【実施例】
【0061】
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例により本発明の範囲が限定されるものではない。実施例中の「%」は特に断りのない限り質量%を意味する。
【0062】
<実施例1>
反応容器として、攪拌装置、ディーン・スターク管および冷却管を備えた500mLの四つ口フラスコを用意した。
【0063】
フェノール58.3g(0.62mol)、メシチレン51.9g、および98%硫酸30.6g(0.31mol)を上記反応容器に仕込み、撹拌回転数250rpmで撹拌しながらマイクロ波(周波数2.45GHz、出力230W、マルチモード)を照射することにより、反応系内の温度が150℃になるまで加熱した。反応系内の温度が150℃に達した後で、ディーン・スターク管によって脱水を行ないつつ、反応系内の温度を150℃〜164℃に保ち、5時間40分の間還流を行ない、粗生成物を得た。
【0064】
得られた粗生成物を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(NexeraXR、株式会社島津製作所製)を用いて、下記分析条件により分析した。
【0065】
[分析条件]
カラム:YMC−Pack ODS−A(5μm、6.0mmφ×30cm;株式会社ワイエムシィ製)
カラム温度:40℃
移動相:アセトニトリル/0.05Mリン酸二水素一カリウム緩衝溶液=30/70(v/v)
流量:1.0mL/分
検出波長:225nm
分析の結果、生成物として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(4,4’体)、異性体として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(2,4’体)、副生成物としてトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(tri体)、p−フェノールスルホン酸(PSA)、および、未反応の化合物としてフェノール(PhOH)を検出した。これらの質量比は、4,4’体/2,4’体/tri体/PSA/PhOH=87.4/8.4/2.1/1.8/0.2であった。また、硫酸の使用量に対する4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの収量(対硫酸収率)は、76.8%であった。反応条件を以下の表1に示す。また、結果を以下の表2に示す。
【0066】
<実施例2>
実施例1と同様にして、フェノール58.3g(0.62mol)、クロロベンゼン66.6g、および98%硫酸30.6g(0.31mol)を反応容器に仕込み、撹拌回転数250rpmで撹拌しながらマイクロ波(周波数2.45GHz、出力200W、マルチモード)を照射することにより、反応系内の温度が128℃になるまで加熱した。反応系内の温度が128℃に達した後で、ディーン・スターク管によって脱水を行ないつつ、反応系内の温度を128℃〜132℃に保ち、10時間30分の間還流を行ない、粗生成物を得た。
【0067】
得られた粗生成物を、実施例1と同様にしてHPLCにより分析した。分析の結果、生成物として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(4,4’体)、異性体として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(2,4’体)、副生成物としてトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(tri体)、p−フェノールスルホン酸(PSA)、および、未反応の化合物としてフェノール(PhOH)を検出した。これらの質量比は、4,4’体/2,4’体/tri体/PSA/PhOH=63.6/20.7/0.7/9.7/5.4であった。また、硫酸の使用量に対する4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの収量(対硫酸収率)は、63.2%であった。反応条件を以下の表1に示す。また、結果を以下の表2に示す。
【0068】
<実施例3>
実施例1と同様にして、フェノール58.3g(0.62mol)、デカン43.8g、および98%硫酸30.6g(0.31mol)を反応容器に仕込み、撹拌回転数250rpmで撹拌しながらマイクロ波(周波数2.45GHz、出力230W、マルチモード)を照射することにより、反応系内の温度が147℃になるまで加熱した。反応系内の温度が147℃に達した後で、ディーン・スターク管によって脱水を行ないつつ、反応系内の温度を147℃〜174℃に保ち、6時間還流を行ない、粗生成物を得た。
【0069】
得られた粗生成物を、実施例1と同様にしてHPLCにより分析した。分析の結果、生成物として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(4,4’体)、異性体として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(2,4’体)、副生成物としてトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(tri体)、p−フェノールスルホン酸(PSA)、および、未反応の化合物としてフェノール(PhOH)を検出した。これらの質量比は、4,4’体/2,4’体/tri体/PSA/PhOH=81.9/7.6/6.0/2.6/1.9であった。また、硫酸の使用量に対する4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの収量(対硫酸収率)は、75.8%であった。反応条件を以下の表1に示す。また、結果を以下の表2に示す。
【0070】
<実施例4>
実施例1と同様にして、フェノール58.3g(0.62mol)、メシチレン51.9g、ホウ酸1.0g(0.02mol)、および98%硫酸30.6g(0.31mol)を反応容器に仕込み、撹拌回転数250rpmで撹拌しながらマイクロ波(周波数2.45GHz、出力230W、マルチモード)を照射することにより、反応系内の温度が150℃になるまで加熱した。反応系内の温度が150℃に達した後で、ディーン・スターク管によって脱水を行ないつつ、反応系内の温度を150℃〜164℃に保ち、5時間還流を行ない、粗生成物を得た。
【0071】
得られた粗生成物を、実施例1と同様にしてHPLCにより分析した。分析の結果、生成物として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(4,4’体)、異性体として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(2,4’体)、副生成物としてトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(tri体)、p−フェノールスルホン酸(PSA)、および、未反応の化合物としてフェノール(PhOH)を検出した。これらの質量比は、4,4’体/2,4’体/tri体/PSA/PhOH=91.4/4.6/1.6/0.5/1.9であった。また、硫酸の使用量に対する4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの収量(対硫酸収率)は、87.6%であった。反応条件を以下の表1に示す。また、結果を以下の表2に示す。
【0072】
<実施例5>
実施例1と同様にして、フェノール58.3g(0.62mol)、メシチレン51.9g、ホウ酸0.2g(0.0032mol)、および98%硫酸30.6g(0.31mol)を反応容器に仕込み、撹拌回転数250rpmで撹拌しながらマイクロ波(周波数2.45GHz、出力230W、マルチモード)を照射することにより、反応系内の温度が150℃になるまで加熱した。反応系内の温度が150℃に達した後で、ディーン・スターク管によって脱水を行ないつつ、反応系内の温度を150℃〜164℃に保ち、5時間10分の間還流を行ない、粗生成物を得た。
【0073】
得られた粗生成物を、実施例1と同様にしてHPLCにより分析した。分析の結果、生成物として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(4,4’体)、異性体として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(2,4’体)、副生成物としてトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(tri体)、p−フェノールスルホン酸(PSA)、および、未反応の化合物としてフェノール(PhOH)を検出した。これらの質量比は、4,4’体/2,4’体/tri体/PSA/PhOH=92.5/4.1/1.9/0.8/0.8であった。また、硫酸の使用量に対する4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの収量(対硫酸収率)は、91.4%であった。反応条件を以下の表1に示す。また、結果を以下の表2に示す。
【0074】
<実施例6>
実施例1と同様にして、フェノール58.3g(0.62mol)、クロロベンゼン66.6g、ホウ酸1.0g(0.02mol)、および98%硫酸30.6g(0.31mol)を反応容器に仕込み、撹拌回転数250rpmで撹拌しながらマイクロ波(周波数2.45GHz、出力200W、マルチモード)を照射することにより、反応系内の温度が128℃になるまで加熱した。反応系内の温度が128℃に達した後で、ディーン・スターク管によって脱水を行ないつつ、反応系内の温度を128℃〜132℃に保ち、7時間30分の間還流を行ない、粗生成物を得た。
【0075】
得られた粗生成物を、実施例1と同様にしてHPLCにより分析した。分析の結果、生成物として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(4,4’体)、異性体として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(2,4’体)、副生成物としてトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(tri体)、p−フェノールスルホン酸(PSA)、および、未反応の化合物としてフェノール(PhOH)を検出した。これらの質量比は、4,4’体/2,4’体/tri体/PSA/PhOH=87.4/9.1/1.6/0.2/1.7であった。また、硫酸の使用量に対する4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの収量(対硫酸収率)は、83.4%であった。反応条件を以下の表1に示す。また、結果を以下の表2に示す。
【0076】
<実施例7>
実施例1と同様にして、フェノール58.3g(0.62mol)、デカン43.8g、ホウ酸1.0g(0.02mol)、および98%硫酸30.6g(0.31mol)を反応容器に仕込み、撹拌回転数250rpmで撹拌しながらマイクロ波(周波数2.45GHz、出力230W、マルチモード)を照射することにより、反応系内の温度が147℃になるまで加熱した。反応系内の温度が147℃に達した後で、ディーン・スターク管によって脱水を行ないつつ、反応系内の温度を147℃〜174℃に保ち、6時間還流を行ない、粗生成物を得た。
【0077】
得られた粗生成物を、実施例1と同様にしてHPLCにより分析した。分析の結果、生成物として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(4,4’体)、異性体として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(2,4’体)、副生成物としてトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(tri体)、p−フェノールスルホン酸(PSA)、および、未反応の化合物としてフェノール(PhOH)を検出した。これらの質量比は、4,4’体/2,4’体/tri体/PSA/PhOH=88.5/3.5/6.5/1.3/0.1であった。また、硫酸の使用量に対する4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの収量(対硫酸収率)は、77.4%であった。反応条件を以下の表1に示す。また、結果を以下の表2に示す。
【0078】
<比較例1>
フェノール58.3g(0.62mol)、メシチレン51.9g、および98%硫酸30.6g(0.31mol)を、実施例1と同様の反応容器に仕込み、撹拌回転数250rpmで撹拌しながら、180℃のオイルバスにより、反応容器の中心部の温度が150℃になるまで加熱した。上記温度が150℃に達した後で、ディーン・スターク管によって脱水を行ないつつ、上記温度を150℃〜164℃に保ち、5時間40分の間還流を行ない、粗生成物を得た。
【0079】
得られた粗生成物を、実施例1と同様にしてHPLCにより分析した。分析の結果、生成物として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(4,4’体)、異性体として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(2,4’体)、副生成物としてトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(tri体)、p−フェノールスルホン酸(PSA)、および、未反応の化合物としてフェノール(PhOH)を検出した。これらの質量比は、4,4’体/2,4’体/tri体/PSA/PhOH=67.8/13.8/1.4/11.5/5.5であった。また、硫酸の使用量に対する4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの収量(対硫酸収率)は、67.6%であった。反応条件を以下の表1に示す。また、結果を以下の表2に示す。
【0080】
<比較例2>
フェノール58.3g(0.62mol)、クロロベンゼン66.6g、および98%硫酸30.6g(0.31mol)を、実施例1と同様の反応容器に仕込み、撹拌回転数250rpmで撹拌しながら、170℃のオイルバスにより、反応容器の中心部の温度が128℃になるまで加熱した。上記温度が128℃に達した後で、ディーン・スターク管によって脱水を行ないつつ、上記温度を128℃〜132℃に保ち、10時間30分の間還流を行ない、粗生成物を得た。
【0081】
得られた粗生成物を、実施例1と同様にしてHPLCにより分析した。分析の結果、生成物として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(4,4’体)、異性体として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(2,4’体)、副生成物としてトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(tri体)、p−フェノールスルホン酸(PSA)、および、未反応の化合物としてフェノール(PhOH)を検出した。これらの質量比は、4,4’体/2,4’体/tri体/PSA/PhOH=52.8/23.5/0.5/16.3/7.0であった。また、硫酸の使用量に対する4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの収量(対硫酸収率)は、55.9%であった。反応条件を以下の表1に示す。また、結果を以下の表2に示す。
【0082】
<比較例3>
フェノール58.3g(0.62mol)、デカン43.8g、および98%硫酸30.6g(0.31mol)を、実施例1と同様の反応容器に仕込み、撹拌回転数250rpmで撹拌しながら、190℃のオイルバスにより、反応容器の中心部の温度が147℃になるまで加熱した。上記温度が147℃に達した後で、ディーン・スターク管によって脱水を行ないつつ、上記温度を147℃〜174℃に保ち、6時間還流を行ない、粗生成物を得た。
【0083】
得られた粗生成物を、実施例1と同様にしてHPLCにより分析した。分析の結果、生成物として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(4,4’体)、異性体として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(2,4’体)、副生成物としてトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(tri体)、p−フェノールスルホン酸(PSA)、および、未反応の化合物としてフェノール(PhOH)を検出した。これらの質量比は、4,4’体/2,4’体/tri体/PSA/PhOH=79.5/7.6/3.0/8.5/1.5であった。また、硫酸の使用量に対する4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの収量(対硫酸収率)は、71.5%であった。反応条件を以下の表1に示す。また、結果を以下の表2に示す。
【0084】
<比較例4>
反応容器として、攪拌装置、および冷却管を備えた500mLの四つ口フラスコを用意した。
【0085】
フェノール58.3g(0.62mol)、メシチレン51.9g、および98%硫酸30.6g(0.31mol)を、上記反応容器に仕込み、撹拌回転数250rpmで撹拌しながら、マイクロ波(周波数2.45GHz、出力230W、マルチモード)を照射することにより、反応系内の温度が150℃になるまで加熱した。反応系内の温度が150℃に達した後で、脱水を行わずに、5時間40分の間還流を行ない、粗生成物を得た。
【0086】
得られた粗生成物を、実施例1と同様にしてHPLCにより分析した。分析の結果、生成物として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(4,4’体)、異性体として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(2,4’体)、副生成物としてトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(tri体)、p−フェノールスルホン酸(PSA)、および、未反応の化合物としてフェノール(PhOH)を検出した。これらの質量比は、4,4’体/2,4’体/tri体/PSA/PhOH=5.8/3.7/1.3/69.8/19.3であった。また、硫酸の使用量に対する4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの収量(対硫酸収率)は、4.8%であった。反応条件を以下の表1に示す。また、結果を以下の表2に示す。
【0087】
<比較例5>
フェノール58.3g(0.62mol)、クロロベンゼン66.6g、および98%硫酸30.6g(0.31mol)を、比較例4と同様の反応容器に仕込み、撹拌回転数250rpmで撹拌しながら、マイクロ波(周波数2.45GHz、出力200W、マルチモード)を照射することにより、反応系内の温度が128℃になるまで加熱した。反応系内の温度が128℃に達した後で、脱水を行わずに、10時間30分の間還流を行ない、粗生成物を得た。
【0088】
得られた粗生成物を、実施例1と同様にしてHPLCにより分析した。分析の結果、生成物として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(4,4’体)、異性体として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(2,4’体)、副生成物としてトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(tri体)、p−フェノールスルホン酸(PSA)、および、未反応の化合物としてフェノール(PhOH)を検出した。これらの質量比は、4,4’体/2,4’体/tri体/PSA/PhOH=3.8/2.4/0.1/74.7/19.0であった。また、硫酸の使用量に対する4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの収量(対硫酸収率)は、3.1%であった。反応条件を以下の表1に示す。また、結果を以下の表2に示す。
【0089】
<比較例6>
フェノール58.3g(0.62mol)、デカン43.8g、および98%硫酸30.6g(0.31mol)を、比較例4と同様の反応容器に仕込み、撹拌回転数250rpmで撹拌しながら、マイクロ波(周波数2.45GHz、出力230W、マルチモード)を照射することにより、反応系内の温度が147℃になるまで加熱した。反応系内の温度が147℃に達した後で、脱水を行わずに、6時間還流を行ない、粗生成物を得た。
【0090】
得られた粗生成物を、実施例1と同様にしてHPLCにより分析した。分析の結果、生成物として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(4,4’体)、異性体として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(2,4’体)、副生成物としてトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(tri体)、p−フェノールスルホン酸(PSA)、および、未反応の化合物としてフェノール(PhOH)を検出した。これらの質量比は、4,4’体/2,4’体/tri体/PSA/PhOH=10.0/5.5/0.05/57.8/26.5であった。また、硫酸の使用量に対する4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの収量(対硫酸収率)は、10.0%であった。反応条件を以下の表1に示す。また、結果を以下の表2に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
溶媒としてメシチレンを使用した実施例1と比較例1との対比から、加熱手段としてマイクロ波を使用することにより、オイルバスを使用する場合に比べて、脱水縮合反応の反応速度が高まり、同じ反応時間で、4,4’体の収率が向上することが示された。溶媒としてクロロベンゼンを使用した実施例2と比較例2との対比、および、溶媒としてデカンを使用した実施例3と比較例3との対比からも、同様の結果が得られた。
【0094】
溶媒としてメシチレンを使用した実施例1と実施例4、5との対比から、ホウ酸を使用することにより反応速度が一層高まり、短い反応時間で4,4’体を高収率で得られることが示された。溶媒としてクロロベンゼンを使用した実施例2と実施例6との対比からも、同様の結果が得られた。また、溶媒としてデカンを使用した実施例3と実施例7との対比からも、ホウ酸を使用することにより、4,4’体を高収率で得られることが示された。
【0095】
また、実施例5の結果から、ホウ酸の使用量は、硫酸に対して僅か1モル%であっても、良好な触媒効果が得られることが示された。
【0096】
実施例1と比較例4との対比から、反応により生成した水を除去しない場合は、脱水縮合反応の反応速度が低下し、4,4’体の収率が著しく低下することが分かった。溶媒としてクロロベンゼンを使用した実施例2と比較例5との対比、および、溶媒としてデカンを使用した実施例3と比較例6との対比からも、同様の結果が得られた。