。「単位投薬形態」という用語は、ヒト被験体のために一体型投薬量として適切な物理的に分離した単位を指し、各々の単位は、適切な医薬賦形剤と共同して、所望される治療効果を産生することが意図される既定の量の活性材料を含有する。いくつかのバリエーションにおいて、本明細書において記載される医薬組成物は、錠剤、カプセルまたはアンプルの形態である。
【0248】
ある特定の実施形態において、本明細書において記載されるBTK阻害物質(化合物A1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物等)は、錠剤として製剤化される。いくつかのバリエーションにおいて、かかる錠剤は、化合物A1の塩酸塩を含み得る。化合物A1を含むかかる錠剤は、例えば、当技術分野において公知の好適な方法(噴霧乾燥及び造粒(例えば乾式造粒)等)によって調製され得る。
【0249】
製造品及びキット
本明細書において記載されるようなBTK阻害物質を含む組成物(例えば製剤及び単位投与量が含まれる)、及び1つまたは複数の阻害物質を含む組成物(本明細書において記載されるようなJAK阻害物質、ASK1阻害物質、BET阻害物質及びMMP9阻害物質等)を調製し適切な容器中に置くことができ、指示された病態の治療のために標識することができる。したがって、製造品(BTK阻害物質の単位投薬形態及び本明細書において記載されるような阻害物質の単位投薬形態、ならびに化合物の使用説明書を含有する標識を含む、容器等)も提供される。いくつかの実施形態において、製造品は、(i)本明細書において記載されるようなBTK阻害物質の単位投薬形態及び1つまたは複数の薬学的に許容される担体、アジュバントまたは賦形剤;ならびに(ii)本明細書において記載されるような阻害物質の単位投薬形態及び1つまたは複数の薬学的に許容される担体、アジュバントまたは賦形剤、を含む容器である。一実施形態において、BTK阻害物質及び1つまたは複数の阻害物質の両方のための単位投薬形態は、錠剤である。
【0250】
キットも企図される。例えば、キットは、本明細書において記載されるようなBTK阻害物質の単位投薬形態、及び本明細書において記載されるような1つまたは複数の阻害物質を含む組成物、及び病状の治療における組成物の使用説明書を含有するパッケージ挿入物を含むことができる。例えば、1つまたは複数の阻害物質は、JAK阻害物質、ASK1阻害物質、BET阻害物質及びMMP9阻害物質であり得る。いくつかの実施形態において、キットは、(i)本明細書において記載されるようなBTK阻害物質の単位投薬形態及び1つまたは複数の薬学的に許容される担体、アジュバントまたは賦形剤;ならびに(ii)本明細書において記載されるような阻害物質の単位投薬形態及び1つまたは複数の薬学的に許容される担体、アジュバントまたは賦形剤、を含む。一実施形態において、BTK阻害物質及び阻害物質の両方のための単位投薬形態は、錠剤である。
【0251】
キット中の使用説明書は、本明細書において記載されるような癌(例えば血液系悪性腫瘍が含まれる)の治療のためのものでもあり得る。キット中の使用説明書は、癌(例えば、本明細書においてさらに記載されるような血液系悪性腫瘍またはアレルギー性障害、自己免疫性障害もしくは炎症性障害が含まれる)の治療のためのものであり得る。
【0252】
他の治療剤
本開示において、いくつかの態様において、本明細書において記載される組み合わせの療法及び方法は、化学療法剤、抗ガン剤、抗血管新生剤、抗線維化剤、免疫療法剤、治療抗体、放射線療法剤、抗新生物剤、抗増殖剤、またはその任意の組み合わせの群から選択される追加の薬剤と、使用または組み合わせられ得る。
【0253】
本明細書において記載される組み合わせの療法及び方法は、以下の追加の治療剤:アデノシンA2B受容体(A2B)阻害物質、BETブロモドメイン4(BRD4)阻害物質、イソシトレートデヒドロゲナーゼ1(IDH1)阻害物質、IKK阻害物質、タンパク質キナーゼC(PKC)活性化物質または阻害物質、TPL2阻害物質、セリン/トレオニンプロテインキナーゼ1(TBK1)阻害物質、潜伏ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を活性化または再活性化する薬剤(パノビノスタットまたはロミデプシン等)、抗CD20抗体(オビヌツズマブ等)、抗PD−1抗体(ニボリマブ(nivolimumab)(BMS−936558、MDX1106またはMK−34775)等)、及び抗PD−L1抗体(BMS−936559、MPDL3280A、MEDI4736、MSB0010718C及びMDX1105−01等)、のうちの追加の1つまたは複数と、使用または組み合わせられ得る。
【0254】
本明細書において開示される組み合わせの療法及び方法ならびに追加の1つまたは複数の治療剤(例えばA2B阻害物質、アポトーシスシグナル調節キナーゼ(ASK)阻害物質、BRD4阻害物質、ディスコイジンドメイン受容体1(DDR1)阻害物質、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害物質、イソシトレートデヒドロゲナーゼ(IDH)阻害物質、ヤーヌスキナーゼ(JAK)阻害物質、リシルオキシダーゼ様タンパク質2(LOXL2)阻害物質、マトリックスメタロプロテアーゼ9(MMP9)阻害物質、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)阻害物質、PKC活性化物質もしくは阻害物質、脾臓チロシンキナーゼ(SYK)阻害物質、TPL2阻害物質、またはTBK阻害物質)は、化学療法剤、抗ガン剤、抗血管新生剤、抗線維化剤、免疫療法剤、治療抗体、放射線療法剤、抗新生物剤、またはその任意の組み合わせと、さらに使用または組み合わせられ得る。
【0255】
本明細書における組み合わせ及び方法は、標準療法(ネオアジュバント化学療法、術中放射線療法(IORT)、アジュバント化学療法(5U等による)、アジュバント放射線療法、アジュバント化学放射線療法、緩和的放射線療法、及び緩和目的の手順が含まれ、それらには、胃腸病態に関しては、広範囲局所切除術、胃部分切除術、胃全摘術、単開腹術、胃腸吻合、またはバイパスが含まれ得る)と共に使用され得ることが理解される。
【0256】
化学療法剤
本明細書において使用される時、「化学療法剤」または「化学療法薬」という用語(または化学療法剤による治療の事例において「化学療法」)は、癌の治療において有用な任意の非タンパク性(すなわち非ペプチド性)の化学化合物を包含することを意味する。化学療法剤は、例えばそれらの作用メカニズムによって以下の群:抗代謝物質/抗癌剤(ピリミジン類似体、フロクスウリジン、カペシタビン及びシタラビン等);プリン類似体、葉酸アンタゴニスト、及び関連する阻害物質;抗増殖剤/抗有糸分裂剤(ビンカアルカロイド(ビンブラスチン、ビンクリスチン)等)及び微小管(タキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)、ビンブラスチン(vinblastin)、ノコダゾール、エポチロン、ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標))、ならびにエピポドフィロトキシン(エトポシド、テニポシド)等の天然産物が含まれる);DNA損傷剤(アクチノマイシン、アムサクリン、ブスルファン、カルボプラチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イフォスファミド、メルファラン、メルクロレタミン(merchlorethamine)、マイトマイシン、ミトキサントロン、ニトロソウレア、プロカルバジン、タキソール、タキソテール、テニポシド、エトポシド、及びトリエチレンチオホスホルアミド等);抗生物質(ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、及びマイトマイシン等);酵素(L型アスパラギ
ンを全身で代謝し、アスパラギンを自身で合成する能力がない細胞を枯渇させる、L−アスパラギナーゼ等);抗血小板剤;抗増殖性/抗有糸分裂性アルキル化剤(ナイトロジェンマスタード、シクロホスファミド及び類似体(メルファラン、クロラムブシル、ヘキサメチルメラミン及びチオテパ)、アルキルニトロソウレア(カルムスチン)及び類似体、ストレプトゾシン、ならびにトリアゼン(ダカルバジン)等);抗増殖性/抗有糸分裂性抗代謝剤(葉酸類似体(メトトレキサート)等);白金配位錯体(シスプラチン、オキシロプラチニム(oxiloplatinim)及びカルボプラチン等)、プロカルバジン、ヒドロキシウレア、ミトタン、及びアミノグルテチミド;ホルモン及びホルモン類似体(エストロゲン、タモキシフェン、ゴセレリン、ビカルタミド及びニルタミド等)、及びアロマターゼ阻害物質(レトロゾール及びアナストロゾール等);抗凝固剤(ヘパリン、合成ヘパリン塩、及びトロンビンの他の阻害物質等);線維素溶解剤(組織プラスミノーゲン活性化因子、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン、及びクロピドグレル等);抗移動剤;抗分泌剤(ブレベルジン(breveldin)等);免疫抑制薬(タクロリムス、シロリムス、アザチオプリン及びミコフェノレート等);化合物(TNP−470、ゲニステイン)及び増殖因子阻害物質(血管内皮増殖因子阻害物質及び線維芽細胞増殖因子阻害物質);アンギオテンシン受容体遮断薬、酸化窒素供与体;アンチセンスオリゴヌクレオチド;抗体(トラスツズマブ及びリツキシマブ等);細胞周期阻害物質及び分化誘導物質(トレチノイン等);トポイソメラーゼ阻害物質が含まれる阻害物質(ドキソルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エニポシド(eniposide)、エピルビシン、エトポシド、イダルビシン、イリノテカン、ミトキサントロン、トポテカン及びイリノテカン等)、及びコルチコステロイド(コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン及びプレドニゾロン等);増殖因子シグナル伝達キナーゼ阻害物質;機能不全誘導因子;毒素(コレラ毒素、リシン、緑膿菌外毒素、百日咳菌アデニル酸シクラーゼ毒素、ジフテリア毒素、及びカスパーゼ活性化物質等);及びクロマチン、へと分類され得る。
【0257】
化学療法剤のさらなる例には、アルキル化剤(チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))等);スルホン酸アルキル(ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファン等);アジリジン(ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ及びウレドーパ等);エミルエルミン(emylerumine)及びメミルアメラミン(memylamelamine)(アルフレタミン(alfretamine)、トリエミレンメラミン(triemylenemelamine)、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメミローロメラミン(trimemylolomelamine)が含まれる);アセトゲニン(特にブラタシン及びブラタシノン);カンプトテシン(合成類似体トポテカンが含まれる);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン及びビゼレシン合成類似体が含まれる);クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスチン;デュオカルマイシン(合成類似体KW−2189及びCBI−TMIが含まれる);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンジスタチン;ナイトロジェンマスタード(クロラムブシル、クロルナファジン及びシクロホスファミド、エストラムスチン、イフォスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、及びウラシルマスタード等);ニトロソウレア(カルムスチン、クロロゾトシン、フォレムスチン(foremustine)、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチン等);抗生物質(エンジイン抗生物質(例えばカリケアミシン及び特にカリケアミシンγ1I及びカリケアミシンφ1I)、ダイネミシン(ダイネミシンAが含まれる)、ビスホスホネート(クロドロネート等)、エスペラミシン、ネオカルチノスタチン発色団及び関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロ
モマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシンが含まれる)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン(マイトマイシンC等)、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン及びゾルビシン等);抗代謝物質(メトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU)等);葉酸類似体(デモプテリン(demopterin)、メトトレキサート、プテロプテリン及びトリメトレキサート等);プリン類似体(フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン及びチオグアニン等);ピリミジン類似体(アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン及びフロクスウリジン等);アンドロゲン(カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン及びテストラクトン等);抗副腎(アミノグルテチミド、ミトタン及びトリロスタン等);葉酸補充物質(フロリニン酸(frolinic acid)等);トリコテセン(特にT−2毒素、ベラキュリン(verracurin)A、ロリジンA及びアングイジン);タキソイド(パクリタキセル(TAXOL(登録商標))及びドセタキセル(TAXOTERE(登録商標))等);白金類似体(シスプラチン及びカルボプラチン等);アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ヘストラブシル(hestrabucil);ビサントレン;エダトラキサート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジコン;エルフォルムチン(elformthine);酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロイコボリン;ロニダミン;メイタンシノイド(メイタンシン及びアンサマイトシン等);ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;フルオロピリミジン;フォリン酸;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;ポリサッカリド−K(PSK);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’’−トリウオロトリエミラミン(tricUorotriemylamine);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「アラ−C」);シクロホスファミド;チオペタ(thiopeta);クロラムブシル;ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標));6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イフォスファミド;ミトロキサントロン(mitroxantrone);バンクリスチン(vancristine);ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼオローダ(xeoloda);イバンドロネート;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害物質RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DFMO);レチノイド(レチノイン酸等);カペシタビン;FOLFIRI(フルオロウラシル、ロイコボリン及びイリノテカン);ならびに上記のもののうちの任意の薬学的に許容される塩、酸または誘導体が含まれる。
【0258】
抗ホルモン剤
抗ホルモン剤(抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体修飾物質(SERM)、酵素アロマターゼの阻害物質、抗アンドロゲン等、ならびに腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するように作用する上記のもののうちの任意の薬学的に許容される塩、酸または誘導体)も、「化学療法剤」の定義中に含まれる。抗エストロゲン及びSERMの例には、例えばタモキシフェン(NOLVADEX(商標)を含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン
、LY117018、オナプリストン、及びトレミフェン(FARESTON(登録商標))が含まれる。酵素アロマターゼの阻害物質は、副腎中のエストロゲン産生を調節する。例には、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール(MEGACE(登録商標))、エキセメスタン、フォルメスタン、ファドロゾール、ボロゾール(RIVISOR(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))、及びアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))が含まれる。抗アンドロゲンの例には、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロード(leuprohde)、及びゴセレリンが含まれる。
【0259】
抗血管新生剤
抗血管新生剤には、レチノイド酸及びその誘導体、2−メトキシエストラジオール、ANGIOSTATIN(登録商標)、ENDOSTATIN(登録商標)、スラミン、スクアラミン、コラーゲン分解酵素阻害−1、組織メタロプロテイナーゼ阻害物質−2、プラスミノーゲン活性化因子阻害因子−1、プラスミノーゲン活性化因子阻害因子−2、軟骨由来阻害物質、パクリタキセル(nab−パクリタキセル)、血小板第4因子、硫酸プロタミン(クルペイン)、硫酸化キチン誘導体(ズワイガニ殻から調製される)、硫酸化多糖ペプチドグリカン複合体(sp−pg)、スタウロスポリン、マトリックス代謝の修飾物質(プロリン類似体((l−アゼチジン−2−カルボキシル酸(LACA))、cisヒドロキシプロリン、d,l−3,4−デヒドロプロリン、チアプロリンが含まれる)、α,α’−ジピリジル、β−アミノプロピオニトリルフマレート、4−プロピル−5−(4−ピリジニル)−2(3h)−オキサゾロン、メトトレキサート、ミトキサントロン、ヘパリン、インターフェロン、2マクログロブリン血清、トリメタロプロテイナーゼ阻害物質−3(ChIMP−3)、キモスタチン、β−シクロデキストリンテトラデカスルファート、エポネマイシン、フマギリン、金チオリンゴ酸ナトリウム、d−ペニシラミン、β−1−抗コラゲナーゼ血清、α−2−抗プラスミン、ビサントレン、ロベンザリット二ナトリウム、n−2−カルボキシフェニル−4−クロロアントロニル(chloroanthronilic)酸二ナトリウムまたは「CCA」、サリドマイド、管新生抑制ステロイド、カルボキシアミノイミダゾール、ならびにメタロプロテイナーゼ阻害物質(BB−94等)が含まれるがこれらに限定されない。他の抗血管新生剤には、抗体、好ましくはこれらの血管新生性増殖因子:β−FGF、α−FGF、FGF−5、VEGFアイソフォーム、VEGF−C、HGF/SF、及びAng−1/Ang−2に対するモノクローナル抗体が含まれる。
【0260】
抗線維化剤
抗線維化剤には、β−アミノプロプリオニトリル(aminoproprionitrile)(BAPN)等の化合物に加えて、リシルオキシダーゼの阻害物質及びコラーゲンの異常な沈着と関連する疾患及び病態の治療におけるそれらの使用に関するUS4,965,288ならびに様々な病理学的線維化状態の治療のためのLOXを阻害する化合物に関するUS4,997,854(それらは参照により本明細書に援用される)中で開示される、化合物が含まれるがこれらに限定されない。さらに例示的な阻害物質は、化合物(2−イソブチル−3−フルオロ−アリルアミン、2−イソブチル−3−クロロ−アリルアミン、または2−イソブチル−3−ブロモ−アリルアミン等)に関するUS4,943,593、US5,021,456、US5,059,714、US5,120,764、US5,182,297、2−(1−ナフチルオキシメミル(naphthyloxymemyl))−3−フルオロアリルアミンに関するUS5,252,608、及びUS2004−0248871(それらは参照により本明細書に援用される)中で記載される。
【0261】
例示的な抗線維化剤には、リシルオキシダーゼの活性部位のカルボニル基と反応する第一級アミン、より詳細には、カルボニルと結合した後に共鳴によって安定化された産物を
産生するもの、例えば以下の第一級アミン:エミレネムアミン(emylenemamine)、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、及びそれらの誘導体;セミカルバジド及び尿素誘導体;アミノニトリル(BAPNまたは2−ニトロエチルアミン等);不飽和または飽和のハロアミン(2−ブロモ−エチルアミン、2−クロロエチルアミン、2−トリフルオロエチルアミン、3−ブロモプロピルアミン、及びp−ハローベンジルアミン等);ならびにセレノホモシステインラクトンも含まれる。他の抗線維化剤は、細胞を透過するかまたは透過しない銅キレート剤である。例示的な化合物には、リシルオキシダーゼによるリシル残基およびヒドロキシリシル残基の酸化的脱アミノ化から生じるアルデヒド誘導体をブロックする、間接阻害物質が含まれる。例には、チオールアミン、特にD−ペニシラミン、及びその類似体(2−アミノ−5−メルカプト−5−メチルヘキサン酸、D−2−アミノ−3−メチル−3−((2−アセトアミドエチル)ジチオ)ブタン酸、p−2−アミノ−3−メチル−3−((2−アミノエチル)ジチオ)ブタン酸、ナトリウム−4−((p−1−ジメチル−2−アミノ−2−カルボキシエチル)ジチオ)ブタンスルフレート(sulphurate)、2−アセトアミドエチル−2−アセトアミドエタンチオールスルファネート(sulphanate)、及びナトリウム−4−メルカプトブタンスルフィネート(mercaptobutanesulphinate)三水和物等)が含まれる。
【0262】
免疫療法剤
免疫療法剤には、患者の治療に好適な治療抗体が含まれるがこれらに限定されない。治療抗体のいくつかの例には、シムツズマブ、アバゴボマブ、アデカツムマブ、アフツズマブ、アレムツズマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブ、アルシツモマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブ、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブ、カンツズマブ、カツマキソマブ、セツキシマブ、シタツズマブ、シクスツムマブ、クリバツズマブ、コナツムマブ、ダラツムマブ、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、デュシジツマブ、デツモマブ、ダセツズマブ、ダロツズマブ、エクロメキシマブ、エロツズマブ、エンシツキシマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、ファルレツズマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フツキシマブ、ガニツマブ、ゲムツズマブ、ギレンツキシマブ、グレンバツム、イブリツモマブ、イゴボマブ、イムガツズマブ、インダツキシマブ、イノツズマブ、インテツムマブ、イピリムマブ、イラツムマブ、ラベツズマブ、レクサツムマブ、リンツズマブ、ロルボツズマブ、ルカツムマブ、マパツムマブ、マツズマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ、ミツモマブ、モキセツモマブ、ナルナツマブ、ナプツモマブ、ネシツムマブ、ニモツズマブ、ノフェツモマブ、オカラツズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブ、オレゴボマブ、パニツムマブ、パルサツズマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ、パーツズマブ、ピンツモマブ、プリツムマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、サツモマブ、シブロツズマブ、シルツキシマブ、ソリトマブ、タカツズマブ、タプリツモマブ、テナツモマブ、テプロツムマブ、ティガツズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ツコツズマブ、ウブリツキシマブ、ベルツズマブ、ボルセツズマブ、ボツムマブ、ザルツムマブ、CC49、及び3F8が含まれる。リツキシマブは、低悪性度B細胞癌(辺縁帯リンパ腫、WM、CLL及び小リンパ球性リンパ腫が含まれる)の治療のために使用することができる。リツキシマブ及び化学療法剤の組み合わせは、特に効果的である。
【0263】
例示的な治療抗体はさらに標識されるか、または放射性同位体粒子(インジウム−111、イットリウム−90、またはヨウ素−131等)と組み合わせられ得る。ある特定の実施形態において、追加の治療剤はナイトロジェンマスタードアルキル化剤である。ナイトロジェンマスタードアルキル化剤の非限定例にはクロラムブシルが含まれる。
【0264】
リンパ腫または白血病の組み合わせ療法
いくつかの化学療法剤はリンパ腫または白血病の治療に好適である。これらの薬剤には、アルデスロイキン、アルボシジブ、抗新生物薬AS2−1、抗新生物薬A10、抗胸腺細胞グロブリン、アミホスチン三水和物、アミノカンプトテシン、三酸化二砒素、βアレチン、Bcl−2ファミリータンパク質阻害物質のABT−263、ABT−199、ABT−737、BMS−345541、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、ブリオスタチン1、ブスルファン、カルボプラチン、キャンパス−1H、CC−5103、カルムスチン、酢酸カスポファンギン、クロファラビン、シスプラチン、クラドリビン、クロラムブシル、クルクミン、シクロスポリン、シクロホスファミド、シタラビン、デニロイキンジフチトクス、デキサメタゾン、DT−PACE(デキサメタゾン、サリドマイド、シスプラチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド及びエトポシド)、ドセタキセル、ドラスチン10、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、エンザスタウリン、エポエチンアルファ、エトポシド、エベロリムス(RAD001)、フェンレチニド、フィルグラスチム、メルファラン、メスナ、フラボピリドール、フルダラビン、ゲルダナマイシン(17−AAG)、イフォスファミド、塩酸イリノテカン、イキサベピロン、レナリドミド(REVLIMID(登録商標)、CC−5013)、リンホカイン活性化キラー細胞、メルファラン、メトトレキサート、塩酸ミトキサントロン、モテキサフィンガドリニウム、ミコフェノール酸モフェチル、ネララビン、オブリメルセン、オバトクラックス(GX15−070)、オブリメルセン、酢酸オクトレオチド、ω−3脂肪酸、オキサリプラチン、パクリタキセル、PD0332991、PEG化リポソーム型塩酸ドキソルビシン、ペグフィルグラスチム、ペントスタチン、ペリホシン、プレドニゾロン、プレドニゾン、R−ロスコビチン(セリシクリブ、CYC202)、組換えインターフェロンα、組換えインターロイキン−12、組換えインターロイキン−11、組換えflt3リガンド、組換えヒトトロンボポイエチン、リツキシマブ、サルグラモスチム、クエン酸シルデナフィル、シンバスタチン、シロリムス、スチリルスルホン、タクロリムス、タネスピマイシン、テムシロリムス(CCl−779)、サリドマイド、治療法用の同種異系リンパ球、チオテパ、チピファルニブ、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、PS−341)、ビンクリスチン、硫酸ビンクリスチン、酒石酸ビノレルビン、SAHA(スベロイルアニリドヒドロキサム酸、またはスベロイル、アニリド及びヒドロキサム酸)、FR(フルダラビン及びリツキシマブ)、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾン)、CVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン及びプレドニゾン)、FCM(フルダラビン、シクロホスファミド及びミトキサントロン)、FCR(フルダラビン、シクロホスファミド及びリツキシマブ)、hyperCVAD(多分割のシクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン、メトトレキサート及びシタラビン)、ICE(イホスファミド、カルボプラチン及びエトポシド)、MCP(ミトキサントロン、クロラムブシル及びプレドニゾロン)、R−CHOP(リツキシマブ及びCHOP)、R−CVP(リツキシマブ及びCVP)、R−FCM(リツキシマブ及びFCM)、R−ICE(リツキシマブ及びICE)、及びR−MCP(リツキシマブ及びMCP)が含まれる。
【0265】
1つの修飾アプローチは放射免疫療法であり、そこで、モノクローナル抗体は、放射性同位体粒子(インジウム−111、イットリウム−90、及びヨウ素−131等)と組み合わせられる。組み合わせ療法の例には、ヨウ素131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))、イットリウム90イブリツモマブ・チウクセタン(ZEVALIN(登録商標))、及びCHOPとBEXXAR(登録商標)が含まれるがこれに限定されない。
【0266】
上記の治療法は、幹細胞の移植または治療を補足またはそれらと組み合わせられ得る。治療法手順には、末梢血幹細胞移植、自己由来造血幹細胞移植、自己由来骨髄移植、抗体療法、生物学的療法、酵素阻害因子療法、全身照射、幹細胞の注入、幹細胞サポートによる骨髄アブレーション、インビトロ治療された末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、免疫酵素技法、低LETのコバルト60γ線療法、ブレオマイシン、従来の外科手術、放射線療法
、及び骨髄非破壊的同種異系造血幹細胞移植が含まれる。
【0267】
非ホジキンリンパ腫の組み合わせ療法
非ホジキンリンパ腫(NHL)(特にB細胞起源のもの)の治療には、モノクローナル抗体、標準的化学療法アプローチ(例えばCHOP、CVP、FCM、MCP及び同種のもの)、放射免疫療法、及びその組み合わせ(特に化学療法と抗体療法の統合)の使用が含まれる。NHL/B細胞癌の治療のためのコンジュゲートされていないモノクローナル抗体の例には、リツキシマブ、アレムツズマブ、ヒトまたは、ヒト化抗CD20抗体、ルミリキシマブ、抗腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(抗TRAIL)、ベバシズマブ、ガリキシマブ、エプラツズマブ、SGN−40、及び抗CD74が含まれる。NHL/B細胞癌の治療において使用される実験的抗体剤の例には、オファツムマブ、ha20、PRO131921、アレムツズマブ、ガリキシマブ、SGN−40、CHIR−12.12、エプラツズマブ、ルミリキシマブ、アポリズマブ、ミラツズマブ、及びベバシズマブが含まれる。NHL/B細胞癌のための化学療法の標準的レジメンの例には、CHOP、FCM、CVP、MCP、R−CHOP、R−FCM、R−CVP、及びR−MCPが含まれる。NHL/B細胞癌のための放射免疫療法の例には、イットリウム−90イブリツモマブ・チウクセタン(ZEVALIN(登録商標))及びヨウ素−131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))が含まれる。
【0268】
マントル細胞リンパ腫の組み合わせ療法
マントル細胞リンパ腫(MCL)の治療法には、組み合わせ化学療法(CHOP、hyperCVAD、及びFCM等)が含まれる。これらのレジメンはモノクローナル抗体リツキシマブを補足して、組み合わせ療法R−CHOP、hyperCVAD−R、及びR−FCMも形成することができる。上記の治療法のうちの任意のものは幹細胞移植またはICEと組み合わせて、MCLを治療することができる。
【0269】
MCLの治療の代替のアプローチは免疫療法である。1つの免疫療法はリツキシマブのようなモノクローナル抗体を使用するものである。別のものは癌ワクチン(GTOP−99等)を使用し、それは個別の患者の腫瘍の遺伝子構造に基づく。
【0270】
MCLを治療する修飾アプローチは放射免疫療法であり、そこで、モノクローナル抗体は、放射性同位体粒子(ヨウ素−131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))及びイットリウム−90イブリツモマブ・チウクセタン(ZEVALIN(登録商標))等)と組み合わせられる。別の例において、BEXXAR(登録商標)はCHOPによる連続治療において使用される。
【0271】
MCLの治療への他のアプローチには、特にリツキシマブと組み合わせた、高用量化学療法、プロテアソーム阻害物質(ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)またはPS−341)等)の投与、または抗血管新生剤(サリドマイド等)の投与とカップリングされた、自己由来幹細胞移植が含まれる。
【0272】
別の治療アプローチは、Bcl−2タンパク質の分解を引き起こし、他の化学療法剤と組み合わせた化学療法(オブリメルセン等)への癌細胞の感受性を増加させる薬物を投与することである。
【0273】
さらなる治療アプローチには、mTOR阻害物質(細胞増殖の阻害及び細胞死でさえ引き起こすことができる)を投与することが含まれる。非限定例は、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、CCI−779)、及びRITUXAN(登録商標)、VELCADE(登録商標)または他の化学療法剤と組み合わせたテムシロリムスである。
【0274】
MCLのための他の最近の治療法が開示されている。かかる例には、フラボピリドール、PD0332991、R−ロスコビチン(セリシシリブ(selicicilib)、CYC202)、スチリルスルホン、オバトクラックス(GX15−070)、TRAIL、抗TRAIL死受容体DR4及びDR5抗体、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、CCl−779)、エベロリムス(RAD001)、BMS−345541、クルクミン、SAHA、サリドマイド、レナリドミド(REVLIMID(登録商標)、CC−5013)、ならびにゲルダナマイシン(17−AAG)が含まれる。
【0275】
ワルデンストレームマクログロブリン血症の組み合わせ療法
ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)を治療するのに使用される治療剤には、ペリホシン、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、リツキシマブ、クエン酸シルデナフィル(VIAGRA(登録商標))、CC−5103、サリドマイド、エプラツズマブ(hLL2、抗CD22ヒト化抗体)、シンバスタチン、エンザスタウリン、キャンパス−1H、デキサメタゾン、DT−PACE、オブリメルセン、抗新生物薬A10、抗新生物薬AS2−1、アレムツズマブ、βアレチン、シクロホスファミド、塩酸ドキソルビシン、プレドニゾン、硫酸ビンクリスチン、フルダラビン、フィルグラスチム、メルファラン、組換えインターフェロンα、カルムスチン、シスプラチン、シクロホスファミド、シタラビン、エトポシド、メルファラン、ドラスチン10、インジウム−111モノクローナル抗体MN−14、イットリウム−90ヒト化エプラツズマブ、抗胸腺細胞グロブリン、ブスルファン、シクロスポリン、メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチル、治療用同種異系リンパ球、イットリウム90イブリツモマブ・チウクセタン、シロリムス、タクロリムス、カルボプラチン、チオテパ、パクリタキセル、アルデスロイキン、ドセタキセル、イフォスファミド、メスナ、組換えインターロイキン−11、組換えインターロイキン−12、Bcl−2ファミリータンパク質阻害物質ABT−263、デニロイキン・ジフチトクス、タネスピマイシン、エベロリムス、ペグフィルグラスチム、ヴォリノスタット、アルボシジブ、組換えflt3リガンド、組換えヒトトロンボポイエチン、リンホカイン活性化キラー細胞、アミホスチン三水和物、アミノカンプトテシン、塩酸イリノテカン、酢酸カスポファンギン、クロファラビン、エポエチンアルファ、ネララビン、ペントスタチン、サルグラモスチム、酒石酸ビノレルビン、WT−1類似体ペプチドワクチン、WT1 126−134ペプチドワクチン、フェンレチニド、イキサベピロン、オキサリプラチン、モノクローナル抗体CD19、モノクローナル抗体CD20、ω−3脂肪酸、塩酸ミトキサントロン、酢酸オクトレオチド、トシツモマブ、ヨウ素−131トシツモマブ、モテキサフィンガドリニウム、三酸化二砒素、チピファルニブ、自己由来のヒト腫瘍由来HSPPC−96、ベルツズマブ、ブリオスタチン1、PEG化リポソーム型塩酸ドキソルビシン、及びその任意の組み合わせが含まれる。
【0276】
WMを治療するのに使用される治療法手順の例には、末梢血幹細胞移植、自己由来造血幹細胞移植、自己由来骨髄移植、抗体療法、生物学的療法、酵素阻害因子療法、全身照射、幹細胞の注入、幹細胞サポートによる骨髄アブレーション、インビトロ治療された末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、免疫酵素技法、低LETのコバルト60γ線療法、ブレオマイシン、従来の外科手術、放射線療法、及び骨髄非破壊的同種異系造血幹細胞移植が含まれる。
【0277】
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の組み合わせ療法
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療するのに使用される治療剤には、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、抗CD20モノクローナル抗体、エトポシド、ブレオマイシン、WMのためにリストされた多くの薬剤、及びその任意の組み合わせ(ICE及びR−ICE等)が含まれる。
【0278】
慢性リンパ球性白血病の組み合わせ療法
慢性リンパ球性白血病(CLL)を治療するのに使用される治療剤の例には、クロラムブシル、シクロホスファミド、フルダラビン、ペントスタチン、クラドリビン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、プレドニゾロン、アレムツズマブ、WMのためにリストされた多くの薬剤、及び組み合わせの化学療法及び化学免疫療法(以下の一般的な組み合わせレジメン:CVP、R−CVP、ICE、R−ICE、FCR及びFRが含まれる)が含まれる。
【0279】
骨髄線維症の組み合わせ療法
骨髄線維症阻害剤には、ヘッジホッグ阻害物質、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害物質、及びチロシンキナーゼ阻害物質が含まれるがこれらに限定されない。ヘッジホッグ阻害物質の非限定例はサリデジブである。HDAC阻害物質の例には、プラシノスタット及びパノビノスタットが含まれるがこれらに限定されない。チロシンキナーゼ阻害物質の非限定例はレスタウルチニブである。
【0280】
キナーゼ阻害物質
一実施形態において、本明細書において記載される化合物は、1つまたは複数の追加の治療剤と使用または組み合わせられ得る。1つまたは複数の治療剤には、Ablの阻害物質、活性化CDCキナーゼ(ACK)、アデノシンA2B受容体(A2B)、アポトーシスシグナル調節キナーゼ(ASK)、オーロア(Auroa)キナーゼ、BETブロモドメイン(BRD)(BRD4等)、c−Kit、c−Met、CDK活性化キナーゼ(CAK)、カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ(CaMK)、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)、カゼインキナーゼ(CK)、ディスコイジンドメイン受容体(DDR)、表皮増殖因子受容体(EGFR)、接着斑キナーゼ(FAK)、Flt−3、FYN、グリコーゲンシンターゼキナーゼ(GSK)、HCK、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)、IKK(IKKβε等)、イソシトレートデヒドロゲナーゼ(IDH)(IDH1等)、ヤーヌスキナーゼ(JAK)、KDR、リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(LCK)、リシルオキシダーゼタンパク質、リシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)、LYN、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、MEK、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)、NEK9、NPM−ALK、p38キナーゼ、血小板由来増殖因子(PDGF)、ホスホリラーゼキナーゼ(PK)、ポロ様キナーゼ(PLK)、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)、タンパク質キナーゼ(PK)(プロテインキナーゼA、B及び/またはC等)、PYK、脾臓チロシンキナーゼ(SYK)、セリン/スレオニンキナーゼTPL2、セリン/スレオニンキナーゼSTK、シグナル伝達及び転写(STAT)、SRC、セリン/トレオニンプロテインキナーゼ(TBK)(TBK1等)、TIE、チロシンキナーゼ(TK)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、YES、またはその任意の組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。
【0281】
アポトーシスシグナル調節キナーゼ(ASK)阻害物質
ASK阻害物質にはASK1阻害物質が含まれる。ASK1阻害物質の例には、WO2011/008709(Gilead Sciences)及びWO2013/112741(Gilead Sciences)中で記載されるものが含まれるがこれらに限定されない。
【0282】
ディスコイジンドメイン受容体(DDR)阻害物質
DDR阻害物質にはDDR1及び/またはDDR2の阻害物質が含まれる。DDR阻害物質の例には、WO2014/047624(Gilead Sciences)、US2009−0142345(Takeda Pharmaceutical)、US2011−0287011(Oncomed Pharmaceuticals)、WO2013/027802(Chugai Pharmaceutical)、及びWO201
3/034933(Imperial Innovations)中で開示されるものが含まれるがこれらに限定されない。
【0283】
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害物質
HDAC阻害物質の例には、プラシノスタット及びパノビノスタットが含まれるがこれらに限定されない。
【0284】
ヤーヌスキナーゼ(JAK)阻害物質
JAK阻害物質は、JAK1、JAK2、及び/またはJAK3を阻害する。JAK阻害物質の例には、化合物A、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、トファシチニブ、バリシチニブ、レスタウルチニブ、パクリチニブ、XL019、AZD1480、INCB039110、LY2784544、BMS911543、及びNS018が含まれるがこれらに限定されない。
【0285】
リシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)阻害物質
LOXL阻害物質には、LOXL1、LOXL2、LOXL3、LOXL4及び/またはLOXL5の阻害物質が含まれる。LOXL阻害物質の例には、WO2009/017833(Arresto Biosciences)中で記載される抗体が含まれるがこれらに限定されない。LOXL2阻害物質の例には、WO2009/017833(Arresto Biosciences)、WO2009/035791(Arresto
Biosciences)、及びWO2011/097513(Gilead Biologics)中で記載される抗体が含まれるがこれらに限定されない。
【0286】
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害物質
MMP阻害物質にはMMP1〜10の阻害物質が含まれる。MMP9阻害物質の例には、マリマスタット(BB−2516)、シペマスタット(Ro 32−3555)、及びWO2012/027721(Gilead Biologics)中で記載されるものが含まれるがこれらに限定されない。
【0287】
ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)阻害物質
PI3K阻害物質には、PI3Kγ、PI3Kδ、PI3Kβ、PI3Kα及び/または汎PI3Kの阻害物質が含まれる。PI3K阻害物質の例には、ワートマニン、BKM120、CH5132799、XL756、及びGDC−0980が含まれるがこれらに限定されない。PI3Kγ阻害物質の例には、ZSTK474、AS252424、LY294002及びTG100115が含まれるがこれらに限定されない。PI3Kδ阻害物質の例には、PI3K II、TGR−1202、AMG−319、GSK2269557、X−339、X−414、RP5090、KAR4141、XL499、OXY111A、IPI−145、IPI−443、ならびにWO2005/113556(ICOS)、WO2013/052699(Gilead Calistoga)、WO2013/116562(Gilead Calistoga)、WO2014/100765(Gilead Calistoga)、WO2014/100767(Gilead
Calistoga)及びWO 2014/201409(Gilead Sciences)中で記載される化合物が含まれるがこれらに限定されない。PI3Kβ阻害物質の例には、GSK2636771、BAY 10824391及びTGX221が含まれるがこれらに限定されない。PI3Kα阻害物質の例には、ブパルリシブ、BAY 80−6946、BYL719、PX−866、RG7604、MLN1117、WX−037、AEZA−129及びPA799が含まれるがこれらに限定されない。汎PI3K阻害物質の例には、LY294002、BEZ235、XL147(SAR245408)及びGDC−0941が含まれるがこれらに限定されない。
【0288】
脾臓チロシンキナーゼ(SYK)阻害物質
SYK阻害物質の例には、タマチニブ(R406)、フォスタマチニブ(R788)、PRT062607、BAY−61−3606、NVP−QAB 205 AA、R112、R343、及びUS8450321(Gilead Connecticut)中で記載されるものが含まれるがこれらに限定されない。
【0289】
チロシンキナーゼ阻害物質(TKI)
TKIは、表皮増殖因子受容体(EGFR)及び線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)ならびに血管内皮増殖因子(VEGF)についての受容体を標的とし得る。EGFRを標的化するTKIの例には、ゲフィチニブ及びエルロチニブが含まれるがこれらに限定されない。スニチニブは、FGF、PDGF及びVEGFについての受容体を標的化するTKIの非限定例である。
【0290】
薬学的有効量の本明細書において記載されるようなBTK阻害物質及びASK1阻害物質の組み合わせを使用して、ヒトにおけるアレルギー性障害、自己免疫性疾患及び炎症性疾患も治療することができ、その方法は、薬学的有効量のBTK阻害物質またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物及び薬学的有効量のASK1阻害物質またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物をそれを必要とするヒトへ投与することを含む。特に、本明細書において教示される組み合わせは、アレルギー性障害、自己免疫性疾患及び炎症性疾患(全身性紅斑性狼瘡(SLE)、慢性関節リウマチ、多発性血管炎、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、重症筋無力症、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸窮迫症候群(ARD)及び喘息等)の治療のために使用され得る。
【実施例】
【0291】
以下の実施例は、本出願中で開示される実施形態の理解をさらに支援し、実施例が属する当業者に周知の従来の方法の理解を想定するように提供される。本明細書において記載される特定の材料及び条件は、本明細書において開示される実施形態の特定の態様を例示することが意図され、その合理的な範囲を限定すると解釈されるべきでない。アッセイまたは研究の条件(試薬濃度または培養温度等)が変動され得ること、及びアッセイまたは研究の結果が変動し得ることが理解される。いくつかの実例において、値は1〜3倍の範囲内で変動し得る。
【0292】
実施例1
本研究は、関節炎の治療においてJAK阻害物質と組み合わせたBTK阻害物質の効果の可能性を評価した。LewisラットにブタII型コラーゲンを皮内/皮下に(ID/SC)注射して、関節炎を誘導した。関節炎のラットを、ベヒクル(20%のクレモフォールEL/10%のEtOH/70%の食塩水)、化合物A1(BTK阻害物質)、化合物B4(JAK阻害物質)、化合物A1及び化合物B4、またはDex(デキサメタゾン)により処理した。化合物A1を、3、10もしくは20mg/kgで1日2回または20mg/kgで1日1回のいずれかで、経口投与し;化合物B4を2.5mg/kgで毎日経口投与し;dexを、17日目に開始して0.075mg/kgで毎日投与した。研究は34日目で終了させた。有効性評価は、体重、毎日の足首のキャリパーによる測定、曲線下面積(AUC)として表現した足首直径、後足の末端の重量、及び右足首の組織病理構造的評価に基づくものであった。
【0293】
本モデルは、特定の臨床的及び組織病理構造的なパラメーター(メスLewisのラットにおいて確立されたII型コラーゲン関節炎中で起こる、炎症、軟骨破壊及び骨再吸収等)を反映し得る。治療が、確立された疾患のピークで開始され、慢性相へと継続されたので、得られた結果は、本モデルの慣性的で高度に破壊的なマクロファージ媒介性の相の評価に使用することができる。
【0294】
足首直径を測定し、治療効果の可能性について比較した。
図1は、以下の群:対照(正常及び疾患)、化合物A1(20mg/kg、毎日)、化合物A1(3mg/kg、1日2回)、化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)、化合物A1(20mg/kg、毎日)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)、化合物A1(3mg/kg、1日2回)と化合物B4(1日2回2.5mg/kg)、及びDex(0.075mg/kg、毎日)での、足首直径(インチ)(平均±標準誤差)について、9、13〜34日目で取得した測定を図示する。加えて、AUC全合計(17〜34日目)(平均±標準誤差)を測定した。AUC全合計は、対照(正常)について4.5±0.008;対照(疾患)について6.1±0.058;化合物A1(20mg/kg、毎日)について5.9±0.096;化合物A1(20mg/kg、1日2回)について5.8±0.124;化合物A1(10mg/kg、1日2回)について5.9±0.102;化合物A1(3mg/kg、1日2回)について5.9±0.079;化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について5.6±0.083;化合物A1(20mg/kg、毎日)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について5.3±0.063;化合物A1(10mg/kg、1日2回)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について5.3±0.093;化合物A1(3mg/kg、1日2回)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について5.3±0.082;及びDex(0.075mg/kg、毎日)について5.2±0.069であった。
【0295】
さらに、AUC全合計のパーセント阻害(17〜34日目)を決定した。パーセント阻害は、対照(正常)について100%;対照(疾患)について0%;化合物A1(20mg/kg、毎日)について13%;化合物A1(20mg/kg、1日2回)について15%;化合物A1(10mg/kg、1日2回)について9%;化合物A1(3mg/kg、1日2回)について13%;化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について28%;化合物A1(20mg/kg、毎日)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について50%;化合物A1(10mg/kg、1日2回)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について49%;化合物A1(3mg/kg、1日2回)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について48%;及びDex(0.075mg/kg)について56%であった。
【0296】
以下のスコアシステムを使用して、足首炎症、足首パンヌス、足首軟骨損傷、足首骨再吸収、及び骨膜性新生骨形成(それらは足首組織構造への治療効果を表わし得る)を評価する。34日目の合計の足首組織構造スコアの合計が、本明細書において提供される。
【0297】
本明細書において使用される時、足首炎症スコアは以下の意味を有する。0=正常;0.5=最小の病巣炎症;1=関節滑膜/関節周囲組織中の炎症細胞の最小の浸潤;2=軽度の浸潤;3=中等度の浸潤、中等度の浮腫あり;4=著しい浸潤、著しい浮腫あり;5=重度の浸潤、重度の浮腫あり。本明細書において使用される時、足首パンヌスのスコアは以下の意味を有する。0=正常;0.5=軟骨及び軟骨下骨組織中のパンヌスの最小の浸潤、周縁域のみに影響し、少数の関節のみに影響する;1=軟骨及び軟骨下骨組織中のパンヌスの最小の浸潤、主として周縁帯に影響する;2=軽度の浸潤(周縁域で脛骨または足根骨の<25%);3=中等度の浸潤(周縁域で脛骨または小さな足根骨の26%〜50%に影響する);4=著しい浸潤(周縁域で脛骨または足根骨の51%〜75%に影響する);5=重度の浸潤(周縁域で脛骨または足根骨の>75%に影響する、全体的な構成の重度の歪み)。
【0298】
本明細書において使用される時、足首軟骨損傷スコアは以下の意味を有する。0=正常;0.5=トルイジンブルー染色の最小の減少、周縁域のみに影響し、少数の関節のみに影響する;1=トルイジンブルー染色の最小から軽度の欠損、明らかな軟骨の欠損または
コラーゲン破壊なし;2=トルイジンブルー染色の軽度の欠損、病巣状の軽度の(表面)軟骨の欠損及び/またはコラーゲン破壊あり;3=トルイジンブルー染色の中等度の欠損、多病巣状の中等度の(中央域への深さ)軟骨の欠損及び/またはコラーゲン破壊あり、より小さな足根骨の50%〜75%の深さに影響し、全厚を欠損した領域は稀である;4=トルイジンブルー染色の著しい欠損、多病巣状の著しい(深域への深さ)軟骨の欠損及び/またはコラーゲン破壊あり、1または2の小さな足根骨表面は軟骨の全厚の欠損を有する;5=トルイジンブルー染色の重度のびまん性欠損、多病巣状の重度の(石灰化前線への深さ)軟骨の欠損及び/またはコラーゲン破壊あり、2を超える軟骨表面に影響する。
【0299】
本明細書において使用される時、足首骨再吸収スコアは以下の意味を有する。0=正常;0.5=最小の再吸収、周縁域のみに影響し、少数の関節のみに影響する;1=低倍率で容易に明瞭ではない小さな領域での再吸収、破骨細胞は稀である;2=低倍率で容易に明瞭ではないより多くの領域での再吸収、より多数の破骨細胞、周縁域で脛骨または足根骨の<25%が再吸収される;3=髄質骨梁骨及び皮質骨の明らかな再吸収、皮質における全厚の欠陥なし、ある程度の髄質骨梁の欠損、低倍率で明瞭な病巣、より多数の破骨細胞、周縁域で脛骨または足根骨の25%〜50%に影響する;4=皮質骨における全厚の欠陥、多くの場合残存する皮質表面の輪郭の歪みあり、髄質骨の著しい欠損、多数の破骨細胞、周縁域で脛骨または足根骨の51%〜75%に影響する;5=皮質骨における全厚の欠陥、多くの場合残存する皮質表面の輪郭の歪みあり、髄質骨の著しい欠損、多数の破骨細胞、周縁域で脛骨または足根骨の>75%に影響し、全体的な構成の重度の歪み。
【0300】
本明細書において使用される時、骨膜性新生骨形成スコアは以下の意味を有する。0=正常、骨膜性増殖なし;0.5=最小の病巣状または多病巣状の増殖、任意の所在位置で127um未満の幅の測定値(16×で1〜2単位);1=最小の多病巣状の増殖、任意の所在位置で127〜252umの幅の測定値(16×で3〜4単位);2=足根骨上の軽度の多病巣、いくつかの所在位置でびまん性、任意の所在位置で253〜441umの幅(16×で5〜7単位);3=足根骨上の中等度の多病巣、大部分の他の所在位置においてびまん性、任意の所在位置での測定値が442〜630umの幅(16×で8〜10単位);4=足根骨上の著しい多病巣、大部分の他の所在位置でびまん性、任意の所在位置での測定値が630〜819umの幅(16×で11〜13単位);5=足根骨上の重度の多病巣、大部分の他の所在位置でびまん性、任意の所在位置での測定値が>819umの幅(16×で>13単位)。
【0301】
合計された足首組織病理構造(平均±標準誤差)を、組織病理構造スコアによって測定した。炎症、パンヌス、軟骨損傷、骨再吸収、及び骨膜性新生骨形成の合計を、25の最大値で各々の足首について計算した。合計の足首組織病理構造は、対照(正常)について0±0.0;対照(疾患)について25±0.0;化合物A1(20mg/kg、毎日)について21±0.7;化合物A1(20mg/kg、1日2回)について21±0.6;化合物A1(10mg/kg、1日2回)について21±1.4;化合物A1(3mg/kg、1日2回)について23±0.6;化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について19±1.4;化合物A1(20mg/kg、毎日)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について10±1.2;化合物A1(10mg/kg、1日2回)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について11±1.6;化合物A1(3mg/kg、1日2回)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について10±2.0;及びDex(0.075mg/kg、毎日)について12±1.0であった。
【0302】
合計の足首組織病理構造について、パーセント阻害を決定した。パーセント阻害は、対照(正常)について100%;対照(疾患)について0%;化合物A1(20mg/kg、毎日)について15%;化合物A1(20mg/kg、1日2回)について18%;化
合物A1(10mg/kg、1日2回)について16%;化合物A1(3mg/kg、1日2回)について10%;化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について23%;化合物A1(20mg/kg、毎日)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について60%;化合物A1(10mg/kg、1日2回)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について57%;化合物A1(3mg/kg、1日2回)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について60%;及びDex(0.075mg/kg)について51%であった。
【0303】
加えて、ED−1免疫陽性の破骨細胞カウント(平均±標準誤差)を測定した。ED−1免疫陽性の破骨細胞カウントは、対照(正常)について1±0.2;対照(疾患)について19±1.0;化合物A1(20mg/kg、毎日)について9±1.5;化合物A1(20mg/kg、1日2回)について4±0.7;化合物A1(10mg/kg、1日2回)について8±1.9;化合物A1(3mg/kg、1日2回)について7±1.3;化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について16±1.7、化合物A1(20mg/kg、毎日)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について4±0.4;化合物A1(10mg/kg、1日2回)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)で3±0.4;化合物A1(3mg/kg、1日2回)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)で3±0.4;及びDex(0.075mg/kg)について4±1.4であった。ED−1免疫陽性の破骨細胞カウントについて、パーセント阻害も測定した。パーセント阻害は、対照(正常)について100%;対照(疾患)について0%;化合物A1(20mg/kg、毎日)について56%;化合物A1(20mg/kg、1日2回)について83%;化合物A1(10mg/kg、1日2回)について62%;化合物A1(3mg/kg、1日2回)について65%;化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について14%;化合物A1(20mg/kg、毎日)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)について85%;化合物A1(10mg/kg、1日2回)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)で91%;化合物A1(3mg/kg、1日2回)と化合物B4(2.5mg/kg、1日2回)で90%;及びDex(0.075mg/kg)について85%であった。
【0304】
実施例2
材料及び方法:ヒト活性化B細胞(ABC)サブタイプDLBCL細胞株(TMD8)の増殖抑制に対する、BET阻害物質((2−シクロプロピル−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−イル)ジ(ピリジン−2−イル)メタノール(化合物D))及びBTK阻害物質(化合物A1)の組み合わせの効果を、インビトロで評価した。化合物D(0〜90nM)及び化合物A1(0〜22nM)のマトリックスでTMD8細胞に投薬し、4日間処理し、その後に細胞生存率をCellTiter Gloアッセイによって測定した。細胞増殖抑制についてこの用量のマトリックスの代表的なヒートマップを
図2中で示す(0%〜100%の増殖抑制)。両方の化合物は用量範囲にわたって細胞増殖を低減させ、5.8〜90nMの化合物D及び0.3〜22nMの化合物A1の濃度で、相乗性が観察された(
図3)。相乗性は、Bliss分析を使用して、化合物の間で予測された相加的相互作用を上回る超過として定義された。化合物D単独で、または5.5nMもしくは11nMの化合物A1の存在下において、増殖抑制についての用量応答曲線を、
図4中で示す。化合物Dについての平均IC
50値(細胞増殖の最大阻害の半分を引き起こす濃度)は、5.5nM及び11nMの化合物A1の存在によって、25nMから11nM及び8nMへ、それぞれ減少し、相乗的相互作用と整合性がある。
【0305】
細胞生存率アッセイ:
Labcyte Echo液体ハンドラーによって化合物で既にスポットされた384ウェル(Grenier 781086)組織培養用黒色ウェルプレート中に、細胞を1
ウェルあたり4,000細胞の密度でプレーティングした。細胞を、90nMで開始する化合物Dの8点2倍の希釈系列で処理した(0.14%の最終的なDMSO濃度)。DMSO単独により処理した細胞を、陽性対照として100%の細胞増殖のために使用した。細胞は、化合物Dの各々の用量について、化合物D単独で、または化合物A1の用量範囲(0.3〜22nMの範囲の6点2倍の希釈系列)の存在下において、細胞を処理した。細胞を37℃で96時間インキュベーションし、販売会社のプロトコルに従ってCellTiterGlo試薬を使用して生存率を測定した。曲線をprismにおいてプロットし、4パラメーター変数hillスロープ非線形フィットによりIC
50値を計算した。与えられた濃度ペアでの薬物の任意の組み合わせについて、Bliss相加性下で予測された応答を、Ra+Rb−Ra*Rb(式中、Ra及びRbは、化合物D及びA1の応答(すなわち細胞増殖抑制)である)によって決定した。全Blissスコアを、実測値と各々のペアのアッセイされた濃度で予測される相加値との間の差の合計によって決定した。差が測定の95%の信頼区間より大きい場合の値のみが、合計中に含まれる。
【0306】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
治療有効量のBTK阻害物質及び治療有効量1つまたは複数の阻害物質をヒトへ投与することを含む、癌、アレルギー性障害及び自己免疫性疾患及び炎症性疾患の群から選択される疾患をそれを必要とするヒトにおいて治療する方法であって、
前記BTK阻害物質が、6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オンまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物であり、
前記1つまたは複数の阻害物質が、JAK阻害物質、ASK1阻害物質、BRD阻害物質及びMMP9阻害物質からなる群から選択される、
前記方法。
(項2)
前記BTK阻害物質及び/または前記1つまたは複数の阻害物質が、静脈内、筋肉内、非経口的、経鼻的、または経口的に投与される、上記項1に記載の方法。
(項3)
前記BTK阻害物質が、前記1つまたは複数の阻害物質の前、その後、またはそれと同時に投与される、上記項1に記載の方法。
(項4)
前記疾患が、血液系悪性腫瘍、白血病、リンパ腫慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、非ホジキンリンパ腫、低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)、リンパ形質細胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫、慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、慢性閉塞性肺疾患(CORD)、成人呼吸窮迫症候群及び喘息からなる群から選択される、上記項1に記載の方法。
(項5)
前記ヒトが、癌療法のうちの少なくとも1つへ不応性であるか、または、(a)フルダラビン;(b)リツキシマブ;(c)フルダラビンと組み合わせたリツキシマブ;(d)フルダラビンと組み合わせたシクロホスファミド;(e)リツキシマブ及びフルダラビンと組み合わせたシクロホスファミド;(f)ビンクリスチン及びプレドニゾンと組み合わせたシクロホスファミド;(g)ビンクリスチン、プレドニゾン及びリツキシマブと組み合わせたシクロホスファミド;(h)シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾンの組み合わせ;(i)プレドニゾン、リツキシマブ、オビヌツズマブまたはオファツムマブと組み合わせたクロラムブシル;(j)シクロホスファミド及びリツキシマブと組み合わせたペントスタチン、(k)リツキシマブと組み合わせたベンダムスチン(Treanda(登録商標));(l)アレムツズマブ;(m)フルダラビン+シクロホスファミド、ベンダムスチンまたはクロラムブシル;ならびに(n)抗CD20の抗体と組み合わせた、フルダラビン+シクロホスファミド、ベンダムスチンまたはクロラムブシル、からなる群から選択される少なくとも1つの抗癌療法による治療後に再発している、上記項1に記載の方法。
(項6)
(i)少なくとも1つの化学療法による治療へ不応性である、または(ii)化学療法による治療後に再発している、または(i)及び(ii)の両方である、ヒトに感受性を与える方法であって、前記方法が、阻害物質と組み合わせたBtk阻害物質をヒトへ投与することを含み、前記阻害物質が、JAK阻害物質、ASK1阻害物質、BRD阻害物質及びMMP9阻害物質からなる群から選択される、前記方法。
(項7)
前記JAK阻害物質が、モメロチニブ、フィルゴチニブ、1−[1−[[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ピリジニル]−4−ピペリジニル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−3−アゼチジンアセトニトリル、トファシチニブ、オクラシチニブ、ルクソロチニブ(ruxolotinib)、バラシチニブ(baracitinib)、レスタウルチニブ
、パクリチニブ、TG101348、JSI−124、GSK2585184、VX−509、INCB16562、XL019、NVP−BSK805、CEP33779、R−348、AC−430、CDP−R723、BMS911543、またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、上記項1または6のいずれか一項に記載の方法。
(項8)
前記ASK1阻害物質が、5−(4−シクロプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロ−N−(6−(4−イソプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−4−メチルベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物である、上記項1または6のいずれか一項に記載の方法。
(項9)
前記ブロモドメイン含有タンパク質の修飾物質が、式IIの化合物:
【化35】
(式中、
R1a及びR1bは、各々独立して、1〜5のR20基により随意に置換されたC1−6アルキルであり;
R2a及びR2bは、各々独立して、Hまたはハロであり;
R3は、
−C(O)ORa、−NHC(O)ORa、−NHS(O)2Ra、もしくは−S(O)2NRaRbであるか;または
C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、アミノ、C5−10アリール、C6−20アリールアルキル、C1−10ヘテロアルキル、C5−10ヘテロアリール、及びC6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、その各々は1〜5のR20基により随意に置換され;
R4a及びR4bのうちの1つは、H、及び1〜5のR20基により随意に置換されたC1−6アルキルからなる群から選択され、他のものは存在せず;
R5は、−C(O)ORa、−NHC(O)ORa、−NHS(O)2Ra、もしくは−S(O)2NRaRbであるか;または
R5は、H、C1−10アルキル、C1−10ハロアルキル、C1−10アルコキシ、アミノ、C5−10アリール、C6−20アリールアルキル、C1−10ヘテロアルキル、C5−10ヘテロアリール、及びC6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、その各々は1〜5のR20基により随意に置換され;
各々のRa及びRbは、H、C1−10アルキル、C5−10アリール、C6−20アリールアルキル、C1−10ヘテロアルキル、C5−10ヘテロアリール、及びC6−20ヘテロアリールアルキルからなる群から独立して選択され、その各々は1〜5のR20基により随意に置換され;
各々のR20は、アシル、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、アミノ、アミド、アミジノ、C5−10アリール、C6−20アリールアルキル、アジド、カルバモイル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、グアニジノ、ハロ、C1−10ハロアルキル、C1−10ヘテロアルキル、C5−10ヘテロアリール、C6−20ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドラジノ、イミノ、オキソ、ニトロ、スルフィニル、スルホン酸、スルホニル、チオシアネート、チオール、及びチオンからなる群から独立して選
択され;
そこで、C1−10アルキル基、C5−10アリール基、C6−20アリールアルキル基、C1−10ヘテロアルキル基、C5−10ヘテロアリール基、及びC6−20ヘテロアリールアルキル基は、C1−6アルキル、C5−10アリール、ハロ、C1−6ハロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、及びC1−6アルコキシから独立して選択される1〜3の置換基により随意に置換される);
またはその薬学的に許容される塩
である、上記項1または6のいずれか一項に記載の方法。
(項10)
前記MMP9阻害物質が、
免疫グロブリン重鎖ポリペプチドまたはその機能的断片と;
免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドまたはその機能的断片と;
を含む、MMP9結合タンパク質を含み、
前記MMP9結合タンパク質がヒトMMP9へ特異的に結合し、
前記MMP9結合タンパク質が、配列番号:13〜15の重鎖CDRまたは配列番号:16〜18の軽鎖CDRを含む抗体と、ヒトMMP9へ結合することを競合する、
上記項1または6のいずれか一項に記載の方法。
(項11)
前記免疫グロブリン重鎖がアミノ酸配列の配列番号:7を含み、前記免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドまたはその機能的断片がアミノ酸配列の配列番号:12を含む、上記項10に記載の方法。
(項12)
BTK阻害物質の単位投薬形態(そこで前記BTK阻害物質は6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オンまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物である)と;
1つまたは複数の阻害物質の単位投薬形態(そこで前記阻害物質は、JAK阻害物質、ASK1阻害物質、BRD阻害物質及びMMP9阻害物質からなる群から選択される)と;癌、アレルギー性障害、自己免疫性疾患及び炎症性疾患の群から選択される疾患の治療における使用説明書を含有する標識と
を含む、製造品。
(項13)
薬学的有効量のBTK阻害物質を含む医薬組成物(そこで前記BTK阻害物質は6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オンまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物である)と;
薬学的有効量の1つまたは複数の阻害物質を含む医薬組成物(そこで前記阻害物質は、JAK阻害物質、ASK1阻害物質、BRD阻害物質及びMMP9阻害物質からなる群から選択される)と;
癌、アレルギー性障害、自己免疫性疾患及び炎症性疾患の群から選択される疾患の治療における使用説明書と
を含む、キット。