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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-149595(P2021-149595A)
(43)【公開日】2021年9月27日
(54)【発明の名称】面接支援システム及び面接支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20210830BHJP
【FI】
   G06Q10/10 322
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-49458(P2020-49458)
(22)【出願日】2020年3月19日
(71)【出願人】
【識別番号】520097836
【氏名又は名称】酒井 積
(74)【代理人】
【識別番号】100088579
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 茂
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 積
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】 人間の内面に隠れている本質的な人物像を見抜き、より適切かつより望ましい判断に基づく面接結果を得る。
【解決手段】 サーバコンピュータ2から面接希望者He…のクライアント端末3…に対して、面接希望者He…の人物を複数の側面から評価することができる複数種類の異なる面接テストT1…を含む面接テストファイルTFを送信し、この後、サーバコンピュータ2が、この面接テストT1…に対する面接希望者He…のテスト回答データD1…を含む回答済面接テストファイルDFを受信したなら、採用条件に基づいて予め設定した判定基準により、各テスト回答データD1…の組合わせの類型を判定して判定結果E…を得、この判定結果E…に基づく面接結果J…を、少なくとも面接希望者He…のクライアント端末3…に送信する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ラインにより面接者側のサーバコンピュータと複数の面接希望者側のクライアント端末を接続することにより、面接希望者に対する面接を行うための面接支援システムであって、前記サーバコンピュータから面接希望者のクライアント端末に対して、面接希望者の人物を複数の側面から評価することができる複数種類の異なる面接テストを含む面接テストファイルを送信する面接テスト送信処理部と、この面接テストに対する面接希望者のテスト回答データを含む回答済面接テストファイルを前記サーバコンピュータにより受信したなら、採用条件に基づいて設定した判定基準により、前記各テスト回答データの組合わせの類型を判定して判定結果を得る採用判定処理部と、この判定結果に基づく面接結果を、少なくとも面接希望者のクライアント端末に送信する面接結果送信処理部とを備えることを特徴とする面接支援システム。
【請求項2】
前記通信ラインは、インターネットを用いることを特徴とする請求項1記載の面接支援システム。
【請求項3】
前記複数種類の異なる面接テストは、その場の雰囲気を察する察知力を判定する第一のテスト,人間同士の愛着力を判定する第二のテスト,人間の睡眠タイプを判定する第三のテスト,人間の性格を判定する第四のテスト,自分の能力を正しく判断する謙遜力を判定する第五のテスト,から選択した二種以上の面接テストを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の面接支援システム。
【請求項4】
前記採用判定処理部は、前記複数種類の異なる面接テストに係わる前記各テスト回答データの組合わせの類型を判定する前記判定基準を設定する人工知能処理機能(AI処理機能)部を備えることを特徴とする請求項1,2又は3記載の面接支援システム。
【請求項5】
前記採用判定処理部は、新たなテスト回答データを受信したならデータベースとして登録することにより、ビッグデータを生成し、このビッグデータを用いて前記判定基準を更新する学習処理機能部を備えることを特徴とする請求項1−4のいずれかに記載の面接支援システム。
【請求項6】
通信ラインにより面接者側のサーバコンピュータと複数の面接希望者側のクライアント端末を接続することにより、面接希望者に対する面接を行うための面接支援方法であって、前記サーバコンピュータから面接希望者のクライアント端末に対して、面接希望者の人物を複数の側面から評価することができる複数種類の異なる面接テストを含む面接テストファイルを送信し、この後、前記サーバコンピュータが、この面接テストに対する面接希望者のテスト回答データを含む回答済面接テストファイルを受信したなら、採用条件に基づいて予め設定した判定基準により、前記各テスト回答データの組合わせの類型を判定して判定結果を得、この判定結果に基づく面接結果を、少なくとも面接希望者のクライアント端末に送信することを特徴とする面接支援方法。
【請求項7】
前記複数種類の異なる面接テストは、その場の雰囲気を察する察知力を判定する第一のテスト,人間同士の愛着力を判定する第二のテスト,人間の睡眠タイプを判定する第三のテスト,人間の性格を判定する第四のテスト,自分の能力を正しく判断する謙遜力を判定する第五のテスト,から選択した二種以上の面接テストを含むことを特徴とする請求項6記載の面接支援方法。
【請求項8】
前記面接者は、面接者に代わって面接を行う面接代行者を含むことを特徴とする請求項6又は7記載の面接支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等を利用して面接希望者に対する面接を行う際に用いて好適な面接支援システム及び面接支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、企業が人を採用する際には、その人物評価のための面接を実施することがほとんどである。この場合、通常は、面接者と被面接者(面接希望者)が対面し、面接者から志望動機や特技等を質問するとともに、その質問に対する被面接者の回答内容や回答姿勢を確認しながら被面接者の人物評価を行っている。一方、被面接者が遠隔地に居住している場合、企業等に出向くことが大変になることも少なくないため、インターネットを利用して面接を行う面接システムも各種提案されている。
【0003】
従来、この種の面接システムとしては、例えば、特許文献1で開示されるテレビ面接システム,特許文献2で開示される対話面接システム及び特許文献3で開示される保険用遠隔面接システム等が知られている。特許文献1のテレビ面接システムは、固定されたIPアドレスを有さない端末同士であっても容易に接続して求人者と求職者との間でセキュアなテレビ面接を可能にすることを目的としたものであり、具体的には、求人者と求職者をVPNにより1対1で接続するために求人者および求職者にそれぞれ貸与する固定IPアドレス、固定IPアドレスそれぞれが有効であるか無効であるかを示す利用許可情報を記録したアドレス管理テーブル、それぞれの固定IPアドレスの有効または無効を設定するアドレス設定手段、それぞれ貸与された固定IPアドレスを用いてVPNの接続要求がなされた際にアドレス管理テーブルを参照し、それぞれの固定IPアドレスが有効なものに対してのみVPNを構築するVPN接続手段、VPNにより1対1で接続された求人者と求職者の間でP2P方式による映像および音声を用いたテレビ面接を可能にするテレビ面接手段を設けて構成したものである。
【0004】
また、特許文献2の対話面接システムは、コンピュータネットワークに接続された端末を用いて、応募者が随時、Web面接を行うことができるようにすることを目的としたものであり、具体的には、ディスプレイを有し、使用者の画像と音声を入力するカメラとマイクロフォンが接続されてコンピュータネットワークに接続された多数の応募者用端末と、面接代行を行う代行者用端末とからなり、応募者用端末は、管理者のサーバを介して代行者用端末と接続されて対話面接を行うことができ、管理者用のサーバーは、上記応募者用端末から送信される応募者の画像と音声を記録して録画ファイルとしてメモリ装置に記憶するように構成したものである。
【0005】
さらに、特許文献3の保険用遠隔面接システムは、生命保険面接士と保険加入候補者との間で行われる面接の効率化を図り、保険加入候補者の負担を軽減することを目的としたものであり、具体的には、営業担当者に携帯される携帯型コンピュータと、携帯型コンピュータに対して備えられ、保険加入候補者を撮影するためのカメラと、携帯型コンピュータに対して備えられる通信機器と、カメラによって撮影され通信機器によって送信された保険加入候補者の映橡データをネットワーク経由で受信し、生命保険面接士が観察可能に映像データを出力する面接士側装置とを備えて構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−129879号公報
【特許文献2】特開2005−56360号公報
【特許文献3】実用新案登録第3126082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した面接システムをはじめ、従来の面接システムは、次のような解決すべき課題も存在した。
【0008】
この種の面接システムは、一般にインターネットを利用するため、いわば遠隔地との面接を可能にするメリットはあるものの、面接の内容自体は、今までの面接内容を踏襲したものに過ぎない。即ち、面接においては、面接者が面接希望者に質問し、その返答に対して、面接者の主観的判断により、面接結果を導出しているため、面接の目的である面接希望者の人物を評価する基準は、面接者の主観的な価値観や面接希望者の表面的な人物像に基づく傾向があり、客観的な判断が行われにくいのが実情である。
【0009】
したがって、このような従来の面接方式(面接内容)は、ほとんど効果のないことが様々な研究により明らかになっている。例えば、ある大学で行われた実験によれば、学生1000人を試験を課して採用し、面接により順位を付与した後、トップ250人とボトム50人を4年間追跡調査したところ、成績・出席率・論文の質・就職先においての差が見られないことが報告されている。他の例では、イスラエルの刑務所において、囚人の仮釈放の法則性を調べたところ、昼食前よりも昼食後の釈放率が6倍以上になったが、詳細を調査したところ、昼食後に、審問官たちの血糖値が上昇し、単に気分が良くなって釈放していたことの調査結果が報告されている。また、他の例では、二人の政治家のうち、どちらが当選するかの予想テストにおいて、被験者たちに政治家のプロフィールやマニフェストを良く見比べさせ、どちらが当選するかを予想させた際に、その平均正解率は54%となり、コインの裏表で予想するのとほぼ差はなかったことが報告されている。同様に、表情から相手の気分を当てなさい、との表情研究に関するテストにおいても的中率は54%だった。さらに、他の例では、投資の世界において、証券会社が作った信頼できそうな銘柄のセット(通称、バスケット)と、全くの素人が作ったバスケットと、猿がダーツを投げて適当に作ったバスケットの利益率を比較した実験でも、三つのバスケットに、殆ど差が表れなかったことが報告されている。また、他の例では、作家のJ・Kローリング氏が「ハリーポッターと賢者の石」の原稿を出版社に持ち込んだが、どの出版社からも受け取ってもらえず、最後に持ち込んだ出版社に、漸く受け取ってもらった。この際、編集長は出版に懐疑的であったが、自分の子供に原稿を読ませたところ、「こんなに面白い読み物は読んだことがない」と言われ、出版に至ったエピソードも知られている。
【0010】
このように、面接官・審問官・編集長・実験の被験者・証券会社などにおける人の判断は、いずれも自分の経験に基づき、合理的な判断をしていると思い込んだ判断であり、実際には、非合理的な判断を下していることが明らかになっている。
【0011】
一方、対面した会話方式による面接の場合、面接者は何を見て採用しているかも統計的に判明しており、面接者は、多くの場合、面接希望者に対する好感度により決めている事実がある。面接者は、最初に見た印象、即ち、第一印象により判断を下し、それ以降の質問により、その証拠集めをしているだけに過ぎない。つまり、一目見た瞬間からバイアスに囚われてしまうため、正しい判断を阻害している事実がある。
【0012】
そして、面接における採用率の高さを調べた実験では、会社に必要な技術を持った人間よりも会社とは関係のない話に花が咲いた人間の方が採用率が高かった。つまり、面接者は、自分との類似点を見出した相手に対して好感を持ち、採用していた結果も報告されている。さらに、実務経験より将来性を提示した方が好感度が高くなる事実も知られている。即ち、仮想実験により、面接官役の被験者に二つのビデオ映像を見せた。一方は過去の実務経験を語ったもの、他方はこれから何をしたいかという将来性を暗示する内容だった。この場合、実務経験を重視しそうであるが実際は将来性を語ったビデオ映像に好感が示された。
【0013】
以上の事例から、従来の面接内容の場合、表面を飾ることが上手い面接希望者には、メリットがあるとしても、面接者側にはデメリットになる傾向があり、従来より、より適切かつより望ましい判断がなされる面接支援システムの実現が望まれていた。
【0014】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した面接支援システム及び面接支援方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る面接支援システム1は、上述した課題を解決するため、通信ラインNにより面接者Hr側のサーバコンピュータ2と複数の面接希望者He…側のクライアント端末3…を接続することにより、面接希望者He…に対する面接を行う面接支援システムを構成するに際して、サーバコンピュータ2から面接希望者He…のクライアント端末3…に対して、面接希望者He…の人物を複数の側面から評価することができる複数種類の異なる面接テストT1,T2…を含む面接テストファイルTFを送信する面接テスト送信処理部M1と、この面接テストT1,T2…に対する面接希望者He…のテスト回答データD1,D2…を含む回答済面接テストファイルDFをサーバコンピュータ2により受信したなら、採用条件に基づいて設定した判定基準により、各テスト回答データD1,D2…の組合わせの類型を判定して判定結果E…を得る採用判定処理部M2と、この判定結果E…に基づく面接結果J…を、少なくとも面接希望者He…のクライアント端末3…に送信する面接結果送信処理部M3とを備えることを特徴とする。
【0016】
一方、本発明に係る面接支援方法は、上述した課題を解決するため、通信ラインNにより面接者Hr側のサーバコンピュータ2と複数の面接希望者He…側のクライアント端末3…を接続することにより、面接希望者He…に対する面接を行うに際し、サーバコンピュータ2から面接希望者He…のクライアント端末3…に対して、面接希望者He…の人物を複数の側面から評価することができる複数種類の異なる面接テストT1,T2…を含む面接テストファイルTFを送信し、この後、サーバコンピュータ2が、この面接テストT1,T2…に対する面接希望者He…のテスト回答データD1,D2…を含む回答済面接テストファイルDFを受信したなら、採用条件に基づいて予め設定した判定基準により、各テスト回答データD1,D2…の組合わせの類型を判定して判定結果E…を得、この判定結果E…に基づく面接結果J…を、少なくとも面接希望者He…のクライアント端末3…に送信するようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、好適な態様により、通信ラインNには、インターネットNnを用いることが望ましい。他方、複数種類の異なる面接テストT1…には、その場の雰囲気を察する察知力を判定する第一のテストT1,人間同士の愛着力を判定する第二のテストT2,人間の睡眠タイプを判定する第三のテストT3,人間の性格を判定する第四のテストT4,自分の能力を正しく判断する謙遜力を判定する第五のテストT5,から選択した二種以上の面接テストT1…を含ませることができる。さらに、採用判定処理部M2には、複数種類の異なる面接テストT1,T2…に係わる各テスト回答データD1,D2…の組合わせの類型を判定する判定基準を設定する人工知能処理機能(AI処理機能)部Faを設けることができるとともに、採用判定処理部M2には、新たなテスト回答データD1,D2…を受信したならデータベースDbとして登録することにより、ビッグデータBdを生成し、このビッグデータBdを用いて判定基準を更新する学習処理機能部Fbを設けることができる。なお、面接者Hrは、面接者Hrに代わって面接を行う面接代行者Hsであってもよい。
【発明の効果】
【0018】
このような本発明に係る面接支援システム1及び面接支援方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0019】
(1) サーバコンピュータ2から面接希望者He…のクライアント端末3…に対して、面接希望者He…の人物を複数の側面から評価することができる複数種類の異なる面接テストT1,T2…を含む面接テストファイルTFを送信し、この後、サーバコンピュータ2が、この面接テストT1,T2…に対する面接希望者He…のテスト回答データD1,D2…を含む回答済面接テストファイルDFを受信したなら、採用条件に基づいて予め設定した判定基準により、各テスト回答データD1,D2…の組合わせの類型を判定して判定結果E…を得、この判定結果E…に基づく面接結果J…を、少なくとも面接希望者He…のクライアント端末3…に送信するようにしたため、面接希望者He…の人物の評価に関し、信頼性の高い面接テストT1,T2…の結果を腹合的に判断することが可能になり、高い精度により人間の内面を見える化することができる。これにより、人間の内面に隠れている本質的な人物像を見抜くことができ、より適切かつより望ましい判断、即ち、面接結果J…を得ることができる。
【0020】
(2) 好適な態様により、通信ラインNに、インターネットNnを用いれば、面接者Hrに対して、面接希望者He…が遠隔地に存在する場合であっても、いわば、近接地における本来と面接場所と同様の面接を行うことができる。
【0021】
(3) 好適な態様により、複数種類の異なる面接テストT1…に、その場の雰囲気を察する察知力を判定する第一のテストT1,人間同士の愛着力を判定する第二のテストT2,人間の睡眠タイプを判定する第三のテストT3,人間の性格を判定する第四のテストT4,自分の能力を正しく判断する謙遜力を判定する第五のテストT5,から選択した二種以上の面接テストT1…を含ませれば、既に、実証されている信頼性の高い面接テストT1,T2…を使用することにより、人物を複数の側面から評価できるため、最適な形態として実施することができる。
【0022】
(4) 好適な態様により、採用判定処理部M2に、複数種類の異なる面接テストT1,T2…に係わる各テスト回答データD1,D2…の組合わせの類型を判定する判定基準を設定する人工知能処理機能(AI処理機能)部Faを設ければ、テスト回答データD1,D2…の組合わせに対するAIの処理機能を活用できるため、判定基準の最適化を容易かつ確実に行うことができる。
【0023】
(5) 好適な態様により、採用判定処理部M2に、新たなテスト回答データD1,D2…を受信したならデータベースDbとして登録することにより、ビッグデータBdを生成し、このビッグデータBdを用いて判定基準を更新する学習処理機能部Fbを設ければ、テスト回答データD1,D2…の増加に従って、よりビッグデータ化を進めることができるため、判定基準をより最適化する方向に更新することができる。
【0024】
(6) 好適な態様により、面接者Hrに、面接者Hrに代わって面接を行う面接代行者Hsを適用すれば、最適な面接を行うことができるツールとして構築できるため、面接に係わるビジネスモデルとして実施することかできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の好適実施形態に係る面接支援システムを用いた面接支援方法の処理手順を示すフローチャート、
図2】同面接支援システムの全体構成を示すブロック系統図、
図3】同面接支援方法において使用できる面接希望届の書式図、
図4】同面接支援方法において使用できる第一のテストの説明図、
図5】同面接支援方法において使用できる第二のテストの説明図、
図6】同第二のテストの結果を処理する際の説明図、
図7】同面接支援方法において使用できる第三のテストの説明図、
図8】同面接支援方法において使用できる第四のテストの説明図、
図9】同面接支援方法において使用できる第五のテストの説明図、
図10】同面接支援方法において使用できる面接テスト結果の書式図、
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0027】
まず、本実施形態に係る面接支援システム1における全体のシステム構成について、図2を参照して説明する。
【0028】
図2に示す面接支援システム1は、基本的な機能として、通信ラインNにより面接者Hr側のサーバコンピュータ2と複数の面接希望者He…側のクライアント端末3…を接続することにより、面接希望者He…に対する面接を行うことができる。
【0029】
例示する面接支援システム1では、通信ラインNとしてインターネットNnを使用する。このように、通信ラインNとして、インターネットNnを用いれば、面接者Hrに対して、面接希望者He…が遠隔地に存在する場合であっても、いわば、近接地における本来と面接場所と同様の面接を行うことができる。なお、通信ラインNには、社内LAN等、各種通信ラインを適用可能である。
【0030】
また、面接者Hr側には、人を募集する予定のある様々な募集企業Hc…とこれらの募集企業Hc…の面接を代行して行う面接代行者Hsが含まれ、実質的な面接は、面接代行者Hsにより行われる。したがって、本実施形態における面接者Hrには、面接者Hrに代わって面接を行う面接代行者Hsが含まれる。このように、面接者Hrに、面接代行者Hsを適用すれば、最適な面接を行うことができるツールとして構築できるため、面接に係わるビジネスモデルとして実施することかできる。
【0031】
このため、インターネットNnには、様々な募集企業Hc…のコンピュータ4…が接続されるとともに、面接代行者Hsのサーバコンピュータ2が接続される。さらに、インターネットNnには、面接を希望する複数の面接希望者He…側のクライアント端末3…が接続される。クライアント端末3…は、インターネットNnに接続可能な各種端末を適用できる。即ち、一般的な汎用パソコンをはじめ、ノートパソコン等のモバイル端末、更にはスマートホンなどを利用できる。
【0032】
次に 本実施形態に係る面接支援システム1の主要部となるサーバコンピュータ2の構成について、図2図9を参照して具体的に説明する。
【0033】
サーバコンピュータ2は、コンピュータ機能を有するコンピュータハードウェアにより構成した汎用パソコン(パーソナルコンピュータ)などを利用でき、このサーバコンピュータ2には、サーバコンピュータ本体2mとこのサーバコンピュータ本体2mに付属するデータ保持装置(SSD等)11が含まれる。
【0034】
このデータ保持装置11は、サーバコンピュータ本体2mをコンピュータとして機能させるコンピュータプログラム及びデータを格納したメモリエリア2mcを有するとともに、特に、本発明に係わる面接支援システム1を実行するアプリケーションプログラムとなる面接支援プログラムPを格納するとともに、この面接支援プログラムPの実行により得られる各種データを書き込むデータベースを備える。
【0035】
面接支援プログラムPは、主要な処理部として、面接テスト送信処理部M1,採用判定処理部M2及び面接結果送信処理部M3を備える。この場合、面接テスト送信処理部M1は、サーバコンピュータ2から面接希望者He…のクライアント端末3…に対して、面接希望者He…の人物を複数の側面から評価することができる複数種類の異なる面接テストT1,T2…を送信する機能を備える。本実施形態では、複数種類の異なる面接テストT1,T2…として、第一のテストT1から第五のテストT5の五つの異なる種類のテストを用いた。第一のテストT1は、その場の雰囲気を察する察知力を判定するテストであり、一例として、図4に示す「セルフモニタリングテスト」を用いることができる。第二のテストT2は、人間同士の愛着力を判定するテストであり、一例として、図5に示す「愛着モデルテスト」を用いることができる。第三のテストT3は、人間の睡眠タイプを判定するテストであり、一例として、図7に示す「睡眠モデルテスト」を用いることができる。第四のテストT4は、人間の性格を判定するテストであり、一例として、図8に示す「ビッグファイブテスト」を用いることができる。第五のテストT5は、自分の能力を正しく判断する謙遜力を判定するテストであり、一例として、図9に示す「知的謙遜テスト」を用いることができる。
【0036】
複数種類の異なる面接テストT1,T2…として、その場の雰囲気を察する察知力を判定する第一のテストT1,人間同士の愛着力を判定する第二のテストT2,人間の睡眠タイプを判定する第三のテストT3,人間の性格を判定する第四のテストT4,自分の能力を正しく判断する謙遜力を判定する第五のテストT5,から選択した二種以上の面接テストT1…を含ませれば、既に、実証されている信頼性の高い面接テストT1,T2…を使用することにより、人物を複数の側面から評価できるため、最適な形態として実施することができる。
【0037】
採用判定処理部M2は、上述した五つの面接テストT1,T2…に対する面接希望者He…のテスト回答データD1,D2…をサーバコンピュータ2が受信したなら、採用条件に基づいて設定した判定基準により、各テスト回答データD1,D2…の組合わせの類型を判定して判定結果E…を導出する機能を備える。この場合、判定基準は、例えば、ある募集企業Hcから、採用条件として「技術職に適した人材」を採用したいとの依頼があった場合、この依頼に適した組合わせの類型、例えば、第一のテストT1に対しては、「XX点以上」、第二のテストT2及び第三のテストT3に対しては不問、第四のテストT4に対しては、「誠実性」及び「チャレンジ力」が平均以上、第五のテストT5に対しては、全てのスコアが「4」以上など、各テスト回答データD1,D2…の組合わせの類型を判定できる判定基準を設定することができる。これにより、判定結果Eとして、例えば、この判定基準にほぼ一致するような場合には、図10に示す「AAA」等を表示することができる。
【0038】
この場合、採用判定処理部M2には、複数種類の異なる面接テストT1,T2…に係わる各テスト回答データD1,D2…の組合わせの類型を判定する判定基準を設定可能な人工知能処理機能(AI処理機能)部Faを設けることが望ましい。このようなAI処理機能部Faを設ければ、テスト回答データD1,D2…の組合わせに対するAIの処理機能を活用できるため、判定基準の最適化を容易かつ確実に行うことができる。さらに、採用判定処理部M2には、新たなテスト回答データD1,D2…を受信したならデータベースDbとして登録することにより、ビッグデータBdを生成し、このビッグデータBdを用いて判定基準を更新する学習処理機能部Fbを設けることが望ましい。このように、ビッグデータBdを用いて判定基準を更新する学習処理機能部Fbを設ければ、テスト回答データD1,D2…の増加に従って、よりビッグデータ化を進めることができるため、判定基準をより最適化する方向に更新することができる。
【0039】
また、面接結果送信処理部M3は、この判定結果E…に基づく面接結果J…を、依頼のあった募集企業Hc及び/又は面接希望者He…のクライアント端末3…に送信する機能を備える。
【0040】
次に、本実施形態に係る面接支援システム1を用いた面接支援方法の処理手順について、図2図10を参照しつつ図1に示すフローチャートに従って具体的に説明する。
【0041】
図1において、Heは面接希望者、Hcは募集企業、Hsは面接代行者を示している。なお、前述したように、面接代行者Hsは、募集企業Hcの代行として面接を行う事業者であり、面接者Hrとしての位置付けとなる。
【0042】
今、募集企業Hcから面接代行者Hsに、例えば、技術職に適した人材を採用したいとの依頼があった場合を想定する。面接代行者Hsは、サーバコンピュータ2からインターネットMn上に公開した募集サイトに当該募集企業Hcに係わる採用条件等をアップロードして公表する(ステップS1)。
【0043】
一方、面接希望者Heは、クライアント端末3を用いてウェブサイトをチェックした際に、当該募集サイトが目に留まり、当該募集企業Hcに応募しようと決めた場合を想定する(ステップS2)。これにより、面接希望者Heは、一例として、図3に示す面接希望届21を作成する(ステップS3)。この面接希望届21は、基本的に、面接希望者Heの履歴書に相当するものである。そして、作成が終了したなら面接代行者Hsに送信する(ステップS4)。
【0044】
これにより、面接代行者Hsのサーバコンピュータ2は、面接希望届21を受信する(ステップS5)。これにより、面接希望届21の内容が採用条件等に合致するか否かの初期判定を行う(ステップS6)。そして、合致する場合には、面接テストファイルTFを面接希望者He側に送信する(ステップS7)。この面接テストファイルTFには、前述した五つのテスト、即ち、その場の雰囲気を察する察知力を判定する第一のテストT1(図4),人間同士の愛着力を判定する第二のテストT2(図5),人間の睡眠タイプを判定する第三のテストT3(図7),人間の性格を判定する第四のテストT4(図8),自分の能力を正しく判断する謙遜力を判定する第五のテストT5(図9)が含まれる。
【0045】
一方、面接希望者Heが面接テストファイルTFを受信したなら、全てのテストT1−T5に対する回答を作成する(ステップS8,S9)。図4に示す第一のテストT1は、「セルフモニタリングテスト」である。このテストは、「18」の設問に対して、〔Yes〕又は〔No〕で回答するものであり、回答欄における〔Yes〕又は〔No〕をクリックする。図4は回答した一例を示す。図5に示す第二のテストT2は、「愛着モデルテスト」である。このテストは、「45」の質問に対して回答するものであり、回答欄における〔1.はい〕,〔2.いいえ〕,〔3.どちらともいえない〕をクリックする。図5は回答した一例を示す。図7に示す第三のテストT3は、「睡眠モデルテスト」である。このテストは、四種類の睡眠タイプから自己診断により、1つ又は2つを選択するものであり、回答欄の対応するタイプをクリックする。図7は回答した一例を示す。図8に示す第四のテストT4は、「ビッグファイブテスト」である。このテストは、10問に対して、自身が適合すると思われる1−7の回答を行うものであり、回答欄における〔1.まったく違う(1点)〕,〔2.そこそこ違う(2点)〕,〔3.少し違う(3点)〕,〔4.どちらともいえない(4点)〕,〔5.少し当てはまる(5点)〕,〔6.そこそこ当てはまる(6点)〕,〔7.強く当てはまる(7点)〕をクリックする。図8は回答した一例を示す。図9に示す第五のテストT5は、「知的謙遜テスト」である。このテストは、22問に対して、自身が適合すると思われる1−5の回答を行うものであり、回答欄における〔1.まったく違う(1点)〕,〔2.違う(2点)〕,〔3.賛成でも反対でもない(3点)〕,〔4.賛成(4点)〕,〔5.強く賛成(5点)〕をクリックする。図9は回答した一例を示す。
【0046】
以上のテストに対する全ての回答を作成したなら、回答済面接テストファイルDFをサーバコンピュータ2へ送信する(ステップS10)。そして、サーバコンピュータ2が回答済面接テストファイルDFを受信したなら、図10に一例として示すような面接結果シート23を作成する(ステップS11,S12)。
【0047】
この場合、面接結果シート23には、セルフモニタリングテスト結果表示欄W1,愛着モデルテスト結果表示欄W2,睡眠モデルテスト結果表示欄W3,ビッグファイブテスト結果表示欄W4,知的謙遜テスト結果表示欄W5を備える。
【0048】
セルフモニタリングテストは、図4に示す設問番号のそれぞれに、予め「Yes」又は「No」が紐付けされているため、この紐付けされている「Yes」又は「No」と回答欄の〔Yes〕又は〔No〕が一致しているものを1点とし、全体を加算した数値(例示は、「12」)をスコアとして結果表示欄W1に表示する。
【0049】
愛着モデルテストは、図6に示すスコア導出表24を用いる。スコア導出表24には、「Aタイプ(安定型愛着スコア)」,「Bタイプ(不安型愛着スコア)」,「Cタイプ(回避型愛着スコア)」に分かれたポイント表25が表示されており、さらに、このポイント表25の所定の欄に、「1」点又は「2」点が表示されているため、回答欄の番号とポイント表25の番号が一致した点数をカウント対象とする。例えば、質問2の場合、回答欄の「2」と「Cタイプ」の「2」が一致するため、「Cタイプ」の2点としてカウントされる。質問3の場合、回答欄の「1」と「Aタイプ」の「1」が一致するため、「Aタイプ」の1点としてカウントされる。スコア導出表24において、有効化された点数の欄をハッチングで表示する。そして、45問の全てにおいて、同様の判定を行い、「Aタイプ」,「Bタイプ」,「Cタイプ」毎の合計スコアと、「Aタイプ」,「Bタイプ」,「Cタイプ」を合わせた総合の合計スコアを求める。例示の場合、「Aタイプ」の合計スコアは「23」、「Bタイプ」の合計スコアは「16」、「Cタイプ」の合計スコアは「21」、総合の合計スコアは「60」となり、結果表示欄W2に表示する。スコアはスコアが大きいほど、その傾向が大きいことを示している。
【0050】
睡眠モデルテストは、面接希望者Heにより選択された睡眠のタイプ、例示の場合、クマ型が選択されたため、「SB」を結果表示欄W3に表示する。
【0051】
ビッグファイブテストは、図8に示す質問番号における偶数番号の点数は反転して用いる。例えば、質問番号2の場合、回答数字は「3」のため、5点とし、質問番号4の場合、回答数字は「2」のため、6点とする。そして、質問2と7の数字を足したスコアが「協調性」を示し、質問4と9の数字を足したスコアが「メンタル力」を示し、質問3と8の数字を足したスコアが「誠実性」を示し、質問1と6の数字を足したスコアが「社交性」を示し、質問5と10の数字を足したスコアが「チャレンジ力」を示す。一例として、約1800人分のサンプルの平均値と標準偏差は、「協調性」の場合、平均5.2,標準偏差1.1となり、「メンタル力」の場合、平均4.8,標準偏差1.4となり、「誠実性」の場合、平均5.4,標準偏差1.3となり、「社交性」の場合、平均4.4,標準偏差1.5となり、「チャレンジ力」の場合、平均5.4,標準偏差1.1となるため、これらを目安に、結果表示欄W4に回答から得た度合を○により表示する。
【0052】
知的謙遜テストは、図9に示す質問項目における特定マーク「*」の点数は反転して用いる。例えば、質問番号1の場合、回答数字は「2」のため、4点とし、質問番号21の場合、回答数字は「4」のため、2点とする。そして、「自分の知識とエゴを切り離せる力」のスコアとして、質問番号「16」,「17」,「18」,「21」,「22」の数字を合計した点数をスコアとして結果表示欄W5に表示する。例示の場合、スコア「4」を示している。同様に、他の三つの力、即ち、「自分の立場を変えることができる力」,「他人の意見を尊重できる力」,「自分の知識にうぬ惚れない力」について、予め設定した組合わせて加算する複数の質問番号を設定し、それぞれのスコアを求め、結果表示欄W5に表示する。例えば、「自分の知識にうぬ惚れない力」のスコアは、質問番号「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「12」の数字を合計した点数となり、例示の場合、図10に示すように、「自分の立場を変えることができる力」のスコアは「4」、「他人の意見を尊重できる力」のスコアは「5」、「自分の知識にうぬ惚れない力」のスコアは「3」である。
【0053】
そして、これらの結果は、サーバコンピュータ2の採用判定処理部M2に取り込まれ、採用条件に基づいて予め設定した判定基準により、個別の判定、即ち、面接希望者He…毎の各テスト回答データD1,D2,D3,D4,D5の組合わせの類型を判定することにより判定結果E…を得る(ステップS13)。この場合、判定基準は、前述したように、例えば、ある募集企業Hcから、採用条件として「技術職に適した人材」を採用したいとの依頼があった場合、この依頼に適した組合わせの類型、例えば、第一のテストT1に対しては、「XX点以上」、第二のテストT2及び第三のテストT3に対しては不問、第四のテストT4に対しては、「誠実性」及び「チャレンジ力」が平均以上、第五のテストT5に対しては、全てのスコアが「4」以上など、各テスト回答データD1,D2…の組合わせの類型を判定できる判定基準を設定することができる。これにより、判定結果Eとして、例えば、この判定基準にほぼ一致するような場合には、図10に示す「AAA」等を表示することができる。
【0054】
この場合、採用判定処理部M2に、各面接テストT1,T2,T3,T4,T5に係わるテスト回答データD1,D2,D3,D4,D5の組合わせの類型を判定する判定基準を設定する人工知能処理機能(AI処理機能)部Faを設ければ、テスト回答データD1,D2,D3…の組合わせに対するAIの処理機能を活用できるため、判定基準の最適化を容易かつ確実に行うことができる。さらに、採用判定処理部M2に、新たなテスト回答データD1,D2…を受信したならデータベースDbとして登録することにより、ビッグデータBdを生成し、このビッグデータBdを用いて判定基準を更新する学習処理機能部Fbを設けることが望ましい。このように、ビッグデータBdを用いて判定基準を更新する学習処理機能部Fbを設ければ、テスト回答データD1,D2…の増加に従って、よりビッグデータ化を進めることができるため、判定基準をより最適化する方向に更新することができる。
【0055】
そして、各面接希望者He…に対する判定結果E…が得られたなら、決められた採用人数を、例えば、上位から選定することができる。即ち、最終総合判定による面接結果J…を得る(ステップS14)。このようにして得られた面接結果は、依頼元である募集企業Hcのコンピュータ4に送信するとともに、面接希望者Heのクライアント端末3に送信する(ステップS15)。
【0056】
このような本実施形態に係る面接支援システム1によれば、様々な募集企業Hc…及び面接希望者He…から、随時、テスト回答データD1,D2…を得ることができるため、得られたテスト回答データD1,D2…はデータベースDbとして登録する。これにより、大量のビッグデータBdが生成されるため、採用判定処理部M2に設けた学習処理機能部Fbにより、判定基準を更新することができる。即ち、テスト回答データD1,D2…の増加に従って、よりビッグデータ化を進めることができるため、判定基準をより最適化する方向に更新することができる。
【0057】
このように、本実施形態に係る面接支援システム1(面接支援方法)によれば、基本的な機能として、サーバコンピュータ2から面接希望者He…のクライアント端末3…に対して、面接希望者He…の人物を複数の側面から評価することができる複数種類の異なる面接テストT1,T2…を送信し、この後、サーバコンピュータ2が、この面接テストT1,T2…に対する面接希望者He…のテスト回答データD1,D2…を受信したなら、採用条件に基づいて予め設定した判定基準により、テスト回答データD1…を判定することにより判定結果E…を得、この判定結果E…に基づく面接結果J…を、少なくとも面接希望者He…のクライアント端末3…に送信するようにしたため、面接希望者He…の人物の評価に関し、信頼性の高い面接テストT1,T2…の結果を腹合的に判断することが可能になり、高い精度により人間の内面を見える化することができる。これにより、人間の内面に隠れている本質的な人物像を見抜くことができ、より適切かつより望ましい判断、即ち、面接結果J…を得ることができる。
【0058】
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,数量,数値,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0059】
例えば、複数種類の異なる面接テストT1…として、その場の雰囲気を察する察知力を判定する第一のテストT1,人間同士の愛着力を判定する第二のテストT2,人間の睡眠タイプを判定する第三のテストT3,人間の性格を判定する第四のテストT4,自分の能力を正しく判断する謙遜力を判定する第五のテストT5の、五種類の異なるテストT1−T5を用いた場合を例示したが、これらのテストT1−T5は例示であり、他の異なるテストを用いてもよい。また、テストT1−T5の全部を用いた場合を示したが、この中から選択した二種以上の面接テストT1…により実施してもよいし、或いは他の異なるテストを追加した6種類以上のテストを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係る面接支援システム及び面接支援方法は、募集企業又はその代行者がインターネット等を利用して面接希望者に対する面接を行う際に利用できる。
【符号の説明】
【0061】
1:面接支援システム,2:サーバコンピュータ,3…:クライアント端末,N:通信ライン,Nn:インターネット,Hr:面接者,He…:面接希望者,Hs:面接代行者,T1:面接テスト(第一のテスト),T2:面接テスト(第二のテスト),T3:面接テスト(第三のテスト),T4:面接テスト(第四のテスト),T5:面接テスト(第五のテスト),TF:面接テストファイル,M1:面接テスト送信処理部,M2:採用判定処理部,M3:面接結果送信処理部,Fa:人工知能処理機能(AI処理機能)部,Fb:学習処理機能部,D1,D2…:テスト回答データ,Db:データベース,DF:回答済面接テストファイル,E…:判定結果,J…:面接結果,Db:データベース,Bd:ビッグデータ
図1
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