(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-149971(P2021-149971A)
(43)【公開日】2021年9月27日
(54)【発明の名称】建築管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20210830BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2021-42735(P2021-42735)
(22)【出願日】2021年3月16日
(31)【優先権主張番号】特願2020-45194(P2020-45194)
(32)【優先日】2020年3月16日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520091340
【氏名又は名称】三山 寿幸
(71)【出願人】
【識別番号】520092004
【氏名又は名称】弓削 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100174791
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 敬義
(72)【発明者】
【氏名】三山 寿幸
(72)【発明者】
【氏名】弓削 幸雄
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作業員名簿の作成を容易とするとともに,道具の管理を向上させる建築管理プログラムを提供する。
【解決手段】建設等現場のための管理プログラムは,建設用道具に備えられる耐久性識別部材を読み取る識別部材読取工程と,耐久性識別部材に付与された従業員情報により,作業員名簿を作成する名簿作成工程と,を備える。これにより,スマートフォンやタブレット端末に備えられたカメラ機能などを用いて耐久性識別部材を読み取り,これに付与ないし紐づけされた従業員情報を用いることで,容易に作業員名簿を作成することが可能となる。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設用道具に備えられる耐久性識別部材を読み取る識別部材読取工程と,
耐久性識別部材に付与された従業員情報を表示する従業員情報表示工程と,
を備えることを特徴とする建設等現場のための管理プログラム。
【請求項2】
耐久性識別部材を備える建設用道具の有効期限に関する情報が,耐久性識別部材に付与されている請求項1に記載の建設等現場のための管理プログラム。
【請求項3】
さらに,建設用道具の有効期限を表示する有効期限表示工程を含む請求項2に記載の管理プログラム。
【請求項4】
さらに,建設用道具の有効期限が期限内かどうかを判定し,有効か,期限切れかを通知する判定工程を備える請求項2又は3に記載の建設等現場のための管理プログラム。
【請求項5】
耐久性識別部材で用いられる素材が,金属製プレートである請求項1から4のいずれかに記載の建設等現場のための管理プログラム。
【請求項6】
表示された従業員情報を読み込むことにより,従業員名簿を自動作成する従業員名簿作成工程をさらに備える請求項1から5のいずれかに記載の建設等現場のための管理プログラム。
【請求項7】
金属製プレートに,QRコード(登録商標)が表示されている請求項5に記載の建設等現場のための管理プログラム。
【請求項8】
さらに,読取工程のQRコード(登録商標)の読み取りにより起動する管理プログラムであって,
従業員情報が管理プログラムのサーバーに保存されており,
名簿作成工程が,QRコード(登録商標)に対応した従業員の従業員情報をサーバーから読み込むことにより,この従業員情報を用いて,作業員名簿の作成が行われる請求項7に記載の管理プログラム。
【請求項9】
さらに,
建設用道具の製品情報を入力する製品情報入力工程と,
建設用道具に対応したQRコード(登録商標)を作成する建設用道具コード作成工程と,
を備える請求項7又は8に記載の管理プログラム。
【請求項10】
さらに,
建設用道具の販売先情報を入力する販売先情報入力工程と,
建設用道具のQRコード(登録商標)を読み込み,販売先情報の登録を行う販売先情報登録工程と,
を備える請求項7から9のいずれかに記載の管理プログラム。
【請求項11】
さらに,
建設用道具のQRコード(登録商標)を読み込み,これの購入者ならびに使用開始日の登録を行う購入者・使用開始日登録工程を備える請求項7から10のいずれかに記載の管理プログラム。
【請求項12】
さらに,
建設用道具のQRコード(登録商標)を読み込み,これの使用者(従業員)に関する情報の登録を行う従業員情報登録工程を備える請求項7から11のいずれかに記載の管理プログラム。
【請求項13】
建設用道具が,フルハーネス型墜落制止用器具,防護用ヘルメット,のいずれか又は複数から選択される請求項1から12のいずれかに記載の建設等現場のための管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,建設現場ないし工事現場などで用いられる管理プログラム,ならびにこれに紐づけされた建設用道具(建設用工具を含む)に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場や工事現場など(以下,これらをまとめて「建設等現場」と略する)では,これを請け負った元請け会社の従業員のみならず,下請け等の元請け会社以外に所属する従業員も作業を行うことが通常となっている。
このような事情もあって,現場管理者(通常,作業主任者)は,作業員の所属を含め,名前や住所,保険,資格等の様々な情報(以下,「作業員情報」と略する)をまとめた作業員名簿(全建第5号様式)の作成を,事実上,義務付けられている。
【0003】
一方,作業員は,それぞれの所属ないし個人の持ち物として,建設等現場に道具(以下,このような建設用道具ならびに建設用工具をまとめて「建設用道具」と略する)を持ち込むことも多い。
建設用道具の一つとして,フルハーネス型墜落制止用器具(フルハーネス安全帯ともいわれる。以下,単に「フルハーネス」という)がある(特許文献1)。フルハーネス型墜落制止用器具は,我が国において,原則,その装着が義務付けられることとなった。
また,フルハーネスは,比較的大きな道具であり,重さも数kgある。そのため,作業員は,作業が終了してもこれを持ち帰らずに,現場に置いて帰ることも多く見られる。加えて,他の建設用道具についても同様,持ち帰らずに現場に置いたままであることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−5765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在,現場管理者が,作業員名簿を作成する際には,紙媒体の作業員名簿を現場に持ち込み,作業員から聞き取り等を行い作業員名簿に記入していくことが通常である。そのため,作業員名簿の作成は,非常に煩雑で時間がかかるという問題があった。加えて,近年では,外国人の作業員もいることから,聞取りそのものに時間がかかってしまうという問題もあった。
一方,フルハーネスなどの現場に置かれた建設用道具が,建設等現場から盗難され,転売されるということが生じるようになった。そのため,これらの道具を盗難しづらくするような環境整備が求められていた。
さらに,建設用道具は,比較的,選択の幅が広くないことから,多くの作業員が同じ種類の建設用道具を使用したり,種類が違っていても見た目が似ていることがよくある。そのため,建設用道具を一見しただけでは誰の所有物かを正確に判断できず,建設用道具の取り違えがおこるなどして,管理上の問題が生じることがあった。
【0006】
上記事情を背景として本発明では,第一の課題として,作業員名簿の作成を容易とするための管理プログラムの提供を課題とする。第二の課題として,建設用道具の盗難や管理性を向上させる管理プログラムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者らは,鋭意研究の結果,フルハーネス等の建設用道具に識別部材を設け,この識別部材に作業員情報を付与ないし紐づけすることに想到した。かかる識別部材をスマートフォン等で読み取ることにより,アプリ上で作業員情報を表示でき,容易に作業員情報を確認できるシステムに想到し,発明を完成させたものである。
また,発明者らは,建設用道具に付された識別部材に,作業員情報のみならず,建設用道具の有効期限や保証情報などを紐づけすることにより,建設用道具の管理性を向上させるシステムに想到し,発明を完成させたものである。
【0008】
加えて発明者らは,識別部材を,金属などの耐久性素材を用いたコード番号とすることに想到した。
すなわち,作業員は,屋外で作業を行うことから,識別部材が,水にぬれたり,接触により傷がついたり,汚れたりすることが想定される。これより,識別部材を,耐久性素材を用いたコード番号とすることにより,コードそのものの読み取りに障害が生じる可能性を低減させることが可能となるものである。
【0009】
本発明は,以下の構成からなる。
[1]建設用道具に備えられる耐久性識別部材を読み取る識別部材読取工程と,耐久性識別部材に付与された従業員情報を表示する従業員情報表示工程と,を備えることを特徴とする建設等現場のための管理プログラム。
【0010】
[2]耐久性識別部材を備える建設用道具の有効期限に関する情報が,耐久性識別部材に付与されている[1]に記載の建設等現場のための管理プログラム。
[3]さらに,建設用道具の有効期限を表示する有効期限表示工程を含む[2]に記載の管理プログラム。
[4]さらに,建設用道具の有効期限が期限内かどうかを判定し,有効か,期限切れかを通知する判定工程を備える[2]又は[3]に記載の建設等現場のための管理プログラム。
【0011】
[5]耐久性識別部材で用いられる素材が,金属製プレートである[1]から[4]のいずれかに記載の建設等現場のための管理プログラム。
[6]表示された従業員情報を読み込むことにより,従業員名簿を自動作成する従業員名簿作成工程をさらに備える[1]から[5]のいずれかに記載の建設等現場のための管理プログラム。
[7]金属製プレートに,QRコード(登録商標)が表示されている[5]に記載の建設等現場のための管理プログラム。
【0012】
[8]さらに,読取工程のQRコード(登録商標)の読み取りにより起動する管理プログラムであって,
従業員情報が管理プログラムのサーバーに保存されており,
名簿作成工程が,QRコード(登録商標)に対応した従業員の従業員情報をサーバーから読み込むことにより,この従業員情報を用いて,作業員名簿の作成が行われる[7]に記載の管理プログラム。
[9]さらに,
建設用道具の製品情報を入力する製品情報入力工程と,
建設用道具に対応したQRコード(登録商標)を作成する建設用道具コード作成工程と,
を備える[7]又は[8]に記載の管理プログラム。
[10]さらに,
建設用道具の販売先情報を入力する販売先情報入力工程と,
建設用道具のQRコード(登録商標)を読み込み,販売先情報の登録を行う販売先情報登録工程と,
を備える[7]から[9]のいずれかに記載の管理プログラム。
[11]さらに,
建設用道具のQRコード(登録商標)を読み込み,これの購入者ならびに使用開始日の登録を行う購入者・使用開始日登録工程を備える[7]から[10]のいずれかに記載の管理プログラム。
[12]さらに,
建設用道具のQRコード(登録商標)を読み込み,これの使用者(従業員)に関する情報の登録を行う従業員情報登録工程を備える[7]から[11]のいずれかに記載の管理プログラム。
[13]建設用道具が,フルハーネス型墜落制止用器具,防護用ヘルメット,のいずれか又は複数から選択される[1]から[12]のいずれかに記載の建設等現場のための管理プログラム。
【発明の効果】
【0013】
本発明により,作業員名簿の作成を容易とするとともに,道具の管理性を向上させる管理プログラムの提供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図10】使用者(作業員)情報の入力等の例を示した図
【
図12】作業員名簿作成のための処理の例を示した図
【
図16】購入会社の管理画面の一例であり,表示される作業員情報の例を示した図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<<発明の概容>>
本発明の建設等現場のための管理プログラムは,建設用道具に備えられる耐久性識別部材を読み取る読取工程と,耐久性識別部材に付与された従業員情報を表示する作業員情報表示工程と,を備えることを特徴とする。
これにより,スマートフォンやタブレット端末に備えられたカメラ機能などを用いて耐久性識別部材を読み取り,これに付与ないし紐づけされた従業員情報を表示することで,容易に作業員名簿を作成することが可能となる。
【0016】
本発明において,「耐久性識別部材に付与された従業員情報」とは,耐久性識別部材そのものに組み入れられた情報に加え,識別部材により読み取ることができるインターネットリンク等に紐づけされたプログラムなどから提供される情報を含むものとして定義される。加えて,情報は,文字情報に加え,写真や写しなどの画像情報,動画情報などを含むことができる。
【0017】
本発明において従業員情報は,作業員名簿に必要な情報に加え,従業員個人に関連した情報であれば特に限定する必要はなく,種々の情報を含むことができる。
従業員情報のうち作業員名簿に必要な情報として,例えば,所属,氏名,職種,経験年数,生年月日,年齢,家族連絡先,電話番号,近時の健康診断日,血液型,特殊健康診断日,保険情報(健康保険,年金保険,雇用保険),教育・資格・免許に関する情報,受入教育実施年月日などが挙げられる。また,教育・資格・免許に関する情報については,リンク先情報として,これらの画像ファイル(写し)を含むことができる。
【0018】
本発明において耐久性識別部材は,建設用道具に備えられ,識別情報が組み入れられた部材である限り特に限定する必要はなく,種々の態様のものを用いることができる。
耐久性識別部材として,例えば,耐久性素材にプリントないし刻印されたQRコード(登録商標)やバーコード,耐久性素材に皮膜されたICチップなどを用いることができる。
【0019】
耐久性素材としては,水や汚れ,傷などに強い部材である限り特に限定する必要はなく,種々の素材を用いることができる。また,耐久性素材そのものに識別マーク等を刻印ないしプリントすることもできるし,識別情報を含んだ部材を耐久性素材で覆うなどで用いることもできる。
耐久性素材として,典型的には,金属製素材,硬化プラスチック素材,耐水シールなどを用いることができる。これに加え,ICチップを用いる場合には,これを覆うためのプラスチックやビニール状の素材を用いることができる。
【0020】
耐久性識別部材として,金属製プレートに刻印ないしプリントされたQRコード(登録商標)を用いることが好ましい。
これにより,識別情報としてのQRコード(登録商標)の外観劣化を防止することが可能となる効果を有する。加えて,QRコード(登録商標)そのものが,汚れや傷に対する読取性能の低下を防止する効果を有することから,建設等現場における望ましい耐久性を備えることができ,数年単位での継続使用が期待できる効果を有する。
さらには,かかる態様により,容易に改変・改ざんを行うことができなくなり,所有者が明確となることから,例えば,盗難による転売などを防止する効果が期待できる。また,製品段階からかかる耐久識別部材を備えることにより,これが除去されていたり,読取不能に処理されている場合も,盗難品である可能性を高めることとなり,転売等の抑制が期待できる。
【0021】
本発明における耐久性識別部材は,これを個人所有物の管理又は盗難防止のための識別情報として付加的に用いることができる。
すなわち,耐久性識別部材を,シール状のものとして建設用道具に貼ったり,金属製プレートとして接着ないし溶接するなどしておくことで,所有者や有効期限などが明確となるとともに,盗難による転売を防止するなどである。
【0022】
本発明の管理プログラムにおいて,耐久性識別部材を備える建設用道具の有効期限に関する情報が,耐久性識別部材に付与されていることが好ましい。これにより,建設用道具の有効期限の確認が容易となり,より適正な建設用道具の使用が可能となる効果を有する。
また,かかる態様により,建設用道具の有効期限を表示すること(有効期限表示工程)が可能となったり,建設用道具の有効期限が期限内かどうかを判定し,有効か,期限切れかを通知すること(判定工程)が可能となるなど,本発明の利便性を向上させる効果を有する。
【0023】
本発明において管理プログラムが,従業員情報が蓄積されたサーバーを備えるとともに,QRコード(登録商標)の読み取りにより起動する構成とすることが好ましい。
これにより,QRコード(登録商標)の情報を,ウェブアドレスとして簡素化することが可能となるとともに,このアドレスに紐づけされた情報を,サーバーを通じて読み込む構成とすることができる。すなわち,QRコード(登録商標)読取工程,ウェブリンク表示工程,ウェブリンクアクセスによる従業員情報表示という一連の処理による構成である。
かかる構成により,従業員情報をサーバーから読み込み,これを用いることにより,容易に作業員情報を表示することが可能となる。加えて,作業員に関する情報として,文字情報のみならず,資格を証明するための画像情報を含む構成とすることが可能となり,本発明の有用性を向上させる効果を有する。
【0024】
本発明において管理プログラムが,さらに,個別の建設用道具の製品情報を入力する製品情報入力工程と,個別の建設用道具に対応したQRコード(登録商標)を作成する建設用道具コード作成工程とを備えることが好ましい。
これにより建設用道具に関する情報とQRコード(登録商標)に関する情報が,1対1で対応して紐づけされ,サーバー上に記録・保存される構成とすることができ,本発明の有用性を向上させる効果を有する。
なお,当該構成については,本発明の管理プログラムと同一のプログラムとして構成してもよいし,分離した別々のプログラム(第一管理プログラム,第二管理プログラム)として構成してもよい。
【0025】
本発明において管理プログラムが,さらに,個別の建設用道具の販売先情報を入力する販売先情報入力工程と,個別の建設用道具のQRコード(登録商標)を読み込み,販売先情報の登録を行う販売先情報登録工程と,を備えることが好ましい。
これにより建設用道具の販売先をサーバー上に記録することが可能となり,建設用道具の流通経路が明確となる効果を有する。
なお,当該構成についても,本発明の管理プログラムと同一のプログラムとして構成してもよいし,分離した別々のプログラムとして構成してもよい。
【0026】
本発明において管理プログラムが,さらに,個別の建設用道具のQRコード(登録商標)を読み込み,これの購入者ならびに使用開始日の登録を行う購入者・使用開始日登録工程を備えることが好ましい。
これにより建設用道具の購入者(通常は,事業法人)と建設用具の使用開始日の登録が可能となり,建設用具の所有者と使用期限を,適時,確認できるという効果を有する。
なお,当該構成についても,本発明の管理プログラムと同一のプログラムとして構成してもよいし,分離した別々のプログラムとして構成してもよい。
【0027】
本発明において管理プログラムが,さらに,個別の建設用道具のQRコード(登録商標)を読み込み,これの使用者(従業員)に関する情報の登録を行う従業員情報登録工程を備えることが好ましい。
これにより,建設用道具の使用者(従業員)に関する情報の登録が可能となり,かかる情報の読み取り・利用により,作業員名簿の作成や個人の確認などの活用が可能となるという効果を有する。
なお,当該構成についても,本発明の管理プログラムと同一のプログラムとして構成してもよいし,分離した別々のプログラムとして構成してもよい。
【0028】
本発明において建設用道具は,建設等現場において用いられる道具である限り特に限定する必要はなく,種々の道具を対象とすることができる。
このような建設用道具として,例えば,フルハーネス型墜落制止用器具,防護用ヘルメットなどが挙げられる。
【0029】
<<耐久性識別部材情報>>
図1から
図6は,耐久性識別部材の識別情報として,QRコード(登録商標)を用い,建設用道具としてフルハーネス(図面では,「安全帯」として表示)を用いた場合のプログラム画面を例示したものである。合わせて,
図7から
図11は,これらの画面において処理される工程を示したものである。
【0030】
図1は,QRコード(登録商標)作成ならびにこれの製造情報を登録するためのアプリケーションプログラム画面である。以降,アプリケーションプログラムにおいて,個別の製品に紐づけされていない画面を「元アプリ画面」,個別の製品に紐づけされた画面を「対応アプリ画面」という。
元アプリ画面では,ロットに応じて,フルハーネスの各種情報が登録される。また,この製品情報に基づいて,それぞれの製品を識別可能な製品番号と,これに対応したQRコード(登録商標)が作成される。かかるQRコード(登録商標)を読み込むことにより,これに対応したアプリケーションの起動が可能となる。
このアプリケーションは,通常,ウェブプログラムとして提供され,それぞれの製品とウェブアドレスが,1対1で対応する形で作成される。また,QRコード(登録商標)は,このウェブアドレスにリンクする形で作成される。
かかる一連の処理は
図7に示すとおりであり,フルハーネスの製造会社により行われるのが通常である。
【0031】
図2は,フルハーネスの販売会社が,元アプリ画面を通じて,製品ごとのQRコード(登録商標)を登録する画面である。続いて,
図3のように,販売先の登録を行った後,販売を行う製品のQRコード(登録商標)を読み込み,登録を行うものである。
かかる一連の処理は
図8に示すとおりであり,フルハーネスの販売会社により行われるのが通常である。
【0032】
図4は,フルハーネスの購入会社が,対応アプリ画面を通じて,製品の登録を行う画面である。購入会社は,フルハーネスのQRコード(登録商標)を読み取り,対応アプリ画面を開く。かかる画面において,購入会社に関する情報ならびに建設用道具の使用開始日(
図4)を入力・保存することができる。加えて,購入会社又は購入会社の従業員は,従業員に関する情報(
図5)を入力・保存することができる。
かかる一連の処理は
図9ならびに
図10に示すとおりであり,フルハーネスの購入会社ないし従業員により行われるのが通常である。
【0033】
これらのとおり,元アプリ画面と対応アプリ画面を通じて,QRコード(登録商標)の作成やこれに対応した製品ごとの情報の登録が可能となるものである。また,QRコード(登録商標)を通じて,
図6ないし
図11のように製品情報や使用者(作業員)情報の表示を行うことができる。すなわち,QRコード(登録商標)読取工程,QRコード(登録商標)に紐づけされたウェブリンク表示工程,ウェブリンクアクセスによる従業員情報表示工程という一連の処理により,作業員情報の表示を行うことが可能となる。
加えて,
図12のように,作業員それぞれのQRコード(登録商標)を読み込み,個人情報を取得することにより,作業員名簿が作成される。
【0034】
<<実施の形態>>
図13に,本発明の実施態様の例を示す。
図13において管理者は,インターネット接続が可能であり,カメラ機能を有するスマートフォンを有している。また,作業員は,フルハーネスを装備しており,フルハーネスには,QRコード(登録商標)が刻印された耐久性識別部材が備えられている。
【0035】
図13における一つの態様としてウェブリンク型提供プログラムが挙げられる。
すなわち,管理者は,作業員のQRコード(登録商標)をスマートフォンのカメラ機能で読み取るとウェブリンクが表示され(ウェブリンク表示工程),これをクリックすることにより,ウェブ提供型のプログラムが起動し,作業員情報の読込みならびに表示を行うことができる。また,かかる一連の作業を繰り返すことにより,プログラム上で作業員名簿の作成が行われ,出力される。
【0036】
図13における別の態様としてスマートフォンアプリ型プログラムが挙げられる。
すなわち,管理者は,スマートフォンにインストールされたアプリを立ち上げ,このアプリを用いて作業員のQRコード(登録商標)を読み込む。これにより,QRコード(登録商標)に紐づけされた作業員情報から所定の情報を,ウェブを通じて取得する。また,これを繰り返すことにより,アプリにて作業員名簿が作成される。
【0037】
図14は,本発明の実施態様の例である。
図13と同様であるが,スマートフォンではなく,ノート型パソコンを用いており,QRコード(登録商標)の読み込みのために専用の機器を用いている。
【0038】
図15は,本発明の実施態様の例である。
図15においては,作業員が,QRコード(登録商標)型ではなく,ICチップ型の耐久性識別部材を備えている例である。かかる場合,ICチップそのものに従業員情報が記憶されている。これをNFC対応のスマートフォンを用い,アプリを立ち上げ読み取ることにより,従業員情報の取得が可能となる。これを繰り返すことにより,アプリにて作業員名簿が作製される。
【0039】
図16は,購入会社の管理画面の一例であり,作業員情報が示されている。
QRコード(登録商標)に紐づけされた作業員情報が示されている。基本的な情報として,氏名や住所,血液型,生年月日などが示されており,これに付随して,家族の連絡先や保険の状況,技能習得の情報などが示されている。また,外国人作業員に対応する形で,在留カード番号についても合わせて表示される。
また,QRコード(登録商標)が付された安全帯の情報についても表示されており,使用開始日や有効期限日などが確認でき,かかる情報の表示時点で,有効な安全帯かどうかの確認が可能である。