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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-145738(P2021-145738A)
(43)【公開日】2021年9月27日
(54)【発明の名称】インテリジェント飲料ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/00 20060101AFI20210830BHJP
   B67D 1/08 20060101ALI20210830BHJP
   A47J 31/40 20060101ALI20210830BHJP
【FI】
   A47J31/00 302
   B67D1/08 Z
   A47J31/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-45926(P2020-45926)
(22)【出願日】2020年3月17日
(71)【出願人】
【識別番号】519244588
【氏名又は名称】リップラップ カンパニー ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】RIPRUP Company S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】ドクター ビッセン モニーク
(72)【発明者】
【氏名】シュッカー ヨーゼフ
【テーマコード(参考)】
3E082
4B104
【Fターム(参考)】
3E082BB02
3E082EE01
3E082EE02
4B104AA23
4B104BA59
4B104DA33
4B104DA54
4B104EA33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザが水ディスペンサにより生成される飲料の物理的パラメータを適合させることを可能にする方法および飲料ディスペンサを提供すること。
【解決手段】飲料ディスペンサ100は、ポンプ106、調節装置110、炭酸化装置112およびマイクロ計量ポンプ122と接続される制御部128をさらに備える。制御部128はポンプ106を制御することにより飲料調製部材110、112、116における圧力を制御できる。また、制御部128は調節装置110を制御することにより飲料ディスペンサ100により出力される飲料の温度を制御できる。また、制御部128は、炭酸化装置112を制御することにより飲料のCO2濃度(炭酸度)を制御し、特にマイクロ計量ポンプ122を制御することにより飲料のミネラル濃度(ミネラル化)を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料ディスペンサの動作を制御する方法において、
‐水レシピを複数の水レシピから選択するステップであって、各水レシピは水に溶解されるべきミネラルの設定濃度を定義するのであって、水は前記水レシピに基づいてミネラル化装置によりミネラル/イオンを添加することによりミネラル化されるステップと;
‐前記水レシピに従って前記ミネラル化装置によりミネラル化されるべき水のユーザにより調整可能な性質を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するステップであって、前記ユーザにより調整可能な性質は、ミネラル化されるべき水の少なくとも1つの設定温度と、ミネラル化されるべき水の設定炭酸度とを有するステップと;
‐前記ユーザにより調整可能な性質に従って少なくとも1つの水調製部材により水を調製するステップと;
‐ミネラル化された水をユーザ容器に出力するステップと;を備え、
以下のステップ:
‐ミネラル化されるべき水の前記設定温度を所定温度範囲に、前記設定温度を前記所定温度範囲内に適合することがユーザに可能になっている場合、適合させる温度ユーザインタフェース要素をディスプレイ上で動作させるステップと;
‐ミネラル化されるべき水の前記設定炭酸度を所定CO濃度範囲に、前記設定炭酸度を前記所定CO濃度範囲内に適合することがユーザに可能になっている場合、適合させる炭酸度ユーザインタフェース要素を前記ディスプレイ上で動作させるステップと、のうち少なくとも1つをさらに備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記水調製部材は調節装置を有するものであって、
‐水を前記ユーザ容器に出力する前に、水の実温度が前記設定温度についての所定範囲内にあるように前記調節装置により水を調節するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記水調製部材は炭酸化装置を有するものであって、前記方法は、
‐水を前記ユーザ容器に出力する前に、水の実炭酸度が前記設定炭酸度についての所定範囲内にあるように前記炭酸化装置により水を炭酸化するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
水レシピのミネラル化は前記水レシピの目的により決定されるのであって、前記複数の水レシピは少なくとも1つの以下の目的:
‐人のためのリフレッシュメント;
‐人のためのミネラル補充;
‐食事との提供;
‐朝食;
‐調理;
‐茶を淹れる
‐コーヒーを淹れる
‐妊娠時;
‐哺乳;
‐授乳;
‐白ワインとの提供;
‐赤ワインとの提供;
‐蒸留酒との提供;
‐蒸留酒を割る;のための水レシピを含む、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記水レシピに基づいてミネラル化される水の性質を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するステップは、以下のステップ:
‐前記水レシピによりミネラル化されるべき水の前記ミネラル濃度により、前記設定温度を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するステップと;
‐前記ミネラル化装置により添加されるべきミネラルの少なくとも1つの量および種類に応じてユーザが前記設定温度を適合可能な前記所定温度範囲を決定するステップと、を備える、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
‐前記設定温度を前記所定温度範囲内に、前記水レシピによりミネラル化されるべき水の前記設定ミネラル濃度により前記設定温度を調整することがユーザに可能になっている場合、修正させる前記温度ユーザインタフェース要素を動作させるステップをさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記水レシピに基づいてミネラル化される水の性質を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するステップは、以下のステップ:
‐前記水レシピによりミネラル化されるべき水の前記設定ミネラル濃度により、前記設定炭酸度を調整することが可能になっているか否かを検証するステップと;
‐前記ミネラル化装置により添加されるべきミネラルの少なくとも1つの量および種類に応じてユーザが前記設定炭酸度を適合可能な前記所定CO濃度範囲を決定するステップと、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
‐前記設定炭酸度を前記所定CO濃度範囲に、前記水レシピによりミネラル化されるべき水の前記設定ミネラル濃度により前記設定炭酸度を調整することが可能になっている場合、修正させる前記炭酸度ユーザインタフェース要素を動作させるステップをさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記水レシピに基づいてミネラル化されるべき水の性質を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するステップは、以下のステップ:
‐ユーザにより選択される前記設定炭酸度により、ミネラル化されるべき水の温度を調整することが可能になっているか否かを検証するステップと;
‐前記設定炭酸度に応じてユーザが前記設定温度を適合可能な前記所定温度範囲を決定するステップと、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記水レシピに基づいてミネラル化されるべき水の性質を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するステップは、以下のステップ:
‐ユーザにより選択される前記設定温度により、ミネラル化されるべき水の炭酸度を調整することが可能になっているか否かを検証するステップと;
‐前記設定温度に応じてユーザが前記設定炭酸度を適合可能な前記所定CO濃度範囲を決定するステップと、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの以下のステップ:
‐前記設定炭酸度を、水の前記設定温度により前記設定炭酸度を調整することが可能になっている場合、修正させるユーザインタフェース要素を動作させるステップと;
‐前記設定温度を、水の前記設定炭酸度により前記設定温度を調整することが可能になっている場合、修正させるユーザインタフェース要素を動作させるステップと、をさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記水レシピに基づいてミネラル化される水の性質を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するステップは、少なくとも1つの以下のステップ:
‐前記設定温度が所定温度よりも高い場合、前記ミネラル化装置により添加されるミネラルが沈殿する可能性があるか否かを決定するステップと;
‐前記設定温度が所定温度よりも高い場合、前記炭酸化装置により添加されるCOが水から流出する可能性があるか否かを決定するステップと;
‐前記設定温度が所定温度よりも高い場合、前記ミネラル化装置により添加されるミネラルが前記飲料ディスペンサの少なくとも1つの構成要素を損傷させる可能性があるか否かを決定するステップと;
‐前記水レシピにより定義される前記設定ミネラル濃度に好適でありかつ飲用目的に好適な前記設定温度範囲を決定するステップと;
‐COが前記水レシピにより定義される前記設定ミネラル濃度に基づいてかつ飲用目的に基づいて添加されてよいことを決定するステップと;
‐前記水レシピにより定義される前記設定ミネラル濃度に好適でありかつ飲用目的に好適な設定炭酸度範囲を決定するステップと、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
‐水源と結合されるインレットと;
‐前記水源から汲み取られる水を濾過するフィルタと;
‐濾過水をミネラル化するミネラル化装置と;
‐濾過水を調節する調節装置と;
‐濾過水を炭酸化する炭酸化装置と;
‐水をユーザ容器に出力するアウトレットと;
‐ディスプレイと;
‐請求項1に記載の方法により動作される、前記ミネラル化装置、前記調節装置、前記炭酸化装置および前記ディスプレイのうちの少なくとも1つを制御するように構成される制御部と、を備える飲料ディスペンサ。
【請求項14】
‐前記炭酸化装置はフロー型炭酸化装置である;
‐前記調節装置はフロー型調節装置である;
‐前記ミネラル化装置はフロー型ミネラル化装置である、ことのうちの少なくとも1つを特徴とする、請求項13に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項15】
前記ミネラル化装置、前記調節装置、前記炭酸化装置およびアウトレットを通る流量は飲料調製時において等しい、請求項14に記載の飲料ディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが飲料を選択して飲料の特定のパラメータを適合させることを可能にするインテリジェント飲料ディスペンサに関する。
【0002】
先行技術の水ディスペンサは水を濾過し、水を調節し、水を炭酸化することができる。水ディスペンサの中には水を濾過しミネラル化できるものがある。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、フィルタと、フィルタとアウトレットとの間の少なくとも1つの容器とを備えるミネラル水生成装置を開示している。装置は少なくとも1つの容器からのミネラルの供給を制御する制御部をさらに備える。ユーザによる水消費量が1日当たりの水消費量の1日当たりの限度値を超える場合、ミネラルの供給が停止されるか、または別の特定の調合水が分注される。
【0004】
特許文献2は、供給源から水を得るための水インレットと、供給源の水から不純物を除去するための水浄化装置と、所望のミネラルを浄水に添加するためのミネラル添加装置とを備える水浄化分注装置を開示する。
【0005】
特許文献3は、供給源から水を得るための水インレットと、供給源の水から不純物を除去するための水浄化装置と、所望のミネラルを浄水に添加するためのミネラル添加装置とを備える水浄化分注装置を開示する。
【0006】
先行技術は、ユーザが飲料の温度と炭酸度を個別に適合させることを可能にするものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国実用新案第20/2010006679U1号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第1994/06547A1号公報
【特許文献3】米国特許第5443739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、生成される飲料のミネラル化についての深い知識を必要とすることなく、ユーザが水ディスペンサにより生成される飲料の物理的パラメータを適合させることを可能にする方法および飲料ディスペンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題は、請求項1に記載の方法および請求項13に記載の飲料ディスペンサにより達成される。
【0010】
本発明は、飲料ディスペンサの動作を制御する方法において、水レシピを複数の水レシピから選択するステップであって、各水レシピは水に溶解されるべきミネラルの設定濃度を定義するのであって、水は水レシピに基づいてミネラル化装置によりミネラル/イオンを添加することによりミネラル化されるステップを備える。本方法は、水レシピに従ってミネラル化装置によりミネラル化されるべき水のユーザにより調整可能な性質を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するのであって、ユーザにより調整可能な性質は、ミネラル化されるべき水の少なくとも1つの設定温度と、ミネラル化されるべき水の設定炭酸度とを有する。本方法は、ユーザにより調整可能な性質に従って少なくとも1つの水調製部材により水を調製する。本方法は、ユーザにより調整可能な性質に従ってミネラル化された水をユーザ容器に出力する。
【0011】
本方法は、ミネラル化されるべき水の設定温度を所定温度範囲に、設定温度を所定温度範囲内に適合することがユーザに可能になっている場合、適合させる温度ユーザインタフェース要素をディスプレイ上で動作させるステップをさらに備える。その代わりに、またはそれに加えて、本方法は、ミネラル化されるべき水の設定炭酸度を所定CO濃度範囲に、設定炭酸度を所定CO濃度範囲内に適合することがユーザに可能になっている場合、適合させる炭酸度ユーザインタフェース要素をディスプレイ上で動作させるステップを備える。設定ミネラル濃度は1つまたは複数のイオン、ミネラルおよび/または微量元素の濃度を含んでよい。水レシピは自動で選択されてよく、またはユーザにより選択されてよい。
【0012】
水は、少なくとも1つの水調製部材またはミネラル化装置により調製される前に濾過または脱イオン化などされてよい。
【0013】
水調製部材は調節装置を有する。本方法は、水をユーザ容器に出力する前に、水の実温度が設定温度についての所定範囲内にあるように調節装置により水を調節するステップを備える。
【0014】
水調製部材は炭酸化装置を有する。本方法は、水をユーザ容器に出力する前に、水の実炭酸度が設定炭酸度についての所定範囲内にあるように炭酸化装置により水を炭酸化するステップをさらに備える。水は二酸化炭素(CO)を添加することにより炭酸化されてよい。
【0015】
1つの実施形態において、水レシピのミネラル化は水レシピの目的、言い換えると、水消費の目的により決定される。水レシピの目的および/または水消費の目的は、人のためのリフレッシュメント、人のためのミネラル補充、食事との提供、朝食、調理、茶を淹れる、コーヒーを淹れる、妊娠時、哺乳、授乳、白ワインとの提供、赤ワインとの提供、蒸留酒との提供、蒸留酒を割る、などを含んでよい。
【0016】
飲用目的に基づいて、水レシピは独自のミネラル濃度を有してよい。ミネラル濃度は水の最高設定温度を決定してよい。水の最高設定温度は、ユーザが温度を適合させてよい温度範囲を決定する。温度が高すぎる場合、ミネラルは水ディスペンサ内で流出(沈殿)する場合があり、ユーザは所望の飲料を受け取らない場合がある。また、水ディスペンサの部材が損傷する場合がある。設定温度が低すぎる場合、水の冷却に時間がかかり過ぎる場合がある。
【0017】
その他方で、朝食の水、赤ワインとの提供用の水、調理用の水、コーヒーを淹れるための水および/または茶を淹れるための水は炭酸化されてはならない。この場合、炭酸度を適合させるユーザインタフェース要素は動作されないか、または表示されない。
【0018】
高設定温度が選択された場合、高CO濃度を達成することができないのは、高温では水には低減されたCO量しか溶解できないからである。他方、高CO濃度が選択された場合、より低い設定温度範囲のみが可能である。
【0019】
言い換えると、本方法は所定CO濃度範囲を、水レシピおよび/または設定炭酸度により規定されるミネラル化の関数として決定できる。本方法は所定温度範囲を、水レシピおよび/または設定炭酸度により規定されるミネラル化に基づいて決定できる。これらのステップにより、ユーザには再現性を有する飲料が供給され、言い換えると、ユーザにユーザが期待する風味を有する個別化された飲料が供給されることが確実になる。また、ミネラルの水ディスペンサ内での流出(沈殿)とともに水ディスペンサの損傷を防ぐことができる。
【0020】
水レシピに基づいてミネラル化される水の性質を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するステップは、水レシピによりミネラル化されるべき水の設定ミネラル濃度により、設定温度を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するステップおよび/またはミネラル化装置により添加されるべきミネラルの少なくとも1つの量および種類に応じてユーザが設定温度を適合可能な所定温度範囲を決定するステップと、を備えてよい。検証ステップは、流出(沈殿)がミネラル化により導入されるミネラルにより生じないことを確実にすることができる。これにより、水ディスペンサの損傷を回避することができる。また、ユーザには再現可能なミネラル濃度を有する飲料が供給される。所定温度範囲を決定するステップは、ミネラル化により導入されるミネラルの流出が生じないことを考慮してよい。またこれにより、飲料ディスペンサの損傷を回避することができ、ユーザには再現可能にミネラル化された飲料および/またはミネラル化された飲料が供給される。
【0021】
本方法は、設定温度を所定温度範囲内に、水レシピによりミネラル化されるべき水の設定ミネラル濃度により設定温度を調整することがユーザに可能になっている場合、修正させる温度ユーザインタフェース要素を動作させるステップも備える。これで、ユーザは設定温度を自身の好みに従って所定設定温度範囲内に調整することが可能となる。これにより、水ディスペンサの損傷を回避することができ、ユーザには再現可能にミネラル濃度、したがって再現可能な風味を有する飲料が供給されることが確実になる。
【0022】
水レシピに基づいてミネラル化される水の性質を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するステップは、水レシピによりミネラル化されるべき水の設定ミネラル濃度により、設定炭酸度を調整することが可能になっているか否かを検証するステップおよび/またはミネラル化に応じてユーザが設定炭酸度を適合可能な所定CO濃度範囲を決定するステップと、を備えてよい。設定ミネラル濃度が朝食用の水、赤ワインとの提供、茶を淹れる、コーヒーを淹れるおよび/または調理用を飲用目的として選択された場合、COは水に添加されてはならない。そのような場合、炭酸度ユーザインタフェースは動作されないか、または表示されない。
【0023】
本方法は、設定炭酸度を所定CO濃度範囲に、水レシピによりミネラル化されるべき水の設定ミネラル濃度により設定炭酸度を調整することが可能になっている場合、修正させる炭酸度ユーザインタフェース要素を動作させるステップも備える。水レシピに基づいてミネラル化されるべき水の性質を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するステップは、ユーザにより選択される設定炭酸度により、ミネラル化されるべき水の温度を調整することが可能になっているか否かを検証するステップと、設定炭酸度に応じてユーザが設定温度を適合可能な所定温度範囲を決定するステップとを備えてよい。より高い温度を有する水はより低い炭酸度でのみCOを溶解させることができる。水の実温度が閾値を超えて上昇させられる場合、COは水から流出してしまう場合があり、これはユーザおよび飲料ディスペンサの寿命にとって望ましくない。
【0024】
水レシピに基づいてミネラル化されるべき水の性質を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するステップは、ユーザにより選択される設定温度により、ミネラル化されるべき水の炭酸度を調整することが可能になっているか否かを検証するステップと、設定温度に応じてユーザが設定炭酸度を適合可能な所定CO濃度範囲を決定するステップとを備えてよい。水の温度が高いほど、水に溶解できるCO濃度が低くなる。これらのステップは、ユーザに再現可能な飲料が供給されることを確実にし、飲料ディスペンサの損傷を回避することを確実にする。
【0025】
水レシピに基づいてミネラル化される水の性質を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するステップは、設定温度が所定温度よりも高い場合、ミネラル化装置のイオンがそれぞれ沈殿または流出する可能性があるか否かを決定するステップを備えてよい。水から沈殿するイオンは水ディスペンサとその部材を損傷する場合があり、ユーザに不適なミネラル化を有する飲料が供給されることの原因となる場合がある。その代わりに、またはそれに加えて、水レシピに基づいてミネラル化される水の性質を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するステップは、設定温度が所定温度よりも高い場合、炭酸化装置により添加されるCOが水から流出する可能性があるか否かを決定するステップを備えてよい。COを流出させると水ディスペンサとその部材を損傷させる場合があり、ユーザに低すぎるCO濃度を有する飲料が供給されることの原因となる場合がある。水レシピに基づいてミネラル化される水の性質を調整することがユーザに可能になっているか否かを検証するステップは、設定温度が所定温度よりも高い場合、ミネラル化装置により添加されるイオンが飲料ディスペンサの少なくとも1つの構成要素を損傷させる可能性があるか否かを決定するステップを備えてよい。設定温度が所定温度よりも高い場合、飲料に溶解するイオンは飲料ディスペンサの部材、例えば封止材、導管または飲料調製部材などと反応する場合がある。これにより、水ディスペンサまたはその部材の損傷が発生する場合がある。
【0026】
「所定温度範囲」および「所定CO濃度範囲」の用語は、本方法は所定温度範囲および/または所定CO濃度範囲を個別に算出することと解釈される必要はない。
【0027】
1つの実施形態において、本方法は、デフォルト温度範囲を所定温度範囲として、かつ/またはデフォルトCO濃度範囲を所定CO濃度範囲として表示してよい。デフォルト温度範囲は最高温度範囲であってよく、かつ/またはデフォルトCO濃度範囲は最大CO濃度範囲であってよい。この実施形態において、本方法は、使用により設定温度がCOを添加できない値まで上昇する場合、設定炭酸度量を所定値(例えばCO無添加など)にリセットしてよい。また、本方法は、使用により設定炭酸度量が設定温度でCOを添加できない値まで上昇する場合、設定温度を所定値(例えば低い温度など)にリセットしてよい。
【0028】
また、本発明は、水源と結合されるインレットと、水源から汲み取られる水を濾過するフィルタと、濾過水をミネラル化するミネラル化装置と、濾過水を調節する調節装置と、濾過水を炭酸化する炭酸化装置と、水をユーザ容器に出力するアウトレットと、ディスプレイと、を備える飲料ディスペンサを開示する。インレット、フィルタ、ミネラル化装置およびアウトレットは直列フロー関係で配置されてよい。調節装置および炭酸化装置は、フィルタとミネラル化装置との間に配置されてよい。フィルタは脱イオン装置、例えば逆浸透フィルタであってよい。
【0029】
本発明に係る飲料装置は、上記方法による、ミネラル化装置、調節装置、炭酸化装置およびディスプレイのうちの少なくとも1つを制御するように構成される制御部を備えてよい。これにより、飲料ディスペンサとその部材の損傷を回避することができ、ユーザには再現可能なミネラル化、したがって風味を有する飲料が供給される。
【0030】
炭酸化装置はフロー型炭酸化装置であってよく、かつ/または調節装置はフロー型調節装置であってよく、かつ/またはミネラル化装置はフロー型ミネラル化装置であってよい。炭酸化装置、調節装置、およびミネラル化装置がフロー型装置であるため、これらの装置間での水または飲料の滞留が発生する場合はない。これにより飲料ディスペンサは、選択されるミネラル化、選択される温度および/または選択される炭酸度を有する、ユーザにより選択される水または飲料を調製することが可能となる。
【0031】
ミネラル化装置、調節装置、炭酸化装置およびアウトレットを通る流量は飲料調製時において等しい。このようにして、フィルタの下流で滞留が発生しない。このことは、ユーザが飲料を個別に選択でき、飲料、例えば水のパラメータを個別に適合させることができるという有利な点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
以下、本発明の非限定的かつ例示的な実施形態を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
図1図1は、本発明に係る飲料ディスペンサの概略概要図を示す。
図2図2は、朝食用の水を選択するためのユーザインタフェースを示す。
図3a図3aは、リフレッシュメント用の水を選択するためのユーザインタフェースを示す。
図3b図3bは、リフレッシュメント用の水を選択するためのユーザインタフェースを示す。
図3c図3cは、リフレッシュメント用の水を選択するためのユーザインタフェースを示す。
図4図4は、白ワインとの提供用の水を選択するためのユーザインタフェースを示す。
図5図5は、赤ワインとの提供用の水を選択するためのユーザインタフェースを示す。
図6図6は、コーヒーを淹れるのに好適な水を示す。
図7図7は、第1の例示的な水レシピを示す。
図8図8は、第2の例示的な水レシピを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係る飲料ディスペンサ100およびその基底にある方法ならびに本発明に係るその動作について、図1を参照してさらに詳細に説明する。水ディスペンサ100は、水道水またはタンクであってよい水源102と接続される。プレフィルタ、例えば活性炭フィルタ104は水源と接続される。ポンプ106はプレフィルタ104と逆浸透フィルタ108との間に接続される。ポンプ106は、水を高圧、例えば8〜20barで逆浸透フィルタ108に汲み入れ、濃縮液は捨てられるかまたは排水され、透過液は以下でさらに詳細に説明される飲料調製部材110、112、116を通される。
【0034】
飲料調製部材110、112、116は、飲料を所望の温度(設定温度)に調節する調節装置110を備える。調節装置110はフロー型調節装置であってよい。調節装置110に入るインレットにおける飲料は、調節装置110により出力されるアウトレットにおける飲料と同じ流量を有する。
【0035】
飲料調製部材110、112、116は、COが充填されている炭酸化ボトル114に貯蔵されているCOを添加することにより飲料を炭酸化するように適合される炭酸化装置112を備える。炭酸化装置112は、飲料を所望の炭酸度と設定炭酸度それぞれに炭酸化するように適合される。言い換えると、炭酸化装置112はCOを飲料にユーザが所望する濃度で溶解させる。炭酸化装置112は、欧州特許出願番号EP18182943.3に開示されており、その開示全体が本願に組み込まれる。炭酸化装置112はフロー型炭酸化装置である。言い換えると、炭酸化装置112はタンクを備えておらず、炭酸化装置112のインレットへと流れ込む飲料は、炭酸化装置112のアウトレットから流れ出る飲料と同じ流量を有する。
【0036】
水はフロー型炭酸化装置112からミネラル化装置116へと流れる。逆浸透フィルタ108により出力される透過液は脱イオン化された水であり、ミネラル化装置116によりミネラル補充される。飲料は、イオンおよび/またはミネラルおよび/または微量元素が飲料に添加される混合部118を通過する。そのような混合部は、欧州特許出願番号EP17203425.8および欧州特許出願番号EP18207971.5に開示されており、その開示全体が本願に組み込まれる。
【0037】
イオンおよび/またはミネラルおよび/または微量元素は複数のミネラル化ボトル120に貯蔵され、各ミネラル化ボトル120は所定の種類のミネラルおよび/または微量元素を有し、複数の所定の種類のミネラルおよび/または微量元素を有する。ミネラルおよび/または微量元素は流体、好ましくは水に溶解する。ミネラル化ボトル120および抽出装置は、欧州特許出願番号EP17202640.3に開示されており、参照によりその全体が本願に組み込まれる。
【0038】
各ミネラル化ボトル120は、ミネラル化ボトル120に貯蔵されている所定量のミネラルおよび/または微量元素を混合部118へと、したがって飲料へと吐出するマイクロ計量ポンプ122と接続される。そのようなマイクロ計量ポンプ122は、欧州特許出願番号EP18210743.3に開示されており、参照によりその全体が本願に組み込まれる。
【0039】
飲料ディスペンサ100は、ポンプ106、調節装置110、炭酸化装置112およびマイクロ計量ポンプ122と接続される制御部128をさらに備える。このようにして、制御部128はポンプ106を制御することにより飲料調製部材110、112、116における圧力を制御できる。また、制御部128は調節装置110を制御することにより飲料ディスペンサ100により出力される飲料の温度を制御できる。また、制御部128は、炭酸化装置112を制御することにより飲料のCO濃度(炭酸度)を制御してよい。また、制御部128は、ミネラル化装置116を制御することにより、特にマイクロ計量ポンプ122を制御することにより飲料のミネラル濃度(ミネラル化)を制御してよい。
【0040】
本発明によると、制御部128は、飲料調製部材110、112、116により生成される各飲料が個別のミネラル化と、個別の温度と、個別のCO濃度とを有するように飲料調製部材110、112、116を制御する。
【0041】
本発明により、飲料を各ユーザ用に個別化することが可能になる。本発明に係る方法および本発明に係る飲料ディスペンサ100は異なる設定ミネラル濃度、異なる設定温度および異なる設定CO濃度を有する異なる飲料を連続して出力してよく、特に、本発明に係る方法および本発明に係る飲料ディスペンサは個別の設定ミネラル濃度、個別の設定温度および個別の設定CO濃度を有する個別の飲料を連続して出力してよい。
【0042】
制御部128は、複数のそれぞれ水レシピおよび飲料レシピを含むデータベース130と接続される。各水レシピおよび飲料レシピはそれぞれ、ミネラル化装置116により水に添加されるべきミネラル(イオン、微量元素)の量および種類に関するデータを有する。また、各飲料レシピおよび水レシピはそれぞれ、所望の温度(設定温度)の所定温度範囲に関する任意のデータと所望の炭酸度(設定炭酸度)の所定炭酸度範囲に関するデータを有してよい。図7は、スポーツ後のミネラル補充目的の例示的な水レシピを示し、図8は、リフレッシュメント目的の例示的な水レシピを示す。
【0043】
制御部128は、ディスプレイ132とさらに接続される。制御部128は、ディスプレイ132上で好適な水レシピを選択するための複数のボタン134、136、138、140、142、144、146を表示させる。複数の水レシピは、例示的な実施形態において、ボタン134により選択可能な朝食用の水の水レシピ、ボタン136により選択可能なスポーツ後のミネラル補充用の水レシピおよびボタン138により選択可能なリフレッシュメント目的の水レシピを含んでよい。例示的な複数の水レシピは、ボタン140により選択可能な白ワインとの提供用の水レシピおよびボタン142により選択可能な赤ワインとの提供用の水レシピも含む。例示的な複数の水レシピは、ボタン144により選択可能なコーヒーを淹れるための水レシピおよびボタン146により選択可能な茶を淹れるための水レシピも含む。
【0044】
これにより、ユーザは水を生成するための個別のレシピを選択してよい。
【0045】
各水レシピに、ミネラル化装置116により水に供給されるべきミネラルの個別の量および/または濃度が割り当てられる。このようにして、制御部128は、それぞれの水レシピに割り当てられるミネラルの濃度および/または量に基づいて、マイクロ計量ポンプ122を制御する。
【0046】
制御部128は、ディスプレイ132上で飲料ディスペンサにより出力されるべき飲料の設定温度を適合させる温度ユーザインタフェース要素148を表示できる。制御部は、ディスプレイ132上で飲料ディスペンサ100により出力される飲料の炭酸度(CO濃度)を適合させる炭酸度ユーザインタフェース要素150を表示できる。
【0047】
ユーザが朝食に好適な水を調製するためのボタン134を選択した後のディスプレイ132を示す図2を参照する。制御部128はディスプレイ132上で温度ユーザインタフェース要素148を表示し、制御部128は設定温度を選択するための所定温度範囲について10°Cの下側温度閾値および25°Cの上側閾値を設定する。ユーザはスライダ148aにより10〜25°Cの範囲内で設定温度を選択してよい。朝食用の水は二酸化炭素を含むべきではないため、制御部は炭酸度ユーザインタフェース要素150を動作させないか、または表示させない。
【0048】
また、スライダ148aは25°C(最高設定温度148b)以下の設定温度を選択するようにのみ位置決めされてよい。これにより、本発明に係る方法は、水ディスペンサ100、飲料調製部材110、112、116のどれにおいても、または飲料をユーザ容器126に出力するノズル124に水を運ぶ導管においても、ミネラルが凝固し、かつ/または沈殿することを回避してよい。
【0049】
ユーザがリフレッシュメント目的の水を生成するためのボタン138を選択した後の動作を示す図3a〜cを参照する。制御部128は、ディスプレイ132上で設定温度を調整するためのスライダ148aを有する温度ユーザインタフェース要素148と、設定炭酸度を選択するための炭酸度スライダ150aを有する炭酸度ユーザインタフェース要素150を表示させる。
【0050】
図3aに示される例において、ユーザは、リフレッシュメント目的のレシピによりミネラル化すべき水について約5°Cの設定温度を選択した。制御部128は、リフレッシュメント目的のレシピにより生成される水について35°Cの最高設定温度148bを設定する。これにより、飲料ディスペンサ100内でのミネラルの凝固およびミネラルの沈殿を回避してよいのは、設定温度が、飲料に溶解するイオンおよび/またはミネラルの沈殿および/または凝固が起こる場合がある温度に達することがないからである。
【0051】
図3aの例において、ユーザはスライダ148aにより約5°Cの設定温度を選択した。この5°Cの低温で、高濃度COが水に溶解できる。よって、制御部128は炭酸度ユーザインタフェース要素150をディスプレイ132上で動作および/または表示させ、所定CO濃度範囲が水へのCO無添加(L選択)から水における最大CO濃度(H選択)まで及ぶように、炭酸度ユーザインタフェース要素150を制御する。ユーザはスライダ150aにより適切な設定炭酸度を選択してよい。
【0052】
ユーザが温度ユーザインタフェース148のスライダ148aにより35°Cの設定温度を選択した例を示す図3bを参照する。飲料に添加されるどの二酸化炭素も35°Cの設定温度で流出するため、制御部128は、ユーザによる設定温度の選択を理由に炭酸度ユーザインタフェース要素150を動作させない、かつ/または表示させない。
【0053】
またユーザがリフレッシュメント目的の水を調製するためのボタン138を選択した図3cを参照する。ユーザは、温度ユーザインタフェース要素148のスライダ148aにより、生成されるべき水について約20°Cの設定温度を選択した。炭酸化装置112は20°Cの温度を有する水にCOを添加できるため、炭酸度ユーザインタフェース要素150はディスプレイ132上で動作され、そして表示される。20°Cの温度で非常に高濃度のCOを添加することは不可能であるため、制御部は最大濃度閾値150bを、飲料に溶解する最大可能CO濃度の75%の割合に設定する。
【0054】
ユーザが白ワインとの提供を目的として水をミネラル化するためのボタン140を選択する場合、制御部128は温度ユーザインタフェース要素148をディスプレイ132上で表示させ、所定温度範囲の下側閾値148cを2°Cに、上側温度閾値148bを12°Cに設定する。ユーザは、下側温度閾値148cと上側温度閾値148bとの間でスライダ148aにより設定温度を調整できる。
【0055】
また、制御部128は炭酸度ユーザインタフェース要素150を表示させ、ユーザはスライダ150aにより、炭酸度を添加CO濃度0%の最小値と最大可能添加CO濃度の100%との間に適合させることが可能である。
【0056】
ユーザがボタン142により赤ワインとの提供用レシピを選択した例を示す図5を参照する。制御部128は、ディスプレイ132上で温度ユーザインタフェース要素148を表示させる。
【0057】
制御部128は、所定温度範囲の最低設定温度148cを10°Cに設定し、所定温度範囲の最高設定温度148bを25°Cに設定する。COを赤ワインとの提供を目的とする水に添加すること、そしてミネラル濃縮液を赤ワインとの提供用に添加することは不合理であるため、制御部128は炭酸度ユーザインタフェース要素150をディスプレイ132上で動作させない、かつ/または表示させない。
【0058】
1つの実施形態において、制御部128はディスプレイ132上であり温度ユーザインタフェース要素148上でデフォルト温度範囲を所定温度範囲として表示させてよい。下側閾値温度148cは飲料調節装置により提供されるべき飲料の最低温度であってよい。上側閾値温度148bは飲料調節装置により提供されるべき飲料の最高温度であってよい。制御部128は、ディスプレイ132上であり炭酸度ユーザインタフェース要素150上でデフォルトCO濃度範囲を所定CO濃度範囲として表示させてよい。デフォルトCO濃度範囲は、炭酸化装置112により提供されてよい最大CO濃度範囲であってよい。この実施形態において、ユーザが設定温度148bをCOを添加できない値に上昇させる場合、制御部128は、設定炭酸度量150bを所定値(例えばCO無添加)にリセットしてよい。また、ユーザが設定炭酸度量150bをユーザにより選択される設定温度148bではCOを添加できない値に上昇させる場合、制御部128は、設定温度148bを所定値(例えば低い温度)にリセットしてよい。
【0059】
ユーザがボタン144によりコーヒーを淹れるための水を生成することを選択した例を示す図6を参照する。水がコーヒーの風味を改善するミネラルを含み、コーヒーの風味を改善しないミネラルを含まない場合にコーヒーの風味を改善することができることが知られている。コーヒーの風味はとりわけ水の硬度(全硬度、アルカリ度)、全ミネラル濃度(伝導度、TDS(溶存固形物総量)、pH、硫酸塩含有量、Mg含有量、Ca含有量)により影響される。
【0060】
制御部128は、ディスプレイ132上で温度ユーザインタフェース要素148を動作させ、そして表示させる。制御部128は炭酸度ユーザインタフェース要素150を動作させないのは、高CO濃度を有する水でコーヒーを淹れるのは有益ではないからであり、COはコーヒーを淹れるのに用いられる熱水から流出してしまうからである。制御部128は、所定温度範囲の下側閾値温度148cを20°Cに、所定温度範囲の上側閾値温度148bを99°Cに設定する。このようにして、ユーザはスライダ148aにより20〜99°Cの設定温度を選択できる。
【0061】
本発明は、ユーザが飲料を選択して飲料の特定のパラメータを適合させることを可能にするインテリジェント飲料ディスペンサを開示する。特に、本発明は、ユーザが水の所望のミネラル化およびミネラル化のそれぞれを選択できる、インテリジェント水ディスペンサに関する。水ディスペンサは、特定の目的用、例えばリフレッシュメント、身体活動後のミネラル補充または健康への配慮などに、複数の予め定義されたミネラル化(レシピ)を提供してよい。水が水ディスペンサによりノズル内に出力される前に、ユーザは水の温度と炭酸度を適合させてよい。
【符号の説明】
【0062】
100 飲料ディスペンサ
102 水源
104 活性炭フィルタ
106 ポンプ
108 逆浸透フィルタ
110 調節装置(飲料調製部材)
112 炭酸化装置(飲料調製部材)
114 炭酸化ボトル
116 ミネラル化装置(飲料調製部材)
118 混合部
120 ミネラル化ボトル
122 マイクロ軽量ポンプ
124 ノズル
126 ユーザ容器
128 制御部
130 データベース
132 ディスプレイ
134,136,138,140,142,144,146 ボタン
148 温度ユーザインタフェース要素
150 炭酸度ユーザインタフェース要素
148a,150a スライダ
148b,148c,150b 閾値
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
図7
図8