複数の電極を有する配線基板と、電極が配された電極面を有する複数のマイクロLEDチップとを有し、前記配線基板の前記電極と前記マイクロLEDチップの前記電極とが電気的に接続されている発光板から、不良のマイクロLEDチップを除去する工程と、
前記発光板における除去された前記不良のマイクロLEDチップがあった位置に、リペア用部品を載置する工程と、
を含み、
前記リペア用部品が、電極が配された電極面を有するマイクロLEDチップと、前記マイクロLEDチップの前記電極面に配された前記電極に接して配された、前記電極面の広さに相当する広さを有する異方性導電層と、を有し、
前記リペア用部品における前記マイクロLEDチップの前記電極と、前記配線基板の前記電極とが、前記異方性導電層を介して異方性導電接続される、
ことを特徴とするリペア方法。
複数の電極を有する配線基板と、電極が配された電極面を有する複数のマイクロLEDチップとを有し、前記配線基板の前記電極と前記マイクロLEDチップの前記電極とが電気的に接続されている発光板から、不良のマイクロLEDチップを除去する工程と、
前記発光板における除去された前記不良のマイクロLEDチップがあった位置に、リペア用部品を載置する工程と、
を含み、
前記リペア用部品が、電極が配された電極面を有するマイクロLEDチップと、前記マイクロLEDチップの前記電極面に配された前記電極に接して配された、前記電極面の広さに相当する広さを有する異方性導電層と、を有し、
前記リペア用部品における前記マイクロLEDチップの前記電極と、前記配線基板の前記電極とが、前記異方性導電層を介して異方性導電接続される、
ことを特徴とする発光装置の製造方法。
複数の電極を有する配線基板と、電極が配された電極面を有する複数のマイクロLEDチップと、前記配線基板の前記電極と前記マイクロLEDチップの前記電極とを異方性導電接続している異方性導電層と、請求項1に記載のリペア用部品とを有する発光板を有する発光装置であって、
前記リペア用部品と前記配線基板とが、前記リペア用部品の前記異方性導電層を介して異方性導電接続されていることを特徴とする発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(マイクロLEDチップを有するリペア用部品)
本発明のマイクロLEDチップを有するリペア用部品は、マイクロLEDチップと、異方性導電層とを有し、更に必要に応じて、基材などのその他の部材を有する。
【0011】
<マイクロLEDチップ>
前記マイクロLED(light emitting diode)チップは、発光ダイオードの微小チップである。
前記マイクロLEDチップは、所定の波長帯の光を上面から発する固体発光素子である。
前記マイクロLEDチップは、例えば、平面形状において一辺が5μm以上100μm以下のサイズである。
前記マイクロLEDチップの平面形状としては、例えば、正方形などが挙げられる。
前記マイクロLEDチップは、薄片状であり、前記マイクロLEDチップのアスペクト比(高さH/幅W)は、例えば、0.1以上1以下である。
【0012】
前記マイクロLEDチップは、電極が配された電極面を有する。
【0013】
例えば、
図1に示すように、マイクロLEDチップ1は、第1導電型層101、活性層102、及び第2導電型層103を順に積層してなる積層構造を有している。活性層102は、所定の波長帯の光を発する。
青色帯又は緑色帯の光を発するマイクロLEDチップにおいては、第1導電型層101、活性層102、及び第2導電型層103は、例えば、InGaN系の半導体材料によって構成されている。
赤色帯の光を発するマイクロLEDチップにおいては、第1導電型層101、活性層102、及び第2導電型層103は、例えば、AlGaInP系の半導体材料によって構成されている。
第1電極104、及び第2電極105は、例えば、Ag(銀)などの高反射性の金属材料を含んで構成されている。なお、マイクロLEDチップ1は、図示しないが、側面と、上面のうち第2電極105の未形成領域とを被う絶縁膜を有していてもよい。
【0014】
マイクロLEDチップ1の側面は、例えば、
図1に示したように、積層方向と直交する面となっている。なお、光取り出し効率を考慮して、マイクロLEDチップ1の側面が、積層方向と交差する傾斜面となっていてもよい。例えば、
図2に示したように、マイクロLEDチップ1は、側面に、当該マイクロLEDチップ1の断面が逆台形状となるような傾斜面を有していてもよい。
【0015】
第1導電型層101の下面には第1電極104が設けられている。第1電極104は、第1導電型層101に接するとともに第1導電型層101に電気的に接続されている。
一方、第2導電型層103の上面には第2電極105が設けられている。第2電極105は、第2導電型層103に接するとともに第2導電型層103に電気的に接続されている。
第1電極104及び第2電極105はそれぞれ、単一の電極によって構成されていてもよいし、複数の電極によって構成されていてもよい。
図1又は
図2では、第1電極104が2つの電極からなり、第2電極105が単一の電極からなる。
【0016】
<異方性導電層>
前記異方性導電層は、前記マイクロLEDチップの前記電極面の前記電極と、配線基板などの電極との異方性導電接続を行うための部材である。
前記リペア用部品において、前記異方性導電層は、前記マイクロLEDチップの前記電極面に配された前記電極に接して配されている。
前記リペア用部品における前記異方性導電層は、前記電極面の広さに相当する広さを有する。
前記異方性導電層の広さとしては、例えば、前記電極面の広さと略同一の広さである。ここで、略同一の広さとは、前記電極面からほとんどはみ出していない程度の広さであり、例えば、前記電極面の広さの±10%以内の広さである。
【0017】
前記異方性導電層は、例えば、膜形成樹脂と、硬化性樹脂と、硬化剤と、導電性粒子とを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
【0018】
<<膜形成樹脂>>
前記膜形成樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。前記膜形成樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、製膜性、加工性、接続信頼性の点からフェノキシ樹脂が好ましい。
前記フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンより合成される樹脂などが挙げられる。
前記フェノキシ樹脂は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0019】
前記異方性導電層における前記膜形成樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20質量%以上70質量%以下が好ましく、30質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0020】
<<硬化性樹脂>>
前記硬化性樹脂(硬化成分)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラジカル重合性化合物、エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0021】
−ラジカル重合性化合物−
前記ラジカル重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エポキシアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、テトラメチレングリコールテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記アクリレートをメタクリレートにしたものが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0022】
−エポキシ樹脂−
前記エポキシ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、それらの変性エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0023】
前記異方性導電層における前記硬化性樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20質量%以上70質量%以下が好ましく、30質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0024】
<<硬化剤>>
前記硬化剤としては、熱により前記硬化性樹脂を硬化させる作用を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱ラジカル系硬化剤、熱カチオン系硬化剤などが挙げられる。
【0025】
−ラジカル系硬化剤−
前記ラジカル系硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機過酸化物などが挙げられる。
前記有機過酸化物としては、例えば、ラウロイルパーオキサイド、ブチルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられる。
前記ラジカル系硬化剤は、前記硬化性樹脂としてのラジカル重合性化合物と併用することが好ましい。
【0026】
−カチオン系硬化剤−
前記カチオン系硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スルホニウム塩、オニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、芳香族スルホニウム塩が好ましい。
前記カチオン系硬化剤は、前記硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂と併用することが好ましい。
【0027】
前記異方性導電層における前記硬化剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1質量%以上10質量%以下が好ましく、3質量%以上7質量%以下がより好ましい。
【0028】
<<導電性粒子>>
前記導電性粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属粒子、金属被覆樹脂粒子などが挙げられる。
【0029】
前記金属粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニッケル、コバルト、銀、銅、金、パラジウム、半田などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ニッケル、銀、銅が好ましい。これらの金属粒子は、酸化を防ぐ目的で、金、パラジウムを含有していてもよい。更に、表面に金属突起や有機物で絶縁皮膜を施したものを用いてもよい。
【0030】
前記金属被覆樹脂粒子としては、樹脂粒子の表面を金属で被覆した粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂粒子の表面をニッケル、銀、半田、銅、金、及びパラジウムの少なくともいずれかの金属で被覆した粒子などが挙げられる。更に、表面に金属突起や有機物で絶縁皮膜を施したものを用いてもよい。低抵抗を考慮した接続の場合、樹脂粒子の表面を金で被覆した粒子が好ましい。
前記樹脂粒子への金属の被覆方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無電解めっき法、スパッタリング法などが挙げられる。
前記樹脂粒子の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ベンゾグアナミン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−シリカ複合樹脂などが挙げられる。
【0031】
前記導電性粒子は、異方性導電接続の際に、導電性を有していればよい。例えば、金属粒子の表面に絶縁皮膜を施した粒子であっても、異方性導電接続の際に前記粒子が変形し、前記金属粒子が露出するものであれば、前記導電性粒子である。
【0032】
前記導電性粒子の平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上50μm以下が好ましく、2μm以上30μm以下がより好ましく、3μm以上15μm以下が特に好ましい。
前記平均粒子径は、任意に10個の導電性粒子について測定した粒子径の平均値である。
前記粒子径は、例えば、走査型電子顕微鏡観察により測定できる。
【0033】
前記異方性導電層における前記導電性粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%以上10質量%以下が好ましく、3質量%以上8質量%以下がより好ましい。
【0034】
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤などが挙げられる。
【0035】
−シランカップリング剤−
前記シランカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ系シランカップリング剤、アクリル系シランカップリング剤、チオール系シランカップリング剤、アミン系シランカップリング剤などが挙げられる。
前記シランカップリング剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0036】
前記異方性導電層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上50μm以下が好ましく、3μm以上30μm以下がより好ましく、5μm以上20μm以下が特に好ましい。
ここで、本明細書において平均厚みとは、任意の箇所を10箇所測定した際の算術平均値である。
【0037】
<基材>
前記基材は、前記異方性導電層の前記マイクロLEDチップ側と反対側の表面に接して配されている。
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ガラスなどが挙げられる。
前記基材には、離型処理が施されていてもよい。
【0038】
前記基材は、例えば、テープ状である。
【0039】
前記基材が、ポリエチレンテレフタレートである場合、前記基材の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10μm以上100μm以下であってもよいし、20μm以上80μm以下であってもよい。
前記基材が、ガラスである場合、前記基材の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.05mm以上10mm以下であってもよいし、0.2mm以上8mm以下であってもよい。
【0040】
前記リペア用部品は、例えば、前記基材上に、前記異方性導電層と前記マイクロLEDチップとの積層物が離間して複数配されている態様であってもよい。
この場合、前記基材がテープ状であり、前記積層物は、前記基材の長手方向に一列で配されていてもよいし、複数列で配されていてもよい。
【0041】
ここで、図を用いてリペア用部品の一例を説明する。
図3は、本発明のリペア用部品の一例の断面模式図である。
図3のリペア用部品は、マイクロLEDチップ1と、異方性導電層2とを有する。マイクロLEDチップ1は、電極1Aが配された電極面1Bを有する。異方性導電層2は、マイクロLEDチップ1の電極面1Bに配された電極1Aに接して配されている。異方性導電層2の広さは、電極面1Bの広さに相当している。
図3においては、電極面1Bと、異方性導電層2の電極面1B側の面2Aとは、同じ形状、及び同じ面積であるが、まったく同じ形状、及び同じ面積である必要はなく、多少、形状、大きさが異なっていてもよい。
【0042】
なお、
図3のリペア用チップでは、電極面1Bと、異方性導電層2とが接していないが、リペア用チップは、
図4に示すように、異方性導電層2に電極1Aが埋没し、電極面1Bと異方性導電層2とが接していてもよい。
【0043】
図5A及び
図5Bは、本発明のリペア用部品の他の一例の模式図である。
図5Aは、断面模式図である。
図5Bは、上面模式図である。
図5A及び
図5Bに示すリペア用部品では、テープ状の基材3上に、複数の積層物Xが離間して一列で配されている。
積層物Xは、マイクロLEDチップ1と、マイクロLEDチップ1の電極面1Bに配された電極1Aに接して配された、電極面1Bの広さに相当する広さを有する異方性導電層2とを有する。
図5A及び
図5Bに示すリペア用部品では、2つの積層物Xの間、及び基材3の端部に、マイクロLEDチップ1が配されていない異方性導電層2を有している。これは、後述するリペア用部品の製造方法の一態様に由来する。本発明のリペア用部品では、このようなマイクロLEDチップ1が配されていない異方性導電層2を有していてもよいし、有していなくてもよい。
【0044】
図5A及び
図5Bに示すリペア用部品では、積層物Xにおける異方性導電層2の広さが、マイクロLEDチップ1の電極面の広さと同じであるため、積層物Xを基材3から剥がす際に、容易に引き剥がすことができる。
【0045】
(リペア用部品の製造方法)
本発明のリペア用部品の製造方法は、配置工程と、除去工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
【0046】
<配置工程>
前記配置工程としては、基材上に配された異方性導電層上に、複数のマイクロLEDチップを離間して配置する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0047】
<<基材>>
前記基材としては、例えば、本発明のリペア用部品で説明した前記基材が挙げられる。
【0048】
<<異方性導電層>>
前記異方性導電層としては、例えば、本発明のリペア用部品で説明した前記異方性導電層が挙げられる。ただし、前記配置工程における前記異方性導電層の広さは、前記電極面の広さに相当する広さではない。
【0049】
<<マイクロLEDチップ>>
前記マイクロLEDチップとしては、例えば、本発明のリペア用部品で説明した前記マイクロLEDチップが挙げられる。
【0050】
前記異方性導電層上に、前記複数のマイクロLEDチップを離間して配置する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複数のマイクロLEDチップを離間して把持できる部材を用いて、前記異方性導電層上に、前記複数のマイクロLEDチップを離間して配置することなどが挙げられる。
【0051】
<除去工程>
前記除去工程としては、前記マイクロLEDチップの前記異方性導電層側の面の周囲に位置する前記異方性導電層を除去する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、レーザーを照射することにより行われることが好ましい。
【0052】
レーザーの波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、266nmが樹脂をレーザーアブレーション除去しやすい点で好ましい。
【0053】
レーザー照射におけるレーザーエネルギー強度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5%以上100%以下が好ましく、5%以上50%以下がより好ましい。
レーザーエネルギー強度とは、レーザー照射強度10,000mJ/cm
2を100としたときの出力パーセントで表した強度である。例えば、レーザーエネルギー強度10%とは、レーザー照射強度1,000mJ/cm
2を意味する。
また、レーザーの照射回数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1回〜10回が好ましい。
レーザー照射における総レーザー照射強度としては、500mJ/cm
2以上10,000mJ/cm
2以下が好ましく、1,000mJ/cm
2以上5,000mJ/cm
2以下がより好ましい。
ここで、総レーザー照射強度とは、レーザー照射の際のn回のレーザー照射強度の総和として算出される照射強度である。ここで「n」は、レーザーの照射回数を示す。
異方性導電層を除去するためのレーザー照射装置として、LMT−200(東レエンジニアリング社製)、C.MSL−LLO1.001(タカノ社製)、DFL7560L(DISCO社製)などのパルスレーザーでアブレーション可能な装置を使用できる。
【0054】
以下、
図6A〜
図6Gを用いて、リペア用部品の製造方法の一例を説明する。
まず、テープ状の基材3上に異方性導電層2が配された異方性導電フィルムを用意する(
図6A及び
図6B)。
図6Aは異方性導電フィルムの断面模式図である。
図6Bは異方性導電フィルムの上面模式図である。
次に、異方性導電層2上に、複数のマイクロLEDチップ1を離間して配置する(
図6C及び
図6D)。
図6Cは断面模式図である。
図6Dは上面模式図である。
図6C及び
図6Dでは、複数のマイクロLEDチップがテープ状の基材の長手方向に一列で配されているが、複数列で配されてもよい。マイクロLEDチップ1は、電極1Aを有する。マイクロLEDチップ1は、電極1Aが異方性導電層2に接するように、異方性導電層2上に配される。
次に、レーザー照射源50からレーザー51を照射する。レーザー51は、マイクロLEDチップ1側から、マイクロLEDチップ1の異方性導電層2側の面(電極面)の周囲に位置する異方性導電層2に照射される(
図6E)。
図6Fに、マイクロLEDチップ1の異方性導電層2側の面の周囲の一部に位置する異方性導電層2が除去された状態を示す。同様の操作を繰り返し、マイクロLEDチップ1の異方性導電層2側の面の周囲に位置する異方性導電層2を除去すると、
図5A及び
図5Bに示すリペア用部品が得られる。
【0055】
以下、
図7A〜
図7Iを用いて、リペア用部品の製造方法の他の一例を説明する。
まず、テープ状の基材3上に異方性導電層2が配された異方性導電フィルムを用意する(
図7A及び
図7B)。
図7Aは異方性導電フィルムの断面模式図である。
図7Bは異方性導電フィルムの上面模式図である。
次に、異方性導電層2上に、複数のマイクロLEDチップ1を離間して配置する(
図7C及び
図7D)。
図7Cは断面模式図である。
図7Dは上面模式図である。
図7C及び
図7Dでは、複数のマイクロLEDチップがテープ状の基材の長手方向に一列で配されているが、複数列で配されてもよい。マイクロLEDチップ1は、電極1Aを有する。マイクロLEDチップ1は、電極1Aが異方性導電層2に接するように、異方性導電層2上に配される。
次に、レーザー照射源50からレーザー51を照射する。レーザー51は、マイクロLEDチップ1側から、マイクロLEDチップ1の異方性導電層2側の面(電極面)の周囲に位置する異方性導電層2に照射される(
図7E)。ここで、レーザー51のスポット径が、除去したい異方性導電層2に対して大きいので、レーザー51は、フォトマスク52を介して異方性導電層2に照射される。フォトマスク52は、マイクロLEDチップ1の形状に相当する光非透過領域52Aとその周囲に開口部を有する。そうすることで、マイクロLEDチップ1の異方性導電層2側の面(電極面)の周囲に位置する異方性導電層2が除去される(
図7F及び
図7G)。同様の操作を繰り返し、マイクロLEDチップ1の異方性導電層2側の面の周囲に位置する異方性導電層2を除去すると、
図7H及び
図7Iに示すリペア用部品が得られる。
図7Hは断面模式図である。
図7Iは上面模式図である。
【0056】
(リペア方法、及び発光装置の製造方法)
本発明のリペア方法は、除去工程と、載置工程とを含み、更に必要に応じて、検査工程、加熱押圧工程などのその他の工程を含む。
本発明の発光装置の製造方法は、除去工程と、載置工程とを含み、更に必要に応じて、検査工程、加熱押圧工程などのその他の工程を含む。
前記リペア方法は、例えば、発光装置の製造の際に実施される。
前記発光装置は、例えば、表示装置(マイクロLEDディスプレイ)、照明装置(LED照明)などに利用できる。
【0057】
前記リペア方法及び前記発光装置の製造方法においては、リペア用部品におけるマイクロLEDチップの電極と、配線基板の電極とが、異方性導電層を介して異方性導電接続される。
【0058】
<除去工程>
前記除去工程としては、発光板から、不良のマイクロLEDチップを除去する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0059】
前記発光板から、前記不良のマイクロLEDチップを除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記不良のマイクロLEDチップを治具により掴んで、上方に引き上げる方法などが挙げられる。
【0060】
<<発光板>>
前記発光板は、配線基板と、複数のマイクロLEDチップとを有する。
前記配線基板は、電極を有する。
前記複数のマイクロLEDチップは、電極が配された電極面を有する。
前記発光板においては、前記配線基板の前記電極と前記マイクロLEDチップの前記電極とが電気的に接続されている。
前記発光板においては、前記配線基板の電極と前記マイクロLEDチップの前記電極とは、異方性導電層を介して異方性導電接続されていることが好ましい。
【0061】
−配線基板−
前記配線基板としては、複数の電極を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記配線基板の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基板、ガラスエポキシ基板、ポリイミドフィルム基板などが挙げられる。
【0062】
前記配線基板における前記電極の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0063】
−マイクロLEDチップ−
前記マイクロLEDチップは、電極が配された電極面を有する。
前記マイクロLEDチップとしては、例えば、本発明のリペア用部品で説明した
前記マイクロLEDチップが挙げられる。
【0064】
<載置工程>
前記載置工程としては、前記発光板における除去された前記不良のマイクロLEDチップがあった位置に、リペア用部品を載置する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マイクロLEDチップを把持できる部材を用いて、前記不良のマイクロLEDチップがあった位置に、前記リペア用部品を載置する方法などが挙げられる。
【0065】
<<リペア用部品>>
前記リペア用部品は、マイクロLEDチップと、異方性導電層とを有し、更に必要に応じて、基材などのその他の部材を有する。
【0066】
前記マイクロLEDチップは、電極が配された電極面を有する。
前記マイクロLEDチップとしては、例えば、本発明のリペア用部品で説明した前記マイクロLEDチップが挙げられる。
【0067】
前記リペア用部品において、前記異方性導電層は、前記マイクロLEDチップの前記電極面に配された前記電極に接して配されている。
前記リペア用部品における前記異方性導電層は、前記電極面の広さに相当する広さを有する。
前記異方性導電層の広さとしては、例えば、前記電極面の広さと略同一の広さである。ここで、略同一の広さとは、前記電極面からほとんどはみ出していない程度の広さであり、例えば、前記電極面の広さの±10%以内の広さである。
前記異方性導電層としては、例えば、本発明のリペア用部品で説明した前記異方性導電層が挙げられる。
【0068】
<検査工程>
前記検査工程としては、前記発光板に配された前記複数のマイクロLEDチップのいずれが前記不良のマイクロLEDであるかどうかを確認する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記発光板に配された前記複数のマイクロLEDチップに通電し、マイクロLEDチップの発光状態を観察することにより検査する方法などが挙げられる。
【0069】
<加熱及び押圧工程>
前記加熱工程としては、前記載置工程の後に、前記リペア用部品を加熱及び押圧する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱押圧部材を用いて行われる。
【0070】
前記加熱押圧部材としては、例えば、加熱機構を有する押圧部材などが挙げられる。前記加熱機構を有する押圧部材としては、例えば、ヒートツールなどが挙げられる。
【0071】
前記リペア方法及び前記表示装置の製造方法においては、前記リペア用部品における前記マイクロLEDチップの前記電極と、前記配線基板の前記電極とが、硬化した前記異方性導電層を介して異方性導電接続される。前記異方性導電接続は、例えば、前記加熱押圧工程を行うことで実施される。前記異方性導電層が加熱及び押圧されることで、前記マイクロLEDチップの前記電極と、前記配線基板の前記電極とが、前記異方性導電層中の導電性粒子を介して電気的に接続され、かつ、前記異方性導電層が加熱により硬化することで、前記マイクロLEDチップと前記配線基板とが接着される。
【0072】
前記加熱の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、150℃以上200℃以下が好ましい。
前記押圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1MPa以上50MPa以下が好ましい。
前記加熱及び押圧の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5秒間以上120秒間以下が挙げられる。
【0073】
以下、
図8A〜
図8Eを用いて、リペア方法の一例を説明する。なお、この方法は、発光装置の製造方法の一例でもある。
【0074】
図8Aは、発光板10の概略断面図である。
発光板10は、複数の電極11Aを有する配線基板11と、電極1Aが配された電極面を有する複数のマイクロLEDチップとを有する。
図8Aに示す発光板10の5つのマイクロLEDチップのうちの1つは、不良のマイクロLEDチップ1Yである。配線基板11の電極11Aと、マイクロLEDチップ1、1Yの電極1Aとは、硬化した異方性導電層12を介して異方性導電接続されている。
【0075】
発光板10における複数のマイクロLEDチップに対して、不良のマイクロLEDチップがないかどうかを検査する。
検査によって見つかった不良のマイクロLEDチップ1Yを、
図8Bに示すように、発光板10から除去する。その際、不良のマイクロLEDチップ1Yとともに、不良のマイクロLEDチップ1Yの電極面1Bに接触する硬化した異方性導電層12も除去することが好ましい。不良のマイクロLEDチップ1Yの周囲の硬化した異方性導電層12にレーザーを照射して、不良のマイクロLEDチップ1Yの周囲の硬化した異方性導電層12をレーザーにより除去しておく。そうすると、不良のマイクロLEDチップ1Yの電極面1Bに接触する硬化した異方性導電層12を、不良のマイクロLEDチップ1Yとともに、容易に発光板10から除去できる。
なお、不良のマイクロLEDチップ1Yを、発光板10から除去する際に、不良のマイクロLEDチップ1Yの電極面1Bに接触する硬化した異方性導電層12が発光板10に残った場合には、当該硬化した異方性導電層12を発光板10から除去することが好ましい。除去の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、物理的に削り取ってもよいし、レーザーを照射して除去してもよい。
【0076】
次に、
図8C及び
図8Dに示すように、発光板10における除去された不良のマイクロLEDチップ1Yがあった位置に、リペア用部品100を載置する。
リペア用部品100は、マイクロLEDチップ1Xと、異方性導電層2とを有する。マイクロLEDチップ1Xは、電極1Aが配された電極面1Bを有する。異方性導電層2は、マイクロLEDチップ1の電極面1Bに配された電極1Aに接して配されている。異方性導電層2の広さは、電極面1Bの広さに相当している。
リペア用部品100は、例えば、
図5A及び
図5Bに示すリペア用部品から取り出した積層物Xである。
【0077】
次に、リペア用部品100を加熱及び押圧する。そうすることにより、
図8Eに示すように、リペア用部品100におけるマイクロLEDチップ1Xの電極1Aと、配線基板11の電極11Aとが、硬化した異方性導電層12を介して異方性導電接続される。
以上により、リペアが完了する。
【0078】
(発光装置)
本発明の発光装置は、発光板を有し、更に必要に応じて、その他部品を有する。
前記発光板は、配線基板と、複数のマイクロLEDチップと、異方性導電層と、本発明の前記リペア用部品とを有し、更に必要に応じて、その他の部品を有する。
前記配線基板は、電極を有する。
前記マイクロLEDチップは、電極が配された電極面を有する。
前記異方性導電層は、前記配線基板の前記電極と前記マイクロLEDチップの前記電極とを異方性導電接続している。言い換えれば、前記配線基板の前記電極と前記マイクロLEDチップの前記電極とは、前記異方性導電層を介して異方性導電接続されている。
前記リペア用部品と前記配線基板とは、前記リペア用部品の前記異方性導電層を介して異方性導電接続されている。
【0079】
前記配線基板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明のリペア方法、及び発光装置の製造方法において説明した前記配線基板が挙げられる。
前記マイクロLEDチップとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明のリペア用部品で説明した前記マイクロLEDチップが挙げられる。
前記配線基板の前記電極と前記マイクロLEDチップの前記電極とを異方性導電接続している前記異方性導電層としては、その大きさ、形状、材質、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記異方性導電層の材質としては、例えば、本発明のリペア用部品で説明した前記異方性導電層の材質などが挙げられる。
【実施例】
【0080】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0081】
(使用部材)
<マイクロLEDチップ>
デクセリアルズ社製マイクロLEDチップ
サイズ:18μm×40μm
電極サイズ:15μm×15μm
【0082】
<異方性導電フィルム1(ACF1)>
PET(ポリエチレンテレフタレート:20mm×20mm、平均厚み50μm)上に異方性導電層(平均厚み8μm)が形成された異方性導電フィルム(デクセリアルズ社製の粒子配列型異方性導電フィルム、PAF700シリーズ)
【0083】
<異方性導電フィルム2(ACF2)>
PET(ポリエチレンテレフタレート:20mm×20mm、平均厚み50μm)上に異方性導電層(平均厚み8μm)が形成された異方性導電フィルム(デクセリアルズ社製のラジカル硬化系異方性導電フィルム)
−異方性導電層−
・主構成成分
・・アクリレート化合物
・・膜形成樹脂(フェノキシ樹脂)
・・過酸化物系硬化剤
・・導電性粒子(平均粒子径3μm):粒子通常分散タイプ
【0084】
<異方性導電フィルム3(ACF3)>
ガラス(30mm×30mm、平均厚み1mm)上に異方性導電層(平均厚み8μm)が形成された異方性導電フィルム(デクセリアルズ社製のカチオン硬化系異方性導電フィルム)
−異方性導電層−
・主構成成分
・・エポキシ樹脂
・・膜形成樹脂(フェノキシ樹脂)
・・カチオン系硬化剤
・・導電性粒子(平均粒子径3μm):粒子通常分散タイプ
【0085】
(実施例1)
異方性導電フィルム1及び上記マイクロLEDチップを用い、
図6A〜
図6Fを用いて説明したリペア用部品の製造方法と同様にして、
図5A及び
図5Bに示すリペア用部品を作製した。
レーザーの照射には、パルスレーザー照射でアブレーション可能な装置を用いた。その際のレーザーの照射条件は、以下の通りである。
・レーザー照射条件
・・レーザー種類:YAG Laser
・・レーザー波長:266nm
・・レーザーエネルギー強度:10%
・・レーザー照射回数:1回
【0086】
得られたリペア用部品について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
【0087】
<ACF除去可否>
レーザー照射後にレーザー照射部の異方性導電層の除去有無を金属顕微鏡で確認し、以下の評価基準で判断した。
〔評価基準〕
○:除去すべき箇所の異方性導電層が完全に除去されている。
△:除去すべき箇所の異方性導電層がわずかに残っている。
×:除去すべき箇所の異方性導電層が全く除去できていない。
【0088】
<ピックアップ性>
得られたリペア用部品から、積層物Xをピックアップした。
具体的には、以下のようにして行った。
図5Aに示すリペア用部品において、積層物XのマイクロLEDチップ1の上面を吸着ノズルに吸着させた。その後、吸着ノズルを上方に移動させ、基材3(PET)から積層物Xをピックアップした。
ピックアップを10個の積層物Xに対して行った。その際の様子を金属顕微鏡で観察し、以下の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
○:10個全ての積層物Xがピックアップされた。即ち、10個全ての積層物Xにおいて、マイクロLEDチップに接する異方性導電層2は、基材3に残らなかった。
△:1個〜9個の積層物Xのピックアップにおいて、マイクロLEDチップ1に接する異方性導電層2が基材3に残るものがあった。
×:10個全ての積層物Xのピックアップにおいて、マイクロLEDチップ1のみがピックアップされ、マイクロLEDチップ1に接していた異方性導電層2は、基材3に残った。
【0089】
<LED点灯性>
評価用配線基板として、以下の基板を用いた。
・基板仕様:ガラス基板+ITO配線、パターン/スペース=50μm/8μm
作製したリペア用部品からピックアップ性評価と同様の方法でピックアップした積層物Xを、電極1Aが評価用配線基板の電極と対向するように、評価用配線基板上に載置した。その後、ボンダー装置を用いて以下の加熱押圧条件で積層物Xを評価用配線基板に押し付け、異方性導電接続させた。
・加熱押圧条件:150℃、10sec、10MPa
その後、評価用配線基板に電流を流して、LEDの点灯の有無を目視で確認した。
合計10個のリペア用部品について、上記の操作を行った。
以下の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
○:10個全てのLEDが点灯した。
△:1〜9個のLEDが点灯した。
×:10個全てのLEDが不点灯であった。
【0090】
(実施例2〜8、10〜11)
実施例1において、異方性導電フィルムの種類、レーザー波長、レーザーエネルギー強度、及びレーザー照射回数を、表1及び表2に示す異方性導電フィルムの種類、レーザー波長、レーザーエネルギー強度、及びレーザー照射回数に変えた以外は、実施例1と同様にして、リペア用部品を作製した。
【0091】
得られたリペア用部品について実施例1と同様にして評価した。結果を表1及び表2に示した。
【0092】
(実施例9)
異方性導電フィルム1及び上記マイクロLEDチップを用い、
図7A〜
図7Gを用いて説明したリペア用部品の製造方法と同様にして、
図5A及び
図5Bに示すリペア用部品を作製した。
レーザーの照射には、パルスレーザー照射でアブレーション可能な装置を用いた。その際のレーザーの照射条件は、以下の通りである。
・レーザー照射条件
・・レーザー種類:YAG Laser
・・レーザー波長:266nm
・・レーザーエネルギー強度:10%
・・レーザー照射回数:1回
【0093】
得られたリペア用部品について実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示した。
【0094】
(比較例1)
異方性導電フィルム1上に、上記マイクロLEDチップを載置し、リペア用部品を作製した。即ち、比較例1のリペア用部品においては、異方性導電層の広さは、マイクロLEDチップの電極面の広さに相当する広さではない。
【0095】
得られたリペア用部品について、以下の評価を行った。結果を表2に示した。
【0096】
<ピックアップ性>
得られたリペア用部品からマイクロLEDチップをピックアップした。
具体的には、以下のようにして行った。リペア用部品のマイクロLEDチップの上面を吸着ノズルに吸着させた。その後、吸着ノズルを上方に移動させ、基材(PET)からマイクロLEDチップをピックアップした。
ピックアップを10個のマイクロLEDチップに対して行った。その際の様子を金属顕微鏡で観察し、以下の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
○:10個全てのマイクロLEDチップが、異方性導電層とともにピックアップされた。即ち、10個全てのマイクロLEDチップのピックアップにおいて、異方性導電層は、基材に残らなかった。
△:1個〜9個のマイクロLEDチップのピックアップにおいて、異方性導電層が基材に残るものがあった。
×:10個全てのマイクロLEDチップのピックアップにおいて、マイクロLEDチップのみがピックアップされ、異方性導電層は、基材に残った。
【0097】
<LED点灯性>
ピックアップ性が「×」であった。即ち、ピックアップしたマイクロLEDチップには異方性導電層が付着してなかった。そのため、ピックアップしたマイクロLEDを実施例1で用いた評価用配線基板に異方性導電接続させることができなかった。そのため、実施例1で行ったLED点灯性の評価を行うことができなかった。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
比較例1と比べて、実施例1〜10では、ピックアップ性が優れていた。
レーザー照射における総レーザー照射強度が、1,000mJ/cm
2以上5,000mJ/cm
2以下である実施例1、3〜5、7〜11においては、ACFの除去性、ピックアップ性、及びLED点灯性の全てが非常に優れていた。