【解決手段】既設のトンネル1内に車両通行空間を覆う防護体20を配置するとともに、トンネル軸方向に走行可能な搬送台車41に覆工パネル10を厚さ方向がトンネル径方向となる向きにしてトンネル1の外部で載置し、覆工パネル10を載置した搬送台車をトンネル内周面と防護体20との間を通じてトンネル1内の覆工パネル配置箇所まで移動するとともに、トンネル内周面と防護体20との間をトンネル周方向に移動可能なエレクター30により搬送台車の覆工パネル10をトンネル1内に設置するようにしたので、トンネル1内を交通開放しながら覆工パネル10の設置作業を行うことができ、高速道路や幹線道路等の交通量の多いトンネルの修復に極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態を示すトンネルの正面断面図
【
図8】覆工パネルの搬送工程を示すトンネルの側面断面図
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図9】覆工パネルの搬入工程を示すトンネルの側面断面図
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図10】覆工パネルの搬入工程を示すトンネルの側面断面図
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図11】A部の覆工パネルの設置工程を示すトンネルの正面図
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図12】A部の覆工パネルの設置工程を示すトンネルの正面図
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図13】A部の覆工パネルの設置工程を示すトンネルの正面図
【
図14】A部の覆工パネルの設置工程を示すトンネルの正面図
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図15】B部の覆工パネルの設置工程を示すトンネルの正面図
【
図16】B部の覆工パネルの設置工程を示すトンネルの正面図
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図17】C部の覆工パネルの設置工程を示すトンネルの正面図
【
図18】C部の覆工パネルの設置工程を示すトンネルの正面図
【
図19】D部の覆工パネルの設置工程を示すトンネルの正面図
【
図20】D部の覆工パネルの設置工程を示すトンネルの正面図
【
図21】B部の覆工パネルの設置工程を示すトンネルの正面図
【
図22】B部の覆工パネルの設置工程を示すトンネルの正面図
【
図23】搬送台車の他の実施形態を示す覆工パネルの搬入工程を示す側面図
【
図24】搬送台車の他の実施形態を示す覆工パネルの搬入工程を示す側面図
【
図25】搬送台車の他の実施形態を示す覆工パネルの搬入工程を示す側面図
【
図26】搬送台車の他の実施形態を示す覆工パネルの搬入工程を示す側面図
【
図27】搬送台車の他の実施形態を示す覆工パネルの搬入工程を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至
図22は本発明の一実施形態を示すもので、例えば高速道路等のトンネルにおいて、既設のトンネルの内壁を補修するために用いられるトンネルの覆工方法を示すものである。
【0012】
同図に示すトンネル1は、例えば高速道路の上り車線または下り車線に設けられたもので、その内周面は覆工コンクリート2で覆われている。
本実施形態の覆工方法では、既設の覆工コンクリート2の内面側を切削した後、複数の円弧状の覆工パネル10をトンネル周方向及び軸方向に配列してアーチ状のトンネル内壁面を形成する。覆工パネル10には、予め工場等で製作された周知のプレキャスト覆工版が用いられる。
【0013】
また、本実施形態の覆工方法は、トンネル1内に車両通行空間を覆うように配置される防護体20と、覆工パネル10を把持してトンネル内周面に設置するためのエレクター30と、覆工パネル10をトンネル1内に搬入するための運搬車両40とを用いる。
【0014】
防護体20は、互いにトンネル軸方向に間隔をおいて配置された複数の門型の第1のフレーム21と、第1のフレーム21をトンネル軸方向に連結する複数の第2のフレーム22とから構成され、各第1のフレーム21の内側を車両Sが通行可能になっている。各第1のフレーム21の内側は図示しない金属板によって覆われており、防護体20内への落下物を阻止するようになっている。また、各第1のフレーム21の下端にはトンネル1内に敷設されるレール23上を走行する複数の車輪24が設けられ、防護体20はレール23に沿ってトンネル軸方向に移動可能になっている。
【0015】
エレクター30は、覆工パネル10を把持するエレクター本体31と、トンネル内周面に沿ってアーチ状に湾曲するレール32とを備え、エレクター本体31はレール32に沿ってトンネル周方向に移動するようになっている。エレクター本体31は、覆工パネル10を把持するとともに、レール32に沿ってトンネル周方向に移動し、覆工パネル10をトンネル内周面に向かって移動させるように構成されており、例えばシールド工法に用いられる周知のエレクターと同様の機構によって構成することができる。レール32は、防護体20のトンネル軸方向略中央部分の外側に配置され、複数の支持部材33を介して防護体20の第1のフレーム21に固定されている。
運搬車両40は、覆工パネル10を搬送するための3台の搬送台車41と、各搬送台車41を走行させる駆動車42とからなり、各搬送台車41は一列に連結されている。
【0016】
搬送台車41は、前後方向に長く形成された台車本体41aと、台車本体41aの長手方向両端側に配置された複数の車輪41bと、覆工パネル10を載置する載置部41cとを有し、載置部41cには覆工パネル10が長手方向を横向きにするとともに、厚さ方向がトンネル1内でトンネル径方向を向く姿勢で載置されるようになっている。載置部41cは覆工パネル10の長辺側の一辺と短辺側の他の一辺とを支持可能な略L字に形成され、角部を支点に長辺側を水平状態から上方に回動可能に設けられている。この場合、台車本体41aには、載置部41cを所定角度θ(例えば、20°)まで回動した状態で保持可能な支持レバー41dが設けられている。また、載置部41cの長辺側の先端部41eは折り畳み可能に形成され、先端部41eを折り畳むことにより長辺側の長さを短くできるようになっている。更に、台車本体41aの側面には搬送台車41を路面に固定するための複数のアウトリガー41fが設けられ、各アウトリガー41fは台車本体41aの前後及び左右4箇所にそれぞれ配置されている。
【0017】
駆動車42は、トンネル1に向かって最後尾の搬送台車41に連結され、例えばエンジン駆動によって走行するようになっている。即ち、覆工パネル搬入時の運搬車両40は駆動車42によって各搬送台車41を押しながらトンネル軸方向一方に向かって走行し、回送時の運搬車両40は駆動車42によって各搬送台車41を牽引しながらトンネル軸方向他方に向かって走行するようになっている。
次に、本実施形態のトンネル覆工方法について説明する。尚、本実施形態では、トンネル周方向5分割の覆工部を5枚の覆工パネル10によって形成する場合を示す。この場合、トンネル周方向に配列される覆工パネル10は、
図3左側下部から時計回りにA部〜E部とし、A部にはトンネル周方向の長さが最も長い覆工パネル10が配置され、E部にはトンネル周方向の長さが最も短い覆工パネル10が配置される。また、B部〜D部には互いにトンネル周方向の長さが等しく、それぞれのトンネル周方向の長さがA部よりも短く且つE部よりも長い覆工パネル10が配置される。また、トンネル覆工工程の前工程において、覆工コンクリート2の表面側の劣化部分が所定厚さ分だけ切削されるとともに、多数のロックボルトの埋設や防水シートの設置等の処理が施される。
本実施形態のトンネル覆工方法においては、まず、防護体20及びエレクター30をトンネル1内に搬入して覆工パネル配置箇所に配置する。その際、通常二車線の道路を一車線に規制して防護体20内を通行路とする。
【0018】
次に、図示しないトレーラーやトラック等からトンネル外部に待機する運搬車両40の各搬送台車41にそれぞれ複数の覆工パネル10を積み替える。その際、
図5に示すように覆工パネル10を長手方向がトンネル軸方向となる向きでクレーンにより吊りながら搬送台車41の載置部41cに載置する。その際、各搬送台車41には、トンネル側から順にA部、E部及びB部に配置される覆工パネル10が載置される。次に、
図6に示すように各搬送台車41の載置部41cを所定角度θまで回動し、各覆工パネル10を長手方向が斜めになるように保持する。
続いて、
図7に示すように運搬車両40を道路の一方の路側帯側を走行させ、
図8に示すようにトンネル1内を防護体20及びエレクター30に向かって移動させる。その際、各搬送台車41は、トンネル内周面と防護体20との間を走行するとともに、覆工パネル10を厚さ方向がトンネル径方向を向く姿勢で搬送することから、トンネル内周面と防護体20との間の狭いスペースであっても覆工パネル10の搬入が可能となる。
【0019】
続いて、
図9に示すように先頭の搬送台車41が覆工パネル配置箇所(エレクター30の位置)に到達したら運搬車両40を停止し、各アウトリガー41fによって停止中の搬送台車41を固定する。この後、
図10に示すように搬送台車41の載置部41cを上方に向かって回動し、
図11に示すように覆工パネル10を長手方向がトンネル周方向を向くように直立させる。その際、載置部41cの長辺側の先端部41eを折り畳んで長辺側の長さを短くしながら載置部41cを回動することにより、載置部41cがトンネル内周面に接触することなく縦起こしされる。
【0020】
次に、
図12に示すように搬送台車41の覆工パネル配置箇所の覆工パネル10(A部用)をエレクター30のエレクター本体31によって把持し、
図13に示すようにエレクター30により覆工パネル10をレール32に沿ってA部まで移動するとともに、覆工パネル10をA部の覆工コンクリート2に設置する。その際、図示しない押出用ボルト、引張用ボルト及び高さ調整ボルトにより、
図14に示すように覆工パネル10を覆工コンクリート2との間に裏込め材を充填するための空間を設けて固定する。また、覆工パネル10をトンネル軸方向に貫通する複数の連結ボルト11によってトンネル軸方向他の位置の覆工パネルに連結される。そして、エレクター30のエレクター本体31をレール32に沿って搬送台車41側に戻す。
【0021】
この後、運搬車両40を搬送台車41の1台分だけ前進させ、2台目の搬送台車41を覆工パネル配置箇所に移動する。続いて、
図15に示すように搬送台車41の覆工パネル10をエレクター30によってE部に移動し、
図16に示すように覆工パネル10をE部の覆工コンクリート2に設置する。その際、E部の覆工パネル10は、A部の覆工パネル10と同様、図示しない押出用ボルトと引張用ボルト、引張用ボルト及び高さ調整ボルトにより覆工コンクリート2に固定されるとともに、複数の連結ボルト11によってトンネル軸方向他の位置の覆工パネルに連結される。
【0022】
次に、運搬車両40を更に搬送台車41の1台分だけ前進させ、3台目の搬送台車41を覆工パネル配置箇所に移動する。続いて、
図17に示すように搬送台車41の覆工パネル10をエレクター30によってB部に移動し、
図18に示すように覆工パネル10をB部の覆工コンクリート2に設置する。その際、B部の覆工パネル10は連結ボルト11によってトンネル軸方向他の位置の覆工パネルに連結される。
【0023】
この後、搬入時と同様、運搬車両40をトンネル1の外部に移動し、トンネル内周面と防護体20との間を通じて片側の路側帯側を走行させてトンネル1の外部に回送する。次に、C部用及びD部用の覆工パネル10を前述と同様に運搬車両40の搬送台車41に載置し、再びトンネル1内の覆工パネル配置箇所に移動する。この場合、予めC部用及びD部用の覆工パネル10を搬送台車41に載置した他の運搬車両40を用意しておいてもよいし、或いは予めC部用及びD部用の覆工パネル10を載置した他の搬送台車41のみを用意しておき、回送された運搬車両40の駆動車42を繋ぎ替えてトンネル1内に移動させるようにしてもよい。
【0024】
前述と同様、C部用及びD部用の覆工パネル10を載置した搬送台車41をトンネル1内の覆工パネル配置箇所に移動した後、
図19に示すように搬送台車41の覆工パネル10をエレクター30によってD部に移動し、
図20に示すように覆工パネル10をD部の覆工コンクリート2に設置する。その際、D部の覆工パネル10は連結ボルト11によってトンネル軸方向他の位置の覆工パネルに連結される。
【0025】
次に、
図21に示すように搬送台車41の覆工パネル10をエレクター30によってC部に移動し、
図22に示すように覆工パネル10をC部の覆工コンクリート2に設置する。この場合、C部は5箇所のうちの最後の覆工パネル10となるため、A部、B部、D部及びE部とは異なり、覆工パネル10をエレクター30によりトンネル径方向に移動して設置することができない。このため、搬送車両40を移動させずに防護体20及びエレクター30を覆工パネル配置箇所から後退させてC部用の覆工パネル10を載置した搬送台車41まで移動し、覆工パネル10をエレクター30によってC部のトンネル軸方向一端側に移動した後、防護体20及びエレクター30をトンネル軸方向に移動してC部用の覆工パネル10をB部とD部の覆工パネル10の間に挿入することにより設置する。その際、B部の覆工パネル10を連結ボルト11によってトンネル軸方向他の位置の覆工パネルに連結するとともに、B部、C部及びD部の覆工パネル10を図示しない押出用ボルトにより覆工コンクリート2に支持する。
【0026】
以上のようにしてトンネル周方向一列分のアーチ状の覆工部を設置した後、防護体20及びエレクター30をトンネル軸方向に移動し、前述と同様にしてトンネル軸方向の次の位置に5枚の覆工パネル10による新たな覆工部を設置する。その際、前述とは反対に、トンネル周方向の長さが最も短い覆工パネル10をA部に配置し、トンネル周方向の長さが最も長い覆工パネル10をE部に配置する。このようにA部とE部で覆工パネル10の長さの関係が反対になる覆工部をトンネル軸方向に一列ずつ交互に配置することにより、
図4に示すように各覆工パネル10が千鳥状に配列されたトンネル覆工体が構築される。また、各覆工パネル10はトンネルそれぞれの接合端面がトンネル周方向に段差をなすように形成され、互いに段差部分を噛み合わせることにより接合される。この場合、各覆工パネル10は段差部分を連結ボルト11によってトンネル軸方向に連結される。尚、覆工パネル10の段差部分は、
図4以外では図示を省略している。更に、覆工パネル10を覆工コンクリート2との間の空間には裏込め材が充填され、裏込め材は覆工パネル10に設けられた注入孔(図示せず)から注入される。
【0027】
このように、本実施形態によれば、既設のトンネル1内に車両通行空間を覆う防護体20を配置するとともに、トンネル軸方向に走行可能な搬送台車41に覆工パネル10を厚さ方向がトンネル径方向となる向きにしてトンネル1の外部で載置し、覆工パネル10を載置した搬送台車41をトンネル内周面と防護体20との間を通じてトンネル1内の覆工パネル配置箇所まで移動するとともに、トンネル内周面と防護体20との間をトンネル周方向に移動可能なエレクター30により搬送台車41の覆工パネル10をトンネル1内に設置するようにしたので、トンネル1内を交通開放しながら覆工パネル10の設置作業を行うことができ、高速道路や幹線道路等の交通量の多いトンネルの修復に極めて有利である。この場合、予め工場等で製作した覆工パネル10によりトンネル1に新たな内壁が形成されるので、型枠等を用いて覆工コンクリートを再構築する場合に比べて工期を大幅に短縮することができ、
また、各搬送台車41はトンネル内周面と防護体20との間を走行し、覆工パネル10は厚さ方向がトンネル径方向を向く姿勢で搬送されるので、トンネル内周面と防護体20との間の狭いスペースであっても覆工パネル10を容易に搬入することができる。
【0028】
更に、トンネル内周面と防護体20との間を移動可能なエレクター30によって搬送台車41の覆工パネル10をトンネル1内に設置するようにしているので、覆工パネル10の搬入から設置までの工数の削減及び迅速化を図ることができ、既設トンネルの補修を効率よく行うことができる。
【0029】
また、覆工パネル10を長手方向がトンネル軸方向に対して傾斜した横向きになるように搬送台車41に載置し、搬送台車41で覆工パネル配置箇所まで搬送した覆工パネル10を長手方向がトンネル周方向となるように向きを変えるようにしたので、覆工パネル10を長手方向がトンネル周方向となる縦向きで搬送する場合に比べて安定して搬送することができる。この場合、覆工パネル10を長手方向がトンネル軸方向に対して所定角度θをなすように傾斜した状態で搬送台車41に載置するようにしたので、覆工パネル10を長手方向がトンネル軸方向に対して平行になるような完全な横向きで搬送する場合に比べ、予め角度θだけ起こされている分、縦向きに起こす労力を軽減することができる。
【0030】
更に、互いにトンネル軸方向に連結された複数の搬送台車41に複数の覆工パネル10をそれぞれ載置して各搬送台車41をトンネル1内の覆工パネル配置箇所に移動するようにしたので、覆工パネル10を効率よく搬送することができる。
【0031】
また、搬送台車41をトンネル1の一方の路側帯側のみを走行させるようにしたので、他方の路側帯側を他の機材の搬出入や作業者の通行など、他の作業用に利用することができる。
【0032】
更に、各覆工パネル10をA部、E部、B部、D部及びC部の順で設置することにより、各覆工パネル10を下方に配置される覆工パネル10から先にトンネル内周面に設置するようにしたので、下方の覆工パネル10でその上方の覆工パネル10を支えながらトンネル周方向全体に各覆工パネル10を設置することができ、覆工部の組み立てを常に安定して行うことができる。
【0033】
また、エレクター30が一体に設けられた防護体20をトンネル軸方向に移動させることにより覆工パネル10の設置をトンネル軸方向に順次行うようにしたので、防護体20及びエレクター30の移動及び配置を容易に行うことができる。
【0034】
尚、前記実施形態では、トンネル周方向5分割の覆工部を5枚の覆工パネル10によって形成するようにしたものを示したが、他の分割数にすることも可能である。この場合、例えば3分割にすると1枚当たりの覆工パネルが長手方向に長くなるので、搬送台車41に載置する際は、長手方向がトンネル軸方向と平行になるように完全に横向きにすることにより安定して搬送することができる。
【0035】
また、前記実施形態では、互いに連結された複数の搬送台車41を一台の駆動車42で走行させるようにしたものを示したが、一台の搬送台車41を一台の駆動車42で走行させるようにしてもよい。
【0036】
図23至
図27は搬送台車の他の実施形態を示すもので、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0037】
本実施形態の搬送台車43は、前後方向に長く形成された台車本体43aと、台車本体43aの長手方向両端側に配置された複数の車輪43bと、覆工パネル10を載置する載置部43cとを有し、載置部43cは台車本体43aの上面に分離可能に載置されている。また、載置部43cには覆工パネル10が長手方向を横向きにするとともに、厚さ方向がトンネル1内でトンネル径方向を向く姿勢で載置される可動部43dが設けられている。可動部43dは覆工パネル10の長辺側の一辺と短辺側の他の一辺とを支持可能な略L字に形成され、角部を支点に長辺側を水平状態から上方に回動可能に設けられている。可動部43dの長辺側の先端部43eは折り畳み可能に形成され、先端部43eを折り畳むことにより長辺側の長さを短くできるようになっている。更に、載置部43cの側面には路面に接地して載置部43cを昇降可能な昇降機構としての複数のアウトリガー43fが設けられ、各アウトリガー43fは載置部43cの前後及び左右4箇所にそれぞれ配置されている。
【0038】
本実施形態では、
図23に示すように駆動車42に連結された一台の搬送台車43で覆工パネル10を覆工パネル配置箇所まで搬送する。この後、
図24に示すように各アウトリガー43fによって載置部43cを台車本体43aに対して若干上昇させた後、
図25に示すように駆動車42で台車本体43aを載置部43cの下方から引き出して外部に移動し、
図26に示すようにアウトリガー43fによって載置部43cをその下面が台車本体43aの上面よりも低くなるように下降させる。この後、
図27に示すように可動部43dの先端部43eを折り畳みながら可動部43dを回動し、覆工パネル10を長手方向がトンネル周方向となるように向きを変える。
【0039】
本実施形態によれば、載置部43cをその下面が台車本体43aの上面よりも低くなるように下降させた後、覆工パネル10を長手方向がトンネル周方向となるように縦起こすようにしているので、載置部43cを台車本体43aに載せたまま覆工パネル10を縦起こす場合に比べ、縦起こした覆工パネル10の高さ位置を低くすることができ、覆工パネル10の上端とトンネル内周面との接触防止に極めて有利である。