【解決手段】電子部品検査装置1は、電気的検査の際にICデバイス13が載置されるソケット59を有する検査部19と、ソケット59に向けてレーザー光71を出射する発光部68と、ソケット59で反射した反射光71aが入射するミラー66と、ミラー66で反射した反射光71aが入射する受光部69と、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0008】
第1実施形態
図1に示すように、互いに直交する3軸をX軸、Y軸及びZ軸とする。また、X軸とY軸を含むXY平面が水平となっており、Z軸が鉛直方向となっている。また、X軸に平行な方向をX方向とする。Y軸に平行な方向をY方向とする。Z軸に平行な方向をZ方向とする。各方向の矢印が向いた方向を「正」、その反対方向を「負」とする。
【0009】
「水平」とは、完全な水平に限定されず、電子部品の搬送が阻害されない限り、水平に対して若干傾いた状態も含む。「鉛直」とは、完全な鉛直に限定されず、電子部品の搬送が阻害されない限り、鉛直に対して若干傾いた状態も含む。若干傾いた状態の傾き角度は5°未満である。
【0010】
図1中の上側、すなわち、Z方向正側を「上」または「上方」、下側、すなわち、Z方向負側を「下」または「下方」と言うことがある。
【0011】
電子部品搬送装置2を備える電子部品検査装置1は、例えばBGA(Ball Grid Array)パッケージであるIC(Integrated Circuit)デバイス等の電子部品の電気的特性を検査・試験する装置である。電気的特性の検査を電気的検査とする。
図1に示すように、電子部品検査装置1は内部に電子部品搬送装置2を備える。電子部品搬送装置2は電子部品を搬送する装置である。
【0012】
電子部品搬送装置2はカバー3に覆われている。電子部品検査装置1はY方向負側且つX方向負側に制御部4を備える。制御部4は電子部品検査装置1の動作を制御する。制御部4の近くにはスピーカー5が配置される。電子部品検査装置1はY方向負側且つX方向正側にモニター6、操作パネル7及びマウス台8が配置される。モニター6の表示画面6aには各種の情報が表示される。モニター6は、例えば液晶画面で構成された表示画面6aを有し、電子部品検査装置1の正面側上部に配置されている。トレイ除去領域12の
図1中右側には、マウスを載置するマウス台8が設けられている。操作者はマウス台8上のマウス及び操作パネル7を操作して、電子部品検査装置1の動作条件等を設定し、指示内容を入力する。操作パネル7は電子部品検査装置1に所望の動作を命令するインターフェイスである。
【0013】
電子部品検査装置1はY方向負側且つX方向負側にシグナルランプ9を備える。シグナルランプ9及びスピーカー5は電子部品検査装置1の動作状態等を報知する。シグナルランプ9は、発光する色の組み合わせにより、電子部品検査装置1の動作状態等を報知する。シグナルランプ9は電子部品検査装置1の上部に配置される。
【0014】
電子部品検査装置1はY方向負側にトレイ供給領域11及びトレイ除去領域12が設けられる。操作者は電子部品が配列されたトレイをトレイ供給領域11に供給する。電子部品検査装置1はトレイ供給領域11からトレイを取り込んで、電気的検査を行う。電子部品検査装置1は電気的検査が終了した電子部品が配列するトレイをトレイ除去領域12に排出する。
【0015】
図2に示すように、説明の便宜上、電子部品としてのICデバイス13を用いる場合について代表して説明する。ICデバイス13は平板状をなす。ICデバイス13の下面には半球状の複数の端子が配置されている。
【0016】
ICデバイス13としては、例えば、LSI(Large Scale Integration)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、CCD(Charge Coupled Device)、複数のモジュールがパッケージ化されたモジュールIC、水晶デバイス、圧力センサー、慣性センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、指紋センサー等が挙げられる。
【0017】
電子部品搬送装置2は、トレイ供給領域11と、デバイス供給領域14と、検査領域15と、デバイス回収領域16と、トレイ除去領域12とを備える。これらの各領域は壁で分けられている。ICデバイス13は、トレイ供給領域11からトレイ除去領域12まで前記各領域を第1矢印17方向に順に経由し、途中の検査領域15で検査が行われる。電子部品検査装置1は、各領域を経由するようにICデバイス13を搬送する搬送部18を有する電子部品搬送装置2と、検査領域15内で検査を行なう検査部19と、産業用コンピューターで構成された制御部4とを備えたものとなっている。
【0018】
電子部品検査装置1は、トレイ供給領域11及びトレイ除去領域12が配置された方が正面側となり、検査領域15が配された方が背面側として使用される。
【0019】
電子部品検査装置1は、ICデバイス13の種類ごとに交換される「チェンジキット」と呼ばれるものを予め搭載して用いられる。チェンジキットには、例えば、温度調整部21と、デバイス供給部22と、デバイス回収部23とがある。チェンジキットとは別に、ICデバイス13の種類ごとに交換されるものとしては、例えば、トレイ24と、回収用トレイ25と、検査部19とがある。トレイ24はICデバイス13が搭載される容器である。
【0020】
トレイ供給領域11は、未検査状態の複数のICデバイス13が配列されたトレイ24が供給される給材部である。トレイ供給領域11ではトレイ24が複数積み重ねて搭載される。各トレイ24には複数の凹部が行列状に配置されている。各凹部にはICデバイス13が1つずつ収納される。
【0021】
デバイス供給領域14では、トレイ供給領域11から搬送されたトレイ24上の複数のICデバイス13がそれぞれデバイス供給部22まで搬送される。デバイス供給部22によりデバイス供給領域14から検査領域15へICデバイス13が搬送される。トレイ供給領域11とデバイス供給領域14とをまたぐように、トレイ24を1枚ずつ水平方向に搬送する第1トレイ搬送機構26、第2トレイ搬送機構27が設けられている。第1トレイ搬送機構26は搬送部18の一部である。第1トレイ搬送機構26はICデバイス13を搭載したトレイ24をY方向正側、すなわち、
図2中の第2矢印28方向に移動する。これにより、ICデバイス13はデバイス供給領域14に送り込まれる。また、第2トレイ搬送機構27は空のトレイ24をY方向負側、すなわち、
図2中の第3矢印29方向に移動する。第2トレイ搬送機構27は空のトレイ24をデバイス供給領域14からトレイ供給領域11に移動する。
【0022】
デバイス供給領域14には、温度調整部21、デバイス搬送ヘッド31、トレイ搬送機構32及びデバイス供給部22が設けられている。温度調整部21はソークプレート(英語表記:soak plate、中国語表記:均温板)ともいう。デバイス供給部22はデバイス供給領域14と検査領域15とをまたぐように移動する。
【0023】
温度調整部21には複数のICデバイス13が載置される。温度調整部21は載置されたICデバイス13を一括して加熱または冷却できる。温度調整部21はICデバイス13を予め加熱または冷却して、電気的検査に適した温度に調整する。
【0024】
本実施形態では、例えば、温度調整部21はY方向に2つ配置されている。そして、第1トレイ搬送機構26によってトレイ供給領域11から搬入されたトレイ24上のICデバイス13は、いずれかの温度調整部21に搬送される。
【0025】
デバイス搬送ヘッド31はICデバイス13を保持する機構を備える。デバイス搬送ヘッド31はデバイス供給領域14内でX方向、Y方向及びZ方向にICデバイス13を移動する。デバイス搬送ヘッド31は搬送部18の一部である。デバイス搬送ヘッド31はトレイ供給領域11から搬入されたトレイ24と温度調整部21との間のICデバイス13の搬送を行う。デバイス搬送ヘッド31は温度調整部21とデバイス供給部22との間のICデバイス13の搬送を行う。尚、
図2中では、デバイス搬送ヘッド31のX方向の移動を第4矢印33で示し、デバイス搬送ヘッド31のY方向の移動を第5矢印34で示す。
【0026】
デバイス供給部22には温度調整部21で温度調整されたICデバイス13が載置される。デバイス供給部22はICデバイス13を検査部19近傍まで搬送する。デバイス供給部22は「供給用シャトルプレート」または「供給シャトル」という。デバイス供給部22も、搬送部18の一部である。デバイス供給部22は、ICデバイス13が収納、載置される凹部を有する。
【0027】
デバイス供給部22はデバイス供給領域14と検査領域15との間をX方向、すなわち、第6矢印35方向に往復移動する。これにより、デバイス供給部22は、ICデバイス13をデバイス供給領域14から検査領域15の検査部19の近傍まで搬送する。検査領域15でICデバイス13がデバイス搬送ヘッド36によって取り去られた後、デバイス供給部22は再度デバイス供給領域14に戻る。
【0028】
デバイス供給部22はY方向に2つ配置されている。Y方向正側のデバイス供給部22を第1デバイス供給部22aとする。Y方向負側のデバイス供給部22を第2デバイス供給部22bとする。そして、温度調整部21上のICデバイス13は、デバイス搬送ヘッド31によりデバイス供給領域14内で第1デバイス供給部22aまたは第2デバイス供給部22bまで搬送される。デバイス供給部22はデバイス供給部22に載置されたICデバイス13を加熱または冷却可能である。温度調整部21で温度調整されたICデバイス13は、温度調整状態を維持して検査領域15の検査部19近傍まで搬送される。また、デバイス供給部22及び温度調整部21はシャーシへ電気的に接地されている。
【0029】
トレイ搬送機構32は、すべてのICデバイス13が除去された状態の空のトレイ24をデバイス供給領域14内でX方向正側、すなわち、第7矢印32a方向に搬送する機構である。第7矢印32a方向への搬送後、空のトレイ24は、第2トレイ搬送機構27によってデバイス供給領域14からトレイ供給領域11に戻される。
【0030】
検査領域15は、ICデバイス13を検査する領域である。検査領域15にはICデバイス13を検査する検査部19と、デバイス搬送ヘッド36とが設けられている。
【0031】
デバイス搬送ヘッド36は、搬送部18の一部であり、保持したICデバイス13を加熱または冷却可能である。検査領域15内で温度調整状態を維持したまま、デバイス搬送ヘッド36はICデバイス13を搬送する。
【0032】
デバイス搬送ヘッド36は、検査領域15内でY方向及びZ方向に往復移動可能に支持され、「インデックスアーム」と呼ばれる機構の一部となっている。デバイス搬送ヘッド36はICデバイス13を持ち上げてデバイス供給部22から検査部19上に搬送し、載置する。
【0033】
図2中では、デバイス搬送ヘッド36のY方向の往復移動を第8矢印36cで示している。デバイス搬送ヘッド36は、検査領域15内で、ICデバイス13の第1デバイス供給部22aから検査部19への搬送と、ICデバイス13の第2デバイス供給部22bから検査部19への搬送とを担う。また、デバイス搬送ヘッド36は、Y方向に往復移動可能に支持されている。
【0034】
デバイス搬送ヘッド36は、Y方向に2つ配置されている。Y方向正側のデバイス搬送ヘッド36を第1デバイス搬送ヘッド36aとする。Y方向負側のデバイス搬送ヘッド36を第2デバイス搬送ヘッド36bとする。第1デバイス搬送ヘッド36aはICデバイス13を第1デバイス供給部22aから検査部19への搬送を担う。第2デバイス搬送ヘッド36bはICデバイス13を第2デバイス供給部22bから検査部19への搬送を担う。第1デバイス搬送ヘッド36aは、ICデバイス13の検査部19から第1デバイス回収部23aへの搬送を担う。第2デバイス搬送ヘッド36bは検査部19から第2デバイス回収部23bへの搬送を担う。
【0035】
検査部19にはICデバイス13が載置され、検査部19はICデバイス13の電気的特性を検査する。検査部19にはICデバイス13の端子と電気的に接続される複数のプローブピンが設けられている。そして、ICデバイス13の端子とプローブピンとが電気的に接続される。そして、検査部19はICデバイス13の検査を行なう。ICデバイス13の検査は検査部19と電気的に接続されるテスターが備える検査制御部に記憶されているプログラムに基づいて行われる。検査部19でもICデバイス13を加熱または冷却して、ICデバイス13を検査に適した温度に調整できる。
【0036】
デバイス回収領域16は検査が終了した複数のICデバイス13が回収される領域である。デバイス回収領域16には、回収用トレイ25と、デバイス搬送ヘッド37と、第3トレイ搬送機構38とが設けられている。検査領域15とデバイス回収領域16とをまたぐように移動するデバイス回収部23も設けられている。デバイス回収領域16には空のトレイ24も用意されている。
【0037】
デバイス回収部23には検査が終了したICデバイス13が載置される。デバイス回収部23はICデバイス13をデバイス回収領域16まで搬送する。デバイス回収部23は「回収用シャトルプレート」または単に「回収シャトル」ともいう。デバイス回収部23も搬送部18の一部である。
【0038】
デバイス回収部23は、検査領域15とデバイス回収領域16との間をX方向、すなわち、第9矢印23c方向に沿って往復移動可能に支持されている。デバイス回収部23はY方向に2つ配置されている。Y方向正側のデバイス回収部23が第1デバイス回収部23aである。Y方向負側のデバイス回収部23が第2デバイス回収部23bである。検査部19上のICデバイス13は第1デバイス回収部23aまたは第2デバイス回収部23bに搬送され、載置される。デバイス搬送ヘッド36はICデバイス13の検査部19から第1デバイス回収部23aへの搬送と、ICデバイス13の検査部19から第2デバイス回収部23bへの搬送とを担う。また、デバイス回収部23はシャーシへ電気的に接地されている。
【0039】
回収用トレイ25には検査部19で検査されたICデバイス13が載置される。ICデバイス13はデバイス回収領域16内で移動しないよう回収用トレイ25に固定されている。デバイス搬送ヘッド37等の各種可動部が比較的多く配置されたデバイス回収領域16であっても、回収用トレイ25上では検査済みのICデバイス13が安定して載置される。回収用トレイ25は、X方向に沿って3つ配置されている。
【0040】
空のトレイ24もX方向に沿って4つ配置されている。空のトレイ24に検査されたICデバイス13が載置される。デバイス回収部23上のICデバイス13は回収用トレイ25または空のトレイ24のうちのいずれかに搬送され、載置される。ICデバイス13は検査結果ごとに分類されて、回収される。
【0041】
デバイス搬送ヘッド37は、デバイス回収領域16内でX方向及びY方向に移動可能に支持される。デバイス搬送ヘッド37はZ方向にも移動可能な部分を有している。デバイス搬送ヘッド37は搬送部18の一部である。デバイス搬送ヘッド37はICデバイス13をデバイス回収部23から回収用トレイ25や空のトレイ24に搬送する。
図2中では、デバイス搬送ヘッド37のX方向の移動を第10矢印37aで示し、デバイス搬送ヘッド37のY方向の移動を第11矢印37bで示す。
【0042】
第3トレイ搬送機構38は、トレイ除去領域12から搬入された空のトレイ24をデバイス回収領域16内でX方向、すなわち、第12矢印38a方向に搬送する機構である。搬送後に空のトレイ24はICデバイス13が回収される位置に配置される。
【0043】
トレイ除去領域12では検査済み状態の複数のICデバイス13が配列されたトレイ24が回収され、除去される。トレイ除去領域12には多数のトレイ24が積み重ねられる。
【0044】
デバイス回収領域16とトレイ除去領域12とをまたぐようにトレイ24を1枚ずつY方向に搬送する第4トレイ搬送機構39及び第5トレイ搬送機構41が設けられている。第4トレイ搬送機構39は搬送部18の一部でありトレイ24をY方向、すなわち、第13矢印39a方向に往復移動する。第4トレイ搬送機構39は、検査済みのICデバイス13をデバイス回収領域16からトレイ除去領域12に搬送する。第5トレイ搬送機構41はICデバイス13を回収するための空のトレイ24をY方向正側、すなわち、第14矢印41a方向に移動する。第5トレイ搬送機構41は空のトレイ24をトレイ除去領域12からデバイス回収領域16に移動する。
【0045】
制御部4は第1トレイ搬送機構26と、第2トレイ搬送機構27と、温度調整部21と、デバイス搬送ヘッド31と、デバイス供給部22と、トレイ搬送機構32と、検査部19と、デバイス搬送ヘッド36と、デバイス回収部23と、デバイス搬送ヘッド37と、第3トレイ搬送機構38と、第4トレイ搬送機構39と、第5トレイ搬送機構41の各部の動作を制御する。制御部4はCPU42(Central Processing Unit)とメモリー43とを有している。CPU42はメモリー43に記憶されている判断用プログラム、指示・命令用プログラム等の各種情報を読み込み、判断や命令を実行する。
【0046】
制御部4は、電子部品検査装置1や電子部品搬送装置2に内蔵されていてもよいし、外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。外部機器は、例えば、電子部品検査装置1とケーブル等を介して通信される場合、無線通信される場合、電子部品検査装置1とネットワークを介して接続されている場合等がある。
【0047】
電子部品検査装置1は、トレイ供給領域11とデバイス供給領域14との間が第1隔壁44によって区切られている。デバイス供給領域14と検査領域15との間が第2隔壁45によって区切られている。検査領域15とデバイス回収領域16との間が第3隔壁46によって区切られている。デバイス回収領域16とトレイ除去領域12との間が第4隔壁47によって区切られている。デバイス供給領域14とデバイス回収領域16との間も、第5隔壁48によって区切られている。
【0048】
図3は検査領域15をY方向負側から見た図である。
図4は検査領域15をX方向正側から見た図である。
図3及び
図4に示すように、検査領域15にはデバイス搬送ヘッド36を支える天井支持部材49が配置される。天井支持部材49のZ方向負側の面にはY方向に延びるレール51が配置される。レール51のZ方向負側にはデバイス搬送ヘッド36の移動テーブル52が配置される。移動テーブル52は図示しない直動機構を備え、レール51に沿って移動する。直動機構は、例えば、ボールねじとステップモーター等で構成される。
【0049】
移動テーブル52のZ方向負側には第1デバイス搬送ヘッド36aの第1支持部53及び第2デバイス搬送ヘッド36bの第2支持部54が配置される。第1支持部53及び第2支持部54のZ方向負側にはそれぞれアクチュエーター55が配置される。アクチュエーター55は昇降部56及び吸着部57を備える。
【0050】
昇降部56は内部にエアーシリンダーを備え、吸着部57を昇降させる。吸着部57は内部に配管を備え、配管には電磁弁を介して真空ポンプが接続される。吸着部57は減圧した空気を用いてICデバイス13を吸着する。昇降部56はICデバイス13を検査部19に押圧する。
【0051】
電子部品検査装置1はZ方向負側に基台58を備える。検査部19には基台58上にソケット59が配置される。電気的検査の際にICデバイス13がソケット59に載置される。ソケット59は、例えば、2行8列に配置される。プローブピンはソケット59に配置される。
【0052】
基台58上には第1支持柱61が立脚される。基台58と天井支持部材49との間にセンサー支持板62が配置される。第1支持柱61はセンサー支持板62を支持する。センサー支持板62は第1支持部53及び第2支持部54が移動する場所に穴62aが配置される。
【0053】
センサー支持板62のZ方向負側にはセンサーユニット63とセンサーユニット固定部64が配置される。センサーユニット固定部64はセンサーユニット63をセンサー支持板62に固定する。センサーユニット63はIC検出センサー65、ミラー66及び固定部材67を備える。
【0054】
センサーユニット63は発光部68及び受光部69を備える。発光部68はレーザー光71を出射する。レーザー光71はミラー66で反射して進行方向をソケット59に変える。従って、発光部68はミラー66を介してソケット59に向けてレーザー光71を出射する。
【0055】
ソケット59を照射するレーザー光71の一部はソケット59で反射するレーザー光としての反射光71aとなる。ソケット59で反射した反射光71aの一部はミラー66に入射する。反射光71aはミラー66で反射して進行方向を受光部69に変える。受光部69はミラー66で反射した反射光71aを入射する。
【0056】
この構成によれば、ソケット59からの反射光71aは、ミラー66で乱反射されて受光部69に入射する。ミラー66を介在したことにより光路長が長くなる。ミラー66での乱反射の際に、適切な反射光71a以外の光は受光部69とは異なる方向に反射されるため、適切な反射光71aが選択的に受光部69に入射することになる。乱反射した複数のレーザー光71の内、不適切なレーザー光71はIC検出センサー65の受光部69に入射しないため正確にICデバイス13の載置状態を検出できる。従って、ソケット59へのICデバイス13の載置状態を正しく確認することができる。
【0057】
図3において、例えば、X方向正側から3つめのIC検出センサー65がレーザー光71をソケット59に出射する。このときソケット59で反射するレーザー光71の一部を第1反射光71bとする。第1反射光71bがX方向正側から1つめのミラー66で反射するとき、第1反射光71bは受光部69に向かわないので受光部69に入射しない。このように、センサーユニット63が複数配列しても、第1反射光71bをミラー66で反射させることにより第1反射光71bの影響を抑制できる。
【0058】
固定部材67はミラー66と受光部69と発光部68とを固定する。センサーユニット固定部64と固定部材67とはボルト72により締結される。この構成によれば、ミラー66と受光部69と発光部68との相対位置が固定される。従って、ソケット59を変更しても操作者はIC検出センサー65が出射するレーザー光71の水平方向の位置調整を簡単にできる。
【0059】
ソケット59とミラー66との距離を第1距離73とする。ソケット59と受光部69との距離を第2距離74とする。第1距離73は第2距離74より長い。この構成によれば、ソケット59、ミラー66、受光部69を通る光路長の距離をソケット59と受光部69との距離より長くできる。
【0060】
ソケット59からミラー66に向かう方向において、ソケット59とミラー66との間に受光部69が配置される。この構成によれば、ソケット59、ミラー66、受光部69を通る光路長の距離をソケット59と受光部69との距離より長くできる。また、この構成によれば、ソケット59からミラー66に向かう方向におけるセンサーユニット63の大きさを、より一層小さくすることができる。
【0061】
検出対象のソケット59以外から受光部69に向かって進行する光の一部はIC検出センサー65のZ方向負側の部分を照射する。従って、検出対象のソケット59以外から受光部69に向かって進行する光を除去できる。
【0062】
図5に示すように、発光部68は発光素子78及び投光レンズ79を備える。発光素子78には半導体レーザーが用いられる。投光レンズ79は平行光線を形成するコリメートレンズである。受光部69はリニアイメージセンサー81及び受光レンズ82を備える。受光レンズ82は反射光71aをリニアイメージセンサー81上に集光させる。
【0063】
発光素子78及びリニアイメージセンサー81は制御部4と電気的に接続される。ソケット59上にICデバイス13が載置されているときと載置されていないときとではリニアイメージセンサー81に照射される反射光71aの光量が変化する。さらに、反射光71aがリニアイメージセンサー81を照射する位置が変化する。制御部4はリニアイメージセンサー81に照射される反射光71aの光量と位置の情報を用いて、ソケット59上にICデバイス13があるか否かを判断する。
【0064】
ソケット59上にICデバイス13があるか否かを検出することにより、ソケット59上にICデバイス13を重ねて載置することを防止できる。ソケット59上にICデバイス13を重ねて載置されると、検査する対象のICデバイス13が検査されないという問題が生じる。センサーユニット63がICデバイス13の重なりを防止することにより、ICデバイス13の電気特性の検査を確実に行うことができる。
【0065】
第2実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、光路上にスリットを備える点にある。
図6及び
図7に示すように、基台58上に第2支持柱75が立脚される。Z方向において基台58とセンサー支持板62との間に第1遮蔽板76が配置される。第2支持柱75は第1遮蔽板76を支持する。
【0066】
第1遮蔽板76にはスリット77が設けられている。スリット77はソケット59から受光部69までの光路上に配置される。この構成によれば、ソケット59から受光部69までの光路を通る光はスリット77を通過する。光路以外の光は第1遮蔽板76により遮蔽される。従って、検出対象のソケット59以外から受光部69に向かって進行する光を除去できる。
【0067】
第1遮蔽板76はソケット59からミラー66までの光路上に配置される。この構成によれば、第1遮蔽板76はソケット59からミラー66までの光路上に配置される。第1遮蔽板76がミラー66と受光部69との間にあるときに比べて第1遮蔽板76と受光部69との距離を長くできる。このため、受光部69の受光範囲を狭くすることができる。従って、スリット77を通過する外乱光が受光部69に到達することを抑制できる。
【0068】
第3実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、1つのセンサーユニットが複数のミラーを備える点にある。
図8に示すように、センサー支持板62のZ方向負側にはセンサーユニット85とセンサーユニット固定部86が配置される。センサーユニット固定部86はセンサーユニット85をセンサー支持板62に固定する。センサーユニット85はIC検出センサー65、ミラーとしての第1ミラー87、ミラーとしての第2ミラー88及び固定部材91を備える。
【0069】
センサーユニット85は発光部68及び受光部69を備える。発光部68はレーザー光71を第1ミラー87に向けて出射する。レーザー光71は第1ミラー87で反射して進行方向を第2ミラー88に変える。レーザー光71は第2ミラー88で反射して進行方向を第1ミラー87に変える。レーザー光71は第1ミラー87で反射して進行方向をソケット59に変える。発光部68は第1ミラー87及び第2ミラー88を介してソケット59に向けてレーザー光71を出射する。
【0070】
ソケット59で反射する反射光71aの一部は第1ミラー87、第2ミラー88、第1ミラー87の順に反射して受光部69を照射する。このように、センサーユニット85はソケット59から受光部69までの光路上に複数のミラーを備える。この構成によれば、光路上には複数のミラーが配置されるので、レーザー光71の反射回数が多くなる。レーザー光71の反射回数が多い程、ソケット59と受光部69との間の光路長の距離を長くできる。尚、ソケット59から受光部69までの光路上のミラーは2つに限らず、3つ以上でも良い。第1ミラー87と第2ミラー88との間でレーザー光71が反射する回数は4回以上でも良い。
【0071】
第4実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、光路上にスリット及び光学フィルターを備える点にある。
図9に示すように、電子部品検査装置94では発光部68がレーザー光71をミラー66に向けて出射する。レーザー光71はミラー66で反射して進行方向をソケット59に変える。
【0072】
電子部品検査装置94は発光部68からソケット59までの光路上に、スリット95を有する第2遮蔽板96を備える。この構成によれば、発光部68から発光されたレーザー光71はスリット95を通過してソケット59に到達する。従って、検出対象のソケット59以外にレーザー光71が進行しないので、外乱光を減らすことができる。
【0073】
電子部品検査装置94はソケット59から受光部69までの光路上に光学フィルター97を備える。ソケット59で反射する反射光71aは光学フィルター97を通過して受光部69に到達する。光学フィルター97は外乱光の光量を低減する。光学フィルター97にはND(Neutral Density)フィルターや偏光フィルターを用いることができる。この構成によれば、光学フィルター97は外乱光の光量を低減する。従って、外乱光の影響を低減できる。
【0074】
光学フィルター97は、ソケット59からミラー66までの光路上に配置される。この構成によれば、外乱光がミラー66に到達するまえに、光学フィルター97が外乱光を低減する。従って、検出対象のソケット59以外で反射して受光部69に向かって進行する迷光を低減できる。
【0075】
第5実施形態
前記第1実施形態では固定部材67にミラー66、発光部68及び受光部69が固定された。固定部材67にミラー66及び発光部68が固定され、受光部69は固定部材67と別の部材によりセンサー支持板62に固定されても良い。固定部材67にミラー66及び受光部69が固定され、発光部68は固定部材67と別の部材によりセンサー支持板62に固定されても良い。固定部材67に発光部68及び受光部69が固定され、ミラー66は固定部材67と別の部材によりセンサー支持板62に固定されても良い。ミラー66、発光部68及び受光部69がそれぞれ別の固定部材によりセンサー支持板62に固定されても良い。
【0076】
第6実施形態
前記第1実施形態では発光部68とソケット59との間のレーザー光71の往路に1つのミラー66が配置された。レーザー光71の往路に2つ以上のミラー66が配置されてもよい。往路の設計の自由度を高くすることができる。