で表される化合物[式(1)中、R1は炭素数6〜20のアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基であり、R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である]、を含むことを特徴とする塗料組成物である。
前記塗料組成物中において前記一般式(1)で表される化合物の含有量が前記(I)水酸基含有樹脂100重量部に対して5〜400重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗料組成物。
前記(I)水酸基含有樹脂が、水酸基含有フッ素樹脂、及び水酸基含有アクリル樹脂のうちの少なくとも一方の樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗料組成物。
前記塗料組成物中において前記(II)硬化触媒の含有量が前記(IV)硬化剤100重量部に対して0.5〜160重量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗料組成物。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の塗料組成物を詳細に説明する。本発明の塗料組成物は、(I)水酸基含有樹脂、(II)硬化触媒、(III)溶剤、(IV)硬化剤、を含み、前記(IV)硬化剤が、一般式(1):(R1)Si(OR2)
3で表される化合物[式(1)中、R1は炭素数6〜20のアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基であり、R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である]、を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の塗料組成物において、(I)水酸基含有樹脂は、水酸基を有しており、後述する硬化剤により硬化させることで、耐候性に優れる塗膜を得ることができる。(I)水酸基含有樹脂は、塗料業界において通常使用されている樹脂を例示することができるが、本発明の塗料組成物を上塗り塗料として適用する観点から、水酸基含有フッ素樹脂、水酸基含有アクリル樹脂、及び水酸基含有アクリルシリコーン樹脂が好ましく、水酸基含有フッ素樹脂及び水酸基含有アクリル樹脂が更に好ましい。なお、(I)水酸基含有樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。(I)水酸基含有樹脂は、市販品を好適に使用できるが、例えばフッ素樹脂、アクリル樹脂又はアクリルシリコーン樹脂の合成の際に、水酸基含有モノマーを用いることで容易に調製可能である。
【0019】
本明細書において、アクリル樹脂は、アクリル酸エステル類又はメタクリル酸エステル類の重合体であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸並びにそのエステル、アミド及びニトリル等から選択されるアクリル成分の1種又は複数種を重合させて得られる重合体が挙げられ、更には、アクリル成分と、例えば、スチレン等の非アクリル成分とを重合させて得られる重合体も含まれる。アクリルシリコーン樹脂は、通常、アクリル樹脂を構成するような繰り返し単位からなるブロックと、シリコーン樹脂を構成するような繰り返し単位からなるブロックとを有する重合体である。フッ素樹脂は、フッ素含有モノマーと、必要に応じて他のモノマーとを重合させて得られる重合体である。
【0020】
本発明の塗料組成物において、(I)水酸基含有樹脂は、ガラス転移温度が20〜60℃であることが好ましく、25〜55℃であることが更に好ましい。ガラス転移温度が20℃未満であると、塗装後の乾燥性が悪くなり、ガラス転移温度が60℃を超えると、形成した塗膜に割れが生じる場合がある。
【0021】
本明細書において、ガラス転移温度(Tg)とは、次のFOX式を用いて計算されるものをいう。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wi/Tgi+・・・+Wn/Tgn
上記FOX式において、Tgは、n種類のモノマーからなるポリマーのガラス転移温度(K)であり、Tg(1、2、i、n)は、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度(K)であり、W(1、2、i、n)は、各モノマーの質量分率であり、W1+W2+・・・+Wi+・・・+Wn=1である。
【0022】
本発明の塗料組成物において、(I)水酸基含有樹脂は、重量平均分子量が10,000〜200,000であることが好ましく、30,000〜150,000であることが更に好ましい。(I)水酸基含有樹脂の重量平均分子量が上記特定した範囲内にあれば、塗料組成物として塗装に適した粘度を保ち、且つ塗膜の乾燥性に優れる。また、(I)水酸基含有樹脂の重量平均分子量が高くなると、耐汚染性が良好になる傾向がある。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した値であり、標準物質にはポリスチレンが使用される。
【0023】
本発明の塗料組成物において、(I)水酸基含有樹脂は、水酸基価が1〜200mgKOH/gであることが好ましく、水酸基価が3〜100mgKOH/gであることが更に好ましい。(I)水酸基含有樹脂の水酸基価が上記特定した範囲内にあれば、良好な塗膜性能を示すのに十分な硬化性を確保することができる。なお、水酸基価は、JIS K 0070に準拠して測定できる。(I)水酸基含有樹脂の水酸基価が1mgKOH/gより小さいと、十分な硬化性が得られない傾向がある。一方、(I)水酸基含有樹脂の水酸基価が200mgKOH/gより大きいと、架橋点が多くなり内部応力が増大するため、基材や塗膜との付着性が悪くなる場合がある。また、耐水性も悪くなる傾向がある。
【0024】
本発明の塗料組成物中における(I)水酸基含有樹脂の含有量は、10〜92質量%であることが好ましく、15〜90質量%であることが更に好ましい。
【0025】
本発明の塗料組成物は、(II)硬化触媒を含む。(II)硬化触媒を用いることで、(I)水酸基含有樹脂と(IV)硬化剤、特には一般式(1)で表される化合物の反応を促進させることができる。また、(II)硬化触媒は、金属原子として錫原子(Sn)及びチタン原子(Ti)のうちの少なくとも1つの元素を含む化合物であることが好ましい。SnやTiの元素を含む(II)硬化触媒は、ポットライフと硬化性のバランスが良好である。
【0026】
(II)硬化触媒としては、公知のものを使用することができるが、例えば、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム等の金属酸化物;亜鉛プロポキシド、亜鉛ブトキシド、ジルコニウムプロポキシド、ジルコニウムブトキシド、鉛ブトキシド、チタンプロポキシド、チタンブトキシド、錫プロポキシド、アルミニウムプロポキシド、錫ブトキシド、アルミニウムブトキシド等の金属アルコキシド;亜鉛フェノキシド、ジルコニウムフェノキシド、鉛フェノキシド、チタンフェノキシド、錫フェノキシド、アルミニウムフェノキシド等の金属フェノキシド;シュウ酸亜鉛、酢酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム、2−エチルヘキサン酸鉛、2−エチルヘキサン酸酸化ジルコニウム、酢酸チタン、2−エチルヘキサン酸チタン、2−エチルヘキサン酸酸化チタン、2−エチルヘキサン酸錫、2−エチルヘキサン酸アルミニウム、酢酸錫、酢酸アルミニウム、ジブチル錫ジラウレート、トリブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、アルミニウムアセチルアセトナート等のカルボン酸の金属塩が挙げられる。なお、(II)硬化触媒は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
本発明の塗料組成物中における(II)硬化触媒の含有量は、(IV)硬化剤100重量部に対して0.5〜160重量部であることが好ましく、10〜80重量部であることが更に好ましい。
【0028】
本発明の塗料組成物は、(III)溶剤を含む。溶剤としては、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類(ラクトンを含む)、窒素含有化合物(アミド、ラクタムなど)、硫黄含有化合物、炭化水素(脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素など)等の公知の塗料用溶剤が使用できるが、弱溶剤を用いることが好ましい。なお、(III)溶剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
本発明の塗料組成物において、弱溶剤としては、JIS K 2256に規定される混合アニリン点又はアニリン点が12〜70℃の範囲内にある弱溶剤が好ましい。かかる弱溶剤は、環境に対する負荷が比較的少ない溶剤であり、常温乾燥にて除去できる。アニリン点及び混合アニリン点は、溶剤の溶解力を表す指標の一種であり、アニリン点又は混合アニリン点が高いほど溶解力が弱くなる。アニリン点は、等容積の溶剤とアニリンとが均一な溶液として存在する最低温度であり、混合アニリン点は、溶剤1容積、ヘプタン1容積及びアニリン2容積が均一な溶液として存在する最低温度である。混合アニリン点又はアニリン点が12℃未満では、溶剤の溶解力が強すぎるため、塗料組成物で被覆基材を塗装する場合、基材を既に覆っている塗膜(旧塗膜)が溶剤に侵され(具体的には旧塗膜が溶解したり膨潤したりして)、リフティング等の不具合が発生する恐れがあるので好ましくない。また、混合アニリン点又はアニリン点が70℃を超えると、溶剤の溶解力が弱すぎるため、実用的な性能を有する樹脂を溶解し難くなり好ましくない。
【0030】
また、上記弱溶剤は、乾燥性や塗装作業性の面から、沸点が150〜210℃の範囲内にあることが好ましい。
【0031】
上記弱溶剤には、例えば、脂肪族系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族ナフサ等の炭化水素系有機溶剤が挙げられ、これらの中でも、特に臭気が少なく、環境に対する悪影響が小さい好適な弱溶剤として、脂肪族炭化水素系有機溶剤が挙げられる。上記炭化水素系有機溶剤の具体例としては、メチルシクロヘキサン(沸点:101℃、アニリン点:40℃)、エチルシクロヘキサン(沸点:132℃、アニリン点:44℃)、ミネラルスピリット(沸点:150〜205℃、アニリン点:56℃)、テレビン油(沸点:149〜180℃、アニリン点:44℃)が挙げられる。また、上記炭化水素系有機溶剤には、石油系炭化水素として市販されるものがあり、例えば、HAWS(シェルケミカルズジャパン社製、沸点:151〜193℃、アニリン点:17℃)、LAWS(シェルケミカルズジャパン社製、沸点:151〜196℃、アニリン点:44℃)、ペガゾール3040(エクソンモービル社製、沸点:158〜196℃、アニリン点:55℃)、ペガゾールAN45(エクソンモービル社製、沸点:158〜187℃、アニリン点42℃)、Aソルベント(JX日鉱日石エネルギー社製、沸点:160〜200℃、アニリン点:45℃)、クレンゾルHS(JX日鉱日石エネルギー社製、沸点:155〜175℃、アニリン点:64℃)、ミネラルスピリットA(JX日鉱日石エネルギー社製、沸点:165〜195℃、アニリン点:43℃)、エクソールD30(エクソンモービル社製、沸点:145〜163℃、アニリン点:64℃)、エクソールD40(エクソンモービル社製、沸点:166〜191℃、アニリン点:69℃)、ニューソルDXハイソフト(JX日鉱日石エネルギー社製、沸点:164〜200℃、アニリン点:68℃)、ソルベッソ100(エクソンモービル社製、沸点:162〜178℃、混合アニリン点:14℃)、ソルベッソ150(エクソンモービル社製、沸点:184〜206℃、混合アニリン点:18.3℃)、スワゾール1000(丸善石油化学社製、沸点:163〜175℃、混合アニリン点:12.7℃)、スワゾール1500(丸善石油化学社製、沸点:182〜207℃、混合アニリン点:16.5℃)、スワゾール1800(丸善石油化学社製、沸点:196〜247℃、混合アニリン点:15.7℃)、出光イプゾール100(出光興産社製、沸点:159〜172℃、混合アニリン点:13.5℃)、出光イプゾール150(出光興産社製、沸点:184〜205℃、混合アニリン点:15.2℃)等が挙げられる。なお、これら弱溶剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
【0032】
本発明の塗料組成物中における(III)溶剤の含有量は、5〜50質量%であることが好ましい。また、本発明の塗料組成物が弱溶剤を含む場合、(III)溶剤全体に占める弱溶剤の割合は50質量%以上であることが好ましく、その上限は100質量%である。
【0033】
本発明の塗料組成物において、(IV)硬化剤は、一般式(1):(R1)Si(OR2)
3で表される化合物[式(1)中、R1は炭素数6〜20のアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基であり、R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である]を含む。
【0034】
上記一般式(1)で表される化合物は、R1として炭素数6〜20の炭化水素基を有するシラン化合物であり、揮発することなく安定的に耐汚染性を発現することができる。また、近年では、環境保護の観点や塗替施工の件数が増加しているため、弱溶剤系塗料の需要が高まっており、耐汚染性に優れた弱溶剤系塗料が求められているが、上記一般式(1)で表される化合物は、弱溶剤及び弱溶剤に可溶な樹脂との相溶性が良好であり、汎用的に弱溶剤系塗料への適用が可能である。また、上記一般式(1)で表される化合物を用いた塗料組成物は、耐候性やリコート性にも優れる。更に、上記一般式(1)で表される化合物は、ガラス転移温度が比較的低い水酸基含有樹脂(例えばTg=20〜25℃)に対しても相溶性が認められるため、例えば、耐衝撃性、付着性等の観点から表面硬度を低くした塗膜(例えば鉛筆硬度が3B〜5B程度)であっても耐汚染性を十分に発現することが可能である。更に、上記一般式(1)で表される化合物を用いることで、他の硬化剤成分を配合しなくても、十分な耐候性や付着性等の性能を有する塗膜が形成可能であり、コスト低減や安定性向上の観点から好ましい。
【0035】
一般式(1)において、R1は、炭素数6〜20のアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基である。ここで、アルキル基は、直鎖でも枝分れ鎖でもよく、デシル基が好ましい。シクロアルキル基は、単環式でも多環式でもよく、シクロヘキシル基であることが好ましい。アリール基は、芳香族炭化水素基を指し、単環式でも多環式でもよく、フェニル基であることが好ましい。アリールアルキル基は、アルキル基の水素原子がアリール基で置換されたアルキル基である。また、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアリールアルキル基は、ハロゲン等の置換基で置換されていてもよい。
【0036】
一般式(1)において、R2は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。ここで、アルキル基は、直鎖でも枝分れ鎖でもよく、メチル基又はエチル基であることが好ましい。また、アルキル基は、ハロゲン等の置換基で置換されていてもよい。一般式(1)において、各(OR2)は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0037】
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が好ましい。
【0038】
本発明の塗料組成物において、一般式(1)で表される化合物は、その一部が部分加水分解縮合物として存在している場合もある。
【0039】
本発明の塗料組成物中における一般式(1)で表される化合物の含有量は、(I)水酸基含有樹脂100重量部に対して5〜400重量部であることが好ましく、10〜200重量部であることが更に好ましい。なお、一般式(1)で表される化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0040】
本発明の塗料組成物において、(IV)硬化剤は、一般式(2):OCN−(CH
2)
m−Si(OR1)
nR2
(3−n)で表される化合物[式(2)中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基又はビニル基であり、mが1〜8であり、nが1〜3である]を含むことが好ましい。一般式(2)で表される化合物は、そのイソシアネート基が(I)水酸基含有樹脂の水酸基と反応してウレタン結合を形成すると共に、アルコキシシリル基の加水分解・縮合反応によって(I)水酸基含有樹脂を架橋させることができる。また、一般式(2)で表される化合物は、後述するようなポリイソシアネート化合物を用いた場合と比べて耐候性の向上効果が高い上、(II)硬化触媒との組み合わせを選択することにより、ポットライフと乾燥性をコントロールできる。更に、一般式(2)で表される化合物は、耐汚染性及び高湿度下での乾燥性(硬化性)に優れ、発泡を起こしにくく、また、アルコキシシリル基の加水分解・縮合反応を利用することから少量の配合で(I)水酸基含有樹脂の架橋密度を増加させることも可能である。
【0041】
一般式(2)において、R1は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。ここで、アルキル基は、直鎖でも枝分れ鎖でもよく、メチル基又はエチル基であることが好ましい。また、アルキル基は、ハロゲン等の置換基で置換されていてもよい。一般式(2)において複数の(OR1)が存在する場合、各(OR1)は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0042】
一般式(2)において、R2は、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基又はビニル基である。ここで、アルキル基は、直鎖でも枝分れ鎖でもよく、メチル基又はエチル基であることが好ましい。シクロアルキル基は、単環式でも多環式でもよく、例えば3〜10個の環を構成する炭素原子を含み、シクロプロピル基であることが好ましい。アリール基は、芳香族炭化水素基を指し、単環式でも多環式でもよく、フェニル基であることが好ましい。アリールアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜10のアルキル基)の水素原子がアリール基で置換されたアルキル基である。また、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基及びビニル基は、ハロゲン等の置換基で置換されていてもよい。一般式(2)において複数のR2が存在する場合、各R2は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0043】
一般式(2)において、mは1〜8であり、nは1〜3である。
【0044】
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルジメチルメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルジメチルエトキシシラン、4−イソシアネートブチルトリメトキシシラン、4−イソシアネートブチルトリエトキシシラン、2−イソシアネートエチルトリメトキシシラン、2−イソシアネートエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0045】
本発明の塗料組成物において、一般式(2)で表される化合物は、その一部が部分加水分解縮合物として存在している場合もある。
【0046】
本発明の塗料組成物は、一般式(2)で表される化合物を、(I)水酸基含有樹脂の水酸基に対してイソシアネート基が0.3〜2.0当量となるように含むことが好ましく、0.5〜1.2当量となるように含むことが更に好ましい。このように、一般式(2)で表される化合物の含有量は、(I)水酸基含有樹脂の水酸基の量に応じて適宜調整されるものである。なお、一般式(2)で表される化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
本発明の塗料組成物において、(IV)硬化剤は、(I)水酸基含有樹脂の水酸基と反応してウレタン結合を形成する物質として一般式(2)で表される化合物を含んでもよいが、このようにウレタン結合を形成する物質は一般式(2)で表される化合物のみから構成されることが好ましい。一方、本発明の塗料組成物において、(IV)硬化剤は、(I)水酸基含有樹脂の水酸基と反応してウレタン結合を形成する物質として、一般式(2)で表される化合物に加えて、ポリイソシアネート化合物を含んでいてもよい。ポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基を2個以上有する化合物であり、その具体例としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の他、これらイソシアネートの変性体が挙げられる。変性体の具体例としては、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体、アダクト変性体(例えばトリメチロールプロパン付加物)、アロファネート変性体、ウレトジオン変性体等が挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートの各種変性体やイソホロンジイソシアネートの各種変性体が、硬化性や塗膜特性の観点から好ましい。なお、ポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の塗料組成物中におけるポリイソシアネート化合物の含有量は、例えば0.1〜10質量%である。
【0048】
本発明の塗料組成物が一般式(2)で表される化合物及びポリイソシアネート化合物を含む場合、一般式(2)で表される化合物(A)とポリイソシアネート化合物(B)の質量比(A:B)は99:1〜25:75であることが好ましく、99:1〜50:50であることが更に好ましい。
【0049】
本発明の塗料組成物において、(IV)硬化剤は、一般式(3):R2
(4−a)Si(OR1)
aで表される化合物又はその加水分解縮合物[式(3)中、R1は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基又はビニル基であり、aが1〜4である。ただし、aが3である場合、R2は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のシクロアルキル基である。]を含むことができる。一般式(3)で表される化合物又はその加水分解縮合物を用いることで、(I)水酸基含有樹脂の架橋密度を調整することができ、また、耐候性の向上も図れる。
【0050】
一般式(3)において、R1は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。ここで、アルキル基は、直鎖でも枝分れ鎖でもよく、メチル基又はエチル基であることが好ましい。また、アルキル基は、ハロゲン等の置換基で置換されていてもよい。一般式(3)において複数の(OR1)が存在する場合、各(OR1)は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0051】
一般式(3)において、R2は、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基又はビニル基である。ここで、アルキル基は、直鎖でも枝分れ鎖でもよく、メチル基又はエチル基であることが好ましい。シクロアルキル基は、単環式でも多環式でもよく、例えば3〜8個の環を構成する炭素原子を含み、シクロプロピル基であることが好ましい。アリール基は、芳香族炭化水素基を指し、単環式でも多環式でもよく、フェニル基であることが好ましい。アリールアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜10のアルキル基)の水素原子がアリール基で置換されたアルキル基である。また、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基及びビニル基は、ハロゲン等の置換基で置換されていてもよい。一般式(3)において複数のR2が存在する場合、各R2は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0052】
一般式(3)において、aは1〜4であり、1〜3であることが好ましい。
【0053】
一般式(3)で表される化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン等が好ましい。
【0054】
本発明の塗料組成物において、一般式(3)で表される化合物は、その一部が部分加水分解縮合物として存在している場合もある。
【0055】
本発明の塗料組成物中における一般式(3)で表される化合物又はその加水分解縮合物の含有量は、0質量%を超え60質量%以下であることが好ましく、0.1〜40質量%であることが更に好ましい。なお、一般式(3)で表される化合物又はその加水分解縮合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0056】
本発明の塗料組成物は、(V)顔料を含むことができる。本発明に使用できる(V)顔料としては、特に限定されるものではなく、塗料業界において通常使用されている顔料を使用できる。具体例としては、二酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等の着色顔料、シリカ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料、亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ハイドロカルマイト等の防錆顔料、アルミニウム、ニッケル、クロム、錫、銅、銀、白金、金、ステンレス、ガラスフレーク等の光輝顔料等が挙げられる。これら顔料は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の塗料組成物中における(V)顔料の含有量は、0.1〜50質量%であることが好ましい。
【0057】
本発明の塗料組成物は、2液混合型の塗料組成物であることが好ましい。2液混合型の塗料組成物は、主剤と(IV)硬化剤とから構成され、塗装時に主剤と(IV)硬化剤とを混合することで調製することができる。ここで、主剤は、(I)水酸基含有樹脂、(II)硬化触媒、(III)溶剤、及び必要に応じて(V)顔料等を含む。(II)硬化触媒や(V)顔料を主剤に配合することで、(IV)硬化剤の貯蔵安定性を向上させることができる。
【0058】
本発明の塗料組成物には、その他の成分として、他の樹脂、艶消し剤、表面調整剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、増粘剤、沈降防止剤、皮張り防止剤、たれ防止剤、消泡剤、色分かれ防止剤、レベリング剤、乾燥剤、可塑剤、防カビ剤、抗菌剤、殺虫剤、光安定化剤、帯電防止剤及び導電性付与剤等を目的に応じて適宜配合することができる。これら成分は、市販品を好適に使用することができる。
【0059】
本発明の塗料組成物は、必要に応じて適宜選択される各種成分を混合することによって調製することができ、例えば、(I)水酸基含有樹脂、(II)硬化触媒、及び(III)溶剤を含む主剤と、一般式(1)で表される化合物を含む(IV)硬化剤とを予め用意しておき、塗装時に主剤と硬化剤とを混合することで調製することができる。また、主剤と硬化剤とを混合した後に(III)溶剤を更に加えてもよい。
【0060】
本発明の塗料組成物は、上塗り塗料として好適である。
【0061】
本発明の塗料組成物は、せん断速度0.1s
−1の粘度が0.1〜10,000Pa・sであり、且つせん断速度1,000s
−1の粘度が0.05〜10Pa・sであることが好ましい。なお、本発明において、粘度はレオメーター(TAインスツルメンツ社製レオメーターARES等)を用い、液温を23℃に調整した後測定される。
【0062】
本発明の塗料組成物は、該塗料組成物の溶剤可溶物中において(IV)硬化剤に含まれるケイ素原子の割合が0.1〜20質量%であることが好ましく、1.3〜10質量%であることが更に好ましい。該ケイ素原子の割合が上記範囲内であれば、良好な耐候性が得られる。
本明細書においては、最終的に塗膜を構成することになる成分のうち、塗料中の溶剤に溶けている成分を溶剤可溶物とし、塗料中の溶剤に溶けていない成分を溶剤不溶物とする。
本発明の塗料組成物においては、その種類や量にもよるものの、通常、(I)水酸基含有樹脂、(II)硬化触媒、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物、一般式(3)で表される化合物又はその加水分解縮合物は、溶剤可溶物に分類され、(V)顔料は、溶剤不溶物に分類される。
【0063】
上記塗料組成物の溶剤可溶物中における硬化剤に含まれるケイ素原子の割合は、灰分の測定により求めることができる。
溶剤可溶物(X)を含む主剤(主剤が溶剤不溶物を含む場合はこれを排除した主剤)と、溶剤可溶物を含む硬化剤(硬化剤が溶剤不溶物を含む場合はこれを排除した硬化剤)とを準備し、これらを混合して混合液を調製し、調製した混合液のすべてをポリプロピレン板に流し塗りし、23℃で48時間乾燥させて塗膜(Y)を形成させる。なお、例えば、主剤に顔料が含まれる場合には、主剤をテトラヒドロフラン等の溶剤で希釈した後、濾過を行うことで溶剤可溶物から顔料を分離することが可能である。
次に、溶剤可溶物(X)と塗膜(Y)について灰分を測定し、塗膜(Y)の灰分と溶剤可溶物(X)の灰分の差分(Z)から、塗料組成物の溶剤可溶物中における硬化剤に含まれるケイ素原子の割合を決定する。
灰分測定によるケイ素原子の割合の算出方法の一例を以下に示す。なお、灰分中のケイ素は二酸化ケイ素の構造を取っている。ここで、灰分中に二酸化ケイ素以外の物質が含有されることも想定されるため、灰分中のケイ素原子の割合を蛍光X線により確認する。
(i)恒量状態にある質量が既知の磁製るつぼに試料[即ち、溶剤可溶物(X)又は塗膜(Y)]3gを計り取る。
(ii)上記磁製るつぼ中の試料を150℃にて30分間加熱し、その後、更に550℃にて2時間加熱し、該試料を灰化させる。
(iii)灰化した試料を室温まで放冷し、その後、該試料の質量を量る。以下の式に従い、灰分を算出する。
灰分(質量%)=灰化した試料の質量(g)/加熱前の試料の質量(g)×100
ここで、灰分は二酸化ケイ素の構造を取っているため、灰分が二酸化ケイ素のみから構成される場合には、ケイ素原子の割合を以下のように求められる。
ケイ素原子の割合(質量%)=灰分(質量%)×28.1÷60.1
(iv)上記(iii)から溶剤可溶物(X)に含まれるケイ素原子の割合と塗膜(Y)に含まれるケイ素原子の割合が求められるため、その差分が、塗料組成物の溶剤可溶物中において硬化剤に含まれるケイ素原子の割合となる。
【0064】
次に、本発明の塗料組成物の塗装方法(以下、単に本発明の塗装方法とも称する)を詳細に説明する。本発明の塗装方法は、上述した本発明の塗料組成物で基材を塗装して塗膜を形成させる工程を含むものであるが、例えば、基材が下塗り塗膜や中塗り塗膜等の塗膜を備える場合、基材上の塗膜が本発明の塗料組成物で塗装されることになる。
【0065】
本発明の塗料組成物の塗装手段は、特に限定されず、既知の塗装手段、例えば、スプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗装、コテ塗装、ヘラ塗装等が利用できる。
【0066】
本発明の塗装方法において、基材としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉄鋼、亜鉛めっき鋼(例えばトタン板)、錫めっき鋼(例えばブリキ板)、ステンレス鋼、マグネシウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属基材、木材、石膏、珪酸カルシウム、ガラス、セラミック、コンクリート、セメント、モルタル、スレート等の無機系基材、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン等のプラスチック基材が挙げられる。また、他にも、木繊維補強セメント板、繊維補強セメント板、繊維補強セメント・珪酸カルシウム板等の複合基材も例示できる。金属基材には、各種表面処理、例えば酸化処理が施された基材も含まれる。また、その表面が無機物で被覆されているようなプラスチック基材(例えば、ガラス質で被覆されたプラスチック基材)は、無機系基材に含まれる。なお、基材は、プライマー処理が施されていてもよいし、基材表面の少なくとも一部に旧塗膜(本発明の塗装方法を実施する際に既に形成されている塗膜)が存在していてもよい。
【0067】
本発明の塗装方法において、本発明の塗料組成物が上塗り塗料として適用される場合、本発明の塗料組成物で塗装される塗膜(具体的には下塗り塗膜又は中塗り塗膜)は、特に限定されるものではなく、下塗り塗料や中塗り塗料において一般に配合される成分を含むことができるが、樹脂としてエポキシ樹脂やウレタン樹脂を含む塗膜であることが好ましい。
【0068】
本発明の塗装方法によって得られる塗装物は、基材上に塗膜を備えるものであるが、該塗膜としては、本発明の塗料組成物から得られる塗膜から構成される場合、下塗り塗膜及び本発明の塗料組成物から得られる塗膜(上塗り塗膜)から構成される塗膜である場合、下塗り塗膜、中塗り塗膜及び本発明の塗料組成物から得られる塗膜(上塗り塗膜)から構成される塗膜である場合を例示することができる。
【実施例】
【0069】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1〜2において原料の組成の数値は「質量部」で表されており、原料の不揮発分の「%」は「質量%」を意味する。
【0070】
<主剤の製造>
表1〜2の組成に従い、(I)水酸基含有樹脂、(III)溶剤を含む水酸基含有樹脂溶液中に、(II)触媒を攪拌環境下で徐々に投入、攪拌し、主剤を製造した。表中に示される組成は、質量部で示される。
【0071】
<硬化剤の製造>
表1〜2の組成に従い、混合機に(IV)一般式(1)で表される化合物と、必要に応じて一般式(2)で表される化合物、及び/または一般式(3)で表される化合物又はその加水分解縮合物とを投入、攪拌し、硬化剤を製造した。表中に示される組成は、質量部で示される。
【0072】
主剤および硬化剤は、上述の方法により別々に製造し、使用前に均一に混合することで塗料組成物を調製した。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
使用した原料の詳細を以下に示す。なお、記載の重量平均分子量は、TSKgelカラム(東ソー製)にて測定し、算出した値である。測定条件は、RI装備GPC(東ソー製、HLC−8220GPC)、流速0.35ml/分、温度40℃とし、展開溶媒としてテトラヒドロフラン、標準物質としてTSK標準ポリスチレンを用いた。
ルミフロンLF800:AGC社製水酸基含有ふっ素樹脂溶液、不揮発分50%、ガラス転移温度25℃、重量平均分子量26000、揮発分は弱溶剤
ルミフロンLF810:AGC社製水酸基含有ふっ素樹脂溶液、不揮発分45%、ガラス転移温度45℃、重量平均分子量105000、揮発分は弱溶剤
アクリディックA−837:DIC社製水酸基含有アクリル樹脂溶液、不揮発分50%、重量平均分子量33000、揮発分は弱溶剤
アクリディックA−870:DIC社製水酸基含有アクリル樹脂溶液、不揮発分55%、ガラス転移温度35℃、重量平均分子量71700、揮発分は弱溶剤
ネオスタンU−130:日東化成社製錫系硬化触媒
オルガチックスTA−21:マツモトファインケミカル社製チタン系硬化触媒
エチルシリケート48:テトラエトキシシランの加水分解縮合物(コルコート製)
コロネート2760:東ソー社製HDI系ポリイソシアネート
【0076】
<耐汚染性>
塗膜の耐汚染性は、「土木構造物へ適用するための利用技術ガイドライン」(独立行政法人土木研究所)に記載の性能評価試験法に準拠して評価した。試験板としては、ブリキ板(70mm×150mm×0.8mm)表面にマイティー万能エポシーラー白(大日本塗料株式会社製)を乾燥膜厚が60μmとなるように塗装し、60℃で24時間乾燥させた後、実施例1〜16および比較例1〜6に示す塗料組成物を6ミルのアプリケーターにより塗装し、24時間乾燥させたものを使用した。評価方法としては、カーボンブラック5%水溶液を試験板全面に隠蔽するまでスプレー塗装し、熱風乾燥機にて60℃で1時間乾燥させた後、塗布されているカーボンブラックを流水下、ガーゼで拭き取る。試験前と試験後のカーボンブラックによる汚れの程度を測色計で測色し、下記基準に従い、試験前後の明度差ΔLを用いて耐汚染性を評価した。結果を表1〜2に示す。
◎:ΔL>−10
○:−10≧ΔL≧−30
×:ΔL<−30
【0077】
<相溶性>
塗料組成物をガラス板上に6milアプリケータにて塗布し、23℃で16時間乾燥させた後、塗膜表面の60°鏡面光沢を測定し、下記基準に従い相溶性を評価した。結果を表1〜2に示す。
○:60°鏡面光沢値が70以上
×:60°鏡面光沢値が70未満
【0078】
<乾燥性>
塗料組成物をガラス板上に6milアプリケータにて塗布し、23℃で5時間乾燥させた後、塗膜表面を指で軽く擦り、塗膜の乾燥状態を以下の基準で評価した。結果を表1〜2に示す。
○:塗膜に跡が残らず、粘着性を示さない
×:塗膜に跡が残る、或いは粘着性を示す