【解決手段】被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能なデバイスが、介入による心臓学および神経放射線学における使用のための操縦可能なカテーテルおよび案内ワイヤとして構成され得る非常に狭い(小さい直径の)デバイスを含む。同じく記載されているのは、これらのデバイスを製作する方法と、これらのデバイスを使用する方法と、これらの操縦可能デバイスを制御するための制御装置とである。これらの操縦可能デバイスは、屈曲可能な遠位領域と、遠位屈曲可能領域に各々取り付けられ、遠位屈曲可能領域から、複数の軸方向並進領域を伴う近位取っ手領域へと延びる複数の腱材とを有し得る。軸方向並進領域は、近位取っ手領域の外面に沿って配置されてもよく、各々の軸方向並進領域は、遠位領域を屈曲させるための腱材に結合されてもよい。軸方向並進領域は、互いに弾性的に連結され、腱材を並進することで遠位屈曲可能領域を操縦するように構成され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、生体内で操縦可能である極めてロープロファイルな機器(例えば、微小案内ワイヤおよび微小カテーテル)に対する要求がある。本明細書に記載されているのは、それらの要求に対処する機器(例えば、デバイスおよびシステム)、それらの機器を製作する方法、および、それらの機器を動作させる方法である。本明細書に記載されている機器のいずれも、ロボットで、自動で、および/または手動で操縦可能であり得る。
【0007】
本明細書に記載されている操縦可能機器、制御装置、それらを製作する方法、および、それらを使用する方法は、機能性に妥協することなく機器の直径の縮小を可能にするいくつかの重要な特徴を含み得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、概して、人の身体への挿入のための長尺の細い操縦可能な機器(デバイスおよび方法)と、それら機器を製作する方法と、それら機器を使用する方法とに関する。特に、本明細書に記載されている長尺操縦可能デバイスは、典型的には、少なくとも1つの内側ルーメンと、遠位端において遠位屈曲領域(例えば、遠位先端領域)に結合され、近位端において近位軸方向並進領域に結合された1つの腱材、または、より好ましくは複数の腱材とを有する長尺本体を備える。
【0009】
概して、近位端は、引きワイヤまたは腱材に各々結合する複数の一列の軸方向並進領域を、デバイスの他の領域に対して軸方向に移動させることが(例えば、機器が延びる方向において長手方向に押すか引っ張る)、引きワイヤまたは腱材を移動させ、屈曲可能遠位領域を屈曲させることになり得るように、それら軸方向並進領域を有するように構成され得る。一列の軸方向並進領域は、例えば、バネまたは伸縮可能/圧縮可能な材料を介して互いに弾性的に連結されるなど、互いに連結され得る。
【0010】
本明細書に記載されているデバイスのいずれも、案内ワイヤまたはカテーテルとして構成され得る。例えば、カテーテルは、材料または構造(例えば、案内ワイヤ)が通され得るデバイスの長さのすべてまたはほとんどにおいて延びる内部ルーメンを含み得る。本明細書に記載されている操縦可能な案内ワイヤは、この追加のルーメンを含まなくてもよい。
【0011】
概して、デバイスの長尺本体は、長手方向に配置されたコイルまたは複数のコイルから形成され得る。長尺本体は、概して、柔軟および/または屈曲可能であり、そのため、身体の血管領域を通すことを含む、身体を通じて誘導するために使用できる。長尺本体の1つまたは複数の遠位領域は、限定されることはないが機器の遠位端を含む操縦可能領域であり得る。一部の変形では、デバイスは複数の操縦可能領域を含み得る。操縦可能領域は、さらに大きな柔軟性/屈曲性を有してもよい。1つまたは複数の、典型的には、2、3、4、5、またはそれ以上の腱材が、屈曲操縦可能領域を引くおよび/または押すために取り付けられてもよい。各々の腱材の遠位端が、操縦可能領域自体かまたはその近くに(例えば、操縦可能領域の遠位端に)取り付けられ、各々の腱材の近位端が、近位の軸方向並進領域に典型的には取り付けられる。腱材は、典型的には、長尺本体内で保持される。特に、腱材は、特には操縦可能な遠位領域の近くで、長尺本体の径方向外側の領域自体かまたはその近くに保持され、スペーサまたは内側部材によって互いに相互作用するのが防止され得る。
【0012】
概して、デバイスの近位端は、腱材の数に対応する数の軸方向並進領域を含む取っ手として構成され得る。軸方向並進領域は、近位取っ手領域の外面の周りに、環状に、または、部分的に環状に位置付けられ得る。軸方向並進領域は、長尺本体および/または互いに対して、軸方向で(遠位および/または近位に)変位するように構成され、軸方向並進領域を移動させることは、軸方向並進領域に取り付けられている腱材を移動させる(例えば、押すまたは引く)ことになり、それによって遠位操縦可能領域に屈曲力を加える、または、屈曲力を解除する。複数の軸方向並進領域が存在する変形では、それら軸方向並進領域は、それらを連結する介在する領域(例えば、圧縮可能/拡張可能な領域)を伴うが、互いに長手方向に隣接して配置され得る。したがって、それら軸方向並進領域は互いに弾性的に連結され得る。軸方向並進領域として適合される環状の外面領域の各々は、デバイスの近位端の外面を保持する制御装置によって、容易に別々に締め付け/締め付け解除され得る。したがって、構造は、関連する取り外し/再取り付けの手順を必要とすることなく、デバイスにわたって容易に通され得る(例えば、デバイスにわたって滑動し得る)、または、デバイス内へと通され得る(内部ルーメンを通過し得る)。また、制御装置(その例が本明細書にも提供されている)は、比較的単純で、使用するのが容易であり得る。代替で、デバイスは、軸方向並進領域を直接的に操縦することによって、手動で制御されてもよい。
【0013】
例えば、本明細書に記載されているのは、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスである。長尺操縦可能デバイスは、屈曲可能な遠位先端領域から近位取っ手領域へと近位から遠位への方向に延びてもよく、各々が遠位先端領域へと取り付けられ得、遠位先端領域から近位取っ手領域へと延びる複数の腱材と、近位取っ手領域の外面に沿って配置された複数の軸方向並進領域であって、複数の軸方向並進領域の各々の軸方向並進領域が、複数の腱材のうちの腱材に結合される、複数の軸方向並進領域とを備えてもよく、各々の軸方向並進領域が、軸方向並進領域に結合された腱材を軸方向に並進するために遠位から近位への線で移動し、それによって遠位先端を偏向するように構成される。
【0014】
各々の軸方向並進領域は、デバイスの近位および遠位の長さに対して、近位から遠位への線において移動するように構成される。したがって、各々の軸方向並進領域は、遠位先端領域を屈曲させるための長手方向の移動において、前後に移動できる(例えば、近位端に向かって遠位端から離れる、または、遠位端に向かって近位端から離れる)。本明細書に記載されている近位から遠位への線は、真っ直ぐな線、または、真っ直ぐでない(例えば、湾曲した)線であり得る。
【0015】
後でより詳しく記載されているように、軸方向並進領域は、互いに弾性的に連結され得る、および/または、中心芯材/滑動部に連結され得る。
【0016】
近位から遠位の方向で、屈曲可能な遠位先端領域から近位取っ手領域へと近位から遠位への方向に延びる、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスの他の例は、デバイス内で、デバイスの遠位先端領域からデバイスの近位取っ手領域へと延びる第1の腱材と、デバイス内で、デバイスの遠位先端領域からデバイスの近位取っ手領域へと延びる第2の腱材と、近位取っ手領域の外面における第1の軸方向並進領域であって、第1の腱材に結合され、第1の腱材を軸方向に並進するために、遠位から近位への方向において移動するように構成される第1の軸方向並進領域と、近位取っ手領域の外面における第2の軸方向並進領域であって、第2の腱材に結合され、第2の腱材を軸方向に並進するために、遠位から近位への方向において移動し、それによって遠位先端を第2の方向で偏向するように構成される第2の軸方向並進領域とを備え、第1の軸方向並進領域と第2の軸方向並進領域とが互いに弾性的に連結される。
【0017】
被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイス(近位から遠位への方向に延びるデバイス)の他の例は、屈曲可能な遠位先端領域、中間領域、および近位取っ手領域を有する長尺本体と、デバイスの長尺本体内で、遠位先端領域から近位取っ手領域へと延びる第1の腱材と、デバイスの長尺本体内で、遠位先端領域から近位取っ手領域へと延びる第2の腱材と、長尺本体の近位取っ手領域の外面における第1の軸方向並進領域であって、第1の腱材に結合される第1の軸方向並進領域と、近位取っ手領域の外面における第2の軸方向並進領域であって、第2の腱材に結合される第2の軸方向並進領域とを備え、第1の軸方向並進領域と第2の軸方向並進領域とが互いに弾性的に連結される。一部の変形では、機器は、互いに連結されない複数の並進領域(軸方向並進領域)を備える。例えば、並進領域は、近位取っ手における1つもしくは複数の通路、または、1つもしくは複数の案内レールにおいて移動する複数の個別の滑動部を備え得る。
【0018】
言及したように、これらのデバイスのいずれも、案内ワイヤとして、または、カテーテル(例えば、貫いて延びる中心ルーメンを有する)として、構成され得る。
【0019】
概して、軸方向並進領域(例えば、第1の軸方向並進領域および第2の軸方向並進領域)は、近位取っ手領域の外面に沿って隣接して配置される。軸方向並進領域は、近位取っ手領域の外面に沿って隣接して配置される円筒形領域を備えてもよい(近位取っ手領域にデバイスの外面を形成することを含む)。
【0020】
概して、腱材は、ワイヤ(例えば、引きワイヤ/押しワイヤ)、ロッド(例えば、引きロッド/押しロッド)、撚り糸、繊維などであり得る。腱材は、径方向にずれた取付部位において遠位の屈曲(例えば、先端)領域に取り付けられ得る。特に、腱材(「引っ張りワイヤ」)はマルチフィラメント(例えば、糸または紐)引っ張りワイヤであり得る。腱材は、モノフィラメント(例えば、鋼またはニチノールのワイヤ)であってもよい。例えば、マルチフィラメントの腱材は、例えば各々が約0.01mmの寸法である5本の個別の繊維を含む、おおよそ0.04mmの外径の糸を備えてもよい。
【0021】
軸方向並進領域は、連結される腱材を軸方向に並進することで遠位先端を偏向するために、遠位から近位への方向において移動するように構成され得る。例えば、第1の軸方向並進領域を遠位または近位に並進することで、第1の腱材を移動し、遠位操縦可能領域を第1の方向で屈曲でき、第2の軸方向並進領域は、第2の腱材を軸方向に並進し、それによって遠位先端を第2の方向で偏向するために、遠位から近位への方向において移動するように構成される。軸方向並進領域も、(例えば、位置を戻すために)近位から遠位への方向で移動できる。一部の変形では、アクチュエータは、圧縮荷重を伝達して先端を偏向するために、近位から遠位への方向で軸方向並進領域を移動でき(例えば、腱材を「押す」)、軸方向並進領域を遠位から近位へと作動することは、先端を偏向するために、腱材を「引く」ことができる。一部の実施形態では、機器は、引く(圧縮でない)力のみがアクチュエータによって加えられるように適合されてもよく、他の変形では、機器は、圧縮の力と引く(伸長)力との両方を加えるために適合されてもよく、なおも他の変形では、圧縮の力のみが加えられてもよい。操縦可能デバイスおよび/またはアクチュエータのいずれかまたは両方が、腱材の圧縮および/または伸長のいずれかまたは両方で動作するように構成されてもよい。
【0022】
長尺本体は、概して、コイル(例えば、螺旋コイル)として形成されてもよく、概して、屈曲可能な遠位先端領域と、中間領域と、近位取っ手領域とを含んでもよい。長尺本体は、長さの異なる領域に沿って異なる柔軟性/屈曲性を有してもよい。例えば、長尺本体は、長尺本体の長さに沿って異なるピッチおよび/またはプリテンションを有するコイルを備えてもよい。特に、取っ手領域は、柔軟な、弾性的な、または移動可能な領域によって分離された比較的硬い領域(例えば、軸方向並進領域)を含んでもよい。これらの柔軟な、弾性的な、および/または軸方向に伸長可能/圧縮可能な領域は、隣接する軸方向並進領域を連結できる。例えば、長尺本体は、屈曲可能な遠位先端領域と、中間領域と、近位取っ手領域とを含んでもよく、長尺本体は、長尺本体の長さに沿う複数の異なるピッチを備え、取っ手は、より柔軟な(拡張可能/圧縮可能な)ピッチおよび/または材料を有する領域によって分離された、一体に溶着または接着され得る狭いピッチの(比較的堅い)領域から形成された軸方向並進領域を含み得る。
【0023】
同じく本明細書に記載されているのは、これらのデバイスを使用する方法である。例えば、複数の腱材を有する長尺デバイスを操縦する方法であって、各々の腱材が、デバイスの遠位端において遠位先端領域へと結合され、デバイスの近位端において別々の軸方向並進領域に結合され、軸方向並進領域が、近位から遠位への線において、デバイスの近位取っ手領域に沿って配置され、軸方向並進領域が互いに弾性的に連結され、方法が、軸方向並進領域のうちの少なくとも第1の軸方向並進領域と第2の軸方向並進領域とを別々に保持するステップと、軸方向並進領域のうちの第1の軸方向並進領域と第2の軸方向並進領域との間の距離を増大または縮小することで、第1の軸方向並進領域と結合される腱材を軸方向に並進させて遠位先端領域を偏向するために、第1の軸方向並進領域を第2の軸方向並進領域に対して近位または遠位に滑動するステップとを含み得る。
【0024】
概して、方法は、デバイスを被験者の身体へと挿入するステップも含み得る。別々に保持するステップは、軸方向並進領域の各々をアクチュエータの別々の把持部に摩擦で固定するステップを含み得る。
【0025】
方法は、近位取っ手領域の遠位または近位にあるデバイスの一部分を保持しつつ、軸方向並進領域のうちの第1の軸方向並進領域が、近位取っ手領域の遠位、近位、または、遠位および近位にあるデバイスの一部分に対して滑動するように、軸方向並進領域のうちの第1の軸方向並進領域を滑動するステップをも含み得る。別々に保持するステップは、軸方向並進領域のうちの第1の軸方向並進領域を第1の把持で保持するステップと、軸方向並進領域のうちの第2の軸方向並進領域を第2の把持で保持するステップとを含み得る。一部の場合では、軸方向並進領域の各々を別々に保持するステップは、互いに独立して移動可能である別々の摩擦把持で、軸方向並進領域の各々を保持するステップを含む。軸方向並進領域の各々を別々に保持するステップは、近位取っ手領域の遠位にあるデバイスの一部分、および/または、軸方向並進領域の近位にあるデバイスの一部分を保持するステップを含み得る。
【0026】
複数の腱材を有する長尺デバイスを操縦する方法であって、各々の腱材が、デバイスの遠位端において遠位先端領域へと結合され、デバイスの近位端において別々の軸方向並進領域に結合され、軸方向並進領域が、近位から遠位への線において、デバイスの近位取っ手領域に沿って配置され、軸方向並進領域が互いに弾性的に連結され、方法が、軸方向並進領域の各々をアクチュエータの別々の把持部に摩擦で固定するステップと、近位取っ手領域の遠位にあるデバイスの一部分を保持しつつ、軸方向並進領域のうちの第1の軸方向並進領域と第2の軸方向並進領域との間の距離を増大または縮小することで、第1の軸方向並進領域と結合される腱材を軸方向に並進させて遠位先端領域を偏向するために、第1の軸方向並進領域を第2の軸方向並進領域に対して近位または遠位に滑動するステップとを含み得る。
【0027】
前述のように、記載したデバイスの遠位領域の屈曲を制御するための制御装置も含まれる。制御装置は、これらのデバイスと共に(例えば、システムとして)、または、デバイスとは別に、備えられ得る。概して、制御装置は、軸方向並進領域がデバイスの屈曲を駆動するために独立して作動され得るように、軸方向並進領域、および/または、軸方向並進領域の近位、遠位、または、近位および遠位のデバイスの一部分を別々に把持する1つの(または、よりあり得るのは、例えば2、3、4、5、6またはそれ以上といった、複数の)対の離散した把持面を含む。これらの制御装置のいずれも、自動、手動、または両方で動作するように適合され得る。長尺操縦可能デバイスは、軸方向並進領域および/またはデバイスの近位端の他の領域の各々への締め付け、把持、または他の固定によって、制御装置に連結され得る。
【0028】
例えば、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスの異なる軸方向並進領域を、長尺操縦可能デバイスの遠位先端を屈曲させるために独立して移動させるように適合された制御装置が、把持面の2つ以上の対であって、把持面の前記2つ以上の対が、近位から遠位へと延びる線に配置され、さらに、把持面の対の各々を形成する把持面同士の間の距離が、長尺本体を把持面の対の各々の間で締め付けることができるように調節可能である、把持面の2つ以上の対と、把持面の対の並進を駆動するように構成された少なくとも1つの駆動装置であって、把持面の対の各々が互いに独立して並進するように適合される、少なくとも1つの駆動装置とを備え得る。
【0029】
制御装置は、把持面の2つ以上の対と近位または遠位で一列に位置付けられる把持面の安定化対を備えてもよく、把持面の安定化対は、把持面の1つまたは複数の対を並進するとき、長尺操縦可能デバイスの軸方向の並進を防止する。一部の変形では、安定化させた把持面は、軸方向並進領域同士の間に位置付けられ得る。
【0030】
本明細書に記載されている把持面は、軸方向並進領域(または、デバイスの安定化領域)同士の間でそれら軸方向並進領域を圧縮する把持面の対を含むが、これらの変形のいずれも、単一の把持面(例えば、通路、U字形、空洞など)、または、3つ以上の把持面を使用するように適合され得る。
【0031】
少なくとも1つの駆動装置は、機械式アクチュエータ(例えば、モータ)、空気圧式アクチュエータ、および電気式アクチュエータを含む(限定されることはない)任意の適切な種類の駆動装置であり得る。駆動装置は、回転において、または、線形の次元において、並進できる。したがって、把持面の対は、遠位から近位への方向で並進する、および/または、時計回り/反時計回りの方向に回転するなどのように適合され得る。例えば、把持面の各々の対の把持面の少なくとも一方がローラとして構成される。駆動装置は、把持面の複数の対の並進を駆動するように構成されてもよく、例えば、単一のモータが、把持面の対の各々の並進を独立して駆動するように適合されてもよい。
【0032】
制御装置は、2つ以上のレールおよび/またはガントリを備えてもよく、把持面の対の各々が、レール/ガントリのうちの1つに連結され、レール/ガントリ上で並進するように適合される。一部の変形では、制御装置は、1つまたは複数のレールを備えてもよく、把持面の対の各々が、レールのうちの1つに連結され、レール上で並進するように適合される。
【0033】
概して、制御装置の一部分(例えば、上部分)がヒンジ留めされ、ヒンジは、把持面の対の各々を形成する把持面同士の間の距離を調節することで、デバイスを挿入または取り外すことができるように構成される。例えば、制御装置は、把持面の対の各々の間で保持された長尺本体に、把持面の2つ以上の対の各々を固定するように構成された締め具を備えてもよい。
【0034】
制御装置は、制御装置の把持面の対の各々の間に保持された長尺デバイスの遠位先端を操縦するために、把持面の対の各々の並進を制御するように適合されたユーザインターフェースを備え得る。例えば、制御装置は、作動を制御するために、ボタン、ダイヤル、レバー、グラフィカルユーザインターフェースなどを備えてもよい。
【0035】
記載した制御装置のいずれにおいても、制御装置は、把持面の対の並進を(例えば、約5mm未満に)制限するように構成された少なくとも1つの制限装置を備えてもよい。
【0036】
本明細書に記載されている制御装置(制御機器)のいずれも、互いに係合する、2つの構成要素、または、一部の場合ではより多くの構成要素を有する複数部品の制御装置として構成され得る。構成要素の一部は再使用可能としてよく、構成要素の一部は、一回の使用または制限された再使用(例えば、殺菌可能)としてよい。例えば、本明細書に記載されている制御装置機器のいずれも、長尺操縦可能デバイス(例えば、本明細書に記載されている長尺操縦可能デバイスのいずれか)の遠位先端を操縦するために、制御装置システムとして構成されてもよく、近位から遠位へと延びる線に配置された2つ以上の摩擦把持部を備えるカートリッジであって、各々の摩擦把持部が、長尺操縦可能デバイスの一部分を保持するように構成され、さらに、各々の摩擦把持部が、近位から遠位へと延びる線に沿って独立して移動可能である、カートリッジと、2つ以上の駆動部材を備える駆動装置組立体であって、カートリッジが、近位から遠位へと延びる線における移動を駆動するために駆動組立体と結合されるとき、摩擦把持部のうちの1つと係合するように構成される結合装置を各々の駆動部材が備え、さらに、各々の摩擦把持部が、駆動組立体内で1つまたは複数の駆動モータによって駆動される、駆動装置組立体とを備えてもよく、カートリッジと駆動装置組立体とが、無菌障壁を通じて、取り外し可能に一体に結合されるように構成される。
【0037】
カートリッジは、一回の使用(例えば、使い捨て)であってもよく、または、各々の使用の後に再生(例えば、殺菌)されてもよい。カートリッジは、長尺操縦可能デバイスがあらかじめ装填されてもよく、例えば殺菌された包装または殺菌可能な包装で、別々に包装されてもよい。カートリッジは、摩擦把持部を覆うカバーを備えてもよい。摩擦把持部は、本明細書に記載されている把持面の対のいずれかを含み得る(または、例えばC字形の把持面といった、単一の把持面を含んでもよい)。各々の摩擦把持部は、本明細書に記載されているカテーテルおよび/または案内ワイヤなど、長尺の操縦可能(例えば、長尺の操縦可能先端)デバイスの一部分(例えば、滑動要素)を締め付けてしっかりと保持する把持面および/または締め具および/または固定部を備えてもよい。摩擦把持部は、遠位から近位への軸(例えば、遠位から近位へと延びる線)において軸方向に滑動可能であるように、カートリッジに(例えば、カートリッジ筐体の内部、表面、および/または中に)保持されてもよい。例えば、摩擦把持部は、1つまたは複数のレール、通路などに結合されてもよく、各々をカートリッジ内で軸方向に移動させることができるように担持面を備えてもよい。摩擦把持部の各々は、駆動装置組立体の駆動部材と結合するための結合装置を備えてもよい。一部の変形では、駆動部材と摩擦把持部との間の結合は、シート、バッグ、ポーチなどの無菌障壁を通じて行われる。結合装置は、静磁石または電磁石を含み得る磁気結合装置であり得る。結合装置は、接触式または非接触式であり得る。結合装置は、配向特定の様態で駆動部材と係合するように配向され得る。例えば、磁気結合装置について、結合装置における(そのため、摩擦把持部における)磁極の配向は、相補的な磁極配向を有する駆動部材と結合装置が合致するように配置され得る。一部の変形では、(結合装置を含む、または、結合装置とは別の)摩擦把持部が、所定の配向において駆動部材に嵌まるだけであるようにキー止めされる。
【0038】
駆動装置組立体は、典型的には、近位から遠位への線(軸)において、駆動部材、延いては、(結合装置を通じて)摩擦把持部を移動させる1つまたは複数の駆動装置(例えば、モータ)を備える。一部の変形では、各々の駆動部材は、別々の駆動部を備える、または、別々の駆動部に連結され、その摩擦把持部、延いては、摩擦把持部のうちの1つの軸方向の移動を別々に制御できる。一部の変形では、複数の駆動要素が1つの駆動要素を共有してもよいが、例えば、共有された駆動装置との係合を制御することで、なおも別々に移動させることができる。
【0039】
本明細書に記載されている制御装置のいずれにおいても、制御装置は、無菌のバッグ、ケース、スリーブなど、無菌障壁内で少なくとも部分的に制御装置を包囲することによって無菌領域内で使用され得る。例えば、複数部品の制御装置は、第1の部品(例えば、摩擦把持部を含むカートリッジ)が無菌であって無菌領域内で使用され得る一方、第2の部品(例えば、再使用可能な駆動装置組立体)が無菌ではないが無菌障壁(例えば、スリーブ)内に保持され得るように、無菌障壁(例えば、スリーブ)との使用に向けて構成され得る。障壁は、駆動装置組立体がカートリッジと確実に係合し、無菌障壁を通じた摩擦把持部の移動を駆動できるように、駆動装置組立体上でバッグを保持するために、フレーム、ケージ、または他の固定部を備え得る。
【0040】
例えば、長尺操縦可能デバイスの遠位先端を操縦するように適合される、本明細書に記載されている制御装置システムのいずれも、近位から遠位へと延びる線に配置された2つ以上の摩擦把持部を備えるカートリッジであって、各々の摩擦把持部が、長尺操縦可能デバイスの一部分を把持するように構成され、さらに、各々の摩擦把持部が、近位から遠位へと延びる線に沿って独立して移動可能である、カートリッジと、2つ以上の駆動部材を備える駆動装置組立体であって、カートリッジが、近位から遠位へと延びる線における摩擦把持部のうちの1つの移動を駆動するために無菌障壁を通じて駆動組立体と結合されるとき、摩擦把持部のうちの先の1つと磁気的に係合するように構成される磁気結合装置に連結される駆動モータを各々の駆動部材が備える、駆動装置組立体とを備えてもよく、カートリッジと駆動装置組立体とが、無菌障壁を通じて、取り外し可能に一体に結合されるように構成される。
【0041】
一部の変形では、制御装置システムは、駆動装置組立体が嵌まる無菌障壁(バッグまたはスリーブとして構成され得る)を備える。無菌障壁は、駆動装置組立体が嵌まる無菌障壁内に、ケージ、フレーム、または他の固定部を備え得る。
【0042】
前述したように、摩擦把持部は、長尺操縦可能デバイスにわたって締め付けられ得る一対の把持面を各々備えてもよい。摩擦把持部は、摩擦把持部内の長尺操縦可能デバイスの離散部分を解除可能に固定するように構成された固定部を各々備え得る。
【0043】
駆動装置組立体とカートリッジとは、任意の適切な取付機構によって、(例えば、無菌障壁を通じた一部の変形において)一体に保持され得る。他の取付(例えば、機械式)機構が同様にまたは代替で使用され得るが、カートリッジと駆動装置組立体との間の磁気取付部は、特に有用であり得る。例えば、配向磁気取付部が、所定の位置合わせで、無菌障壁を通じた駆動装置組立体へのカートリッジの位置合わせおよび固定の両方を行うために、カートリッジと駆動装置組立体との間で使用されてもよい。概して、カートリッジと駆動装置組立体との間での取り付けは、その2つが所定の配向のみで連結可能であるように配向され得る(例えば、キー止めされ得る)。
【0044】
同じく本明細書に記載されているのは、遠位先端領域、中間領域、および近位取っ手領域を有する長尺本体と、遠位先端領域に取り付けられ、長尺本体内で近位に延びる複数の腱材であって、各々の腱材が、近位取っ手領域の外面における別々の軸方向に移動可能な作動領域に結合される、複数の腱材と、複数の腱材の各々を、長尺本体の中心芯材から径方向外向きに保持するように適合された、遠位先端領域における少なくとも1つの分割装置とを備え、少なくとも1つの分割装置が、腱材同士が絡まるのを防止するように適合される、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスである。
【0045】
例えば、操縦可能デバイスは、遠位先端領域、中間領域、および近位取っ手領域を有する長尺本体と、遠位先端領域に取り付けられ、長尺本体内で近位に延びる複数の腱材であって、各々の腱材が、近位取っ手領域の外面における別々の軸方向に移動可能な作動領域に結合される、複数の腱材と、複数の腱材の各々を、長尺本体の中心芯材から径方向外向きに保持するように適合された、遠位先端領域における少なくとも1つの分割装置とを備え、少なくとも1つの分割装置が、腱材の各々が絡まるのを防止するように適合される、操縦可能案内ワイヤデバイスとして構成されてもよい。
【0046】
前述したように、これらのデバイスのいずれも、複数の腱材(例えば、2、3、4、5、6、7、8など)を備えてもよい。
【0047】
分割装置は、概して、デバイスの中線から径方向外向きに腱材を維持するために、腱材を概して分離し、力を加える。例えば、分割装置は遠位先端領域内に少なくとも1つの芯材部材を備えてもよいが、複数の芯材部材(分割または連結されている)が使用されてもよい。芯材部材は、芯材部材の長さに沿って延びる交互の直径の領域を有する分離体を備えてもよい。
【0048】
概して、本明細書に記載されている操縦可能デバイスのいずれも、細くてもよい、または、狭くてもよい。例えば、これらのデバイスのいずれも、約1mm未満(例えば、0.9mm未満、0.8mm未満、0.7mm未満、0.6mm未満、0.5mm未満など)の直径を伴う長尺本体を有してもよい。
【0049】
一部の変形では、デバイスは複数の操縦可能領域を含み得る。例えば、遠位先端領域から近位取っ手領域へと近位から遠位への方向において延びる、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスが、各々が遠位屈曲領域へと取り付けられ、遠位屈曲領域から近位取っ手領域へと延びる複数の腱材と、近位取っ手領域の外面に沿って配置された複数の軸方向並進領域であって、複数の軸方向並進領域の各々の軸方向並進領域が、複数の腱材のうちの腱材に結合される、複数の軸方向並進領域とを備えてもよく、軸方向並進領域が互いに弾性的に連結され、さらに、各々の軸方向並進領域が、軸方向並進領域に結合された腱材を軸方向に並進するために遠位から近位への方向で移動し、それによって、腱材が取り付けられる遠位屈曲領域を偏向するように構成される。
【0050】
一部の変形では、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスが、1つまたは複数の遠位屈曲領域、中間領域、および近位取っ手領域を有する長尺本体と、複数の腱材であって、各々の遠位屈曲領域が1つまたは複数の腱材に取り付けられ、各々が長尺本体内で近位に延び、各々の腱材が、近位取っ手領域の外面における別々の軸方向に移動可能な作動領域に結合される、複数の腱材と、遠位屈曲領域における少なくとも1つの分割装置であって、複数の腱材の各々を、長尺本体の中心芯材から径方向外向きに保持するように適合される少なくとも1つの分割装置とを備え、少なくとも1つの分割装置が、腱材同士が絡まるのを防止するように適合される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1A】遠位先端(または、他の遠位領域)の操縦を駆動するために、制御装置に連結された長尺の操縦可能な案内ワイヤとして構成された機器(システム)の例の図である。
【
図1B】遠位先端(または、他の遠位領域)の操縦を駆動するために、制御装置に連結された長尺の操縦可能なカテーテルとして構成された機器(システム)の例の図である。
【
図2A】屈曲可能な遠位先端領域から近位取っ手領域へと近位から遠位への方向において延びる、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスの例の図である。
【
図2B】
図2Aのデバイスの遠位端(先端)領域の拡大断面図である。
【
図2C】遠位バネのない
図2Aのデバイスの遠位(先端)領域の拡大斜視図である。
【
図3A】操縦可能案内ワイヤとして構成された、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスの遠位端領域の側面図の別の例の図である。
【
図3C】
図3Aに示したデバイスの、遠位から見た断面図(
図3AにおけるC-C'で切り取られている)である。
【
図4A】操縦可能案内ワイヤとして構成された、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスの遠位端領域の側面図の別の例である。
【
図4C】
図4Aに示したデバイスの、遠位から見た断面図(
図4AにおけるC-C'で切り取られている)である。
【
図4D】本明細書に記載されている機器のいずれかと使用され得る、分割装置として構成された、内部芯材部材の一変形の斜視図である。
【
図4F】
図4Aに示したデバイスの遠位端領域の分解図である。
【
図4G】腱材の各々のための通路またはルーメンを有する、マルチルーメン部材として構成された芯材(内部芯材)部材の別の変形の側方斜視図である。
【
図4H】腱材の各々のための通路またはルーメンを有する、マルチルーメン部材として構成された芯材(内部芯材)部材の別の変形の端斜視図である。
【
図5A】遠位屈曲領域へと延びる腱材ワイヤに各々が(例えば、コイル内で)取り付けられ得る4つの軸方向並進領域を示す、本明細書に記載されている機器のいずれかの近位端領域(例えば、アクチュエータ領域または制御領域とも称され得る取っ手領域)の一変形の図である。示した近位端領域は、
図1A、
図1B、
図2A、
図3A、および
図4Aに示したものを含め、記載したいずれのデバイスの変形の一部にもなり得る。
【
図5B】
図5Aに示したものと同様の2つの弾性的に連結された軸方向並進領域の若干の拡大図である。
【
図5C】使用され得る軸方向並進領域の変形の図であり、軸方向並進領域が、デバイスの長尺本体を形成するコイルの一部分から形成され、連結する領域より狭いピッチを有する領域によって形成されている図である。
【
図5D】使用され得る軸方向並進領域の変形の図であり、軸方向並進領域が、第2の材料(例えば、円筒部)を、デバイスの長尺本体を形成するコイルに連結することにより形成されている図である。
【
図5E】使用され得る軸方向並進領域の変形の図であり、デバイスの長尺本体を形成するコイルなど、いずれかの端でコイルに連結されている別々の領域(例えば、円筒形領域)を示す図である。
【
図6】長尺操縦可能デバイスの近位取っ手領域に結合された制御装置の一部分の概略図である。
【
図7】
図1A〜
図5Fに示したものなど、操縦可能デバイスを作動するための制御装置の一変形の部分的な斜視図であり、駆動装置が、軸方向並進領域(見ることができない)に結合された取付腱材を作動するために、把持面の両方、延いては軸方向並進領域を、長手方向(遠位および近位)に駆動して並進できるような、一対の把持面と、把持面同士の間で締め付けられた軸方向並進領域とを示す部分図である。
【
図8】
図1A〜
図5Fに示したものなど、操縦可能デバイスを作動するための制御装置の別の変形の部分的な斜視図であり、駆動装置が、軸方向並進領域(見ることができない)に結合された取付腱材を作動するために、把持面の一方、延いては軸方向並進領域を、長手方向(遠位および近位)に駆動して並進できるような、一対の把持面と、把持面同士の間で締め付けられた軸方向並進領域とを示す部分図である。
【
図9】
図1A〜
図5Fに示したものなど、操縦可能デバイスを作動するための制御装置の別の変形の部分的な斜視図であり、駆動装置が、軸方向並進領域(見ることができない)に結合された取付腱材を作動するために、転動面の回転を駆動することで把持面の並進を駆動し、延いては軸方向並進領域を変位できるような、一対の転動把持面と、転動把持面同士の間で締め付けられた軸方向並進領域とを示す部分図である。
【
図10】
図1A〜
図5Fに示したものなど、操縦可能デバイスを作動するための制御装置の別の変形の部分的な斜視図であり、駆動装置が、軸方向並進領域(見ることができない)に結合された取付腱材を作動するために、把持面の並進を駆動し、延いては軸方向並進領域を変位できるような、一対の把持面(1つが転動し、1つが長手方向に並進する)と、把持面同士の間で締め付けられた軸方向並進領域とを示す部分図である。
【
図11A】
図1A〜
図5Fに示したものなど、操縦可能デバイスを作動するための制御装置の別の変形の部分的な斜視図である。
【
図11B】デバイスの把持面の対が軸方向並進領域へと締め付けられて示されており、駆動装置(例えば、モータ)が、軸方向並進領域(見ることができない)に結合された取付腱材を作動するために、把持部面の並進を遠位または近位に(長手方向に)駆動できることを示す図である。
【
図12A】軸方向並進領域に各々が固定しており、異なる建材を作動し、操縦可能デバイスの遠位領域(例えば、遠位先端)を操縦するために各々が独立して移動可能である把持部面の複数の締め付ける対を有する、制御装置の一変形の側方斜視図である。
【
図13A】操縦可能デバイスの遠位端を作動するための腱材(図示されていない)に各々連結された4つの一列の軸方向並進領域を有する、本明細書に記載されているような制御装置機器と操縦可能デバイスの近位端領域との別の変形の分解部分図である。
図13Aに示した制御装置は、締め具の複数の対と、軸方向並進領域を把持するための把持面とを備え、把持面の底が示されており、各々独立して作動され得る。
【
図13B】把持面の対の間で締め付けられた操縦可能デバイスの複数の軸方向並進領域を伴う近位端領域を示す、
図13Aの機器の側面図である。
【
図14】屈曲可能な遠位先端領域から近位取っ手領域へと近位から遠位への方向において延びる、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスの他の例の図である。
【
図15A】屈曲可能な遠位先端領域から近位取っ手領域へと近位から遠位への方向において延びる、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスの例(
図14に示したものと同様である)の詳細図である。長尺の遠位で操縦可能な装置のこの例の全長の概略を示している。
【
図15B】屈曲可能な遠位先端領域から近位取っ手領域へと近位から遠位への方向において延びる、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスの例(
図14に示したものと同様である)の詳細図であり、(
図15Bに示した)遠位端から、
図15Eに示した取っ手領域に向かって、徐々により近位の領域を、より詳細に示している。
【
図15C】屈曲可能な遠位先端領域から近位取っ手領域へと近位から遠位への方向において延びる、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスの例(
図14に示したものと同様である)の詳細図であり、(
図15Bに示した)遠位端から、
図15Eに示した取っ手領域に向かって、徐々により近位の領域を、より詳細に示している。
【
図15D】屈曲可能な遠位先端領域から近位取っ手領域へと近位から遠位への方向において延びる、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスの例(
図14に示したものと同様である)の詳細図であり、(
図15Bに示した)遠位端から、
図15Eに示した取っ手領域に向かって、徐々により近位の領域を、より詳細に示している。
【
図15E】屈曲可能な遠位先端領域から近位取っ手領域へと近位から遠位への方向において延びる、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスの例(
図14に示したものと同様である)の詳細図であり、(
図15Bに示した)遠位端から、
図15Eに示した取っ手領域に向かって、徐々により近位の領域を、より詳細に示している。
【
図16A】異なる屈曲の剛性を各々が有する強化ポリマー管の組立体を介して遠位の剛性の変化を提供し得る、
図14および
図15A〜
図15Eに示したものなどの組立体のさらなる詳細を示す図である。この図では、示される図の全体において、文面で特に指示していない場合、示した寸法は単なる例示であり、これらの寸法は変更(増大/縮小)されてもよい。
【
図16B】異なる屈曲の剛性を各々が有する強化ポリマー管の組立体を介して遠位の剛性の変化を提供し得る、
図14および
図15A〜
図15Eに示したものなどの組立体のさらなる詳細を示す図である。この図では、示される図の全体において、文面で特に指示していない場合、示した寸法は単なる例示であり、これらの寸法は変更(増大/縮小)されてもよい。
【
図17A】長尺の遠位で操縦可能なデバイスの別の例を示す図である。
【
図17B】本明細書に記載されているようなデバイスの先端を操縦するために、個別の腱材を作動するために使用され得る複数の滑動要素(軸方向に並進する制御要素)を含む、
図17Aのデバイスの近位端における取っ手領域の拡大図である。
【
図17D】レーザ切断された皮下管を示す、近位取っ手と遠位先端との間の本体領域の一部分を示す図である。
【
図18A】本明細書に記載されているような長尺の遠位で操縦可能なデバイスを作動するための複数部品の制御装置の一例を示す図である。複数部品の制御装置は、別々であるが連結可能なカートリッジと駆動装置組立体とを含んでいる。
【
図18B】2つの部品が制御装置を形成するために連結されている図である。
【
図19A】長尺操縦可能デバイスを含む複数部品の制御装置のカートリッジの前方斜視図である。
【
図19B】長尺操縦可能デバイスの異なる部分(滑動要素を含む)を固定する6つの摩擦把持部を示すために、扉が開けられた状態での
図19のカートリッジを示す図である。
【
図19C】摩擦把持部の1つが開けられた状態での
図19Aおよび
図19Bのカートリッジを示し、長尺操縦可能デバイスの近位端の一部分を示す図である。
【
図20A】本明細書に記載されているような摩擦把持部の一例の側方斜視図である。
【
図20B】本明細書に記載されているような摩擦把持部の一例の下方斜視図である。
【
図22】
図18Aにおけるものなどの駆動装置組立体の分解部分図である。簡略化のため、一部の要素(例えば、電力線、配線、回路、ネジ)が省略されている。
【
図23】駆動装置へと各々連結される(および/または、駆動装置を含む)4つの駆動部材を備え、近位から遠位への軸における駆動部材(磁気結合装置を各々伴う)の動きを駆動する、
図22に示した駆動装置組立体の駆動部材の拡大図である。
【
図24A】制御装置の駆動装置組立体の上面図であって、駆動装置組立体筐体の内部を覆うことができる一方で駆動部材の並進を許容する保護蛇腹の上面図である。
【
図24B】制御装置の駆動装置組立体の上面図であって、保護蛇腹が取り外された状態での駆動装置組立体の上面図である。
【
図25A】無菌カバーの一変形の側方斜視図である。
【
図25B】
図25Aの無菌カバーへの制御装置の(再使用可能)駆動装置組立体部分の挿入を示す図である。
【
図25C】
図25Dに示したような完成した制御装置を形成するために、被覆された駆動装置組立体へのカートリッジ(長尺操縦可能部材を含む)の取り付けを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
介入による心臓学および神経放射線学における使用のための操縦可能なカテーテルおよび案内ワイヤの他に、それらを製作する方法、それらを使用する方法、それらを制御するための制御装置、ならびに、それらを備えるシステムとして構成され得る特に非常に狭い(小さい直径の)デバイスを含む、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能なデバイスが、本明細書で記載されている。概して、これらの装置は、屈曲可能な遠位領域(例えば、遠位先端領域)および近位取っ手領域と、遠位屈曲可能領域に各々取り付けられ、遠位屈曲可能領域から近位取っ手領域へと延びる複数の腱材と、近位取っ手領域における複数の軸方向並進領域とを有し得る。軸方向並進領域は、近位取っ手領域の外面に沿って配置されてもよく(または、近位取っ手領域の外面の一部を形成できる)、各々の軸方向並進領域は、屈曲可能遠位領域を屈曲させるための腱材に結合される。軸方向並進領域は、互いに弾性的に(例えば、伸長可能および圧縮可能に)連結されてもよく、軸方向並進領域に結合された腱材を軸方向に並進し、それによって遠位屈曲可能領域を操縦するために、遠位から近位への方向で移動するように構成され得る。
【0053】
本明細書に記載されている長尺操縦可能デバイス(例えば、案内ワイヤ、カテーテルなど)は、概して、例えば約0.5mから約3.5mの間など、任意の適切な長さであり得る。例えば、本明細書に記載されているように構成された長尺の細い操縦可能なカテーテルは、約1mから1.5mの間の長さであり得る。長尺の細い操縦可能な案内ワイヤ、例えば、約1.7mから2.5mの間の長さであり得る(例えば、おおよそ1.9mの長さ)。
【0054】
本明細書で用いられるとき、被験者は、任意の被験者、人、または動物を指すことができる。被験者は、患者と称されてもよい。本明細書で用いられるとき、腱材は、概して、ワイヤ、コード、線材など、柔軟で比較的非弾性の長尺の長さの材料を備える。例えば、腱材は引っ張りワイヤであり得る。一部の例では、腱材は、デバイスの移動を作動するために、腱材を押すことの他に、腱材を引くことを可能にするだけのコラム強さを有する。本明細書で用いられるとき、「隣接」は、互いに平行に延びていることを含む、互いに隣にある構成要素(例えば、腱材)を指すことができる。隣接する要素は、必然ではないが、互いに接触していてもよい。例えば、隣接する腱材は接触している必要はないが、一部の変形では接触していてもよく(直に隣接しているとして言及されてもよい)、しかし、他の要素によって分離されてもよい。同様に、隣接する軸方向並進領域は、(他の軸方向並進領域と比較して)互いに最も近くにあり得るが、互いに接触している必要はない。
【0055】
本明細書で用いられるとき、長尺の物体は、幅(および/または高さ)よりも長い物体または構成要素を指すことができる。特に、本明細書に記載されている長尺操縦可能デバイスを含む長尺の物体は、横断断面においてよりも遠位から近位への軸においてはるかにより長い長尺本体を備え得る。例えば、本明細書に記載されている操縦可能案内ワイヤおよび操縦可能カテーテルは、長い(近位から遠位への)軸において延びる長尺本体を備える。
【0056】
本明細書で用いられるとき、「弾性的に連結される」という文言は、弾性的に連結されている要素同士を分離する相対距離を変化させるために、要素同士の間の領域が伸長され得る(例えば、引き伸ばされ得る)、または、潰され得る(例えば、圧縮され得る)ように、弾性的に連結されている要素同士が連結されることを意味する。すべてではないが一部の変形では、弾性的に連結された領域は、弾性的に連結されている2つの要素を分離する相対距離を復元力が復元しようとするように、付勢されてもよい。一部の例では、弾性的に連結された要素は、要素同士の間の距離が、2つの要素の間の所定の分離を再生しようとする実質的な再生力なしで、より短くされ得る、または、より長くされ得るように連結される。付勢力または再生力に係わらず、弾性的に連結された要素同士の間の空間は、2つの要素の間の距離を伸長または圧縮するように調節されてもよく、それらの元の分離距離(例えば、所定の分離距離)は、手動または自動で再生されてもよい。
【0057】
図1Aおよび
図1Bは、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスである。
図1Aでは、デバイス100は、介入による心臓学および/または神経放射線学の処置での使用のために適切であり得る操縦可能で極めてロープロファイルな案内ワイヤとして、構成されている。デバイスの遠位端(遠位先端領域102)は、点線によって示されているように屈曲可能であり、複数の内部腱材(
図1Aでは見ることができない)を備えている。デバイスは、遠位から近位へと、中間領域を通って、制御装置107に連結されて示されている近位取っ手領域105へと延びている。デバイスはコイル(例えば、螺旋コイル)から形成され得る。
【0058】
近位領域は、近位端において長尺本体内/長尺本体上に形成された複数の軸方向並進領域(例えば、「滑動部」)を備え得る。例えば、軸方向並進領域は、後で
図5A〜
図5Eにおいて示しているように、異なるピッチを有するコイルの領域によって形成され得る。軸方向並進領域は、皮下管をコイルに溶接することで、または、皮下管をコイル領域同士の間に挿入することで、形成されてもよい。
【0059】
本明細書に記載されている長尺操縦可能デバイスのいずれも、被覆(例えば、親水性被覆)を有することができる。一部の変形では、長尺本体の一部分(例えば、中間領域)が皮下管(例えば、柔軟な皮下管)であってもよい。代替で、装置全体が、外側(例えば、ポリマーの)被覆を含んでも含まなくてもよい1つのコイル(例えば、バネ)から作られてもよい。
【0060】
遠位操縦可能領域は、小さい直径であってよく(例えば、1mm未満、0.9mm未満、0.8mm未満、0.7mm未満、0.6mm未満、0.5mm未満など)、屈曲できるようにしなやかで柔軟であり得る。さらに、腱材取付部位は互いに分離でき、腱材は、各々できるだけ中心線から離れるように、全体の屈曲長さに沿って長尺本体の外壁の近くで保持され得る(離間され得る)。
【0061】
図1Bは、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスの他の変形を示している。
図1Bでは、機器120がカテーテルとして構成されている。遠位先端領域122は屈曲可能であり、近位端125は、制御装置107内に示されている複数の軸方向並進領域を備えている。案内ワイヤ127は、カテーテル通過して示されている。
【0062】
図2Aは、細い操縦可能な案内ワイヤ200として構成されている、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスの他の変形を示している。この例では、遠位先端領域は操縦可能遠位先端201である。中間本体領域203は短縮されている(例えば、数mmだけの長さを示しているが、実際には、現実の長さは1m以上であり得る)。近位端は、滑動要素(複数の軸方向並進領域205)と、端停止部209とを備えている。
【0063】
図2Aにおける操縦可能先端は、引っ張りワイヤ221のうちの1つまたは複数を引っ張ることで、選択的に屈曲され得る。案内ワイヤの本体は、
図2Bに示しているように、引っ張りワイヤを収容するために中空のルーメンを備えている。近位端において、各々の引っ張りワイヤは、ワイヤにおける引っ張りを制御するために使用される別々の軸方向並進領域(滑動要素205)に固定されている。
【0064】
前述のように、引っ張りワイヤ(例えば、腱材)は、例えば引きワイヤ/押しワイヤといったワイヤ、ロッド(例えば、引きロッド/押しロッド)、撚り糸、繊維などであり得る。腱材は、径方向にずれた取付部位において遠位の屈曲(例えば、先端)領域に取り付けられ得る。特に、腱材(「引っ張りワイヤ」)はマルチフィラメント(例えば、糸または紐)引っ張りワイヤであり得る。腱材は、モノフィラメント(例えば、鋼またはニチノールのワイヤ)であってもよい。一部の変形では、マルチフィラメント腱材は、案内ワイヤの内部で、モノフィラメントより相互作用を小さくすることができ(例えば、1つを引くことが、しばしば腱材すべてを引いてしまう)、そのため好ましい可能性があり得る。例えば、マルチフィラメントの腱材は、例えば各々が約0.01mmの寸法である5本の個別の繊維を含む、おおよそ0.04mmの外径の糸を備えてもよい。
【0065】
図2Bは、
図2Aのデバイスの遠位端の断面の二次元拡大図を示している。
図2Cは、遠位バネ(コイル211)が隠された状態での同じ遠位端の等角拡大図を示している。この例では、遠位先端は、屈曲可能芯材215と、4つの引っ張りワイヤ221(2つだけが
図2Bで視認可能である)と、柔軟な封じ込めコイルまたはバネ211とを有している。引っ張りワイヤ221は、バネのような芯材のまさしく遠位先端に固定されている。芯材は、単一部品または複数部品の芯材のいずれかとすることができ、比較的柔軟な材料(例えば、ポリマー)、比較的硬い材料(例えば、金属)、または、2つの組み合わせのいずれかから作ることができる。芯材215は、引っ張りワイヤによって、芯材に与えられる力、より大まかには、遠位先端に与えられる力が、先端の屈曲を発生させるために正しい方向で作用することを確保するために、引っ張りワイヤのためのスペーサまたは代替物として作用できる。芯材のない場合(つまり、バネまたは中空の柔軟な区域があるだけ)、試験は、屈曲が予測不可能で非効率的であることを示している。また、芯材は、ワイヤを拘束させて先端が偏向するのを妨げる可能性のある引っ張りワイヤの捩じれを、遠位先端内、および案内ワイヤの本体230に沿っての両方で防止することもできる。一部の例では、デバイスは、単一部品でしなやかなポリマーの芯材を備える。選択的に、芯材は、先端の偏向をより効率的にするために、両方の端で固定されてもよい。
【0066】
図3A〜
図3Cは、操縦可能案内ワイヤとして構成されているデバイスの屈曲可能遠位先端領域の他の変形を示している。
図3Aおよび
図3Bは、芯材を有していない操縦可能案内ワイヤの遠位区域を示している。この例では、分割装置またはスペーサ301、303、305、307(4つの分割装置が示されている)で製造されており、それら分割装置またはスペーサは、それらの関連する四分円において引っ張りワイヤ322、324、326、328を位置付けており、それら引っ張りワイヤが案内ワイヤの中心線へと移動するのを防止する。示しているように、スペーサは、遠位領域の本体を形成するバネ/コイル材料の横断長さによって形成されている。腱材ワイヤ322、324、326、328は、交差したスペーサにおける開口を通過している。これは、
図3Aにおける断面C-C'で切り取られている
図3Cに示した遠位を向く図から明らかである。
【0067】
図4A〜
図4Fは、操縦可能デバイスとして構成されているデバイスの屈曲可能遠位先端領域の他の変形を示している。デバイスは、(操縦可能カテーテルのように)中心ルーメンを含み得る。このデバイスは、複数部品の芯材を備えている。このデバイスは、
図2Bに示した単一部品の「脊髄」の芯材と同様であるが、芯材を形成する複数の部品を含んでいる。この設計は、屈曲のためのより大きな柔軟性を有し得る。外側バネ(コイル)403が、内側芯材と4つの腱材422、424、426、428とを包んでいる。芯材は、
図4Cに示している遠位を向く断面図(
図4Aの断面C-C'で切り取られている)において明らかなように、径方向外向きの位置に腱材を保持している。腱材は、遠位端においてキャップ433に連結している。
【0068】
遠位端の分解図が
図4Fに示されており、外側コイル領域403と、腱材422、424、426、428と、キャップ433と、芯材415とを示している。芯材は、複数の個別の芯材要素417から形成されている。
図4Dは、それぞれ斜視図および端面図において個別の芯材要素を示している。
【0069】
図4Gおよび
図4Hは、使用され得る芯材要素の別の変形を示している。この例では、芯材は、例えば遠位端領域において、引っ張りワイヤを分離する助けとなり得るマルチルーメン押し出し(MLE)芯材である。この例では、マルチルーメン押し出し芯材は、4つの横断ルーメンを備え、それら横断ルーメンの各々は腱材を保持でき、腱材を互いに分離できる。一例では、この芯材の外径はおおよそ0.24mm(例えば、約0.1mmから約0.5mmの間)であり、4つのルーメンの各々の直径はおおよそ0.065mm(例えば、約0.050mmから0.09mmの間)である。
図4G〜
図4Hに示しているものなど、マルチルーメン押し出し490を含む長い操縦可能デバイスでは、ルーメン499の各々は、それを貫いて延びる単一の引っ張りワイヤを有し得る。引っ張りワイヤは、所定位置で組み立てられると、ルーメンに保持される。そのため、機器は、約30mm(例えば、20mmと50mmとの間、20mmと40mmとの間、25mmと35mmとの間など)の長さであると共に機器の正に遠位の端に位置付けられるマルチルーメン押し出し芯材を、備え得る。
【0070】
概して、遠位区域は、それが芯材を含むかどうかに係わらず、最大の屈曲を許容するように、および、引っ張りワイヤの力を正しく配向し、ワイヤが絡まるのを防止するように、柔軟であるように構成され、そのため、屈曲の大きさおよび方向は、予測可能で繰り返し可能である。
【0071】
本明細書に記載されている機器(システムおよび/またはデバイスを含み得る)のいずれでも、例えば本明細書に記載されている長い操縦可能デバイスといった機器の一部分は、X線不透過性であり得る。例えば、遠位先端領域はX線不透過性であり得る。一部の変形では、特には介入による心臓学のための使用であるが、この使用に限定されずに、機器は、X線不透過性である案内ワイヤのおおよそ30mmの遠位先端領域を含んでもよい。標準的なワイヤでは、これは、典型的には、プラチナまたはタングステンに基づくコイル(例えば、純粋な金属または合金のいずれか)を用いて実現され得る。一部の変形では、機器は、タングステンコイルを用いて形成されたX線不透過性領域を含む。代替で、プラチナに基づく材料が使用されてもよい(しかしながら、長い操縦可能デバイスにおいて、例えば、引っ張りワイヤが引っ張られなくなるとき、跳ね返って案内ワイヤを「ゼロ」にすることができないといった履歴現象がより小さくなるように、より可鍛性のない材料を使用することが好ましい可能性がある)。
【0072】
図5A〜
図5Eは、近位取っ手領域の外面に沿って配置された複数の軸方向並進領域を含む近位領域の変形を示している。複数の軸方向並進領域の各々の軸方向並進領域が、複数の腱材のうちの腱材に結合される。
図5Aでは、近位領域の一部分が、コイル/バネ領域511、513、515によって互いに(隣接する軸方向並進領域と)弾性的に結合される4つの軸方向並進領域(「滑動部」)503、505、507、509を備える。
図5Bは、機器の一例の近位端の断面の二次元拡大図を示している。
図5Bでは、各々の滑動要素は、軸方向並進領域同士の間でバネ領域を圧縮/伸長することで要素をデバイスの長軸において遠位または近位に滑動させることができるように、各々の端においてバネに固定されている。軸方向並進領域は、外部力の付加を介して作動され得る。例えば、軸方向並進領域は、例えば指またはピンセットを用いることといった、手によって、例えばあるデバイスに要素を把持させて要素を移動させることといった、制御装置への取り付けによって、例えば滑動要素を磁気材料で製作してそれらの周りに電磁気コイルを置くことといった、電磁気によって、および、例えば滑動要素を帯電させてそれらを移動する隣接の要素に対して反発/誘引させることといった、静電気によって、移動(作動)させることができる。
【0073】
したがって、本明細書に記載されているデバイスのいずれでも、デバイスの外径(案内ワイヤ、カテーテルなど)は一定として維持でき、そのため他のデバイス(例えば、カテーテル)は上限を越えて通過され得る。
図2A、
図2B、
図2C、および
図5Bに示した例では、近位端から遠位端へのデバイス全体が約0.36mm以下の外径を有する。
【0074】
図5C、
図5D、および
図5Eは、使用され得る軸方向並進領域の変形を示している。
図5Cでは、軸方向並進領域は、軸方向並進領域に隣接する圧縮可能/伸長可能な領域より狭いピッチを有するコイル領域である。一部の変形では、軸方向並進領域を形成するコイルは、一体に溶着、接着、さもなければ連結され得る。例えば、
図5Dでは、追加の皮下管部材514は、軸方向並進領域を形成するために付着されて示されている。代替で、
図5Eでは、軸方向並進領域は、いずれかの端においてコイル領域に結合される別々の皮下管から形成される。静止した芯材は、軸方向並進領域が滑動するための案内レール(図示せず)を形成するために、近位取っ手領域を通じて延びてもよく、軸方向並進領域は、隣接する軸方向並進領域に、または、静止した案内レール芯材に、弾性的に連結されてもよい。
【0075】
被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスの他の例が、
図14に示されている。
図14では、例示の寸法が説明だけのために提供されており、これらの寸法は、限定するように意図されておらず、代わりの寸法(または、寸法の範囲)が用いられてもよい。例えば、
図14は、強化ポリマー管の案内ワイヤとして構成された長い操縦可能デバイスの例を示しており、デバイスは、長さ30mmの遠位先端領域(「遠位コイル」)1403と、おおよそ390mmの強化ポリマー管の組立領域1405(「可変剛性領域」)と、長さ1330mmの本体領域1407(「皮下管本体」)と、約150mmの近位取っ手領域1409(「近位コイル」)とに分けられ得る約1900mmの長さを有して示されている。示されたデバイスが、これらのおおよその長さによって反映されているような、縮尺通りでないことに留意されたい。
図14では、遠位先端1403は、例えばタングステンを含むことによって、前述したようにX線不透過であり得る。この例における可変剛性領域は、後でより詳細に記載されることになるように構成される強化ポリマー管の組立体から形成され、そのため、剛性は、皮下管本体1407のような比較的堅い近位端(例えば、取っ手端)から、より柔軟な遠位端へと変化する。この剛性の漸進的な変化は、デバイスの座屈を防止できる。この例における本体領域1407は、例が後で
図17Dにおいて示されている、その剛性を変えるためにレーザ切断され得る皮下管(例えば、レーザ切断されたステンレス管)から形成されている。近位端は、腱材に結合され得ると共に、滑動部同士の間の距離を調節することができる中間コイル/バネ領域513によって互いに分離され得る軸方向並進領域(「滑動部」)505、507を含む、近位取っ手(先に記載されて詳述されている)として形成され得る。
【0076】
前述のように、
図14では、デバイスは、ステンレス鋼皮下管から形成される本体を備えている。(前述した)一部の変形では、本体は可変ピッチ/プリテンションのバネから形成されてもよい。
図14では、本体は、例えば28ゲージの薄い壁(「304V」)のステンレス鋼といった、比較的堅い皮下管から形成される。
図17Dについて後で図示されて記載されるように、デバイスは、その遠位端に向かって皮下管を選択的にレーザ切断することによって、比較的堅い皮下管と、非常に柔軟な非外傷性の遠位コイルとの間に、円滑な移行部を備えるように構成され得る。皮下管の遠位領域(例えば、遠位400mm)に沿って延び、変化するピッチ(例えば、近位でのおおよそ5mmから遠位でのおおよそ0.1mmまで)を伴うレーザ切断螺旋が、含まれ得る。次に、レーザ切断された皮下管は遠位コイルに結合され得る。皮下管の端におけるレーザ切断された領域は、任意の適切な長さ(例えば、200mm、300mm、400mm、500mmなど)であり得る。
【0077】
代替または追加で、堅い皮下管から柔軟な遠位コイルへの遠位剛性移行部は、本体と遠位先端領域との間においてコイルまたは編組強化ポリマー管を組み立てることによって形成され得る。この構成の例として、
図15A〜
図15Eは、この構成を用いて設計された長い操縦可能デバイスを示している。
図15Aでは、柔軟な遠位先端領域15B(
図15Bにより大きな分解能で示されている)の他に、強化管サブ組立体(
図15Cおよび
図15D)、本体領域1505、および近位取っ手領域15E(
図15Eにより詳細に示されている)を含む長い操縦可能デバイス(例えば、操縦可能案内ワイヤ、カテーテルなどとして構成される)の一変形の全体(縮尺通りではない)の領域が、示されている。
【0078】
図示しているように、遠位コイル領域1504は、スリーブ1507によって可変剛性領域(強化管サブ組立体15C)に連結され得る。この可変剛性領域は、55Dコイル、72Dコイル、63Dコイル、72D編組など、異なる剛性(デュロメータ)を有するコイルなど、異なる領域の組み合わせから形成され得る。コイルは、重なり合ってもよく、および/または、スリーブによって連結されてもよい。
【0079】
他に、同様の変形が
図16A〜
図16Bに示されており、強化管として形成された変化する剛性の領域だけを示している。この例では、遠位コイルが示されておらず、本体領域も示されていない。PI/編組/72D管1604は堅く(しかし、図示されていない皮下管本体領域よりは若干剛性が小さい)、PI/コイル/63D管1606はより剛性が小さく、72D/コイル/72D管1608は同じくより剛性が小さく、63D/コイル/40D管1610はなおもさらに剛性が小さい(しかし、図示されていない遠位コイルより若干剛性がある)。この例では、例示の寸法が(mmで)示されている。例えば、55Dコイル1610は、150WPIにおいて0.0005インチ×0.0025インチのコイルを伴う0.0098インチ×0.0138インチの管の寸法(インチで)を有してもよく、72Dコイルは、150WPIにおいて0.0005インチ×0.0025インチのコイルを伴う0.0098インチ×0.0138インチの管であってもよく、PET収縮管(例えば、熱収縮管)は0.0002インチの壁厚を有してもよく、72D PI-編組領域1604は、70PIC半負荷において0.0005インチ×0.0025インチの編組を伴う0.0098インチ×0.0138インチの管であってよく、63D PI-コイルは、150WPIにおいて0.0005インチ×0.0025インチのコイルを伴う0.0098インチ×0.0138インチの管であってもよく、PI-スリーブは0.0079インチ×0.0089インチの管であってもよい。
【0080】
一部の変形では、本明細書に記載されているデバイスは、デバイスをより容易に組み立てさせるために、ポリアミド(PI)スリーブとPET熱収縮とを用いて形成され得る。概して、PIスリーブは、必要以上の支持を加えるために、内側ルーメンの内部に置かれてもよく、PET熱収縮は、内側ルーメンを封止して血液が侵入するのを防止するために、または、他のデバイスを上限を越えて通過させるのに外径が滑らかで垂れのないことを確保するために、外面に置かれてもよい。
【0081】
図17A〜
図17Dは、前述したように、非常に細い腱材に結合された近位取っ手における滑動制御部を用いて操縦可能である柔軟な遠位の端(先端)を有する長い操縦可能デバイスの他の変形を示している(長さについて示された寸法は、単なる例示であり、mmとなっている)。
図17A〜
図17Dでは、デバイスの遠位端に近付いて変化する柔軟性(剛性)は、本体を形成する皮下管を切断(例えば、レーザ切断)することによって達成される。例えば、遠位部分が
図17Dにおいてより詳細に示されているデバイスの本体は、コイルによって形成された遠位先端に、レーザ溶接され得る、または、別の方法で取り付けられ得る遠位端に向かって、異なるピッチ(より狭いピッチは、概して、より狭くないピッチ切断に対して、より柔軟であり、より堅くない)へとステンレス鋼管が螺旋状に切断されているレーザ切断皮下管から形成されている。先端領域は、
図17Cにおいてより詳細に示されている。
【0082】
この例における、
図17Bにおいてより詳細に示されている、操縦を制御するための近位取っ手領域は、異なるピッチの領域を有するステンレス鋼コイルである。これらの領域の一部は、デバイスの先端を操縦するために腱材に結合して腱材を作動するために先に記載した滑動要素(滑動部)に対応する。
【0083】
制御装置
同じく本明細書に記載されているのは、遠位先端の操縦を作動する線形に配置された滑動要素の作動を制御するための機器(例えば、デバイス、システムなど)である。例えば、前述のデバイスを備えるシステムが、デバイスを操縦するための制御装置を備えてもよい。概して、制御装置は、制御装置、アクチュエータ、操縦制御などと称され得る。例えば、ここで
図6に戻ると、この図は、摩擦に基づく作動システム(制御装置)の一変形の概略を示している。4つの軸方向並進領域(2つのこのような滑動要素が示されている)について、4セットの把持部(本明細書において、摩擦把持部または単に把持部として称され得る)が、軸方向並進領域を把持し、軸方向並進領域を選択的に独立して遠位または近位に滑動するために使用できる。把持部は、把持部組立体(または、制御ユニット)にすべて収容されることになる。制御ユニットは、任意で案内ワイヤと連結および連結解除され得る。このようにして、臨床医が操縦および誘導したいとき、臨床医は、デバイスに連結された制御装置を、連結できる、または、有することができる。そして、臨床医がカテーテルまたは他の送達デバイスを、案内ワイヤを越えて通したい場合、臨床医は制御ユニットを連結解除できる。制御装置では、把持部は、制御ユニット内に収容されている独立したモータによって、または、把持部(例えば、把持部の対)の各々を駆動する単一のモータによって、作動され得る。これらのモータは、例えば、電磁サーボモータとすることができる、または、圧電モータとすることができる。モータの使用(手による手動の作動ではない)は有利であり得るが、これは、第一に、遠位先端を90度で屈曲させるために必要とされる近位の引っ張りワイヤの変位が数ミリメートルだけなためである。正確な誘導のために、手によってこのような分解能を達成することは、困難であると考えられる。第二に、本明細書に記載されているモータは、閉ループフィードバックを介して、命令された位置を保持するようにプログラムされ得る。一例のシステムでは、臨床医は、使い勝手の良いジョイスティックのインターフェースを介して、これらのモータと案内ワイヤ/カテーテルの操縦とを制御する。
【0084】
例示のデバイスのいずれにおいても、軸方向並進領域同士の間の連結領域は、バネである必要はない。
図5Eに示した例では、中間バネ領域は、350μmの外径の管(250内径)にレーザ溶接され、軸方向並進領域は、長さのある(例えば、おおよそ5mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mmなど)全長を有し、中間バネは、無負荷時に長さのある(例えば、3mm、4mm、5mm、10mm、12mm、15mm、20mm、25mmなど)所定の全長であり得る。
【0085】
変形のいずれにおいても、案内機構は、滑動部をデバイスの中心線と同心にしたままにするために、デバイスの一部として含まれ得る。例えば、バネは、互いに連結されてもよい。または、(例えば、遠位端における芯材ワイヤと同様の)デバイスの中央を通る案内ワイヤ(または、他の芯材構造)を有し、この案内/芯材ワイヤにおいて延びる滑動部を有することができる。
【0086】
図7〜
図11Bは、本明細書に記載されている制御装置のいずれかと共に使用され得る把持部の代替の変形を示している。例えば、
図7では、相対する把持部の対が、図示しているように、軸方向並進領域を締め付けて制御するために使用され得る。把持部の対の一方または両方の部材は、図示されている軸方向並進領域に取り付けられる対応する腱材によって屈曲/屈曲解除を作動するために、軸方向で移動させることができる。
図7は、滑らかなレール上を走行する対を形成する2つの摩擦把持部を示している。把持部をレールに連結する要素は、好ましくは、レール(好ましくは、鏡面研磨されたステンレス鋼または同様物)との摩擦を最小限にするために、低摩擦材料(例えば、PTFE)から作られ得る。各々の滑動要素(把持部)は、デバイスの軸方向並進領域と接触する把持パッドまたは表面を備え得る。把持パッドは、好ましくは、案内ワイヤとの摩擦を最大限にするために、高摩擦材料(例えば、シリコーンゴム)から作られ得る。
【0087】
図8では、把持部領域は、
図7に示したものと同様であるが、把持の一方の側だけがアクチュエータ(例えば、モータ)に直接連結されている。したがって、
図8は、1つだけの滑動要素と1セットのレールとを備えている。案内ワイヤへの摩擦把持力は、案内ワイヤを2つの部品の間に(または、一部の変形では単一部品の間に)締め付けることで発生させることができる。第1の部分は滑動要素(把持部)であり、第2の部分は上方顎部である。
図8では、締め付け力が2つのネジによって発生する。締め付け力は、1つのネジで発生させることができ、または、ネジをまったく使用しない完全に異なる方法によって発生させることができる。
【0088】
図9は、ローラとして構成されている一対の締め付け把持部を示しており、ローラの作動は、軸方向並進領域を把持部の対の中で遠位または近位のいずれかに駆動できる。同様に、
図10は、ローラと長手方向に並進する把持部との両方を有する混成の把持部の対を示している。
図10は、転動要素によって置き換えられている滑動要素(摩擦把持部)を示している。転動要素は、把持パッド(または、より正確には把持タイヤ)を備え得る。転動要素は、PTFEなどの低摩擦材料から作ることができ、研磨されたシャフトにおいて直接的に回ることができるか、または、軸受を含むことができる。例えば、転動要素は、単一の玉またはローラのラジアル軸受とすることができ、把持タイヤがそれに適合される。代替で、端の各々に小さい軸受が嵌め込まれた長尺の中空シリンダとすることもできる。さらなる代替は、転動要素をシャフトへと圧入し、シャフトをその端において軸受で支持する(例えば、軸受台を使用する)ことである。この場合、転動要素は任意の材料から作ることができる。
【0089】
図11Aおよび
図11Bは、上方把持部と下方把持部とを連結し、デバイスが作動され得るように、制御装置にデバイスの近位端を閉じさせることができるヒンジ領域1102を有する制御装置を示している。
図11Aでは、制御装置は開放しており、デバイスの軸方向並進領域が上方把持部領域と下方把持部領域との間に置かれている。
図11Bは、軸方向並進領域にわたって締め付けられた制御装置を示している。
図7〜
図11Bは、制御装置の部分図を示し、把持部の単一の対のみを図示しており、前述のように、制御装置機器は、複数の軸方向並進領域を作動できる独立して動作可能な把持部を備え得る。
【0090】
図11Aおよび
図11Bでは、ヒンジは、通常開または通常閉の構成をいずれか提供するように連結されたバネを有し得る。したがって、使用者は、ヒンジを通常でない位置へと移動させるために、力を加えることになる。通常でない位置になると、掛け金またはクリップ(図示せず)が、取り外されるまで、ヒンジを所定位置に保持できる。代替で、バネがまったく使用されなくてもよく、締め付け圧力が、使用者または他の手段によって提供されてもよい。例えば、使用者はヒンジを押し込んで閉じ、掛け金またはクリップは、使用者がこの掛け金またはクリップを係合解除するまで、ヒンジを所定位置に保持できる。
【0091】
対の摩擦把持部を有する変形では、滑動要素および/または転動要素の両方が作動されてもよい、または、一方が作動されてもよく、他方は、案内ワイヤ区域を通じた摩擦を介した作動力の伝達のため、(反対の支持として)ただ従動するだけである。前述のように、これらの滑動要素/転動要素のいずれも、機械的機構(例えば、ダイヤル、プーリ、レバー、歯車)を介して、または、電気機械的手段(例えば、アクチュエータ、またはモータ)を介して、手によって作動できる。例えば、小さくて正確なアクチュエータ/モータが、変位分解能と正確な力の制御とを提供するため、使用されてもよい。アクチュエータ/モータのいずれも閉ループ構成(例えば、サーボ)で使用されてもよいが、これは、閉ループ構成が安全性と自動的な位置ゼロ調整とを監視するために電子的な位置フィードバックを提供できるためである。任意の手段(手、機械的、または電気機械的)を介して作動力が、直接的に、または、1つもしくは複数の中間要素を通じて、滑動要素/転動要素に加えられ得る。中間要素の例には、ロープ、プーリ、歯車、リードネジ、シャフト、軸受などがある。
【0092】
図12Aおよび
図12Bは、4つの軸方向並進領域を有する操縦可能デバイスの近位端にわたって締め付けられて固定され得る4つの独立して動作可能な把持の対を有する制御装置の別の変形を示している。
図12Aでは、デバイスは、上方領域と下方領域との間で分割された摩擦把持部の4つの対1205を伴う下方領域にヒンジ留め1203されている上方領域を備える。摩擦把持部は、摩擦把持部を滑動レール上で滑動し、それによって、摩擦把持部の特定の対によって保持された軸方向並進領域を近位または遠位のいずれかに滑動して遠位屈曲領域を屈曲させるために、サーボモータ1213によって駆動され得る。上方領域および下方領域のいずれかまたは両方は、筐体1216内で包囲され得る。
図12Bは、
図12Aに示した制御装置を貫く断面図を示している。この例では、摩擦把持部は、それらの間に締め付けられた軸方向並進領域をよりしっかりと保持するために、舌部と溝との設計を有している。
【0093】
図13A〜
図13Dは、前述したようなものなど(例えば、複数の軸方向並進領域を有するもの)、操縦可能デバイスの屈曲を制御するためのハンド制御装置の別の変形を示している。
図13Aでは、部分的に分解された図が、デバイス1309の近位端において軸方向並進領域に固定するための摩擦把持部の4つの対1301、1303、1305、1307を有する機器を示している。
図12Aに示した変形にあるように、摩擦把持部は、軸方向並進領域を固定するために、かつそれらを個別に制御可能にするためにデバイス1309にわたって固定され得る。これは、
図13Bにおいて側面図で、
図13Cにおいて端面図で示されている。
図13Dは上方斜視図を示している。
【0094】
これらの例のいずれでも、制御装置は、一対の摩擦把持部ではなく、単一の摩擦把持部を備えてもよい。例えば、単一の摩擦把持部が、デバイスとおおよそ同じ大きさである通路を備えてもよく、把持部領域による並進に対してデバイスの軸方向並進領域を固定するために、軸方向並進領域の周りに圧縮できる材料(例えば、ゴム)から形成できる。前述のように、把持部領域は、機械的手段(例えば、締め付けなど)によって、または、非機械的手段(例えば、磁気的、静電気的など)によって、軸方向並進領域を把持してもよい。
【0095】
概して、走行部/軌道を伴う摩擦に基づく把持システムが使用され得る。また、下方走行摩擦制御装置が、封入された軸受において走行する滑動部を使用できる。
図13Eは、
図13A〜
図13Dに示した制御装置の下半分の分解図を示している。この例では、把持部面1301が、軸受1355(シャフトによって連結された環状軸受の対として示されている)と滑動部1344とに載っている。「把持部」は、高摩擦パッドである滑動部1344(または走行部)に搭載されてもよい。基部1359、軸受筐体1361、スペーサ1365、1365'、およびキャップ1363、1363'が、滑動部および把持部を固定し、部分的に包囲するために使用され得る。
【0096】
概して、制御装置は、一回の使用の使い捨ての制御装置として、または、複数回の使用の再使用可能な制御装置として、構成され得る。一回の使用の使い捨ての制御装置は、無菌で供給されてもよく、蒸気(例えば、加圧滅菌器)、エチレンオキシド、ガンマ線照射、または他の手段を用いて殺菌されてもよい。複数回の使用の再使用可能な制御装置は、被験者の症例ごとの間で再び殺菌されてもよい。代替で、制御装置は無菌でなくてもよく、無菌のスリーブまたは被覆と共に使用されてもよい。スリーブまたは被覆は、一回の使用または再使用のスリーブまたは被覆であってもよい。
【0097】
図18A〜
図25Dを参照して以下に記載されているのは、無菌障壁にわたって使用され得る複数部品の制御装置の例である。例えば、本明細書に記載されているようなものなどの長い操縦可能デバイスが結合され得る制御装置の一部分が、駆動装置組立体から分離されてもよく、単独で、または、本明細書に記載されている長い操縦可能デバイス(例えば、先端領域を操縦するための軸方向に連続して配置された滑動制御部を近位端に有する)との組み合わせで、前述したように、あらかじめ包装されてもよく、あらかじめ殺菌されてもよい。したがって、一部の変形では、カートリッジ部分が無菌領域内で使用され、再使用可能/耐久性のある駆動装置組立体が、無菌領域の外側で使用されてもよい、または、スリーブ、バッグ、カーテンなどの無菌障壁の陰で封入されてもよい。2つの部品(カートリッジおよび駆動装置組立体)が、2つの間に(例えば、破られていない)無菌障壁がある状態で互いに結合されてもよいが、それでもなお、カートリッジが障壁を通じて駆動装置組立体によって作動され得るように、互いに並んで係合してもよい。
【0098】
前述のように、本明細書に記載されている制御装置のいずれでも、制御装置は、長い操縦可能デバイス(例えば、案内ワイヤ/カテーテル)を駆動装置組立体(作動/制御ユニットサブ組立体とも称される)に結合するためのカートリッジなど、別々の相互作用(連動)する構成要素へと分けられ得る。駆動装置組立体は、(前述してここで図示されているように、駆動装置組立体にわたって使い捨ての無菌スリーブを置くことによって無菌とされ得る)再使用可能で無菌でない作動ユニットであり得る。駆動装置組立体は、電子部品、モータ、および軸受などを収容できる。別々のカートリッジ構成要素が駆動装置組立体と係合してもよく、また、長い操縦可能デバイス(例えば、案内ワイヤ/カテーテル)と結合し、典型的には把持してもよい。このカートリッジは、長い操縦可能デバイスの先端の屈曲を制御するために作動ユニットと結合もする使い捨てで無菌のカートリッジであってもよい。
図18A〜
図25Dはこれを図示するのを助けている。
【0099】
例えば、使い捨ての長い操縦可能デバイスは、素早い展開を容易にするために、使い捨てのカートリッジにすでに結合されて提供されてもよい。使用者は、作動ユニットが前述のように無菌スリーブへと挿入されると、カートリッジを作動ユニットに連結(例えば、スナップ留め)でき、操縦する準備が整う。
【0100】
図18Aは、カートリッジ1804を駆動装置組立体1806と連結することで、(無菌領域を用いるか用いないかのいずれかで)組み立てることができる。この例では、カートリッジと作動ユニットとの間のすべての結合は、磁石1811であり、そのため、その2つに対して自動的にそれ自体の位置合わせを見出すことができる。さらに、磁気結合/連結装置は、2つの構成要素が所定の配向で係合できるだけであるように、極性のパターンで位置決めされ得る。しかしながら、結合は、具体的な所定の配向においてのみ動作するように同じく配向および/または配置され得る、例えば、スナップ留め、留め金などの機械的結合を含む、同じ結果を得るための磁気以外のものであってよい。
図18Bは、組み合わされた(連結された)制御装置1800を示している。
【0101】
図19Aおよび
図19Bは、本明細書に記載されているような案内ワイヤ/マイクロカテーテルなどの長い遠位に操縦可能な装置1903があらかじめ装填されているシステムのカートリッジ1900の部分の一変形の前方斜視図である。この例では、デバイスは、長い操縦可能デバイスにわたって閉じられている(および、解除可能に固定され得る)複数の摩擦把持部1905を備えている。
図19Cは、摩擦把持部1905の1つが開けられた状態でのカートリッジの他の例を示しており、長い操縦可能デバイスの滑動部分1909を示している。デバイスにおいて引っ張りワイヤ(腱材)を制御する滑動部制御部の数(または、1つもしくは2つ以上の数)に典型的には対応する任意の数の摩擦把持部が、使用され得る。
【0102】
図20Aおよび
図20Bは、摩擦把持部の側方斜視図および下方斜視図をそれぞれ示している。概して、摩擦把持部は、レール、フレームなどの近位から遠位への線に搭載され、近位から遠位への軸において各々の側に(互いに独立して)許容される。したがって、摩擦把持部は、長いデバイスの滑動部の制御部に締め付けられるとき、前述のように、先端を操縦するように作動され得る。
【0103】
図20Aでは、摩擦把持部は、下摩擦面へと下げて締め付けるヒンジ留めされた上方摩擦面1412を有するように示されており、一対の摩擦面を形成する。前述のように、これらの摩擦面は、長い部材への大きな把持の強さを有する材料から作られ得る。摩擦把持部は、滑動部制御に対して摩擦部材をしっかりと保持するための掛け金、固定部、または他の解除可能な機構1914を備え得る。したがって、この例では、把持部の各々のセットは、それ自体のバネの搭載されたヒンジと掛け金システムとを有している。案内ワイヤ/カテーテルは、把持部のすべてを開けることで、カートリッジから素早く取り外しできる。したがって、案内ワイヤ/カテーテルは、把持部の間に位置付け、軸方向並進領域を摩擦把持部と長手方向に整列し、すべての摩擦把持部を閉じることで、任意で結合解除できる。示されている例では、把持部の各々のセットは、案内ワイヤ/カテーテルが滑らないことを確保するために、大きい摩擦のシリコーン把持パッド(
図19C、
図20A〜
図20Bでは見ることができない)を有している。また、
図20Bに示しているように、把持部の各々のセットは、駆動部材を駆動装置組立体に係合するための結合装置2010(例えば、磁気結合装置)を備えてもよい。
【0104】
図21A〜
図21Cは、前述したようなカートリッジ組立体の上面図、側面図、および下面図を示している。この例では、結合部材(磁石)2118は、駆動組立体において駆動部材と整列されて結合され得るように、パターン(例えば、位置および磁極のパターン)で底に配置されている。
【0105】
図22は、
図18Aに示したものなどの駆動装置組立体の例を分解図で示しており、上筐体2208と、保護蛇腹2217と、4つの駆動部材2229と、下筐体2209とを示している。上方筐体は、軸方向(近位から遠位への軸)に移動する駆動要素が貫いて延び得るスロットを備える。保護蛇腹は、前述のように把持部の各々に結合されるとき、個別の腱材を作動するための範囲内で駆動部材を軸方向に移動させることができる。例えば、駆動部材は、軸方向から近位の線において、±1インチ(例えば、±0.8インチ、±0.5インチ、±0.4インチ、±0.3インチ、±0.1インチなど)で独立して各々移動するように構成され得る。蛇腹は駆動部材と共に移動できる。この例では、各々の駆動部材は、磁気的に結合するように、カートリッジの把持部における磁石と相補的である磁石の対を備えており、したがって、駆動部材のうちの1つの動きは対応する把持部の動きをもたらし、そのため、腱材の作動(押し/引き)をもたらす。
【0106】
図23は、4つの駆動部材2301、2302、2303、2304の拡大図を示しており、各々の駆動部材は、専用の駆動装置(モータ)2321、2322、2323、2324を備える、および/または、専用の駆動装置(モータ)2321、2322、2323、2324に連結される。各々の駆動部材は、軸方向(遠位から近位への)滑動を許容する軌道、レール、ガントリなどにも連結される。
図23では、共通の線形レール2333(図示されていない玉軸受を伴う)がある。この例における駆動部は、正確な位置フィードバックおよび制御のための位置エンコーダを伴う4つの直流モータである。駆動装置組立体は、4つのモータ駆動部(例えば、線形レール2333の下方)と、始動における位置校正のための4つのリミットスイッチ(見ることができない)とを備えてもよい。把持部は、駆動部材(例えば、モータにおけるリードネジ)の移動を介して作動され、駆動部材は、カートリッジが取り付けられるとき、把持部に磁気的に結合される駆動部材の線形ステージを駆動する。
図24Aは保護蛇腹の別の図を示しており、
図24Bは、蛇腹が取り外された状態での駆動組立体の上面図を示している。
【0107】
前述したように、これらの機器のいずれも、無菌障壁と共に使用され得る(および、無菌障壁を含む、または、無菌障壁で包装される)。例えば、制御装置の再使用可能な駆動装置組立体部分は、無菌でなくてもよいが、その駆動装置組立体部分を無菌スリーブなどの無菌障壁内に包囲することによって、無菌領域内に保持されてもよい。これは、使用中の間、作動/制御装置ユニットを無菌にすることができる。例えば、
図25Aは、(例えば、使い捨ての)無菌スリーブ2505の一変形を示している。この例は、無菌スリーブ内にある間に駆動装置組立体を固定位置に保持するために、無菌スリーブ内にフレームまたはケージ2507も備える。簡潔にするために、
図25A〜
図25Dに示されたスリーブは短いが、任意の長さであり得る。
図25Aでは、ケージは標準的な無菌スリーブに結合され、上領域における柔軟なシリコーン膜は、アクチュエータ把持部結合装置を自由に移動させることができる。
図25Bに示しているように、作動ユニットはケージへと滑らかに滑り込み、ひとたび内部に入ると、無菌領域から完全に封止される。ひとたびスリーブが作動ユニットにわたって位置すると、カートリッジは、
図25Cおよび
図25Dに示されているように、上部に結合され得る。
【0108】
エネルギーが制御装置を作動および制御するために使用されるこれらの例のいずれにおいても、制御装置は、配線を連結することにより、または、無線によって、作動および制御され得る。無線制御装置は、搭載された電池パックを備え得る。一部の変形では、制御装置は、(コード1844を備える
図18Aの例に示されているように)壁面コンセントに連結され得る。
【0109】
本明細書に記載されているデバイスは、他の操縦可能および/または非常に細い(小さい外径)デバイスを含む、既存の案内ワイヤおよびカテーテルにわたって多くの利点を有し得る。例えば、これらのデバイスは使用する部品を非常に少なくすることができる。特に、これらのデバイスは、典型的には、引っ張りワイヤのために単一のルーメンを有し(多くの他のデバイスは複数のルーメンを有する)、(ポリマー、複数部品、またはそれら両方の使用によって)非常に柔軟性のある柔軟芯材を使用して、遠位端内でワイヤの空間的な位置決めを制御できる。これは、先端を、加えられ得る力の影響の下で偏向させることを許容できる。引っ張りワイヤは任意の適切な直径を有し得る。例えば、引っ張りワイヤは、約0.03mmから0.05mmの間の直径を有し得る。しかしながら、これは、腱材がどれだけの引っ張りに耐えることができるかを制限する可能性がある。遠位芯材が、他のデバイスで開示されているような単一の部品の金属の構造を含む場合、引っ張りワイヤは、先端が十分に偏向する前に破断してしまう。したがって、本明細書に記載されている芯材領域は、柔軟であるだけでなく、引っ張りワイヤの空間的な位置決めも制御する。本明細書に記載されている「脊髄」の芯材は、小さくて四角い/丸い断面を伴う非常に柔軟な屈曲領域、およびより堅い代替領域(「十字」または「プラス記号」の断面を伴う)を交換して使用できる。同様の複数部品芯材が使用されてもよい。
【0110】
本明細書に記載されているデバイスを操縦するための近位連結装置デバイスは、いくつかの利点も提供する。例えば、近位作動領域(軸方向並進領域を含む)のため、本明細書に記載されているデバイスのいずれも、案内ワイヤ/カテーテルにわたる/通るものの通過を容易および簡単に許容できる。そのため、連結装置は、近位端の外面に容易に素早く取り付けることができ、先端を作動および偏向できるが、素早く取り外すこともでき、案内ワイヤ/カテーテルデバイスの内径および外径を保持できる。これは、カテーテルの内径を保持できる、カテーテルの外側に搭載された大きな恒久的な制御ユニットを有し得る他の操縦可能なカテーテルシステムおよび制御部と対照的であるが、これは、大きなカテーテル/導入装置を外側にわたって通過させない。
【0111】
特徴および要素は、他の特徴または要素「上に」あると本明細書で称されるとき、他の特徴もしくは要素において直接的にあり得る、または、介在する特徴および/もしくは要素が存在してもよい。対照的に、特徴または要素が他の特徴または要素「上に直接的に」あると称されるとき、介在する特徴および/もしくは要素は存在していない。特徴および要素は、他の特徴または要素に「連結」、「取り付け」、または「結合」されるとき、他の特徴もしくは要素に直接的に連結、取り付け、もしくは結合され得る、または、介在する特徴もしくは要素が存在してもよいことも理解されるものである。対照的に、特徴または要素が他の特徴または要素に「直接的に連結」、「直接的に取り付け」、または「直接的に結合」されると称されるとき、介在する特徴および/もしくは要素は存在していない。一実施形態に関して記載または図示されているが、そのように記載または図示された特徴および要素は、他の実施形態に適用できる。他の特徴に「隣接して」配置される構造または特徴への言及が、隣接する特徴と重なる特徴を有し得る、または、隣接する特徴の根底にある特徴を有し得ることは、当業者によって理解されてもよい。
【0112】
本明細書で用いられている専門用語は、具体的な実施形態を記載する目的のためであり、本発明の限定であるように意図されていない。例えば、本明細書で用いられているように、単数形「1つ(a、an、およびthe)」は、文脈がそうでないことを明確に指示していない場合、複数の形態を同じく含むように意図されている。「備える」および/または「備えている」という用語は、本明細書で用いられるとき、述べられた特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定しているが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除しないことは、さらに理解されるものである。本明細書で用いられているように、「および/または」という用語は、関連する列記された項目の1つまたは複数の任意の組み合わせおよびすべての組み合わせを含み、「/」として簡略されてもよい。
【0113】
「下」、「下に」、「下方」、「上に」、「上方」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、図に示されているように、1つの要素または特徴の他の要素または特徴に対する関係を記載するために、記載の容易性のために本明細書で用いられ得る。空間的に相対的な用語は、図に描写されている配向に加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる配向を包含するように意図されていることは、理解されるものである。例えば、図におけるデバイスが反転される場合、他の要素または特徴の「下」または「下方」として記載されている要素は、他の要素または特徴の「上に」配向されることになる。したがって、「下」という例示の用語は、上および下の両方の配向を包含できる。デバイスは他にも配向でき(90度回転される、または他の配向)、本明細書で記載されている空間的に相対的な記載、それに応じて解釈される。同様に、「上向き」、「下向き」、「鉛直」、「水平」などの用語は、本明細書において、具体的にそうでないと指示されていない場合のみ、説明の目的のために使用されている。
【0114】
「第1」および「第2」の用語が、本明細書において、様々な特徴/要素を記載するために使用され得るが、これらの特徴/要素は、文脈がそうでないと指示していない場合、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの特徴/要素を他の特徴/要素から区別するために用いられ得る。したがって、以下で詳述される第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と称することができ、同様に、以下で詳述される第2の特徴/要素は、本発明の教示から逸脱することなく、第1の特徴/要素と称することができる。
【0115】
本明細書および後に続く請求項を通じて、文脈がそうでないことを要求しない場合、「備える」という言葉と、「備えている」などの変化とは、様々な構成要素が、方法および物品(例えば、デバイスおよび方法を含む構成および機器)において一体に合同で用いられ得ることを意味する。例えば、「備えている」という用語は、任意の述べられた要素またはステップを含むが任意の他の要素またはステップの排除がないことを示唆すると理解されるものである。
【0116】
例において用いられていることを含め、ここで明細書および請求項において用いられているように、そうでないと明示的に特定されていない場合、すべての数字は、明示的に現れていないとしても、「約」または「おおよそ」の言葉によって前置きされているかのように読まれてもよい。「約」または「おおよそ」という文言は、記載されている値および/または位置が、値および/または位置の合理的に予期される範囲内にあることを指し示すための大きさおよび/または位置を記載するときに使用され得る。例えば、数値は、述べられた値(または、値の範囲)の±0.1%、述べられた値(または、値の範囲)の±1%、述べられた値(または、値の範囲)の±2%、述べられた値(または、値の範囲)の±5%、述べられた値(または、値の範囲)の±10%などである値を有してもよい。本明細書で列挙される任意の数字の範囲は、そこに組み込まれたすべての下位の範囲を含むように意図されている。
【0117】
様々な例示の実施形態が先に記載されてきたが、いくつかの変更のいずれかが、請求項によって記載されているような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態に行われ得る。例えば、様々な記載された方法ステップが実施される順番は、代替の実施形態でしばしば変更される可能性があり、他の代替の実施形態では、1つまたは複数の方法ステップが完全に省略される可能性がある。様々なデバイスおよびシステムの実施形態の選択的な特徴が、一部の実施形態に含まれ得るが、他の実施形態では含まれ得ない。そのため、前述の記載は、主に例示の目的のために提供されており、請求項に明記されているとして、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0118】
本明細書に含まれている例および図示は、例示であって限定ではない、主題が実施され得る特定の実施形態を示している。前述のように、他の実施形態が、構造的および論理的な代用および変更が本開示の範囲から逸脱することなく行われ得るように、利用され、そこから導き出されてもよい。発明の主題のこのような実施形態は、単に便宜上のために、本出願の範囲を任意の単一の発明または発明的概念に自発的に限定しようとすることなく、実際には、2つ以上が開示されている場合、「発明」という用語によって個別的または集合的に本明細書において言及されてもよい。したがって、具体的な実施形態が本明細書で図示および記載されているが、同じ目的を達成するために考えられた任意の構成が、示した特定の実施形態のために代用されてもよい。この開示は、様々な実施形態のすべての適用または変形を網羅するように意図されている。前述の実施形態と、本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態との組み合わせは、先の記載を再検討することで当業者には明らかとなる。
【0119】
さらに、本発明では以下の例を含むことも好ましい。
[項1]
屈曲可能な遠位先端領域から近位取っ手領域へと延びる、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスであって、
各々が前記遠位先端領域へと取り付けられ、前記遠位先端領域から前記近位取っ手領域へと延びる複数の腱材と、
前記近位取っ手領域の外面に沿って連続して配置された複数の軸方向並進領域であって、前記複数の軸方向並進領域の各々の軸方向並進領域が、前記複数の腱材のうちの腱材に結合される、複数の軸方向並進領域と
を備え、
各々の軸方向並進領域が、前記軸方向並進領域に結合された前記腱材を軸方向に並進するために近位から遠位への線で移動し、それによって前記遠位先端を偏向するように構成される、長尺操縦可能デバイス。
[項2]
屈曲可能な遠位先端領域から近位取っ手領域へと延びる、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスであって、
前記デバイス内で、前記デバイスの前記遠位先端領域から前記デバイスの前記近位取っ手領域へと延びる第1の腱材と、
前記デバイス内で、前記デバイスの前記遠位先端領域から前記デバイスの前記近位取っ手領域へと延びる第2の腱材と、
前記近位取っ手領域の外面における第1の軸方向並進領域であって、前記第1の腱材に結合され、前記第1の腱材を軸方向に並進するために、近位から遠位への線において移動するように構成される第1の軸方向並進領域と、
前記近位取っ手領域の前記外面における第2の軸方向並進領域であって、前記第2の腱材に結合され、前記第2の腱材を軸方向に並進するために、前記近位から遠位への線において移動するように構成される第2の軸方向並進領域と
を備え、
前記第1の軸方向並進領域と前記第2の軸方向並進領域とが互いに弾性的に連結される、長尺操縦可能デバイス。
[項3]
被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスであって、
屈曲可能な遠位先端領域、中間領域、および近位取っ手領域を有する長尺本体と、
前記デバイスの前記長尺本体内で、前記遠位先端領域から前記近位取っ手領域へと延びる第1の腱材と、
前記デバイスの前記長尺本体内で、前記遠位先端領域から前記近位取っ手領域へと延びる第2の腱材と、
前記長尺本体の前記近位取っ手領域の外面における第1の軸方向並進領域であって、前記第1の腱材に結合される第1の軸方向並進領域と、
前記長尺本体の前記近位取っ手領域の前記外面における第2の軸方向並進領域であって、前記第2の腱材に結合される第2の軸方向並進領域と
を備え、
前記第1の軸方向並進領域と前記第2の軸方向並進領域とが互いに弾性的に連結される、長尺操縦可能デバイス。
[項4]
前記軸方向並進領域が互いに弾性的に連結される、項1に記載のデバイス。
[項5]
前記軸方向並進領域が前記近位取っ手領域内の芯材に連結される、項1に記載のデバイス。
[項6]
前記デバイスが案内ワイヤとして構成される、項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
[項7]
前記デバイスが、中心ルーメンが貫いて延びるカテーテルとして構成される、項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
[項8]
前記第1の軸方向並進領域と前記第2の軸方向並進領域とが、前記近位取っ手領域の前記外面に沿って直線的に連続して配置される、項2または3に記載のデバイス。
[項9]
前記軸方向並進領域が、前記近位取っ手領域の前記外面に沿って隣接して配置される円筒形領域を備える、項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
[項10]
前記複数の腱材の各々の腱材が、径方向にずれた取付部位において前記遠位先端領域に取り付けられる、項1に記載のデバイス。
[項11]
前記第1の腱材と前記第2の腱材とが、径方向にずれた取付部位において前記遠位先端領域に取り付けられる、項2または3に記載のデバイス。
[項12]
前記第1の軸方向並進領域が、前記第1の腱材を軸方向に並進するために前記近位から遠位への線において移動し、それによって前記遠位先端を第1の方向で偏向するように構成され、さらに、前記第2の軸方向並進領域が、前記第2の腱材を軸方向に並進するために前記近位から遠位への線において移動し、それによって前記遠位先端を第2の方向で偏向するように構成される、項2または3に記載のデバイス。
[項13]
前記腱材がマルチフィラメントワイヤを備える、項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
[項14]
前記屈曲可能な遠位先端領域と、中間領域と、前記近位取っ手領域とを含む長尺本体をさらに備える、項1または2に記載のデバイス。
[項15]
前記長尺本体が、皮下管であって、その柔軟性を向上させるために遠位端領域において切断される皮下管を備える、項3に記載のデバイス。
[項16]
前記屈曲可能な遠位先端領域と、中間領域と、前記近位取っ手領域とを含む長尺本体をさらに備え、前記長尺本体が皮下管を備える、項1または2に記載のデバイス。
[項17]
複数の腱材を有する長尺デバイスを操縦する方法であって、各々の腱材が、前記デバイスの遠位端において遠位先端領域へと結合され、前記デバイスの近位端において別々の軸方向並進領域に結合され、前記軸方向並進領域が、近位から遠位への線において、前記デバイスの近位取っ手領域に沿って配置され、前記方法が、
前記軸方向並進領域のうちの少なくとも第1の軸方向並進領域と第2の軸方向並進領域とを別々に保持するステップと、
前記軸方向並進領域のうちの前記第1の軸方向並進領域と前記第2の軸方向並進領域との間の距離を増大または縮小することで、前記第1の軸方向並進領域と結合される前記腱材を軸方向に並進させて前記遠位先端領域を偏向するために、前記第1の軸方向並進領域を前記第2の軸方向並進領域に対して近位または遠位に滑動するステップと
を含む方法。
[項18]
前記デバイスを被験者の身体へと挿入するステップをさらに含む、項17に記載の方法。
[項19]
別々に保持するステップが、前記軸方向並進領域の各々をアクチュエータの別々の把持部に摩擦で固定するステップを含む、項17に記載の方法。
[項20]
前記近位取っ手領域の遠位または近位にある前記デバイスの一部分を保持しつつ、前記軸方向並進領域のうちの前記第1の軸方向並進領域が、前記近位取っ手領域の遠位、近位、または、遠位および近位にある前記デバイスの前記一部分に対して滑動するように、前記軸方向並進領域のうちの前記第1の軸方向並進領域を滑動するステップをさらに含む、項17に記載の方法。
[項21]
別々に保持するステップが、前記軸方向並進領域のうちの前記第1の軸方向並進領域を第1の把持で保持するステップと、前記軸方向並進領域のうちの前記第2の軸方向並進領域を第2の把持で保持するステップとを含む、項17に記載の方法。
[項22]
前記軸方向並進領域の各々を別々に保持するステップが、互いに独立して移動可能である別々の摩擦把持で、前記軸方向並進領域の各々を保持するステップを含む、項17に記載の方法。
[項23]
前記軸方向並進領域の各々を別々に保持するステップが、前記近位取っ手領域の遠位にある前記デバイスの一部分、および/または、前記軸方向並進領域の遠位にある前記デバイスの一部分のいずれかまたは両方を保持するステップを含む、項17に記載の方法。
[項24]
複数の腱材を有する長尺デバイスを操縦する方法であって、各々の腱材が、前記デバイスの遠位端において遠位先端領域へと結合され、前記デバイスの近位端において別々の軸方向並進領域に結合され、前記軸方向並進領域が、近位から遠位への線において、前記デバイスの近位取っ手領域に沿って配置され、前記方法が、
前記軸方向並進領域の各々をアクチュエータの別々の把持部に摩擦で固定するステップと、
前記近位取っ手領域の遠位にある前記デバイスの一部分を保持しつつ、前記軸方向並進領域のうちの第1の軸方向並進領域と第2の軸方向並進領域との間の距離を増大または縮小することで、前記第1の軸方向並進領域と結合される前記腱材を軸方向に並進させて前記遠位先端領域を偏向するために、前記第1の軸方向並進領域を前記第2の軸方向並進領域に対して近位または遠位に滑動するステップと
を含む方法。
[項25]
被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスの異なる軸方向並進領域を、前記長尺操縦可能デバイスの遠位先端を屈曲させるために独立して移動させるように適合された制御装置であって、
把持面の2つ以上の対であって、把持面の前記2つ以上の対が、近位から遠位へと延びる線に配置され、さらに、把持面の前記対の各々を形成する前記把持面同士の間の距離が、長尺本体を把持面の前記対の各々の間で締め付けることができるように調節可能である、把持面の2つ以上の対と、
把持面の前記対の並進を駆動するように構成された少なくとも1つの駆動装置であって、把持面の前記対の各々が互いに独立して並進するように適合される、少なくとも1つの駆動装置と
を備える制御装置。
[項26]
把持面の前記2つ以上の対と近位または遠位で一列に位置付けられる把持面の安定化対をさらに備え、把持面の前記安定化対が、前記把持面を並進するとき、前記長尺操縦可能デバイスの軸方向の並進を防止する、項25に記載の制御装置。
[項27]
前記少なくとも1つの駆動装置がモータを備える、項25に記載の制御装置。
[項28]
前記少なくとも1つの駆動装置が、閉ループ位置フィードバックを伴うモータを備える、項25に記載の制御装置。
[項29]
前記少なくとも1つの駆動装置が、機械式アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、および電気式アクチュエータから成る群から選択されるアクチュエータを備える、項25に記載の制御装置。
[項30]
把持面の前記対が、前記近位から遠位への線に沿って並進するように適合される、項25に記載の制御装置。
[項31]
把持面の各々の対の前記把持面のうちの少なくとも一方がローラとして構成される、項25に記載の制御装置。
[項32]
2つ以上のレールをさらに備え、把持面の前記対の各々が、前記レールのうちの1つに連結され、前記レール上で並進するように適合される、項25に記載の制御装置。
[項33]
把持面の前記対の各々を形成する前記把持面同士の間の前記距離を調節するように構成されるヒンジをさらに備える、項25に記載の制御装置。
[項34]
把持面の前記対の並進を駆動するように構成された前記少なくとも1つの駆動装置が、把持面の前記対の各々の並進を独立して駆動するように適合された単一のモータを備える、項25に記載の制御装置。
[項35]
把持面の前記対の各々の間で保持された長尺本体に、把持面の前記2つ以上の対の各々を固定するように構成された締め具をさらに備える、項25に記載の制御装置。
[項36]
前記制御装置の把持面の前記対の各々の間に保持された長尺デバイスの遠位先端を操縦するために、把持面の前記対の各々の並進を制御するように適合されたユーザインターフェースをさらに備える、項25に記載の制御装置。
[項37]
把持面の前記対の前記並進を約5mm未満に制限するように構成された少なくとも1つの制限装置をさらに備える、項25に記載の制御装置。
[項38]
被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスであって、
遠位先端領域、中間領域、および近位取っ手領域を有する長尺本体と、
前記遠位先端領域に取り付けられ、前記長尺本体内で近位に延びる複数の腱材であって、各々の腱材が、前記近位取っ手領域の外面における別々の軸方向に移動可能な作動領域に結合される、複数の腱材と、
前記複数の腱材の各々を、前記長尺本体の中心芯材から径方向外向きに保持するように適合された、前記遠位先端領域における少なくとも1つの分割装置と
を備え、
前記少なくとも1つの分割装置が、前記腱材同士が絡まるのを防止するように適合される、長尺操縦可能デバイス。
[項39]
遠位先端領域、中間領域、および近位取っ手領域を有する長尺本体と、
前記遠位先端領域に取り付けられ、前記長尺本体内で近位に延びる複数の腱材であって、各々の腱材が、前記近位取っ手領域の外面における線に配置された複数の円筒形の軸方向に移動可能な作動領域の別々の円筒形の軸方向に移動可能な作動領域に結合される、複数の腱材と、
前記複数の腱材の各々を、前記長尺本体の中心芯材から径方向外向きに保持するように適合された、前記遠位先端領域における少なくとも1つの分割装置と
を備え、
前記少なくとも1つの分割装置が、前記腱材の各々が絡まるのを防止するように適合される、操縦可能案内ワイヤデバイス。
[項40]
前記複数の腱材が4つの腱材を備える、項38または39に記載のデバイス。
[項41]
前記少なくとも1つの分割装置が、前記遠位先端領域内に少なくとも1つの芯材部材を備える、項38または39に記載のデバイス。
[項42]
前記少なくとも1つの分割装置が、マルチルーメン芯材を備える芯材部材を備え、前記複数の腱材の各々の腱材が前記マルチルーメン芯材の別々のルーメンにある、項38または39に記載のデバイス。
[項43]
前記長尺本体が約1mm未満の直径を有する、項38または39に記載のデバイス。
[項44]
前記長尺本体が、前記遠位端の近くに1つまたは複数の切断領域を有する皮下管を備える、項38または39に記載のデバイス。
[項45]
前記作動領域が、各々少なくとも部分的に周囲であり、前記近位取っ手領域の長軸において一列に配置される、項38または39に記載のデバイス。
[項46]
前記作動領域が、前記近位取っ手領域の前記外面に沿って隣接して一列で配置される円筒形領域を備える、項38または39に記載のデバイス。
[項47]
前記複数の腱材の各々の腱材が、径方向にずれた取付部位において前記遠位先端領域に取り付けられる、項38または39に記載のデバイス。
[項48]
前記複数の腱材が、前記デバイスの長さに沿って90度の径方向の回転で離されて並列に配置される4つの腱材を備え、各々の腱材が、直交する方向で前記デバイスの屈曲を作り出す、項38または39に記載のデバイス。
[項49]
前記複数の腱材が、前記デバイスの長さに沿って互いに等しく径方向に離間されて並列に配置される3つ以上の腱材を備える、項38または39に記載のデバイス。
[項50]
遠位先端領域から近位取っ手領域へと延びる、被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスであって、
各々が遠位屈曲領域へと取り付けられ、前記遠位屈曲領域から前記近位取っ手領域へと延びる複数の腱材と、
前記近位取っ手領域の外面に沿って配置された複数の軸方向並進領域であって、前記複数の軸方向並進領域の各々の軸方向並進領域が、前記複数の腱材のうちの腱材に結合される、複数の軸方向並進領域と
を備え、
各々の軸方向並進領域が、前記軸方向並進領域に結合された前記腱材を軸方向に並進するために近位から遠位への線で移動し、それによって、前記腱材が取り付けられる前記遠位屈曲領域を偏向するように構成される、長尺操縦可能デバイス。
[項51]
被験者の身体への挿入のための長尺操縦可能デバイスであって、
1つまたは複数の遠位屈曲領域、中間領域、および近位取っ手領域を有する長尺本体と、
複数の腱材であって、各々の遠位屈曲領域が1つまたは複数の腱材に取り付けられ、前記腱材の各々が前記長尺本体内で近位に延び、各々の腱材が、前記近位取っ手領域の外面における別々の軸方向に移動可能な作動領域に結合される、複数の腱材と、
遠位屈曲領域における少なくとも1つの分割装置であって、前記複数の腱材の各々を、前記長尺本体の中心芯材から径方向外向きに保持するように適合される少なくとも1つの分割装置と
を備え、
前記少なくとも1つの分割装置が、前記腱材同士が絡まるのを防止するように適合される、長尺操縦可能デバイス。
[項52]
長尺操縦可能デバイスの遠位先端を操縦するように適合される制御装置システムであって、
近位から遠位へと延びる線に配置された2つ以上の摩擦把持部を備えるカートリッジであって、各々の摩擦把持部が、前記長尺操縦可能デバイスの一部分を保持するように構成され、さらに、各々の摩擦把持部が、近位から遠位へと延びる前記線に沿って独立して移動可能である、カートリッジと、
2つ以上の駆動部材を備える駆動組立体であって、前記カートリッジが、近位から遠位へと延びる前記線における移動を駆動するために前記駆動組立体と結合されるとき、前記摩擦把持部のうちの1つと係合するように構成される結合装置を各々の駆動部材が備え、さらに、各々の摩擦把持部が、前記駆動組立体内で1つまたは複数の駆動モータによって駆動される、駆動装置組立体と
を備え、
前記カートリッジと前記駆動装置組立体とが、無菌障壁を通じて、取り外し可能に一体に結合されるように構成される、制御装置システム。
[項53]
長尺操縦可能デバイスの遠位先端を操縦するように適合される制御装置システムであって、
近位から遠位へと延びる線に配置された2つ以上の摩擦把持部を備えるカートリッジであって、各々の摩擦把持部が、前記長尺操縦可能デバイスの一部分を把持するように構成され、さらに、各々の摩擦把持部が、近位から遠位へと延びる前記線に沿って独立して移動可能である、カートリッジと、
2つ以上の駆動部材を備える駆動装置組立体であって、前記カートリッジが、近位から遠位へと延びる前記線における前記摩擦把持部のうちの1つの移動を駆動するために無菌障壁を通じて前記駆動組立体と結合されるとき、前記摩擦把持部のうちの前記1つと磁気的に係合するように構成される磁気結合装置に連結される駆動モータを各々の駆動部材が備える、駆動装置組立体と
を備え、
前記カートリッジと前記駆動装置組立体とが、前記無菌障壁を通じて、取り外し可能に一体に結合されるように構成される、制御装置システム。
[項54]
前記カートリッジは、前記長尺操縦可能デバイスがあらかじめ装填される、項52または53に記載の制御装置システム。
[項55]
前記カートリッジが使い捨てである、項52または53に記載の制御装置システム。
[項56]
前記駆動装置組立体が再使用可能である、項52または53に記載の制御装置システム。
[項57]
前記駆動装置組立体が嵌まるバッグまたはスリーブとして構成された無菌障壁をさらに備える、項52または53に記載の制御装置システム。
[項58]
バッグまたはスリーブとして構成された無菌障壁と、前記駆動装置組立体が嵌まる前記無菌障壁内のケージとをさらに備える、項52または53に記載の制御装置システム。
[項59]
前記摩擦把持部が、前記長尺操縦可能デバイスにわたって締め付けられ得る一対の把持面を各々備える、項52または53に記載の制御装置システム。
[項60]
前記摩擦把持部が、前記摩擦把持部内の前記長尺操縦可能デバイスの離散部分を解除可能に固定するように構成された固定部を各々備える、項52または53に記載の制御装置システム。
[項61]
前記カートリッジを、前記無菌障壁を通じて前記駆動装置組立体に固定するように構成される、前記カートリッジと前記駆動装置組立体との間の磁気取付部をさらに備える、項52または53に記載の制御装置システム。
[項62]
所定の位置合わせで、前記カートリッジを、前記無菌障壁を通じて前記駆動装置組立体に位置合わせして固定するように構成される、前記カートリッジと前記駆動装置組立体との間の配向磁気取付部をさらに備える、項52または53に記載の制御装置システム。
[項63]
各々の摩擦把持部が別々の駆動モータによって駆動される、項52に記載の制御装置システム。
[項64]
各々の結合装置が、前記摩擦把持部のうちの前記1つと磁気的に係合するように構成された磁気結合装置である、項52に記載の制御装置システム。