特開2021-149139(P2021-149139A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-149139(P2021-149139A)
(43)【公開日】2021年9月27日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/00 20060101AFI20210830BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20210830BHJP
   H01R 13/74 20060101ALI20210830BHJP
   H01R 13/631 20060101ALI20210830BHJP
【FI】
   G06K7/00 056
   H05K5/03 A
   H01R13/74 Z
   H01R13/631
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-45134(P2020-45134)
(22)【出願日】2020年3月16日
(71)【出願人】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】呉 礎伊
【テーマコード(参考)】
4E360
5E021
【Fターム(参考)】
4E360AB03
4E360AB05
4E360BA02
4E360BD03
4E360CA02
4E360EA14
4E360EA24
4E360EC16
4E360ED29
4E360FA08
4E360FA17
4E360GA46
4E360GA53
4E360GB97
5E021FA09
5E021FB18
5E021FC31
5E021HA01
(57)【要約】
【課題】デバイスのコネクタへの誘導を容易とする電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器10は、デバイスMと着脱可能に接続されるコネクタ24を有し、前記電子機器のカバー14には、前記デバイスを前記コネクタに接続するために貫通孔30が形成され、前記貫通孔は、前記デバイスを前記コネクタへ誘導するためのテーパー面42a、42bを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスと着脱可能に接続されるコネクタを有する電子機器であって、
前記電子機器のカバーには、前記デバイスを前記コネクタに接続するために貫通孔が形成され、
前記貫通孔は、前記デバイスを前記コネクタへ誘導するためのテーパー面を有する、電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記貫通孔の前記デバイス側の開口は、前記デバイスの前記コネクタへの接続方向から見た場合に、前記デバイスより大きく、
前記テーパー面は、前記コネクタ側にいくにつれ前記貫通孔の大きさが小さくなるように形成されている、電子機器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子機器であって、
前記デバイス、前記コネクタ、および前記貫通孔は、前記接続方向から見た場合に、略長方形の形状を有し、
前記貫通孔の長手方向の両側に配置される面が前記テーパー面に形成されている、電子機器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記カバーに対する前記コネクタの位置を決める位置決め部が、前記カバーの前記貫通孔の周囲に設けられる、電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器であって、
前記デバイス、前記コネクタ、および前記貫通孔は、前記接続方向から見た場合に、略長方形の形状を有し、
前記位置決め部は、前記貫通孔の長手方向の両側に位置する一対の位置決め部材を有し、前記カバーに対する前記コネクタの前記長手方向の位置を決める、電子機器。
【請求項6】
請求項4または5に記載の電子機器であって、
前記位置決め部によって位置決めされる位置に前記コネクタが位置するように前記コネクタを誘導する誘導部を備える、電子機器。
【請求項7】
請求項5に記載の電子機器であって、
前記一対の位置決め部材の間に前記コネクタが位置するように前記コネクタを誘導する誘導部を備える、電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器であって、
前記誘導部は、前記一対の位置決め部材に設けられた一対の誘導部材を有し、
前記一対の誘導部材は、前記コネクタを前記一対の位置決め部材の間に誘導するためのテーパー面を有する、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスを着脱可能に接続する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
着脱可能なデバイス(例えば、SDカード)を接続して用いる電子機器が開発されている。このような電子機器は、一般に、デバイス接続用のコネクタと、貫通孔(開口部)が形成されたカバー(フェースプレート)とを有し、デバイスは貫通孔を通してコネクタに接続される。
【0003】
ここで、フェースプレートとデバイスの寸法公差を考え、コネクタの幅より貫通孔の幅を若干大きくするのが通例である。そのため、貫通孔からデバイスを挿入するときに、デバイスとコネクタの位置が合わず、デバイスがコネクタのふちに当たり、デバイスをコネクタに速やかに接続し難いことがある(デバイスのコネクタへの誘導の障害)。
【0004】
また、コネクタと貫通孔の位置ずれがある場合も、デバイスの速やかな接続は困難となる。特に、寸法のバラツキを考慮して、そのマージンを大きくした場合に位置ズレが大きくなり易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−044341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、デバイスのコネクタへの誘導を容易とする電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係る電子機器は、デバイスと着脱可能に接続されるコネクタを有し、前記電子機器のカバーには、前記デバイスを前記コネクタに接続するために貫通孔が形成され、前記貫通孔は、前記デバイスを前記コネクタへ誘導するためのテーパー面を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、デバイスのコネクタへの誘導を容易とする電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る電子機器を表す斜視図である。
図2】貫通孔を前方から見た状態を表す正面図である。
図3】フェースプレートの貫通孔近傍を図2のIII−IIIで切断した状態を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る電子機器について、詳細に説明する。
【0011】
図1は、実施形態に係る電子機器10を表す斜視図である。電子機器10は、例えば、表示部を有するコンピュータ数値制御(CNC)工作機械であり、デバイスMを着脱可能に接続して用いられる。
【0012】
デバイスMは、USB(Universal Serial Bus)デバイス(USBメモリ等USBコネクタで接続されるデバイス)またはSDカード等が挙げられる。ここでは、デバイスMの一例として、SDカードを用いて説明する。
【0013】
電子機器10は、筐体12、フェースプレート14、表示部16、基板22、コネクタ24を有する。筐体12は、電子機器10のカバーの一部をなし、この内部に、基板22、コネクタ24、さらには、例えば、CNCのための各種回路基板(図示せず)が配置される。フェースプレート14は、電子機器10の正面側のカバーを構成する。フェースプレート14は、表示部16(例えば、液晶表示装置、EL表示装置)の脇に、デバイスMを挿入するための貫通孔30を有する。コネクタ24は、基板22に設置され、貫通孔30に挿入されたデバイスMと着脱可能に接続される。
【0014】
図2は、貫通孔30を前方から見た状態を表す正面図である。図3は、フェースプレート14の貫通孔30近傍を図2のIII−IIIで切断した状態を表す断面図である。図2図3は、デバイスMがコネクタ24に接続された状態を表す。
【0015】
デバイスM、コネクタ24、および貫通孔30は、デバイスMのコネクタ24への接続方向(前方)から見た場合に、略長方形(上下が長手方向で、左右が短手方向)の形状を有する。
【0016】
貫通孔30のデバイスM側(前側)の開口30aおよびコネクタ24側(後側)の開口30bは、デバイスMのコネクタ24への接続方向(前方)から見た場合に、デバイスMおよびコネクタ24より大きい。開口30bの幅W1は、コネクタ24の幅Wc以上とし、開口30aの幅W0は、幅W1より大きい(後述のテーパー面42に対応)。一方、開口30a、30bの厚さD0は、略同一であり(後述の非テーパー面43に対応)、コネクタ24の厚さDcより大きい。
【0017】
貫通孔30は、テーパー面42(42a、42b)、非テーパー面43(43a、43b)を有する。テーパー面(傾斜面)42a、42bは、開口30a、30bの幅W0、W1の相違に対応するものであり、長方形の貫通孔30の長手方向(上下方向、コネクタ24の幅方向)の両側に配置される。非テーパー面(非傾斜面)43a、43bは、開口30a、30bの厚さD0が略同一であることに対応するものであり、貫通孔30の短手方向(左右方向、コネクタ24の厚さ方向)の両側に配置される。但し、非テーパー面43をテーパー面に替え、デバイスMのコネクタ24への誘導をより強化してもよい。
【0018】
テーパー面42は、デバイスMをコネクタ24へ誘導するためのものである。詳細には、テーパー面42は、コネクタ24側(後側)にいくにつれ貫通孔30の大きさが小さくなるように形成されている。貫通孔30がコネクタ24側(後側)にいくにつれ貫通孔30の大きさが小さくなるテーパー面42を有することで、デバイスMをコネクタ24へ容易に誘導できる。すなわち、貫通孔30を通じたデバイスMのコネクタ24への接続(挿入)が容易となる。
【0019】
テーパー面42は、デバイスMのコネクタ24への接続方向(前後方向)に対して、角度α(一例として、45°)を有する。この角度αは、一定としてもよいが、開口30aから開口30bに近づくにつれ、変化させてもよい。
【0020】
開口30bの周囲に位置決め誘導部44(位置決め誘導部材44a、44b)が設けられる。詳細には、位置決め誘導部材44a、44bは、開口30bの長手方向(上下方向)の両側に配置され、コネクタ24を貫通孔30(フェースプレート14)の上下方向に対して誘導し、位置決めする。但し、位置決め誘導部44(位置決め誘導部材44c、44d)を貫通孔30の短手方向(左右方向)の両側に追加してもよい。位置決め誘導部材44c、44dを図2図3中に二点鎖線で仮想的に示す。位置決め誘導部材44c、44dは、仮想的なものなので、位置決め誘導部材44a、44bの後に、説明することとする。
【0021】
位置決め誘導部44(位置決め誘導部材44a、44b)は、位置決め部46(位置決め部材46a、46b)、誘導部48(誘導部材48a、48b)に区分して考えることができる。ここでは、位置決め部46、誘導部48は、一体に構成されるが、別体としてもよい。
【0022】
位置決め部46は、開口30bの周囲に設けられ、フェースプレート14(カバー)に対するコネクタ24の位置を決める。詳細には、位置決め部46は、貫通孔30の長手方向(上下方向)の両側に位置する一対の位置決め部材46a、46bから構成され、フェースプレート14(ひいては貫通孔30)に対するコネクタ24の長手方向(上下方向)の位置を決める。これにより、コネクタ24は貫通孔30に対して位置決めされ、デバイスMのコネクタ24への速やかな接続が容易となる。
【0023】
位置決め部材46a、46b(位置決め誘導部材44a、44b)は、間隔を有して対向するように配置され、コネクタ24の幅方向(上下方向)の側面に当接または近接する。ここでは、位置決め部材46a、46bの間隔を開口30bの幅W1と略同一としている。但し、これらを異ならせることも可能である。例えば、位置決め部材46a、46bの間隔を開口30bの幅W1より幾分広くしてもよい。また、ここでは、位置決め部材46a、46bの対向する面(コネクタ24に近接または当接する面)を略平行な平面としているが、曲面としたり、多少の角度を持たせたりすることも可能である。
【0024】
誘導部48は、位置決め部46によって位置決めされる位置(一対の位置決め部材46a、46bの間)にコネクタ24が位置するように、コネクタ24を誘導する。詳細には、誘導部48は、一対の位置決め部材46a、46bに設けられた一対の誘導部材48a、48bを有する。一対の誘導部材48a、48bは、コネクタ24を一対の位置決め部材46a、46bの間に誘導するためのテーパー面(傾斜面)を有する。
【0025】
このテーパー面は、コネクタ24の位置決め部46への接続方向(後から前の方向)に対して、角度β(一例として、45°)を有する。この角度βは、一定としてもよいが、後方から前方に向かうにつれて、変化させてもよい。
【0026】
ここでは、位置決め部46、誘導部48は、フェースプレート14と一体的に構成される。但し、これらを別体としてもよい。
【0027】
位置決め誘導部材44c、44dは、位置決め誘導部材44a、44bと同様、位置決め部46(位置決め部材46c、46d)、誘導部48(誘導部材48c、48d)に区分できる。位置決め部材46cは、コネクタ24の左辺に当接または近接する。位置決め部材46dは、コネクタ24ではなく、基板22の右側主面に当接または近接する(コネクタ24の右辺が基板22に接続されているため)。誘導部材48c、48dは、コネクタ24を位置決め部材46c、46dの間に誘導するためのテーパー面(傾斜面)を有する。なお、位置決め誘導部材44c、44dも、位置決め誘導部材44a、44bと同様、フェースプレート14と一体的に構成できる。
【0028】
以上のように、本実施形態では、貫通孔30を通して、着脱可能なデバイスMをコネクタ24に接続する際、貫通孔30がテーパー面42を有することで、デバイスMをコネクタ24へ誘導することが容易となる。
【0029】
〔実施形態から得られる発明〕
上記実施形態から把握しうる発明について、以下に記載する。
【0030】
〔1〕電子機器(10)は、デバイス(M)と着脱可能に接続されるコネクタ(24)を有し、前記電子機器のカバー(14)には、前記デバイスを前記コネクタに接続するために貫通孔(30)が形成され、前記貫通孔は、前記デバイスを前記コネクタへ誘導するためのテーパー面(42a、42b)を有する。これにより、デバイスをコネクタへ誘導することが容易となる。
【0031】
〔2〕前記貫通孔の前記デバイス側の開口(30a)は、前記デバイスの前記コネクタへの接続方向から見た場合に、前記デバイスより大きく、前記テーパー面は、前記コネクタ側にいくにつれ前記貫通孔の大きさが小さくなるように形成されている。これにより、デバイスをコネクタへ誘導することがより容易となる。
【0032】
〔3〕前記デバイス、前記コネクタ、および前記貫通孔は、前記接続方向から見た場合に、長方形の形状を有し、前記貫通孔の長手方向の両側に配置される面が前記テーパー面に形成されている。これにより、貫通孔の長手方向に対して、デバイスをコネクタへ誘導することが容易となる。
【0033】
〔4〕前記カバーに対する前記コネクタの位置を決める位置決め部(46)が、前記カバーの前記貫通孔の周囲に設けられる。これにより、位置決め部によりコネクタの位置を決めることで、デバイスをコネクタへ誘導することがより容易となる。
【0034】
〔5〕前記デバイス、前記コネクタ、および前記貫通孔は、前記接続方向から見た場合に、長方形の形状を有し、前記位置決め部は、前記貫通孔の長手方向の両側に位置する一対の位置決め部材(46a、46b)を有し、前記カバーに対する前記コネクタの前記長手方向の位置を決める。これにより、一対の位置決め部材により前記コネクタの前記長手方向の位置を決めることで、デバイスをコネクタへ誘導することがより容易となる。
【0035】
〔6〕前記位置決め部によって位置決めされる位置に前記コネクタが位置するように前記コネクタを誘導する誘導部(48)を備える。これにより、位置決め部によって位置決めされる位置にコネクタを誘導することで、デバイスをコネクタへ誘導することがより容易となる。
【0036】
〔7〕前記一対の位置決め部材の間に前記コネクタが位置するように前記コネクタを誘導する誘導部を備える。これにより、一対の位置決め部材の間にコネクタを誘導することで、デバイスをコネクタへ誘導することがより容易となる。
【0037】
〔8〕前記誘導部は、前記一対の位置決め部材に設けられた一対の誘導部材(48a、48b)を有し、前記一対の誘導部材は、前記コネクタを前記一対の位置決め部材の間に誘導するためのテーパー面を有する。これにより、コネクタを前記一対の位置決め部材の間に誘導することがより容易となる。
【符号の説明】
【0038】
10…電子機器 14…フェースプレート
22…基板 24…コネクタ
30…貫通孔 30a、30b…開口
42(42a、42b)…テーパー面 43(43a、43b)…非テーパー面
44…位置決め誘導部 44a、44b、44c、44d…位置決め誘導部材
46…位置決め部 46a、46b、46c、46d…位置決め部材
48…誘導部 48a、48b、48c、48d…誘導部材
M…デバイス
図1
図2
図3