【解決手段】ハウジング孔を備えるハウジングアッセンブリ102と、ハウジング孔に挿設される軸部アッセンブリ101と、ハウジングアッセンブリと軸部アッセンブリとの間に挿設されるカムアッセンブリとを含む。ハウジングアッセンブリの内壁は第1の溝を備え、カムアッセンブリは第2の溝を備え、軸部アッセンブリの突起は同時に第1の溝及び第2の溝に摺動する。第1の溝は、ハウジングアッセンブリの周方向に沿って延在する周方向部分と、ハウジングアッセンブリの第1の軸方向に沿って延在する軸方向部分と、第1の溝の周方向部分と第1の溝の軸方向部分との間に円弧状に移行する湾曲部分とを備え、第2の溝は、ハウジングアッセンブリの周方向に沿って延在する周方向部分と、第2の溝の周方向部分から第1の軸方向と反対する第2の軸方向に沿って延在する傾斜部分とを備える。
前記第1の溝は、軸方向部分の末端により形成された第1の端と、周方向部分の末端により形成された第2の端とを含み、前記第2の溝は、傾斜部分の末端により形成された第1の端と、周方向部分の末端により形成された第2の端とを含み、
前記軸部アッセンブリが前記ロック解除位置に位置する場合、前記軸部アッセンブリの突起は、前記第1の溝の第2の端及び前記第2の溝の第1の端に位置し、
前記軸部アッセンブリが前記ロック位置に位置する場合、前記軸部アッセンブリの突起は、前記第1の溝の第1の端及び前記第2の溝の第2の端に位置することを特徴とする請求項1に記載のラッチ。
前記第2の溝の傾斜部分は、前記第2の溝の周方向部分から離れた一端において、前記ハウジングアッセンブリの第2の軸方向に沿って延在する軸方向部分を含むことを特徴とする請求項1に記載のラッチ。
前記軸部アッセンブリが前記ロック解除位置と前記ロック位置との間の移行位置に位置する場合、前記軸部アッセンブリの突起は、前記第1の溝の湾曲部分及び前記第2の溝の軸方向部分に位置することを特徴とする請求項4に記載のラッチ。
前記軸部アッセンブリと前記カムアッセンブリとの間には、前記軸部アッセンブリを前記ハウジングアッセンブリの第1の端部から突出する方向に付勢するように、弾性部件が設けられることを特徴とする請求項1に記載のラッチ。
前記第2の溝は、前記突起の戻し移動を防止するように、前記周方向に沿うと共に、前記第2の軸方向に沿って前記第2の溝の周方向部分の末端から延在する逆傾斜部分を含むことを特徴とする請求項1に記載のラッチ。
前記カムアッセンブリの外面は、配向孔を備え、前記配向孔は、前記カムアッセンブリの回転を駆動するように、ロック解除ツールが前記配向孔により所定の方向に沿って前記カムアッセンブリの内部のロック解除機能部にアクセスし、または、前記ロック解除機能部から離れることを許可し、
前記ロック解除ツールが前記所定の方向に沿って前記カムアッセンブリから離れ且つ前記ラッチがロック位置に位置する場合、前記軸部アッセンブリの突起は、前記第2の溝の周方向部分に位置することを特徴とする請求項1に記載のラッチ。
前記カムアッセンブリの上面には、前記ラッチのロック位置またはロック解除位置を指示するための視認可能な識別部が設けられることを特徴とする請求項1に記載のラッチ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書において特定の実施形態を参考して本発明を説明するが、本発明は、示される細部に限定されるべきではない。具体的には、請求の範囲の均等な技術案の範囲内で本発明から逸脱しない場合、これらの細部に対して様々な変更を行うことができる。
【0020】
本明細書に係る「前」、「後」、「上」、「下」などの方向の説明は、理解を容易にするためのものであり、本発明は、これらの方向に限定されない、実際の状況に応じて調整することができる。
【0021】
以下、図面を参照すると、
図1A〜1Cは、本発明の技術案に係る例示性的なラッチ100を示す図である。
図2A〜2Cは、本発明の技術案に係る例示性的なロック解除ツール200を示す図である。ラッチ100は、第2の物品400に対して第1の物品300を固定するように構成される。ロック解除ツール200は、ラッチ100を操作して、そのラッチ100をロック位置またはロック解除位置に位置させるものである。
【0022】
図2A〜2Cに示すように、ロック解除ツール200は、レバー210と、ロック解除操作部230とを含む。ロック解除操作部230は、ラッチ100のロック解除機能部161にアクセスして操作することを容易にするように、そのロック解除機能部161に対応する特定形状を有し、詳しくは後述する。レバー210は、使用者が高負荷環境でのラッチ100を操作できるように、より大きいトルクを提供するためのものである。
【0023】
図3を参照すると、ラッチ100は、パウル110と、軸120と、ピン124と、ハウジング130と、スリーブ140と、カム150と、キャップ160と、ブッシュ170と、第1の軸位置決めナット181と、第2の軸位置決めナット182と、リベット183と、ハウジング位置決めナット184と、ワッシャー185と、Oリング186と、シール187と、スプリング189と、Oリング191と、保持リング192と、を含む。
【0024】
ラッチ100の各部品の間の装着関係に基づいて、ラッチ100は、パウル110と軸120とピン124とを含む軸部アッセンブリ101と、ハウジング130とスリーブ140とブッシュ170とを含むハウジングアッセンブリ102と、カム150とキャップ160と含むカムアッセンブリ103と、を含んでもよい。ラッチ100のその他の細部は、後述する。
【0025】
軸部アッセンブリ
まず、図面を参照して軸部アッセンブリ101を説明する。その軸部アッセンブリ101は、パウル110と、軸120とを含む。
図4A〜4Cは、それぞれ本発明のラッチのパウル110の側面図、平面図及び斜視図である。
図6A〜6Cは、それぞれ本発明のラッチの軸120の側面図、平面図及び斜視図である。
【0026】
以下、
図6A〜6Cを参照して軸120の具体的な構造を説明する。軸120は、少なくとも部分的にハウジング130内に取り付けられる。軸120は、ハウジング130の縦方向軸線に沿って延在する。軸120は、ハウジング130に対して縦方向軸線を中心に回転可能に取り付けられる。図に示すように、軸120は、軸120がハウジング130内に邪魔されることなく回転できるように、円形であってもよい。
【0027】
軸120は、ハウジング130に対して軸方向に移動可能に取り付けられる。軸120は、ピン孔123を含み、そのピン孔123は、径方向に延在し且つ軸120の本体を貫通する。ピン孔123の形状は、軸120を貫通するピン124を収容できるように形成されており、詳しくは後述する。
【0028】
軸120は、その一端の外周に軸ネジ121を有し、第1の軸位置決めナット181と第2の軸位置決めナット182によりパウル110に固定される。軸120がパウル110に固定され場合、両者がなす角度は、ほぼ直角である。しかしながら、当業者は、具体的な応用環境に適合するように、軸120とパウル110のなす角度が他の角度であってもよい、それが本発明の範囲から逸脱しない、と理解すべきである。
【0029】
以下、
図4A〜4Cを参照してパウル110の具体的な構造を説明する。パウル110は、ラッチ100を第2の物品400に当接するための部品である。図に示すように、パウル110は、平坦な表面を有するブロック状の部品であり、当該パウル110において、軸位置決め孔111とリベット孔112とを含む複数の貫通孔が設けられる。
【0030】
軸位置決め孔111は、軸120の軸キー部121に対応する形状を有する。軸120がパウル110の軸位置決め孔111に挿入されると、パウル110は、軸110と相対回転不能に係合する。例示的な実施例において、パウル110は、第1の軸位置決めナット181と第2の軸位置決めナット182により軸120の一端に固定的に接続される。第2の軸位置決めナット182とパウル110との間にワッシャーを追加して、パウル110を軸120に適切に固定することができる。
【0031】
リベット孔112は、リベット183を受け入れるためのものである。実際の応用に応じて、例えば、第2の物品400の厚さに応じて、リベット183は、異なる位置に位置決められてもよい、これにより、ラッチ100がロック位置にある場合、リベット183は、第2の物品400に当接して、ラッチ100と第2の物品400との間に所望の圧力を生成する。
【0032】
パウル110は、ロック位置とロック解除位置との間に移動してもよい。パウル110は、軸120の回転及び軸方向の移動により、ロック位置とロック解除位置との間に移動する。ロック位置において、パウル110は、第2の物品400と係合し、第2の物品400に対して第1の物品300を固定する。ロック解除位置において、パウル110は、第2の物品400から分離し、第2の物品400に対する第1の物品300の相対移動を許可する。
【0033】
ピン124は、ハウジング130の縦方向または軸方向に対して軸120の径方向に沿って外側へ延在する。ピン124は、軸120に形成されるピン孔123内に挿入されると共に、第1の溝141及び第2の溝151により受け入れられる。その結果、軸120は、ピン124と第1の溝141及び第2の溝151との係合により限定される経路内での回転または軸方向の移動に制限され、詳しくは後述する。
【0034】
例示的な実施例において、ピン124は、軸120の直径方向に延在して軸120のピン孔123を貫通する柱である。柱の長さは、軸120のいずれか一側に直径方向に沿って対向するピンを形成するのに十分な長さである。
【0035】
上記の実施例において、軸部アッセンブリ101の各部品をネジ及びナット、挿入装着などの方式により一緒に組み立てられるものとして説明したが、軸部アッセンブリ101の各部品は、例えば、溶接などの方式により一緒に組み立てられてもよい、または、一体物として形成してもよい。
【0036】
ハウジングアッセンブリ
以下、図面を参照してハウジングアッセンブリ102を説明する。当該ハウジングアッセンブリ102は、ハウジング130と、スリーブ140と、ブッシュ170とを含む。
図5A〜5Cは、それぞれ本発明のラッチのハウジングの側面図、平面図及び斜視図である。
図7A〜7Dは、それぞれ本発明のラッチのスリーブの正面図、側面図、平面図及び斜視図である。
【0037】
ハウジング130は、ラッチ100の部品を収容する。ハウジング130は、第1の物品300と係合するように構成される。例示的な実施例において、ハウジング130は、本体部分を備え、本体部分は、第1の物品300の貫通孔内に装着されることができる寸法を有する。ハウジング130は、本体部分の外面の周りに周方向に延在するフランジ131をさらに含む。フランジ131の寸法は、ハウジング130の本体部分が第1の物品300の貫通孔内に受け入れられる場合、フランジ131が第1の物品300の内面または外面に接触するように設定されている。
【0038】
一実施例において、ハウジング130は、ハウジング位置決めナット184により第1の物品300と係合される。ハウジング位置決めナット184は、第1の物品300がフランジ131とハウジング位置決めナット184との間にクランプされるように、本体部分の外面に形成されるハウジングネジ132に捩じ込まれる。第1の物品300とハウジング位置決めナット184との間にワッシャー185を追加して、ラッチ100の第1の物品300への適切な固定を形成してもよい。また、第1の物品300とハウジング130のフランジ131との間にシール187を追加して、液体またはほこりなどの外部成分がチャンバーの内部に侵入することを防止する。チャンバー内でハウジング位置決めナット184を使用して、ラッチ100を第1の物品300に固定し、これは、ラッチ100が第1の物品300から不正に取り外されることを有利に防止する。
【0039】
代替的には又は追加的には、ハウジング130は、任意の他の方式により第1の物品300と係合してもよい、その他の方式は、例えば、本体部分の第1の物品300の貫通孔内での摩擦またはネジによる装着、または、フランジ131を第1の物品300の表面に接着することを含む。例えば、ねじ及びブラケットなどの締結具は、特定の装着配置に使用されてもよい。さらに、ハウジング130の一部または全部は、第1の物品300と一体の部品を形成してもよい。
【0040】
ハウジング130の本体部分は、縦方向軸線に沿って延在し、ハウジング130の軸方向を限定する。図に示すように、縦方向軸線は、通常に、第1の物品300の平面に垂直な方向に延在する。ただし、本明細書の記載から理解されるように、前記縦方向軸線は、第1の物品300に対して傾斜角度で延在してもよい、さらに、前記縦方向軸線の方向は、これに限定されない。
【0041】
ハウジング130の本体部分は、その中にハウジング孔135を有し、ハウジング孔135は、縦方向軸線に沿って延在する。以下に説明するように、ハウジング孔135は、ラッチ100の部品を収容することができる寸法を有する。
図5Cに示すように、ハウジング孔135は、ハウジング切欠き136をさらに含む。ハウジング切欠き136は、ハウジングの内側壁に設置される。ハウジング切欠き136は、ブッシュキー171を受け入れるためのものである。ハウジング切欠き136とブッシュキー171との係合により、ハウジング130は、ブッシュ170の時計回りの回転を阻止し、即ち、ハウジング130は、ブッシュ170と相対回転不能に係合し、以下、より詳細に説明する。
【0042】
スリーブ140は、ハウジング130と軸120との間に介在するハウジング孔135内に位置決められる。したがって、スリーブ140は、孔を限定し、軸120は、当該孔に位置決められる。
【0043】
スリーブ140は、スリーブ140がハウジング130に対して回転することを防止するように、ハウジング130内に装着される。例示的な実施例において、スリーブ140は、ハウジング130におけるハウジング切欠き136に係合するように位置決められる1つまたは複数のスリーブキー142を含む。スリーブキー142及びハウジング切欠き136は、止め具、突起、溝または本明細書に記載される領域で当業者に知られている任意の他の回転防止構造であってもよい。
【0044】
スリーブ140は、一対の第1の溝141を有する。第1の溝141の寸法は、その第1の溝141においてピン124を受け入れると共に、ピン124が各第1の溝141に沿って軸方向および/または周方向に移動することを許可するように設定される。例示的な実施例において、第1の溝141は、略L字形であり、ハウジングアッセンブリ101の軸方向に沿って延在する軸方向部分141aと、ハウジングの周方向に沿って延在する周方向部分141cと、軸方向部分141aと周方向部分141cとの間に円弧状に移行する湾曲部分141bとを含む。第1の溝141の軸方向部分141aの端部は、第1の溝141の第1の端141dが形成され、第1の溝141の周方向部分141cの端部は、第1の溝141の第2の端141eが形成される。例示的な実施例において、第1の溝141の第1の端141dと第2の端141eは、周方向に約90°離隔し、且つ第1の端141dは、第2の端141eよりもロック解除ツール200がラッチ100にアクセスする位置に近接し、第2の端141eは、第1の端141dよりも軸120がハウジング130から突出する位置に近接する。ラッチ100の開閉操作中に、第1の溝141は、軸120のハウジング内での移動を案内し、以下、より詳細に説明する。
【0045】
ブッシュ170は、ハウジング130のハウジング孔135内に装着される。ブッシュ170は、ハウジング130に固定嵌合される。ブッシュ170は、上面と、从上面から下方に延在する円筒形の側壁とを含む。
図10Dに示すように、ブッシュ170は、その上面に配向孔173を含む。配向孔173は、キャップ160のロック解除機能部161と重なる。したがって、配向孔173は、ラッチ100を開閉することができるように、ロック解除機能部161及び駆動面123へのアクセスを提供する。
【0046】
一実施例において、異形孔173は、ロック解除ツール200が2つの特定の角度に沿ってラッチ100にアクセスし且つラッチ100から離れることを許可するように、軸方向に対向する2つの開口を形成してもよい。例えば、ロック解除ツールは、キャップ160のロック解除機能部にアクセスするように、異形孔173の一方の開口によりラッチ100に入り、キャップ160を周方向に180°回転させた後、異形孔173の他方の開口によりラッチ100から出る。その結果、キャップ160を180°回転させてラッチ100をロックまたはロック解除する必要がある場合、ロック解除ツール200は、ラッチ100を完全にロックまたはロック解除した後にのみ、ラッチ100から離れることができ、ラッチ100を完全にロックまたはロック解除することができないときに、ロック解除ツール200を意図せず除去することを防止する。
【0047】
ブッシュ170は、ブッシュキー171をさらに含む。ブッシュキー171は、ブッシュの上面におけるハウジング130に向く一部により形成される。ブッシュキー171は、ハウジング130のフランジ切欠き134に嵌合して、ブッシュ170とハウジング130との相対回転を阻止する。
【0048】
ブッシュ170がハウジング130に対して軸方向に移動することを防止することができる。例示的な実施例において、ハウジング130の内壁は、環状溝を含み、ブッシュ170は、ブッシュ溝172を含む。保持リング192は、ハウジング130の内壁の溝とブッシュ溝172に位置決めされ、ブッシュ170が軸方向に移動してハウジング孔135から出ることを防止する。保持リング192は、完全なリングまたは開口を有するリングに形成されてもよい。
【0049】
上記の実施例において、ハウジングアッセンブリ102の各部品を被描述為通過キー及び切欠きにより一緒に組み立てられるものとして説明したが、ハウジングアッセンブリ102の各部品は、例えば、溶接などの方式により一緒に組み立てられてもよい、または、一体物として形成してもよい。
【0050】
カムアッセンブリ
図面を参照してカムアッセンブリ103を説明し、当該カムアッセンブリ103は、カム150と、キャップ160と、ブッシュ170とを含む。
図8A〜8Dは、それぞれ本発明のラッチのカムの正面図、側面図、平面図及び斜視図であり、
図9A〜9Dは、それぞれ本発明のラッチのキャップの正面図、側面図、平面図及び斜視図であり、
図10A〜10Dは、それぞれ本発明のラッチのブッシュの正面図、平面図、底面図及び斜視図である。
【0051】
カム150は、スリーブ140と軸120との間に介在するスリーブ140内に位置決められる。カム150は、スリーブ140に対して縦方向軸線を中心に回転するように、スリーブ140内に取り付けられる。特に、カム150は、キャップ160と一緒に回転可能に取り付けられる。例示的な実施例において、カム150は、キャップ160の下面におけるキャップ切欠き162に嵌合するように位置決められる1つまたは複数のカムキー151を含む。カムキー151及びキャップ切欠き162は、止め具、突起、溝または本明細書に記載される領域で当業者に知られている任意の他の回転防止構造であってもよい。
【0052】
カム150は、一対の第2の溝151を有する。第2の溝151の寸法は、その第2の溝151においてピン124を受け入れると共に、ピン124が各第2の溝151に沿って軸方向および/または周方向に移動することを許可するように設定される。第2の溝151は、略弧状であり、ハウジングアッセンブリ101の軸方向に沿って延在する軸方向部分151aと、ハウジングアッセンブリの周方向に沿って延在する周方向部分151cと、軸方向部分151aと周方向部分151cとの間に傾斜に移行する傾斜部分151bとを備える。第2の溝151の軸方向部分151aの端部は、第2の溝151の第1の端151dが形成され、第2の溝151の周方向部分151cの端部は、第2の溝151の第2の端151eが形成される。例示的な実施例において、第2の溝151の第1の端151dと第2の端151eは、周方向に180°離隔し、且つ第1の端151dは、第2の端151eよりも軸120がハウジング130から突出する位置に近接し、第2の端151eは、第1の端151dよりもロック解除ツール200がラッチ100にアクセスする位置に近接する。ラッチ100の開閉操作中に、第1の溝141、第2の溝151により、軸120のハウジング130内での移動を案内し、以下、より詳細に説明する。
【0053】
カム150をキャップ160から分離された部品として説明したが、本発明は、それに限定されない。代替的には、カム150の全部または一部は、与キャップ160と一体に形成されてもよい、または、一体物に形成されてもよい。このような構造は、ラッチ100の全体的な突出をさらに最小化するように、望ましいものである可能性がある。
【0054】
また、カム150をスリーブ140内に位置決められるものとして説明したが、本発明は、それに限定されない。代替的には、カム150は、スリーブ140がカム150と軸120との間に介在するように、スリーブ140の外側に位置決められてもよい、これは、本発明の範囲から逸脱しない。このような実施例において、スリーブ140は、キーでキャップ160に接続されてもよい、または、キャップ160と一体に形成されてもよい、さらに、カム150は、キーでハウジング130に接続されてもよい、または、ハウジング130と一体に形成されてもよい、これは、本発明の範囲から逸脱しない。
【0055】
当該実施例において、スリーブ140は、両側に直径方向に対向する一対の第1の溝141を含み、カム150は、両側に直径方向に対向する一対の第2の溝151を含む。したがって、本明細書は、第1の溝141、第2の溝151、ピン124の対に係り、ラッチ100の操作を説明したが、当業者は、本発明の範囲から逸脱しない場合、1つ、2つまたはそれ以上の対応する溝及びピンを使用することができることを理解すべきである。
【0056】
キャップ160は、ハウジング130のハウジング孔135内に取り付けられる。キャップ160は、ハウジング130に固定されないため、縦方向軸線を中心にハウジング130に対して回転することができる。
図9Dに示すように、キャップ160は、その上端に少なくとも1つのロック解除機能部161を含む。ロック解除機能部161は、縦方向軸線に沿って延在すると共に、キャップ160を回転させるための駆動面を形成する。キャップ160がハウジング130内に取り付けられる場合、ロック解除機能部161の駆動面は、ユーザーが例えば、ロック解除ツール200を使用してキャップ160を駆動または回転させるように、アクセス可能である。ロック解除機能部161は、ロック解除ツール200の形状に対応する形状を有するように形成されてもよい。この場合、ロック解除機能部161の駆動面に係合するための対応するキーがない場合、キャップ160は、ハウジング130に対して容易に回転しない。
【0057】
一実施例において、液体またはほこりの外部成分が本体部分の内部に侵入することを防止するように、キャップ160の外周面には、キャップシール溝163が形成され、且つ、ハウジング130とキャップ160との間にOリング191などのシールを追加してもよい。
【0058】
一実施例において、キャップ160の上面には、識別部164が形成されても良い。図に示すように、識別部164は、ロック解除機能部161の中心に形成されているが、識別部164は、他の位置に形成されても良い、例えば、ロック解除機能部の一側に形成される。識別部164は、使用者が、ラッチ100がロック位置またはロック解除位置にあることを容易に了解するように、使用者に視覚的な提示を提供する。一実施例において、識別部164は、視覚的な提示をより有利に提供するように、色を有しても良い、例えば、識別部164の両端に異なる色で塗られる。
【0059】
また、スプリング189は、軸120を下方に付勢して、軸120に位置決められるピン124をカム150のカム溝151の下縁に押し付ける。例示的な実施例において、スプリング189は、キャップ160の下側と軸120との間に位置決められる圧縮スプリングである。スプリングは、例えば、圧縮スプリング、ウェーブスプリング、ベルビルワッシャー、弾性体スプリングおよび/または円錐スプリングなどの1つまたは複数の部件を含んでもよい。例示的な実施例において、キャップ160の全体の高度を低減又はさらに低減するように、スプリング189の上端は、キャップ160の下側の溝内に設置され、スプリング189の下端は、軸120内の溝内に設置される。
【0060】
ラッチ100の動作
図12A〜
図14Fを参照してラッチ100の例示的な動作を以下に説明する。一部の図面において、ラッチ100の部品の機能をより良く示すように、第1の物品300、第2の物品400及びハウジング130を示さない。例示的な動作は、キャップの反時計回りの回転を示すが、本明細書に記載される動作は、キャップの時計回りの回転として代替的に実施されてもよい。
【0061】
図12A〜
図12Fは、ロック位置にあるラッチ100を示す。図に示すように、このとき、使用者は、ロック解除ツール200によりキャップ160を選択しない、ピン124は、第1の溝141の第1の端141d及び第2の溝151の第2の端151eに位置する。
【0062】
ブッシュ170の配向孔173は、ロック解除ツール200がロック解除機能部161に挿入されることを許可するように、キャップ160のロック解除機能部161に位置合わせされる。
【0063】
この階段では、ラッチ100を開くために、ユーザーは、ロック解除ツール200を配向孔173を貫通してロック解除機能部161に挿入し、ロック解除ツール200の回転を開始する。キャップ160を回転させて、キャップ160がブッシュ170及びハウジング130に対して移動することを許可するが、ブッシュ170を移動させない。キャップ160を回転させるのは、まだ、例えば、カムキー151及びキャップ切欠き162によるカム150の対応する回転を引き起こす。カム150が回転する場合、カム150の円弧状の第2の溝151は、軸方向及び周方向に沿ってピン124に対して力を加える。L字形第1の溝141の軸方向部分141aは、ピン124が軸方向に沿って移動することを許可すると共に、ピン124が周方向に沿って移動することを防止する。その結果、キャップ160及びカム150のロック位置からの回転は、ピン124及び対応する軸120を軸方向のみに移動させて、キャップ160(スプリング189の付勢下で)から離れさせる。軸120の軸方向の移動は、パウル110を軸方向下方に移動させて、第2の物品400から離れさせる。ピン124の軸方向の移動は、ピン124がL字形第1の溝141の湾曲部分141bに到達するまで継続する。
【0064】
図13A〜
図13Fは、ロック解除位置とロック位置との間の中間位置にあるラッチ100を示す。当該位置において、キャップ160は、すでにロック位置から約80°回転した。このとき、キャップ160のさらなる回転は、ピン124が第1の溝141の湾曲部分141bに沿って移動することを引き起こし、これにより、軸120が同時に周方向に回転し、及び、軸方向に沿ってハウジング130から突出し、したがって、パウル110は、第2の物品400から離れ続けると共に、まもなく回転を開始する。このとき、ロック解除ツール200は、ラッチ100がロック解除位置に到達するまで、ラッチ100内に保留され、ロック解除ツール200の取り外しを防止する。
【0065】
図14A〜
図14Fは、ロック解除位置にあるラッチ100を示す。当該位置において、キャップ160は、すでにロック位置から約180°回転した。ピン124は、第1の溝141の第2の端141e及び第2の溝151の第1の端151dに到達しており、ピン124または軸120は、すでに約90°回転しており、且つ回転を続けることができない。当該位置において、パウル110は、すでに完全に回転しており、第2の物品400と係合しない。なお、完全なロック解除位置と完全なロック位置との間の回転距離は、任意の所望の距離であってもよい。
【0066】
上記の順序から理解されるように、ラッチ100の閉鎖動作は、同様の逆方向の方式で動作する。ラッチ100のロック解除位置から、ロック解除ツール200を回転させてキャップ160を回転させることができる。キャップ160の回転に伴って、軸120、ピン124及びパウル110(即ち、軸部アッセンブリ101)の対応する周方向の回転及び軸方向の移動を引き起こし、最終的にラッチ100をロック位置に到達させる。
【0067】
第1の溝及び第2の溝の形状
以下、
図15及び
図16を参照して第1の溝141及び第2の溝151の具体的な形状を説明する。
図15は、第2の溝151の形状を示す展開図であり、
図16は、第1の溝141の形状を示す展開図である。
【0068】
図16に示すように、第1の溝141の軸方向部分141a、湾曲部分141b及び周方向部分141cは、第1の溝141の略L字形の輪郭を形成する。湾曲部分141bは、ピン124が第1の溝141内で円滑に摺動することを容易にするように、大きい曲率半径で形成される。
【0069】
一実施例において、第1の溝141の湾曲部分141bの曲率半径と第1の溝141の軸方向部分141aの長さとの比率は、1:3以上であり、または、好ましくは、1:2.5以上であり、または、好ましくは、1:2以上である。
【0070】
一実施例において、第1の溝141の湾曲部分141bが周方向に延在する範囲は、20°以上であり、または、好ましくは、30°以上であり、または、好ましくは、35°以上であり、または、40°以上である。
【0071】
一実施例において、第1の溝141の湾曲部分141bの曲率半径は、第1の溝141の軸方向部分141a及び第2の溝151の傾斜部分151bの溝幅以上である。
【0072】
図15に示すように、第2の溝151の軸方向部分151a、傾斜部分151b及び周方向部分151cは、第2の溝151の略弧状の輪郭を形成する。一実施例において、第2の溝151の傾斜部分151bが周方向に延在する範囲は、少なくとも60°であり、または、好ましくは、少なくとも65°であり、または、好ましくは、少なくとも70°であり、または、好ましくは、少なくとも75°であり、または、好ましくは、少なくとも80°である。その結果、傾斜に延在する傾斜部分151bは、より大きい延在範囲を占めるため、ピン124は、第2の溝151内により円滑に摺動することができる。
【0073】
一実施例において、第2の溝151の周方向部分151cは、周方向に約24°の延在範囲を占める。その結果、ラッチ100がロック位置にある場合、ピン124は、第2の溝151の第2の端151eに位置する。周方向部分151cが周方向に占められる延在範囲により、ピン124は、振動等の外部外乱を受けた場合、周方向部分151cから容易に離れ、したがって、ラッチ100の意図しないロック解除を有利に回避することができる。一実施例において、周方向部分151cが周方向に延在する延在範囲は、少なくとも15°であり、または、好ましくは、少なくとも20°であり、または、好ましくは、少なくとも25°である。
【0074】
一実施例において、第2の溝151は、逆傾斜部分をさらに含み、当該逆傾斜部分は、第2の溝151の周方向部分151cの周方向の延在方向(例えば、
図15の右方向)に沿うと共に、第2の溝151の傾斜部分151bの軸方向の延在方向の反対方向(例えば、
図15の下方向)に沿って、第2の溝151の周方向部分151cから延在し、これにより、自己ブロック機能を提供し、ピン124の意外な戻し移動をある程度防止する。
【0075】
図17A〜17Eは、ラッチ100のロック解除及びロックの過程において、ピン124と、第1の溝141と、第2の溝151との間の位置関係を示す。ここで、
図17Aは、ロック位置に対応し、
図17B〜17Dは、ロック位置とロック解除位置との間の中間位置に対応し、
図17Eは、ロック解除位置に対応する。
【0076】
図17Aに示すロック状態において、ピン124は、第2の溝151の第2の端151e及び第1の溝141の第1の端141dに位置する(
図17A)。ロック解除の過程では、使用者は、ロック解除ツール200によりカム150を回転させることにより、第2の溝(カム溝)151を図に示す右側に移動させて、ピン124を駆動して当該ピン124を第2の溝151及び第1の溝141内に移動させる。具体的には、まず、
図17Aに示す位置から、ピン124は、第2の溝151の周方向部分151cに移動する同時に、第1の溝141の第1の端141dに留まり、その後、ピン124は、第2の溝151の傾斜部分151bに移動する同時に、第1の溝140の軸方向部分141aに移動する(
図17B〜17C)。その後、ピン124は、第2の溝151の周方向部分151cに移動する同時に、第1の溝141の湾曲部分141bに移動する(
図17C〜17D)。その後、ピン124は、第2の溝151の第2の端151eに留まる同時に、第1の溝141の周方向部分141cに移動する。最後、ピン124は、第2の溝151の第1の端151d及び第1の溝141の第2の端141eに到達する(
図17E)。
【0077】
ラッチ100のロック解除状態からロック状態までの過程が、上記の過程と逆であり、即ち、ピン124が、
図17E〜
図17Aの順序で移動することは、容易理解される。
【0078】
図からわかるように、第1の溝141及び第2の溝151の特別な曲線設計により、ピン124は、全体の摺動過程で容易に引っ掛かられる係止点を有しない。その結果、ラッチ100が大負荷で動作してピン124が大きい圧力を受ける場合にも、ピン124は、第1の溝141、第2の溝151に円滑に摺動することができる。
【0079】
特に、ラッチ100のロック解除状態からロック状態までの過程において、即ち、
図17E〜
図17Aの過程において、使用者がカム150の第2の溝151によりピン124を駆動して当該ピン124をスリーブ140の第1の溝141の湾曲部分141bに到達させる場合(
図17D及び
図17C)、湾曲部分141bの案内作用により、ピン124は、第1の溝141及び第2の溝151の対向する側壁により挟まれて移動続けにくいことなく、第2の溝152の軸方向部分(垂直部分)に円滑に上昇することができる。
【0080】
また、ラッチ100が製造交差を存在する場合、本発明のラッチ100の構造は、所定位置にロックされることを保証するのに有利である。例えば、ロック解除ツール200は、ラッチ100にアクセスする場合とラッチ100から離れる場合との間に所定の角度を回転しなければならないように規定され、例えば、
図10B〜10Dに示すブッシュ170の配向孔173は、180°の所定の角度を回転しなければならないように規定される。しかしながら、ラッチ100の各部品が一定の製造公差を存在する場合(例えば、最大10°の製造公差を存在する場合)、ロック解除ツール200が所定の角度を回転した後、ピン124は、第1の溝141及び第2の溝151の末端に到達しない可能性がある。特に、ロック過程において、ロック解除ツール200が所定の角度を回転した後、ピン124は、第2の溝151の第2の端151eに到達しない可能性がある。
【0081】
本発明の特別な設計により、ロック過程において、ピン124が第2の溝151の第2の端151eに到達することができない場合、ラッチ100が正常に所定位置にロックされることを保証することができる。その理由は、以上のように、第2の溝151の周方向部分151cの周方向の延在範囲は、少なくとも15°であり、または、好ましくは、少なくとも20°であり、好ましくは、少なくとも25°であるため、ピン124が第2の溝151の第2の端151eに到達することができない場合にも、ピン124は、第2の溝151の周方向部分151cにより受け止められ、第2の溝151の傾斜部分151bに沿ってロック解除方向へ滑りにくいからである。
【0082】
以上のように、本発明は、大きい負荷で使用者が手動工具で操作できるラッチを提供し、当該ラッチは、引っ掛かりにくい利点がある。さらに、本発明のラッチのセルロックにより、ラッチの振動環境下での意外なロック解除を防止することができ、ラッチが高強度の振動環境で動作することを許可する。また、本発明のラッチは、完全にロックされないまたは完全にアンロックされない状態にある場合、ロック解除ツールの意外な離脱を防止することができる。
【0083】
本明細書には、好ましい実施例を示すと共に、説明したが、これらの実施例は、例としてのみ示されていることが理解されるべきである。当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、多くの変形、変更、及び置換を想到するであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の精神及び範囲内にある全てのそのような変形を包含することを意図している。