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特開2021-149011光ファイバ装置及びこれに用いられる光ファイバガラスの粗面化方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-149011(P2021-149011A)
(43)【公開日】2021年9月27日
(54)【発明の名称】光ファイバ装置及びこれに用いられる光ファイバガラスの粗面化方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/00 20060101AFI20210830BHJP
   C03B 37/014 20060101ALI20210830BHJP
【FI】
   G02B6/00 326
   C03B37/014
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-50384(P2020-50384)
(22)【出願日】2020年3月21日
(71)【出願人】
【識別番号】513267338
【氏名又は名称】ファインガラステクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121658
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌義
(72)【発明者】
【氏名】脇田 徹
【テーマコード(参考)】
2H038
4G021
【Fターム(参考)】
2H038AA54
2H038BA44
4G021CA14
4G021CA15
(57)【要約】
【課題】より製造が容易な構成であって、より均等に近い光強度分布を備えた光ファイバ装置及びそれに用いられる光ファイバガラスの粗面化方法を提供する。
【解決手段】本発明の光ファイバ装置は、コア、コアの周囲に配置されるクラッド層、及び、コア及びクラッド層を被覆する光拡散層、を有する発光部、を備えた光ファイバ装置であって、クラッド層は、コアの長手方向の先端方向に行くに従いその断面におけるコア被覆率が小さくなっておりコアの表面は、クラッド層が被覆されていない領域において粗面処理が施されているものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア、前記コアの周囲に配置されるクラッド層、及び、前記コア及びクラッド層を被覆する光拡散層、を有する発光部、を備えた光ファイバ装置であって、
前記クラッド層は、前記コアの長手方向の先端方向に行くに従いその断面におけるコア被覆率が小さくなっており、
前記コアの表面は、前記クラッド層が被覆されていない領域において粗面処理が施されている光ファイバ装置。
【請求項2】
端面に反射材を設けたことを特徴とする請求項1記載の光ファイバ装置。
【請求項3】
前記光拡散層は、プラスチック内に光散乱体として二酸化チタン、シリカ、ジルコニア及びアルミナの少なくともいずれかを含む請求項1記載の光ファイバ装置。
【請求項4】
前記光散乱体の平均粒径は0.1μm以上1.5μm以下の範囲にある請求項1記載の光ファイバ装置。
【請求項5】
前記光拡散層において、光散乱体が0.5wt%以上10wt%以下の範囲で含まれる請求項1記載の光ファイバ装置。
【請求項6】
前記クラッド層が被覆されていない前記コアの表面領域に、屈折率が前記コアガラスの屈折率よりも大きな保護層を備える請求項1記載の光ファイバ装置。
【請求項7】
前記光拡散層の屈折率は、前記コアの屈折率よりも大きい請求項1記載の光ファイバ装置。
【請求項8】
前記コアはガラスコアであって、
前記クラッド層がプラスチックである請求項1記載の光ファイバ装置。
【請求項9】
前記コア及び前記クラッド層はプラスチックであって、
前記クラッド層の厚みは20μm以下である請求項1記載の光ファイバ装置。
【請求項10】
ガラスコア及び前記ガラスコアの周囲に配置されるプラスチックからなるクラッド層を備えた光ファイバガラスの粗面化方法であって、
前記クラッド層は、前記ガラスコアの長手方向の先端方向に行くに従いその断面におけるコア被覆率が小さくなるよう前記クラッド層を除去し、
前記光ファイバガラスを緩衝フッ酸に接触させることで、前記ガラスコアの前記クラッド層によって被覆されていない領域を粗面化する光ファイバガラスの粗面化方法。
【請求項11】
ガラスコア、前記ガラスコアの周囲に配置されるガラスクラッド層、及び、前記ガラスクラッド層を被覆するプラスチックカバー層を備えた光ファイバガラスの粗面化方法であって、
前記ガラスコアの長手方向の先端方向に行くに従い前記ガラスコアの被覆率が小さくなっていくよう前記プラスチックカバー層を除去し、
前記光ファイバガラスを緩衝フッ酸に接触させることで、前記プラスチックカバー層によって被覆されていない領域の前記ガラスクラッド層を除去するとともに、前記プラスチックカバー層によって被覆されていない領域の前記ガラスコアの領域を粗面化する、光ファイバガラスの粗面化方法。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ装置及びこれに用いられる光ファイバガラスの粗面化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コアの周囲にクラッド層を設け、このコアとクラッド層の間の屈折率差を用いてコア内の光を全反射させて伝搬させる光ファイバは、光通信の分野において広く用いられている。
【0003】
一方で、人間の体内又は体表面に光ファイバを用いて光を照射することで、病気等の原因となっている組織を破壊して治療を行おうとする治療法がフォトダイナミックセラピー(PDT)として広がってきている。
【0004】
このPDTに用いられる光ファイバ装置としては、例えば下記特許文献1に、コア及びコアを被覆するクラッド層それぞれに光散乱体を含ませた光ファイバ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019−51023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記光ファイバ装置は、コア及びクラッド層の双方に光散乱体を含ませなければならず製造が容易ではないといった課題がある。また、光の散乱はより均等に近い混合率である限りにおいて同じ効率で行われるものであるため、光が入射される側(入射側)と先端側では光の強度が大きく異なってしまう(入射側が強く、先端側が弱くなる)といった課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、より製造が容易な構成であって、より均等に近い光強度分布を備えた光ファイバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の一観点に係る光ファイバ装置は、コア、コアの先端に配置される反射材、コアの周囲に配置されるクラッド層、及び、コア及びクラッド層を被覆する光拡散層、を有する発光部、を備えた光ファイバ装置であって、クラッド層は、コアの長手方向の先端方向に行くに従いその断面におけるコア被覆率が小さくなっており、コアの表面は、クラッド層が被覆されていない領域において粗面処理が施されているものである。
【0009】
また、本観点において、限定されるわけではないが、端面に反射材を設けることが好ましい。
【0010】
また、本観点において、限定されるわけではないが、光拡散層は、プラスチック内に光散乱体として二酸化チタン、シリカ、ジルコニア及びアルミナの少なくともいずれかを含むことが好ましい。
【0011】
また、本観点において、限定されるわけではないが、光散乱体の平均粒径は0.1μm以上1.5μm以下の範囲にあることが好ましい。
【0012】
また、本観点において、限定されるわけではないが、光拡散層において、光散乱体が0.5wt%以上10wt%以下の範囲で含まれることが好ましい。
【0013】
また、本観点において、限定されるわけではないが、クラッド層が被覆されていない前記コアの表面領域に、屈折率が前記コアガラスの屈折率よりも大きな保護層を備えることが好ましい。
【0014】
また、本観点において、限定されるわけではないが、光拡散層の屈折率は、前記コアの屈折率よりも大きいことが好ましい。
【0015】
また、本観点において、限定されるわけではないが、コアはガラスコアであって、クラッド層がプラスチックであることが好ましい。
【0016】
また、本観点において、限定されるわけではないが、コア及びクラッド層はプラスチックであって、クラッド層の厚みは20μm以下であることが好ましい。
【0017】
また、本発明の他の一観点に係る光ファイバガラスの粗面化方法は、ガラスコア及びガラスコアの周囲に配置されるプラスチックからなるクラッド層を備えた光ファイバガラスの粗面化方法であって、クラッド層は、ガラスコアの長手方向の先端方向に行くに従いその断面におけるコア被覆率が小さくなるようクラッド層を除去し、光ファイバガラスを緩衝フッ酸に接触させることで、ガラスコアの前記クラッド層によって被覆されていない領域を粗面化するものである。
【0018】
また、本発明の他の一観点に係る光ファイバガラスの粗面化方法は、ガラスコア、ガラスコアの周囲に配置されるガラスクラッド層、及び、ガラスクラッド層を被覆するプラスチックカバー層を備えた光ファイバガラスの粗面化方法であって、ガラスコアの長手方向の先端方向に行くに従いガラスコアの被覆率が小さくなっていくようプラスチックカバー層を除去し、光ファイバガラスを緩衝フッ酸に接触させることで、プラスチックカバー層によって被覆されていない領域のガラスクラッド層を除去するとともに、プラスチックカバー層によって被覆されていない領域のガラスコアの領域を粗面化するものである。
【発明の効果】
【0019】
以上、本発明によって、より製造が容易な構成であって、より均等に近い光強度分布を備えた光ファイバ装置及びそれに用いられる光ファイバガラスの粗面化方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る光ファイバ装置の概略を示す図である。
図2】実施形態に係る光ファイバ装置の発光部の概略を示す図である。
図3】実施形態に係る導光部の断面の概略を示す図である。
図4】実施形態に係る光ファイバ装置の発光部の他の例の概略を示す図である。
図5】実施形態に係る光ファイバ装置の発光部から発せられる光の強度の分布のイメージを示す図である。
図6】粗面処理が施されたコアを有する発光部の概略を示す図である。
図7】保護層が設けられた発光部の概略を示す図である。
図8】実施形態に係る光ファイバ装置の発光部の製造工程の一例を示す図である。
図9】実施形態に係る発光部の他の一例の概略を示す図である。
図10】実施形態に係る発光部の製造工程の概略を示す図である。
図11】実施形態に係る発光部の製造工程の概略を示す図である。
図12】実施例により製造した光ファイバ装置の先端の写真図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、また以下に示す実施形態、実施例において記載される具体的な例示についても適宜変更及び調整が可能であり、これらに限定されるものではない。
【0022】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る光ファイバ装置(以下「本装置」という。)1の概略を示す図であり、図2は、本装置の発光部2の概略を示す図である。なお図2(A)はその長手方向に沿った側面図、図2(B)はその長手方向に垂直な面(半径方向の面)で切断した場合の断面図である。なお、図中(A)は、説明の観点から、光拡散層24の記載を省略した側面概略を示す図である。
【0023】
本図で示すように、本装置1は、コア21、コア21の先端に配置される反射材22、コア21の周囲に配置されるクラッド23層、及び、コア21及びクラッド層23を被覆する光拡散層24を有する発光部2を備えた光ファイバ装置である。
【0024】
また、本装置1では、この発光部2は導光部3とこの導光部3に光を供給する光源装置4を備えている。なお、光源装置4は着脱可能であることとしてもよく、光源装置4を除いたものとしてもよい。
【0025】
本装置1における光源装置4は、導光部3に光を入射する装置である。導光部3に入射された光は発光部2に伝搬され、発光部2から外部に放出される。光源装置4の構造は限定されず、市販される光源装置により実現できる。また光源装置4が導光部3に供給する光としては限定されるわけではないが、近赤外領域又は可視領域の波長を含む光であることが好ましく、具体的には300nm以上1000nm以下の範囲の光であることが好ましく、可視領域を中心とすれば300nm以上900nm以下の範囲の光とすることが好ましい。
【0026】
本装置1における導光部3は、光源装置4から入射された光をその発光部2に伝搬させるものであり、この機能を有するものである限りにおいて限定されるわけではないが、コア31と、このコア31の周囲を覆うクラッド層32と、このクラッド層32を被覆する被覆層33を備えたいわゆる光ファイバであることが好ましい。光ファイバは一般に細く長く、比較的曲げやすいもので構成されており、人体表面だけでなく体内に挿入する場合でも対応が可能となる。導光部3の構造は特に限定されず、一般に市販される光ファイバケーブルを用いることができる。この一部における断面図を図3に示しておく。なお図中、(A)はその長手方向に沿って切断した場合の断面図、(B)はその長手方向に垂直な面(半径方向の面)で切断した場合の断面図である。
【0027】
導光部3のコア31の材質としては、プラスチックで構成されたプラスチックコアであってもよく、またガラスで構成されたガラスコアであってもよい。
【0028】
また、導光部3において、クラッド層32の材質としては、ガラスであってもよく、プラスチックであってもよいが、クラッド層32の屈折率は上記コア31のものよりも小さなもの(コアの屈折率の方がクラッド層の屈折率よりも大きなもの)であること、より具体的には、コアとクラッドの比屈折率差が0.2%以上4%以下となっていることが好ましい。
【0029】
また、導光部3において、被覆層33は、上記コア31及びクラッド層32を保護するとともに、導光部3の側面(半径方向)に光を放出させないよう被覆するものである。被覆層33の材質としては上記機能を有する限りにおいて限定されず、いわゆるゴム等の可撓性を備えた遮光性のある部材であることは好ましい一例である。
【0030】
次に、改めて発光部2について説明する。本装置1における発光部2は、本装置の効果を担う重要な部分であって、長手方向に対して垂直な方向の成分を含む光を放出することができる部分である。
【0031】
上記の通り、発光部2は、コア21、コア21の先端に配置される反射材22、コア21の周囲に配置されるクラッド23層、コア21及びクラッド層23を被覆する光拡散層24を有するものである。発光部2は、導光部3から供給された光をコア21内において伝搬させるとともに、この半径方向の成分を含む光を側面から放出させることができ、この結果発光部2としての機能を発揮する。
【0032】
また、本装置1において、コア21はガラスで構成されたガラスコアであっても、プラスチックで構成されたプラスチックコアであってもよいが、本実施形態ではコアがガラスのガラスコアの例について説明する。
【0033】
発光部2のガラスコアは、供給される光の波長範囲において透明な材質であって、この内部を光が伝搬する。このガラスとしては特に限定されるわけではないが、石英ガラス、ケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス等を用いることができるがこれに限定されない。また、屈折率を調節するため、これにゲルマニウム、フッ素、及びホウ素等の少なくともいずれかを添加することも好ましい。
【0034】
また、発光部2のガラスコアの断面形状は限定されるわけではないが、円形状であること、すなわち全体として円柱状となっていることが好ましい。このようにすることで、半径方向(長手方向に対して垂直な方向)において均一な強度での光放出を可能とする。
【0035】
また、発光部2のガラスコアの太さとしては、本装置1の機能を実現することができる限りにおいて限定されず、例えば2mm以下、より好ましくは1mm以下となっていることが好ましい。具体的に、断面形状が円形状である場合は、その直径が2mm以下、好ましくは1mm以下となっていることが好ましい。
【0036】
また、発光部2では、その先端に反射材22が付されている。反射材22を付することで、側面から放出されずそのままコア21の先端まで到達した光を反射させ、再びコア21内を伝搬させて側面から放出させるようにできる。また、反射材22を設けることで、後述するように光の強度を均等にしやすくなる。反射材22の構成としては光を反射させることができる限りにおいて特に限定されず、鏡面となるよう表面が平坦化された金属板であってもよいし、プラスチック等の非金属の基材に平坦な金属層が形成されたものであってもよい。平坦な鏡面を設けることで、入射された光を反射させることが可能となり、発光部2における光の均一性を高めることができるようになる。
【0037】
また、発光部2では、周囲にクラッド層23が部分的に形成されている。クラッド層23は、コア21と屈折率が異なる材質による層である。発光部2では、このコア21とクラッド層23の間の屈折率差によってこの界面において全反射させ、光を長手方向に対して導くことが可能となる。
【0038】
また、本実施形態の発光部2において、クラッド層23の材質としては、ガラスであってもよく、プラスチックであってもよいが、クラッド層23の屈折率は上記コア21のものよりも小さなもの(コアの屈折率の方がクラッド層の屈折率よりも大きなもの)であること、より具体的には、比屈折率差が0.2%以上4%以下であることが好ましい。
【0039】
また、本実施形態の発光部2においてクラッド層23がガラスである場合、石英ガラス、ケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス等を用いることができ、屈折率を調整するためゲルマニウム、フッ素、及びホウ素等の少なくともいずれかを添加することが可能である。またクラッド層23がプラスチックである場合、透明な材質であれば様々な材質を選択することができるが、例えばポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、更には、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等を例示することができる。
【0040】
また、本実施形態の発光部2において、クラッド層23の厚さは、上記の通りコア21内を伝搬する光を反射させることができる限りにおいて限定されるわけではないが、コア比率が大きいほうが細いファイバで多くのパワーを伝搬できる(具体的には、同じコアサイズならばクラッドが薄い方がファイバを細くすることができる)。また、コア及びクラッド層の双方にガラスを用いた場合であれば、クラッド層が薄い方が化学的にクラッド除去するのに時間がかからないといった利点があり、コア及びクラッド層の双方にプラスチックを用いた場合であれば、メカニカルに削る加工に手間がかからないといった効果がある。その厚さとしては例えば20μm以下であることが好ましく、より好ましくは15μm以下である。
【0041】
また、本実施形態の発光部2において、ガラスコア21の場合、クラッド層23にプラスチックを採用することで、製造方法において本実施形態特有の効果を発揮することができる。そのため、本実施形態ではプラスチックを採用する場合の例を示し、その詳細については後述する。
【0042】
また、本実施形態の発光部2において、クラッド層23は、コア21の長手方向において、後端から先端方向(反射材22側)に行くに従いその断面におけるコア被覆率が小さくなっている。ここで、「後端」とは、導入部3に接する側の端をいう。また、「先端」とはその反対側の端をいい、光反射材22が配置される側である。また、「コア被覆率」とは、長手方向に垂直な断面において、その断面位置においてコア21がクラッド層23によって被覆されている率をいう。例えば、その断面においてコアがすべてクラッド層によって覆われている場合は1であり、全く覆われていない場合は0となる。そして、本実施形態の発光部2においては、先端側よりも後端側のコア被覆率の方が大きくなっていることにより、所望の効果を達成することができる。
【0043】
また発光部2において、先端側から後端側にかけて変化するこのコア被覆率は、連続的に変化してもよく、段階的に変化してもよい。一番単純な例としては、例えば先端側の部分と後端側の部分の二つに分け、そのそれぞれにおいて一定の被覆率とする一方、先端側部分のコア被覆率が後端側のコア被覆率よりも小さくなるようにした例を挙げることができる。このようにすれば複雑な作業を必要とせず光の均一性を高めることが可能となる。この被覆率が連続的に変化する場合のイメージの例が上記図2である。また、段階的に変化する場合のイメージの例(側面概略図)が図4である。なお、図4は上記図2(A)と同様に、光拡散層24を省略した側面図である。
【0044】
また、コア被覆率としては、傾斜が付されている限りにおいて限定されるわけではないが、例えば後端側においてはコア被覆率が0.8以上1以下であることが好ましく、先端側においてはコア被覆率が0以上0.4以下であることが好ましい。このようにしておくことで、反射材22による反射を含めてより均一な光放出を実現することができるようになる。
【0045】
このように、先端側と後端側のコア被覆率を変えること、より具体的には先端側のコア被覆率を後端側のコア被覆率よりも小さくすることで、先端側に導かれる光の量を減らし、光が発光部2外に放出されるようにしている。これは、後端側から徐々に光が発光部2から放出されるため、先端側まで到達する光の量が少なくなる。そしてその分コア被覆率を下げることで、発光部2から放出される光の割合を高くし、発光部2から放出される光の量を均一に近い状態にする。そして、発光部2では先端にさらに反射材を設けているため、反射した光を再び先端側において多く放出させることで、その長手方向における均一性をより高めることができる。この場合のイメージについて図5に示しておく。
【0046】
また、発光部2のコア21の表面については、限定されるわけではないが、クラッド層23によって被覆されていない部分において、粗面処理が施されていることが好ましい。粗面処理が施された発光部2の断面のイメージについて図6に示しておく。本図は図2(B)と同様の位置における断面のイメージである。発光部2のコア21の表面に対して粗面処理を施すことによって、コア21の表面に凹凸を付し、コア21の表面から光が放出されやすくなるといった効果がある。この粗面の量としては、限定されるわけではないが、例えばガラス表面の面粗さRa値、0.1μm以上2μm以下となっていることが好ましい。0.1μm以上とすることによりコア21の表面から光が放出されやすくなる一方、2μm以下とすることで光ファイバガラスの強度を十分維持できる。なお後述する製造方法により明らかであるが、この粗面処理はコアがガラス、クラッド層がプラスチックの組み合わせである場合、緩衝フッ酸によるエッチングを用いることで容易に実現できる。この組み合わせによるとクラッド層をマスク層として機能させることができ、構造とその粗面処理の両方において利点がある。一方、コアがプラスチックである場合は、上記フッ酸を用いた粗面処理が難しいため、凹凸が付された部材をコア表面に押し当てながら動かすことで、いわゆるひっかき傷のように凹凸を形成することができる。これにより、適切な凹凸を容易にコア表面に付することができる。
【0047】
また、発光部2においては、クラッド層23によって被覆されていないコア21の表面に、これを保護する保護層25が形成されていることも好ましい。この場合の例について図7に示しておく。なお本図中(A)は上記図2と同様、長手方向における側面概略図(光拡散層24を省略したもの)であり、(B)はその垂直方向(半径方向)における断面図である。クラッド層23が設けられていないコア21はそのままでは表面が保護されていない状態になる。その場合において、後述の光拡散層が配置された場合、光拡散層中に含まれる光散乱体と直接接してしまう場合があり、この場合光散乱体と接触したコアが傷ついてしまう場合がある。これを防止するため、保護層25を設けてコア21の破損を防止することができる。なおこの保護層25の高さとしては、配置されるクラッド層23の高さと同じ又はこれよりも低い位置になっていることが好ましい。このようにすることで、光拡散層24をよりコア表面に近づけることができ、光散乱性能を維持することができる。
【0048】
保護層25の材質としては、透明であって光を遮断してしまわない限りにおいて限定されるわけではないが、ガラス、プラスチックのいずれも採用することができる。ただし、保護層25については、コア21の屈折率よりも大きなものであることが好ましい。このようにすることで光放出を阻害してしまうおそれを少なくすることができる。また、ガラス及びプラスチックの場合に採用することができる例としては、屈折率以外は上記クラッド層の場合と同様であり、プラスチックで構成されていてもよく、ガラスで構成されていてもよい。プラスチックで構成されている場合、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、更には、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等を用いることができ、ガラスで構成されている場合、石英ガラス、ケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス等を用いることができ、屈折率を調整するためゲルマニウム、フッ素、及びホウ素等の少なくともいずれかを添加することが可能である。
【0049】
また、発光部2の上記コア21、クラッド層23、保護層25の周方向及び延伸方向において、その周囲には、光拡散層24が形成されており、これらを一体化して安定的に保護することができるとともに、コアから放出された光を拡散してより均一化することができる。もちろん、長手方向においても、先端に設けられる反射材22を含めて保護しておくことが好ましい。
【0050】
光拡散層24の主材質としては特に限定されるわけではないが、可視光から近赤外光領域において透過率が大きい、いわゆる透明なプラスチックであることが好ましく、たとえばポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、更には、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等を例示することができる。
【0051】
また、発光部2の光拡散層24には、コアから放出される光を拡散させるための光散乱体241が含まれていることが好ましい。光散乱体241を含ませることで、コアから放出された光をより均一に拡散することが可能となる。ここで、光散乱体としては限定されるわけではないが、使用波長領域で反射率が大きな材料、例えば二酸化チタン、シリカ、ジルコニア及びアルミナの少なくともいずれかを含むことが好ましい。また、この場合において、光散乱体の平均粒径としては、0.1μm以上1.5μm以下の範囲にあることが好ましい。また、光拡散層においては、光散乱体が0.5wt%以上10wt%以下の範囲で含まれることが好ましい。0.5wt%以上とすることで光の散乱効果を高めることができる一方、10wt%以下とすることで光が遮断されてしまうことを防止できる。
【0052】
なお、発光部2の光散乱層24の屈折率、より具体的に主材質の屈折率としては、コア21より大きい屈折率を有すること、保護層25が設けられている場合には保護層25よりも大きい屈折率を有することが好ましい。このようにしておくことでこれら屈折率差によってコアに閉じ込められることなくより放射を行わせることが可能となり、より明るく光放出を行わせることができるようになる。なお、この屈折率の関係としても、限定されるわけではないが、コア21又は保護層25の屈折率を1とした場合、1.02以上あることが好ましく、1.05以上であることがより好ましい。
【0053】
(コアがガラスの場合の製造方法)
ここで、本装置の製造方法(以下「本方法」という。)について説明する。本方法は、(1)発光部2を製造する工程(方法)を含む。また、光源装置4と一体とする場合はさらに(2)光源装置4と接続する工程、を含む。
【0054】
まず本方法では、(1)発光部2を製造する工程を含む。上記の通り、本装置において発光部は、特殊な形状を有しており、様々な方法によって発光部を製造することができるが、市販の光ファイバの先端に対し加工を施すことで発光部を製造するのが簡便であり好ましい。発光部の製造する工程のイメージについて図8に示しておく。なお本図は、長手方向における側面図である。
【0055】
具体的に、本方法では、上記(1)はさらに、(1−1)コア21の周囲に一様にクラッド層23が形成された光ファイバに対し、コア21の長手方向の先端方向に行くに従いその断面におけるコア被覆率が小さくなるようクラッド層23を除去する工程、(1−2)クラッド層23が除去され、クラッド層23が被覆されていない領域においてコア21表面を粗面処理する工程、を有している。
【0056】
上記(1−1)コア21の周囲に一様にクラッド層23が形成された光ファイバに対し、コア21の長手方向の先端方向に行くに従いその断面におけるコア被覆率が小さくなるようクラッド層23を除去する工程は、様々な方法によって除去することができるが、カッターなどにより慎重に削り、除去することで実現可能である。
【0057】
なお、発光部と導光部は、一つの光ファイバを用い、先端部分の一領域において上記発光部を形成させることとするのが簡便であり好ましい。ただし、発光部と導光部を別々に作製し、これらの接続部分周囲を接着剤などで接続することとしてもよい。
【0058】
また、(1−2)クラッド層が除去され、クラッド層が被覆されていない領域においてコア表面を粗面処理する工程は、コアとクラッド層の組み合わせによって適宜適切な方法を採用することができる。例えば、コアがガラス、クラッド層がプラスチックである場合、上記の通り、緩衝フッ酸によるエッチングを用いることで実現できる。プラスチックは緩衝フッ酸によっても除去されない一方、ガラスは緩衝フッ酸により削られることになるため、粗面処理が可能となる。一方、本工程において、コアがプラスチックである場合、上記フッ酸を用いた粗面処理が難しいため、凹凸が付された部材をコア表面に押し当てながら引くことで、いわゆるひっかき傷のように凹凸を形成することができる。これにより、適切な凹凸をコア表面に付することができる。なお、この場合において緩衝フッ酸の濃度は限定されるものではないが、5重量%(wt%)以上30重量%(wt%)以下のものを用いて行うことが現実的な粗面処理時間を確保する観点から好ましい。
【0059】
また、本ステップでは、更に、(1−3)コア及びクラッド層の先端部分に反射材22を付する工程を備える。反射材22を設置することで、コア内を伝搬した光を反射し、再び発光部内を伝搬させ、半径方向から発光部外に光を放出させることができるようになる。
【0060】
また、本ステップでは、更に、(1−4)コア及びクラッド層の周囲に光拡散層を形成する工程を含む。これにより、コアとクラッド層を保護することができるとともに、光の均一性を確保することが可能となる。またこの場合において、反射材も一緒に覆うことが好ましい。このようにすることで、反射材22とコアとの固定を確実にすることができるといった利点もある。
【0061】
また、本方法では、さらに(2)光源装置4と接続する工程、を含む。これにより光源装置から発せられた光を発光部2に導くことが可能となる。この接続は、着脱可能な嵌め合わせであることが持ち運び等の観点から好ましい。具体的には、プラグとソケットの組み合わせを用い、光源装置4の光放出部分にプラグ又はソケットを、導光部3の光入射部分にこれに対応するソケット又はプラグを設けることで実現することができる。もちろん、一体に構成することは装置における導光効率を安定的に確保する点において好ましい。
【0062】
以上、本発明によって、より製造が容易な構成であって、より均等に近い光強度分布を備えた光ファイバ装置を提供することができる。
【0063】
(実施形態2)
本実施形態では、ほぼ上記実施形態1と同様であるが、コア及びクラッド層の関係が異なる。この点について説明する。
【0064】
本実施形態では、コアだけでなくクラッド層もガラスであって、このガラスのクラッド層にプラスチックカバー層26を設けている点が異なる。本実施形態に係る光ファイバ装置の発光部の一断面の概略について図9に示しておくとともに、図10に本実施形態の工程について示す。
【0065】
本図では、クラッド層22にプラスチックカバー層26を設けることで、光拡散層24における光散乱体241との接触によってクラッド層23が破損してしまうことを防止することができるといった利点があるだけでなく、クラッド層23を除去する場合及びコア21の表面を粗面化処理する際のマスクとして機能する。プラスチックカバー層26の材質としては、上記の通り、ガラスのクラッド層を保護することができる限りにおいて限定されず、プラスチックとして上記保護層と同様の構成を採用することができる。
【0066】
また、本実施形態では、クラッド23層のさらに上にプラスチックカバー層26が存在するため全体の厚さが厚くなってしまうことになる。そのため、クラッド層の厚みは10μm以下であることが好ましい。
【0067】
本実施形態に係る発光部の製造方法については、上記実施形態1と同様であるが、(1)発光部を製造する工程において異なる部分がある。具体的には、(1−1)コアの周囲に一様にクラッド層及びプラスチックカバー層が形成された光ファイバに対し、コアの長手方向の先端方向に行くに従いその断面におけるコア被覆率が小さくなるようプラスチックカバー層を除去する工程、(1−2)プラスチックカバー層が除去され、プラスチックカバー層が被覆されていない領域においてクラッド層を除去するとともにコア表面を粗面処理する工程、を有している。なお、その他の工程、例えば上記実施形態の(1−3)、(1−4)については上記実施形態と同様である。
【0068】
本実施形態において、(1−1)コア21の周囲に一様にクラッド層23及びプラスチックカバー層26が形成された光ファイバに対し、コア21の長手方向の先端方向に行くに従いその断面におけるコア被覆率が小さくなるようプラスチックカバー層26を除去する工程は、上記実施形態1と同様の方法により実現可能である。ただし、本実施形態ではガラスのクラッド層23は除去せず、プラスチックカバー層26のみを所望の領域だけ除去することが重要である。
【0069】
また、本実施形態において、(1−2)クラッド層23及びプラスチックカバー層26が除去され、クラッド層23及びプラスチックカバー層26が被覆されていない領域においてコア21表面を粗面処理する工程は、コア21がガラス、クラッド層23がガラスであるため、通常は上記の緩衝フッ酸によるエッチングで双方除去されてしまう。しかしながら、本実施形態ではクラッド層上にプラスチックカバー層が形成されているため、プラスチックカバー層26が残った部分のクラッド層23はエッチングされずに残すことが可能となる。すなわち、本実施形態では、プラスチックカバー層26を備えているため、これをマスクとして緩衝フッ酸によるエッチングを用いることで実現できる。本工程によると、プラスチックカバー層26を一部除去することでガラスのクラッド層23及びコア21を緩衝フッ酸によって処理することが可能となる。つまり、プラスチックカバー層26が被覆されているところだけ残し、それ以外のところについては緩衝フッ酸によりエッチング処理が可能となる。
【0070】
以上、本実施形態によっても、より製造が容易な構成であって、より均等に近い光強度分布を備えた光ファイバ装置を提供することができる。
【0071】
(実施形態3)
本実施形態では、ほぼ上記実施形態1と同様であるが、コア及びクラッド層の関係が異なる。この点について説明する。
【0072】
本実施形態では、クラッド層だけでなくコアもプラスチックである点が、上記実施形態1と異なり、クラッド層23が配置されていないコアの表面においても粗面処理が施されている。
【0073】
実施形態1と本実施形態とではコアの材質のみが異なるが、表面の粗面処理において異なる工夫が必要となっている。上記実施形態1においては、ガラス表面を荒らす場合フッ化水素等を用いたエッチング処理が好ましいこととなる一方、本実施形態ではコアがガラスではないためフッ化水素等を用いた処理を行うことができない。そのため、凹凸が付された部材をコア表面に押し当ててひっかくことまたはセラミック等の粒子等をコア表面に吹き付けるブラスト加工等により凹凸を形成することができる。これにより、適切な凹凸をコア表面に付することができる。
【0074】
(実施形態4)
本実施形態では(1−2)クラッド層が除去され、クラッド層が被覆されていない領域においてコア表面を粗面処理する工程と(1−4)コア及びクラッド層の周囲に光拡散層を形成する工程の間に、(1−5)クラッド層が被覆されていない領域に保護層を形成する工程、を備える。本実施形態により形成される発光部の半径方向の断面は上記図7(B)で示された通りであるが、図11に本実施形態に係る発光部の製造方法について示しておく。
【0075】
本工程では、上記の通りクラッド層23を除去し、コア21の表面に対して粗面処理を行った後で保護層25により保護する。これにより、粗面処理が施されたコア表面を確実に保護し、こののちの光拡散層24における光散乱体241によってコア表面が傷ついてしまうことを防止し、光ファイバの安定性を高めることができる。
【0076】
以上、本実施形態によっても、より製造が容易な構成であって、より均等に近い光強度分布を備えた光ファイバ装置を提供することができる。
【実施例】
【0077】
ここで、上記実施形態に係る光ファイバ装置について実際に作製し、その効果を確認した。以下説明する。
【0078】
(実施例1)
まず、直径0.2mm(200μm)、石英ガラスから成るコアにフッ素樹脂のクラッド層(厚さ15μm)が形成された光ファイバに対し、先端側と後端側に領域を区分し、後端側のコア被覆率を概ね20%、先端側のコア被覆率を50%となるよう徐々にクラッド層を除去した。
【0079】
次に、このクラッド層の被覆が一部除去された光ファイバを緩衝フッ酸(ステラケミファ社製BHFの10%水溶液)に浸漬し、石英ガラスのコア表面を荒らした。この顕微鏡写真について図9に示しておく。この表面粗さを確認したところ、Ra0.25μmであることを確認した。
【0080】
次いで、この光ファイバの周囲に、主材質のアクリル樹脂に光散乱体として二酸化チタン粉末を5重量%(wt%)添加した溶液を塗布し、主材質を重合させることによって、約150μm厚の光散乱層を形成した。
【0081】
その後、この光ファイバの先端に、直径0.2mmの金属膜のミラーを取り付けることで反射材とし、発光部として完成させた。
【0082】
この発光部に対し、導光部として上記光ファイバと同様の径を有する市販の光ファイバ、光源装置として一般的な光源装置(thorlab社製、S1FC473MM)を接続し、発光させた。この結果について図12に示しておく。本図で示すように、本装置は均一な光を延伸方向に対して垂直な方向(半径方向)に放出することができていることを確認した。この強度分布を確認したところ、最小光強度に対する最大光強度の比が1.2であり、20%以下の強度分布差に収められていることを確認した。
【0083】
以上、本実施例により、本発明の効果を確認することができた。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は光ファイバ装置として産業上の利用可能性がある。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12