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特開2021-151508超音波血栓溶解処置およびモニタリングのための超音波トランスデューサ・アレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-151508(P2021-151508A)
(43)【公開日】2021年9月30日
(54)【発明の名称】超音波血栓溶解処置およびモニタリングのための超音波トランスデューサ・アレイ
(51)【国際特許分類】
   A61N 7/00 20060101AFI20210903BHJP
   A61B 8/00 20060101ALI20210903BHJP
   A61B 8/06 20060101ALI20210903BHJP
【FI】
   A61N7/00
   A61B8/00
   A61B8/06
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2021-94887(P2021-94887)
(22)【出願日】2021年6月7日
(62)【分割の表示】特願2017-550674(P2017-550674)の分割
【原出願日】2016年3月29日
(31)【優先権主張番号】62/140,018
(32)【優先日】2015年3月30日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ザイプ,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】シ,ウィリアム タオ
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ,ジェフリー アール
【テーマコード(参考)】
4C160
4C601
【Fターム(参考)】
4C160JJ33
4C160JJ35
4C160JJ36
4C160JJ38
4C160MM36
4C601DD01
4C601DD03
4C601DD11
4C601DE03
4C601DE08
4C601EE16
4C601FF11
4C601FF16
4C601GB06
4C601GB14
4C601KK14
(57)【要約】
【課題】超音波血栓溶解処置およびモニタリングのための超音波トランスデューサ・アレイを提供する。
【解決手段】二次元アレイ・トランスデューサをもつ超音波診断撮像システムが、超音波血栓溶解のような微小泡を媒介とする療法を実行する。アレイは、ダイシングによって直線構成の素子に形成されるが、脳療法エネルギー送達のために頭部のこめかみ窓に対応するまるまった概形を提供するよう、コーナーの素子は不在とする。いくつかの記載される実装では、追加的なトランスデューサ素子が、Aライン撮像、ドップラー流検出、側頭骨厚さ推定またはキャビテーション検出のような他の特化した機能のために最適化される。好ましくは、アレイ・プローブが128チャネルのビームフォーマーをもつ標準的な超音波システムと一緒に使用されることができるよう、128個の療法素子がある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
命令を有する超音波療法システムであって、前記命令は、実行されたときに当該システムに:
二次元アレイに含まれている療法トランスデューサ素子から療法超音波エネルギーを送信し、前記二次元アレイに含まれている撮像トランスデューサ素子から療法以外の超音波エネルギーを送信する段階を実行させるものであり、
前記撮像トランスデューサ素子が、療法トランスデューサ素子の前記二次元アレイのまわりに周辺に位置されており、前記撮像トランスデューサ素子は、並列な動作のために一緒に結合されている、
システム。
【請求項2】
前記二次元アレイにおける療法トランスデューサ素子の数は128であり、当該超音波療法システムはさらに128チャネル・ビームフォーマーを有する、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記撮像トランスデューサ素子は、療法超音波素子の前記二次元アレイ内で中心に配置されている、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記撮像トランスデューサ素子の数は4である、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記4個の撮像トランスデューサ素子は、トランスデューサ・パッチとしての並列な動作のために一緒に結合されている、請求項4記載のシステム。
【請求項6】
撮像トランスデューサ素子の数は4である、請求項4記載のシステム。
【請求項7】
5素子のグループに配列された20個の撮像トランスデューサ素子を有しており、各グループが療法トランスデューサ素子の前記二次元アレイの辺上に位置される、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
当該システムは、実行されるとき、前記撮像トランスデューサ素子に、前記療法トランスデューサ素子よりも高い周波数で超音波を送信させる命令を有する、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記撮像トランスデューサ素子が、前記療法トランスデューサ素子よりも小さな高さを有する、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記撮像トランスデューサ素子が、より広い帯域幅のための、より重い裏材または身体への異なるエネルギー結合のための異なる音響整合層の一つまたは複数を有する、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記撮像トランスデューサ素子は、Aライン撮像、ドップラー検出または頭蓋厚さ測定のうちの一つのために構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項12】
前記撮像トランスデューサ素子は、キャビテーションに特徴的なサブハーモニックまたはウルトラハーモニック周波数に敏感な帯域幅をもつ、請求項1記載のシステム。
【請求項13】
当該超音波療法システムはさらに:
前記撮像トランスデューサ素子によって生成される信号に応答するキャビテーション検出器と;
前記二次元アレイに結合され、前記療法トランスデューサ素子によって生成される超音波エネルギーを制御するよう構成された増幅器電子回路とをさらに有する、
請求項12記載の超音波療法システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2015年3月30日に出願された米国仮出願第62/140,018号の優先権を主張するものである。同出願の内容はここに参照によってその全体において組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は医療診断超音波システムに、詳細には撮像および超音波血栓溶解による療法を実行する超音波システムに関する。
【背景技術】
【0003】
虚血性脳卒中は医学で知られている最も無力化させる障害の一つである。脳への血流の封鎖は急速に麻痺または死亡に至ることがある。組織プラスミノゲン活性化因子(tPA)による処置のような血栓溶解薬療法を通じて再疎通を達成しようとする試みは、いくつかの事例において症候性脳内出血を引き起こすことが報告されている。この壊滅的な疾病の診断および治療における進展は、継続的な医学研究の主題である。
【0004】
特許文献1は、虚血性脳卒中を引き起こすもののような血栓に微小泡を媒介とする療法を提供する超音波システムを記載している。微小泡は、注入される、ボーラス注射によって送達される、あるいは血流中に展開されて、血栓の近傍まで流れる。血栓のところにある微小泡に超音波エネルギーが送達され、微小泡を破壊するまたは破裂させる。この微小泡活動は多くの場合において血栓を溶解するまたは分解するのを助け、脳および他の器官への、滋養になる血流を回復する。そのような微小泡活動は、微小泡殻にカプセル化された薬物を送達するためや微小泡を媒介とする超音波血栓溶解に使用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2008/017997号(Browningら)
【特許文献2】国際公開第2005/074805号(Bruceら)
【特許文献3】米国特許第6,530,885号(Entrekinら)
【特許文献4】米国特許第6,723,050号(Dowら)
【特許文献5】米国特許第5,181,514号(Solomonら)
【特許文献6】米国特許第5,720,291号(Schwartz)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、超音波エネルギーが超音波システムによって制御される超音波アレイ・プローブから超音波血栓溶解のために送達されることを示している。超音波血栓溶解処置が臨床的に安全であり効果的であるためには、超音波エネルギーを血栓目標領域に送達する超音波アレイ・プローブはさまざまな要件を満たすべきである。第一に、プローブは、脳内の動脈における超音波血栓溶解活動を刺激するのに足るよう、血栓部位において十分な超音波エネルギー送達ができなければならない。第二に、エネルギー送達は方向制御可能であるべきであり、それにより血栓を囲む組織を目標とする能力を提供する。送達されるエネルギーは制御可能であるべきであり、それにより深い血栓および浅い血栓両方に到達する能力を提供する。アレイは、頭蓋の音響窓にフィットするような大きさおよび形状にされるべきであり、好ましくは患者の側頭骨窓上への正しい設置を示す能力をもつべきである。最後に、システムは、適正な超音波量(ultrasound dose)送達および向上した処置安全性のために現場圧力(in-situ pressure)を推定する能力を提供するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の原理によれば、標準的な128チャネル・ビームフォーマーを使って超音波血栓溶解処置を実行する能力を提供するトランスデューサ・アレイおよび超音波システムが記述される。プローブ内のトランスデューサ・アレイは二次元アレイであり、それによりエネルギー送達は三次元的に制御可能に向き付けられることができる。アレイは概してまるく、患者の頭部の側頭骨窓にフィットするような形状にされる。標準的なシステム・ビームフォーマーによって機能を提供されることができ、超音波血栓溶解を刺激するよう十分なエネルギーを送達することのできる例示的なトランスデューサ・アレイが記述される。実装は、超音波システムと組み合わさって、Aライン撮像、ドップラー検出、頭蓋厚さ測定またはキャビテーションに特徴的な信号への感度といった、療法エネルギー送達以外の機能のために最適化されている撮像トランスデューサ素子を用いて記述される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の原理に基づいて構築された超音波診断撮像および療法システムをブロック図の形で示す図である。
図2】二次元(2D)撮像面における超音波血栓溶解療法の施与を示す図である。
図3】三次元画像体積における超音波血栓溶解療法の施与を示す図である。
図4】マネキンの頭部にモデルされた超音波血栓療法のためのプローブおよびヘッドセットを示す図である。
図5】本発明の原理に基づいて構築された二次元トランスデューサ・アレイを示す図である。
図6】中心の受信専用素子をもつ本発明のもう一つの二次元アレイを示す図である。
図7】周縁部の受信専用素子をもつ本発明のもう一つの二次元アレイを示す図である。
図8】周縁部の受信専用素子をもつ本発明のもう一つの二次元アレイを示す図である。
図9】四つの専用の中心素子をもつ本発明の二次元アレイを示す図である。
図10】より細かいピッチの撮像素子をもつ本発明のもう一つの二次元アレイを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
いくつかの側面では、本発明は、命令を有する超音波療法システムであって、前記命令は実行されたときに当該システムに、療法トランスデューサ素子の二次元アレイから脳血管系における閉塞部に向けて療法超音波エネルギーを送信させ、療法トランスデューサ素子の前記二次元アレイと一緒に位置されている撮像トランスデューサ素子から療法以外の超音波エネルギーを送信させる、システムを含む。二次元アレイは、直線的に(rectilinearly)さいの目状にされたトランスデューサ素子を含むことができる。それらのトランスデューサ素子は、コーナー素子が欠けていて概してまるまったアレイ形状を与えるようなパターンで配置されている。
【0010】
ある種の側面では、二次元アレイにおけるトランスデューサ素子の数は128であり、超音波療法システムはさらに128チャネル・ビームフォーマーを含む。撮像トランスデューサ素子は、療法超音波素子の二次元アレイ内で中心に配置されることができる。いくつかの側面では、撮像トランスデューサ素子は療法トランスデューサ素子の二次元アレイのまわりに周辺に位置される。撮像素子の数は幅があってもよいが、一般に療法トランスデューサ素子の数より少なくてもよい。たとえば、撮像トランスデューサ素子の数は4である。いくつかの側面では、20個の撮像トランスデューサ素子が5素子のグループに配列され、各グループが療法トランスデューサ素子の二次元アレイの辺上に位置される。ある種の側面では、撮像トランスデューサ素子(たとえば4つの素子)は、トランスデューサ・パッチとして並列な動作のために一緒に結合されることができる。ある種の側面では、撮像トランスデューサ素子は療法トランスデューサ素子の二次元アレイのまわりに周辺に位置されることがで、あるいは撮像トランスデューサ素子は並列な動作のために一緒に結合される。
【0011】
ある種の側面では、システムは、実行されるとき、撮像トランスデューサ素子に、療法トランスデューサ素子よりも高い周波数で超音波を送信させる命令を含むことができ、および/または、撮像トランスデューサ素子が、療法トランスデューサ素子よりも高い周波数で動作するよう構造的に構成されることができる。たとえば、撮像トランスデューサ素子は、療法トランスデューサ素子よりも小さな高さを含むことができる。いくつかの側面では、撮像トランスデューサ素子は、より広い帯域幅のための、より重い裏材(backing)および/または身体への異なるエネルギー結合のための異なる音響整合(matching)層をも含むことができる。本稿でさらに述べるように、撮像トランスデューサ素子および超音波システムは、Aライン撮像、ドップラー検出または頭蓋厚さレンジングのうちの一つのために構成されることができる。撮像トランスデューサ素子は、キャビテーションに特徴的なサブハーモニックまたはウルトラハーモニック周波数に敏感な帯域幅をもつこともできる。ある種の側面では、超音波療法システムは、撮像トランスデューサ素子によって生成される信号に応答するキャビテーション検出器と、前記二次元アレイに結合され、前記療法トランスデューサ素子によって生成される超音波エネルギーを制御するよう構成された増幅器電子回路とを含むことができる。
【0012】
図1を参照するに、本発明の原理に基づいて構築された超音波システムがブロック図の形で示されている。二次元トランスデューサ・アレイ10が、療法および後述するような他の用途のために超音波を送信し、エコー情報を受信するために設けられている。本発明では、アレイはトランスデューサ素子の二次元アレイであり、超音波システムと組み合わさって、療法効果をもつ超音波を三次元的に方向制御し、3D画像および他の情報を提供することができる。この例では、アレイは、ヘッドセットに取り付けられた超音波プローブ内に位置しており、該ヘッドセットが、アレイを、超音波血栓溶解の経頭蓋施与のために頭側部のこめかみと音響接触するよう位置させる。アレイの素子は、送信と受信の間で切り換え、システム・ビームフォーマー20を高エネルギー送信信号から保護する送受信切り換え(T/R)スイッチ16に結合されている。トランスデューサ・アレイ10からの超音波パルスの送信は、ビームフォーマー20に結合された送信コントローラ18によって方向付けられる。送信コントローラ18は、ユーザー・インターフェースまたはコントロール・パネル38のユーザーによる操作から入力を受け取る。
【0013】
アレイ10の素子によって受信されたエコー信号はシステム・ビームフォーマー20に結合され、そこで信号はコヒーレントなビームフォーミングされた信号に組み合わされる。たとえば、この例におけるシステム・ビームフォーマー20は128個のチャネルをもち、そのそれぞれは療法または撮像のためのエネルギーを送信するためにアレイのある素子を駆動し、トランスデューサ素子の一つからのエコー信号を受信する。このようにして、アレイは、方向制御されたエネルギーのビームを送信し、エコー信号の受信されたビームを方向制御し合焦するよう制御される。
【0014】
ビームフォーミングされた受信信号は基本/ハーモニック信号分離器22に結合される。分離器22は、微小泡または組織から返される強く非線形なエコー信号の識別を可能にするよう、線形および非線形信号を分離するはたらきをする。分離器22は、受信信号を基本周波数およびハーモニック周波数帯域(スーパーハーモニック、サブハーモニックおよび/またはウルトラハーモニック信号帯域を含む)において帯域通過フィルタリングすることによって、あるいはパルス反転もしくは振幅変調ハーモニック分離のような基本周波数打ち消しのプロセスによって、など多様な仕方で動作しうる。さまざまな振幅およびパルス長をもつ他のパルス・シーケンスも、線形信号抑制および非線形信号強調のために使われてもよい。好適な基本/ハーモニック信号分離器は特許文献2に示され、記載されている。分離された信号は信号プロセッサ24に結合され、そこでスペックル除去、信号複合(compounding)およびノイズ消去といった追加的な向上を受けてもよい。
【0015】
処理された信号はBモード・プロセッサ26およびキャビテーション・プロセッサ28に結合される。Bモード・プロセッサ26は、筋、組織および血球のような身体中の構造の撮像のために振幅検出を用いる。身体の構造のBモード画像は、ハーモニック・モードまたは基本波モードのいずれかで形成されうる。身体中の組織および微小泡の両方が両方の型の信号を返し、微小泡の、より強いハーモニックの返りのため、たいていの応用では、画像中で微小泡は明瞭にセグメンテーションされることができる。キャビテーション・プロセッサ28は、後述するように、キャビテーションの信号特徴を検出し、キャビテーション画像および警報信号を生成する。システムは、ドップラー・プロセッサをも含んでいてもよい。ドップラー・プロセッサは、赤血球および微小泡を含む画像フィールドにおける物質の動きの検出のために、組織および血流からの時間的に異なる信号を処理する。これらプロセッサによって生成される解剖学的およびキャビテーション信号はスキャン・コンバーター32および体積レンダラー34に結合され、これらが組織構造、流れ、キャビテーションまたはこれらの特徴のいくつかの組み合わされた画像の画像データを生成する。スキャン・コンバーターは、極座標をもつエコー信号を、デカルト座標における扇形画像などの所望される画像フォーマットの画像信号に変換する。体積レンダラー34は、特許文献3に記載されるように、3Dデータ・セットを、所与の参照点から見た投影された3D画像に変換する。同文献で述べられているように、レンダリングの参照点が変更されるときは、3D画像は運動視差(kinetic parallax)として知られることにおいて回転しているように見えることができる。この画像操作は、ユーザー・インターフェース38と体積レンダラー34との間の「表示制御」線によって示されるように、ユーザーによって制御される。また、種々の画像平面の平面画像による3D体積の表現という、多断面再構成として知られる技法も記述される。体積レンダラー34は、特許文献4に記載されるように、直線座標または極座標のいずれの画像データに作用することもできる。2Dまたは3D画像は、画像ディスプレイ40での表示のために、さらなる向上、バッファリングおよび一時記憶のために、スキャン・コンバーターおよび体積レンダラーから画像プロセッサ30に結合される。
【0016】
超音波画像と一緒に表示するためのグラフィック・オーバーレイを生成するグラフィック・プロセッサ36も画像プロセッサ30に結合されている。これらのグラフィック・オーバーレイは、患者名、画像の日時、撮像パラメータなどといった標準的な識別情報を含むことができ、後述するようにユーザーによって方向制御されるビーム・ベクトルのグラフィック・オーバーレイを生成することもできる。この目的のために、グラフィック・プロセッサはユーザー・インターフェース38から入力を受領した。本発明のある実施形態では、グラフィック・プロセッサは、対応する解剖学的Bモード画像にキャビテーション画像を重ねるために使われることができる。トランスデューサ・アレイ10からの超音波信号の生成を、よってトランスデューサ・アレイによって生成される画像およびトランスデューサ・アレイによって適用される療法を制御するよう、ユーザー・インターフェースは送信コントローラ18にも結合されている。ユーザー調整に応答して制御される送信パラメータは、超音波のキャビテーション効果に関係する、送信される波のピーク強度と、画像位置決めおよび/または療法ビームの位置決め(方向制御)のための送信されるビームの方向制御を制御するMI(Mechanical Index[機械インデックス])を含む。これについてはのちに論じる。
【0017】
図2は、一次元トランスデューサ・アレイを用いた二次元での超音波血栓溶解の実施を示している。この例では、トランスデューサ・アレイ122は、2D撮像を実行した一次元アレイである。このトランスデューサ・アレイは、本稿に記載される他のアレイと同様に患者をトランスデューサ・アレイから電気的に絶縁し、一次元アレイの場合には高さ(平面外)次元方向での合焦をも提供しうるレンズ124で覆われている。レンズは、患者への音響的な結合のために皮膚の線100に押しつけられる。トランスデューサ・アレイ122は、空気または音響ダンピング材料126で裏打ちされており、それが、アレイの背面から発する音響波を減衰させて該音響波が反射してトランスデューサ素子内に戻ることを防ぐ。このトランスデューサ・スタックの背後には、アレイの画像平面140を回転させるための装置130がある。装置130は、単純なノブまたはタブであってもよく、臨床担当者はそれをつかんで円形アレイ・トランスデューサを回転可能なトランスデューサ・マウント(図示せず)において手動で回転させてもよい。装置130は、特許文献5で論じられるようにトランスデューサを機械的に回転させるよう導体132を通じてエネルギー付与されるモーターであってもよい。矢印144によって示されるように一次元アレイ・トランスデューサ122を回転させると、その画像平面140がその中心軸のまわりに枢動し、トランスデューサ・アレイの前方の脈管構造の完全な検査のために画像平面の位置決めし直しを可能にする。特許文献5で論じられているように、アレイの少なくとも180°回転の間に収集される諸平面は、トランスデューサ・アレイの前方の円錐状の体積を占め、それはその体積領域の3D画像にレンダリングされてもよい。この体積領域の外部の他の平面は、トランスデューサ・アレイをそのヘッドセットにおいて頭蓋100との関係で位置決めし直すこと、ゆらすことまたは傾けることによって撮像されうる。狭窄、血栓が撮像される平面の画像において見出される場合、ビームを狭窄144に向けてねらいを付け、合焦するために、療法ビーム・ベクトル・グラフィック142が臨床担当者によって方向制御されることができ、狭窄の部位において微小泡を破砕するために療法パルスが適用されることができる。
【0018】
図3は、2Dマトリックス・アレイ・トランスデューサ10aを使う本発明の3D撮像/療法を示している。この図では、トランスデューサ・アレイ10aは患者100の皮膚の線に押し当てられ、撮像体積102は身体中に投射される。ユーザーは超音波システムのディスプレイ上で体積102の3D画像を、多断面または体積レンダリングされた3D投影において見る。ユーザーは、体積レンダリングされた3D画像を種々の配向から観察するために運動視差コントロールを操作することができる。ユーザーは、特許文献6に記載されるように、脳組織内部での血管構造をよりよく視覚化するために3D画像の組織および流れ成分の相対的な不透明度を調整することができ、あるいはディスプレイのBモード(組織)部分を完全にオフにして、単に3D画像体積102内の血管構造の流れを視覚化することができる。
【0019】
血栓144のような処置部位が体積102内で撮像されているとき、微小泡造影剤が患者の血流中に導入される。短時間で、血流中の微小泡は処置部位の脈管構造まで流れ、3D画像に現われる。次いで、血栓を溶解させようとして狭窄の部位において微小泡をかきまわすまたは破裂させることによって、療法が適用されることができる。臨床担当者は「療法」モードをアクティブ化し、療法グラフィック110が画像フィールド102に現われ、血栓の深さに設定されてもよいその上のグラフィックをもって、療法超音波ビームのベクトル経路を描く。療法超音波ビームは、ベクトル・グラフィック110が閉塞の部位に合焦されるまで、ユーザー・インターフェース38上のコントロールによって操作される。療法ビームのために生成されるエネルギーは、診断超音波のエネルギー限界内であっても、あるいは診断超音波のために許される超音波レベルを超過していてもよい。結果として生じる微小泡破砕のエネルギーは血栓を強く揺動し、血栓を溶離させて血流中に溶解させる傾向がある。多くの事例では、診断エネルギー・レベルでの微小泡の超音波照射が、血栓を溶解させるために十分であろう。一回のイベントで破裂させるのではなく、微小泡は振動、揺動させられ、微小泡の溶解前のそのような長期間の振動からのエネルギーが、血栓を溶離させるために十分でありうる。
【0020】
図4は、マネキンの頭部60にマウントされた本発明の超音波血栓療法アレイ・プローブ12のためのヘッドセット62を示している。たいていの患者の頭の側部は、頭のそれぞれの側の耳のまわりおよび前の側頭骨において経頭蓋超音波のための好適な音響窓を有利に提供する。これらの音響窓を通じてエコーを送受信するために、トランスデューサ・アレイはこれらの位置と良好な音響接触をしていなければならない。これは、トランスデューサ・アレイをヘッドセット62を用いて頭に押し当てることによってできる。本発明のある実装は、こめかみ窓に対する音響接触を維持している間、トランスデューサ・アレイが、その共形接触表面によって操作され、脳内の動脈にねらいをつけられることを許容するスナップオン式の(snap-on)変形可能な音響隔離部(standoff)を有していてもよい。本発明のアレイ10は、患者の側頭骨に対する安定した位置決めおよびタイトな結合の要求に対処することを許容するプローブ筐体12に統合される。図示したプローブ筐体は、プローブ・ハンドルを90°曲げる(bend)ことによって湾曲している(curved)。それにより、プローブはヘッドセット62に取り付けられるとき、より安定になる。音響結合の目的は、プローブ・ハンドル中に、かみあう球状表面を統合することによって容易にされる。それにより、プローブ・ハンドルは、患者のこめかみ窓に強くタイトに結合されるまでヘッドセット62において枢動できる。
【0021】
既存の経頭蓋プローブは、撮像および流れ診断の目的のために設計されている。よって、これらのプローブは、λ/2のサイズ要求を満たす広帯域圧電トランスデューサ素子を利用して、より高い周波数(一般には1.6ないし2.5MHzの範囲の中心周波数)のプローブである傾向がある。これらのプローブは、脳およびその脈管構造のそこそこの超音波画像を生成するが、進入深さ、効率および出力パワーが代償となる。さらに、これらのプローブの大半は、経頭蓋で使用されるよう特に設計されてもいないので、側頭骨窓が提供するフル(ほとんど円形または楕円状)開口(典型的には2〜2.5cm)を活用していない。その結果、より小さなプローブ開口のため、出力パワーがさらに低下する。本発明の原理によれば、アレイ・トランスデューサ10は、図5に示されるような128個の療法素子70のまるまった概形をもつアレイ10として形成される。概括的にまるまった形は、頭の側部の側頭骨音響窓のまるまった形状にうまくフィットする。ある構築された実装では、個々の素子は比較的大きく、約2mmのピッチを示す。シミュレーションおよび測定は、アレイが60〜65mmを超える深さに位置している血栓に到達でき、よって上記で挙げた血栓を標的とする目的を満たすことができることを示している。これは、マトリクス・アレイが中大脳動脈血栓の97.7%までに到達することを許容する。個々のアレイ素子が大きいので、それらの電気インピーダンスは通常のアレイの素子よりも低く、電気インピーダンス整合を容易にする。大きな、きわめてよく共鳴する素子の使用も(効率的なパワー移送のための空気または他の軽い裏打ち材料とともに)、アレイが、血栓溶解のために最適であると見出されている長い時間期間、たとえば数十ミリ秒にわたってかなりの出力パワー/圧力を生成することを許容する。送信効率は、側頭骨および介在する脳組織からの著しい減衰を克服できつつ、約300〜500kPaの脳内の現場圧力を達成するためにも要求される。かかる減衰は、入射圧力を3〜4倍減少させることがある。図示される素子配置および素子の大きさは、アレイ開口の真正面に位置していない血栓を標的とするためおよび血栓の周囲の組織を標的とするために±27°までの軸外れ方向制御を可能にする。これは上記で挙げたもう一つの目的である。個々の素子自身は、ダイシング工程による製作を容易にするために行と列に配置されるが、概括的にまるまった形状をアレイに与えるために、アレイのコーナーには存在しない。
【0022】
本発明の基本的なアレイ10が図5に示されている。このアレイは128個の素子70を有している。つまり、典型的な超音波システムの標準的な128チャネル・ビームフォーマーによって動作させることができる。128個の素子は、療法エネルギーを方向制御し、脳内の微小泡および血栓のところで合焦するために一緒に動作させられる。アレイの各コーナーでは、それ以外では長方形の形状から四つの素子が欠けていて、アレイに、側頭骨音響窓にフィットする概括的にまるまった形を与えている。図6は、標準的なアレイの修正形を示しており、四つの中心素子72が128素子の療法アレイとは別個の機能専用とされている。四つの中心素子72は電気的に一緒に結合されて単一の、より大きな素子「パッチ」をなすことができる。これは、頭蓋骨レンジング目的のために使われうるようなパルス・エコー動作のためにも、受動的キャビテーション検出システムにおいて必要とされうるような受信モード専用で動作するためにも、あるいは血流(または血流の不在)のために必要とされうるようなパルス・ドップラー・モードで動作するためにも、より高い感度を与え、超音波システムからの単一のチャネルしか要求しないという利点がある。そのような小さな素子パッチは、指向性が強くないというさらなる利点がある。よって、そのようなパッチは、センサー前方の大きな体積からくる超音波信号を受信するのに敏感であり、これはキャビテーション検出のために有益である。このように、四つの中心素子72は別個の単一素子トランスデューサのはたらきをする。中心素子の機能はたとえば、Aライン撮像/検出/レンジングまたは受動的なキャビテーション検出であってもよい。このように、これらの素子は、経頭蓋撮像(たとえば1.6〜2.5MHz)または送信された信号の高調波の検出(たとえば2MHz)のためにより好適な、より高い周波数で動作するよう最適化されることができるが、主たる療法アレイと同じ製造プロセスの間に製造されることができる。より高い動作周波数を与える、より小さな高さ;より広い帯域幅を与える、より重い裏材;またはよりよい身体中へのエネルギー結合を与える、それらの固有の動作周波数における異なる音響整合層のような単純な修正が、この部分集合の素子にのみ適用されることができる。四つの中心素子を別の機能の専用とするとは、療法アレイが今や124個の素子しかもたないことを意味する。標準的なビームフォーマーのチャネルすべてをフルに利用するために、周縁素子74のような四つの新たな素子が、製造プロセスの間に療法アレイに追加されることができる。
【0023】
図7は、特別に専用にされた前記素子72がアレイ10の周のまわりに位置している別のアレイ構成を示している。この実装では、素子72は、療法アレイ内の128個の素子の全数を維持する四つの素子74とともに、128素子療法アレイ内に再配置されている。
【0024】
図8は、アレイ10の各辺上の五つの素子が電気的に一緒に結合されて、測定またはキャビテーション検出のような異なる機能のために使われる、本発明のアレイのもう一つの実装を示している。これら20個の素子を割くことは、療法アレイの素子数を108に減らすが、この数はアレイの各辺上に五つの療法素子74を追加することによってもとの128まで増やされる。五つのうち四つは新たな外側列として、一つは以前の外側列に追加される。
【0025】
本発明のトランスデューサ・アレイの製造において、2D超音波アレイは通常の仕方(たとえばラッピング(lapping)、ダイシング(dicing)など)で製作され、各素子の特性は超音波血栓溶解療法用途のために微調整される。たとえば、1MHz、2〜6cmの深さでの合焦、±27°の軸外れ方向制御機能、狭い帯域幅、高い効率、高い出力パワー、円形開口などである。アレイの素子の部分集合が取りのけられ、その電気的および音響上の特性が特別な用途にマッチするよう微調整される。たとえば、1.6〜2.0MHz、広い帯域幅、Aライン撮像、ドップラー検出または頭蓋厚さレンジングのための高い感度などである。あるいはまた、素子の前記部分集合の電気的および音響上の特性は、主たる療法周波数のサブハーモニックまたはウルトラハーモニック周波数に敏感になるよう微調整される。受動的なキャビテーション検出機能を実装するためにこれらの周波数のよりよい検出を可能にするためである。特化された素子は電気的または音響的に組み合わされて、素子パッチを形成する。素子パッチは、その指向性を狭めつつ、所望される信号に対するその感度を高める。
【0026】
使用では、療法素子は、血栓標的および周囲の組織にアレイの焦点を合わせ、超音波血栓溶解療法を施与するためにパワーを与えられる。特化された素子の前記部分集合は次のために使われる。
【0027】
a.頭蓋の反対側から反射されたエコーの振幅を調べることにより側頭骨窓の品質を測る。より大きな振幅は、より薄い側頭骨窓および/またはアレイ全体についての、側頭骨窓上での、よりよい位置を含意する。
【0028】
b.そのパッチをドップラー・モードで動作させることにより中大脳動脈の流れおよび/または流れの不在を判別する。閉塞部を超音波血栓溶解ビームの標的とすることにおいて助けるためである。
【0029】
c.高周波数パッチ、たとえば10〜20MHzの使用により直接、側頭骨窓の厚さを決定する。この情報は、超音波血栓溶解療法アレイの出力パワーを変調するために使われる。より薄い側頭骨窓は、より厚い側頭骨窓に比べ、同じ現場圧力を達成するために、より低い超音波血栓溶解出力圧力を要求するであろう。あるいは
d.超音波血栓溶解処置周波数を受けている間の微小泡から発する信号を聴くことにより、キャビテーション・プロセッサ28による返ってくる信号のスペクトルの検出/分類を介して、現場圧力を決定する。たとえば慣性キャビテーションについてのシグネチャーが検出され、安定したキャビテーションが所望される場合、慣性キャビテーション検出器50はスピーカー42によってアラームを生じる。ユーザーはこの情報に、超音波血栓溶解アレイによって生成される超音波出力パワー(MI)を下げることによって対応する。たとえばキャビテーション・プロセッサ28による画像における閉塞部位のキャビテーション着色の徴候がないことにより、キャビテーションが全く検出されない場合には、キャビテーションが検出されるまで、超音波血栓溶解アレイの出力パワーが上げられる。この出力パワーのスケーリングは、ユーザー介入なしに、たとえば出力パワー制御ループを介して自動的に達成されることもできる。処置はこの設定において続けられる。そのような使用は、システムが、異なる側頭骨窓によって生成される減衰や、脳組織の異なる音響属性に起因する減衰の何らかの変化について補償することを許容する。
【0030】
図9のトランスデューサ・アレイは、いくつかのサブパッチ82〜88をもつ配置を示している。それぞれのサブパッチは、その特化した機能の最良動作のために特定の周波数に微調整される。たとえば、パッチ82はレンジングおよび側頭骨品質決定のために1.6〜2.0MHzで動作する;第二のパッチ84は、直接的な側頭骨厚の推定のために10〜20MHzで動作する;第三のパッチ86は高調波検出のために3MHzで動作する;第四のパッチ88はドップラー流れ検出のために5MHzで動作する。それぞれのサブパッチ82〜88はその独自の撮像/検出サブシステムに接続されて、該サブシステムによって駆動されることができ、あるいは必要に応じて個別の超音波システム・フロントエンドに接続されることができる。この例では、まわりの素子で構成される超音波血栓溶解療法アレイ10はいまだ128個の素子からなっており、よって超音波システムの送信機および増幅器の電子回路をその最も完全かつ効率的な仕方で利用し続ける。撮像/検出サブパッチ82〜88は、中心にある位置のため、概して同じ方向に向けられ、よって脳のほぼ同じ体積/領域をカバーすることができる。
【0031】
本発明の概念は、四つより多いまたは少ない素子からなるパッチおよび128素子よりも多い全体的なマトリクス・アレイ幾何に拡張されることができる。パッチ素子の素子サイズさえもが療法アレイの素子サイズと異なっている図10に示されるような幾何は、線形ダイシング・カットを使って現在のセラミック・ダイシング技術で実現できる。図10の例では、90のところに示される当該アレイの、より小さな長方形素子は、電気的に相互接続されて、より大きな正方形素子に形成され直し、療法アレイの幾何の残りの部分をなすもののサイズにマッチする。このように、超音波血栓溶解処置のためにフル・アレイが使われることができる。パッチの、より小さな中心素子は、単一素子トランスデューサ・パッチとして(すなわち全部並列に)はたらくよう一緒に結線されることができ、あるいは別々に結線されて、各素子がその独自のパルス器/受信器チャネルもしくは駆動電子回路に接続されて、二次元もしくは三次元撮像のための二次元の小さなピッチのマトリクス・アレイを実現することができる。これは、装置に有力な合焦および/またはビーム方向制御機能を加えることによって、特定の用途(撮像、レンジング、カラー・ドップラー、流れ検出など)のために、中心サブアレイをさらに最適化することになる。
【0032】
上記で記述し、図面に示したさまざまな実施形態はハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせによって実装されうることを注意しておくべきである。さまざまな実施形態および/またはコンポーネントたとえばモジュールまたはコンポーネントとその中のコントローラは、一つまたは複数のコンピュータまたはマイクロプロセッサの一部として実装されてもよい。コンピュータまたはプロセッサは、コンピューティング装置、入力装置、表示ユニットおよびたとえばインターネットにアクセスするためのインターフェースを含んでいてもよい。前記コンピュータまたはプロセッサは、マイクロプロセッサを含んでいてもよい。マイクロプロセッサは、たとえばPACSシステムにアクセスするために通信バスに接続されていてもよい。コンピュータまたはプロセッサはメモリを含んでいてもよい。メモリはランダム・アクセス・メモリ(RAM)および読み出し専用メモリ(ROM)を含んでいてもよい。コンピュータまたはプロセッサはさらに、記憶デバイスを含んでいてもよい。記憶デバイスはハードディスクドライブまたはリムーバブル記憶ドライブ、たとえばフロッピーディスクドライブ、光ディスクドライブ、半導体サム・ドライブなどであってもよい。記憶デバイスは、コンピュータ・プログラムまたは他の命令をコンピュータまたはプロセッサにロードするための他の同様の手段であってもよい。
【0033】
本稿での用法では、用語「コンピュータ」または「モジュール」または「プロセッサ」は、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、ASIC、論理回路および本稿に記載される機能を実行できる他の任意の回路またはプロセッサを含む、いかなるプロセッサ・ベースのまたはマイクロプロセッサ・ベースのシステムを含んでいてもよい。上記の例では単に例示的であり、よっていかなる仕方であれこれらの用語の定義および/または意味を限定することは意図されていない。コンピュータまたはプロセッサは、入力データを処理するために、一つまたは複数の記憶要素に記憶された一組の命令を実行する。記憶要素は、所望または必要に応じて、データまたは他の情報を記憶してもよい。記憶要素は、情報源または処理機械内の物理的なメモリ要素の形であってもよい。
【0034】
前記一組の命令は、処理機械としての前記コンピュータまたはプロセッサに、本発明のさまざまな実施形態の方法およびプロセスのような特定の動作を実行するよう命令するさまざまなコマンドを含んでいてもよい。前記一組の命令は、ソフトウェア・プログラムの形であってもよい。ソフトウェアは、システム・ソフトウェアまたはアプリケーション・ソフトウェアのようなさまざまな形であってもよく、有体かつ非一時的なコンピュータ可読媒体として具現されてもよい。さらに、ソフトウェアは、別個のプログラムまたはモジュールの集合、より大きなプログラム内のプログラム・モジュールまたはプログラム・モジュールの一部の形であってもよい。ソフトウェアは、オブジェクト指向プログラミングの形のモジュラー・プログラミングを含んでいてもよい。処理機械による入力データの処理は、オペレーターのコマンドに応答して、あるいは前の処理の結果に応答して、あるいは別の処理機械によってなされる要求に応答してであってもよい。
【0035】
さらに、以下の請求項の限定は、ミーンズプラスファンクション形式では書かれておらず、そのような請求項の限定が明示的に、さらなる構造なしに機能の陳述に続いて「……のための手段」という句を使うのでない限り、米国特許法第112条第6項に基づいて解釈されることは意図されていない。
【0036】
いくつかの態様を記載しておく。
〔態様1〕
命令を有する超音波療法システムであって、前記命令は、実行されたときに当該システムに:
療法トランスデューサ素子の二次元アレイから脳血管系における閉塞部に向けて療法超音波エネルギーを送信する段階であって、前記二次元アレイは、直線的にさいの目状にされたトランスデューサ素子を含み、それらのトランスデューサ素子は、コーナー素子が欠けていて概してまるまったアレイ形状を与えるようなパターンで配置されている、段階と;
療法トランスデューサ素子の前記二次元アレイと一緒に位置されている撮像トランスデューサ素子から療法以外の超音波エネルギーを送信する段階とを実行させるものである、
システム。
〔態様2〕
前記二次元アレイにおける療法トランスデューサ素子の数は128であり、当該超音波療法システムはさらに128チャネル・ビームフォーマーを有する、態様1記載のトランスデューサ・アレイ。
〔態様3〕
前記撮像トランスデューサ素子は、療法超音波素子の前記二次元アレイ内で中心に配置されている、態様2記載のトランスデューサ・アレイ。
〔態様4〕
前記撮像トランスデューサ素子の数は4である、態様3記載のトランスデューサ・アレイ。
〔態様5〕
前記4個の撮像トランスデューサ素子は、トランスデューサ・パッチとしての並列な動作のために一緒に結合されている、態様4記載のトランスデューサ・アレイ。
〔態様6〕
前記撮像トランスデューサ素子が、療法トランスデューサ素子の前記二次元アレイのまわりに周辺に位置されている、態様2記載のトランスデューサ・アレイ。
〔態様7〕
前記撮像トランスデューサ素子は、並列な動作のために一緒に結合されている、態様6記載のトランスデューサ・アレイ。
〔態様8〕
撮像トランスデューサ素子の数は4である、態様6記載のトランスデューサ・アレイ。
〔態様9〕
5素子のグループに配列された20個の撮像トランスデューサ素子を有しており、各グループが療法トランスデューサ素子の前記二次元アレイの辺上に位置される、態様6記載のトランスデューサ・アレイ。
〔態様10〕
当該システムは、実行されるとき、前記撮像トランスデューサ素子に、前記療法トランスデューサ素子よりも高い周波数で超音波を送信させる命令を有する、態様1記載のトランスデューサ・アレイ。
〔態様11〕
前記撮像トランスデューサ素子が、前記療法トランスデューサ素子よりも小さな高さを有する、態様10記載のトランスデューサ・アレイ。
〔態様12〕
前記撮像トランスデューサ素子が、より広い帯域幅のための、より重い裏材または身体への異なるエネルギー結合のための異なる音響整合層の一つまたは複数を有する、態様1記載のトランスデューサ・アレイ。
〔態様13〕
前記撮像トランスデューサ素子は、Aライン撮像、ドップラー検出または頭蓋厚さ測定のうちの一つのために構成されている、態様1記載のトランスデューサ・アレイ。
〔態様14〕
前記撮像トランスデューサ素子は、キャビテーションに特徴的なサブハーモニックまたはウルトラハーモニック周波数に敏感な帯域幅をもつ、態様1記載のトランスデューサ・アレイ。
〔態様15〕
当該超音波療法システムはさらに:
前記撮像トランスデューサ素子によって生成される信号に応答するキャビテーション検出器と;
前記二次元アレイに結合され、前記療法トランスデューサ素子によって生成される超音波エネルギーを制御するよう構成された増幅器電子回路とをさらに有する、
態様14記載の超音波療法システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】
2021151508000001.pdf