【解決手段】本発明は、複数の誘電体層を含むセラミック本体と、上記セラミック本体内において上記誘電体層を挟んで上記セラミック本体の両端面に交互に露出するように配置された複数の第1及び第2内部電極を含む活性部と、上記活性部の上部に形成された上部カバー部と、上記活性部の下部に形成され、上記上部カバー部に比べて厚い厚さを有する下部カバー部と、上記第1及び第2内部電極と電気的に連結された第1及び第2外部電極と、を含み、上記第1及び第2外部電極は、上記セラミック本体の長さ方向において両端面を成す両側面と下面に配置されるが、上面には配置されない第1及び第2電極層を含む積層セラミック電子部品を提供する。
前記第1及び第2電極層は、前記セラミック本体の長さ方向における両端面を成す両側面において幅方向に両コーナー部まで配置される、請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品。
前記第1及び第2電極層は、前記セラミック本体の幅方向において対向する両端面にまで延在して配置される、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
前記第1及び第2外部電極の上部、及び厚さ方向に前記絶縁層の下部上に配置された第1及び第2めっき層をさらに含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の全体の厚さの1/2をAと、前記下部カバー部の厚さをBと、前記活性部の全体の厚さの1/2をCと、前記上部カバー部の厚さをDと規定したときに、前記活性部の中心部が前記セラミック本体の中心部から離れた比率(B+C)/Aは、1.050≦(B+C)/A≦1.764の範囲を満たす、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の積層セラミック電子部品。
前記上部カバー部の厚さDと前記下部カバー部の厚さBとの比率D/Bは、0.021≦D/B≦0.545の範囲を満たす、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の全体の厚さの1/2であるAに対する前記下部カバー部の厚さBの比率B/Aは、0.331≦B/A≦1.537の範囲を満たす、請求項1から請求項7の何れか一項に記載の積層セラミック電子部品。
前記下部カバー部の厚さBに対する前記活性部の全体の厚さの1/2であるCの比率C/Bは、0.148≦C/B≦2.441の範囲を満たす、請求項1から請求項8の何れか一項に記載の積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の厚さ方向の中央部領域での前記第1及び第2電極層の厚さをT1と、前記内部電極のうち前記セラミック本体の厚さ方向の上部において最外側の内部電極が位置する地点での前記第1及び第2電極層の厚さをT2としたときに、0.8≦T2/T1≦1.2を満たす、請求項1から請求項9の何れか一項に記載の積層セラミック電子部品。
前記第1及び第2電極層上に絶縁層がさらに配置され、前記絶縁層は前記下部カバー部を厚さ方向に3等分した場合に上部に対応する水平方向の地点まで配置される、請求項11に記載の積層セラミック電子部品の実装基板。
前記絶縁層は、前記下部カバー部を厚さ方向に3等分した場合に上部に対応する水平方向の地点まで配置される、請求項12に記載の積層セラミック電子部品の実装基板。
前記セラミック本体の厚さ方向の中央部領域での前記第1及び第2電極層の厚さをT1と、前記内部電極のうち前記セラミック本体の厚さ方向の上部最外側の内部電極が位置する地点での前記第1及び第2電極層の厚さをT2としたときに、0.8≦T2/T1≦1.2を満たす、請求項11から請求項14の何れか一項に記載の積層セラミック電子部品の実装基板。
前記半田は、前記セラミック本体の厚さ方向において前記活性部に対応する水平方向の領域の下部までに配置される、請求項16または請求項17に記載の積層セラミック電子部品の実装基板。
前記半田と前記第1及び第2外部電極との間にそれぞれ配置された第1及び第2めっき層をさらに含む、請求項16から請求項18の何れか一項に記載の積層セラミック電子部品の実装基板。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0018】
以下では、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品について説明するにあたり、特に、積層セラミックキャパシターについて説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0019】
積層セラミックキャパシター
図1は本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシターの一部を切開し、概略的に示す斜視図であり、
図2は
図1に示すキャパシター構造をI−I'線で切って見た場合の断面図である。
【0020】
図1及び
図2を参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシター100は、セラミック本体110と、複数の第1及び第2内部電極121、122を含む活性部115と、上部及び下部カバー部112、113と、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ電気的に連結された第1及び第2外部電極131、132と、を含む。
【0021】
セラミック本体110は、複数の誘電体層111を積層してから焼成して形成され、かかるセラミック本体110の形状、寸法及び誘電体層111の積層数は、本実施形態に示されているものに限定されるものではない。
【0022】
また、セラミック本体110を形成する複数の誘電体層111は、焼結された状態であり、隣接する誘電体層111同士の境界は走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認できないほど一体化され得る。
【0023】
また、セラミック本体110は、六面体形状を有していてもよい。本発明の実施形態を明確に説明するために六面体の方向を定義すると、
図1に表されているL、W及びTは、それぞれ長さ方向、幅方向及び厚さ方向を示す。
【0024】
また、本実施形態では、セラミック本体110の誘電体層111の積層方向に互いに対向する厚さ方向の端面を上面及び下面と、上記上面及び下面を連結して互いに対向する長さ方向の端面を長さ方向の第1及び第2側面と、互いに対向する幅方向の端面を幅方向の第1及び第2側面と定義する。
【0025】
かかるセラミック本体110は、キャパシターの容量形成に寄与する部分としての活性部115と、上下マージン部として、活性部115の上下部にそれぞれ形成されている上部及び下部カバー部112、113と、から構成されることができる。
【0026】
活性部115は、誘電体層111を挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122をセラミック本体110の両端面に交互に露出するように繰り返して積層することで形成されることができる。
【0027】
この際、誘電体層111の厚さは、積層セラミックキャパシター100の容量設計に応じて任意に変更してもよく、好ましくは、焼成後の1層の厚さが0.01〜1.00μmになるように構成してもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】
また、誘電体層111は、高誘電率のセラミック材料を含んでもよく、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO
3)系又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO
3)系セラミック粉末などを含んでもよいが、十分な静電容量が得られる限り、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】
また、誘電体層111には、上記セラミック粉末とともに、必要に応じて、遷移金属酸化物又は炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)又はアルミニウム(Al)などの各種のセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤及び分散剤などがさらに添加されてもよい。
【0030】
上部及び下部カバー部112、113は、内部電極を含まない以外は、誘電体層111と同一の材質及び構成を有することができる。
【0031】
また、上部及び下部カバー部112、113は、単一の誘電体層又は2個以上の誘電体層を活性部115の上下面に、それぞれ厚さ方向に積層して形成することができ、基本的に、物理的又は化学的ストレスによる第1及び第2内部電極121、122の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0032】
この際、下部カバー部113は、上部カバー部112よりも誘電体層の積層数をさらに増加させることにより、上部カバー部112に比べて厚い厚さを有するように形成されることができる。
【0033】
第1及び第2内部電極121、122は、互いに異なる極性を有する電極であり、誘電体層111に所定の厚さで導電性金属を含む導電性ペーストを印刷して、誘電体層111の積層方向に沿ってセラミック本体110の第1及び第2端面に交互に露出するように形成されることができ、その間に配置された誘電体層111により互いに電気的に絶縁されることができる。
【0034】
上記導電性金属は、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)のうち一つ又はこれらの合金などからなるものを使用してもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。また、上記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを使用してもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
また、第1及び第2内部電極121、122は、セラミック本体110の長さ方向において両端面を成す第1及び第2側面に交互に露出した部分を介して第1及び第2外部電極131、132とそれぞれ電気的に連結されることができる。
【0036】
したがって、第1及び第2外部電極131、132に電圧が印加されると、互いに対向する第1及び第2内部電極121、122の間に電荷が蓄積される。この際、積層セラミックキャパシター100の静電容量は、活性部115において、第1及び第2内部電極121、122が互いに重なる領域の面積に比例する。
【0037】
かかる第1及び第2内部電極121、122の厚さは、用途に応じて決定されてもよい。例えば、セラミック本体110の大きさを考慮して、0.2〜1.0μmの範囲内にあるように決定してもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
第1及び第2外部電極131、132は、第1及び第2電極層131a、132aを含むことができる。
【0039】
第1及び第2電極層131a、132aは、セラミック本体110の長さ方向において両端面を成す第1及び第2側面に交互に露出した複数の第1及び第2内部電極121、122を覆って電気的に連結されるように、上記セラミック本体110の長さ方向の両側面と下面に配置される。
【0040】
この際、第1及び第2電極層131a、132aは、良好な電気的特性とともに、優れた耐湿性などの高信頼性を提供するために、例えば、銅−ガラス(Cu−Glass)ペーストを使用して形成されてもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0041】
本発明の一実施形態によると、上記第1及び第2電極層131a、132aは、上記セラミック本体110の長さ方向において両端面を成す両側面において幅方向に沿って両コーナー部まで配置されることができる。
【0042】
すなわち、上記第1及び第2電極層131a、132aは、上記セラミック本体110の長さ方向において両端面を成す両側面と下面に配置されるが、上面には配置されない構造を有する。
【0043】
一方、上記第1及び第2電極層131a、132aは、上記セラミック本体110の幅方向において対向する両端面に延びて配置されてもよい。
【0044】
すなわち、上記第1及び第2電極層131a、132aは、上記セラミック本体110の幅方向において対向する両端面にまで延在して配置された延長部を有することができる。
【0045】
従来の外部電極の形成方法には、セラミック本体を金属成分が含まれたペーストにディッピング(dipping)する方法が主に使用されていた。
【0046】
ディッピング(dipping)方式で外部電極を形成する場合、ペーストの流動性及び粘性によって外部電極が均一に塗布されず、外部電極の中央部とコーナー部との塗布厚さに差が生じる。
【0047】
このように外部電極の厚さが不均一に形成される場合、厚く塗布された中央部にはガラスビーディング(Glass Beading)或いはブリスター(Blister)が生じてめっき不良及び形状不良を引き起こし、薄く塗布されたコーナー部にはめっき液の浸透に脆くて信頼性低下の問題が生じる。
【0048】
また、めっき液に脆いコーナー部を補完する場合、中央部の塗布厚さを増加させるしか方法がなく、静電容量の増加のためにセラミックキャパシターのサイズを増加させることに限界がある。
【0049】
上記第1及び第2電極層131a、132aは、従来のディッピング方式により形成されないことから、セラミック本体110の長さL方向において対向する両端面であるヘッド面に形成され、且つ上記ヘッド面と接する4面のバンド面のうち基板の実装面である下面以外には形成されないか最小に形成される。これにより、外部電極の厚さを薄く均一に形成することができる。
【0050】
これにより、内部電極が形成される面積を増加させることができ、内部電極の重なり(overlap)面積を極大化することにより、高容量の積層セラミックキャパシターを実現することができる。
【0051】
本発明の一実施形態によると、上記第1及び第2電極層131a、132aは、従来のディッピング方式とは異なり、シート(Sheet)転写或いはパッド(Pad)転写方式により形成することができる。
【0052】
図1及び
図2を参照すると、第1及び第2電極層131a、132aがセラミック本体110の長さ方向における両端面を成す側面に配置され、且つ厚さ方向に上部コーナー部から基板の実装面である下面まで延びて形成され、上記ヘッド面と接する残りの3面のバンド面の全体には形成されないことが分かる。
【0053】
上記第1及び第2電極層131a、132aは、導電性金属を含むシートを転写して形成されることができる。
【0054】
本発明の一実施形態によると、外部電極がL字形状を有することにより、上下面を区分するための別の標識を必要とせず、別の標識のために適用される本体の上部と下部の色を異ならせる方法によって発生し得るクラックなどの信頼性低下の問題がない。
【0055】
すなわち、上記外部電極131、132が、上記セラミック本体110の長さ方向における両端面を成す両側面と下面に配置されるが、上面には配置されない構造を有することから、上下面を区分するための別の標識を必要とせず、これにより、本体の上部と下部の色を異ならせる方法によって発生し得るクラックなどの信頼性低下の問題がない。
【0056】
また、外部電極が、L字形状を有し、且つセラミック本体110の長さ方向の側面と実装面である下面にのみ形成されることから、半田が本体の片面のみを伝って這い上がる構造を実現することができ、アコースティックノイズを低減できるという効果がある。
【0057】
図3は
図2における「A」領域の拡大図である。
【0058】
図3を参照すると、上記セラミック本体110の厚さ方向の中央部領域での上記第1及び第2電極層131a、132aの厚さをT1と、上記内部電極121、122のうち上記セラミック本体110の厚さ方向における最上部に積層された内部電極が位置する高さ位置での上記第1及び第2電極層131a、132aの厚さをT2としたときに、0.8≦T2/T1≦1.2を満たすことができる。
【0059】
上記セラミック本体110の厚さ方向の中央部領域での上記第1及び第2電極層131a、132aの厚さT1とは、上記セラミック本体110の厚さ方向の中央部地点で上記セラミック本体110の長さ方向に仮想の線を引いたとき、当該仮想の線が外部電極を横切る長さに対応する外部電極の厚さを意味することができる。
【0060】
同様に、上記内部電極121、122のうちセラミック本体110の厚さ方向の上部最外側の内部電極が位置する地点での上記第1及び第2電極層131a、132aの厚さT2とは、上記セラミック本体110の厚さ方向の最外側に配置された内部電極の位置で上記セラミック本体110の長さ方向に仮想の線を引いたときに、当該仮想の線が外部電極を横切る長さに対応する外部電極の厚さを意味することができる。
【0061】
上記T2/T1の比率が0.8≦T2/T1≦1.2を満たすことにより、上記セラミック本体110の厚さ方向の中央部領域での上記第1及び第2電極層131a、132aの厚さT1と、上記内部電極121、122のうち最外側の内部電極が位置する地点での上記第1及び第2電極層131a、132aの厚さT2との偏差を低減させることで、信頼性の低下を防止することができる。
【0062】
上記T2/T1の比率が0.8未満又は1.2を超える場合には、外部電極の厚さ偏差が大きくなるため、厚さの薄い部分にめっき液が侵透することがあり、信頼性が低下するという問題があり得る。
【0063】
本発明の一実施形態によると、上記第1及び第2電極層131a、132a上に絶縁層131b、132bがさらに配置され、上記絶縁層131b、132bは、上記セラミック本体110の厚さ方向の上部コーナー部から上記下部カバー部113を厚さ方向に3等分した場合に上記内部電極に隣接した領域内まで配置されることができる。
【0064】
上記絶縁層131b、132bは、セラミック本体110の長さ方向において両端面を成す第1及び第2側面に配置された第1及び第2電極層131a、132a上に配置される。これは、積層セラミックキャパシター100をプリント回路基板に実装したときに、第1及び第2外部電極131、132の実装面、すなわち、下面とセラミック本体110の長さ方向において両端面を成す第1及び第2側面の所定の領域以外の部分に半田が形成されないか最小化されるようにするためのものである。
【0065】
具体的に、上記絶縁層131b、132bは、上記セラミック本体110の厚さ方向の上部コーナー部から上記下部カバー部113を厚さ方向に3等分した場合に上記内部電極に隣接した領域内まで配置され、これにより、積層方向の最下部に配置された内部電極と水平に対応する位置には半田が形成されないようになる。
【0066】
上記のように絶縁層131b、132bを配置することにより、積層セラミックキャパシターをプリント回路基板に実装するときに外部電極に形成される半田の高さを低くすることで、積層セラミックキャパシターから発生した振動が、外部電極及び半田を介してプリント回路基板に伝達されることを減少させて、アコースティックノイズを低減できるという効果がある。
【0067】
一方、上記絶縁層131b、132bが上記セラミック本体110の実装面である下面のみを除き、長さ方向において両端面を成す側面の全体に形成される場合には、半田の形成面積が小さくなって、上記積層セラミックキャパシターをプリント回路基板に実装するときに衝撃による実装不良が生じ得る。
【0068】
すなわち、上記下部カバー部113を厚さ方向に3等分した場合に上記内部電極に隣接した領域内まで上記絶縁層131b、132bを配置することにより、アコースティックノイズを低減させるとともに、基板の実装のときに実装不良を減少させるという効果を奏する。
【0069】
一方、上記第1及び第2外部電極131、132は、上記第1及び第2電極層131a、132a上に配置され、且つ上記第1及び第2電極層131a、132aの下面及び上記絶縁層131b、132bの端部まで覆うように配置された第1及び第2めっき層131c、132cをさらに含むことができる。
【0070】
この際、第1及び第2めっき層131c、132cは、第1及び第2電極層131a、132aの下面及び上記絶縁層131b、132bの端部まで覆うように配置されたニッケル(Ni)めっき層と、上記ニッケルめっき層上に形成されたスズ(Sn)めっき層と、を含むことができる。
【0071】
かかる第1及び第2めっき層131c、132cは、積層セラミックキャパシター100をプリント回路基板などに半田で実装するときに互いの接着強度を高めるためのものであり、めっき処理は、公知の方法により行われてもよく、環境にやさしい要素を考慮して、鉛フリーめっきを実施することが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0072】
以下、本実施形態による積層セラミックキャパシターに含まれる構成要素の寸法とアコースティックノイズの関係について説明する。
【0073】
図4は本実施形態の積層セラミックキャパシターに含まれる構成要素の寸法関係を説明するために、
図1における積層セラミックキャパシターを長さ方向に切断し、概略的に示す断面図である。
【0074】
図4を参照して、セラミック本体110の全体の厚さの1/2をAと、下部カバー部113の厚さをBと、活性部115の全体の厚さの1/2をCと、上部カバー部112の厚さをDと規定する。
【0075】
ここで、セラミック本体110の全体の厚さとは、セラミック本体110の上面から下面までの距離を意味し、活性部115の全体の厚さとは、活性部115の最上部に形成された第2内部電極122の上面から活性部115の最下部に形成された第1内部電極121の下面までの距離を意味する。
【0076】
また、下部カバー部113の厚さBとは、活性部115の厚さ方向の最下部に形成された第1内部電極121の下面からセラミック本体110の下面までの距離を意味し、上部カバー部112の厚さDとは、活性部115の厚さ方向の最上部に形成された第2内部電極122の上面からセラミック本体110の上面までの距離を意味する。
【0077】
積層セラミックキャパシター100の長さ方向において両端面を成す第1及び第2側面に配置された第1及び第2外部電極131、132に異なる極性の電圧が印加されると、誘電体層111の逆圧電効果(Inverse piezoelectric effect)により、セラミック本体110は厚さ方向に膨張及び収縮することになり、セラミック本体110の長さ方向において両端面を成す両側面は、ポアソン効果(Poisson effect)により、セラミック本体110の厚さ方向の膨張及び収縮とは反対に収縮及び膨張することになる。
【0078】
ここで、活性部115の中心部は、第1及び第2外部電極131、132が形成された長さ方向において両端面を成す両側面において収縮及び膨張が大きく発生する部分であり、この部分に半田が接合される場合、上記半田を介してセラミック本体110の長さ方向において両端面を成す両側面の収縮及び膨張挙動がプリント回路基板にほとんど伝達されるため、アコースティックノイズの発生が大幅に増加する。
【0079】
しかし、本実施形態では、絶縁層131b、132bにより、半田がセラミック本体110の下端、及び最下層の内部電極に対応する長さ方向において両端面を成す側面下部にのみ形成され、下部カバー部113が上部カバー部112に比べて厚い厚さを有するように形成される。
【0080】
したがって、電圧が印加されて活性部115の中心部CL
Aで発生する変形率と下部カバー部113で発生する変形率との差によってセラミック本体110の長さ方向において両端面を成す両側面に形成された変曲点が、セラミック本体110の厚さ方向の中心部CL
C以下に形成されるため、アコースティックノイズを低減させることができる。
【0081】
この際、アコースティックノイズをさらに減少させるために、活性部115の中心部CL
Aがセラミック本体110の中心部CL
Cから離れた比率(B+C)/Aは、1.050≦(B+C)/A≦1.764の範囲を満たすことができる。
【0082】
また、上部カバー部112の厚さDと下部カバー部113の厚さBとの比率D/Bは、0.021≦D/B≦0.545の範囲を満たすことができる。
【0083】
また、セラミック本体110の厚さの1/2であるAに対する下部カバー部113の厚さBの比率B/Aは、より好ましくは、0.331≦B/A≦1.537の範囲を満たすことができる。
【0084】
また、下部カバー部113の厚さBに対する活性部115の厚さの1/2であるCの比率C/Bは、より好ましくは、0.148≦C/B≦2.441の範囲を満たすことができる。
【0085】
実験例
本発明の実施例と比較例による積層セラミックキャパシターは、下記のように製作された。
【0086】
チタン酸バリウム(BaTiO
3)などの粉末、ポリマー及び溶剤などを混合して形成されたスラリーを、ドクターブレードなどの工法によりキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥して数μmの厚さに製造された複数個のセラミックグリーンシートを用意する。
【0087】
上記セラミックシートは、セラミック本体110の誘電体層111を形成するためのものである。
【0088】
次に、上記セラミックグリーンシート上に所定の厚さで内部電極用導電性ペーストを塗布し、上記セラミックグリーンシートの長さ方向において対向する両端面にそれぞれ露出するように第1及び第2内部電極121、122を形成する。
【0089】
上記導電性ペーストの塗布方法としては、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを使用してもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0090】
次に、上記複数のセラミックグリーンシートを、上記セラミックシートを挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122が互いに対向して配置されるように積層し、積層体を形成する。
【0091】
この際、第1及び第2内部電極121、122が形成されていないセラミックグリーンシートを、第1及び第2内部電極121、122が形成されたセラミックグリーンシートの下部に上部よりも多く積層する。
【0092】
また、形成された積層体を約85℃で約1,000kgf/cm
2の圧力条件で等方圧加圧成形(isostatic pressing)を行う。
【0093】
次に、圧着が完了した積層体を1個のキャパシターに対応する領域ごとに切断し、切断したチップは、大気雰囲気で約230℃、約60時間維持し、脱バインダーを行う。
【0094】
次に、約1,200℃で第1及び第2内部電極121、122が酸化しないように、Ni/NiO平衡酸素分圧より低い10
−11〜10
−10atmの酸素分圧下の還元雰囲気で焼成を行い、セラミック本体110を製造する。
【0095】
次に、セラミック本体110の厚さ−幅の端面に、第1及び第2内部電極121、122の露出した部分と電気的に連結されるように第1及び第2外部電極131、132を形成する。
【0096】
以下、第1及び第2外部電極131、132を形成する方法について具体的に説明する。
【0097】
先ず、上記セラミック本体110の下面に、導電性ペーストを用いてシード層を形成することができる。シード層を形成する上記導電性ペーストに含まれる導電性金属は、内部電極と同一であってもよく、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)又は鉛(Pb)などの単独又はこれらの合金であってもよい。
【0098】
上記導電性ペーストを用いてシード層135を形成する方法は、例えば、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などの方法で行うことができ、これに制限されず、スパッター法や蒸着により行われてもよい。
【0099】
次に、上記セラミック本体110の長さ方向において両端面を成す両側面に露出する内部電極121、122と接触して電気的に連結されるように第1及び第2電極層131a、132aを形成することができる。第1及び第2電極層131a、132aは、内部電極と同一の導電性金属で形成されてもよいが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)などの単独又はこれらの合金であってもよい。
【0100】
上記第1及び第2電極層131a、132aを上記セラミック本体110の長さ方向において両端面を成す両側面に形成する方法としては、従来のディッピング方式とは異なり、シート(Sheet)転写或いはパッド(Pad)転写方式により形成する方法が挙げられる。
【0101】
具体的に、定盤上の圧着ラバー(Rubber)上に第1及び第2電極層形成用シート(Sheet)或いはパッド(Pad)を位置させ、セラミック本体を上記シート或いはパッドに圧力を加えて密着させて、第1及び第2電極層形成用シート(Sheet)或いはパッド(Pad)をセラミック本体に付着させる。
【0102】
この際、定盤に熱を加えてシートの軟性を増加させ、シートをセラミック本体の長さ方向において両端面を成す側面であるヘッド面からシード層が形成された下面まで延びるように付着するとともに、本体とシートとの接着力を増加させる。
【0103】
次に、セラミック本体に付着されたシートの不要な部分を除去するために、定盤上のパンチングラバー(Punching Rubber)にシートが付着されたセラミック本体を加圧し、ラバーの弾性によりシートの本体に付着されていない部分を除去する。
【0104】
一方、他の方法として、定盤上の圧着ラバー(Rubber)上にPETフィルムが付着された第1及び第2電極層形成用シート(Sheet)を位置させ、セラミック本体110を上記シートに圧力を加えて密着させて、第1電極層形成用シート(Sheet)をセラミック本体に付着させる。
【0105】
この際、PETフィルムによりシートがセラミック本体110の角部分でカット(Cutting)され、圧力の除去の際にセラミック本体のヘッド面に限ってシートが付着される。
【0106】
この場合、セラミック本体に付着されていないシート部分は、PETフィルムに残ることになり、別の不要なシートの除去工程が省略されることができる。
【0107】
上記の方法による場合、第1及び第2電極層は、セラミック本体の長さ方向において両端面を成す両側面であるヘッド面にのみ形成され、セラミック本体の下面に形成されたシード層と連結される。これにより、外部電極の厚さがさらに減少できることから、高容量積層セラミックキャパシターを実現することができる。
【0108】
次に、エポキシレジストなどを使用して、第1及び第2電極層131a、132a上に絶縁層131b、132bを形成する。
【0109】
この際、絶縁層131b、132bは、上記下部カバー部113を厚さ方向に3等分した場合に上記内部電極に隣接した領域内まで形成することができる。
【0110】
上記エポキシレジストは、ディッピング(dipping)又は様々な印刷方法を用いて塗布してもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。また、塗布過程の後には熱処理工程を行って、塗布されたエポキシレジストを固化させる。
【0111】
一方、必要に応じて、絶縁層131b、132bを形成する段階の後に、第1及び第2電極層131a、132aが配置されたセラミック本体の下面から長さ方向において両端面を成す側面に配置された絶縁層131b、132bの端部までの領域に電気めっきなどの方法でめっき処理を施し、第1及び第2めっき層131c、132cを形成することができる。
【0112】
上記めっきに使用される物質としては、ニッケル又はスズ、ニッケル−スズ−合金などを使用してもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0113】
また、必要に応じて、第1及び第2めっき層131c、132cは、ニッケルめっき層とスズめっき層を、第1及び第2電極層131a、132aが配置されたセラミック本体の下面から長さ方向において両端面を成す側面に配置された絶縁層131b、132bの端部までの領域に順に塗布して形成することができる。
【0114】
上記のような製作方法により積層セラミックキャパシターを製造しており、ここで、製作公差は、長さ×幅(L×W)で±0.1mm内の範囲に定め、これを満たした場合に実験を行い、アコースティックノイズの測定を実施した。
【0115】
【表1】
ここで、*は比較例、ANはアコースティックノイズ(acoustic noise)である。
【0116】
上記表1のデータは、
図4のように積層セラミックキャパシター100のセラミック本体110の幅方向Wの中心部から長さ方向L及び厚さ方向Tに切開した断面を走査型電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)で撮影した写真を基準とし、それぞれの寸法を測定したものである。
【0117】
ここで、A、B、C及びDは、上述のように、セラミック本体110の全体の厚さの1/2をAと、下部カバー部113の厚さをBと、活性部115の全体の厚さの1/2をCと、上部カバー部112の厚さをDと規定した。
【0118】
アコースティックノイズを測定するために、アコースティックノイズ測定用基板1枚当たり1個のサンプル(積層セラミックキャパシター)を上下方向に区分してプリント回路基板に実装した後、その基板を測定用治具(Jig)に装着した。
【0119】
また、DCパワーサプライ(Power supply)及び信号発生器(Function generator)を用いて測定治具に装着されたサンプルの両端子にDC電圧及び電圧変動を印加した。上記プリント回路基板の真上に設置されたマイクによりアコースティックノイズを測定した。
【0120】
上記表1において、サンプル1〜3は、下部カバー部113の厚さBと上部カバー部112の厚さDがほぼ類似したカバー対称構造を有する比較例であり、サンプル4〜13は、上部カバー部112の厚さDが下部カバー部113の厚さBより厚い構造を有する比較例である。
【0121】
また、サンプル14及びサンプル35〜37は、下部カバー部113の厚さBが上部カバー部112の厚さDより厚い構造を有する比較例であり、サンプル15〜34は、本発明の実施形態による実施例である。
【0122】
ここで、(B+C)/A値がほぼ1である場合は、活性部115の中心部がセラミック本体110の中心部からそれほど離れていないことを意味する。下部カバー部113の厚さBと上部カバー部112の厚さDがほぼ類似したカバー対称構造を有するサンプル1〜3の(B+C)/Aの値は、ほぼ1である。
【0123】
(B+C)/Aの値が1より大きい場合は、活性部115の中心部がセラミック本体110の中心部から上部方向に離れたことを意味し、(B+C)/A値が1より小さい場合は、活性部115の中心部がセラミック本体110の中心部から下部方向に離れたことを意味し得る。
【0124】
上記表1を参照すると、活性部115の中心部がセラミック本体110の中心部から離れた比率(B+C)/Aは、1.050≦(B+C)/A≦1.764の範囲を満たす実施例であるサンプル15〜34において、アコースティックノイズが25dB未満と著しく減少したことを確認することができる。
【0125】
また、活性部115の中心部がセラミック本体110の中心部から離れた比率(B+C)/Aが1.050未満であるサンプル1〜14は、活性部115の中心部がセラミック本体110の中心部からほとんど離れていないか、活性部115の中心部がセラミック本体110の中心部から下部方向に離れた構造を有する。
【0126】
上記(B+C)/Aが1.050未満であるサンプル1〜14は、アコースティックノイズが25〜31dBであり、本発明による実施例に比べてアコースティックノイズの減少効果がないことが分かる。
【0127】
また、活性部115の中心部がセラミック本体110の中心部から離れた比率(B+C)/Aが1.764を超えるサンプル35〜37の場合には、目標容量に対する静電容量が低くいため、容量不良が発生した。
【0128】
上記表1において、容量実現率(すなわち、目標容量に対する静電容量の比率)が「NG」と表されているものは、目標容量値を100%としたときに、目標容量に対する静電容量の値が80%未満であるものを意味する。
【0129】
また、上部カバー部112の厚さDと下部カバー部113の厚さBとの比率(D/B)が0.021≦D/B≦0.545の範囲を満たす実施例は、アコースティックノイズが著しく減少したことが分かる。
【0130】
一方、上部カバー部112の厚さDと下部カバー部113の厚さBとの比率(D/B)が0.545を超える比較例は、アコースティックノイズの減少効果がないことが分かる。
【0131】
上部カバー部112の厚さDと下部カバー部113の厚さBとの比率(D/B)が0.021未満である場合には、上部カバー部112の厚さDに比べて下部カバー部113の厚さBが大きすぎて、クラック又はデラミネーションが生じることがあり、また、目標容量に対する静電容量が低くて容量不良が生じることがある。
【0132】
一方、実施例のうちセラミック本体110の厚さの1/2であるAに対する下部カバー部113の厚さBの比率(B/A)、及び下部カバー部113の厚さBに対する活性部115の厚さの1/2であるCの比率(C/B)のそれぞれが、0.331≦B/A≦1.537及び0.148≦C/B≦2.441の範囲を満たす実施例であるサンプル19〜34は、アコースティックノイズが18dB未満とより減少したことが分かる。
【0133】
一方、セラミック本体110の厚さの1/2であるAに対する下部カバー部113の厚さBの比率(B/A)が1.537を超えるか、下部カバー部113の厚さBに対する活性部115の厚さの1/2であるCの比率(C/B)が0.148未満であるサンプル35〜37の場合には、目標容量に対する静電容量が低くて容量不良が生じるという問題点があった。
【0134】
積層セラミックキャパシターの実装基板
図5は
図1における積層セラミックキャパシターがプリント回路基板に実装された様子を、積層セラミックキャパシターの一部を切開して概略的に示す斜視図であり、
図6は
図5における積層セラミックキャパシター及びプリント回路基板を長さ方向に切断して示す断面図である。
【0135】
図5及び
図6を参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシター100の実装基板200は、積層セラミックキャパシター100が実装されるプリント回路基板210と、プリント回路基板210の上面に互いに離隔して形成された第1及び第2電極パッド221、222と、を含む。
【0136】
また、積層セラミックキャパシター100は、第1及び第2外部電極131、132において絶縁層131b、132bが形成されずに第1及び第2電極層131a、132aが露出した下面がプリント回路基板210と対向するように実装される。
【0137】
また、積層セラミックキャパシター100は、下部カバー部113が下側に配置され、それぞれの第1及び第2電極層131a、132a上に形成された第1及び第2めっき層131c、132cが第1及び第2電極パッド221、222上に接触するように位置した状態で、半田230によりプリント回路基板210と電気的に連結されることができる。
【0138】
上記のように積層セラミックキャパシター100がプリント回路基板210に実装された状態で電圧が印加されると、アコースティックノイズが生じ得る。
【0139】
この際、第1及び第2電極パッド221、222の大きさは、積層セラミックキャパシター100の第1及び第2外部電極131、132と第1及び第2電極パッド221、222とを連結する半田230の量を決定する指標となり得、かかる半田230の量に応じてアコースティックノイズの大きさが調節され得る。
【0140】
本実施形態において、上記半田230は、上記セラミック本体110の長さ方向において両端面を成す側面において上記絶縁層の端部までにのみ形成されることから、上記のように半田230の量を減少させて、アコースティックノイズの大きさを減少させることができる。
【0141】
図7は
図5における積層セラミックキャパシターがプリント回路基板に実装された状態で電圧が印加されて積層セラミックキャパシターが変形する様子を概略的に示す断面図である。
【0142】
図7を参照すると、このように積層セラミックキャパシター100がプリント回路基板210に実装された状態で積層セラミックキャパシター100の第1及び第2外部電極131、132に異なる極性の電圧が印加されると、誘電体層111の逆圧電効果(inverse piezoelectric effect)により、セラミック本体110は厚さ方向に膨張及び収縮することになり、第1及び第2外部電極131、132が形成されたセラミック本体110の長さ方向において両端面を成す両側面は、ポアソン効果(poisson effect)により、セラミック本体110の厚さ方向の膨張及び収縮とは反対に収縮及び膨張することになる。
【0143】
ここで、活性部115の中心部は、第1及び第2外部電極131、132が形成された長さ方向の両端部において収縮及び膨張が大きく発生する部分であり、この部分に半田230が接合される場合、半田230を介してセラミック本体110の長さ方向の両端部の収縮及び膨張挙動がプリント回路基板210にほとんど伝達されるため、アコースティックノイズの発生が大幅に増加し得る。
【0144】
しかし、本実施形態によると、第1及び第2外部電極131、132の実装面を、セラミック本体110の変位が少なく、振動がよく伝達されない位置、すなわち、下面に形成されるようにする。
【0145】
したがって、電圧が印加されて活性部115の中心部CL
Aで発生する変形率と下部カバー部113で発生する変形率との差によってセラミック本体110の長さ方向の両側面に形成された変曲点が、半田230の高さ以下で形成させることでアコースティックノイズを減少させることができる。
【0146】
また、第1及び第2外部電極131、132は、幅方向の両側面に形成されず、セラミック本体110の長さ方向の両側面の所定の領域、すなわち、セラミック本体110の厚さ方向の上部コーナー部から上記下部カバー部113を厚さ方向に3等分した場合に上記内部電極に隣接した領域内までは絶縁層131b、132bによって半田230が形成されなくなることから、半田230の高さを最小化することができる。
【0147】
このように第1及び第2外部電極131、132の周面に形成される半田230の体積を減少させることにより、第1及び第2外部電極131、132及び半田230を介して伝達されるアコースティックノイズを減少させることができ、且つプリント回路基板210上に狭いピッチ(pitch)で複数の積層セラミックキャパシター100を実装、すなわち、高密度実装しても、それぞれの積層セラミックキャパシター100の間に半田ブリッジ(solder bridge)が生じないことから、部品の信頼性を向上できるという効果がある。
【0148】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。