【実施例1】
【0019】
図1は、本願発明の一実施例に係る標準仕様の車輪ストッパを示す図であり、
図1(A)は、車輪2が固定されている状態を示し、
図1(B)は、車輪2が固定されていない状態を示している。
図1に置いて、符号1は車輪ブラケット、2は車輪、3は車軸、4は係止ディスク、5は固定ピン支持ガード、6はカム軸、7はハンドル、8は固定ピン、9はバネである。
【0020】
車輪2の内側側面には、外周部に多数の固定ピン受け孔を所定の間隔で設けた円板状の係止ディスク4が取り付けられ、それらの固定ピン受け孔に固定ピン8のスライド軸を挿入することにより、車輪2をロックする。固定ピン8は、スライド軸の中間部に円板状のカム受部が設けられており、バネ9で前記係止ディスク4側に押圧されている。そして、カム軸6の回転軸の一端に取り付けたカム部を、前記固定ピン8のカム受部に当接させ、回転軸の他端に固定したハンドル7を操作して回転軸を回転させ、その回転角度に応じて、前記固定ピン8の位置を、前記バネ9の押圧力に抗して、前記スライド軸が前記係止ディスク4の固定ピン受け孔に挿入させたり、固定ピン受け孔から引き出したりする。固定ピン8のスライド軸が係止ディスク4の固定ピン受け孔に挿入されると、車輪2は固定されて回転はロックされ、固定ピン受け孔から引き出されると、車輪2のロックは解除される。
【0021】
この車輪ストッパは、例えば、
図2に示すような、エンジン溶接機の車輪に適用される。
図2において、符号1,2,7は、
図1のものに対応しており、10はエンジン溶接機ケース、11はエンジン溶接機ベース、11aは内部に漏洩物貯留タンクを備えた環境ベース、12は
図1に示した標準仕様の車輪ストッパ、13はストッパ無し車輪、14は、エンジン溶接機の運搬時等に用いられるフォークリフトの爪であり、
図2(A)は、エンジン溶接機を左側から見た図であり、図面左側が前方である。また、
図2(B)は、エンジン溶接機を右側から見た図であり、図面右側が前方である。
【0022】
この実施例では、四つの車輪の内、左右の後輪に本発明の標準仕様の車輪ストッパ12を適用し、左右の前輪は、通常のストッパ無し車輪13,13を用いている。以下、
図1に示した標準仕様の車輪ストッパについて、詳細に説明する。
【0023】
図3は、係止ディスクを示す図であり、
図3(A)は正面図、
図3(B)は
図3(A)のX−X断面図である。
図3において、4aは段付ボルト、4bは固定ピン受け孔である。係止ディスク4は、鋼板製で円板状をしており、その外周部に圧延鋼棒材の一方の端部をネジ部に加工した車輪取付用の段付ボルト4aを複数本、例えば3本一定の間隔で溶接し、さらに、多数の固定ピン受け孔4bを所定の間隔で設けている。そして、
図4に示す
ように、段付ボルト4a,4a,4aのネジ部を車輪2のホイール(芯金部)に設けた貫通孔に通し、ナット4c,4c,4cで締め付けることにより、車輪2の内側側面に取り付けられる。
【0024】
図5は、固定ピンを示す図である。
図5において、8aはスライド軸、8bはカム受部、 8cはR部である。固定ピン8は、スライド軸8aとカム受部8bとよりなり、スライド軸8aは、係止ディスク4に対して直角に、かつ、係止ディスク4の固定ピン受け孔4bに挿入可能な位置に配置される。カム受部8bは、円板状になっていて、スライド軸8aの中間部に直交するように配設されている。そして、カム受部8bの、係止ディスク4と対向する側の外縁は、カム軸6のカム部との当接・摺動が円滑になるように、丸みを持たせたR部8cとしている。
【0025】
図6は、固定ピン支持ガードを示す図である。
図6において、5aは固定ピン挿通孔、
5bは固定ピン支持ガード5を車輪ブラケット1に取り付けるためのネジ孔である。固定ピン支持ガード5は、細長い長方形の鋼板をコの字状に折り曲げて、中間の平板部の、係止ディスク4の固定ピン受け孔4bに対応する位置に固定ピン挿通孔5aを設け、両側の折曲部にネジ孔5b、5bを設けている。
【0026】
図7は、カム軸を示す図である。
図7において、6aはカム部、6bはカム部支持板、6cは回転軸、6dはネジ部、6eはDカット部である。カム軸6は、回転軸6cの一端部に取り付けたカム部6aを、前記固定ピン8のカム受部8bに当接させ、回転軸6cの回転角度に応じて、固定ピン8の係止ディスク4方向の位置を、バネ9の押圧力に抗して、スライド軸8aが係止ディスク4の固定ピン受け孔4bに挿入される位置と、それより手前の固定ピン受け孔4bに挿入されない位置とに切り替える。
【0027】
カム軸6は、回転軸6cとして、みがき棒鋼の丸棒を用い、その一方の端部にネジ部6dを設け、そのネジ部6dにはDカット部6eを設けている。そして、鋼板を円形に加工したカム部支持板6bの中心に、回転軸6cと同径の孔を設け、その孔に、回転軸6cの先端部を挿入し、溶接して固定している。そのカム部支持板6bには、それと同径の鋼管を加工したカム部6aの基部を、互いの外周部が一致するように溶接して固定している。
【0028】
カム部6aの先端縁は、
図8にカム部6aの展開図を示すように、互いに180°の角度を隔てて、カム部支持板6bと平行な部分を2箇所設け、その内の一方は、前記基部からの高さが小さい、固定位置となる第1の部分6a1、他方は、前記基部からの高さが前記第1の部分6a1より大きい、解除位置となる第2の部分6a3としている。
【0029】
第1の部分6a1と第2の部分6a3の間には山形の切替移行部6a2を設け、第1の部分6a1から第2の部分6a3に向かって、前記基部からの高さが徐々に大きくなっていき、最大の高さに達した後、徐々に小さくなっていって第2の部分6a3と同じ高さになるようにしている。このような切替移行部6a2を設けることにより、固定位置から解除位置に切り替えた後に、カム軸6が逆回転して戻らないようにしている。また、第1の部分6a1と第2の部分6a3の反対側は、垂直壁によりカム部6aがそれ以上回転しないようにするための回転止め部6a4を設けている。なお、回転止め部6a4の位置は、回転軸6cのネジ部6dに設けたDカット部6eと対向する側になるようにしている。
【0030】
図9は、ハンドルを示す図である。
図9において、7aはカム軸固定孔、7bは折曲げ部、7cは長孔である。このハンドル7は、カム軸6のネジ部6dに取り付けられるもので、カム軸固定孔7aは、カム軸6のネジ部6dに設けたDカット部6eに合致するDカットが施されており、カム軸6のネジ部6dをカム軸固定孔7aに差し込むだけで、カム軸6に対するハンドル7の位置が決まり、その後座金を挟んでナットで締め付ければカム
軸6に固定される。そして、そのカム軸固定孔7aのDカットは、車輪2が固定状態の時、
図1(A)に示すような、ハンドル7が右側に倒れている位置関係になるように、カム軸固定孔7aの折曲げ部7bと対向する側が水平になるように設ける。
【0031】
折曲げ部7bは、ハンドル7の操作をし易くするために先端部を幅広にして、幅広にした部分を折り曲げたものであり、長孔7cは、軽量化のために、ハンドル7先端部から折曲げ部7bにわたって設けたものである。
【0032】
図10は、
図1の車輪ストッパ用の車輪ブラケットを示す図である。
図10において、1aは車軸孔、1bは取付孔、1cはカム軸取付孔、1dは固定ピン受座、1eは固定ピン挿通孔、1fはガード取付孔である。車輪ブラケット1は、四方に板状の側壁を配していて枠状になっており、この車輪ブラケット1に、前記車輪2,係止ディスク4,固定ピン支持ガード5,固定ピン8,バネ9,カム軸6及びハンドル7を一体的に組み込むようにしている。
【0033】
左右の側壁中央部には、前記車輪2の車軸3を通す車軸孔1a,1aが対向して設けられている。また、長手方向の両端部上片を折り曲げて、その折曲げ片に、この車輪ブラケット1を環境ベース11aに取り付けるための取付孔1bを設けている。また、係止ディスク4と対向する側壁の、係止ディスク4の固定ピン受け孔4bと対向する位置の外側に角厚板状の固定ピン受座1dが溶接により取り付けられ、その固定ピン受座1dを貫通するように固定ピン挿通孔1eが設けられている。そして、左右の側壁の、固定ピン挿通孔1eの外側近傍に、カム軸6の回転軸6cを通すカム軸取付孔1cが設けられている。さらに、長手方向の両端部には、固定ピン支持ガード5を取り付けるためのガード取付孔1f,1fが設けられている。それらガード取付孔1f,1fの内側壁面には、固定ピン支持ガード5の取り付けを容易にするため、ナットを溶接している。
【0034】
そして、
図11に示すように、車輪ブラケット1の中に車輪2を配置し、車軸孔1a,1aと車輪2の車軸孔を貫通させて車軸3を挿入し、ワッシャ3a,ナット3bで固定する。なお、この作業は、車輪2に係止ディスク4を取り付けた状態で行い、係止ディスク4がある側を、固定ピン受座1dがある側に向けて車輪ブラケット1に取り付ける。
【0035】
そのようにして、車輪ブラケット1に車輪2が取り付けられた後、
図12に示すように、固定ピン支持ガード5,カム軸6,ハンドル7,固定ピン8及びバネ9を取り付ける。まず、カム軸6の回転軸6cを、車輪ブラケット1の固定ピン受座1dがある側から、樹脂ワッシャ6fを挟んで、車輪ブラケット1の左右両面に設けられたカム軸取付孔1c,1cに通し、反対側で、カム軸6のネジ部6dに設けたDカット部6eに、カム軸固定孔7aに設けたDカット部を合わせて、ハンドル7のカム軸固定孔7aにカム軸6のネジ部6dを挿入し、ナット7dと袋ナット7eで固定する。その結果、
図12に示すように、ハンドル7が車輪ブラケット1の外側に回動された時、カム軸6のカム部6aの固定位置となる第1の部分6a1が固定ピン受座1d側に向いた状態になる。
【0036】
次に、固定ピン8の、カム受部8bのR部8cがある側のスライド軸8aを、固定ピン受座1dの固定ピン挿通孔1eに挿入し、カム受部8bの反対側のスライド軸8aにバネ9,9を挿入し、固定ピン支持ガード5の固定ピン挿通孔5aに通した状態で、固定ピン支持ガード5を車輪ブラケット1側に押し付けながら、ネジ5cをネジ孔5bに通して固定ピン支持ガード5を車輪ブラケット1に固定する。その結果、固定ピン8は、バネ9,9により常に、係止ディスク4方向へ押圧力を受けながら、カム受部8bがカム軸6のカム部6aの第1の部分6a1に当接して固定位置、すなわち、カム軸6のスライド軸8aが係止ディスク4の固定ピン受け孔4bに挿入された状態に保持されることになる。
【0037】
その状態から、ハンドル7を下に押して180°回転させると、カム軸6のカム部6aも180°回転し、固定ピン8のカム受部8bの当接位置は、第1の部分6a1から切替移行部6a2を経て第2の部分6a3に切り替わる。その状態では、カム受部8bは、カム部6aの基部からの高さが大きい第2の部分6a3により、固定ピン8のスライド軸8aは、係止ディスク4の固定ピン受け孔4bから引き出された位置になって、車輪2のロックは解除状態になる。
【0038】
なお、上記実施例では、カム軸6のネジ部6dと、ハンドル7のカム軸固定孔7aにDカット部を設けて位置決めを行ったが、ネジ部6dにDカット部6eを設けず、ハンドルのカム軸固定孔7aも丸孔にしてもよい。その場合は、カム部6aに対してハンドルの位置を所定の位置、すなわち、カム部6aの第1の部分6a1を固定ピン受座1d側に向け、ハンドル7を固定ピン受座1dとは反対側の方向に向けた位置に定めた状態でナットを固く締めつけて、摩擦力によりその位置関係が維持されるようにすることになる。
【0039】
この実施例のようにすれば、簡単な構造で、係止ディスク4と固定ピン8は、車輪ブラケット1で一体化されているため、地面に凹凸等があって何かにぶつかることがあっても、互いに位置ずれすることなく車輪ストッパの機能を維持でき、また、係止ディスク4の固定ピン受け孔4bは、最小限の間隔で配置可能なので細かい位置調整ができ、容易に希望の位置に停止させることができる。また、ハンドル7は、外側に配置されるので、その状態を一目で確認でき、車輪をロックしている状態にあるか否かの確認がし易くなる。さらに、車輪2とストッパ機能が一体化されて、それらを一部品として取り扱うことができるので、交換が簡単にでき、さまざまな機種の車輪に適用できる。
【0040】
なお、上記実施例では、左右の後輪だけに車輪ストッパを設けたが、後輪だけでなく左右の前輪にも車輪ストッパを設けてもよい。
【0041】
ただ、この車輪ストッパを用いると、
図2(A)に示したように、車輪をロックした状態で、ハンドル7の先端部が車輪ブラケット1の外側に突出した状態になるため、エンジン溶接機の運搬時等に、エンジン溶接機をフォークリフトで持ち上げようとすると、フォークリフトの爪14がハンドル7に当たって、ハンドル7が損傷してしまうおそれがある。そこで、次の実施例では、一部変更した車輪ストッパを組み合わせて用いることにより、ハンドル7の先端部が車輪ブラケット1の外側に突出しないようにした。
【実施例2】
【0042】
図1に示した標準仕様の車輪ストッパでは固定位置にしたとき、ハンドル側の正面から見て、ハンドル7が車輪ブラケット1の右側に突出するようになっているが、第2実施例として、最小限の部品変更で、
図13に示すような、ハンドル側の正面から見て、ハンドル7が車輪ブラケット1の左側に配置された車輪ストッパ、すなわち、左ハンドル仕様の車輪ストッパを用意し、それと、標準仕様の車輪ストッパとを組み合わせて用いることとした。
【0043】
図13において、
図13(A)は、車輪2が固定されている状態を示し、
図13(B)は、車輪2が固定されていない状態を示しており、符号は、
図1のものに対応している。係止ディスク4,固定ピン支持ガード5,カム軸6,固定ピン8等の部品は、
図1に示した標準仕様の車輪ストッパと同じ部品をそのまま使えるが、車輪ブラケット1は、カム軸取付孔1c,固定ピン受座1d及び固定ピン挿通孔1eの位置を左右逆にしたものを用意する必要がある。また、ハンドル7も、カム軸固定孔7aにDカットを施して用いる場合は、Dカットの位置を180°変更する必要がある。
【0044】
車輪ブラケットに車輪を取り付ける方法、及び、車輪ストッパの組立方法は、
図11,
図12に示した方法と同様である。ただし、固定ピン支持ガード5の取り付けは、
図12の場合と比べて、左右を反転させて設ける。そして、この左ハンドル仕様の車輪ストッパは、車輪2の固定位置で、ハンドル7が右側に水平に延びた状態になり、ハンドル7を時計回りに回動させて解除位置に切り替えたとき、ハンドル7が左側に水平に延びた状態になることも標準仕様の車輪ストッパと同じである。
【0045】
図14は、第2実施例を示す図で、
図14(A)は、環境ベースより下側を左側から見た図であり、図面左側が前方である。また、
図14(B)は、同じく右側から見た図であり、図面右側が前方である。符号1〜13は、
図2のものに対応しており、15は左ハンドル仕様の車輪ストッパである。標準仕様の車輪ストッパ12,左ハンドル仕様の車輪ストッパ15は、ともに車輪を固定状態にしている。
【0046】
このように、左側後輪に左ハンドル仕様の車輪ストッパ15を用い、右側後輪に標準仕様の車輪ストッパ12を用いれば、両車輪ストッパは、ともにハンドル7が前後の車輪の間に突出して、車輪ブラケット1の外側に突出することがなくなる。したがって、エンジン溶接機の運搬時等に、エンジン溶接機をフォークリフトで持ち上げても、フォークリフトの爪14がハンドル7に当たることはなくなる。
【0047】
なお、上記第2実施例では、左右の後輪だけに車輪ストッパを設けたが、左右の前輪にも車輪ストッパを設けてもよい。その場合は、左側の前輪に標準仕様の車輪ストッパ12を用い、右側の前輪に左ハンドル仕様の車輪ストッパ15を用いれば、前後輪ともに、ハンドル7が前後の車輪の間に突出して、車輪ブラケット1の外側に突出することがなくなり、フォークリフトで持ち上げても、フォークリフトの爪14がハンドル7に当たることはなくなる。
【実施例3】
【0048】
第2実施例では、標準仕様の車輪ストッパと、左ハンドル仕様の車輪ストッパとを組み合わせて用いることにより、ハンドル7が車輪ブラケット1の外側に突出しないようにして、フォークリフトで持ち上げても、フォークリフトの爪14がハンドル7に当たることがないようにしたが、ハンドル7の部分に保護ブラケットを被せて、フォークリフトの爪14がハンドル7に当たらないようにしてもよい。
【0049】
図15は、保護ブラケットを示す図である。
図15において、16aは車輪貫挿孔、16bはハンドル操作用切欠、16cはガード用切欠、16dは車輪ブラケット取付孔、16eは本体取付孔、16fは前後識別用孔、16gはフォークリフト受部である。なお、車輪ブラケット取付孔16dの上面側には、溶接ナットを取り付けている。
【0050】
車輪貫挿孔16aに標準仕様の車輪ストッパ12や左ハンドル仕様の車輪ストッパ15の車輪2を入れ、車輪ブラケット1の取付孔1bと車輪ブラケット取付孔16dにネジを通して固定する。そして、標準仕様の車輪ストッパ12や左ハンドル仕様の車輪ストッパ15を取り付けた保護ブラケット16を環境ベース11aの下面に押し当てながら、本体取付孔16e,16e,・・・にネジを通して、環境ベース11aに取り付ける。
【0051】
ハンドル操作用切欠16bは、ハンドル7を操作する際にそこから手を入れて操作するるためのものである。また、ガード用切欠16cは、車輪ブラケット1に取り付けた固定ピン支持ガード5が保護ブラケット16に当たらないように設けた切欠である。それらのハンドル操作用切欠16bやガード用切欠16cは、点線で示しているように、標準仕様の車輪ストッパ12と左ハンドル仕様の車輪ストッパ15をどのように配置するかに応じて、選択的に設けることができる。
【0052】
また、保護ブラケット16のどちらが前方であるかが一目で分かるように、保護ブラケット16の上面前方に前後識別用孔16fを設けている。そして、保護ブラケット16の両端下面には、折曲げ部を形成してフォークリフト受部16gを設けている。ここに、フォークリフトの爪14を当ててエンジン溶接機を持ち上げれば、ハンドル7にはフォークリフトの爪14が当たらずに作業を行うことができる。
【0053】
次に、この保護ブラケット16を用いた実施例について説明する。
図16は、第3実施例を示す図であり、
図16(A)は、環境ベースより下側を左側から見た図であり、図面左側が前方である。また、
図16(B)は、同じく右側から見た図であり、図面右側が前方である。符号は、
図2及び
図15のものに対応している。
【0054】
この実施例では、左右の後輪に標準仕様の車輪ストッパ12,12を用いており、左右の前輪にはストッパ無し車輪13,13を用いている。そして、保護ブラケット16の、ハンドル7に対向する部分には、ハンドル操作用切欠16b,16bが設けられているので、車輪2の固定,解除を切り替える際には、そこから簡単に手を入れてハンドル7を操作することができる。
【0055】
なお、上記第3実施例では、左右の後輪だけに車輪ストッパを設けたが、左右の前輪にも車輪ストッパを設けてもよい。また、標準仕様の車輪ストッパ12と左ハンドル仕様の車輪ストッパ15を適宜組み合わせて用いてもよい。その場合は、保護ブラケット16の必要箇所に、ハンドル操作用切欠16bやガード用切欠16cを設ける必要がある。
【0056】
また、上記各実施例では、本発明の車輪ストッパを、エンジン溶接機の車輪に適用する場合を例にして説明したが、本発明の車輪ストッパは、それに限定されず、車輪を有する各種装置、あるいは台車等の車輪にも適用可能である。