(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-14910(P2021-14910A)
(43)【公開日】2021年2月12日
(54)【発明の名称】締結確認装置
(51)【国際特許分類】
F16B 31/02 20060101AFI20210115BHJP
F16B 39/24 20060101ALI20210115BHJP
F16B 43/00 20060101ALI20210115BHJP
【FI】
F16B31/02 R
F16B39/24 G
F16B39/24 E
F16B43/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-139226(P2019-139226)
(22)【出願日】2019年7月11日
(71)【出願人】
【識別番号】598154453
【氏名又は名称】鈴木 康之
(71)【出願人】
【識別番号】302008490
【氏名又は名称】石徳螺子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康之
(72)【発明者】
【氏名】石川 隆一
【テーマコード(参考)】
3J034
【Fターム(参考)】
3J034AA07
3J034BA08
3J034BA14
3J034CA01
3J034CA03
(57)【要約】
【課題】ボルトに対するナットの締結力を低下させることがなく、確実に前記ナットの締め忘れを防止でき、しかも、製作が容易で締結が簡単な締結装置を提供する。
【解決手段】被締結部材1を締結するボルト2とナット3による締結作業の完了を視認できる締結確認装置であって、前記ボルト2の挿通孔52を有する筒状の支持部材5と、この支持部材5に嵌装される断面矩形状の弾性リング部材6とを備え、前記弾性リング部材6の厚みを前記支持部材5の軸方向の長さより大きくし、
前記ボルト2に前記ナット3をねじ込むことにより、前記弾性リング部材6が前記ボルト2または前記ナット3の外径以上に半径方向に拡大されるとともに、前記支持部材5の先端54aを前記被締結部材1に当接させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被締結部材を締結するボルトとナットによる締結作業の完了を視認できる締結確認装置であって、前記ボルトの挿通孔を有する筒状の支持部材と、この支持部材に嵌装される断面矩形状の弾性リング部材とを備え、前記弾性リング部材の厚みを前記支持部材の軸方向の長さより大きくし、
前記ボルトに前記ナットをねじ込むことにより、前記弾性リング部材が前記ボルトまたは前記ナットの外径以上に半径方向に拡大されるとともに、前記支持部材の先端を前記被締結部材に当接させることを特徴とする締結確認装置。
【請求項2】
前記弾性リング部材の内径を前記支持部材の外径より小さくし、前記弾性リング部材の内径を強制的に拡径させて前記支持部材の外周に嵌装することを特徴とする請求項1に記載の締結確認装置。
【請求項3】
前記弾性リング部材の外周側の厚みを内周側の厚みより大きくし、前記被締結部材に当接する前記弾性リング部材の端面を傾斜させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の締結確認装置。
【請求項4】
前記支持部材は、プレス加工にて薄板が絞り成形された前記ボルトの挿通孔を有する筒状の主筒部よりなり、この主筒部の一端を屈曲してフランジ部を形成し、前記主筒部に嵌装する断面矩形状の前記弾性リング部材は円筒弾性素材を輪切り加工にて形成し、前記弾性リング部材の厚みが前記主筒部の軸方向の長さより大きくなることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の締結確認装置。
【請求項5】
前記前記被締結部材に当接する前記主筒部の先端を折返して補助筒部を形成することを特徴とする請求項4に記載の締結確認装置。
【請求項6】
前記主筒部の外周を前記主筒部の前記フランジ側の一端より先端に向かい末広がりになるようなテーパ面とし、前記被締結部材に対する前記主筒部の先端の当接面積が大きくなることを特徴とする請求項5に記載の締結確認装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボルトに螺合するナットの締結力を低下させることなく、ボルトとナットの締め忘れを防止できる締結確認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来においては、特許文献1のようなナットに装着するワッシャと被締結部材との間に視認用部材を介在して締め忘れを防止するものが多数提案されている。この特許文献1おける視認用部材は、ワッシャの外周端縁を立ち上がらせ、その立ち上がった外周端縁部が視認用部材に接するように位置させて配置し、視認用部材が挟圧された時に外側に広がり易くし、視認用部材を挟むワッシャなどの端縁部よりも外側へ視認用部材の外周縁を突出させるようにすることができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−30216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1に示される視認用部材は、被締結部材とワッシャとの間に介在しており、視認用部材が挟圧された時に外側に広がるが、内側にも広がつてワッシャの裏面全体に伸び、ワッシャの裏面が直接に被締結部材に当接することはなく、ナットによる締結力は視認用部材の弾性で緩められてナットによる十分な締結力が確保できないという問題があり、しかも、ナットの締結作業に手間がかかるなどの問題があった。
【0005】
この発明は、以上のようなことを考慮してなされたもので、前記被締結部材に対するナットの締結力がゴムなどの視認用部材によって弱められることがないとともに、確実に締め忘れを防止することができ、しかも、ナットによる締結作業が迅速に遂行され、締め忘れを防止する各部材の加工が簡単で、製作が容易な締結装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0007】
請求項1に記載の発明は、被締結部材を締結するボルトとナットによる締結作業の完了を視認できる締結確認装置であって、前記ボルトの挿通孔を有する筒状の支持部材と、この支持部材に嵌装される断面矩形状の弾性リング部材とを備え、前記弾性リング部材の厚みを前記支持部材の軸長より大きくし、
前記ボルトに前記ナットをねじ込むことにより、前記弾性リング部材が前記ボルトまたは前記ナットの外径以上に半径方向に拡大されるとともに、前記支持部材の先端を前記被締結部材に当接させることを特徴とする締結確認装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記弾性リング部材の内径を前記支持部材の外径より小さくし、前記弾性リング部材の内径を強制的に拡径させて前記支持部材の外周に嵌装することを特徴とする請求項1に記載の締結確認装置である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記弾性リング部材の外周側の厚みを内周側の厚みより大きくし、前記被締結部材に当接する前記弾性リング部材の端面を傾斜させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の締結確認装置である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記支持部材は、プレス加工にて薄板が絞り成形された前記ボルトの挿通孔を有する筒状の主筒部よりなり、この主筒部の一端を屈曲してフランジ部を形成し、前記主筒部に嵌装する断面矩形状の前記弾性リング部材は円筒弾性素材を輪切り加工にて形成し、前記弾性リング部材の厚みが前記主筒部の軸長より大きくなることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の締結確認装置である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記前記被締結部材に当接する前記主筒部の先端を折返して補助筒部を形成することを特徴とする請求項4に記載の締結確認装置である。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記主筒部の外周を前記主筒部の前記フランジ側の一端より先端に向かい末広がりになるようなテーパ面とし、前記被締結部材に対する前記主筒部の先端の当接面積が大きくなることを特徴とする請求項5に記載の締結確認装置である。
【発明の効果】
【0013】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0014】
請求項1に記載の発明では、被締結部材を締結するボルトとナットによる締結作業の完了を視認できる締結確認装置であって、前記ボルトの挿通孔を有する筒状の支持部材と、この支持部材に嵌装される断面矩形状の弾性リング部材とを備え、前記弾性リング部材の厚みを前記支持部材の軸長より大きくし、
前記ボルトに前記ナットをねじ込むことにより、前記弾性リング部材が前記ボルトまたは前記ナットの外径以上に半径方向に拡大されるとともに、前記支持部材の先端を前記被締結部材に当接させるので、前記ボルトに対する前記ナットの締結作業における締め忘れの確認が簡単にできる。しかも、前記支持部材の前記先端が前記被締結部材に直接当接するまで前記ナットにより締付けられ、前記弾性リング部材の弾性によって前記被締結部材に作用する締結力が低下することがなく、大きな締結力を均一にかつ確実に発揮でき、締結力不足よる緩みが防止できる。
【0015】
請求項2に記載の発明では、前記弾性リング部材の内径を前記支持部材の外径より小さくし、前記弾性リング部材の内径を強制的に拡径させて前記支持部材の外周に嵌装するので、前記弾性リング部材が前記筒部より抜け出なくなり紛失することがなく、しかも、事前に前記弾性リング部材を前記筒部にサブ組の状態で前記ボルトに挿入でき前記ナットの締結作業を迅速にできる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、前記弾性リング部材の外周側の厚みを内周側の厚みより大きくし、前記被締結部材に当接する前記弾性リング部材の端面を傾斜させるので、前記弾性リングを圧縮した際、前記弾性リング部材の内周が前記支持部材の先端の当接面に入り込む難く、前記弾性リング部材の外周が半径方向に拡大して前記ボルトまたはナットの外径以上に突出し易くなる。
【0017】
請求項4に記載の発明では、前記支持部材は、プレス加工にて薄板が絞り成形された前記ボルトの挿通孔を有する筒状の主筒部よりなり、この主筒部の一端を屈曲してフランジ部を形成し、前記主筒部に嵌装する断面矩形状の前記弾性リング部材は円筒弾性素材を輪切り加工にて形成し、前記弾性リング部材の厚みが前記主筒部の軸長より大きくなるので、前記支持部材は薄板の絞り成形のプレス加工よりなり製作が簡単にできるとともに、前記弾性リング部材の輪切り加工も容易で、かつ材料の歩留まりがよくコストを低減でき、支持部材のプレス加工と相まって生産性が向上する。
【0018】
請求項5に記載の発明では、前記前記被締結部材に当接する前記主筒部の先端を折返して補助筒部を形成するので、前記支持部材の強度は高くなり、前記被締結部材に作用する締結力を大きくできる。
【0019】
請求項6に記載の発明では、前記主筒部の外周を前記主筒部の前記フランジ側の一端より先端に向かい末広がりになるようなテーパ面とし、前記被締結部材に対する前記主筒部の先端の当接面積が大きくなるので、締結力を均一にかつ確実に発揮でき、締結力不足よる緩みが防止できる。さらに、前記弾性リング部材が前記筒部より抜け難く、かつ、前記主筒部材の外周のテーパ面は、プレス加工の絞り成形における型の抜き勾配で形成されることにより製作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】この発明における第1の実施の態様を示す断面図。
【
図2】この発明の第1の実施の態様における締結状態を示す断面図。
【
図4】この発明における弾性リング部材と支持部材の組立てを示す断面図。
【
図5】この発明における第2の実施の態様を示す断面図。
【
図6】この発明の第2の実施の態様における締結状態を示す断面図。
【
図7】この発明の第2の実施の態様における支持部材を示す断面図。
【
図8】この発明における第3の実施の態様を示す断面図。
【
図9】この発明の第3の実施の態様における締結状態を示す断面図
【
図10】この発明の第3の実施の態様における支持部材を示す断面図。
【
図11】この発明における支持部材のプレス加工を示す断面図。
【
図12】この発明における弾性リング部材の輪切り加工を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明における締結装置の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
【0022】
この発明における第1の実施の形態を、
図1および
図4に基づいて説明する。
図1は締結確認装置を実施した一例を示すもので、符号1で示されるものは被締結部材で、この被締結部材1は座金4を介してナット3をボルト2に螺合することにより締め付けられる。
【0023】
前記ボルト2に挿入される支持部材5はフランジ51を有する筒状よりなり、鍛造加工などにて一体成形される。符号52は前記ボルト2が通る挿通孔である。
【0024】
前記支持部材5の外周には弾性リング部材6が嵌装され、弾性リング部材6は、
図12に示すようにゴム、合成樹脂などの弾性円筒素材10を輪切り加工して断面矩形状にする。これにより、材料の歩留まりがよくコストの低減になる。なお、符号11は弾性円筒素材10を輪切りするカッターである。
【0025】
し、前記支持部材5を前記ボルト2に挿入して前記ナット3をねじ込むと、前記支持部材5の先端が前記被締結部材1に直接当接し、そして前記弾性リング部材6は圧縮され、前記弾性リング部材6の外周が半径方向に拡大して前記ボルト2またはナット3の外径以上に突出する。
【0026】
前記弾性リング部材6の内径d
2は、前記支持部材5の外径dより小さくし、前記弾性リング部材6を強制的に拡径させながら前記支持部材5に嵌装する。これにより、前記弾性リング部材6が前記支持部材5より抜け出なくなり紛失することがなく、しかも、事前に前記弾性リング部材6を前記支持部材5にサブ組をしで、前記ボルト2に挿入でき前記ナット3の締結作業が迅速にできる。
【0027】
前記弾性リング部材6の外周側の厚みt
1を内周側の厚みt
2より大きくし、前記被締結部材1に当接する前記弾性リング部材6の端面61を傾斜させる。これにより、前記弾性リング6が圧縮した際、前記弾性リング部材6の内周が前記支持部材5の先端の当接面に入り込む難く、前記弾性リング部材6の外周が半径方向に拡大して前記ナット3の外径以上に突出し易くなる。
【0028】
前記フランジ51に複数の覗き窓53を設け、この覗き窓53を介して、前記ナット3を前記ボルト2にねじ込む際に、上方より前記弾性リング部材6が前記支持部材5に装着されていることが確認できる。なお、前記覗き窓53が前記座金4により塞がれないように前記座金4の直径を若干小径にするとよい。
【0029】
次に、第2の実施の形態を、
図5および
図7に基づいて説明する。この実施の形態において第1の実施の形態と同じ構成は同一の符号を付して説明する。
【0030】
この実施の態様では、
図5および
図7に示すように前記支持部材5は、薄板をプレス加工の絞り成形した前記ボルト2の前記挿通孔52を有する主筒部54よりなり、この主筒部54の軸長を断面矩形状の前記弾性リング部材6の厚さより短くする。
【0031】
前記被締結部材1に当接する前記主筒部54の先端に対する前記主筒部54の一端を屈曲してフランジ部55を形成し、このフランジ部55の外径を前記ナット3の外径と略同径にするとともに、前記弾性リング部材6の外径d
1以上にする。
【0032】
なお、前記主筒部54の前記フランジ部55の直径を前記ナット3の外径と同径にするとともに、前記弾性リング部材6の外径d
1を前記フランジ部55の直径以下にすると、全体が大型化しなくコンパクトになり、狭い作業空間での締結に支障がなく、施工効率を向上することができる。
【0033】
また、前記弾性リング部材6は、第1の実施の態様と同じように円筒弾性素材10を輪切り加工し断面矩形状にする。前記弾性リング部材6の輪切り加工も容易で、かつ材料の歩留まりがよくコストを低減できる。
【0034】
さらに、第3の実施の形態を、
図8および
図11に基づいて説明する。この実施の形態において第1、2の実施の形態と同じ構成は同一の符号を付して説明する。
【0035】
この実施の態様は、第2の実施の形態と同じように前記支持部材5の前記主筒部54は、薄板をプレス加工の絞り成形してなる。
【0036】
そして、この実施の態様では、前記前記被締結部材1に当接する前記主筒部54の先端を折返して補助筒部56を形成し、強度を向上させるとともに、前記前記被締結部材1に対する当接面積を大きくする。
【0037】
さらに、前記主筒部54の外周を前記主筒部54の前記フランジ部55側の一端54bより先端54aに向かい末広がりになるようなテーパ面57とする。これにより、前記被締結部材1に対する前記主筒部54の前記先端54aの当接面積が大きくなり、しかも、前記弾性リング部材6が前記主筒部64より抜け出し難くなる。なお、前記テーパ面57はプレス加工の絞り成形における型の抜き勾配であってもよい。
【0038】
この実施の形態においては、前記支持部材5の前記主筒部54のプレス加工の絞り成形について
図11により説明する。
まず、プレス加工機により薄板をブランクホルダー9で支持しながら(a)工程のようにパンチ7とダイス8によって凹形状に絞り成形をする。この際、絞り成形における型の抜き勾配を主筒部54の外周のテーパ面57としてもよい。
次に、(b)工程において底面を折り曲げ、断面U形状に形成し、つづいて、(c)工程にて底面を打ち抜き開口を形成し、これらの各工程を経て終了する。なお、各工程(a)、(b)、(c)は順送りのプレス加工よりなり、工程の時間が短縮され生産性が高くなる。
【0039】
以上の構成における締結確認装置において、前記支持部材5に嵌装される断面矩形状の前記弾性リング部材6の厚みを前記支持部材5の軸方向の長さより大きくし、前記ボルト2に前記ナット3をねじ込むことにより、前記弾性リング部材6が前記ボルト2または前記ナット3の外径以上に半径方向に拡大されるとともに、前記支持部材5の先端を前記被締結部材1に当接させるので、前記ボルト2に対する前記ナット3の締結作業の完了を簡単に確認できて締め忘れが防止できる。
【0040】
しかも、前記支持部材5の前記先端54aが前記被締結部材1に直接当接するまで前記ナット3により締付けられ、前記被締結部材1に作用する締結力が低下することがなく、大きな締結力を均一にかつ確実に発揮でき、締結力不足よる緩みが防止できる。
【0041】
さらに、前記弾性リング部材6の内径d
2を前記支持部材5の外径dより小さくし、前記弾性リング部材6の内径d
2を強制的に拡径させながら前記支持部材5の外周に圧入することにより、前記弾性リング部材6が前記支持部材5より抜け出なくなり紛失することがなく、しかも、事前に前記弾性リング部材6を前記支持部材5に嵌装した状態で前記ボルト2に挿入でき前記ナット3の締結作業を迅速にできる。
【0042】
また、前記弾性リング部材6の外周側の厚みt
1を内周側の厚みt
2より大きくし、前記弾性リング部材6の端面を傾斜させて前記被締結部材1に当接することにより、前記弾性リング部材6が圧縮した際、前記弾性リング部材6の内周が前記支持部材5の先端54bの当接面に入り込む難く、前記弾性リング部材6の外周が半径方向に拡大して前記ナット3の外径以上に突出し易くなる。
【0043】
さらに、前記支持部材5は、プレス加工にて薄板が絞り成形された前記ボルト2の挿通孔52を有する筒状の主筒部54とし、さらに、前記前記被締結部材1に当接する前記主筒部64の前記先端54aを折返して前記補助筒部56を形成するので、薄板の絞り成形のプレス加工よりなり製作が簡単にできるとともに、前記支持部材5の強度は高くなり、前記被締結部材1に作用する締結力は大きくできる。
【0044】
また、前記主筒部54に嵌装する断面矩形状の前記弾性リング部材6は前記円筒弾性素材10を輪切り加工にて形成し、前記弾性リング部材6の厚みが前記主筒部54の軸方向の長さより大きくなるので、前記弾性リング部材6の輪切り加工は容易で、かつ材料の歩留まりがよくコストを低減でき、しかも、支持部材54のプレス加工と相まって生産性が向上する。
【0045】
さらに、前記主筒部54の外周を前記主筒部54の前記フランジ部55側の前記一端54bより先端に向かい末広がりになるようなテーパ面57とし、前記被締結部材1に対する前記主筒部54の前記先端54bの当接面積が大きくなることにより、前記被締結部材1に作用する締結力が弱まることがなく、大きな締結力を均一にかつ確実に発揮でき、締結力不足よる緩みが防止できる。しかも、前記弾性リング部材6が前記主筒部64より抜け出し難くなり、そして、前記テーパ面57は、前記主筒部54をプレス加工の絞り成形をする際の型の抜き勾配で形成されることにより製作が容易になる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
この発明は、ボルトに対するナットの締め忘れを確認でき、締結力を低下させることがなく確実に締結される締結確認装置である。
【符号の説明】
【0047】
1 被締結部材
2 ボルト
3 ナット
4 座金
5 支持部材
51 フランジ
52 ボルトの挿入孔
53 覗き窓
54 主筒部
54a 先端
54b 一端
55 フランジ部
56 補助筒部
57 テーパ面
6 弾性リング部材
61 端面
7 パンチ
8 ダイス
9 ブランクホルダー
10 円筒弾性素材
11 カッター
d 支持部材の外径
d
1 弾性リング部材の外径
d
2 弾性リング部材の内径
t
1 弾性リング部材の外周厚み
t
2 弾性リング部材の内周厚み