特開2021-145141(P2021-145141A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2021-145141被加工物を処理するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-145141(P2021-145141A)
(43)【公開日】2021年9月24日
(54)【発明の名称】被加工物を処理するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20210827BHJP
   B65G 49/00 20060101ALI20210827BHJP
   H01L 21/31 20060101ALN20210827BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   B65G49/00 A
   H01L21/31 C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2021-95649(P2021-95649)
(22)【出願日】2021年6月8日
(62)【分割の表示】特願2019-520705(P2019-520705)の分割
【原出願日】2017年10月6日
(31)【優先権主張番号】62/409,538
(32)【優先日】2016年10月18日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】502278714
【氏名又は名称】マトソン テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Mattson Technology, Inc.
(71)【出願人】
【識別番号】520111187
【氏名又は名称】ベイジン イータウン セミコンダクター テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing E−Town Semiconductor Technology Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ヤング
(72)【発明者】
【氏名】ライアン パクルスキー
【テーマコード(参考)】
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
5F045AA08
5F045BB10
5F045DQ17
5F045EB08
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA12
5F131AA32
5F131BA04
5F131BA19
5F131BA24
5F131BB04
5F131CA48
5F131DA02
5F131DA22
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB58
5F131DB76
5F131DB83
5F131HA12
5F131HA24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】半導体被加工物のような被加工物を処理するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】複数の被加工物を処理するプラズマ処理システム100は、ロードロックチャンバを含む。ロードロックチャンバ114は、複数の被加工物を積層配置で支持する被加工物コラム110を含む。さらに、少なくとも2つの処理チャンバ120、130を含む。少なくとも2つの処理チャンバは、夫々少なくとも2つの処理ステーション122、124、132、134を有する。各処理ステーションは、処理チャンバ内での処理中に被加工物を支持するための被加工物支持体を有する。さらに、ロードロックチャンバ及び処理チャンバにプロセスフローで連通する搬送チャンバ115を含む。搬送チャンバは、回転ロボット150を含む。回転ロボットは、複数の被加工物をロードロックチャンバ内の被加工物コラムから少なくとも2つの処理ステーションに搬送する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被加工物を処理するための処理システムであって、
前記処理システムは、ロードロックチャンバを含み、前記ロードロックチャンバは、複数の被加工物を積層配置で支持するように構成された被加工物コラムを含み、
前記処理システムは、少なくとも2つの処理チャンバを含み、前記少なくとも2つの処理チャンバは、少なくとも2つの処理ステーションを有し、各処理ステーションは、前記処理チャンバ内での処理中に被加工物を支持するための被加工物支持体に関連付けられており、
前記処理システムは、前記ロードロックチャンバおよび前記少なくとも2つの処理チャンバにプロセスフローで連通された搬送チャンバを含み、
前記搬送チャンバは、少なくとも1つの回転ロボットを含み、前記回転ロボットは、軸を中心にして回転するように構成された少なくとも1つのアームを含み、前記回転ロボットは、複数の被加工物を前記ロードロックチャンバ内の前記被加工物コラムから前記少なくとも2つの処理チャンバ内の前記少なくとも2つの処理ステーションに搬送するように構成されている、
処理システム。
【請求項2】
前記回転ロボットは、シザー動作を使用して、前記複数の被加工物を前記ロードロックチャンバ内の前記被加工物コラムから前記処理チャンバ内の前記少なくとも2つの処理ステーションに搬送するように構成されている、
請求項1記載の処理システム。
【請求項3】
前記少なくとも2つの処理チャンバは、第1の処理チャンバおよび第2の処理チャンバを含み、前記第1の処理チャンバおよび前記第2の処理チャンバの各々は、それぞれ少なくとも2つの処理ステーションを含む、
請求項1記載の処理システム。
【請求項4】
前記第1の処理チャンバおよび前記第2の処理チャンバは、前記回転ロボットが前記複数の被加工物を前記第1の処理チャンバと前記第2の処理チャンバとの間で搬送することができるように、前記搬送チャンバの相互に反対の両側に配置されている、
請求項1記載の処理システム。
【請求項5】
前記第1の処理チャンバおよび前記第2の処理チャンバは、直線配置で配置されており、前記処理システムは、複数の被加工物を積層配置で支持するように構成された搬送位置を含む、
請求項1記載の処理システム。
【請求項6】
前記回転ロボットは、複数の被加工物を前記第1の処理チャンバ内の前記少なくとも2つの処理ステーションから前記搬送位置内の前記積層配置に搬送するように構成されている、
請求項5記載の処理システム。
【請求項7】
前記処理システムは、第2の回転ロボットを含み、前記第2の回転ロボットは、複数の被加工物を前記搬送位置内の前記積層配置から前記第2の処理チャンバ内の前記少なくとも2つの処理ステーションに搬送するように構成されている、
請求項5記載の処理システム。
【請求項8】
前記搬送位置は、前記搬送チャンバ内に配置されている、
請求項5記載の処理システム。
【請求項9】
前記少なくとも2つの処理チャンバは、前記搬送チャンバの相互に反対の両側に配置された第1の処理チャンバおよび第2の処理チャンバを含み、
前記少なくとも2つの処理チャンバは、さらに、前記第1の処理チャンバと直線配置で配置された第3の処理チャンバと、前記第2の処理チャンバと直線配置で配置された第4の処理チャンバと、を含み、これによって前記第3の処理チャンバおよび前記第4の処理チャンバは、前記搬送チャンバの相互に反対の両側に配置されるようになっており、
前記第1の処理チャンバ、前記第2の処理チャンバ、前記第3の処理チャンバおよび前記第4の処理チャンバの各々は、それぞれ少なくとも2つの処理ステーションを含む、
請求項1記載の処理システム。
【請求項10】
前記処理システムは、さらに、複数の被加工物を積層配置で支持するように構成された搬送位置を含み、
前記少なくとも1つの回転ロボットは、
複数の被加工物を前記ロードロックチャンバ内の前記積層配置から前記第1の処理チャンバ内の前記少なくとも2つの処理ステーションに搬送するように構成された第1の回転ロボットと、
複数の被加工物を前記搬送位置内の前記積層配置から前記第3の処理チャンバ内の前記少なくとも2つの処理ステーションに搬送するように構成された第2の回転ロボットと、
を含む、
請求項9記載の処理システム。
【請求項11】
前記回転ロボットは、旋回点を中心にして回転するように構成された少なくとも1つの一次アームを有し、前記一次アームは、複数の二次アームに結合されており、各二次アームは、前記複数の被加工物のうちの1つを支持するように構成された少なくとも1つの被加工物ブレードに関連付けられている、
請求項1記載の処理システム。
【請求項12】
前記回転ロボットは、前記複数の被加工物を前記処理チャンバ内の前記少なくとも2つの処理ステーションに搬送するために、前記アームを伸張させて、前記複数の被加工物ブレードをシザー状に開くように構成されている、
請求項1記載の処理システム。
【請求項13】
前記回転ロボットは、単一のモータを使用して、前記アームを伸張させて、前記複数の被加工物ブレードをシザー状に開くように構成されている、
請求項12記載の処理システム。
【請求項14】
前記回転ロボットは、1つまたは複数の被加工物ブレードを有する第1のアームと、1つまたは複数の被加工物ブレードを有する第2のアームと、を含む、
請求項1記載の処理システム。
【請求項15】
前記第1のアームは、前記複数の被加工物のうちの1つを前記ロードロックチャンバ内の前記被加工物コラムから前記処理チャンバ内の第1の処理ステーションに搬送するように構成されており、
前記第2のアームは、前記複数の被加工物のうちの1つを前記ロードロックチャンバ内の前記被加工物コラムから前記処理チャンバ内の第2の処理ステーションに搬送するように構成されている、
請求項14の処理システム。
【請求項16】
半導体処理システムにおいて被加工物を処理するための方法であって、前記方法は、
複数の被加工物を積層配置で支持するように構成された、ロードロックチャンバ内の被加工物コラムに複数の被加工物を搬送するステップと、
搬送チャンバ内に配置された回転ロボットを使用して、前記複数の被加工物を前記被加工物コラムから第1の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送するステップと、
前記第1の処理チャンバにおいて前記複数の被加工物に対して第1の処理プロセスを実施するステップと、
前記回転ロボットを使用して、前記複数の被加工物を第2の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送するステップと、
前記第2の処理チャンバにおいて前記複数の被加工物に対して第2の処理プロセスを実施するステップと、
を含む方法。
【請求項17】
前記第2の処理プロセスは、前記第1の処理プロセスとは異なる、
請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、さらに、
前記回転ロボットを使用して、前記複数の被加工物を搬送位置に搬送するステップと、
前記搬送チャンバ内に配置された第2の回転ロボットを使用して、前記複数の被加工物を前記搬送位置から、前記第1の処理チャンバと直線配置で配置されている第3の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送するステップと、
前記第3の処理チャンバにおいて前記複数の被加工物に対して第3の処理プロセスを実施するステップと、
前記第2の回転ロボットを使用して、前記複数の被加工物を、前記第2の処理チャンバと直線配置で配置されている第4の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送するステップと、
前記第4の処理チャンバにおいて前記複数の被加工物に対して第4の処理プロセスを実施するステップと、
を含む、
請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記複数の被加工物は、シザー動作を使用して、前記第1の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送される、
請求項16記載の方法。
【請求項20】
被加工物を処理するための処理システムであって、
被加工物コラムと、
第1の回転ロボットと、
第2の回転ロボットと、
第1の処理チャンバと、
前記第1の処理チャンバと直線配置で配置されている第2の処理チャンバと、
搬送ステーションと、
被加工物を前記被加工物コラムから前記第1の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送するように構成されており、前記被加工物を前記第1の処理チャンバから搬送位置に搬送するように構成されている第1の回転ロボットと、
前記被加工物を前記搬送位置から前記第2の処理チャンバに搬送するように構成されている第2の回転ロボットと、
を含む処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、被加工物の処理に関し、より詳細には、半導体被加工物のような被加工物を処理するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハまたは他の適切な基板のような被加工物を、半導体デバイスまたは他のデバイスを形成するための全体的な処理計画に供する処理システムは、プラズマ処理(例えばストリッピング、エッチング等)、熱処理(例えばアニーリング)、堆積(例えば化学蒸着)等のような複数の処理ステップを実施することができる。これらの処理ステップを実施するために、システムは、被加工物を例えばシステム内部に、種々の処理チャンバ間で、およびシステム外部に、複数の種々の回数にわたって移動させるための1つまたは複数のロボットを含むことができる。あらゆる半導体処理において考慮すべき重要な点は、システムの設置面積のサイズである。設置面積のサイズが増加すると処理施設のスペースが大きくなり、スループットの低下およびコストの増加につながる。
【0003】
半導体被加工物のための処理システムの例示的な構成は、クラスタ型ツール、カルーセル型ツール等を含むことができる。クラスタ型ツールでは、被加工物を複数の処理チャンバ間で移動させるために、中央ロボットの周りに複数の半導体処理モジュールを配置することができる。クラスタ型ツールは、設置面積が大きく(例えば大量のスペースを占める)、限られた数の処理チャンバしか支持することができない場合がある。カルーセル型ツールでは、被加工物を複数の処理ステーション間で回転させることができる。カルーセル型ツールは、プロセス統合の柔軟性が低下し、クラスタ型の構成と組み合わせて実装することが難しい場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態の態様および利点は、以下の説明に部分的に記載されているか、または以下の説明から理解することができるか、または実施形態の実施を通じて理解することができる。
【0005】
本開示の1つの例示的な態様は、複数の被加工物を処理するための処理システムに関する。処理システムは、ロードロックチャンバを含むことができる。ロードロックチャンバは、複数の被加工物を積層配置で支持するように構成された被加工物コラムを含むことができる。本システムはさらに、少なくとも1つの処理チャンバ、例えば2つの処理チャンバを含むことができる。少なくとも1つの処理チャンバは、少なくとも2つの処理ステーションを有することができる。各処理ステーションは、処理チャンバ内での処理中に被加工物を支持するための被加工物支持体を有することができる。本システムはさらに、ロードロックチャンバおよび少なくとも1つの処理チャンバにプロセスフローで連通された搬送チャンバを含む。搬送チャンバは、回転ロボットを含む。回転ロボットは、複数の被加工物をロードロックチャンバ内の積層配置から処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送するように構成されることができる。
【0006】
本開示の他の例示的な態様は、半導体被加工物を処理するためのシステム、方法、および装置に関する。
【0007】
種々の実施形態の上記の特徴、態様、および利点、ならびにその他の特徴、態様、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照しながらより良好に理解されるであろう。本明細書に組み込まれており、本明細書の一部を構成している添付の図面は、本開示の実施形態を例示するものであり、明細書と一緒に関連する原理を説明するために使用される。
【0008】
当業者を対象にした実施形態の詳細な説明は、添付の図面を参照する明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の例示的な実施形態による例示的な処理システムの平面図である。
図2】本開示の例示的な実施形態による例示的な被加工物コラムを示す図である。
図3】本開示の例示的な実施形態による例示的な処理方法のフロー図である。
図4】本開示の例示的な実施形態による例示的な処理システムの平面図である。
図5】本開示の例示的な実施形態による例示的な搬送位置を示す図である。
図6】AおよびBは、本開示の例示的な実施形態による例示的な処理方法のフロー図である。
図7】A,B,CおよびDは、本開示の例示的な実施形態による処理システムにおける被加工物の例示的な搬送を示す図である。
図8】AおよびBは、本開示の例示的な実施形態による、シザー動作を使用して被加工物コラムから処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションへの複数の被加工物の搬送を実施する例示的な回転ロボットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、複数の実施形態が詳細に参照され、そのうちの1つまたは複数の例が図面に示されている。各例は、実施形態を説明するものとして提示されており、本開示を限定するものではない。実際に、本開示の範囲または精神から逸脱することなく、これらの実施形態に種々の修正および変形を加えることが可能であることは、当業者には明らかであろう。例えば、ある1つの実施形態の一部として図示または説明されている特徴を、別の実施形態と共に使用して、さらに別の実施形態を形成することが可能である。したがって、本開示の態様は、そのような修正形態および変形形態を網羅することが意図されている。
【0011】
本開示の例示的な態様は、半導体被加工物、光電子被加工物、フラットパネルディスプレイ、または他の適切な被加工物のような被加工物を処理するためのシステムに関する。被加工物の材料は、例えばシリコン、シリコンゲルマニウム、ガラス、プラスチック、または他の適切な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、被加工物を半導体ウェハとすることができる。本システムを、種々の被加工物製造プロセスを実施するために使用することができ、このような種々の被加工物製造プロセスには、真空アニーリングプロセス、表面処理プロセス、ドライストリッピングプロセス、ドライエッチングプロセス、堆積プロセス、および他のプロセスが含まれるが、これらに限定されていない。
【0012】
より具体的には、本システムは、被加工物を処理するための複数の処理チャンバを含むことができる。各処理チャンバは、1つの共通のプロセス圧力(例えば真空)環境を使用する複数の処理ステーション(例えばツインアーキテクチャの2つの処理ステーション)を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の処理チャンバは、誘導結合プラズマ源、マイクロ波源、表面波プラズマ源、ECRプラズマ源、容量結合型(例えば平行平板型)プラズマ源等のようなプラズマベースのプロセス源を有するプラズマ処理チャンバとすることができる。
【0013】
例示的な実施形態では、処理システムは、ロードロックチャンバを含むことができる。ロードロックチャンバは、被加工物を処理チャンバに搬送する前に、被加工物をプロセス圧力(例えば真空圧力)に曝すように構成されることができる。ロードロックチャンバは、被加工物を積層配置で保持するための複数の棚を有する被加工物コラムを含むことができる。本システムはさらに、被加工物をロードロックチャンバから処理チャンバに搬送するための、かつ/または被加工物を複数の異なる処理チャンバ間で搬送するための搬送チャンバを含むことができる。いくつかの実施形態では、搬送チャンバを真空圧力または他の適切なプロセス圧力に維持することができる。搬送チャンバを、ロードロックチャンバと少なくとも1つの処理チャンバとの間にプロセスフローで連通するように配置することができる。
【0014】
本開示の例示的な実施形態によれば、搬送チャンバは、回転ロボットを含むことができる。回転ロボットは、固定点または固定領域において軸を中心にして回転することによって被加工物を搬送するように主として構成されたロボットを含むことができる。回転ロボットは、複数の被加工物(例えば2つの被加工物)をロードロックチャンバ内の被加工物コラムから処理チャンバ内の2つ以上の処理ステーションに搬送するように構成されることができる。各処理ステーションは、処理中に被加工物を支持するための被加工物支持体を含むことができる。いくつかの実施形態では、回転ロボットは、例えば被加工物を処理チャンバ内の2つ以上の処理ステーションに同時に搬送するシザー動作を使用して、複数の被加工物を搬送することができる。本明細書で使用されているように、シザー動作とは、シザー(はさみ)の開閉に類似した2つ以上のロボットアームの動きを指す。例えば、1つの例示的なシザー動作では、各ロボットアームの第1の端部同士は、各ロボットアームの対向する第2の端部同士よりも速く相互に離れる。別の例示的なシザー動作では、各ロボットアームの第1の端部同士は、相互に離れるが、その一方で、各ロボットアームの第2の端部同士または他の部分は、固定位置に留まっている。
【0015】
1つの例示的な実施形態では、回転ロボットは、固定された旋回点を中心にして回転するように構成された複数のロボットアームを含むことができる。各ロボットアームを、1つまたは複数の被加工物ブレードに関連付けることができる。各被加工物ブレードは、被加工物を支持するように構成されたエンドエフェクタを有することができる。回転ロボットは、シザー動作を使用して、被加工物を被加工物コラムから処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送するように、複数のロボットアームを制御するように構成されることができ、なお、シザー動作では、複数のロボットアームが、被加工物ブレードを処理ステーションに搬送するために相互に離れる。
【0016】
他の例示的な実施形態では、回転ロボットは、旋回点または旋回領域を中心にして回転する単一の一次アームを含むことができる。単一の一次アームを、複数の二次アームに結合することができる。二次アームを、それぞれ少なくとも1つの被加工物ブレードに結合することができる。各被加工物ブレードは、被加工物を支持するためのエンドエフェクタを含むことができる。いくつかの実施形態では、回転ロボットは、シザー動作を使用して、少なくとも2つの被加工物をロードロックチャンバ内の被加工物コラムから処理チャンバ内の2つの処理ステーションに搬送するように構成されることができる。シザー動作中、二次アーム同士は、一方の二次アームに関連付けられた被加工物ブレードが被加工物を第1の処理ステーションに搬送し、他方の二次アームに関連付けられた被加工物ブレードが被加工物を第2の処理ステーションに搬送するように、シザー状の形態で離れることができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、単一の一次アームと複数の二次アームのシザー動作とを、単一のモータを使用して動作させることができる。いくつかの実施形態では、回転ロボットは、複数の二次アームに結合された第2の一次アームを有することができる。第2の一次アームを、例えば被加工物を交換する目的で、他方の一次アームと同様に動作させることができる。いくつかの実施形態では、両方の一次アームを同時に動作させることはできず、したがって、両方の一次アームの動作を単一のモータを使用して制御することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、処理システムは、複数の処理チャンバを含むことができる。各処理チャンバは、少なくとも2つの処理ステーションを含むことができる。搬送チャンバ内の回転ロボットは、被加工物を複数の処理チャンバとロードロックチャンバとの間で搬送することができる。
【0019】
例えば1つの例示的な実施形態では、処理システムは、第1の処理チャンバおよび第2の処理チャンバが含まれる2つの処理チャンバを含むことができる。第1の処理チャンバおよび第2の処理チャンバを、搬送チャンバの相互に反対の両側に配置することができる。回転ロボットは、(シザー動作を使用して)複数の被加工物をロードロックチャンバ内の被加工物コラムから第1の処理チャンバの2つ以上の処理ステーションおよび/または第2の処理チャンバの2つ以上の処理ステーションに搬送するように構成されることができる。さらに、回転ロボットは、複数の被加工物を第1の処理チャンバの2つ以上の処理ステーションから第2の処理チャンバの2つ以上の処理ステーションに搬送するように構成されることができる。
【0020】
他の実施形態では、処理システムは、第1の処理チャンバ、第2の処理チャンバ、第3の処理チャンバ、および第4の処理チャンバが含まれる4つの処理チャンバを含むことができる。第1の処理チャンバおよび第2の処理チャンバを、搬送チャンバの相互に反対の両側に配置することができる。第3の処理チャンバを、第1の処理チャンバと直線配置で配置することができる。第4の処理チャンバを、第2の処理チャンバと直線配置で配置することができ、これによって第3の処理チャンバおよび第4の処理チャンバが、搬送チャンバの相互に反対の両側に配置されるようになっている。
【0021】
この特定の実施形態では、本システムは、搬送チャンバ内に、第1の回転ロボットおよび第2の回転ロボットが含まれる2つの回転ロボットを含むことができる。本システムはさらに、第1の回転ロボットと第2の回転ロボットとの間に搬送位置を含むことができる。搬送位置は、第1の回転ロボット(例えばロードロックチャンバへのアクセスを有する回転ロボット)が被加工物を第2の回転ロボットに搬送することを可能にすることができる。搬送位置は、複数の被加工物を積層配置で(例えば複数の棚の上で)支持するように構成された被加工物コラムを含むことができる。
【0022】
第1の回転ロボットは、複数の被加工物をロードロックチャンバ内の被加工物コラムから第1の処理チャンバの2つ以上の処理ステーションおよび/または第2の処理チャンバの2つ以上の処理ステーションに、かつ/または搬送位置内の被加工物コラムに搬送するように構成されることができる。さらに、第1の回転ロボットは、複数の被加工物を第1の処理チャンバの2つ以上の処理ステーションと、第2の処理チャンバの2つ以上の処理ステーションと、搬送位置の被加工物コラムと、の間で搬送するように構成されることができる。
【0023】
第2の回転ロボットは、複数の被加工物を搬送チャンバ内の被加工物コラムから第3の処理チャンバの2つ以上の処理ステーションおよび/または第4の処理チャンバの2つ以上の処理ステーションに搬送するように構成されることができる。さらに、第2の回転ロボットは、複数の被加工物を第3の処理チャンバの2つ以上の処理ステーションと、第4の処理チャンバの2つ以上の処理ステーションと、搬送位置の被加工物コラムとの間で搬送するように構成されることができる。
【0024】
被加工物の処理を実施するための任意の個数の処理チャンバを提供するために、搬送位置と、回転ロボットと、処理チャンバと、を直線的に追加することによって、より多くの処理チャンバを含むように、処理システムをさらに拡張することができる。このようにして、真空またはプロセス圧力を中断することなく本提案によるシステムに複数のプロセスモジュールを統合することができ、ドライエッチングおよびドライストリッピングプロセス、表面の前洗浄/処理およびそれに続く膜堆積プロセス、ならびに連続的な膜堆積プロセス等の組み合わせを含む、複数プロセスの統合スキームが可能となる。さらに、本提案によるシステムアーキテクチャでは、各回転真空ロボットの相互に反対の両側に構成された2種類の処理チャンバの間で被加工物を前後に交換することができ、(例えば原子層エッチングプロセス等のような)独特の周期的なプロセス性能が可能となる。
【0025】
本開示の例示的な実施形態による処理システムは、設置面積が小さくて生産性の高いシステムを提供することができる。クラスタ型ツールに関連する設置面積に比べて設置面積を小さくすることができる。さらに、処理システムは、設置面積/スループット、コスト/スループット、および他のメトリクスのような、処理システムの効率メトリクスにおける著しい改善を伴って、複数の被加工物(例えば4つの被加工物、8つの被加工物、またはそれ以上)を処理することができる。
【0026】
本開示の1つの例示的な実施形態は、複数の被加工物を処理するための処理システムに関する。処理システムは、ロードロックチャンバを含む。ロードロックチャンバは、複数の被加工物を積層配置で支持するように構成された被加工物コラムを含むことができる。処理システムは、少なくとも2つの処理チャンバを含む。少なくとも2つの処理チャンバは、少なくとも2つの処理ステーションを有する。各処理ステーションは、処理チャンバ内での処理中に被加工物を支持するための被加工物支持体に関連付けられている。処理システムは、ロードロックチャンバおよび少なくとも2つの処理チャンバにプロセスフローで連通された搬送チャンバを含む。搬送チャンバは、少なくとも1つの回転ロボットを含む。回転ロボットは、軸を中心にして回転するように構成された少なくとも1つのアームを有する。回転ロボットは、(例えばシザー動作を使用して)複数の被加工物をロードロックチャンバ内の被加工物コラムから少なくとも2つの処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送するように構成されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの処理チャンバは、第1の処理チャンバおよび第2の処理チャンバを含み、第1の処理チャンバおよび第2の処理チャンバの各々は、それぞれ少なくとも2つの処理ステーションを含む。第1の処理チャンバおよび第2の処理チャンバは、回転ロボットが複数の被加工物を第1の処理チャンバと第2の処理チャンバとの間で搬送することができるように、搬送チャンバの相互に反対の両側に配置されている。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1の処理チャンバおよび第2の処理チャンバは、直線配置で配置されている。本システムは、複数の被加工物を積層配置で支持するように構成された搬送位置を含む。回転ロボットは、複数の被加工物を第1の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションから搬送位置内の積層配置に搬送するように構成されることができる。第2の回転ロボットは、複数の被加工物を搬送位置内の積層配置から第2の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送するように構成されることができる。搬送位置を、搬送チャンバ内に配置することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの処理チャンバは、搬送チャンバの相互に反対の両側に配置された第1の処理チャンバおよび第2の処理チャンバを含む。少なくとも2つの処理チャンバはさらに、第1の処理チャンバと直線配置で配置された第3の処理チャンバと、第2の処理チャンバと直線配置で配置された第4の処理チャンバと、を含み、これによって第3の処理チャンバおよび第4の処理チャンバが、搬送チャンバの相互に反対の両側に配置されるようになっている。第1の処理チャンバ、第2の処理チャンバ、第3の処理チャンバ、および第4の処理チャンバの各々は、それぞれ少なくとも2つの処理ステーションを含むことができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、本システムはさらに、複数の被加工物を積層配置で支持するように構成された搬送位置を含む。少なくとも1つの回転ロボットは、複数の被加工物をロードロックチャンバ内の積層配置から第1の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送するように構成された第1の回転ロボットと、複数の被加工物を搬送位置内の積層配置から第3の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送するように構成された第2の回転ロボットと、を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、回転ロボットは、旋回点を中心にして回転するように構成された少なくとも1つの一次アームを有する。一次アームを、複数の二次アームに結合することができる。各二次アームを、複数の被加工物のうちの1つを支持するように構成された少なくとも1つの被加工物ブレードに関連付けることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、回転ロボットは、複数の被加工物を処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送するために、アームを伸張させて、複数の被加工物ブレードをシザー状に開くように構成されることができる。いくつかの実施形態では、回転ロボットは、単一のモータを使用して、アームを伸張させて、複数の被加工物ブレードをシザー状に開くように構成されることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、回転ロボットは、1つまたは複数の被加工物ブレードを有する第1のアームと、1つまたは複数の被加工物ブレードを有する第2のアームと、を含む。第1のアームは、複数の被加工物のうちの1つをロードロックチャンバ内の被加工物コラムから処理チャンバ内の第1の処理ステーションに搬送するように構成されることができ、第2のアームは、複数の被加工物のうちの1つをロードロックチャンバ内の被加工物コラムから処理チャンバ内の第2の処理ステーションに搬送するように構成されることができる。
【0034】
本開示の別の例示的な態様は、半導体処理システムにおいて被加工物を処理するための方法に関する。本方法は、ロードロックチャンバ内の被加工物コラムに複数の被加工物を搬送することを含む。被加工物コラムは、複数の被加工物を積層配置で支持するように構成されている。本方法は、搬送チャンバ内に配置された回転ロボットを使用して、(例えばシザー動作を使用して)複数の被加工物を被加工物コラムから第1の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送することを含む。本方法は、第1の処理チャンバにおいて複数の被加工物に対して第1の処理プロセスを実施することを含む。本方法は、回転ロボットを使用して、複数の被加工物を第2の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送することを含む。本方法は、第2の処理チャンバにおいて複数の被加工物に対して第2の処理プロセスを実施することを含む。いくつかの実施形態では、第2の処理プロセスは、第1の処理プロセスとは異なる。
【0035】
いくつかの実施形態では、本方法は、回転ロボットを使用して、複数の被加工物を搬送位置に搬送することを含むことができる。本方法は、搬送チャンバ内に配置された第2の回転ロボットを使用して、複数の被加工物を搬送位置から第3の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送することを含むことができる。第3の処理チャンバを、第1の処理チャンバと直線配置で配置することができる。本方法は、第3の処理チャンバにおいて複数の被加工物に対して第3の処理プロセスを実施することを含むことができる。本方法は、第2の回転ロボットを使用して、複数の被加工物を第4の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送することを含むことができる。第4の処理チャンバを、第2の処理チャンバと直線配置で配置することができる。本方法は、第4の処理チャンバにおいて複数の被加工物に対して第4の処理プロセスを実施することを含むことができる。
【0036】
本開示のさらに別の例示的な態様は、被加工物を処理するための処理システムに関する。本システムは、被加工物コラムを含む。本システムは、第1の回転ロボットを含む。本システムは、第2の回転ロボットを含む。本システムは、第1の処理チャンバを含む。本システムは、第2の処理チャンバを含む。第2の処理チャンバは、第1の処理チャンバと直線配置で配置されている。本システムは、搬送ステーションを含む。本システムは、被加工物を被加工物コラムから第1の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送するように構成されている、第1の回転ロボットを含む。第1の回転ロボットは、被加工物を第1の処理チャンバから搬送位置に搬送するように構成されることができる。本システムは、被加工物を搬送位置から第2の処理チャンバに搬送するように構成された第2の回転ロボットを含む。
【0037】
本開示のこれらの例示的な実施形態に対して変形および修正を加えることが可能である。本明細書で使用されているように、単数形「a」、「and」、および「the」は、文脈が明らかに別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含む。「第1」、「第2」、「第3」、および「第4」の使用は、識別子として使用され、処理の順序に関する。例示的な態様は、例示および説明する目的で、「基板」、「ウェハ」、または「被加工物」を参照しながら説明されることができる。本明細書で提示される開示を使用する当業者は、本開示の例示的な態様が、任意の適切な被加工物と共に使用可能であることを理解するであろう。数値を伴った「約」という用語の使用は、記載された数値の20%以内を指す。
【0038】
以下では、図面を参照しながら本開示の例示的な実施形態を詳細に説明する。図1は、本開示の例示的な実施形態による処理システム100を示す。処理システム100は、フロントエンド部112と、ロードロックチャンバ114と、搬送チャンバ115と、第1の処理チャンバ120および第2の処理チャンバ130が含まれる複数の処理チャンバと、を含むことができる。
【0039】
フロントエンド部112は、大気圧に維持されるように構成されることができ、かつ被加工物投入装置118と係合するように構成されることができる。被加工物投入装置118は、例えばカセット、正面開口式一体型ポッド(front opening unified pod)、または複数の被加工物を支持するための他の装置を含むことができる。被加工物投入装置118を、処理前の被加工物を処理システム100に供給するため、または処理後の被加工物を処理システム100から受け取るために使用することができる。
【0040】
フロントエンド部112は、被加工物を被加工物投入装置118から例えばロードロックチャンバ114に搬送するための、例えばロードロックチャンバ114内に配置された被加工物コラム110に搬送するため、かつ被加工物コラム110から搬送するための、1つまたは複数のロボット(図示せず)を含むことができる。1つの例では、フロントエンド部112のロボットは、処理前の被加工物をロードロックチャンバ114に搬送することができ、処理後の被加工物をロードロックチャンバ114から1つまたは複数の被加工物投入装置118に搬送することができる。被加工物を搬送するための任意の適切なロボットを、本開示の範囲から逸脱することなくフロントエンド部112において使用することができる。被加工物を、適切なスリット、開口部またはアパーチャを通してロードロックチャンバ114に搬送すること、またはロードロックチャンバ114から搬送することができる。
【0041】
ロードロックチャンバ114は、複数の被加工物を積層配置で支持するように構成された被加工物コラム110を含むことができる。被加工物コラム110は、例えば複数の棚を含むことができる。各棚は、1つまたは複数の被加工物を支持するために構成されることができる。1つの例示的な実施形態では、被加工物コラム110は、処理前の被加工物を支持するための1つまたは複数の棚と、処理後の被加工物を支持するための1つまたは複数の棚と、を含むことができる。
【0042】
図2は、本開示の例示的な実施形態による例示的な被加工物コラム110の側面図を示す。図示されるように、被加工物コラムは、複数の棚111を含むことができる。各棚111は、複数の被加工物113を被加工物コラム110の上に垂直配置/積層配置で配置することが可能となるように、被加工物113を支持するように構成されることができる。
【0043】
図1を参照すると、被加工物を第1の処理チャンバ120および/または第2の処理チャンバ130のような処理チャンバに搬送する前に、被加工物の周囲の圧力をフロントエンド部112に関連する圧力から真空または他のプロセス圧力のようなプロセス圧力へと調整するために、ロードロックチャンバ114を使用することができる。いくつかの実施形態では、被加工物を処理するためのプロセス圧力を適切に調整するために、ロードロックチャンバ114および他のチャンバと一緒に適切なバルブを設けることができる。いくつかの実施形態では、ロードロックチャンバ114と搬送チャンバ115とを同じ圧力に維持することができる。この実施形態では、ロードロックチャンバ114を搬送チャンバ115に対して密封する必要がない。実際に、いくつかの実施形態では、ロードロックチャンバ114と搬送チャンバ115とを同じチャンバの一部とすることができる。
【0044】
第1の処理チャンバ120および第2の処理チャンバ130を、被加工物に対して真空アニーリングプロセス、表面処理プロセス、ドライストリッピングプロセス、ドライエッチングプロセス、堆積プロセス、および他のプロセスのような任意の種々の被加工物処理を実施するために使用することができる。いくつかの実施形態では、第1の処理チャンバ120および第2の処理チャンバ130のうちの1つまたは複数は、例えば誘導結合プラズマ(ICP)源、マイクロ波源、表面波プラズマ源、ECRプラズマ源、および容量結合型(平行平板型)プラズマ源のようなプラズマベースのプロセス源を含むことができる。
【0045】
図示されるように、第1の処理チャンバ120および第2の処理チャンバ130の各々は、一対の被加工物を同時に同じプロセスに供することが可能となるように、並列配置された一対の処理ステーションを含む。より具体的には、第1の処理チャンバ120は、並列配置された第1の処理ステーション122および第2の処理ステーション124を含むことができる。第2の処理チャンバ130は、並列配置された第1の処理ステーション132および第2の処理ステーション134を含むことができる。各処理ステーションは、処理中に被加工物を支持するための被加工物支持体(例えば台座)を含むことができる。いくつかの実施形態では、各処理ステーションは、被加工物を支持するための2つの部分を有する1つの共通の台座を共有することができる。第1の処理チャンバ120および/または第2の処理チャンバ130を、処理のために選択的に搬送チャンバ115に対して密封することができる。
【0046】
本開示の特定の態様によれば、搬送チャンバ115は、回転ロボット150を含むことができる。回転ロボット150は、被加工物をロードロックチャンバ114内の被加工物コラム110から第1の処理チャンバ120および/または第2の処理チャンバ130内の処理ステーションに搬送するように構成されることができる。回転ロボット150は、被加工物を第1の処理チャンバ120と第2の処理チャンバ130との間で搬送することもできる。例えば、回転ロボット150は、例えばシザー動作を使用して、被加工物をロードロックチャンバ114内の被加工物コラムから第1の処理チャンバ120内の2つの並列配置された処理ステーション122および124に同時に搬送することができる。同様にして、回転ロボット150は、例えばシザー動作を使用して、被加工物をロードロックチャンバ114内の被加工物コラム110から第2の処理チャンバ130内の2つの並列配置された処理ステーション132および134に同時に搬送することができる。例示的な回転ロボット150の動作に関する詳細は、図7A図7Dおよび図8A図8Bを参照しながら説明される。
【0047】
本開示の例示的な実施形態によれば、回転ロボット150は、被加工物の搬送を支持するための種々の構成を有することができる。1つの実施形態では、回転ロボット150は、旋回点を中心にして回転するように構成された一対のアームを含むことができる。各ロボットアームを、一対の被加工物ブレードに関連付けることができる。各被加工物ブレードは、被加工物を支持するように構成されたエンドエフェクタを有することができる。各アームに関連付けられた一対の被加工物ブレードを、処理チャンバの処理ステーションでの被加工物の交換を達成するために使用することができる。一対のアームは、シザー動作を使用して、被加工物を各処理チャンバの2つの処理ステーションに搬送するように構成されることができる。
【0048】
別の例示的な実施形態では、回転ロボット150は、旋回点または旋回領域を中心として回転する少なくとも1つの一次アームを含むことができる。一次アームを、複数の二次アームに結合することができる。二次アームを、それぞれ少なくとも1つの被加工物ブレードに結合することができる。各被加工物ブレードは、被加工物を支持するためのエンドエフェクタを含むことができる。いくつかの実施形態では、回転ロボット150は、シザー動作を使用して、少なくとも2つの被加工物をロードロックチャンバ114内の被加工物コラム110から例えば第1の処理チャンバ120内の2つの並列配置された処理ステーション122および124に搬送するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、シザー動作を、単一のモータを使用して実施することができる。
【0049】
図3は、処理システムにおいて被加工物を処理するための例示的な方法(300)のフロー図を示す。方法(300)は、図1の処理システム100を使用して実施することができる。図3は、例示および説明する目的で、特定の順序で実施されるステップを示す。本明細書で提示される開示を使用する当業者は、本明細書で提示される複数の方法のうちの任意の方法の種々のステップを、本発明の範囲から逸脱することなく種々のやり方で適合し、再配置し、同時に実施し、省略し、かつ/または修正することができることを理解するであろう。
【0050】
(302)において、本方法は、複数の被加工物をロードロックチャンバ内の被加工物コラムに搬送することを含む。例えば、複数の被加工物を処理チャンバ100のフロントエンド部からロードロックチャンバ114内の被加工物コラム110に搬送することができる。例えば、処理チャンバ100のフロントエンド部に関連付けられた1つまたは複数のロボットを使用して、被加工物を被加工物コラム110に搬送することができる。
【0051】
(304)において、本方法は、搬送チャンバ内に配置された回転ロボットを使用して、複数の被加工物を被加工物コラムから第1の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送することを含む。例えば、回転ロボット150は、2つの被加工物をそれぞれ処理チャンバ120内の処理ステーション122および処理ステーション124に搬送することができる。いくつかの実施形態では、回転ロボット150は、シザー動作を使用して、被加工物を処理チャンバ120内の処理ステーション122および処理ステーション124に搬送することができる。
【0052】
(306)において、本方法は、第1の処理チャンバにおいて複数の被加工物に対して第1の処理プロセスを実施することを含む。第1の処理プロセスは、例えばアニーリングプロセス、熱処理プロセス、表面処理プロセス、ドライストリッピングプロセス、ドライエッチングプロセス、堆積プロセス、または他のプロセスを含むことができる。
【0053】
(308)において、本方法は、回転ロボットを使用して、複数の被加工物を第2の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送することを含む。例えば、回転ロボット150は、2つの被加工物をそれぞれ処理チャンバ130内の処理ステーション132および処理ステーション134に搬送することができる。いくつかの実施形態では、回転ロボット150は、シザー動作を使用して、被加工物を処理チャンバ130内の処理ステーション132および処理ステーション134に搬送することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、回転ロボットは、複数の被加工物を第1の処理チャンバから第2の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送することができる。いくつかの実施形態では、回転ロボットは、複数の被加工物を例えば以下に詳細に説明するような搬送位置から(例えば搬送位置内の被加工物コラムから)第2の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送することができる。
【0055】
(310)において、本方法は、第2の処理チャンバにおいて複数の被加工物に対して第2の処理プロセスを実施することを含む。第2の処理プロセスは、例えばアニーリングプロセス、熱処理プロセス、表面処理プロセス、ドライストリッピングプロセス、ドライエッチングプロセス、堆積プロセス、または他のプロセスを含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の処理プロセスを、第1の処理プロセスと同じとすることも、または異ならせることもできる。
【0056】
(312)において、本方法は、処理済みの被加工物をロードロックチャンバ内の被加工物コラムに搬送し戻すことを含むことができる。例えば、回転ロボット150は、2つの被加工物を第1の処理チャンバ120および/または第2の処理チャンバ130から搬送することができる。その後、処理システムのフロントエンド部に配置された1つまたは複数のロボットが、処理済みの被加工物を例えばカセットに搬送することができる。
【0057】
本開示の特定の態様によれば、追加的な被加工物を処理する能力を提供するために、追加的な処理チャンバを処理システムに直線的に追加することができる。例えば、図4は、本開示の例示的な実施形態による4つの処理チャンバを有する例示的な処理システム200を示す。
【0058】
図4の処理システム200は、図1の処理システムと同様に、フロントエンド部112と、ロードロックチャンバ114と、搬送チャンバ115と、第1の処理チャンバ120および第2の処理チャンバ130が含まれる複数の処理チャンバと、を含むことができる。本システムは、被加工物をロードロックチャンバ内の被加工物コラム110、第1の処理チャンバ120、および第2の処理チャンバ130に搬送するため、かつ被加工物をロードロックチャンバ内の被加工物コラム110、第1の処理チャンバ120および第2の処理チャンバ130から搬送するため、かつ/または被加工物を第1の処理チャンバ120と第2の処理チャンバ130との間で搬送するための、第1の回転ロボット150を含むことができる。
【0059】
処理システム200はさらに、第3の処理チャンバ170および第4の処理チャンバ180が含まれる追加的な処理チャンバを含むことができる。第3の処理チャンバ170は、第1の処理チャンバ120と直線配置で配置されており、第4の処理チャンバ180は、第2の処理チャンバ130と直線配置で配置されており、これによって第3の処理チャンバ170および第4の処理チャンバ180が、搬送チャンバ115の相互に反対の両側に配置されるようになっている。
【0060】
第3の処理チャンバ170および第4の処理チャンバ180を、被加工物に対して真空アニーリングプロセス、熱処理プロセス、表面処理プロセス、ドライストリッピングプロセス、ドライエッチングプロセス、堆積プロセス、および他のプロセスのような任意の種々の被加工物処理を実施するために使用することができる。いくつかの実施形態では、第3の処理チャンバ170および第4の処理チャンバ180のうちの1つまたは複数は、例えば誘導結合プラズマ(ICP)源、マイクロ波源、表面波プラズマ源、ECRプラズマ源、および容量結合型(平行平板型)プラズマ源のようなプラズマベースのプロセス源を含むことができる。
【0061】
図示されるように、第3の処理チャンバ170および第4の処理チャンバ180の各々は、一対の被加工物を同時に同じプロセスに供することが可能となるように、並列配置された一対の処理ステーションを含む。より具体的には、第3の処理チャンバ170は、並列配置された第1の処理ステーション172および第2の処理ステーション174を含むことができる。第4の処理チャンバ180は、並列配置された第1の処理ステーション182および第2の処理ステーション184を含むことができる。各処理ステーションは、処理中に被加工物を支持するための被加工物支持体(例えば台座)を含むことができる。いくつかの実施形態では、第3の処理チャンバ170および/または第4の処理チャンバ180を、処理のために選択的に搬送チャンバ115に対して密封することができる。
【0062】
被加工物を第3の処理チャンバ170および第4の処理チャンバ180に搬送するために、システム200はさらに、搬送位置162と第2の回転ロボット190とを含むことができる。搬送位置162は、搬送チャンバ162の一部とすることができるか、または別個のチャンバとすることができる。搬送位置162は、複数の被加工物を積層配置で支持するための被加工物コラム160を含むことができる。例えば、被加工物コラム160は、被加工物を垂直の積層配置で支持するように構成された複数の棚を含むことができる。第1の回転ロボット150は、被加工物を被加工物コラム110、第1の処理チャンバ120、または第2の処理チャンバ130から搬送位置162内の被加工物コラム160に搬送するように構成されることができる。
【0063】
図5は、本開示の例示的な実施形態による搬送位置162内の例示的な被加工物コラム160の側面図を示す。図示されるように、被加工物コラムは、複数の棚161を含むことができる。各棚161は、複数の被加工物163を被加工物コラム160の上に垂直配置/積層配置で配置することが可能となるように、被加工物163を支持するように構成されることができる。
【0064】
第2の回転ロボット190は、被加工物を搬送位置162内の被加工物コラム160から第3の処理チャンバ170および/または第4の処理チャンバ180内の処理ステーションに搬送するように構成されることができる。回転ロボット190は、被加工物を第3の処理チャンバ170から第4の処理チャンバ180に搬送することもできる。例えば、回転ロボット190は、例えばシザー動作を使用して、被加工物を搬送位置162内の被加工物コラム160から第3の処理チャンバ170内の2つの並列配置された処理ステーション172および174に同時に搬送することができる。同様にして、回転ロボット190は、例えばシザー動作を使用して、被加工物を搬送位置162内の被加工物コラム160から第4の処理チャンバ130内の2つの並列配置された処理ステーション182および184に同時に搬送することができる。
【0065】
本開示の例示的な実施形態によれば、回転ロボット190は、被加工物の搬送を支持するための種々の構成を有することができる。1つの実施形態では、回転ロボット190は、旋回点を中心にして回転するように構成された一対のアームを含むことができる。各ロボットアームを、一対の被加工物ブレードに関連付けることができる。各被加工物ブレードは、被加工物を支持するように構成されたエンドエフェクタを有することができる。各アームに関連付けられた一対の被加工物ブレードを、処理チャンバの処理ステーションでの被加工物の交換を達成するために使用することができる。一対のアームは、シザー動作を使用して、被加工物を各処理チャンバの2つの処理ステーションに搬送するように構成されることができる。
【0066】
別の例示的な実施形態では、回転ロボット190は、旋回点または旋回領域を中心として回転する少なくとも1つの一次アームを含むことができる。一次アームを、複数の二次アームに結合することができる。二次アームを、それぞれ少なくとも1つの被加工物ブレードに結合することができる。各被加工物ブレードは、被加工物を支持するためのエンドエフェクタを含むことができる。いくつかの実施形態では、回転ロボット190は、シザー動作を使用して、少なくとも2つの被加工物を搬送位置162内の被加工物コラム160から例えば第3の処理チャンバ170内の2つの並列配置された処理ステーション172および174に搬送するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、シザー動作を、単一のモータを使用して実施することができる。
【0067】
処理システム200は、4つの処理チャンバ120,130,170および180を含み、一度に最大で8つの被加工物を同時に処理するように構成されることができる。追加的な処理能力を提供するために、追加的な処理ステーションを直線的に追加することができる。例えば、第5の処理チャンバを、第3の処理チャンバ170と直線配置で追加することができる。第6の処理チャンバを、第4の処理チャンバ180と直線配置で追加することができる。被加工物を第5の処理チャンバおよび第6の処理チャンバに搬送するため、かつ被加工物を第5の処理チャンバおよび第6の処理チャンバから搬送するために、
追加的な搬送位置および追加的な回転ロボットを使用することができる。このように処理システムを直線的に拡張することによって追加的な処理チャンバを含めることができる。
【0068】
図6Aおよび図6Bは、処理システムにおいて被加工物を処理工するための例示的な方法(400)のフロー図を示す。方法(400)は、図4の処理システム200を使用して実施することができる。図6Aおよび図6Bは、例示および説明する目的で、特定の順序で実施されるステップを示す。本明細書で提示される開示を使用する当業者は、本明細書で提示される複数の方法のうちの任意の方法の種々のステップを、本発明の範囲から逸脱することなく種々のやり方で適合し、再配置し、同時に実施し、省略し、かつ/または修正することができることを理解するであろう。
【0069】
(402)において、本方法は、複数の被加工物をロードロックチャンバ内の被加工物コラムに搬送することを含む。例えば、複数の被加工物を処理チャンバ100のフロントエンド部からロードロックチャンバ114内の被加工物コラム110に搬送することができる。例えば、処理チャンバ100のフロントエンド部に関連付けられた1つまたは複数のロボットを使用して、被加工物を被加工物コラム110に搬送することができる。
【0070】
(404)において、本方法は、搬送チャンバ内に配置された回転ロボットを使用して、複数の被加工物を被加工物コラムから第1の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送することを含む。例えば、回転ロボット150は、2つの被加工物をそれぞれ処理チャンバ120内の処理ステーション122および処理ステーション124に搬送することができる。いくつかの実施形態では、回転ロボット150は、シザー動作を使用して、被加工物を処理チャンバ120内の処理ステーション122および処理ステーション124に搬送することができる。
【0071】
(406)において、本方法は、第1の処理チャンバにおいて複数の被加工物に対して第1の処理プロセスを実施することを含む。第1の処理プロセスは、例えばアニーリングプロセス、熱処理プロセス、表面処理プロセス、ドライストリッピングプロセス、ドライエッチングプロセス、堆積プロセス、または他のプロセスを含むことができる。
【0072】
(408)において、本方法は、回転ロボットを使用して、複数の被加工物を搬送位置に搬送することを含むことができる。回転ロボット150は、2つの被加工物をそれぞれ処理チャンバ120内の処理ステーション122および処理ステーション124に搬送することができる。いくつかの実施形態では、回転ロボット150は、被加工物を搬送位置162に配置された被加工物コラム160に搬送することができる。
【0073】
(410)において、本方法は、搬送チャンバ内に配置された第2の回転ロボットを使用して、複数の被加工物を搬送位置から第3の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送することを含むことができる。第3の処理チャンバを、第1の処理チャンバと直線配置で配置することができる。例えば、回転ロボット190は、2つの被加工物を搬送位置162内の被加工物コラム160からそれぞれ処理チャンバ170内の処理ステーション172および処理ステーション174に搬送することができる。いくつかの実施形態では、回転ロボット190は、シザー動作を使用して、被加工物を処理チャンバ170内の処理ステーション172および処理ステーション174に搬送することができる。
【0074】
(412)において、本方法は、第3の処理チャンバにおいて複数の被加工物に対して第3の処理プロセスを実施することを含むことができる。第3の処理プロセスは、例えばアニーリングプロセス、熱処理プロセス、表面処理プロセス、ドライストリッピングプロセス、ドライエッチングプロセス、堆積プロセス、または他のプロセスを含むことができる。
【0075】
(414)において、本方法は、第2の回転ロボットを使用して、複数の被加工物を第4の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送することを含むことができる。第4の処理チャンバを、第2の処理チャンバと直線配置で配置することができる。例えば、回転ロボット190は、2つの被加工物を搬送位置162内の被加工物コラム160からそれぞれ処理チャンバ180内の処理ステーション182および処理ステーション184に搬送することができる。例えば、回転ロボット190は、被加工物を処理チャンバ180内の処理ステーション182および処理ステーション184に搬送することができる。いくつかの実施形態では、回転ロボット190は、2つの被加工物を処理チャンバ170から処理チャンバ180内の処理ステーション182および処理ステーション184に搬送することができる。例えば、回転ロボット190は、シザー動作を使用して、被加工物を処理チャンバ180内の処理ステーション182および処理ステーション184に搬送することができる。
【0076】
(416)において、本方法は、第4の処理チャンバにおいて複数の被加工物に対して第4の処理プロセスを実施することを含むことができる。第4の処理プロセスは、例えばアニーリングプロセス、熱処理プロセス、表面処理プロセス、ドライストリッピングプロセス、ドライエッチングプロセス、堆積プロセス、または他のプロセスを含むことができる。
【0077】
(418)において、本方法は、第2の回転ロボットによって複数の被加工物を搬送位置に搬送し戻すことを含むことができる。例えば、回転ロボット190は、被加工物を処理チャンバ170および/または処理チャンバ180から搬送位置162に配置された被加工物コラム160に搬送することができる。
【0078】
(420)において、本方法は、回転ロボットを使用して、複数の被加工物を第2の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送することを含む。例えば、回転ロボット150は、2つの被加工物をそれぞれ処理チャンバ130内の処理ステーション132および処理ステーション134に搬送することができる。いくつかの実施形態では、回転ロボット150は、シザー動作を使用して、被加工物を処理チャンバ130内の処理ステーション132および処理ステーション134に搬送することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、回転ロボットは、複数の被加工物を第1の処理チャンバ120から第2の処理チャンバ内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送することができる。いくつかの実施形態では、回転ロボットは、複数の被加工物を例えば搬送位置162に配置された被加工物コラム160から第2の処理チャンバ120内の少なくとも2つの処理ステーションに搬送することができる。
【0080】
(422)において、本方法は、第2の処理チャンバにおいて複数の被加工物に対して第2の処理プロセスを実施することを含む。第2の処理プロセスは、例えばアニーリングプロセス、熱処理プロセス、表面処理プロセス、ドライストリッピングプロセス、ドライエッチングプロセス、堆積プロセス、または他のプロセスを含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の処理プロセスを、第1の処理プロセス、第3の処理プロセス、および/または第4の処理プロセスと同じとすることも、または異ならせることもできる。
【0081】
(424)において、本方法は、処理済みの被加工物をロードロックチャンバ内の被加工物コラムに搬送し戻すことを含むことができる。例えば、回転ロボット150は、2つの被加工物を第1の処理チャンバ120および/または第2の処理チャンバ130から搬送することができる。その後、処理システムのフロントエンド部に配置された1つまたは複数のロボットが、処理済みの被加工物を例えばカセットに搬送することができる。
【0082】
図7A図7Dを参照しながら、例示的な実施形態による例示的な回転ロボット150の動作を説明する。図7A図7Dの回転ロボット150は、固定点を中心にして回転するように構成された2つの一次ロボットアーム152および154を含む。ロボットアーム152および154の各々は、それぞれ少なくとも1つの被加工物ブレードを含むことができる。例えば、ロボットアーム152は、被加工物ブレード156を含むことができる。ロボットアーム154は、被加工物ブレード158を含むことができる。各被加工物ブレード156および158は、例えば適切なエンドエフェクタを使用して被加工物を掴持し、保持し、解放するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、ロボットアーム152および154の各々が、それぞれ一対の被加工物ブレードを含むことができる。追加的な被加工物ブレードを、例えば被加工物を交換するために使用することができる。ロボットアーム152および154の各々を、例えばモータを使用して独立して動作させることができる。
【0083】
図7Aに図示されるように、回転ロボット150の両方のロボットアーム152および154を、被加工物ブレードを使用してロードロックチャンバ114内の被加工物コラム110から被加工物を掴持するために伸張させることができる。例えば、ロボットアーム152を、被加工物ブレード156を使用して被加工物コラム110から被加工物を掴持するために伸張させることができる。ロボットアーム154を、被加工物ブレード158を使用して被加工物コラム110から被加工物を掴持するために伸張させることができる。その後、図7Bに図示されるように、ロボットアーム152および154を格納位置に格納するように、回転ロボット150を動作させることができる。
【0084】
図7Cは、本開示の例示的な実施形態による、処理チャンバ130内の並列配置された処理ステーション132および134への被加工物の搬送を示す。第1のロボットアーム152は、被加工物ブレードが被加工物を第1の処理ステーション132に搬送することができるように回転および伸張することができる。被加工物を第1の処理ステーションに実際に搬送する前に、第1のロボットアーム152に関連付けられた第1の被加工物ブレードが、第1の処理ステーション132に既に配置されている被加工物を掴持することができる。第2のロボットアーム154は、被加工物ブレードが被加工物を第2の処理ステーション134に搬送することができるように回転および伸張することができる。被加工物を第1の処理ステーションに実際に搬送する前に、第2のロボットアーム154に関連付けられた第2の被加工物ブレードが、第2の処理ステーション134に既に配置されている被加工物を掴持することができる。特定の実施形態では、第1のロボットアーム152および第2のロボットアーム154を、第2のロボットアーム154が第1のロボットアーム152から離れるように、シザー動作の形態で動作させることができる。いくつかの実施形態では、ロボットアーム152および154は、被加工物をそれぞれ第1の処理ステーション132および第2の処理ステーション134に同時に搬送することができる。
【0085】
以前に処理ステーション132および134に配置されていた被加工物が掴持されて、新しい被加工物が処理ステーション132および134に搬送されると、ロボットアーム152および154を格納位置に格納するように、回転ロボット150を動作させることができる。その後、回転ロボット150を回転および動作させて、被加工物を本システムの別の位置に搬送すること、例えば、ロードロックチャンバ114内の被加工物コラム110、搬送位置162内の被加工物コラム160、または処理チャンバ120内の処理ステーション122および124に搬送することができる。
【0086】
図8Aおよび図8Bは、本開示の別の例示的な実施形態による例示的な回転ロボット150の動作を示す。図8Aおよび図8Bの回転ロボット150は、単一の一次ロボットアーム252と、一次ロボットアーム252上の旋回点において一次アーム252に取り付けられた2つの二次ロボットアーム253および254と、を含む。二次ロボットアーム253および254の各々は、それぞれ少なくとも1つの被加工物ブレードを含むことができる。例えば、二次ロボットアーム253は、被加工物ブレード255を含むことができる。二次ロボットアーム254は、被加工物ブレード256を含むことができる。各被加工物ブレード255および256は、例えば適切なエンドエフェクタを使用して被加工物を掴持し、保持し、解放するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、二次ロボットアーム253および254の各々が、それぞれ一対の被加工物ブレードを含むことができる。追加的な被加工物ブレードを、例えば被加工物を交換するために使用することができる。
【0087】
図8Aを参照すると、一次ロボットアームおよび二次ロボットアームを、被加工物ブレードを使用して被加工物コラム110から被加工物を掴持するために伸張させるように、回転ロボット150を動作させることができる。各二次アームは、適切な被加工物ブレードを使用して被加工物を掴持することができる。その後、ロボット150は、一次ロボットアームおよび二次ロボットアームを格納位置に格納することができる。その後、ロボット150は、例えば被加工物を第1の処理チャンバ120に搬送するための位置まで、一次ロボットアームおよび二次ロボットアームを回転させることができる。
【0088】
図8Bに図示されるように、回転ロボット150は、一次ロボットアーム252を伸張させることができる。被加工物を処理チャンバ120内の第1の処理ステーション122および第2の処理ステーション124に同時に搬送するように、二次ロボットアーム253と254とをシザー動作260で移動させる(例えば相互に引き離す)ことができる。
【0089】
二次アーム253および254をシザー動作で動作させるために種々の機構を使用することができる。例えば、1つの例では、回転ロボットが一次アーム252を伸張させたときに、二次ロボットアーム253と254とをシザー動作で離すように、機構(例えば分割部材)を配置することができる。このようにして、例示的な実施形態による一次ロボットアーム252および二次ロボットアーム253および254の伸張を、単一のモータを使用して動作させることができる。別の例では、回転ロボット150は、被加工物を処理ステーション122および124に搬送するために、一次ロボットアーム252を動作させるためのモータとは異なる、二次ロボットアーム253および254をシザー動作で独立して動作させるための1つまたは複数の追加的なモータを含むことができる。いくつかの他の実施形態では、回転ロボット150の回転角度によって二次ロボットアーム253および254のシザー動作を引き起こすように機構を配置することができる。図8Aおよび図8Bに図示するように、回転ロボット150が処理チャンバ120に向かって回転するときには二次アーム253および254をシザー動作260で移動させることができるが、回転ロボット150が被加工物コラム110に向かって回転するときにはシザー動作260で移動させることができない。
【0090】
他の例示的な実施形態では、回転ロボット150は、第2の一次アーム(図示せず)を含むことができる。第2の一次アームは、2つの二次ロボットアームを有することができる。二次ロボットアームの各々は、それぞれ少なくとも1つの被加工物ブレードを含むことができる。第2の一次ロボットアームに取り付けられた二次ロボットアーム同士を、シザー動作で移動させる(例えば相互に引き離す)ことができ、第1の一次ロボットアーム252に取り付けられた二次ロボットアーム253および254によって新しい被加工物を処理チャンバ120に実際に搬送する前に、被加工物ブレードは、処理チャンバ120内の処理ステーション122および124に既に配置されている被加工物を同時に掴持することができる。別の例では、2つの一次アームは、決して同時には伸張せず、単一のモータを使用して動作させることができる。
【0091】
処理システムにおいて被加工物を搬送するための回転ロボットの動作に関する上記の例は、例示および説明する目的で提示されている。本明細書で提示される開示を使用する当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、回転ロボットを動作させる多数の異なるモードを使用することができることを理解するであろう。
【0092】
本発明の主題をその特定の例示的な実施形態に関して詳細に説明したが、当業者であれば、前述したことの理解に達すると、そのような実施形態に対する代替形態、変形形態、および等価形態を容易に生み出すことができることを理解するであろう。したがって、本開示の範囲は、限定としてではなく一例であり、当該技術分野の当業者にとって容易に理解され得るように、本開示は、本主題に対するそのような修正、変形、および/または追加を包含することを排除するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6-1】
図6-2】
図7-1】
図7-2】
図8
【手続補正書】
【提出日】2021年6月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被加工物を処理するための処理システムであって、前記処理システムは、
2つの処理ステーションを有する第1の処理チャンバと、
2つの処理ステーションを有する第2の処理チャンバと、
前記第1の処理チャンバおよび前記第2の処理チャンバにプロセスフローで連通する搬送チャンバと、
を備え、
前記第1の処理チャンバは、前記搬送チャンバの第1の側に配置され、前記第2の処理チャンバは、前記搬送チャンバの第2の側に配置され、前記搬送チャンバの前記第2の側は、前記搬送チャンバの前記第1の側の反対側にあり、
前記処理システムは、
前記搬送チャンバの第3の側に配置されている第1の被加工物位置と、
前記搬送チャンバの第4の側に配置されている第2の被加工物位置と、
をさらに備え、
前記搬送チャンバの前記第4の側は、前記搬送チャンバの前記第3の側の反対側にあり、前記第2の被加工物位置は、少なくとも1つの被加工物コラムを含む搬送位置を備え、前記搬送チャンバおよび前記第2の被加工物位置は、共通の圧力で動作するように構成される、
処理システム。
【請求項2】
前記第1の被加工物位置は、ロードロックチャンバを備える、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記第1の被加工物位置は、少なくとも1つの被加工物コラムを備える、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項4】
前記第1の処理チャンバ、前記第2の処理チャンバ、前記搬送チャンバ、前記第1の被加工物位置および前記第2の被加工物位置は、共通の圧力で動作するように構成される、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項5】
前記第1の処理チャンバ、前記第2の処理チャンバ、前記搬送チャンバ、前記第1の被加工物位置および前記第2の被加工物位置は、真空破壊なく、プロセスフローで連通する、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項6】
前記処理システムは、前記搬送チャンバ内の回転ロボットをさらに備える、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項7】
前記処理システムは、前記第2の被加工物位置にプロセスフローで連通する第2の搬送チャンバをさらに備える、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項8】
前記処理システムは、
2つの処理ステーションを有する第3の処理チャンバと、
2つの処理ステーションを有する第4の処理チャンバと、
をさらに備え、
前記第3の処理チャンバは、前記第2の搬送チャンバの第1の側に配置され、前記第4の処理チャンバは、前記第2の搬送チャンバの第2の側に配置され、前記搬送チャンバの前記第2の側は、前記搬送チャンバの前記第1の側の反対側にある、
請求項7に記載の処理システム。
【請求項9】
前記第3の処理チャンバは、前記第1の処理チャンバと直線関係で配置されている、
請求項8に記載の処理システム。
【請求項10】
前記第4の処理チャンバは、前記第2の処理チャンバと直線関係で配置されている、
請求項9に記載の処理システム。
【請求項11】
前記第2の被加工物位置は、前記第2の搬送チャンバの第3の側に配置されている、
請求項9に記載の処理システム。
【請求項12】
前記処理システムは、前記第2の搬送チャンバの第4の側に結合されている第3の被加工物位置をさらに備え、前記第2の搬送チャンバの前記第4の側は、前記第2の搬送チャンバの前記第3の側の反対側にある、
請求項11に記載の処理システム。
【請求項13】
前記第1の処理チャンバ、前記第2の処理チャンバ、前記搬送チャンバ、前記第1の被加工物位置、前記第2の被加工物位置、前記第2の搬送チャンバ、前記第3の処理チャンバおよび前記第4の処理チャンバは、共通の圧力で動作するように構成される、
請求項9に記載の処理システム。
【請求項14】
前記第1の処理チャンバ、前記第2の処理チャンバ、前記搬送チャンバ、前記第1の被加工物位置、前記第2の被加工物位置、前記第2の搬送チャンバ、前記第3の処理チャンバおよび前記第4の処理チャンバは、真空破壊なく、プロセスフローで連通する、
請求項9に記載の処理システム。
【請求項15】
前記第2の搬送チャンバは、回転ロボットを備える、
請求項9に記載の処理システム。
【請求項16】
フロントエンド部は、前記第1の被加工物位置にプロセスフローで連通する、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項17】
前記第1の被加工物位置は、前記フロントエンド部とは異なる圧力で動作するように構成される、
請求項16に記載の処理システム。
【請求項18】
複数の被加工物を処理するための処理システムであって、前記処理システムは、
少なくとも2つの処理ステーションを有する第1の処理チャンバと、
少なくとも1つの処理ステーションを有する第2の処理チャンバと、
少なくとも2つの処理ステーションを有する第3の処理チャンバと、
搬送チャンバ内に配置され、複数の被加工物を積層配置で支持するように構成される被加工物コラムと、
前記第1の処理チャンバ、前記第2の処理チャンバ、前記第3の処理チャンバおよび前記被加工物コラムにプロセスフローで連通する搬送チャンバと、
を備え、
前記搬送チャンバは、直線の側を有し、前記第1の処理チャンバおよび前記第3の処理チャンバは、前記直線の側上で前記搬送チャンバに接続されている、
処理システム。
【請求項19】
複数の被加工物を処理するための処理システムであって、前記処理システムは、
2つの処理ステーションを有する第1の処理チャンバと、
少なくとも1つの処理ステーションを有する第2の処理チャンバと、
前記第1の処理チャンバおよび前記第2の処理チャンバにプロセスフローで連通する搬送チャンバと、
を備え、
前記第1の処理チャンバは、前記搬送チャンバの第1の側に配置され、前記第2の処理チャンバは、前記搬送チャンバの第2の側に配置され、前記搬送チャンバの前記第2の側は、前記搬送チャンバの前記第1の側の反対側にあり、
前記処理システムは、
前記搬送チャンバの第3の側に配置されている第1の被加工物位置と、
前記搬送チャンバの第4の側に配置されている第2の被加工物位置と、
をさらに備え、
前記搬送チャンバの前記第4の側は、前記搬送チャンバの前記第3の側の反対側にあり、前記第2の被加工物位置は、少なくとも1つの被加工物コラムを含む搬送位置を備え、前記搬送チャンバおよび前記第2の被加工物位置は、共通の圧力で動作するように構成される、
処理システム。
【請求項20】
回転ロボットは、前記第1の処理チャンバ、前記第2の処理チャンバ、前記第1の被加工物位置および/または前記第2の被加工物位置の間で、単一のモーターにより実施されるシザー動作を使用して、1つまたは複数の被加工物を移動するように構成される、
請求項19に記載の処理システム。
【外国語明細書】
2021145141000001.pdf