【解決手段】リアクトル(6)は、外周部鉄心(20)と少なくとも三つの鉄心コイル(31〜34)とを含むコア本体と、鉄心コイルにおけるコイルの延長端(51a〜54b)に連結されるべき接続部(81a〜84b)を備えた基板(80)とを含む。基板は、コイルの延長端を案内して接続部に係合させる案内係合部(90)を含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
【0013】
以下の記載では、三相リアクトルを例として主に説明するが、本開示の適用は、三相リアクトルに限定されず、各相で一定のインダクタンスが求められる多相リアクトルに対して幅広く適用可能である。また、本開示に係るリアクトルは、産業用ロボットや工作機械におけるインバータの一次側および二次側に設けるものに限定されず、様々な機器に対して適用することができる。
【0014】
図1Aは本開示に基づくリアクトルに含まれるコア本体の断面図であり、
図1Bは
図1Aに示されるリアクトルを下側から見た部分分解斜視図である。
図1Aおよび
図1Bに示されるように、リアクトル6のコア本体5は、外周部鉄心20と、外周部鉄心20の内側に配置された三つの鉄心コイル31〜33とを含んでいる。
図1においては、略六角形の外周部鉄心20の内側に鉄心コイル31〜33が配置されている。これら鉄心コイル31〜33はコア本体5の周方向に等間隔で配置されている。
【0015】
なお、外周部鉄心20が他の回転対称形状、例えば円形であってもよい。また、鉄心コイルの数は3の倍数であればよく、その場合には、リアクトル6を三相リアクトルとして使用できる。
【0016】
図面から分かるように、それぞれの鉄心コイル31〜33は、外周部鉄心20の半径方向にのみ延びる鉄心41〜43と、該鉄心に装着されたコイル51〜53とを含んでいる。なお、他の図面においては、簡潔にする目的で、コイル51〜53の図示を省略する場合がある。
【0017】
外周部鉄心20は周方向に分割された複数、例えば三つの外周部鉄心部分24〜26より構成されている。外周部鉄心部分24〜26は、それぞれ鉄心41〜43に一体的に構成されている。外周部鉄心部分24〜26および鉄心41〜43は、複数の磁性板、例えば鉄板、炭素鋼板、電磁鋼板を積層するか、または圧粉鉄心から形成される。このように外周部鉄心20が複数の外周部鉄心部分24〜26から構成される場合には、外周部鉄心20が大型である場合であっても、そのような外周部鉄心20を容易に製造できる。なお、鉄心41〜43の数と、外周部鉄心部分24〜26の数とが必ずしも一致していなくてもよい。
【0018】
さらに、鉄心41〜43のそれぞれの半径方向内側端部は外周部鉄心20の中心近傍に位置している。図面においては鉄心41〜43のそれぞれの半径方向内側端部は外周部鉄心20の中心に向かって収斂しており、その先端角度は約120度である。そして、鉄心41〜43の半径方向内側端部は、磁気的に連結可能なギャップ101〜103を介して互いに離間している。
【0019】
言い換えれば、鉄心41の半径方向内側端部は、隣接する二つの鉄心42、43のそれぞれの半径方向内側端部とギャップ101、103を介して互いに離間している。他の鉄心42、43についても同様である。なお、ギャップ101〜103の寸法は互いに等しいものとする。
【0020】
このように、
図1Aに示される構成では、コア本体5の中心部に位置する中心部鉄心が不要であるので、コア本体5を軽量かつ簡易に構成することができる。さらに、三つの鉄心コイル31〜33が外周部鉄心20により取囲まれているので、コイル51〜53から発生した磁場が外周部鉄心20の外部に漏洩することもない。また、ギャップ101〜103を任意の厚さで低コストで設けることができるので、従来構造のリアクトルと比べて設計上有利である。
【0021】
さらに、本開示のコア本体5においては、従来構造のリアクトルに比較して、相間の磁路長の差が少なくなる。このため、本開示においては、磁路長の差に起因するインダクタンスのアンバランスを軽減することもできる。
【0022】
コイル51〜53のそれぞれは、入力用の延長端51a〜53aおよび出力用の延長端51b〜53bを備えている。また、
図1Bに示される基板80は非磁性材料、例えば樹脂で形成されており、コア本体5に取付けられる。基板80は該基板80の一面から該一面に対して垂直に延びる入力用の接続部81a〜83aおよび出力用の接続部81b〜83bを備えている。これら接続部81a〜83bは、延長端51a〜53bに電気的に接続される胴体部分を含んでいる。
【0023】
延長端51a〜53bのそれぞれには開口部51a’〜53b’(ネジ穴)が形成されている。開口部51a’〜53b’は、接続部81a〜83bのそれぞれに形成された開口部81a’〜83b’(ネジ穴)に対応する。接続部81a〜83bの胴体部分は基板80の厚さ部分を通って他面まで延びている。コイル51〜53の延長端51a〜53bのそれぞれは接続部81a〜83bの胴体部分に電気的に接続され、前述した開口部51a’〜53b’、81a’〜83b’にネジ(図示しない)を通すことにより互いに固定される。なお、ネジおよび開口部(ネジ穴)以外の手段により、コイル51の延長端51a〜53bと基板80の接続部81a〜83bとを互いに固定してもよい。基板80の他面においては、入力用の接続部81a〜83aおよび出力用の接続部81b〜83bが適切に整列されているものとする。
【0024】
図2Aは第一の実施形態におけるリアクトルの他の部分分解斜視図である。
図2Aならびに後述する他の図面では、コイル51および接続部81aのみに備えられた案内係合部90を図示するが、他の接続部81b、82a〜83bにも同様な案内係合部90が備えられているものとする。
図2Aならびに後述する他の図面では、明確にする目的で、コイルの図示を省略している。
【0025】
図2Bは
図2Aに示される案内係合部の拡大図である。
図2Bにおける接続部81aの案内係合部90は、接続部81aの開口部81a’を包囲する包囲部91を含んでいる。包囲部91は、コイル51の延長端51aを案内する案内方向において接続部81aの末端から基端に向かって接続部81aから離間するように傾斜している。また、包囲部91の外形は延長端51aの開口部51a’よりも小さいものとする。案内係合部90は非磁性材料、例えば樹脂から形成されるのが好ましい。
【0026】
図2Cおよび
図2Dは
図2Bに示される案内係合部の部分側面図である。これら図面に示されるように、コイル51の延長端51aを接続部81aの表面に沿って摺動させると、延長端51aは包囲部91の傾斜に応じて案内されて包囲部91上に乗り上げる。そして、延長端51aがさらに摺動されると、延長端51aの開口部51a’が包囲部91の内側に挿入されるよう案内される。
【0027】
この状態においては、
図2Dに示されるように延長端51aの長さ部分が接続部81aに接触するようになる。そして、延長端51aの開口部51a’が傾斜した包囲部91に係合する。このため、コイル51の延長端51aの位置決めが容易であると共に、延長端51aが基板80の接続部81aから脱落するのを容易に防止できる。それゆえ、ロボットを用いてリアクトル6のコイル51〜53と基板80とを接続する工程を自動化することができる。このことは、コイル51の延長端51a〜53bが接続されるべき基板80の接続部81a〜83bの配置が複雑である場合に特に有利である。
【0028】
図8は従来技術におけるリアクトルの部分斜視図である。従来技術においては、案内係合部90が設けられていない。このため、コイル51の延長端51a、51bが接続部81a、81bから脱落するのを防止するために、コイル51の延長端51a、51bを接続部81a、81bに位置決めした直後に延長端51a、51bを基板80の接続部81a、81bにネジ等で固定する必要があった。
【0029】
ところで、
図2Bを参照すると、案内係合部90は、接続部81aの両側部に設けられていて延長端51aの両側部を案内する側方案内部92を含んでいる。側方案内部92の末端には外方に傾斜する傾斜部95が設けられている。傾斜部95はコイル51の延長端51aを二つの側方案内部92の間に案内するのを容易にしている。また、二つの側方案内部92は、延長端51aの開口部51a’が包囲部91に挿入されるまで、コイル51の延長端51aを適切な案内方向に案内する。
【0030】
さらに、案内係合部90は、接続部81aの末端からコイル51の延長端51aの案内方向の逆方向に延びる延長案内部93を含んでいる。延長案内部93の表面は接続部81aの表面と概ね同一平面であるので、延長案内部93はコイル51の延長端51aの一面に接触して接続部81aまで案内する役目を果たす。
【0031】
図2Bに示されるように、延長案内部93の幅部分の一側には、基端から先端にかけて幅狭になる切欠部94が形成されている。従って、延長案内部93はコイル51の延長端51aの一面に部分的に接触して延長端51aを案内することになる。
図2Aを参照して分かるように、切欠部94はコイル51の湾曲部分に対応した形状である。従って、切欠部94によって、リアクトル6のコイル51が延長案内部93に干渉するのを防止することができる。
【0032】
図3Aは第二の実施形態におけるリアクトルの部分斜視図であり、
図3Bは
図3Aに示されるリアクトルの他の部分斜視図である。さらに、
図3Cは
図3Bに示される案内係合部の斜視図であり、
図3Dはリアクトルのさらに他の部分斜視図である。第二の実施形態におけるコイル51は、断面が略円形の線材を巻回することにより形成されるのが好ましい。
【0033】
第二の実施形態における案内係合部90は基板80の一面から該一面に対して垂直に延びる筒部61を有している。筒部61は、円錐台状に切欠かれた入口部から接続部81aまで延びる通路62を含んでいる。後述するように、通路62は入口部から接続部81aに向かって徐々に幅狭になるのが好ましい。なお、
図3A〜
図3Cにおいては接続部81a、81bは筒部61に隠れているので図示されない。
図3Dに示されるように、コイル51とは反対側に位置する基板80の他面には、接続部81a、81bが部分的に示されている。
【0034】
図3Bおよび
図3Cに示されるように、案内係合部90は、基板80に対して略垂直方向で且つ筒部61の中心軸線に向かって延びる複数、例えば四つの板バネ63を含んでいる。これら板バネ63は通路62の内部に配置されている。従って、コイル51の延長端51aが筒部61の通路62に挿入されると、延長端51aは四つの板バネ63に抗して板バネ63を弾性変形させる。そして、延長端51aが基板80の開口部を通って基板80の反対側に到達すると(
図3D参照)、コイル51の延長端51aは四つの板バネ63の作用により固定される。このように、コイル51の延長端51aは筒部61の通路により案内されて、板バネ63によって基板80接続部81aに係合される。従って、延長端51aが基板80の接続部81aから脱落するのを容易に防止できる。
【0035】
図4Aは第三の実施形態におけるリアクトルに含まれる案内係合部の斜視図である。第三の実施形態における案内係合部90も筒部61を含んでいる。そして、
図4Bにおいては、二つの板バネ63が互いに対向するように通路62内に配置されている。このような場合にも、前述したのと同様な効果を有するのは明らかであろう。なお、筒部61が単一の板バネ63のみを備える場合であっても、本開示の範囲に含まれる。この場合には、板バネ63がコイル51の延長端51aを通路61の内壁と一緒に挟むこととなり、同様に、延長端51aが固定される。
【0036】
図4Bは変形例における案内係合部の斜視図であり、
図4Cは
図4Bの側断面図である。変形例においては、筒部61の通路62が円錐台状であり、通路62の入口部から接続部81aに向かって幅狭になる。言い換えれば、通路62の内径が入口部から接続部81aに向かって減少している。通路62の出口の寸法は接続部81aの開口部の寸法に概ね等しい。
【0037】
従って、コイル51の延長端51aが筒部61の通路62に挿入されると、延長端51aは通路62の内壁に沿って案内される。そして、延長端51aが基板80の開口部を通って基板80の反対側に到達すると、コイル51の延長端51aは通路62の内壁に係合して固定される。従って、コイル51の延長端51aが基板80の接続部81aから脱落するのを容易に防止できる。
【0038】
図5Aは第四の実施形態におけるリアクトルの部分斜視図である。第四の実施形態における案内係合部90は、接続部81aに対向して配置されていてコイル51の延長端51aを少なくとも部分的に被覆する被覆部64を含んでいる。延長端51aは被覆部64と接続部81aとの間に挟まれて案内されるので、延長端51aの位置決めが容易になると共に、延長端51aが基板80の接続部81aから脱落するのを確実に防止できる。
【0039】
さらに、延長端51aの案内方向に沿って延びる細長切欠65が被覆部64に形成されている。細長切欠65は、延長端51aの開口部51a’を露出させる役目を果たす。
【0040】
図5Bは
図5Aに示されるリアクトルの部分側面図であり、
図5Cは
図5Bの線A−Aに沿ってみた断面図である。これら図面を参照して分かるように、細長切欠65の幅は、延長端51aの幅よりもわずかながら小さい。従って、接続部81aと被覆部64との間に挿入されたコイル51の延長端51aが脱落するのを確実に防止できる。
【0041】
図6Aは第五の実施形態におけるリアクトルの部分斜視図であり、
図6Bは
図6Aに示される案内係合部の斜視図である。
図6Aに示される案内係合部90は、前述したのと同様な被覆部64および細長切欠65に加えて、コイル51の延長端51aの案内方向に対して垂直に突出する凸部66を含んでいる。
【0042】
図6Aにおいては、二つの凸部66が細長切欠65の両側部に対応した接続部81aの導体部分の位置から互いに対向するように延びている。凸部66は、接続部81aの導体部分と一体的に形成されるのが好ましい。なお、単一の凸部66および単一の凹部67のみが形成されていてもよい。
【0043】
第五の実施形態においては、コイル51の延長端51aには、凸部66に対応した位置に凹部67が形成されている。従って、コイル51の延長端51aが案内係合部90の被覆部64により案内されると、凸部66と延長端51aの凹部67とが係合する。従って、コイル51の延長端51aが基板80の接続部81aから脱落するのを確実に防止することができる。
【0044】
この目的のために、凸部66は、コイル51の延長端51aを案内する案内方向において接続部81aの末端から基端に向かって接続部81aから離間するように接続部81aの導体部分に対して傾斜している。このため、コイル51の延長端51aが案内されるときに、凸部66の傾斜に応じて案内されて凸部66上に乗り上げる。そして、凸部66が凹部67に係合すると、コイル51の延長端51aは接続部81aの導体部分に接触する。このような構成であるので、第五の実施形態における細長切欠65は接続部81aの導体部分の壁部89と同一平面であるのが好ましい。
【0045】
図7は他の実施形態に基づくリアクトルに含まれるコア本体の断面図である。
図7に示されるコア本体5は、略八角形状の外周部鉄心20と、外周部鉄心20の内方に配置された、前述したのと同様な四つの鉄心コイル31〜34とを含んでいる。これら鉄心コイル31〜34はコア本体5の周方向に等間隔で配置されている。また、鉄心の数は4以上の偶数であるのが好ましく、それにより、コア本体5を備えたリアクトルを単相リアクトルとして使用できる。
【0046】
図面から分かるように、外周部鉄心20は周方向に分割された四つの外周部鉄心部分24〜27より構成されている。それぞれの鉄心コイル31〜34は、半径方向に延びる鉄心41〜44と該鉄心に装着されたコイル51〜54とを含んでいる。そして、鉄心41〜44のそれぞれの半径方向外側端部は、外周部鉄心部分21〜24のそれぞれと一体的に形成されている。なお、鉄心41〜44の数と、外周部鉄心部分24〜27の数とが必ずしも一致していなくてもよい。
【0047】
さらに、鉄心41〜44のそれぞれの半径方向内側端部は外周部鉄心20の中心近傍に位置している。
図7においては鉄心41〜44のそれぞれの半径方向内側端部は外周部鉄心20の中心に向かって収斂しており、その先端角度は約90度である。そして、鉄心41〜44の半径方向内側端部は、磁気的に連結可能なギャップ101〜104を介して互いに離間している。
【0048】
前述した案内係合部90は、コイル51〜54の延長端51a〜54bを案内して、基板80の接続部81a〜84bに同様に係合させられる。従って、
図7に示されるリアクトル6も本発明の範囲に含まれる。
【0049】
本開示の態様
1番目の態様によれば、コア本体(5)を具備し、該コア本体は、外周部鉄心(20)と、前記外周部鉄心の内面に接するか、または、該内面に結合された少なくとも三つの鉄心コイル(31〜34)と、を含み、前記少なくとも三つの鉄心コイルのそれぞれは、前記外周部鉄心の半径方向にのみ延びる鉄心(41〜44)と、該鉄心に装着されたコイル(51〜54)とから構成されており、前記少なくとも三つの鉄心のそれぞれの半径方向内側端部は前記外周部鉄心の中心に向かって収斂しており、前記少なくとも三つの鉄心のうちの一つの鉄心と該一つの鉄心に隣接する他の鉄心との間には磁気的に連結可能なギャップ(101〜104)が形成されており、前記少なくとも三つの鉄心の前記半径方向内側端部は、磁気的に連結可能なギャップを介して互いに離間しており、さらに、前記コイルの延長端(51a〜54b)に連結されるべき接続部(81a〜84b)を備えた基板(80)を具備し、該基板は、前記コイルの延長端を案内して前記接続部に係合させる案内係合部(90)を含む、リアクトル(6)が提供される。
2番目の態様によれば、1番目の態様において、前記案内係合部は、前記接続部の開口部を包囲する包囲部(91)を含んでおり、該包囲部は、前記コイルの延長端を案内する案内方向において前記接続部の末端から基端に向かって前記接続部から離間するように傾斜している。
3番目の態様によれば、1番目または2番目の態様において、前記案内係合部は、前記コイルの延長端の案内方向の逆方向に延びる延長案内部(93)を含んでおり、前記延長案内部の幅部分の一側にはその基端から先端にかけて幅狭になる切欠部(94)が形成されている。
4番目の態様によれば、1番目の態様において、前記案内係合部は、前記コイルの延長端が挿入されるべき通路(62)を備えた筒部(61)を含んでおり、前記通路は、その入口部から前記接続部に向かって幅狭になる。
5番目の態様によれば、4番目の態様において、さらに、前記通路には、一つまたは複数の板バネ(63)が設けられる。
6番目の態様によれば、1番目の態様において、前記案内係合部は、前記接続部に対向して配置されていて前記コイルの延長端を少なくとも部分的に被覆する被覆部(64)を含む。
7番目の態様によれば、1番目の態様において、前記案内係合部は、前記コイルの延長端の案内方向に対して垂直に突出する凸部(66)を含んでおり、前記コイルの延長部には、前記凸部に係合する凹部(67)が形成されている。
8番目の態様によれば、1番目から7番目のいずれかの態様において、前記少なくとも三つの鉄心コイルの数は3の倍数である。
9番目の態様によれば、1番目から7番目のいずれかの態様において、前記少なくとも三つの鉄心コイルの数は4以上の偶数である。
【0050】
態様の効果
1番目の態様においては、コイルの延長端が案内係合部により案内されて基板の接続部に係合されるので、コイルの延長端の位置決めが容易であると共に、延長端が基板の接続部から脱落するのを防止できる。それゆえ、ロボットを用いてリアクトルのコイルと基板とを接続する工程を自動化することができる。
2番目の態様においては、包囲部が傾斜しているので、コイルの延長端に形成された開口部が包囲部に係合し、その結果、コイルの延長端が基板の接続部から脱落するのを容易に防止できる。
3番目の態様においては、延長案内部に切欠部が形成されているので、リアクトルのコイルが延長案内部に干渉するのを防止できる。
4番目の態様においては、コイルの延長端が筒部の通路の内壁に係合するので、コイルの延長端が基板の接続部から脱落するのを容易に防止できる。
5番目の態様においては、板バネがコイルの延長端を通路の壁部または他の板バネと一緒に挟むので、コイルの延長端が基板の接続部から脱落するのを確実に防止できる。
6番目の態様においては、コイルの延長端を基板の接続部と案内係合部の被覆部との間に挟むことができるので、コイルの延長端が基板の接続部から脱落するのを確実に防止できる。
7番目の態様においては、案内係合部の凸部とコイルの延長部の凹部とが係合するので、コイルの延長端が基板の接続部から脱落するのを確実に防止できる。
8番目の態様においては、リアクトルを三相リアクトルとして使用できる。
9番目の態様においては、リアクトルを単相リアクトルとして使用できる。
【0051】
以上、本発明の実施形態を説明したが、後述する請求の範囲の開示範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を為し得ることは、当業者に理解されよう。