【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理装置であって、取得部と、送信部とを備え、前記取得部は、ベッド利用データを取得するように構成され、ここで前記ベッド利用データは、ユーザーがベッドを利用するにあたっての指針、目的及び嗜好のうち少なくとも1つを含み、前記送信部は、前記ベッド利用データに基づいて決定されたベッド調整パラメーターを前記ベッドの制御装置に送信するように構成され、ここで前記ベッド調整パラメーターは、前記ベッドの硬さ、高さ、角度及び規定の状態を維持する時間のうち少なくとも1つを含むものが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、電圧・電流といった信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るシステム1の構成概要を示す図である。
【0015】
1.1 システム1
システム1は、情報処理装置3と、制御装置5と、ベッド7とを備え、情報処理装置3及び制御装置5は、電気通信回線を通じて通信可能に構成される。制御装置5は、ベッド7を制御するもので、
図1に示されるようにベッド7と別体で構成されてもよいし、ベッド7の一部として組み込まれて実施されてもよい。以下、これらの構成要素についてさらに説明する。
【0016】
1.2 情報処理装置3
図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、表示部34と、入力部35とを有し、これらの構成要素が情報処理装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0017】
(通信部31)
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。情報処理装置3は、通信部31を介して制御装置5と情報通信可能に構成される。
【0018】
(記憶部32)
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えばソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0019】
特に、記憶部32は、第1利用データUD1、第2利用データUD2及び第3利用データUD3を取得する取得プログラムを記憶する。さらに、記憶部32は、第1利用データUD1、第2利用データUD2及び第3利用データUD3と、ベッド調整パラメーターAPとを関連付ける関連情報RIを記憶する。
【0020】
また、記憶部32は、これ以外にも制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0021】
(制御部33)
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。具体的には、第1利用データUD1、第2利用データUD2及び第3利用データUD3の取得機能及び当該利用データのベッド調整パラメーターAPへの変換機能等が該当する。すなわち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、取得部331、変換部332、送信部333、及び保存部334として実行されうる。これらについては、第2節においてさらに詳述する。
【0022】
なお、
図2においては、単一の制御部33として表記されているが、実際はこれに限るものではなく、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0023】
(表示部34)
表示部34は、例えば、情報処理装置3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部34は、ユーザーが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、情報処理装置3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。当該表示デバイスは、制御部33における表示制御部(不図示)の制御信号に応答して、表示画面を選択的に表示しうる。例えば、第1利用データUD1、第2利用データUD2、第3利用データUD3、及びベッド調整パラメーターAP他をユーザーが視認可能に表示することができる。
【0024】
(入力部35)
入力部35は、情報処理装置3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部35は、表示部34と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザーは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部35がユーザーによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス30を介して制御部33に転送され、制御部33が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0025】
特に、サービス提供者、利用データ提供者は、入力部35を用いて第1利用データUD1、第2利用データUD2、及び第3利用データUD3を入力することができる。データはテキストファイル、画像ファイルどちらを問わず入力することができる。
【0026】
1.3 制御装置
制御装置5は、ユーザーによって管理され、ベッド7を制御する。例えば、制御装置5は、ベッド7の内部若しくは外部に備えられた専用の制御装置である。制御装置5は、ベッド7を制御可能に構成されていれば、機器は限定されるものではない。
図3は、制御装置5のハードウェア構成を示すブロック図である。制御装置5は、通信部51と、記憶部52と、制御部53とを有し、これらの構成要素が制御装置5の内部において通信バス50を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0027】
(通信部51)
通信部51は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。例えば、制御装置5は、通信部51を介して情報処理装置3と情報通信可能に構成される。また、通信部51は、ベッド7の調整するための所定の電気信号をベッド7に送信可能に構成される。
【0028】
(記憶部52)
記憶部52は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えばソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0029】
特に、記憶部52は、後述するベッド7を制御するベッド制御プログラムを記憶する。
【0030】
また、記憶部52は、これ以外にも制御部53によって実行される制御装置5に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0031】
(制御部53)
制御部53は、制御装置5に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部53は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部53は、記憶部52に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、制御装置5に係る種々の機能を実現する。具体的には、ベッド7制御機能等が該当する。すなわち、ソフトウェア(記憶部52に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部53)によって具体的に実現されることで、受付部531、主面調整部532、送信部533、及び保存部534として実行されうる。これらについては、第2節においてさらに詳述する。
【0032】
なお、
図3においては、単一の制御部53として表記されているが、実際はこれに限るものではなく、機能ごとに複数の制御部53を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0033】
1.4 ベッド7
図4〜
図6は、ユーザーの利用するベッド7の一例である。ベッド7は、複数の線状部材74が張り巡らされることによってユーザー又は寝具が載置される主面79を構成する。複数の線状部材74を、ベッド7の縦方向、又は横方向に張り巡らしてもよいが、
図4に示したように、格子状に張り巡らしてもよい。線状部材74は、第1線状部材74a及び第2線状部材74bを有する。第1線状部材74aは短手方向に所定の間隔で配置され、第2線状部材74bは長手方向に所定の間隔で配置される。
【0034】
線状部材74の一方はワイヤーコード72に接続され、他方は張力センサー71に接続されている。ワイヤーコード72はモーター73に接続されている。かかる構成によって、モーター73の負荷がワイヤーコード72を介して線状部材74に伝達される。
【0035】
マットレス75の下部にはベッドフレーム76があり、ベッドフレーム76の下部にはベッド7を支えるベッド脚78が複数ある。ベッド脚78はベッドフレーム76の下部の周囲に配置される。ベッド脚78は、上下に伸縮可能なアクチュエーターの機能を有するため、ベッド7の高さ方向の調整が可能である。ベッド脚78は空気式のシリンダなど制御可能なものであれば、特に限定されるものではない。また、ベッドフレーム76は、所定の間隔でフレームヒンジ77を有する。このためベッドフレーム76が回転可能となる。
【0036】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。
図7は、情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。
図8は、制御装置5の機能を示す機能ブロック図である。
2.1 情報処理装置3の機能
まず、情報処理装置3の機能構成について説明する。前述の制御部33に関して、情報処理装置3は、取得部331と、変換部332と、送信部333と、保存部334とを備える。以下、各構成要素についてさらに説明する。
【0037】
(取得部331)
取得部331は、ベッド利用データを取得するように構成される。取得部331は、ベッド利用データを取得するように構成される。ここでベッド利用データは、ユーザーがベッド7を利用するにあたっての指針、目的及び嗜好のうち少なくとも1つを含む。以下、ベッド利用データについて、補足する。
【0038】
図9は、ベッド利用データの一例である第1利用データUD1を示している。第1利用データUD1は、ユーザーの健康状態を含むデータであり、整形外科の専門医、整骨院の施術師等の経験、知見に基づいて作成される。すなわち、ユーザーの健康促進、健康予防に効果的であるように、ベッド7が調整されることが好ましい。本例では、腰痛を和らげるユーザーの腰部、頭部、首部、背中及び足部の調整パラメーターが記されている。さらに、各パラメーターが動的に変動するため、パラメーターを調整する時間間隔も記されている。
【0039】
図10は、ベッド利用データの一例である第2利用データUD2を示している。第2利用データUD2は、ユーザーの気分を含むデータである。ユーザーの気分転換、リラクゼーションに効果的であるように、ベッド7が調整されることが好ましい。本例では、気分高揚、ゆったり気分、及びハンモック気分を実現するユーザーの腰部、頭部、首部、背中及び足部の調整パラメーターが記されている。さらに、各パラメーターが動的に変動するため、パラメーターを調整する時間間隔が記されている。
【0040】
図11は、ベッド利用データの一例である第3利用データUD3を示している。第3利用データUD3は、ユーザーの身体的情報を含むデータである。すなわち、本データは、ユーザーの性別、身長、体重、使用しているベッド7の型番、ベッド利用形態の嗜好、及び健康状態に関するものである。
【0041】
(変換部332)
変換部332は、関連情報RI(後述)に基づいて、第1利用データUD1、第2利用データUD2、及び第3利用データUD3をベッド調整パラメーターAPに変換する。ベッド調整パラメーターAPは、新たに変換されたパラメーターに限らず、過去にユーザーが利用したベッド調整パラメーターAPも含む。すなわち、ユーザーが過去にマニュアルでベッド7を調整したデータも、再度ベッド調整パラメーターAPとして活用できる。
【0042】
図12は、ベッド調整パラメーターAPの一例である。ベッド調整パラメーターは、ベッド7の硬さ、高さ、角度及び規定の状態を維持する時間のうち少なくとも1つを含む。より具体的には、ベッド調整パラメーターAPは、線状部材74の態様を含む。ここで、線状部材74の態様とは、線状部材74の張力、線状部材74の端部の高さ及び互いに隣接する線状部材74の間隔のうち少なくとも1つを含む。
ベッド調整パラメーターAPは、ベッド利用データ(例えば、第1利用データUD1、第2利用データUD2、及び第3利用データUD3等)に基づいて決定される。これについてさらに説明する。
【0043】
図13は、関連情報RIの一例である。第1利用データUD1、第2利用データUD2、及び第3利用データUD3に基づいてベッド調整パラメーターAPに変換するにあたり、関連情報RIが用いられる。関連情報RIは、ベッド利用データとベッド調整パラメーターAPとを関連付ける情報である。例えば、関連情報RIは、第1利用データUD1、第2利用データUD2及び第3利用データUD3を変数とする関数、第1利用データUD1、第2利用データUD2及び第3利用データUD3とベッド調整パラメーターを羅列したルックアップテーブル、並びに第1利用データUD1、第2利用データUD2及び第3利用データUD3とベッド調整パラメーターの関係を機械学習させた学習済みモデルのうちの少なくとも1つであることが好ましい。本例は、ルックアップテーブルである。ユーザーの身体的特徴及び調整する部位に関するデータ等から、ベッド調整パラメーターAPに変換するために必要なデータが関連情報RIに記載されている。ユーザーの頭部の位置するベッド7の場所の硬さを調整する場合、ベッド7のどの線状部材74の張力を制御すれば良いかが分かる。
【0044】
関連情報RIに含まれる関数として、調整の時間間隔を決める確率分布がある。確率分布に限らず独自のアルゴリズムで調整値を定めることもできる。学習済みモデルは、例えば、多くのベッド調整パラメーターAPの中から、腰痛を和らぐのに効果的だとユーザーが判断したものを学習したものである。腰痛解消の調整は、当該学習済みモデルをベッド調整パラメーターAPとする。
【0045】
(送信部333)
送信部は、ベッド調整パラメーターAPを、制御装置5に送信するように構成される。情報処理装置3で変換されたベッド調整パラメーターAP及びユーザーが過去に利用したベッド調整パラメーターAPは、それを利用したいユーザーに広く送信される。このためユーザーは、健康促進、気分転換を早く、的確に実現することができる。
【0046】
(保存部334)
保存部は、新しく取得した第1利用データUD1、第2利用データUD2、第3利用データUD3、及びベッド調整パラメーターAPを保存する。保存するタイミングは新たに取得した場合、更新があった場合、変換された場合他である。保存先は記憶部52に限らず、外部の記憶装置であっても良い。
【0047】
2.2 制御装置5の機能
続いて、ベッド7の状態を制御する制御装置5の機能構成について説明する。制御装置5に関して、制御部53は、受付部531と、主面調整部532と、送信部533と、保存部534とを備える。以下、各構成要素についてさらに説明する。
【0048】
(受付部531)
受付部531は、ベッド調整パラメーターAPを受け付けるように構成される。ベッド調整パラメーターAPは、電気通信回線を通じて情報処理装置3から制御装置5に送信されることで受け付ける。ベッド調整パラメーターAPの記憶されたDVD,CD等の各種メディアから受付けても良い。直接調整データを入力して受付けても良い。
【0049】
(主面調整部532)
主面調整部532は、ベッド調整パラメーターAPに基づいて、ベッド7における主面79の態様を調整するように構成される。
【0050】
線状部材74は弾性体であれば良い。そのため材質は金属、繊維素材等である。また、線状の部材であるが、薄い肉厚の板状部材であっても良い。
【0051】
マットレス75の下部に格子状に張り巡らされた線状部材74の一方はワイヤーコード72に接続され、他方は張力センサー71に接続されている。ワイヤーコード72はモーター73に接続されている。そのためモーター73の負荷は、ワイヤーコード72を介して線状部材74に伝わる。ベッド調整パラメーターAPでベッド7の特定の部位の硬さを変動させる場合、特定の第1線状部材74a又は第2線状部材74bを指定して、第1モーター73a又は第2モーター73bに負荷をかける。第1張力センサー71a又は第2張力センサー71bで張力を計測し、目標値で第1モーター73a又は第2モーター73bを停止させる。例えば、主面調整部532は足元から3番目の第1線状部材74a−3の張力を5kgfにするように、第1モーター73aを制御する。なお、マットレス75を介さず、ユーザーは格子状に張り巡らされた線状部材74上に直接寝ることも可能である。
【0052】
ベッド調整パラメーターAPには、時系列にベッド7の特定の部位の硬さが記載されている。主面調整部532は、一行ずつデータを読み込み、指定した時間に達すれば第1線状部材74a又は第2線状部材74bに所定の負荷をかける。この結果、動的にベッド7の硬さを調整することができる。なお、負荷の与え方は、線状部材74の張力のみならず線状部材74の巻取り量でも良い。負荷の与える方式は限定しない。
【0053】
ベッド7の角度を調整するため特定のベッド脚78の高さを調整して、ベッド7をピッチング及びローリングさせることができる。ベッド7の角度を変えるにあたり、フレームヒンジ77を用いず、マットレス75を可撓性のある弾性体にしても良い。ベッド7をヨーイングさせるには、ベッド7の下にターンテーブル(不図示)を配置し、制御装置5で制御する。
【0054】
ベッド脚78は、ベッドフレーム76の下部の周囲に配置される。ベッド脚78の個々の位置は、78−i・j(1≦i≦m、1≦j≦n)で与えられる。iは長手方向、jは短手方向である。例えば、足元から長手方向に6番目以降のベッド脚78の高さを変える場合、主面調整部532はベッド脚(78−6・1〜78−m・1)とベッド脚(78−6・n〜78−m・n)の高さをそれぞれ調整する。
【0055】
ベッド調整パラメーターAPの列方向には、時系列にベッド7の特定の部位の高さが記載されている。主面調整部532は、一行ずつデータを読み込み、指定した時間に達すればベッド脚78を所定の高さに調整する。この結果、動的にベッド7の高さ及び角度を調整することができる。
【0056】
3.情報処理装置3(システム1)を用いた調整データの生成と送信
本節では、サービス提供者が調整データを生成し、送信する方法の一例について説明する。
図14は、本実施形態に係るベッド利用方法の流れを示すアクティビティ図である。以下、
図14における各アクティビティに沿って説明をする。
【0057】
[ここから]
(アクティビティA01)
サービス提供者が、健康促進に関する第1利用データUD1及び気分転換に関する第2利用データUD2を利用データ提供者に依頼する。
(アクティビティA02)
利用データ提供者が、第1利用データUD1を作成する。
(アクティビティA03)
情報処理装置3の取得部331が、電気通信回線を通じて送信した第1利用データUD1を取得する。
(アクティビティA04)
利用データ提供者が、第2利用データUD2を作成する。
(アクティビティA05)
情報処理装置3の取得部331が、電気通信回線を通じて送信した第2利用データUD2を取得する。
(アクティビティA06)
サービス提供者が、新たなユーザーを登録する。
(アクティビティA07)
ユーザーは、身体的特徴に関する第3利用データUD3を作成する。
(アクティビティA08)
ユーザーは、ベッド7の利用にあたり、好みの第1利用データUD1又は第2利用データUD2を選択し、選択したものをサービス提供者に電気通信回線を通じて送信する。
(アクティビティA09)
ユーザーは、自身が有する端末等を用いて、健康促進又は気分転換に関する好みの第1利用データUD1又は第2利用データUD2を選択し、これを情報処理装置3に送信する。
(アクティビティA10)
情報処理装置3の変換部332が、好みの第1利用データUD1又は第2利用データUD2に基づいて、ベッド調整パラメーターAPを変換する。
(アクティビティA11)
情報処理装置3の送信部333が、ベッド調整パラメーターAPをユーザーの管理する制御装置5に電気通信回線を通じて送信する。
(アクティビティA12)
制御装置5の受付部531は、ベッド調整パラメーターAPを受け付ける。
(アクティビティA13)
制御装置5の主面調整部532は、ベッド調整パラメーターAPに基づき、ベッド7を調整する。
[ここまで]
【0058】
従来、ベッド7のユーザーは、マニュアルでベッドの調整を行っていた。そのため、思考錯誤で自分の満足できるパラメーター及び調整データを見つけなくてはならず時間を要していた。また、健康促進に繋がるパラメーター調整データもユーザー独自のものであった。
【0059】
このような中、予め本人が所望するベッドの状態を実現する調整データを、電気通信回線を通じて瞬時に入手でき、かつ医学的見地と個人の身体的特徴に紐付いた信頼度の高い調整データを得られる。
【0060】
さらに健康促進だけでなく、気分転換及びリラクゼーションを実現するにおいても効果的である。
【0061】
電気通信回線を通じて多くのユーザーがこのようなサービスを利用することで、ユーザー間のベッド7を利用したベッド調整パラメーターAPも共有するこができる。
【0062】
4.変形例
本節では、本実施形態の変形例について説明する。すなわち、以下のような態様を採用してもよい。
(1)ベッド7の硬さ、高さ、角度及び規定の状態が実現するために、マットレス75内の弾性体であるポケットコイル、ボンネルコイルを直接制御しても良い。
(2)第1利用データUD1、第2利用データUD2及び第3利用データUD3は日本語でなく、他の言語で作成されたものでもよい。制御部33の各種機能が他言語対応していれば本実施形態の目的は達成できる。
(3)張力センサーの代わりに、線状部材74とベッド7の間にロードセル(不図示)を配し、線状部材74の張力をロードセルで計測しても良い。
(4)第3利用データUD3の作成にあたり、整体師や医師等の専門家の知見及び他のユーザーの意見を加味しても良い。
(5)第3利用データUD3の作成にあたり、ユーザーの指針、目的及び嗜好を満たすために、AIが膨大な各種データから学習した調整パラメーターを加味しても良い。
(6)プログラムであって、コンピュータを情報処理装置3として機能させるものが提供されてもよい。
(7)プログラムであって、コンピュータを制御装置5として機能させるものが提供されてもよい。
(8)上記プログラムが予めインストールされていてもよいし、事後的にインストールされてもよいし、このようなプログラムを外部の記憶媒体に記憶させてもよいし、クラウドコンピューティングで動作させてもよい。
【0063】
5.結言
以上のように、本実施形態によれば、ユーザーの要求する健康促進及び気分転換を目的としたベッド7のベッド調整パラメーターAPを瞬時に得ることで、調整時間を削減し、かつ、ユーザーが要求するベッドの状態を的確に実現することができる情報処理装置及び制御装置を実施することができる。
【0064】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、記憶部をさらに備え、前記記憶部は、関係情報を記憶し、ここで前記関係情報とは、前記ベッド利用データと前記ベッド調整パラメーターとを関連付ける情報で、前記送信部は、前記関係情報に基づいて決定された前記ベッド調整パラメーターを前記ベッドの制御装置に送信するように構成されるもの。
前記情報処理装置において、前記関係情報は、前記ベッド利用データを変数とする関数、前記ベッド利用データ及び前記ベッド調整パラメーターを羅列したルックアップテーブル、並びに前記ベッド利用データ及び前記ベッド調整パラメーターの関係を機械学習させた学習済みモデルのうちの少なくとも1つを含むもの。
前記情報処理装置において、前記ベッド利用データは、前記ユーザーの身体的特徴、健康状態及び気分の少なくとも1つをさらに含むもの。
前記情報処理装置において、前記ベッドは、複数の線状部材が張り巡らされることによって前記ユーザー又は寝具が載置される主面を構成するものであり、前記ベッド調整パラメーターは、前記線状部材の態様を含むもの。
前記情報処理装置において、前記線状部材の態様とは、前記線状部材の張力、前記線状部材の端部の高さ及び互いに隣接する前記線状部材の間隔のうち少なくとも1つを含むもの。
ベッドの状態を制御する制御装置であって、受付部と、主面調整部とを備え、前記ベッドは、ユーザー又は寝具を載置するための主面を有し、前記受付部は、ベッド調整パラメーターを受け付けるように構成され、ここで前記ベッド調整パラメーターは、ベッドの硬さ、高さ、角度及び規定の状態を維持する時間のうち少なくとも1つを含むベッドに関するパラメーターで、前記主面調整部は、前記ベッド調整パラメーターに基づいて、前記主面の態様を調整するように構成されるもの。
前記制御装置において、前記ベッドは、複数の線状部材が張り巡らされることによって前記主面を構成し、前記ベッド調整パラメーターは、前記線状部材の態様を含むもの。
前記制御装置において、前記線状部材の態様とは、前記線状部材の張力、前記線状部材の端部の高さ及び互いに隣接する前記線状部材の間隔のうち少なくとも1つを含むもの。
プログラムであって、コンピュータを前記情報処理装置として機能させるもの。
プログラムであって、コンピュータを前記制御装置として機能させるもの。
もちろん、この限りではない。例えば、上述のプログラムを記憶する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体として提供してもよい。
【0065】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。