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特開2021-153224ネットワーク試験装置およびネットワーク試験方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-153224(P2021-153224A)
(43)【公開日】2021年9月30日
(54)【発明の名称】ネットワーク試験装置およびネットワーク試験方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/70 20130101AFI20210903BHJP
【FI】
   H04L12/70 100Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-52348(P2020-52348)
(22)【出願日】2020年3月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】宮内 徹
(72)【発明者】
【氏名】大坪 翼
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA14
5K030HB02
5K030JA10
5K030MA04
5K030MC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】伝送帯域の拡張を図りストリームを生成するネットワーク試験方法を提供する。
【解決手段】100Gbit帯域のストリームを個別に生成しST1、個別に保持しST2、最初にストリームの読み出しを行う信号中継処理部を選択切り替え制御しST3、100Gbit帯域のストリームを400Gbit帯域で読み出しST4、100Gbit帯域のストリームの保持状態を常時監視し、現在選択切り替えされている信号中継処理部からのフレームの終了のタイミングで次にストリームの読み出しを行う信号中継処理部を選択切り替え制御しST5、100Gbit帯域のストリームを400Gbit帯域で読み出しST6、切り替え制御時のストリーム内でフレームが中途半端な位置で途切れないようアライメントを行い、順番に選択切り替え制御される各信号中継処理部からの有効なストリームの論理和による400Gbit帯域のストリームを選択出力するST7。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物(W)の通信規格に対応して生成される試験信号のデータフレームを前記被測定物に入力し、前記試験信号のデータフレームの入力に伴って前記被測定物から受信するデータフレームに基づいて各種試験の測定を行うネットワーク試験装置(1)において、
第1ビット帯域のストリームを生成する複数のストリーム生成部(12)と、
前記複数のストリーム生成部のうちの対応するストリーム生成部から入力されるストリームを保持する複数の信号保持部(13)と、
前記複数の信号保持部のうちの対応する信号保持部に保持されたストリームを前記第1ビット帯域より大きい第2ビット帯域で読み出す複数の信号中継処理部(14)と、
前記複数の信号保持部のストリームの保持状態をそれぞれ監視し、前記ストリームの保持状態を保つ信号保持部に対応する信号中継処理部の中から1つの信号中継処理部を選択するように切り替え制御する信号監視部(15)と、
該信号監視部の切り替え制御に伴って前記複数の信号中継処理部にて読み出された有効なストリームを選択して前記第2ビット帯域のストリームとする信号選択部(16)とを備え、
前記信号中継処理部は、対応する信号保持部から前記第2ビット帯域で読み出したストリームにおけるフレームの終了を前記信号監視部と次の切り替え制御対象となる信号中継処理部に通知し、前記信号監視部による切り替え制御時のストリーム内でフレームが途切れないようアライメントを行い、
前記信号監視部は、前記フレームの終了の通知を受けたタイミングで前記ストリームの保持状態を保つ信号保持部に対応する信号中継処理部の中から1つの信号中継処理部に切り替え制御することを特徴とするネットワーク試験装置。
【請求項2】
被測定物(W)の通信規格に対応して生成される試験信号のデータフレームを前記被測定物に入力し、前記試験信号のデータフレームの入力に伴って前記被測定物から受信するデータフレームに基づいて各種試験の測定を行うネットワーク試験方法において、
第1ビット帯域のストリームを複数のストリーム生成部(12)にて個別に生成するステップと、
前記複数のストリーム生成部にて個別に生成されたストリームを複数の信号保持部(13)に個別に保持するステップと、
前記複数の信号保持部に個別に保持されたストリームを、複数の信号中継処理部(14)のうちの対応する信号中継処理部にて前記第1ビット帯域より大きい第2ビット帯域で読み出すステップと、
前記複数の信号保持部に個別に保持されたストリームの保持状態を信号監視部(15)にてそれぞれ監視するステップと、
前記信号中継処理部が前記複数の信号保持部のうちの対応する信号保持部から前記第2ビット帯域で読み出したストリームにおけるフレームの終了を前記信号監視部と次の切り替え制御対象となる信号中継処理部に通知するステップと、
前記信号監視部が前記フレームの終了の通知を受けたタイミングで前記ストリームの保持状態を保つ信号保持部に対応する信号中継処理部の中から1つの信号中継処理部に切り替え制御するステップと、
前記切り替え制御時のストリーム内でフレームが途切れないようアライメントを行うステップと、
前記信号監視部の切り替え制御に伴って前記複数の信号中継処理部にて読み出された有効なストリームを選択して前記第2ビット帯域のストリームとするステップと、を含むことを特徴とするネットワーク試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばルータ、スイッチングハブ、伝送装置などのネットワーク機器やネットワーク回線を被測定物(DUT:Device Under Test )として各種試験を行うネットワーク試験装置およびネットワーク試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばルータ、スイッチングハブ、伝送装置などのネットワーク機器やネットワーク回線を被測定物として各種試験を行う装置として、例えば下記特許文献1や特許文献2などに開示されるネットワーク試験装置が知られている。
【0003】
ネットワーク試験装置では、被測定物の通信規格に対応して生成される試験信号を被測定物に入力し、この試験信号の入力に伴って被測定物から出力される信号を解析して各種試験を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−195468号公報
【特許文献2】特開2015−185861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、次世代5Gモバイル通信やクラウド通信サービスの普及によりネットワークの高速化に伴ってデータ通信トラフィックも増大しており、IEEE802.3bsタスクフォースによって開発された400ギガビットイーサネット(登録商標)が企業ネットワークの次世代技術として期待されている。このため、ネットワーク試験装置においても、高速・大容量通信に対応するべく、生成できるストリームの伝送帯域の拡張が望まれていた。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、伝送帯域の拡張を図ってストリームを生成することができるネットワーク試験装置およびネットワーク試験方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載されたネットワーク試験装置は、被測定物Wの通信規格に対応して生成される試験信号のデータフレームを前記被測定物に入力し、前記試験信号のデータフレームの入力に伴って前記被測定物から受信するデータフレームに基づいて各種試験の測定を行うネットワーク試験装置1において、
第1ビット帯域のストリームを生成する複数のストリーム生成部12と、
前記複数のストリーム生成部のうちの対応するストリーム生成部から入力されるストリームを保持する複数の信号保持部13と、
前記複数の信号保持部のうちの対応する信号保持部に保持されたストリームを前記第1ビット帯域より大きい第2ビット帯域で読み出す複数の信号中継処理部14と、
前記複数の信号保持部のストリームの保持状態をそれぞれ監視し、前記ストリームの保持状態を保つ信号保持部に対応する信号中継処理部の中から1つの信号中継処理部を選択するように切り替え制御する信号監視部15と、
該信号監視部の切り替え制御に伴って前記複数の信号中継処理部にて読み出された有効なストリームを選択して前記第2ビット帯域のストリームとする信号選択部16とを備え、
前記信号中継処理部は、対応する信号保持部から前記第2ビット帯域で読み出したストリームにおけるフレームの終了を前記信号監視部と次の切り替え制御対象となる信号中継処理部に通知し、前記信号監視部による切り替え制御時のストリーム内でフレームが途切れないようアライメントを行い、
前記信号監視部は、前記フレームの終了の通知を受けたタイミングで前記ストリームの保持状態を保つ信号保持部に対応する信号中継処理部の中から1つの信号中継処理部に切り替え制御することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2に記載されたネットワーク試験方法は、被測定物Wの通信規格に対応して生成される試験信号のデータフレームを前記被測定物に入力し、前記試験信号のデータフレームの入力に伴って前記被測定物から受信するデータフレームに基づいて各種試験の測定を行うネットワーク試験方法において、
第1ビット帯域のストリームを複数のストリーム生成部12にて個別に生成するステップと、
前記複数のストリーム生成部にて個別に生成されたストリームを複数の信号保持部13に個別に保持するステップと、
前記複数の信号保持部に個別に保持されたストリームを、複数の信号中継処理部14のうちの対応する信号中継処理部にて前記第1ビット帯域より大きい第2ビット帯域で読み出すステップと、
前記複数の信号保持部に個別に保持されたストリームの保持状態を信号監視部15にてそれぞれ監視するステップと、
前記信号中継処理部が前記複数の信号保持部のうちの対応する信号保持部から前記第2ビット帯域で読み出したストリームにおけるフレームの終了を前記信号監視部と次の切り替え制御対象となる信号中継処理部に通知するステップと、
前記信号監視部が前記フレームの終了の通知を受けたタイミングで前記ストリームの保持状態を保つ信号保持部に対応する信号中継処理部の中から1つの信号中継処理部に切り替え制御するステップと、
前記切り替え制御時のストリーム内でフレームが途切れないようアライメントを行うステップと、
前記信号監視部の切り替え制御に伴って前記複数の信号中継処理部にて読み出された有効なストリームを選択して前記第2ビット帯域のストリームとするステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、伝送帯域の拡張を図ってストリームを生成することができ、今後の伝送レートの高速化にも容易かつ安価に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るネットワーク試験装置のブロック構成図である。
図2図1におけるストリーム生成回路のブロック構成図である。
図3】本発明に係るネットワーク試験装置による伝送帯域の拡張方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施の形態のネットワーク試験装置1は、操作部2、信号生成部3、入出力部4、信号測定部5、制御部6、表示部7を備えて概略構成される。ネットワーク試験装置1は、例えばルータ、スイッチングハブ、伝送装置などのネットワーク機器やネットワーク回線(例えば100G、400Gイーサネット(登録商標)など)を被測定物(DUT:Device Under Test )Wとし、被測定物Wの通信規格に対応して生成される試験信号を被測定物Wに入力し、試験信号の入力に伴う被測定物Wからの信号に基づいて各種試験を行うものである。
【0013】
操作部2は、装置本体に備える例えば操作ノブ、各種キー、スイッチ、ボタンの他、テンキーや各種設定キーを備えたキーボードやマウスなどの入力装置、表示部7の表面に設けられたタッチパネルなどの入力装置で構成される。操作部2は、例えば被測定物Wの各種測定の開始や停止、測定間隔などの測定条件の設定、被測定物Wに送信されるデータフレームの符号形式(NRZ(Non Return to Zero)/PAM(Pulse Amplitude Modulation))の選択設定、データフレームを生成するためのパラメータなど、被測定物Wの各種測定に関する処理を実行する際にユーザにより操作される。
【0014】
信号生成部3は、被測定物Wの通信規格に対応した試験信号としての複数レーンのデータフレームを生成し、生成した複数レーンのデータフレームの試験信号を入出力部4を介して被測定物Wに送信する。例えばクロック周波数330MHz×160bit=52.8Gbpsを1レーンのデータフレームとして、8レーンパラレルのデータフレームの試験信号を生成する。
【0015】
信号生成部3は、試験信号の元になるストリームを生成するストリーム生成回路11を備える。なお、本実施の形態では、ストリーム生成回路11にて第1ビット帯域として100Gbit帯域の100ギガビットイーサネット(登録商標)のストリーム(以下、100Gbit帯域のストリームと略称する)を複数束ねて第1ビット帯域より大きい第2ビット帯域として400Gbit帯域の400ギガビットイーサネット(登録商標)のストリーム(以下、400Gbit帯域のストリームと略称する)に伝送帯域を拡張する場合を例にとって説明する。
【0016】
図2に示すように、ストリーム生成回路11は、ストリーム生成部12、信号保持部13、信号中継処理部14、信号監視部15、信号選択部16、信号出力部17から構成され、ストリーム生成部12、信号保持部13、信号中継処理部14をそれぞれ複数(図2の例では4つ)備える。
【0017】
各ストリーム生成部12(12a,12b,12c,12d)は、100Gbit帯域のストリームを生成する。具体的に、各ストリーム生成部12a,12b,12c,12dは、動作クロック周波数200MHzにより512bit単位で100Gbit帯域のストリーム(動作クロック周波数200MHz×512bit)を生成しており、1フレームが16000バイトからなる。
【0018】
なお、フレームは、フレームのLength+フレーム間のGAP長によって表される送信間隔に基づいて複数のフレームを多重化したものである。フレームの基本構成は、送信文(プリアンブル)である「Preamble(8byte)」、宛先アドレスである「MAC DA(6byte)」、送信元アドレスである「MAC SA(6byte)」、タイプを示す「Type(2byte)」、データ本体としての「Data(ヘッダの構成によって長さの制約が変わる。本実施の形態では、48〜15988byte:生成できる最小フレーム長が60byte、最大フレーム長が16000byeであるため、MAC DAからFCSまでの合計byte数=フレーム長60〜16000byteになるように制約される)」、エラー検出のための「FCS(4byte)」から構成される。
【0019】
各ストリーム生成部12a,12b,12c,12dにて生成された100Gbit帯域のストリームは、それぞれ対応する後段の信号保持部13(13a,13b,13c,13d)に入力される。
【0020】
各信号保持部13(13a,13b,13c,13d)は、FIFO方式のバッファで構成され、対応する前段のストリーム生成部12(12a,12b,12c,12d)にて生成して入力される100Gbit帯域のストリームを保持する。具体的に、各信号保持部13a,13b,13c,13dは、対応するストリーム生成部12a,12b,12c,12dにて生成して入力される100Gbit帯域のストリームを2フレーム分に相当する32000byteだけ保持する。
【0021】
信号中継処理部14は、信号監視部15の切り替え制御により1つの信号中継処理部(14a,14b,14c,14dの何れか)が選択されると、対応する信号保持部13に保持された100Gbit帯域のストリームを400Gbit帯域で読み出す。例えば信号監視部15の切り替え制御により信号中継処理部14aが選択された場合、信号中継処理部14aは、対応する前段の信号保持部13aに保持された100Gbit帯域のストリームを400Gbit帯域で読み出す。すなわち、信号中継処理部14aは、対応する信号保持部13aに保持された100Gbit帯域のストリームを、動作クロック周波数200MHzにより2048bit単位で読み出す。これにより、信号中継処理部14aは、ストリーム生成部12aと同一の動作クロック周波数200MHzにより4倍の速度で100Gbit帯域のストリームの読み出しを行う。なお、他の信号中継処理部14b,14c,14dについても、信号監視部15の切り替え制御によって選択されたときに同様の処理を行う。
【0022】
各信号中継処理部14a,14b,14c,14dは、対応する信号保持部13a,13b,13c,13dから100Gbit帯域のストリームを400Gbit帯域で読み出したときに、信号監視部15と少なくとも次の切り替え制御対象となる信号中継処理部14に対し、読み出したストリームにおけるフレームの終了を通知する機能を有する。
【0023】
本実施の形態では、図2において、1段目の信号中継処理部14aは、対応する信号保持部13aから読み出したストリームにおけるフレームの終了を信号監視部15と2段目の信号中継処理部14bに通知する。2段目の信号中継処理部14bは、対応する信号保持部13bから読み出したストリームにおけるフレームの終了を信号監視部15と3段目の信号中継処理部14cに通知する。3段目の信号中継処理部14cは、対応する信号保持部13cから読み出したストリームにおけるフレームの終了を信号監視部15と4段目の信号中継処理部14dに通知する。4段目の信号中継処理部14dは、対応する信号保持部13dから読み出したストリームにおけるフレームの終了を信号監視部15と1段目の信号中継処理部14aに通知する。
【0024】
なお、各信号中継処理部14a,14b,14c,14dは、対応する信号保持部13から100Gbit帯域のストリームを400Gbit帯域で読み出したときに、読み出したストリームにおけるフレームの終了を自身以外の信号中継処理部14に通知してもよい。
【0025】
また、各信号中継処理部14a,14b,14c,14dは、信号監視部15にて選択切り替え制御され、対応する信号保持部13から100Gbit帯域のストリームを400Gbit帯域で読み出すときに、切り替え制御時のストリーム内でフレームが中途半端な位置で途切れないようアライメントを行う機能を有する。
【0026】
信号監視部15は、各信号保持部13(13a,13b,13c,13d)の100Gbit帯域のストリームの保持状態を監視する機能と、複数の信号中継処理部14(14a,14b,14c,14d)の中から1つの信号中継処理部(14a,14b,14c,14dの何れか)を選択するように切り替え制御する機能とを有する。
【0027】
さらに説明すると、信号監視部15は、各信号保持部13a,13b,13c,13dが保持する100Gbit帯域のストリームが無くなってバッファが空にならないように、各信号保持部13a,13b,13c,13dの100Gbit帯域のストリームの保持状態を保っているか否かを常時監視する。
【0028】
また、信号監視部15は、現在選択切り替えされている信号中継処理部14(14a,14b,14c,14dの何れか)からフレームの終了の通知を受けると、100Gbit帯域のストリームの保持状態を保つ信号保持部13に対応する信号中継処理部14の中から1つの信号中継処理部14を選択するように切り替え制御する。
【0029】
さらに説明すると、本実施の形態において、信号監視部15は、初期状態で信号中継処理部14aを選択するように切り替え制御し、各信号保持部13a,13b,13c,13dの100Gbit帯域のストリームの保持状態を常時監視し、現在選択切り替えされている信号中継処理部14からフレームの終了の通知を受けると、信号保持部13がストリームの保持状態を保っていることを確認した上で、信号中継処理部14を14a→14b→14c→14d→14a→…の順番で選択切り替え制御している。
【0030】
なお、切り替え制御のタイミングは、信号中継処理部14からフレームの終了の通知を受けたときのフレームの終了位置およびGAPとしている。また、回路構成の簡素化を図るため、フレームの終了を8byte単位としている。
【0031】
また、信号監視部15は、信号保持部13(13a,13b,13c,13d)の中にストリームの保持状態が保たれていない信号保持部13が存在する場合、一番多くの容量のストリームを保持している信号保持部13を優先し、この信号保持部13に対応する信号中継処理部14を選択切り替え制御することもできる。
【0032】
信号選択部16は、順番に切り替え制御される複数の信号中継処理部14(14a,14b,14c,14d)からの有効なストリームの論理和をとって得られる2048bitのストリームとして、動作クロック周波数200MHz×2048bitのストリームを400Gbit帯域のストリームとして選択出力する。
【0033】
信号出力部17は、信号選択部16からの400Gbit帯域のストリームに対し、MAC、PCS、FECなどの各レイヤ毎の処理を施して出力する。
【0034】
図1に戻り、入出力部4は、信号生成部3と被測定物Wとの間で試験信号のデータフレームを送信し、被測定物Wと信号測定部5との間で試験信号のデータフレームを受信する。入出力部4は、例えばQSFP−DD、CFP8、OSFPなどの光トランシーバモジュールを備え、電気信号と光信号を相互に変換するE/O変換器やO/E変換器などを含む。
【0035】
例えばQSFP DD(DR4、LR4、FR4)の光トランシーバモジュールを採用した場合には、信号生成部3にて生成された8レーンパラレルの電気信号を4レーンパラレルの光信号に変換し、被測定物Wからの4レーンパラレルの光信号を8レーンパラレルの電気信号に変換する。
【0036】
また、QSFP DD(LR8、FR8、SR8)の光トランシーバモジュールを採用した場合には、信号生成部3にて生成された8レーンパラレルの電気信号を4レーンパラレルの光信号に変換し、被測定物Wからの8レーンパラレルの光信号を8レーンパラレルの電気信号に変換する。
【0037】
信号測定部5は、入出力部4の光トランシーバモジュールにて変換された電気信号のデータフレームをもとに、エラー検出などを含む各種測定を行う。信号測定部5は、例えばエラー検出を行う場合、操作部2にて予め設定される設定タイミングにより、被測定物Wに送信した電気信号のデータフレーム(例えば160bitのデータ)と、入出力部4の光トランシーバモジュールからの電気信号のデータフレーム(例えば160bitのデータ)との同期を取りビット比較してエラーの有無を検出する。すなわち、信号測定部5は、被測定物Wに送信したデータフレームと被測定物Wから受信した入出力部4の光トランシーバモジュールからのデータフレームをビット比較し、両者が一致すればエラー無し:0、両者が一致しなければエラー有り:1として、エラー検出を行う。
【0038】
なお、上記設定タイミングは、例えば表示部7の不図示の設定画面上で操作部2にて予め設定されるもので、例えばエラーを含む特定パターンと一致するパターンのデータを受信するタイミング、被測定物Wがトリガー信号を発生するタイミング、ユーザの指示(例えばボタン操作)によりトリガー信号を発生するタイミング、エラーを検知したタイミングである。
【0039】
制御部6は、例えばCPU、ROM、RAMなどを含むマイクロコンピュータなどで構成され、ネットワーク試験装置を構成する各部を統括制御するもので、操作部2の設定に基づく信号生成部3でのデータフレームの生成制御、入出力部4におけるデータフレームの送受信制御、操作部2の設定に基づく切替部13の切替制御、操作部2の設定に基づく信号測定部5での各種測定制御、表示部7への設定画面や測定結果の表示制御などを行う。
【0040】
表示部7は、例えば液晶やエレクトロルミネセンス(EL:Electroluminescence )などの表示機器で構成され、操作部2の操作に基づく各種試験を行うための設定画面の表示、信号測定部5での各種測定結果の表示などを行う。
【0041】
次に、上記のように構成されるネットワーク試験装置1のストリーム生成方法として、100Gbit帯域のストリームを複数束ねて400Gbit帯域のストリームに伝送帯域を拡張してストリームを生成する方法を例にとって図3を参照しながら説明する。
【0042】
まず、各ストリーム生成部12a,12b,12c,12dは、100Gbit帯域のストリームを個別に生成する(ST1)。
【0043】
続いて、各信号保持部13a,13b,13c,13dは、それぞれ対応するストリーム生成部12a,12b,12c,12dにて生成した100Gbit帯域のストリームを個別に保持する(ST2)。
【0044】
信号監視部15は、初期状態、すなわち、最初にストリームの読み出しを行う信号中継処理部14を選択切り替え制御する(ST3)。本実施の形態において、信号監視部15は、最初にストリームの読み出しを行う信号中継処理部14として、信号保持部13aに対応する信号中継処理部14aを選択切り替え制御する。
【0045】
そして、信号監視部15にて選択切り替え制御された信号中継処理部14aは、対応する信号保持部13aに保持された100Gbit帯域のストリームを400Gbit帯域で読み出す(ST4)。
【0046】
その後、信号監視部15は、各信号保持部13a,13b,13c,13dのストリームの保持状態を常時監視し、現在選択切り替えされている信号中継処理部14からストリームにおけるフレームの終了の通知を受けると、このフレームの終了の通知を受けたタイミングで、ストリームの保持状態を保つ信号保持部13に対応する信号中継処理部14の中から次にストリームの読み出しを行う信号中継処理部14を選択切り替え制御する(ST5)。
【0047】
そして、順次選択切り替えされた信号中継処理部14は、対応する信号保持部13に保持された100Gbit帯域のストリームを400Gbit帯域で読み出す(ST6)。その際、信号中継処理部14は、信号監視部15による切り替え制御時のストリーム内でフレームが中途半端な位置で途切れないようアライメントを行う。
【0048】
さらに説明すると、本実施の形態において、信号監視部15は、信号中継処理部14を14a→14b→14c→14d→14a→…の順番で選択切り替え制御する。そして、順番に選択切り替えされた信号中継処理部14は、対応する信号保持部13に保持された100Gbit帯域のストリームを400Gbit帯域で読み出し、切り替え制御時のストリーム内でフレームが中途半端な位置で途切れないようにアライメントを行う。
【0049】
そして、信号選択部16は、信号監視部15にて順番に選択切り替え制御される各信号中継処理部14a,14b,14c,14dからの有効なストリームの論理和をとって得られる2048bitのストリームを動作クロック周波数200MHzにより400Gbit帯域のストリームとして選択出力する(ST7)。
【0050】
ところで、上述した実施の形態では、ストリーム生成部12、信号保持部13、信号中継処理部14をそれぞれ4つずつ備えて400Gbit帯域のストリームを生成する構成を例にとって説明したが、ストリーム生成部12、信号保持部13、信号中継処理部14を少なくとも2つ以上備えた構成であればよく、その数をNとすると、生成されるストリームのGbit帯域=100Gbit帯域のストリーム×N(N≧2)となる。
【0051】
また、上述した実施の形態では、信号監視部15が信号保持部13のストリームの保持状態が保たれていることを確認した上で信号中継処理部14を14a→14b→14c→14d→14a→…の順番で選択切り替え制御する場合を例にとって説明したが、この順番に限定されるものではなく、初期状態で選択する信号中継処理部14は14a,14b,14c,14dのどれでもよい。そして、初期状態で選択された信号中継処理部14にてストリームの読み出しを行った後は、信号監視部15が信号保持部13のストリームの保持状態を常時監視し、フレームの終了の通知を受けたタイミングで次にストリームの読み出しを行う信号中継処理部14に選択切り替え制御し、選択切り替えされた信号中継処理部14が切り替え制御時のストリーム内でフレームが中途半端な位置で途切れないようにアライメントを行う。
【0052】
このように、本実施の形態によれば、ストリーム生成回路11として、従来から使用される100Gbit帯域のストリームを生成する回路を活用し、伝送帯域の拡張を図ってストリームを生成することができ、今後の伝送レートの高速化にも容易かつ安価に対応することが可能となる。
【0053】
以上、本発明に係るネットワーク試験装置およびネットワーク試験方法の最良の形態について説明したが、この形態による記述および図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例および運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
1 ネットワーク試験装置
2 操作部
3 信号生成部
4 入出力部
5 信号測定部
6 制御部
7 表示部
11 ストリーム生成回路
12(12a,12b,12c,12d) ストリーム生成部
13(13a,13b,13c,13d) 信号保持部
14(14a,14b,14c,14d) 信号中継処理部
15 信号監視部
16 信号選択部
17 信号出力部
W 被測定物(DUT)
図1
図2
図3