【解決手段】方法は、第1のアドレス指定アカウントおよび第2のアドレス指定アカウントを作成し、各々のアドレスが共通の識別子を有し、かつ、各々のアドレスがある1人の顧客に関連付けられる。システムは、第1のアドレス指定アカウントに関連付けられたデジタル取引品目を売買するための注文を受信し、注文を共通の識別子に関連付ける。第1のアドレス指定アカウントに関連付けられたプライベートキーを使用して、第1の取引に電子サインし、第1のアドレス指定アカウントから第2のアドレス指定アカウントへデジタル取引品目を転送し、同一のプライベートキーを第2の取引にサインするために使用する。第1の取引が、第2の取引と同一のプライベートキーを使用してサインされたことを確認後に、システムは、暗号化取引所での注文の申し込みを認可する。
コンピュータによって、各々が共通の識別子を有し、かつ各々がある1人の第1の顧客に関連付けられる、第1のアドレス指定アカウントおよび第2のアドレス指定アカウントを作成するステップと、
リモートのコンピュータデバイスから、前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられた1つまたは複数のデジタル取引品目を売買するための注文を受信するステップであって、前記注文が前記共通の識別子に関連付けられている、ステップと、
前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられたプライベートキーを使用して、第1の取引に電子サインし、前記第1のアドレス指定アカウントから前記第2のアドレス指定アカウントへ前記1つまたは複数のデジタル取引品目を転送するステップと、
前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられた前記プライベートキーを使用して、第2の取引に電子サインするステップと、
前記第1の取引が、前記第2の取引と同一のプライベートキーを使用してサインされたことを確認するステップと、
暗号化取引所での前記注文の申し込みを、前記第1の取引が、前記第2の取引と同一のプライベートキーを使用してサインされたことの確認に基づいて、認可するステップとを含む、コンピュータ化された方法。
前記第2のアドレス指定アカウントが、第2の公開キーおよび第2のプライベートキーを含む第2のキーペアに関連付けられる、請求項1に記載のコンピュータ化された方法。
分散化された台帳から、前記注文に関連付けられた前記1つまたは複数のデジタル取引品目が、前記第1の公開キーを使用することによって前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられることの確認を受信するステップと、
前記注文に関連付けられた前記1つまたは複数のデジタル取引品目が、前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられることの確認の受信に基づいて、前記第1の取引および前記第2の取引を作成するステップとをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ化された方法。
分散化された台帳に、前記第1のアドレス指定アカウントおよび前記第2のアドレス指定アカウントとの残高を通知するステップをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ化された方法。
前記注文が、前記1つまたは複数のデジタル取引品目を売却するための注文であって、前記1つまたは複数のデジタル取引品目が、1つまたは複数のデジタル資産または1つまたは複数のデジタル負債である、請求項1に記載のコンピュータ化された方法であって、
前記リモートのコンピュータデバイスから、前記1つまたは複数のデジタル資産に対応した資産、または前記1つまたは複数のデジタル負債に対応した負債が、売却できることを示す情報を受信するステップをさらに含む、コンピュータ化された方法。
第3のアドレス指定アカウントを作成するステップをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ化された方法であって、前記第3のデジタルアドレス指定アカウントが、前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられた第1のキーペアと、前記第2のアドレス指定アカウントに関連付けられた第2のキーペアとを含む、コンピュータ化された方法。
前記第1の取引を作成するステップであって、前記第1の取引が、前記1つまたは複数のデジタル取引品目、前記識別子、および前記第2のアドレス指定アカウントの公開キーのうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
前記第1の取引のハッシュを作成するステップと、
前記第2の取引を作成するステップであって、前記第2の取引が、前記注文のタイプ、前記識別子、前記第2のアドレス指定アカウントの公開キー、および前記第1の取引の前記ハッシュのうちの少なくとも1つを含む、ステップとをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ化された方法。
前記第1のアドレス指定アカウントが、顧客ポートフォリオアカウントであり、前記第2のアドレス指定アカウントが、顧客委託アカウントである、請求項1に記載のコンピュータ化された方法。
前記第1の取引が、前記第1の取引の額に対応した総額内の資本金または前記第1の取引の前記額に対応した前記総額内の前記資本金の表示、および前記第1のアドレス指定アカウントの公開キーのうちの少なくとも1つを含み、前記第2の取引が、前記第2のアドレス指定アカウントの公開キー、前記注文のタイプ、前記識別子、前記第2のアドレス指定アカウントの公開キー、および前記第1の取引のハッシュのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のコンピュータ化された方法。
分散化された台帳から、前記マッチ要求回答を送信する前に、前記総額が、前記第3のアドレス指定アカウントに関連付けられ、前記1つまたは複数のデジタル取引品目が、前記第4のアドレス指定アカウントに関連付けられている確認を受信するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
前記1つまたは複数のデジタル取引品目が、1つまたは複数のデジタル資産またはデジタル負債を含み、前記総額が、前記1つまたは複数のデジタル取引品目の額に対応した通貨、暗号化通貨、または前記通貨もしくは前記暗号化通貨の表示の総額を含む、請求項13に記載のコンピュータ化された方法。
リモートのコンピュータデバイスへ、前記買入取引および前記売却取引を確定、清算した結果を公表するステップをさらに含む、請求項13に記載のコンピュータ化された方法。
前記第1のサインが、前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられたプライベートキーであり、前記第2のサインが、前記第2のアドレス指定アカウントに関連付けられたプライベートキーである、請求項13に記載のコンピュータ化された方法。
前記第1の取引および前記第2の取引が、同一のキーによってサインされたとき、前記第1の取引が、前記第2の取引と同一の署名人によって認可される、請求項19に記載の
暗号化統合システム。
前記キーが、前記第1のアドレス指定アカウントのプライベートキーであり、前記第2の取引が、前記第1の取引のハッシュを含む、請求項20に記載の暗号化統合システム。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0020]本開示の多様な実施形態は、一般にデジタル取引品目の商取引に関し、より詳細には、有価証券などのデジタル資産に関する。より具体的には、本開示の多様な実施形態は、分散化され、暗号化された技法、および詳細には暗号化統合プラットフォームを使用してデジタル有価証券を商取引するためのシステムおよび方法に関する。暗号化統合プラットフォームは、暗号化(「crypto」)売買(すなわち、デジタル取引品目を商取引する売買)に基づいて、デジタル資産、負債商品、および/または通貨(たとえば、デジタル有価証券、有価証券のデジタル利息、暗号化通貨)などのデジタル取引品目を、資本金のデジタル表現(たとえば、トークン、現金、暗号化通貨などの現金等価物)などの他のデジタル取引品目と商取引する注文をブローカディーラから受信し、その注文を暗号化注文へと変換する。
【0007】
[0021]暗号化統合プラットフォームは、暗号化取引所から市場情報を収集し、取引に関わるデジタル資産または負債の暗号化市場での最良の価格を検索するルータとしてはたらく。マッチング注文の前に、暗号化統合プラットフォームは、デジタル取引品目(すなわち、買入注文のための資本金、および売却注文のためのデジタル資産または負債)の両方を確保し、取引へ暗号化サインする。マッチング可能性のある注文がいったん検索され、暗号化統合プラットフォームは、資本金およびデジタル資産/負債が、商取引に利用可能であることを確認し(たとえば、買主および売主によって所有されるアドレス指定アカウントに関連付けられる)、資本金およびデジタル資産または負債を対応するアドレス指定アカウントに関連付けることによって取引を即時に清算し、確定する。
【0008】
[0022]暗号化統合プラットフォームの利点は、保証された確定、所有権の透明性および容易な金銭の移動、ならびに確実な確定を含む。取引へ暗号化サインすることは、認証、権限付与、および来歴を保証する。
【0009】
[0023]暗号化統合プラットフォームは、他のもの中でも、従来の商取引システムとデジタル取引品目を商取引する暗号化取引所との間のインタフェースを提供する。それを実行する際、暗号化統合プラットフォームは、ブローカディーラ、代替商取引システム(ATS)、および取引所間の、商取引および通信用のプロトコルを使用し、暗号化技法を利用して商取引が完了できるようにメッセージを変換する。たとえば、1つのプロトコルが、財務情報交換プロトコル、すなわち「FIX」プロトコルである。暗号化統合プラットフォームによって、ブローカディーラは、本明細書で説明したテクノロジーを従来の商取引システムの最後尾に統合することができ、従来の商取引システムが暗号化取引所で使用できる。したがって、暗号化統合プラットフォームによって、より多くの企業が、資本金を利用する機会を享受できるようになり、より多くの投資家が、参加企業の株を利用する機会を享受できるようになる。FIXプロトコルでのメッセージは、本開示内の多くの実施例で使用される。しかし、暗号化統合プラットフォームは、FIXプロトコル以外のプロトコルでのメッセージを受信し、変換することができ、暗号化技法を使用して完了することができる。
【0010】
[0024]暗号化統合プラットフォームは、暗号化台帳または分散化された台帳(たとえば
、ブロックチェーン(block chains))を使用して、売買されようとしているデジタル取引品目の所有権および可用性を確認する。暗号化統合プラットフォームまたはその構成要素は、有価証券発行人によって、有価証券の新規公募および他の証券取引委員会(SEC)登録の公募を処理するために使用されてもよいし、一般人によって、流通市場取引でそれらの有価証券を商取引するために使用されてもよい。
【0011】
[0025]暗号化取引所で商取引されるデジタル取引品目は、当技術分野でよく知られている公開キー暗号化法および双方向暗号化などの暗号化技法を使用する他の所有者へ、転送されてもよい。公開キー暗号化法は、ある1つのキーペアを必要とし、この2つのキーは、正確にリンクされる。1つのキーは、公開キーであり、ピアツーピアネットワークにおいてノード間で自由に共有される。他方のキーは、プライベートキーであり、公開共有されない。公開キーは、普通文を暗号化するために、またデジタルサインを確認するために使用される。プライベートキーは、暗号化文を復号化するために、また取引にデジタルサインするために使用される。取引メッセージは、送信者の同一性を認証するために送信者のプライベートキーによってデジタルサインされてもよい。次に、送信者のデジタルサインされた取引メッセージは、送信者が取引の開始者であることを確認するために、送信者の公開キーを使用して復号化されてもよい。
【0012】
[0026]デジタル取引品目の所有権は、ネットワークノードによって維持される分散化された台帳内の所有権登記に基づいてもよい。分散化された台帳(たとえば、ビットコインのブロックチェーン)は、各デジタル取引品目の所有権の各変化のための登記を記録し、キーペアに正確にリンクされてもよい。デジタル資産またはデジタル負債を売却するために、取引メッセージは(たとえば、パケットまたは他のデータ構造で)、ピアツーピアネットワークでノードに配信されてもよい。取引メッセージは、売主のプライベートキーで、サインすることができ、デジタル資産またはデジタル負債の表題の連鎖の履歴、転送される株または品目の数、および取得者の公開キーに基づくアドレスなどの情報を含んでもよい。ネットワーク内のノードの大部分が、送信者が表題の適切な連鎖を有することに同意するとき、所有権は、取得者に変えられ、台帳は、取引を表示するために更新される。
【0013】
[0027]暗号化商取引システム(すなわち、暗号化取引所においてデジタル資産または負債を商取引するシステム)を従来の商取引システムへ統合化することは、本開示が議論する課題を発生させる。たとえば、本開示は、デジタル資産または負債を商取引するための注文が従来のシステムによって提出されるプロセスを導入する。別の実施例では、本開示は、元々従来のシステム内へ収容された暗号化商取引注文が、元々の注文と同一の存在(entity)によって認可されることを保証するプロセスを紹介する。さらに、本開示は、非共有プライベートキーおよび共有公開キーに基づいた暗号化取引をマッチ(match)させ
るためのシステムおよび方法を導入する。
【0014】
[0028]本明細書で導入される技法は、特定目的のハードウェア(たとえば回路)として、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを使用して適切にプログラムされたプログラマブル回路として、あるいは特定目的およびプログラマブル回路の組合せとして、実施されることができる。したがって、実施形態は、プロセスを実行するようにコンピュータ(または他の電子装置)をプログラムするために使用し得る命令を内部に格納した機械可読媒体を含んでもよい。機械可読媒体は、たとえば、フロッピーディスク、光ディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、磁気光ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電子的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気もしくは光カード、フラッシュメモリ、または電子命令を格納するのに適した他のタイプの媒体/機械可読媒体を含んでもよい。
【0015】
[0029]
図1は、本開示のいくつかの実施形態が使用され得る、ネットワークベースの操作環境100の一例を示す。
図1に示すように、操作環境100は、1つまたは複数のコンピュータデバイス110A〜110M(携帯デバイス、携帯電話、タブレットコンピュータ、携帯型媒体デバイス、携帯ゲームデバイス、車両ベースコンピュータ、専用端末、公開端末、デスクトップまたはラップトップコンピュータ、キオスクなど)上で実行されているアプリケーション105A〜105Nを含む。いくつかの実施形態では、アプリケーション105A〜105Nは、注文を発生させること、およびコンピュータデバイス上に格納されまたは遠隔地に格納され得るアカウント残高をチェックすることなどの、操作を実行するために使用される。これらのコンピュータデバイスは、ネットワーク120を介して暗号化統合プラットフォーム125およびブローカディーラ115に接続することによって通信データを受信および送信するための機構を含むことができる。
【0016】
[0030]コンピュータデバイス110A〜110Mは、ネットワーク120を介してブローカディーラ115および暗号化統合プラットフォーム125と通信するように構成される。いくつかの実施形態では、コンピュータデバイス110A〜110Mは、暗号化統合プラットフォーム125に情報を回収または提出することができ、暗号化統合プラットフォーム125およびブローカディーラ115によって回収されたカスタマイズされたコンテンツを有する1つまたは複数のアプリケーションを実行する。たとえば、コンピュータデバイス110A〜110Mは各々、ブラウザアプリケーションまたはカスタマイズされたクライアントを実行して、コンピュータデバイス110A〜110Mの間での、ならびに暗号化統合プラットフォーム125およびブローカディーラ115の間の対話を可能にする。
【0017】
[0031]ブローカディーラ115は、彼ら自身のアカウントのために、または彼らの顧客の代理で、資産(たとえば、有価証券、投資信託など)を商取引するビジネスに従事する存在(すなわち、実在する人間、企業、または他の組織)である。顧客の代理で注文の商取引を実行するとき、その存在はブローカとして振る舞う。それ自身のアカウントでの商取引を実行するとき、その存在はディーラとして振る舞う。ブローカディーラ115は、コンピュータデバイス110A〜110Mで注文を受信してもよく、彼ら自身の注文を作成してもよい。ブローカディーラ115は注文を、ネットワーク120を通して暗号化統合プラットフォーム125へ通知してもよい。ブローカディーラ115によって送信される注文は、FIXプロトコル、あるいは他のプロトコルおよび/またはフォーマットを使用してもよい。
【0018】
[0032]暗号化統合プラットフォーム125は、1つまたは複数のサーバ上で実行されてもよく、デジタル取引品目の商取引に使用され得る。いくつかの実施形態では、図に示すように、暗号化統合プラットフォーム125は、暗号化アダプタ130、暗号化ブリッジ135、および暗号化マッチング構成要素140を含む。
【0019】
[0033]暗号化アダプタ130は、ブローカディーラ115から、およびいくつかの実施形態では直接コンピュータデバイス110A〜110Mから、デジタル取引品目を商取引するための注文を受信する。注文は、一般にブローカディーラ115によって使用される従来のプロトコル/フォーマットで暗号化アダプタ130によって受信される(たとえば、FIXメッセージ)。暗号化アダプタ130は、注文を暗号化取引へ変換し、暗号化台帳160を使用して注文の資産および資本金の所有権を確認し、暗号化取引に暗号化サインして資産および資本金を転送し、暗号化取引が同一の顧客によって認可されたことを確認し、FIX注文を認可する。暗号化ブリッジ135は、暗号化取引所155からブローカディーラ115へ、市場データを収集し、提供する。暗号化マッチング構成要素140は、デジタル資産の買入および売却注文をマッチさせ、注文を実行し、ブローカディーラ115へ既存のブローカディーラのフォーマットで実行報告を返信する。したがって、暗
号化統合プラットフォーム125が、現在のブローカディーラ115の操作にシームレスに統合され、ブローカディーラ115は、公開またはプライベートキー、台帳、およびブロックチェーンの知識を持たずに、暗号化取引所155で有価証券を商取引することができる。
【0020】
[0034]暗号化統合プラットフォーム125は、ネットワーク145を通して、1つまたは複数のATS150、暗号化取引所155、および暗号化台帳160と通信可能に結合される。
【0021】
[0035]ネットワーク120およびネットワーク145は、同一のネットワークまたは独立したネットワークであってもよく、有線および/または無線通信システムを使用したローカルエリアおよび/またはワイドエリアネットワークの任意の組合せであってもよい。ネットワーク120またはネットワーク145のどちらかは、以下のプロトコル/技術のいずれかまたはそれ以外のものであっても、またはそれらを使用してもよく、それらには、イーサネット(登録商標)、IEEE802.11またはWi−Fi、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX)、セルラー電気通信(たとえば、3G、4G、5G)、CDMA、ケーブル、デジタル加入者回線(DSL)などがある。同様に、ネットワーク120およびネットワーク145上で使用されるネットワークプロトコルは、マルチ・プロトコル・ラベル・スイッチング(MPLS)、伝送制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)、ユーザー・データグラム・プロトコル(UDP)、ハイパー・テキスト・トランスポート・プロトコル(HTTP)、シンプル・メール転送プロトコル(SMTP)、およびファイル転送プロトコル(FTP)を含んでもよい。ネットワーク120およびネットワーク145を介した交換されたデータは、ハイパーテキスト・マークアップ言語(HTML)または拡張可能マークアップ言語(XML)を含む技術、言語および/または書式を使用して表現されてもよい。加えて、全てまたはいくつかのリンクは、セキュア・ソケット・レイヤ(SSL)、トランスポート層セキュリティ(TLS)、およびインターネット・プロトコル・セキュリティ(Ipsec)などの従来の暗号化技術を使用して暗号化されてもよい。
【0022】
[0036]ATS150は、売主と買主のマッチングによる取引のための相手方を探す非交換性の商取引システムである。ATS150は、従来の証券取引所の代替物である。ATS150の例は、電気通信ネットワーク(ECN)、交差ネットワーク、ダークプール、およびコールマーケットを含む。ATS150は、暗号化統合プラットフォーム125からデジタルサインされたFIX注文を受信し、デジタル資産を商取引するために売買注文がマッチする可能性のある一対を見つけ、注文の状態を記録する注文台帳の状態を収容する。
【0023】
[0037]暗号化取引所155は、株式、債券、または通貨のデジタル分担所有などのデジタル取引品目を商取引する取引所である。株式のデジタル分担所有は、従来の取引所に上場される有価証券と同一の株式のクラスであり得る。暗号化取引所155でのデジタル取引品目の所有権は、暗号化台帳160などの1つまたは複数の分散化された台帳上に記録され得る。暗号化取引所155は、暗号化統合プラットフォーム125からデジタルサインされた暗号化取引(たとえば、注文、取消し)を受信する。
【0024】
[0038]暗号化台帳160は、資本金と交換されるデジタル資産または負債の売却などの経済上の取引を記録する。暗号化台帳160は、ユニット毎に様々である。たとえば、ビットコインは、ブロックチェーンと呼ばれる分散化された公開台帳を使用する。暗号化台帳160が、暗号化統合プラットフォーム125から適切なキーを使用してサインされた取引を受信し、取引がネットワークのノードによって確認されたとき、暗号化台帳160
は、取引を記録する(たとえば、ブロックチェーンを台帳内に付加する)ことによって、デジタル取引品目を適切なアドレス(たとえば、適切なウォレット)に移動させる。
【0025】
[0039]多様なデータ記憶装置は、デジタル有価証券、ユーザ情報、および他のデータの記憶およびそれらへのアクセスを管理するために使用され得る。データ記憶装置は、暗号化台帳160などの分散化されたデータ記憶装置であってもよい。データ記憶装置は、データベーススキーマで決定されるクラスを使用して設計された集積体セットのデータリポジトリであってもよい。データ記憶装置は、データ記憶できるフラットファイルをさらに含んでもよい。暗号化統合プラットフォーム125および/または他のサーバは、データ記憶装置からのデータを収集し、かつ/またはそれらにアクセスしてもよい。
【0026】
[0040]
図2は、本開示の1つまたは複数の実施形態による暗号化統合プラットフォーム125内の構成要素セットを示す図である。
図2で示した本実施形態によれば、暗号化統合プラットフォームは、メモリ205、1つまたは複数のプロセッサ210、暗号化アダプタ215、暗号化ブリッジ220、および暗号化マッチング構成要素225を含み得る。他の実施形態は、他のモジュール、アプリケーション、および/または構成要素と共に、それらのモジュールおよび構成要素のいくつか、または全てを含んでもよいし、あるいはそれらを含まなくてもよい。さらにまた、いくつかの実施形態は、2つ以上のこれらのモジュールおよび構成要素を単独のモジュールに組み入れてもよく、および/または1つまたは複数のこれらのモジュールの機能性の一部分を異なるモジュールと結合させてもよい。たとえば、ある実施形態では、暗号化ブリッジ220および暗号化マッチング構成要素225は、単独の構成要素へと組み合わされてもよい。
【0027】
[0041]メモリ205は、情報を記憶するために使用される、任意のデバイス、機構、集中データ構造であり得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、メモリ205は、たとえば、任意のタイプの揮発性メモリ、不揮発性メモリ、およびダイナミックメモリであってもよく、またはそれらを含んでもよい。たとえば、メモリ205は、ランダムアクセスメモリ、メモリ記憶装置、光メモリ装置、磁気媒体、フロッピーディスク、磁気テープ、ハードドライブ、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、コンパクトディスク、DVD、および/または類似のものであってもよい。いくつかの実施形態によれば、メモリ205は、1つまたは複数のディスクドライブ、フラッシュドライブ、1つまたは複数のデータベース、1つまたは複数の表、1つまたは複数のファイル、ローカルキャッシュメモリ、プロセッサキャッシュメモリ、リレーショナルデータベース、フラットデータベース、および/または類似のものを含んでもよい。加えて、当業者ならば、メモリ205として使用できる情報記憶用の多くの追加デバイスおよび技法を理解されよう。
【0028】
[0042]メモリ205は、プロセッサ210上で1つまたは複数のアプリケーションまたはモジュールを実行するための命令を記憶するために使用されてもよい。たとえば、メモリ205は、暗号化アダプタ215、暗号化ブリッジ220、および暗号化マッチング構成要素225の機能性を実行するために必要な命令の全てまたはいくつかを収容する1つまたは複数の実施形態で使用され得る。
【0029】
暗号化アダプタ
[0043]暗号化アダプタ215は、ブローカディーラと暗号化取引所との間のインタフェースとしてはたらく。暗号化アダプタ215は、暗号化取引所からブローカディーラへ市場データを提供するために、暗号化ブリッジ220と通信する。暗号化アダプタ215はまた、ブローカディーラによって提供される顧客識別子を記憶し、2つの独立したキーペアを発生させることによって、新しい顧客を統合する。各キーペアは、1つのプライベートキーおよび1つの公開キーを有する。キーペアの2つは、正確にリンクされている。キ
ーペアの公開キーは、セキュリティに妥協せずに公開されることができ、キーペアのプライベートキーは、メッセージを読むことまたはデジタルサインを実行することを認可されていないいずれの人へも公開されてはいけない。
【0030】
[0044]2つのキーペアは、顧客識別子に関連付けられた2つのアドレス指定アカウントを作成するために使用される。アドレス指定アカウントは、「ウォレット」と呼ばれることがある。両方のウォレットとも、デジタルアカウントを表す。第1のウォレットは、本明細書中で顧客ポートフォリオウォレットとしてしばしば言及されるが、デジタル資産および負債(たとえば、株式のデジタル分担所有)ならびにデジタル資本金(たとえば、デジタル化ドル、トークン、暗号化通貨)などのデジタル取引品目を記憶する。いくつかの実施形態では、顧客識別子に関連付けられた顧客は、ウォレット用のキーペアを所有するが、暗号化アダプタ215が、顧客の代理で取引を完了させるためにキーペアを使用することを認可する。別の実施形態では、暗号化アダプタ215または第三者が、顧客ポートフォリオウォレットを所有する。第2のウォレットは、本明細書中で顧客委託ウォレットとしてしばしば言及されるが、顧客が買入または売却注文で申し込み、まだ完了していないデジタル取引回数を記憶する(たとえば、「委託された」資産または資本金)。暗号化アダプタ215は、顧客委託ウォレット用のキーを所有するか、または顧客委託ウォレットへのキーを使用することを認可される。いくつかの実施形態では、多くの異なる顧客ポートフォリオウォレットおよび顧客委託ウォレットキーを含む、ペアレントウォレットが作成されてもよい。ペアレントウォレットは、異なる公開台帳用のキーを含み、それによってブローカディーラに1つのマスタアカウントを提供してもよい。
【0031】
[0045]暗号化アダプタ215は、ブローカディーラから、ウォレットの残高を獲得する要求を受信してもよい。顧客識別子を使用して、暗号化アダプタ215は、正しい顧客ポートフォリオウォレットおよび顧客委託ウォレットを識別してもよい。暗号化アダプタ215は、1つまたは複数の暗号化台帳から各ウォレットの残高を獲得するために、顧客ポートフォリオウォレットおよび顧客委託ウォレット用に対応する公開キーを使用してもよい。
【0032】
[0046]暗号化アダプタ215は、ブローカディーラからの、顧客識別子に関連付けられた買入、売却、または取消し注文を含むFIX注文メッセージ(または同様のメッセージ)を受信してもよい。注文が、買入注文の場合、FIX注文メッセージは、ブローカディーラが取引用に預金された米ドル(または、他の通貨)を有することを示す。したがって、暗号化アダプタ215は、顧客からの資本金が、商取引を確定するために特化してブローカディーラのもとに保管されていることの表現を発行する。この表現は、ブローカディーラからのデジタル負債またはIOUであってもよい。そのようなデジタル表現は、顧客ポートフォリオウォレットに、記憶されるか、または関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、資本金は、ブローカディーラのウォレット(すなわち、アドレス指定アカウント)から顧客ポートフォリオウォレットへ暗号化通貨取引を介して送信されてもよい。
【0033】
[0047]暗号化アダプタ215は、デジタル負債をソースアカウント(すなわち、顧客ポートフォリオウォレット)から行先アカウント(すなわち、顧客委託ウォレット)へ転送するための情報を含む買入注文用の暗号化委託取引(すなわち、暗号化取引所でのデジタル資産または負債の売買に関係する取引)を作成し、顧客ポートフォリオウォレットのプライベートキーを使用して暗号化委託取引にサインする。暗号化委託取引は、USDトークン、顧客識別子、および/または委託ウォレットの公開キーを含んでもよい。取引が、暗号化アダプタ215によってサインされ、ネットワークノードによって確認された後、USDトークンの顧客委託ウォレットへの転送が完了し、取引は、暗号化台帳内で更新される。
【0034】
[0048]暗号化委託取引の作成に加えて、暗号化アダプタ215は、FIX注文取引を作成する。FIX注文取引を作成するために、暗号化アダプタ215は、非暗号化FIX注文を伴い、顧客識別子を使用して1組のウォレットおよびキーへ顧客をマッピングし、顧客ポートフォリオウォレットのプライベートキーを使用してFIX取引を作成し、それにサインする。FIX取引は、暗号化注文取引のアウトプット、具体的には取引識別子または暗号化取引注文のハッシュ、によって強化される。FIX注文取引は、メッセージタイプ(たとえば、買入、売却)、注文識別子、資本金取引のハッシュ、リターンアカウント、および公開キーを含み得る。FIX注文取引をATSへ送信する前に、FIX注文取引を認可するサインと暗号化委託取引を認可するサインが比較される。サインが一致する場合、注文はATSへ送信される。したがって、同一のプライベートキーを使用してFIX注文取引および暗号化注文取引にサインすることによって、暗号化アダプタ215は、注文が同一の存在に由来することを正確に確かめることができる。これにより、攻撃者による公開台帳の監視、および委託注文の背景で出現する詐欺的な注文を作成しようとすることを防止する。
【0035】
[0049]暗号化アダプタ215は、マッチする可能性のある売却注文を見つけるために、サインされたFIX注文取引をATSへ送る。暗号化アダプタ215は、サインされた暗号化委託取引を暗号化ブリッジ220へ送信し、最終的には、マッチした売却注文を見つけるために、サインされた暗号化委託取引を暗号化取引所へ送る。下記で説明するように、暗号化ブリッジ220は、FIX注文取引および暗号化委託取引でのサインを比較する。公開キー暗号化法は、サインが一致したかどうかを判定するために使用され得る。暗号化アダプタ215はまた、ブローカディーラに買入注文が保留されたことを知らせるブローカディーラへの実行報告を作成し、配信する。暗号化アダプタ215はまた、暗号化アダプタ215がブローカディーラへ転送した実行報告を暗号化マッチング構成要素225から受信する。
【0036】
[0050]暗号化アダプタ215は、買入注文とほとんど同一の方法で売却注文を処理するが、デジタル有価証券がそれを発行する機関によって裏付けられることから、暗号化アダプタ215がUSDトークンまたは他のデジタル表現を発行しないことは除かれる。
【0037】
[0051]暗号化アダプタ215は、ブローカディーラからの取消し注文を受信する。暗号化アダプタ215は、取消し注文要求を受信し、顧客識別子を顧客委託ウォレットにマッピングする。1つまたは複数の暗号化台帳からウォレット残高を獲得した後、暗号化アダプタは、FIX取消し取引を作成し、顧客委託ウォレットプライベートキーを使用してこの取引にサインする。暗号化アダプタ215は、FIX取消し取引が、最初の暗号化注文取引と同一のプライベートキーによってサインされたことを確認した後(たとえば、公開キー暗号化法を使用して)、暗号化取消し取引注文は、作成される。暗号化アダプタ215は、暗号化台帳による資本金または資産の顧客ポートフォリオウォレットへの転送を実施するために、顧客委託ウォレットプライベートキーを使用して暗号化取消し取引にサインする。暗号化取消し取引にサインすることで、取消し注文に由来する存在が実行することを認可されたことを保証する。これにより、攻撃者による先回り取引するための注文の不正な除去を防止する。
【0038】
暗号化ブリッジ
[0052]暗号化ブリッジ220は、暗号化アダプタ215から暗号化取引所での市場データの要求を受信する。暗号化ブリッジ220は、暗号化取引所から情報を収集し、取引に関わる有価証券の暗号化市場での最良の価格を検索するルータとしてはたらく。暗号化ブリッジは、暗号化台帳を監視することによってデータを収集し、公開台帳上で見ることができる注文情報に署名することによって、注文台帳の現在のスナップショットを生成する
ことができる。暗号化取引所は、異なる分散化された台帳を有してもよい。暗号化ブリッジ220は、異なる分散化された台帳を正規化することによって、ブローカディーラのための単一のインタフェースをさらに提供する。たとえば、多様な分散化された台帳が、使用されてもよく、これらの分散化された台帳は、異なる関連付けられたキーと共に異なるアプリケーションのプログラミングインタフェースを有してもよい。暗号化ブリッジ220は、全ての分散化された台帳からのデータにアクセスし、1つの標準フォーマットのデータを提供する。したがって、ブローカディーラは、他のものの中でも、異種のウォレットおよびキー生成、委託された取引、残高の回収を扱うことなしに、暗号化取引所へ自由にアクセスできる。
【0039】
暗号化マッチング構成要素
[0053]暗号化マッチング構成要素225は、マッチする可能性のある一対である2つの委託注文(すなわち、デジタル取引品目が、顧客委託ウォレットへ転送されている注文)を識別するATSからマッチ要求を受信する。マッチ要求は、各委託取引のための注文識別子を含む。暗号化マッチング構成要素225は、注文識別子を委託顧客ポートフォリオウォレットへ注文毎にマッピングする。暗号化マッチング構成要素225は、暗号化台帳から顧客委託ウォレットの残高を獲得し、売却側からは、資産または負債が利用可能であり、取引が委託され、買入側からは、資本金が利用可能であり、取引が委託されることを保証する。暗号化マッチング構成要素は、要求回答をマッチさせ、相手方のハッシュ、または顧客ポートフォリオウォレットからのサインを含む。暗号化マッチング構成要素は続いて、顧客委託ウォレットから差し引くこと、および相手方のハッシュまたは顧客ポートフォリオウォレットからのサインを使用して、各々の側の顧客ポートフォリオウォレットに記入することによって、取引を確定し、清算する。
【0040】
[0054]
図3は、デジタル資産の商取引で使用される構成要素の相互作用を示す図である。
図3に示すように、顧客(302、304、306、308、310、312、314、316)は、ブローカディーラ(318、320)と連係する。ブローカディーラは、顧客から従来の取引所での非デジタル資産または負債を商取引するための注文と同様に、暗号化取引所(332、334)でのデジタル資産または負債を商取引するための注文もまた受信する。注文がデジタル取引品目を商取引することを伴う場合、注文は、FIX注文などのブローカディーラ用の標準フォーマットで、暗号化アダプタ(322)へ送られる。暗号化技法を使用して、暗号化アダプタ(322)は、顧客ポートフォリオウォレットから顧客委託ウォレットへ、注文に対応したデジタル取引品目を転送し、このことで、「サインされた暗号化取引」が作成される。サインされた暗号化取引は、暗号化ブリッジ(328)へ送信される。次に、暗号化アダプタ(322)は、1つまたは複数のATS(324、326)へ送信されるFIX取引注文を作成し、これにサインする。暗号化アダプタ(322)は、暗号化サインを比較することで、FIX取引および暗号化取引が同一の署名人(party)によって認可されたことを確認する。
【0041】
[0055]サインがマッチするかを推定するために、暗号化マッチング構成要素(330)は、ATS(324、326)のうちの1つ、または暗号化取引所(332、334)のうちの1つから、注文のマッチする可能性のある一対を受信する。いくつかの実施形態では、注文は、1つ以上のATS、または1つ以上の暗号化取引所へ送信されてもよい。暗号化マッチング構成要素は、デジタル取引品目が、利用可能であり、取引を即時に清算し、確定することを確認する。
【0042】
[0056]
図4は、暗号化統合プラットフォーム125の構造を示す図である。示したように、ブローカディーラ(402)は、1つまたは複数のネットワーク(404、406)を介して暗号化統合プラットフォーム125(408、410、412)と通信する。暗号化統合プラットフォーム125は、1つまたは複数のネットワーク(414)を介して
暗号化台帳(416、418)と通信する。デジタル取引品目を取得または売却する、または注文を取り消す注文は、いったんブローカディーラ(402)によって受信されると、アダプタ(408)は、ATSおよび暗号化取引所(cryptographic exchange)へ送信される、従来のシステム上の取引を作成する。ウォレットキーを含む情報、ユーザ情報、および取引が作成され、データベース(420、422、424)内、および多様な分散化された台帳(416、418)上に記憶される。資産が確認され、顧客委託ウォレット内へ移動され、取引はサインされる。市場データは、ブロックチェーンなどの分散化された公開台帳から収集される。複数の暗号化台帳(416、418)で示したように、取引は、取引を記録するために使用される分散化された台帳のタイプに対して断定的でない。ブリッジ(410)は、多様な暗号化取引所からの市場データを正規化する。注文は、マッチング構成要素(412)内でマッチされる。
【0043】
[0057]
図5は、暗号化統合プラットフォームを使用して、ブローカディーラの観点からのデジタル資産を商取引するプロセス500を示すフローチャートである。受信操作502は、ブローカディーラのコンピュータデバイスにおける顧客から注文を受信する。注文は、1つまたは複数のデジタル取引品目の買入または売却の注文、または既存の注文を取り消す注文を含んでもよい。受信した注文に基づいて、ブローカディーラは、FIXプロトコル(または他のプロトコル)内に注文メッセージを作成し、その注文を送信操作504で暗号化統合プラットフォームへ送信してもよい。暗号化統合プラットフォームが、顧客アカウント残高(すなわち、顧客ポートフォリオウォレットおよび顧客委託ウォレットの残高)を調べ、注文するデジタル資本金または資産を委託した後、ブローカディーラは、受信操作506で注文の状態(たとえば、注文保留、注文実行、注文取消し)を含む実行報告を受信する。実行報告は、ブローカディーラが通常の売買で発生する商取引から受信する同一のフォーマットで提供される。
【0044】
[0058]
図6は、暗号化統合プラットフォームの観点からのデジタル取引品目を商取引するプロセス600を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、
図6で実行される操作は、暗号化アダプタによって実行され得る。いくつかの実施形態では、より少ない、またはより多い操作が実行されてもよく、あるいは、操作が異なる順序で実行されてもよい。
【0045】
[0059]作成操作602は、顧客のための、第1のアドレス指定アカウント(たとえば、顧客ポートフォリオウォレット)、および第2のアドレス指定アカウント(たとえば、顧客委託ウォレット)を作成する。第1および第2のアドレス指定アカウントは、関連付けられたキーペアを各々有してもよく、両方が、顧客識別子に関連付けられてもよい。顧客によって所有される多様なデジタル取引品目は、第1および第2のアドレス指定アカウントに関連付けられてもよい。受信操作604は、デジタル有価証券などのデジタル取引品目の買入または売却の注文を受信する。
【0046】
[0060]サイン操作606は、第1のアドレス指定アカウントに関連付けられたプライベートキーを使用して、第1の取引に電子サインし、デジタル取引品目を第1のアドレス指定アカウントから第2のアドレス指定アカウントへ転送する。サイン操作606はさらに、第1のアドレス指定アカウントのプライベートキーを使用して第2の取引に電子サインしてもよい。確認操作608は、第1の取引が第2の取引と同一のプライベートキーを使用してサインされたことを確認する。認可操作610は、第1の取引が、第2の取引と同一のプライベートキーを使用してサインされたことを確認した後、暗号化取引所でのデジタル取引品目の申し込みを認可する。
【0047】
[0061]
図7は、暗号化統合プラットフォームの観点からのデジタル取引品目を商取引するプロセス700を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、
図7で実行さ
れる操作は、暗号化マッチング構成要素によって実行され得る。いくつかの実施形態では、より少ない、またはより多い操作が実行されてもよく、あるいは、操作が異なる順序で実行されてもよい。
【0048】
[0062]受信操作702は、買入取引と売却取引をマッチさせる要求を受信する。買入取引は、デジタル取引品目を指定された総額だけ(たとえば、デジタル取引品目の額に対応した総額)取得する買入注文を含んでもよく、売却取引は、デジタル取引品目をある総額だけ売却する、売却注文を含んでもよい。デジタル取引品目を取得する顧客は、2つのアドレス指定アカウント、すなわち第1の顧客ポートフォリオウォレットおよび第1の顧客委託ウォレットを有してもよい。デジタル取引品目を売却する顧客もまた、2つのアドレス指定アカウント、すなわち第2の顧客ポートフォリオウォレットおよび第2の顧客委託ウォレットを有してもよい。
【0049】
[0063]買入取引は、買入注文を識別する第1のアドレス指定アカウント(たとえば、第1の顧客ポートフォリオウォレット)に対応する、関連付けられた第1のサインを含み得る。売却取引は、売却注文を識別する第2のアドレス指定アカウント(たとえば、第2の顧客ポートフォリオウォレット)に対応した関連付けられた第2のサインを含み得る。資本金の総額は、第1の顧客に関連付けられた第3のアドレス指定アカウント(たとえば、第1の顧客委託ウォレット)に関連付けられてもよく、1つまたは複数のデジタル取引品目は、第2の顧客に関連付けられた第4のアドレス指定アカウント(たとえば、第2の顧客委託ウォレット)に関連付けられてもよい。
【0050】
[0064]マッピング操作704は、買入取引を第3のアドレス指定アカウント(たとえば、第1の顧客委託ウォレット)に、売却取引を第4のアドレス指定アカウント(たとえば、第2の顧客委託ウォレット)にマッピングする。
【0051】
[0065]送信操作706は、マッチ要求回答を暗号化取引所へ送信する。マッチ要求は、買入取引を委託するための、第1のサインおよび第2のサインを含み得る。転送操作708は、デジタル取引品目を第1のアドレス指定アカウント(たとえば、第1の顧客ポートフォリオウォレット)へ転送する。転送操作710は、買入取引および売却取引を確定し、清算するために、総額を第2のアドレス指定アカウント(たとえば、第2の顧客ポートフォリオウォレット)へ転送する。
【0052】
顧客の作成
[0066]
図8は、顧客がデジタル有価証券を商取引できるようにするために暗号化統合プラットフォームに新しい顧客を統合するプロセス800を示す。ユーザのサインアップ(802)のとき、ブローカディーラは、ユーザインタフェース(「UI」)を介して、氏名、銀行口座情報、および顧客によって所有される有価証券などの顧客データを収集する(804)。顧客データは、顧客からデータを受信し(808)、顧客の同一性を確認する(810)、Know Your Customer(「KYC])プロセス(または、他のプロセス)で、確認されてもよい(806)。KYCプロセスは、外部のベンダーによって、または、ブローカディーラによって履行されてもよい。顧客の同一性が確認された場合、ブローカディーラは、ブローカディーラのシステム内に顧客を作成する(812)。ブローカディーラは、顧客識別番号または顧客の他の識別子などの顧客識別子を割り当てる。
【0053】
[0067]ブローカディーラが、顧客識別子を顧客へ、いったん割り当てた後、顧客識別子および顧客データは、顧客識別子および顧客データが1つまたは複数のデータベースに記憶されている暗号化アダプタへ送信されてもよい(814)。暗号化アダプタは、顧客用のキーペア(たとえば、公開キーおよびプライベートキーのペア)を生成してもよく(8
16)、そのキーペアおよび顧客識別子に関連付けられた顧客ポートフォリオウォレットを作成してもよい(816)。顧客ポートフォリオウォレットは、顧客によって所有される、資本金(たとえば、デジタルの通貨または通貨の表現)、およびデジタル資産または負債(たとえば、株式のデジタル分担所有)などの任意のデジタル取引品目を保持し得る(すなわち、関連付けられ得る)。
【0054】
[0068]さらに、キーペアの第2のセット、ならびにそのキーペアの第2のセットおよび顧客識別子に関連付けられた第2のデジタルウォレットが作成される(818)。顧客委託ウォレットは、将来の注文で委託されるデジタル取引品目を確保するために、エスクロウアカウント(escrow account)と同じように、使用されてもよい。顧客ポートフォリオウォレットおよび顧客委託ウォレットの残高は、分散化された台帳に記録され、キーペアを使用してアクセスされ得る。いくつかの実施形態では、第三者が、顧客ポートフォリオウォレットおよび顧客委託ウォレットを作成し、対応するキーペアを生成することを委任されてもよい。顧客ポートフォリオウォレットおよび顧客委託ウォレットがいったん作成されると、暗号化アダプタは、ブローカディーラへ顧客が順調に作成されたことを知らせる(820)。ブローカディーラは、顧客が順調に作成されたことの知らせを受信する(822)。
【0055】
注文の作成
[0069]
図9は、デジタル有価証券を商取引する注文を作成するプロセス900を示す。顧客は、ユーザインタフェース(「UI」)を介してブローカディーラにログインしてもよい。顧客がログインすると(902)、ブローカディーラは、暗号化レベル1データ(すなわち、1つまたは複数の有価証券の最新の買入呼値および売却指値などの、暗号化取引所での有価証券商取引のための市場データ)を要求することができる(904)。このタイプのデータは、トレーダによって将来の商取引の買入、買入呼値、および売却指値の決定のために使用され得る。暗号化レベル1データの要求は、1つまたは複数の暗号化取引所からデータを収集する暗号化ブリッジ(906)へ送られる。暗号化ブリッジは、暗号化取引所から暗号化レベル1データを回収し(908、910)、そのデータを正規化して、ブローカディーラの既存のシステムによって使用されるフォーマットでの暗号化レベル1データを作成する(912)。いくつかの実施形態では、ブローカディーラは、ある期間中に発生した注文の履歴などの追加の市場データを提供する、暗号化レベル2データなどの追加のデータを要求する。暗号化ブリッジは、ブローカディーラのインタフェースに利用可能な暗号化レベル1データを、発行、送信、またはその他の場合は作成する(914)。
【0056】
[0070]ブローカディーラは、顧客ポートフォリオウォレットおよび顧客委託ウォレットの資産(すなわち、有価証券およびデジタル資本金)の残高を要求してもよい(916)。暗号化アダプタは次に、ブローカディーラによって送信された顧客識別子を使用して、顧客識別子を顧客ポートフォリオウォレットおよび顧客委託ウォレットにマッピングする(918)。顧客ポートフォリオウォレットデータおよび顧客委託ウォレットデータは、現在の通常の商取引システムの取引所によって所有されるデータベース(たとえば、ニューヨーク証券取引所は、それの商取引データを所有する)とは対照的に、分散化された暗号化台帳を使用して記録される(918)。したがって、ブローカディーラへウォレットデータを提供するために、暗号化アダプタは、暗号化台帳からウォレットデータを収集する。
【0057】
[0071]顧客ウォレットおよび/または顧客委託ウォレットの残高を決定するために、分散化された台帳は、顧客ポートフォリオウォレットおよび/または顧客委託ウォレットのそれぞれのためのキーペアを使用して検索される(920、922)。残高がいったん決定されると(924)、暗号化アダプタは次に、ブローカディーラのユーザインタフェー
スへ、確定された残高を含む顧客ポートフォリオウォレットおよび顧客委託ウォレットの両方の、デジタル資本金およびデジタル資産を含む残高を提供する(926)。ブローカディーラは、顧客ポートフォリオウォレットおよび/または顧客委託ウォレットに関連付けられた残高を表示してもよく(928)、次に顧客から買入または売却注文を受信してもよい(930)。ブローカディーラは、注文が買入注文(930、932)か売却注文(930、934)かを判定してもよい。
【0058】
買入注文処理
[0072]
図10は、デジタル資産、負債、または他のデジタル取引品目を取得する注文を受信し、処理するプロセス1000を示す。ブローカディーラは、買入注文を受信し(1002)、顧客ポートフォリオウォレットの残高に基づいて、顧客が取得を成立させる購買力を有するかを判定する。顧客が取得を成立させる購買力を有するかを推定するために、ブローカディーラは、注文を顧客と対応して確認し(1004)、ブローカディーラが顧客のために預金した現金または現金等価物で予約を配置する(1006)。次に、ブローカディーラは、FIX注文メッセージまたは同等の注文メッセージなどの、商取引前の通信および商取引実行のための従来の商取引プロトコルを使用して、注文メッセージを作成する(1008)。本実施例の目的のために、FIX注文メッセージは、使用される。
【0059】
[0073]暗号化アダプタが、FIX注文メッセージを受信するとき、暗号化アダプタは、顧客識別子を顧客ポートフォリオウォレットおよび顧客委託ウォレットの両方にマッピングする(1010)。次に、暗号化アダプタは、顧客からの現金が商取引(すなわち、通常は資産価格によって量が増加する総額の、ブローカディーラからのデジタル負債またはIOU)を確定するために特化して、ブローカディーラに保持されていることを表現する、USDトークンなどの資本金のデジタル表現を作成する(1012)。暗号化アダプタは、ブローカディーラの代理で顧客ポートフォリオウォレットへトークンを発行し、これは分散化された台帳に記録される(1014、1016)。
【0060】
[0074]その後、暗号化アダプタは、このときUSDトークを含む顧客ポートフォリオウォレット残高、および暗号化台帳からの顧客委託ウォレット残高を回収する(1018)。暗号化台帳は、残高を検索し、その残高を暗号化アダプタに提供する(1020、1022)。暗号化アダプタは、注文のための残高が利用可能であるか判定する(1024)。残高が十分である場合、暗号化アダプタは、顧客委託ウォレットのUSDトークンを転送するために、顧客ポートフォリオウォレット用の顧客のプライベートキーを使用して暗号化委託取引を作成し、それにサインする(1026)。暗号化委託取引は、そのアドレスがUSDトークンを顧客ポートフォリオウォレットへ送信するために使用される記録、USDトークンの総額、および顧客委託ウォレットのアドレスなどの情報を含む。サインされた暗号化委託取引を受信し、それを確認した後、暗号化台帳は、取引を記録することによって、USDトークンを顧客委託ウォレット内に移動させ(1028)、その記録が暗号化アダプタに提供される(1030)。USDトークンは、取引の確定または取り消しのどちらかが決定されるまでの間、委託ウォレット内に留まる。
【0061】
[0075]USDトークンが、いったん顧客ポートフォリオウォレットから顧客委託ウォレットへ移動されると(1032)、暗号化アダプタは、FIX注文取引(最終的にATSへ送信される)を作成し、顧客ポートフォリオウォレット用のプライベートキーを使用してFIX注文取引にサインする(1034)。暗号化アダプタは、暗号化委託取引からのサインと、FIX注文取引からのサインを比較し、サインが一致するか判定する(1036)。暗号化アダプタは、サインが一致するか判定するために、非対称公開キー暗号化法を使用してもよい。
【0062】
[0076]FIX注文取引が、暗号化委託取引にサインした同一の署名人によってサインさ
れたことを確認することによって、暗号化統合プラットフォームは、FIX注文取引が暗号化委託取引に関連付けられており、したがってデジタル資本金が取引に利用可能であることの確実性を提供できる。さらに、委託注文は公開情報であり、それゆえ一般人は、注文が委託残高を有することを知ることができる。
【0063】
[0077]委託取引からのサインが、FIX注文取引からのサインと一致する場合、ATSおよび/または暗号化取引所は、注文を申し込み(1038)、注文識別子を含む実行報告を作成する(1040)。暗号化アダプタは、注文識別子を暗号化委託取引のハッシュにマッピングする(1042)。次に、注文が順調に申し込まれたかを推定するために(1044)、暗号化アダプタは、注文が保留中であること示す実行報告を作成し、その実行報告をブローカディーラに発行する(1046)。ブローカディーラは、注文が順調に保留中であることを反映するために、そのシステムを更新してもよい(1048)。図に示すように、暗号化統合プラットフォームによって、ブローカディーラが、暗号化取引所で単にFIX注文メッセージを送信することで商取引できるようになる。
【0064】
売却注文処理
[0078]
図11は、暗号化取引所で、デジタル資産、デジタル負債、または他のデジタル取引品目を売却する注文を受信し、処理するプロセス1100を示す。売却する注文のプロセスは、資産を取得する注文のプロセスと同様であるが1つの例外をもち、すなわち、資産が企業のネットワークで裏付けられるので、デジタル負債を作成する必要がない。
【0065】
[0079]ブローカディーラは、売却注文を受信し(1102)、暗号化アダプタによって提供された顧客ポートフォリオウォレットの残高に基づいて、顧客が売却する資産を所有するかを判定する。顧客が売却する資産を所有するかを推定するために、ブローカディーラは、注文を顧客と対応して確認する(1104)。次に、ブローカディーラは、商取引前の通信および商取引実行のためのFIX注文メッセージまたは同等の注文メッセージを作成する(1106)。本実施例の目的のために、FIX注文メッセージは、使用される。
【0066】
[0080]暗号化アダプタが、FIX注文メッセージを受信するとき、暗号化アダプタは、顧客識別子を顧客ポートフォリオウォレットおよび顧客委託ウォレットにマッピングする(1108)。次に、暗号化アダプタは、暗号化台帳から顧客ポートフォリオウォレット残高および顧客委託ウォレット残高を収集する(1110、1112、1114)。売却するデジタル資産または負債が、顧客ポートフォリオウォレットに関連付けられているか推定するために(1116)、暗号化アダプタは、顧客ポートフォリオウォレット用のプライベートキーを使用して、暗号化委託取引を作成し、暗号化委託取引にサインする(1118)。暗号化委託取引は、そのアドレスがデジタル資産を顧客ポートフォリオウォレットへ送信するために使用される記録、商取引を委託されている資産の総額、および顧客委託ウォレットのアドレスを含んでもよい。サインされた暗号化委託取引が受信され、確認された後、暗号化台帳は、資産を顧客委託ウォレット内へ移動させ(1120)、取引回答を作成する(1122)。資産は、取引の確定または取り消しのどちらかが決定されるまでの間、顧客委託ウォレット内に留まる。
【0067】
[0081]資産が、いったん顧客ポートフォリオウォレットから顧客委託ウォレットへ順調に移動されると(1124)、暗号化アダプタは、FIX注文取引を作成し、顧客委託ウォレット用のプライベートキーを使用してFIX注文取引にサインする。(1126)。暗号化アダプタは、委託取引からのサインと、FIX注文取引からのサインを比較し、サインが一致するか判定する(1128)。上で説明したように、非対称公開キー暗号化法は、サインが一致したことを保証するために使用され得る。
【0068】
[0082]FIX注文取引が、暗号化委託取引と同一の署名人によってサインされたことを確認することによって、暗号化統合プラットフォームは、FIX注文取引が委託取引に関連付けられており、したがって資産が取引に利用可能であることの確実性を提供できる。
【0069】
[0083]委託取引からのサインが、FIX注文取引からのサインと一致する場合、暗号化取引所は、注文を申し込み(1130)、注文識別子を含む実行報告を作成する(1132)。暗号化アダプタは、注文識別子を暗号化委託取引のハッシュにマッピングする(1134)。次に、成功を推定するために(1136)、暗号化アダプタは、注文が保留中であること示す実行報告を作成し、その実行報告をブローカディーラに発行する(1138)。ブローカディーラは、注文が順調に保留中であることを表示するために、そのシステムを更新してもよい(1140)。
【0070】
取消し注文処理
[0084]
図12は、デジタル取引品目を売却または取得する取引を取り消すプロセス1200を示す。取消し注文が成立した場合、売却または取得を保留している顧客委託ウォレット内のデジタル取引品目(たとえば、資産またはデジタル資本金)は、顧客ポートフォリオウォレットへ戻される。デジタル取引品目が、顧客委託ウォレットへまだ移動されていない場合は、取消し注文は、デジタル取引品目が顧客委託ウォレットへ移動されないことを保証する。暗号化統合プラットフォームは、取消しが最初のFIX取引にサインした同一の存在によって注文されたことを証明することによる、注文の取り消しに備える。
【0071】
[0085]ブローカディーラは、注文を取り消す要求を受信し(1202)、顧客識別子を含むその要求を、暗号化アダプタへ送信する(1204)。暗号化アダプタが、注文を取り消す要求を受信するとき、暗号化アダプタは、顧客識別子を顧客ポートフォリオウォレットおよび顧客委託ウォレットにマッピングする(1206)。次に、暗号化アダプタは、暗号化台帳への問い合わせによって、顧客ポートフォリオウォレット残高および顧客委託ウォレット残高を確認する(1208、1210)。暗号化台帳は、顧客のウォレット残高を検索し(1210)、回答を暗号化アダプタに提供する(1212)。
【0072】
[0086]次に、暗号化アダプタは、取消し注文の内容が顧客委託ウォレット(すなわち、売却され得る資産、または取得のために使用され得るデジタル通貨)内にあるかを判定する(1214)。取消し注文の内容が顧客委託ウォレット内にない場合(すなわち、注文が既に、確定プロセスの一部にある)、取消し注文は実行されない。取消し注文の内容が顧客委託ウォレット内にある場合、暗号化アダプタは、FIX取消し取引を作成し、デジタル資本金または資産を顧客委託ウォレット内へ転送した最初の注文にサインするために使用したプライベートキー(すなわち、顧客ポートフォリオウォレット用のプライベートキー)を使用してFIX取消し取引にサインする(1216)。最初の注文は、暗号化マッチング構成要素および/または暗号化注文取引によって戻される注文識別子によって識別される。
【0073】
[0087]次に、暗号化アダプタは、注文に関連付けられた暗号化委託取引からのサインと、FIX取消し取引からのサインを比較し、サインが一致するか判定する(1218)。暗号化取消し取引からのサインと、FIX取消し取引からのサインとが一致する場合、暗号化取引所は、注文を取り消し、注文識別子を含む実行報告を作成する(1220)。暗号化取引所は、暗号化アダプタのための実行報告1222を作成する。暗号化アダプタは、注文識別子を暗号化取消し取引のハッシュにマッピングする(1224)。次に、暗号化取引所での注文の順調な取消しを推定するために(1226)、暗号化アダプタは、取消し注文およびデジタル資本金または資産を顧客委託ウォレット内に転送する注文にサインするために使用したプライベートキー(すなわち、顧客委託ウォレット用のプライベートキー)を使用して、暗号化取消し取引を作成し、それにサインする(1228)。暗号
化台帳は、デジタル資本金または資産を顧客委託ウォレットから顧客ポートフォリオウォレット内へ移動し(1230)、取引回答を作成する(1232)。成功を推定するために(1234)、暗号化アダプタは次に、注文が取り消されたことを示す実行報告を作成し、その実行報告をブローカディーラに発行する(1236)。ブローカディーラは次に、そのシステムを、注文の順調な取消しに対応して更新する(1238)。
【0074】
マッチング注文
[0088]
図13は、デジタル資産の取得または売却の取引を確定し、清算するプロセス1300を示す。ATSは、委託買入注文と委託売却注文との間のマッチする可能性のある一対を識別し(1302)、マッチする可能性のある一対が本当にマッチすること(すなわち、各注文識別子に関連付けられたウォレット残高が利用可能であること)を確認するために、マッチ要求を暗号化マッチング構成要素へ送信する(1304)。
【0075】
[0089]暗号化マッチング構成要素は、マッチ要求を受信し(1306)、注文識別子を各委託ウォレットにマッピングし(1308)、買入注文および売却注文の両方に関連付けられた顧客委託ウォレット残高について、暗号化台帳に問い合わせる(1310)。暗号化台帳は、残高を回収し(1312)、残高回答を作成し(1314)、その残高回答を暗号化マッチング構成要素に提供する(1316)。暗号化マッチング構成要素は、残高が利用可能であることを確認する(1318)。顧客委託ウォレット内に対応する買入および売却の残高が存在することを推定するために、暗号化マッチング構成要素は、注文をマッチさせるマッチ要求を作成する(1320)。マッチ要求は、相手方の顧客ポートフォリオウォレットのためのサイン、および/または最初の注文を識別する各注文のための相手方のハッシュを含み、台帳上に公開し分散化される(1320)。たとえば、売却注文用のハッシュは、資産を顧客ポートフォリオウォレットから顧客委託ウォレットへと移動するときに、作成される識別子である。同様に、買入注文用のハッシュは、USDトークンを委託状態へと移動させた取引中に、作成される識別子である。
【0076】
[0090]暗号化取引所が、マッチする一対を示すマッチ要求回答をいったん受信すると、暗号化取引所は、取引をマッチさせ、資産/資本金の売買を各相手方の顧客ポートフォリオウォレットに記録することによってマッチされた取引を委託し(1322)、暗号化ブリッジに送られブローカディーラに通知される注文実行を作成する(1330)。同時に、またはほぼ同時に、暗号化マッチング構成要素は、相手方のハッシュを使用した取引を確定し、清算する(1324)。取引の確定および清算は、取得または売却する顧客の委託ウォレットからデジタル資本金または資産をそれぞれ差し引くことと(1326)、および取得または売却する顧客ポートフォリオウォレットに資産およびデジタル資本金をそれぞれ記入することと(1328)を含む。暗号化取引所は、注文実行を、暗号化ブリッジへ送り(1332)、それが順調な取引の結果をブローカディーラへ送る(1334)。
【0077】
[0091]多様な本開示の実施形態が、以下に説明される。
実施形態1
コンピュータによって、各々が共通の識別子を有し、かつ各々がある1人の第1の顧客に関連付けられる、第1のアドレス指定アカウントおよび第2のアドレス指定アカウントを作成するステップと、
リモートのコンピュータデバイスから、前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられた1つまたは複数のデジタル取引品目を売買するための注文を受信するステップであって、前記注文が前記共通の識別子に関連付けられている、ステップと、
前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられたプライベートキーを使用して、第1の取引に電子サインし、前記第1のアドレス指定アカウントから前記第2のアドレス指定アカウントへ前記1つまたは複数のデジタル取引品目を転送するステップと、
前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられた前記プライベートキーを使用して、第2の取引に電子サインするステップと、
前記第1の取引が、前記第2の取引と同一のプライベートキーを使用してサインされたことを確認するステップと、
暗号化取引所での前記注文の申し込みを、前記第1の取引が、前記第2の取引と同一のプライベートキーを使用してサインされたことの確認に基づいて、認可するステップと
を含む、コンピュータ化された方法。
実施形態2
前記第2のアドレス指定アカウントが、第2の公開キーおよび第2のプライベートキーを含む第2のキーペアに関連付けられる、実施形態1に記載のコンピュータ化された方法。
実施形態3
分散化された台帳から、前記注文に関連付けられた前記1つまたは複数のデジタル取引品目が、前記第1の公開キーを使用することによって前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられることの確認を受信するステップと、
前記注文に関連付けられた前記1つまたは複数のデジタル取引品目が、前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられることの確認の受信に基づいて、前記第1の取引および前記第2の取引を作成するステップと
をさらに含む、実施形態1に記載のコンピュータ化された方法。
実施形態4
分散化された台帳に、前記第1のアドレス指定アカウントおよび前記第2のアドレス指定アカウントとの残高を通知するステップをさらに含む、実施形態1に記載のコンピュータ化された方法。
実施形態5
前記注文が、デジタル資産またはデジタル負債を取得するための注文である、実施形態1に記載のコンピュータ化された方法であって、
前記リモートのコンピュータデバイスから、資本金で前記デジタル資産または前記デジタル負債を取得できることを示す情報を受信するステップであって、前記1つまたは複数のデジタル取引品目が、前記資本金のデジタル表現である、ステップと、
前記資本金の前記デジタル表現を、前記1つまたは複数のデジタル取引品目として、前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けるステップとをさらに含む、コンピュータ化された方法。
実施形態6
前記注文が、前記1つまたは複数のデジタル取引品目を売却するための注文であって、前記1つまたは複数のデジタル取引品目が、1つまたは複数のデジタル資産または1つまたは複数のデジタル負債である、実施形態1に記載のコンピュータ化された方法であって、
前記リモートのコンピュータデバイスから、前記1つまたは複数のデジタル資産に対応した資産、または前記1つまたは複数のデジタル負債に対応した負債が、売却できることを示す情報を受信するステップをさらに含む、コンピュータ化された方法。
実施形態7
第3のアドレス指定アカウントを作成するステップをさらに含む、実施形態1に記載のコンピュータ化された方法であって、前記第3のデジタルアドレス指定アカウントが、前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられた第1のキーペアと、前記第2のアドレス指定アカウントに関連付けられた第2のキーペアとを含む、コンピュータ化された方法。
実施形態8
前記第1の取引を作成するステップであって、前記第1の取引が、前記1つまたは複数のデジタル取引品目、前記識別子、および前記第2のアドレス指定アカウントの公開キーのうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
前記第1の取引のハッシュを作成するステップと、
前記第2の取引を作成するステップであって、前記第2の取引が、前記注文のタイプ、前記識別子、前記第2のアドレス指定アカウントの公開キー、および前記第1の取引の前記ハッシュのうちの少なくとも1つを含む、ステップとをさらに含む、実施形態1に記載のコンピュータ化された方法。
実施形態9
前記暗号化取引所へ前記第1の取引を送信するステップと、
代替の商取引システムへ前記第2の取引を送信するステップとをさらに含む、実施形態1に記載のコンピュータ化された方法。
実施形態10
前記注文が前記暗号化取引所での第2の注文にマッチしたことの通知を受信するステップと、
実行報告を作成するステップとをさらに含む、実施形態9に記載のコンピュータ化された方法。
実施形態11
前記第1のアドレス指定アカウントが、顧客ポートフォリオアカウントであり、前記第2のアドレス指定アカウントが、顧客委託アカウントである、実施形態1に記載のコンピュータ化された方法。
実施形態12
前記第1の取引が、前記第1の取引の額に対応した総額内の資本金または前記第1の取引の前記額に対応した前記総額内の前記資本金の表示、および前記第1のアドレス指定アカウントの公開キーのうちの少なくとも1つを含み、前記第2の取引が、前記第2のアドレス指定アカウントの公開キー、前記注文のタイプ、前記識別子、前記第2のアドレス指定アカウントの公開キー、および前記第1の取引のハッシュのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1に記載のコンピュータ化された方法。
実施形態13
ブローカディーラから、買入取引と売却取引をマッチさせる要求を受信するステップであって、
前記買入取引が、前記1つまたは複数のデジタル取引品目の額に対応した総額で前記1つまたは複数のデジタル取引品目を取得するための買入注文を含み、前記売却取引が、前記総額で前記1つまたは複数のデジタル取引品目を売却するための売却注文を含み、
前記買入取引が、前記買入注文を識別する第1のアドレス指定アカウントに対応した関連付けられた第1のサインを有し、前記売却取引が、前記売却注文を識別する第2のアドレス指定アカウントに対応した関連付けられた第2のサインを有し、前記第1のアドレス指定アカウントが、第1の顧客に関連付けられ、前記第2のアドレス指定アカウントが、第2の顧客に関連付けられ、前記総額が、前記第1の顧客に関連付けられた第3のアドレス指定アカウントに関連付けられ、前記1つまたは複数のデジタル取引品目が、前記第2の顧客に関連付けられた第4のアドレス指定アカウントに関連付けられる、ステップと、
コンピュータによって、前記買入取引を前記第3のアドレス指定アカウントへ、前記売却取引を前記第4のアドレス指定アカウントへマッピングするステップと、
暗号化取引所へ、前記買入取引を委託するために前記第1のサインおよび前記第2のサインを含むマッチ要求回答を送信するステップと、
前記買入取引および前記売却取引を確定し、清算するために、前記第1のアドレス指定アカウントへ前記1つまたは複数のデジタル取引品目を転送し、前記第2のアドレス指定アカウントへ前記総額を転送するステップとを含む、コンピュータ化された方法。
実施形態14
分散化された台帳から、前記マッチ要求回答を送信する前に、前記総額が、前記第3のアドレス指定アカウントに関連付けられ、前記1つまたは複数のデジタル取引品目が、前記第4のアドレス指定アカウントに関連付けられている確認を受信するステップをさらに
含む、実施形態13に記載の方法。
実施形態15
前記1つまたは複数のデジタル取引品目が、1つまたは複数のデジタル資産またはデジタル負債を含み、前記総額が、前記1つまたは複数のデジタル取引品目の額に対応した通貨、暗号化通貨、または前記通貨もしくは前記暗号化通貨の表示の総額を含む、実施形態13に記載のコンピュータ化された方法。
実施形態16
リモートのコンピュータデバイスへ、前記買入取引および前記売却取引を確定、清算した結果を公表するステップをさらに含む、実施形態13に記載のコンピュータ化された方法。
実施形態17
前記第1のサインが、前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられたプライベートキーであり、前記第2のサインが、前記第2のアドレス指定アカウントに関連付けられたプライベートキーである、実施形態13に記載のコンピュータ化された方法。
実施形態18
前記第1のアドレス指定アカウントが、前記第1の顧客に関連付けられた顧客ポートフォリオアカウントであり、
前記第2のアドレス指定アカウントが、前記第2の顧客に関連付けられた顧客ポートフォリオアカウントであり、
前記第3のアドレス指定アカウントが、前記第1の顧客に関連付けられた顧客委託アカウントであり、
前記第4のアドレス指定アカウントが、前記第2の顧客に関連付けられた顧客委託アカウントである、実施形態13に記載のコンピュータ化された方法。
実施形態19
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体であって、命令が、そこに格納され、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、前記暗号化統合システムに、
第1のアドレス指定アカウントに関連付けられた1つまたは複数のデジタル取引品目のための商取引を実行する注文を受信するステップであって、前記注文、前記第1のアドレス指定アカウント、および第2のアドレス指定アカウントは、ある1つの識別子に関連付けられた、ステップと、
前記第1のアドレス指定アカウントから前記第2のアドレス指定アカウントへ前記1つまたは複数のデジタル取引品目を転送する第1の取引を発生させるステップと、
前記注文を含む第2の取引を発生させるステップと、
前記第1の取引が、前記第2の取引と同一の署名人によって認可されたことを確認するステップと、
前記第1の取引が、前記第2の取引と同一の署名人によって認可されたことを確認した後に、暗号化取引所での前記注文の申し込みを認可するステップとを実行させる、
少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体とを備える、暗号化統合システム。
実施形態20
前記第1の取引および前記第2の取引が、同一のキーによってサインされたとき、前記第1の取引が、前記第2の取引と同一の署名人によって認可される、実施形態19に記載の暗号化統合システム。
実施形態21
前記キーが、前記第1のアドレス指定アカウントのプライベートキーであり、前記第2の取引が、前記第1の取引のハッシュを含む、実施形態20に記載の暗号化統合システム。
実施形態22
前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、前記暗号化統合システムに、
前記暗号化取引所から、前記注文と第2の注文をマッチさせる要求を受信するするステップであって、前記第2の注文が、第2の識別子に関連付けられている、ステップと、
前記注文を確定し、清算するために、前記1つまたは複数のデジタル取引品目を前記第2の識別子に関連付けられたアドレス指定アカウントへ転送し、1つまたは複数の他のデジタル取引品目を前記第1のアドレス指定アカウント内に転送するステップとをさらに実行させる、実施形態19に記載の暗号化統合システム。
実施形態23
前記暗号化取引所へ前記第1の取引を送信するステップと、
代替の商取引システムへ前記第2の取引を送信するステップとに適合する、暗号化アダプタ構成要素をさらに備える、実施形態19に記載の暗号化統合システム。
実施形態24
1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、装置に、
各々が共通の識別子を有し、かつ各々がある1人の第1の顧客に関連付けられる、第1のアドレス指定アカウントおよび第2のアドレス指定アカウントを作成するステップと、
前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられた1つまたは複数のデジタル取引品目を売買するための注文を受信するステップであって、前記注文が前記共通の識別子に関連付けられている、ステップと、
前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられたプライベートキーを使用して、第1の取引に電子サインし、前記第1のアドレス指定アカウントから前記第2のアドレス指定アカウントへ前記1つまたは複数のデジタル取引品目を転送するステップと、
前記第1のアドレス指定アカウントに関連付けられた前記プライベートキー、第2の取引に電子サインするステップと、
前記第1の取引が、前記第2の取引と同一のプライベートキーを使用してサインされたことを確認するステップと、
暗号化取引所での前記注文の申し込みを、前記第1の取引が、前記第2の取引と同一のプライベートキーを使用してサインされたことの確認に基づいて、認可するステップとを実行させる、命令のセットを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態25
1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、装置に、
ブローカディーラから、買入取引と売却取引をマッチさせる要求を受信するステップであって、
前記買入取引が、前記1つまたは複数のデジタル取引品目の額に対応した総額で前記1つまたは複数のデジタル取引品目を取得するための買入注文を含み、前記売却取引が、前記総額で前記1つまたは複数のデジタル取引品目を売却するための売却注文を含み、
前記買入取引が、前記買入注文を識別する第1のアドレス指定アカウントに対応した関連付けられた第1のサインを有し、前記売却取引が、前記売却注文を識別する第2のアドレス指定アカウントに対応した関連付けられた第2のサインを有し、前記第1のアドレス指定アカウントが、第1の顧客に関連付けられ、前記第2のアドレス指定アカウントが、第2の顧客に関連付けられ、前記総額が、前記第1の顧客に関連付けられた第3のアドレス指定アカウントに関連付けられ、前記1つまたは複数のデジタル取引品目が、前記第2の顧客に関連付けられた第4のアドレス指定アカウントに関連付けられる、ステップと、
前記買入取引を前記第3のアドレス指定アカウントへ、前記売却取引を第4のアドレス指定アカウントへマッピングするステップと、
暗号化取引所へ、前記買入取引を委託するために前記第1のサインおよび前記第2のサインを含むマッチ要求回答を送信するステップと、
前記買入取引および前記売却取引を確定し、清算するために、前記第1のアドレス指定アカウントへ前記1つまたは複数のデジタル品目を転送し、前記第2のアドレス指定アカウントへ前記総額を転送するステップとを実行させる、命令のセットを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0078】
コンピュータシステムの概要
[0092]本開示の実施形態は、上述した多様なステップおよび操作を含む。種々のこれらのステップおよび操作は、ハードウェア構成要素によって実行されてもよく、または機械実行可能な命令で実施されてもよく、これは、命令を含みプログラムされた汎用または専用プロセッサに、ステップを実行させるために使用されてもよい。別法として、ステップは、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアを組み合わせたものによって実行されてもよい。そのような、
図14は、本開示の実施形態が利用され得るコンピュータシステム1400の一例である。本実施例によれば、コンピュータシステム1400は、相互接続1410と、少なくとも1つのプロセッサ1420と、少なくとも1つの通信ポート1430と、主記憶装置1440と、リムーバブル記憶媒体1450と、リードオンリメモリ1460と、および大容量記憶装置1470とを含む。
【0079】
[0093]プロセッサ1420は、任意の周知のプロセッサであってもよい。通信ポート1430は、たとえば、モデムベースのダイアルアップ接続での使用するためのRS−232ポート、10/100イーサネットポート、または銅線もしくは光ファイバを使用したギガビットポートの任意のものであってもよいし、または、それを含んでもよい。通信ポート1430の種類は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、またはコンピュータシステム1400を接続する任意のネットワークなどのネットワークに応じて、選択されてもよい。
【0080】
[0094]主記憶装置1440は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または一般に当技術分野で知られている他の任意の動的記憶デバイスであってもよい。リードオンリメモリ1460は、プロセッサ1420用の命令などの静的な情報を記憶するためのプログラマブルリードオンリメモリ(PROM)チップなどの、任意の静的記憶デバイスであってもよい。
【0081】
[0095]大容量記憶装置1470は、情報および命令を記憶するために使用されてもよい。たとえば、SCSIドライブのAdaptec(登録商標)ファミリー、光ディスク、RAIDドライブのAdaptecファミリーなどの、RAIDなどのディスクのアレイ、または他の任意の大容量記憶装置などのハードディスクが、使用されてもよい。
【0082】
[0096]相互接続1410は、1つまたは複数のバス、ブリッジ、制御装置、アダプタ、および/または二地点間接続であってもよいし、それを含んでもよい。相互接続1410は、他の、メモリ、記憶装置、および通信ブロックと共に、プロセッサ1420に通信可能に結合される。相互接続1410は、使用される記憶装置に応じて、PCI/PCI−XまたはSCSIに基づいたシステムバスであってもよい。
【0083】
[0097]リムーバブル記憶媒体1450は、外部ハードドライブ、フロッピードライブ、コンパクトディスク・リードオンリメモリ(CD−ROM)、書換え可能コンパクトディスク(CD−RW)、デジタルビデオディスク・リードオンリメモリ(DVD−ROM)のうちの任意の種類であり得る。
【0084】
[0098]上で説明した構成要素は、いくつかの可能性の型を例示することを意図したものである。上述の実施例は、単なる例示的な実施形態であるので、それらが、一切本開示を制限してはならない。
【0085】
用語
[0099]本出願を通して使用される、用語、略語、およびフレーズの簡単な定義を以下に示す。
【0086】
[00100]用語の「接続された」または「結合された」、および関連する用語は、動作上
の意味で使用されたものであり、直接、物理的な接続または結合に、必ずしも制限されない。したがって、たとえば、2つの装置は、直接結合されてもよいし、または1つまたは複数の中間媒体または装置を介して結合されてもよい。別の例として、複数の装置が、情報がそれらの間を通り得るよう結合され、一方で、互いの物理的接合を一切共有しない。本明細書で提供される本開示に基づいて、接続または結合が上述の定義に従って存在する種々の方法を当業者は理解されよう。
【0087】
[00101]フレーズの「いくつかの実施形態では」、「いくつかの実施形態によれば」、
「示された実施形態では」、「他の実施形態では」、「実施形態」、および類似のものは、通常、フレーズに続く具体的な特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの本開示の実施形態に含まれ、かつ1つ以上の本開示の実施形態に含まれ得ることを意味する。加えて、そのようなフレーズは、必ずしも同一の実施形態または異なる実施形態を示さない。
【0088】
[00102]明細書が、特徴が含まれる、または、特徴を有する「may(してもよい)」
、「can(し得る)」、「could(することがある)」または「might(するかもしれない)」の構成要素または特徴を示す場合、その具体的な構成要素または特徴は、その特徴を含めるまたは有する必要はない。
【0089】
[00103]用語「responsive(応答する)」は、完全に、または部分的に応答
することを含む。
[00104]用語「module(モジュール)」は、ソフトウェア、ハードウェア、また
はファームウェア(または、任意のそれらの組合せ)の構成要素を広く示す。モジュールは通常、有用なデータ、または他の、具体的な入力を使用した出力を発生させる、機能的な構成要素である。モジュールは、自立型であっても、そうでなくてもよい。アプリケーションプログラム(「アプリケーション」と呼ばれるものも)は、1つまたは複数のモジュールを含んでもよく、モジュールは、1つまたは複数のアプリケーションプログラムを含み得る。
【0090】
[00105]用語「ネットワーク」は、通常、情報交換が可能な相互接続された装置のグル
ープを示す。ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)上の数台のパーソナルコンピュータと同じくらい小さくも、またはインターネット、コンピュータの世界規模のネットワークと同じ位大きくもあり得る。本明細書で使用されるように、「ネットワーク」は、一つの存在から他の存在へ情報を送信する能力を有する任意のネットワークを包含することを意図している。場合によっては、ネットワークは、複数のネットワーク、さらに、1つまたは複数のボーダーネットワーク、音声ネットワーク、広帯域ネットワーク、金融ネットワーク、サービスプロバイダネットワーク、インターネットサービスプロバイダ(ISP)ネットワーク、および/または公衆交換電話ネットワーク(PSTNs)などの、複数の異種ネットワークから構成されてもよく、多様なネットワークの間または中で通信を支援する動作が可能なゲートウェイを介して相互接続される。
【0091】
[00106]さらに、説明のために、本開示の多様な実施形態は、コンピュータプログラム
、物理的構成要素、および現代のコンピュータネットワーク内の論理相互作用の文脈で本明細書において説明した。重要なことに、これらの実施形態が、現代のコンピュータネットワークおよびプログラムに関する、本開示の多様な実施形態を説明する一方で、本明細書で説明した方法および機器は、当業者に理解されるような、他のシステム、装置、およびネットワークに同等に適用可能である。したがって、本開示の実施形態の図示された用途は、制限があることを意味されず、しかしむしろ実施例である。本開示の実施形態を適用可能な他のシステム、装置、およびネットワークは、たとえば、通信およびコンピュー
タの装置およびシステムの他のタイプを含む。より具体的には、実施形態は、携帯電話の、ネットワーク、および互換性のある装置などの通信の、システム、サービス、および装置に適用可能である。加えて、実施形態は、パーソナルコンピュータから大規模ネットワークのメインフレームおよびサーバまで全てのコンピュータ化のレベルに適用可能である。
【0092】
[00107]結論として、本開示は、デジタル取引品目を商取引するための新規なシステム
、方法、および構成を提供する。本開示の1つまたは複数の実施形態の詳細な説明を上で示したが、本開示の技術思想から変化することない多様な代替物、変形例、および等価物が、当業者には明らかであろう。たとえば、上述の本実施形態が、具体的な特徴を示しても、本開示の範囲はさらに、説明した特徴の全ては含まれない特徴および実施形態の異なる組合せを有する実施形態を含む。したがって、本開示の範囲は、請求項の範囲に含まれる全てのそのような代替物、変形例、および変形形態を、全てのその等価物と共に包含することを意図する。そのため、上の説明は、制限するものとして理解すべきでない。
前記第1の取引および前記第2の取引が同一のキーでサインされている場合、前記第1の取引は、前記第2の取引と同一の署名人によって認可されている、請求項1から2のいずれか1項に記載のシステム。
前記第1の取引および前記第2の取引が同一のキーでサインされている場合、前記第1の取引は、前記第2の取引と同一の署名人によって認可されている、請求項8から9のいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
前記第1の取引および前記第2の取引が同一のキーでサインされている場合、前記第1の取引は、前記第2の取引と同一の署名人によって認可されている、請求項12から13のいずれか1項に記載の方法。
前記少なくとも1つの取引品目、前記少なくとも第1の取引品目、および前記少なくとも第2の取引品目は、デジタル資産、デジタル負債、通貨の量、暗号化通貨の量、または前記通貨もしくは前記暗号化通貨の表示のうち少なくとも1つを含む、請求項1から15のいずれか1項に記載のシステム、コンピュータ可読記憶媒体、または方法。