(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-145777(P2021-145777A)
(43)【公開日】2021年9月27日
(54)【発明の名称】組み立て式テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 3/12 20060101AFI20210830BHJP
A47B 9/16 20060101ALI20210830BHJP
【FI】
A47B3/12 Z
A47B9/16 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2020-46372(P2020-46372)
(22)【出願日】2020年3月17日
(71)【出願人】
【識別番号】500010967
【氏名又は名称】株式会社ニューテックジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100067644
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100125313
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】白石 徳宏
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053LA00
3B053NH06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】携帯性や強度にすぐれ、組み立てが容易でありながら、天板部材の高さを容易に調整することができる組み立て式テーブルを提供する。
【解決手段】左右の脚部材3で天板部材2を支える組み立て式テーブル1であって、軸心からの距離が不均一の表面を備えた回転体4を軸心が略水平になるように前記脚部材に配置し、前記回転体を軸心回りに回転させると回転体表面の高さ位置が変動し、天板部材の高さ位置を調整可能とした組み立て式テーブル1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の脚部材で天板部材を支える組み立て式テーブルであって、軸心からの距離が不均一の表面を備えた回転体を軸心が略水平になるように前記脚部材に配置し、前記回転体を軸心回りに回転させると回転体表面の高さ位置が変動し、天板部材の高さ位置を調整可能としたことを特徴とする組み立て式テーブル。
【請求項2】
回転体が、表面の一部に天板部材と当接する平面部を備えることを特徴とする請求項1記載の組み立て式テーブル。
【請求項3】
脚部材に略水平に延びる梁部材を備え、軸心に挿通孔を設けた回転体を前記梁部材に挿通することを特徴とする請求項1又は2記載の組み立て式テーブル。
【請求項4】
脚部材の異なる高さ位置に2つの梁部材を備え、低い位置の梁部材に回転体を挿通することを特徴とする請求項3記載の組み立て式テーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右の脚部材で天板部材を支える組み立て式テーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アウトドアなどのレジャーにおいては、屋外で料理あるいは飲食する際、調理器具や飲食物を置くための携帯可能な組み立て式テーブルが使用されることが多い。そして、従来の携帯可能な組み立て式テーブルとしては、天板部材に回動可能に取り付けられた脚部材材を引き出してテーブルを設置するものが一般的である(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、このような組み立て式テーブルは、使用者や使用する状況に応じて天板部材の高さを調整することができず、必ずしも、使い勝手が良いとはいえなかった。一方、天板部材の高さを調整できるような機構を備えるとすると、従来の折り畳み式テーブルは、構成する部品の数が多くなり、組み立て等の作業が煩雑となるだけでなく、テーブルの重量も増加し、持ち運びに不便なものとなり易い。
【0004】
このため、携帯性や強度にすぐれ、組み立てが容易でありながら、天板部材の高さを容易に調整することができる組み立て式テントの開発が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−15945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、携帯性や強度にすぐれ、組み立てが容易でありながら、天板部材の高さを容易に調整することができる組み立て式テーブルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明者が検討を行った結果、左右の脚部材で天板部材を支える組み立て式テーブルにおいて、軸心からの距離が非均一の表面を備えた回転体を軸心が略水平になるように配置すると、前記回転体の回転により回転体表面の高さ位置が変動し、天板部材の高さ位置を容易に調整できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、左右の脚部材で天板部材を支える組み立て式テーブルであって、軸心からの距離が不均一の表面を備えた回転体を軸心が略水平になるよう前記脚部材に配置し、前記回転体を軸心回りに回転させると回転体表面の高さ位置が変動し、天板部材の高さ位置を調整可能としたことを特徴とする組み立て式テーブルである。
【0009】
さらに本発明は、回転体が、表面の一部に平面部を備えることを特徴とする組み立て式テーブルである。
【0010】
さらに本発明は、脚部材に略水平に延びる梁部材を備え、軸心に挿通孔を設けた回転体を前記梁部材に挿通することを特徴とする組み立て式テーブルである。
【0011】
さらに本発明は、脚部材の異なる高さ位置に2つの梁部材を備え、低い位置の梁部材に回転体を挿通することを特徴とする組み立て式テーブルである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の組み立て式テーブルによれば、携帯性や強度にすぐれ、組み立てが容易でありながら、天板部材の高さを容易に調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】組み立て式テーブルの外観図((a)天板部材が高い状態、(b)天板部材が低い状態)(図面代用写真)
【
図3】回転体の外観図((a)側面図、(b)正面図、(c)平面図、(d)底面図)(図面代用写真)
【
図4】回転体の状態図((a)天板部材を高く配置する状態、(b)天板部材を低く配置する状態)(図面代用写真)
【
図5】組み立て式テーブルの各部の状態を示す図((a1)回転体の状態、(a2)天板部材に脚部材を取り付けた状態、(a3)脚部材で天板部材を支えている状態、(b1)回転体の状態、(b2)天板部材に脚部材を取り付けた状態、(b3)脚部材で天板部材を支えている状態)(図面代用写真)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の組み立て式テーブルについて、図を参照しながら以下に説明する。但し、本発明は、実施するための形態として例示したものに限定されるものではない。また、本発明における構成部材の連結あるいは取り付けは、直接的な連結等だけでなく、他の部材を介した間接的な連結等も含むもので、対象となる2つの部材の取り付け部位の相対的な位置関係を略一定に保持するものであれば、特に断りがない限り、全てがこれに含まれる。
【0015】
図1に示すように、組み立て式テーブル(1)は、天板部材(2)を左右の脚部材(3a,3b)で支えており、当該脚部材には、軸心からの距離が不均一の表面を備えた回転体(4)を軸心が略水平になるよう配置されている。
【0016】
天板部材を支える左右の脚部材は、水平方向の異なる位置に配置すれば足り、必ずしも天板部材の左右の端部に配置する必要は無い。また、脚部材は、必ずしも左右一対である必要は無く、例えば、円形あるいは多角形状等の天板部材であれば、天板部材の周囲の適当な位置に複数の脚部材を配置することができる。さらに、天板部材の大きさによっては、天板部材を支えるために脚部材を増やしたり、天板部材の中央部分に脚部材を配置したりすることもできる。このため、天板部材を支える脚部材の一部に水平方向に異なる位置に配置されるものがあれば、本発明の天板部材を支える左右の脚部材に該当する。
【0017】
回転体(4)は、
図3に示すように、軸心からの距離が不均一の表面を備えており、回転体を軸心回りに回転させると回転体表面の高さ位置が変動し、天板部材の高さを調整することができる。回転体の表面は、天板部材の表面と当接するため、回転体の表面の一部には平面部(7)を備えることが好ましい。
【0018】
図2に示す態様では、脚部材(3)は、上下方向に延びる左右の脚体(5a,5b)を略水平方向に延びる梁部材で連結する構造であり、3本の梁部材(6a,6b,6c)は、異なる高さ位置に配置している。そして、回転体(4a,4b)は、上から2番目に配置された梁部材(6b)に軸心が略水平になるよう取り付けられている。
【0019】
回転体(4)の軸心には、挿通孔(8)が形成されており、この挿通孔に梁部材を通すことにより、回転体は、軸心回りに回転可能に梁部材に取り付けることができる。
図3に示す態様では、挿通孔の側面の一部を切り欠いた回転体の形態を例示するが、このように挿通孔の側面を一部切り欠くと、軸心から表面までの距離を小さくすることができるため、広い範囲で天板部材の高さを調整することが可能となる。但し、このような切り欠き部(9)は、脚体への梁部材の取り付け位置によって調整することもできるため必ずしも必要ではない。
【0020】
また、
図2には、梁部材(6b)に2つの回転体(4a,4b)を取り付けた態様を示すが、回転体の数はこれに限定されるものではなく、例えば、回転体の軸心方向の長さを伸ばせば、回転体を1本にすることができる。また、梁部材が長い場合には、3つ以上の回転体を配置してもよい。
【0021】
図2に示す態様は、挿通孔(8)を利用し、梁部材(6b)に2つの回転体(4a,4b)を回動可能に取り付けた例を示すが、例えば、1つの回転体の長さを左右の脚体(5a,5b)の間隔にまで引き延ばし、さらに両端に突起部を設けて、両脚体の対向する側面部に挿入すれば、梁部材(6b)を用いることなく、連続する1つの回転体を直接脚部材に回動可能に取りつけることができる。
【0022】
組み立て式テ-ブルは、回転体(4)の上部表面と回転体を取り付けた梁部材の上方に位置する梁部材(6a)との距離を変化させることにより、天板部材の高さを調整する。
【0023】
図3のように、回転体(4)の表面に、軸心からの距離が異なる2つの平面部(7a,7b)を設けた場合、平面部が天板部材に当接するように回転体を回動すると、回転体(4)の上部表面と上方の梁部材(6a)との距離Dを
図4に示すように変化させることができる。
【0024】
組み立て式テーブルは、回転体と上方の梁部材との間に隙間に挿入して組み立てるが、回転体の上部表面と上方の梁部材との距離が短いときは(
図5(a1))、天板部材と脚部材のなす角度は小さくなり(90度に近くなり)、脚部材は立ち上がる(同図(a2)。これにより天板部材を上方に押し上げることができる(同図(a3))。また、回転体を反転し、回転体の上部表面と上方の梁部材との距離を長くしたときは(
図5(b1))、天板部材と脚部材のなす角度は大きくなり、脚部材は傾斜し(同図(b2))、天板部材を下方に押し上げることができる(同図(b3))。
【0025】
回転体は、必ずしも、表面に平面部を設ける必要はない。軸心からの距離が不均一の表面を備えれば、回転体の回動により、回転体の上部表面と上方の梁部材の距離を変化させることができる。回転体を軸心からの距離が連続して変化するような形状の表面にすれば、回転体の回動により、天板部材の高さを連続的に変化させ調整することが可能となる。
【0026】
図2に示す態様においては、脚部材(3)の強度を向上させるため、回転体(4a,4b)を取り付けた梁部材(6b)の下方にさらに梁部材(6c)を配置している。脚部材の強度が十分である場合には、必ずしも必要でないが、この梁部材(6c)には、回転体の紛失に備え、予備の回転体を取り付けておくこともできる。
【0027】
上方の梁部材(6a)は、天板部材を上方から押さえつけ、回転体との間で天板部材を挟み込む機能と、脚部材の剛性を高め、強度を保持する機能を備える。脚部材の強度が十分であれば、上方の梁部材(6a)は、必ずしも、
図2に示すような、左右の脚体を連結するような形態である必要はなく、天板部材を上方から押さえつける機能を発揮するものであればよい。例えば、脚体の対向する側面に突起を設ければ、当該突起が天板部材の浮き上がりを押さえることができるため、梁部材を用いる必要は無い。
【0028】
図2に示す態様においては、高さが異なる3本の梁部材の上から2番目に配置された梁部材(6b)に回転体(4)が取り付けているが、回転体を取り付ける梁部材は必ずしも2番目の梁部材である必要は無く、例えば、最上位の梁部材に取り付けても、天板の高さを調整することができる。回転体を取り付ける位置は、適宜選定することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 組み立て式テーブル
2 天板部材
3 脚部材
3a 脚部材
3b 脚部材
4 回転体
4a 回転体
4b 回転体
5 脚体
5a 脚体
5b 脚体
6 梁部材
6a 梁部材
6b 梁部材
6c 梁部材
7 平面部
7a 平面部
7b 平面部
8 挿通孔
9 切り欠き部
D 距離