(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-145670(P2021-145670A)
(43)【公開日】2021年9月27日
(54)【発明の名称】鮭、鱒の魚卵を使用した調味液と調味料を使用した加工調理品
(51)【国際特許分類】
A23L 17/00 20160101AFI20210830BHJP
A23L 27/10 20160101ALI20210830BHJP
A23L 27/00 20160101ALI20210830BHJP
A23L 17/10 20160101ALI20210830BHJP
A23L 17/30 20160101ALI20210830BHJP
【FI】
A23L17/00 Z
A23L27/10 B
A23L27/00 D
A23L17/10
A23L17/00 C
A23L17/30 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】書面
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2020-192816(P2020-192816)
(22)【出願日】2020年11月4日
(31)【優先権主張番号】特願2020-68634(P2020-68634)
(32)【優先日】2020年3月13日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592065531
【氏名又は名称】新居 高行
(72)【発明者】
【氏名】新居 高行
【テーマコード(参考)】
4B042
4B047
【Fターム(参考)】
4B042AC10
4B042AD08
4B042AD39
4B042AE03
4B042AE04
4B042AE08
4B042AG16
4B042AH01
4B042AH02
4B042AH03
4B042AH06
4B042AH09
4B042AK01
4B042AK02
4B042AK11
4B042AK17
4B047LB02
4B047LE02
4B047LF10
4B047LG03
4B047LG05
4B047LG15
4B047LG43
4B047LG54
4B047LG60
4B047LP02
4B047LP20
(57)【要約】
【課題】鮭、鱒は収穫地や加工会社も水抜きの為に塩を使用して、塩味で調味されており焼鮭、フレーク、缶詰、とば、塩辛等塩味で製造されることが多く産地とメーカーの特性が生かせない。イクラ、筋子は調味料として加工方法をしない。
【解決手段】イクラ、筋子等の魚卵(大きさの違う物、形の悪い物、潰れた物等のB級、C級品でもよい)を潰してペースト状にし、濾過し不要物を除去した魚卵ペーストを作る。塩分5%〜20%の塩水(もしくは醤油)にグルタミン酸等の旨味調味料、辛味成分、保存材、染料等を加えて調味液を作り、魚卵ペーストに対して調味液を0倍から5倍位加えてイクラ調味液、イクラ調味料を得る。このイクラの調味液、調味料を鮭、鱒等に加えて新たな鮭、鱒の加工品を作る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鮭、鱒の魚卵をすり潰して魚卵ペーストを作り、塩分5%から20%の塩水に赤色、黄色等の染料とその他のグルタミン等の調味材、保存材等を適料加えた調味液を、潰した魚卵ペーストに1に対して0.5倍から5倍を加えてイクラ調味液とする。
【請求項2】
鮭、鱒の魚卵をすり潰して魚卵ペーストを作り、塩分5%から20%の塩水に赤色、黄色等の染料とその他のグルタミン等の調味材、保存材等と胡椒、唐辛子等を適料加えた調味液を潰した魚卵ペースト1に対して0.5倍から5倍を加えてイクラ辛味調味液とする。
【請求項3】
鮭、鱒の魚卵を潰して魚卵ペーストを作り、[請求項1]のイクラ調味液若しくは[請求項2]のイクラ辛味調味液の水分を魚卵ペーストの0.5倍以下、若しくは水分を加えないで色の補填と増粘剤、調味料等を加えた魚卵を使用したイクラ調味料、イクラ辛味調味料とする
【請求項4】
鮭、鱒の切り身を焼く等の加熱により調理と水分除去して[請求項1]のイクラ調味液若しくは[請求項2]のイクラ辛味調味液に1時間以上漬けて調味液が浸透後、(軽い加熱により風味を加える事もある)封入して60℃以上の加熱殺菌した鮭、鱒の加工調理品である。
【請求項5】
鮭、鱒の腹の部分であるトバを分割、洗浄後、加熱若しくは自然乾燥等により水分除去して[請求項1]のイクラ調味液若しくは[請求項2]のイクラ辛味調味液に1時間以上漬けて調味液が浸み込んだら封入して60℃以上の加熱殺菌か、若しくは、自然乾燥した鮭、鱒のトバ部分の加工調理品である。
【請求項6】
鮭、鱒を加熱し、ほぐして骨と内臓等の不要部分を除去して[請求項3]のイクラ調味料若しくはイクラ辛味調味料をフレークに加えて、撹拌して保存容器に入れて60℃以上の加熱殺菌した鮭、鱒のフレーク食品である。
【請求項7】
鮭、鱒の頭部分、内臓部分、骨、その他の部分を使用して[請求項1]のイクラ調味液若しくは[請求項2]のイクラ辛味調味液、[請求項3]のイクラ調味料若しくは[請求項4]のイクラ辛味調味料を0.1倍から5倍、若しくは0倍か他の調味品等を加え、加熱、乾燥した鮭、鱒の加工食品である
【請求項8】
[請求項1]から[請求項7]までの塩水の代わりに醤油もしくは他の調味品を使用する事もある
【請求項9】
[請求項1]から[請求項8]のいずれかに記載の製造方法を用いて製造した事を特徴とする魚卵を使用した調味液、調味料と製造加工方法である
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
従来鮭、鱒は体内水分が多い魚であり昔から捕獲後は、体内の水分除去と保存の為に塩により体内の水分を除去していた事が多い。その為市販の鮭、鱒は強い塩味で販売される事が多い。どこで捕獲されても産地と加工場の特性が生かせる事が少なく市販では焼鮭用、フレーク、缶詰,トバ、塩辛等殆ど塩味で販売されている。洋食用や塩分制限用の鮭は別としどこの産地でも加工業者も味は殆ど変わらない。イクラ等は潰さず塩か醤油を使用した製品ばかり、で高級食品地して販売されている。大きさが不揃い、潰れたB級、C級のイクラや筋子は商品レベルが低い。
鮭、鱒等の体内の水分除去のため塩を使わずに調理、加熱等で約1割の水分を除去してから味付けの方法を変えることにした。加える味は鮭の魚卵であるイクラである。イクラ等は大きさの不揃いの物、形の不揃いの物,潰れて居る物等B級、C級の商品価値の低い物は価格が安く販売不可の物もある。このイクラを基本とした新たな調味液を作り、加工する鮭、鱒とその他の原料に調理方法を変えてみることにした。
生もしくは塩,醤油のイクラか鱒の筋子を潰してペースト状にする。塩分5%〜20%位(塩蔵の場合は塩分少なめに)に調整した塩水に赤色、黄色の(色の好みを見ながら)染料と味の補填としてグルタミンソーダー等の旨味成分と保存成分を加えた調味液を作る。また辛みを好む場合には唐辛子、胡椒等の辛み成分を加えた辛味のある調味液を作る。鮭、鱒の切り身を加熱、調理、若しくは自然乾燥等により約1割の水分を除去する。水分を除去した切身を調味液に1時間以上漬け込んで、調味液が内部に浸み込んだら保存容器に入れて加熱殺菌して保存容器に入れて加熱殺菌する。若しくは漬け込み後に再加熱して殺菌を兼ねて風味の増加を加える。その後冷蔵、冷凍保存する。又上記調味液を魚卵ペースト1に対して0.5倍以下か0倍にしたイクラの濃厚な調味料、高級食品とする。
鮭、鱒等への基本の味は塩味であるが、イクラ、筋子等を加える事により大きな変化が得られた。市販の鮭、鱒に収穫地と加工場によるアイデアと調理方法が加わり、調理の楽しさと新しいレシピ―の追加が可能になる。調味液により漬け込み、味の追加を可能にした。加える塩水の分量により焼魚への調味液、刺身、寿司等への新しい調味料を可能にした。調味液の増減により濃厚なイクラ味をそのまま食する事が可能なペースト状の高級食品が得られ、焼いた鮭、鱒や刺身や寿司の新しい調味料として加えることも可能である。そのまま食する高級珍味食品も可能である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0001】
イクラ、筋子等の魚卵(大きさの違う物、形の悪い物、潰れた物等のB級、C級品でもよい)を潰してペースト状にして濾過し不要物を除去した魚卵ペーストを作る。5%〜20%の塩水に旨味成分、保存材等と色の調整の着色材を加えた調味塩水を魚卵ペースト1に対し約0.5倍〜5倍加えてイクラ調味液をつくる。
【0002】
イクラ、筋子等の魚卵(大きさの違う物、形の悪い物、潰れた物等のB級、C級品でもよい)を潰してペースト状にして濾過し不要物を除去した魚卵汁を作る。5%〜20%の塩水に旨味成分、保存材等と色の調整の着色材を加えた調味塩水を魚卵ペースト1に対し約0.5倍〜5倍加えてイクラ調味液をつくり、辛味を加える為、唐辛子、胡椒、山椒等の辛みを有する成分を加えたイクラ辛味調味液を作る。
【0003】
イクラ、筋子等の魚卵(大きさの違う物、形の悪い物、潰れた物等のB級、C級品でもよい)を潰してペースト状にして濾過し不要物を除去した魚卵ペーストを作る。5%〜20%の塩水に旨味成分、保存材等と色の調整の着色材を加えた調味塩水を約0.1倍〜2倍加えて濃厚なイクラ調味料をつくる。焼いた鮭の切り身や刺身、寿司、サーモン等に調味料として使用する。
【0004】
イクラ、筋子等の魚卵(大きさの違う物、形の悪い物、潰れた物等のB級、C級品でもよい)を潰してペースト状にして濾過し不要物を除去した魚卵ペーストを作る。水に5%〜20%の塩水に旨味成分、保存材等と色の調整の着色材を加えた調味塩水を約0.1倍〜2倍加え、唐辛子、胡椒、山椒等の辛みを有する成分を加えた濃厚なイクラ辛味調味料を作る。焼いた鮭の切り身や刺身、寿司、サーモン等に調味料として使用する。
【0005】
鮭、鱒を30g〜100g位にカットして素焼きにし、イクラ調味液、イクラ辛味調味液に1時間以上浸して、調味液が鮭に浸透したら再加熱して風味の増加をし、保存袋に入れて60℃以上の加熱殺菌をして冷凍もしくは冷蔵保存する。食する時は自然解凍、電磁調理、湯煎して開封後食する新たな鮭とイクラの風味を味合う事が可能である
【0006】
鮭、鱒のトバ部分をイクラ調味液、イクラ辛味調味液に1時間以上浸して調味液が浸透したら温風乾燥、もしくは天日、風等の自然乾燥し、保存袋に入れて60℃以上で加熱殺菌して冷蔵、冷凍保存する。食する時は自然解凍、湯煎して開封後食するか開封後再度軽く焼くと鮭とイクラが焼けた香りと更に新たな味と風味を感じる事が可能である
【0007】
鮭、鱒を加熱して身をほぐし、皮、骨内臓等の不要部分を除去してフレーク状態にする。このフレークに5%〜20%の塩水に旨味成分、保存材等と色の調整の着色材を加えた調味塩水を約0.1倍〜2倍加えて濃厚なイクラ調味料若しくはイクラ辛味調味料を加えるか若しくは水分0%にして撹拌し保存容器に入れて60℃以上の加熱により殺菌処理し冷凍、冷蔵保存する。開封時新しい鮭とイクラの香りと味が感じられ、おにぎりにしても海苔の香りとよく合い食欲を誘う。
【0008】
鮭、鱒の頭部分、内臓部分、骨部分、皮部分等全てを使用して焼く、蒸す、自然乾燥等の調理をしてイクラ、筋子等の魚卵(大きさの違う物、形の悪い物、潰れた物等のB級、C級品でもよい)を潰してペースト状にして濾過し不要物を除去して旨味成分、保存材等と色の調整の着色材等を加えた、イクラ調味食品を作る。
【0009】
イクラ、筋子等の魚卵(大きさの違う物、形の悪い物、潰れた物等のB級、C級品でもよい)を潰してペースト状にして濾過し不要物を除去した魚卵ペーストを作る。旨味成分、保存材等と色の調整の着色材等を加えた、イクラ調味料食品と唐辛子、胡椒、山椒等の辛みを有する成分を加えた濃厚なイクラ辛味調味料食品を作る。焼いた鮭の切り身や刺身、寿司、サーモン等に調味料として使用する。
上記[実施例]の[0001]から[0009]の塩水の代わりとして醤油を使うこともある