【実施例】
【0025】
以下に、実施例、比較例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例では、次に示す市販の原料を用いた。難消化性デキストリン(ファイバーソル2、松谷化学工業社)、ポリデキストロース(スターライトエリート、Tate & Lyle社)、コラーゲンペプチド(ニッピペプタイドPRA-P、ニッピ社)、HMペクチン(SM-666、三栄源エフ・エフ・アイ社)、キサンタンガム(ビストップD3000、三栄源エフ・エフ・アイ社)、ジェランガム(ケルコゲルHM、三栄源エフ・エフ・アイ社)、グルタミンペプチド(グルタミンペプチドGP-1、日清ファルマ社)、ホエイプロテイン(ミライ80、森永乳業社)。
(実施例1〜8及び比較例1〜5)
【0026】
下記表1に記載の処方および次の方法に従い炭酸飲料を調製した。まず、全量の10%程度の60℃の精製水にペクチンを溶解し、ペクチン濃縮液を作成した。別途、ペクチンを除く成分を全量の10%程度の水に添加し、基剤溶液を調製した。基剤溶液は塩酸又は水酸化ナトリウムでpHを調整した。基剤溶液とペクチン濃縮液を全量後に処方量となる割合で混合し、全量の31.25%量の飲料原液を調製し、80℃で25分の殺菌を行った。最後にこの飲料原液に炭酸水を加えて全量として炭酸飲料を得、190mlのアルミ缶に150ml充填した。
【0027】
上記の通り調製した炭酸飲料を室温に戻し、開封前の重量を精密メトラーで測定し、開封時を0分として、開封後20分の重量を測定した。次に、開封後と開封前の重量の差をガス抜け重量(i)として算出した。
各実施例及び比較例と同一処方のサンプルを調製し、前記サンプルについてガスボリュームを測定し、以下(ii)の式に従って溶解している炭酸ガス質量を算出した。炭酸ガスの抜け質量と溶解している炭酸ガスの質量よりガス抜け割合(iii)を算出した。
(i)炭酸ガスの抜け質量(g)=開封前のアルミ缶入り炭酸飲料質量(g)−開封後のアルミ缶入り炭酸飲料質量(g)
(ii)溶解している炭酸ガス質量(g)=1.9768(g/l)×ガスボリューム×容量(l)
(iii)ガス抜け割合(%)=(i)/(ii)×100
ガスボリュームの測定は、京都電子工業株式会社製GVA−700を用いて行った。
pHの測定は、東亜ディーケーケー株式会社製HM−60G および HORIBA製卓上型pHメータ F-72を用いて行った。
開封後20分のガス抜け割合の結果を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】
表1に示したように、pH3.8付近に調整した炭酸水に難消化性デキストリンを配合すると開封後20分のガス抜け割合が高くなったが、ペクチンおよびコラーゲンペプチドを配合することでガス抜けを抑えることができた。また、食物繊維の一種であるポリデキストロースでは、炭酸ガス抜けは促進されなかった。
(比較例6〜10、実施例19、20)
【0030】
下記表2に記載の処方は次の方法に従い調製した。まず、全量の10%程度の60℃の精製水にペクチン、ジェランガム、キサンタンガムのいずれかを溶解し、それぞれの濃縮液を作成した。別途、ペクチン、ジェランガム、キサンタンガムを除く成分を全量の10%程度の水に添加し、基剤溶液を調製した。基剤溶液は塩酸又は水酸化ナトリウムでpHを調整した。基剤溶液とペクチン、ジェランガム、キサンタンガムのいずれかの濃縮液を、全量後に処方量となる割合で混合し、全量の31.25%量の飲料原液を調製し、80℃で25分の殺菌を行った。最後にこの飲料原液に炭酸水を加えて全量として炭酸飲料を得、190mlのアルミ缶に170ml充填した。
ガス抜け割合の算出は前述と同様の方法で行い、開封後20分のガス抜け割合の結果を表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】
表2に示したように、難消化性デキストリン含有炭酸飲料に、コラーゲンペプチドを配合するとガス抜け抑制傾向が認められ、コラーゲンペプチドとペクチンを配合するとガス抜けの抑制効果が顕著に認められた。LMペクチン、HMペクチンともに効果が認められた。増粘剤として用いられるキサンタンガムやジェランガムを配合した場合には、開封後すぐに吹きこぼれ、開封後のアルミ缶入り炭酸飲料質量は測定できなかった。すなわち、大幅にガスが抜ける傾向がみられた。
(実施例21及び比較例11〜13)
【0033】
下記表3に記載の処方は次の方法に従い調製した。まず、全量の10%程度の60℃の精製水にペクチンを溶解し、ペクチン濃縮液を作成した。別途、ペクチンを除く成分を全量の10%程度の水に添加し、基剤溶液を調製した。基剤溶液は塩酸又は水酸化ナトリウムでpHを調整した。基剤溶液とペクチンの濃縮液を、全量後に処方量となる割合で混合し、全量の31.25%量の飲料原液を調製し、80℃で25分の殺菌を行った。最後にこの飲料原液に炭酸水を加えて全量として炭酸飲料を得、190mlのアルミ缶に170ml充填した。
ガス抜け割合の算出は前述と同様の方法で行い、開封後20分のガス抜け割合の結果を表3に示した。
【0034】
【表3】
【0035】
表3に示したように、難消化性デキストリンを配合した炭酸飲料にペクチンを配合するとガス抜けが抑えられたが、実施例21に示すように、コラーゲンペプチドを組み合わせることでさらにガス抜けが抑制された。コラーゲンペプチドの代わりにグルタミンペプチドやホエイプロテインを配合した場合にはガス抜け抑制効果は見られなかった。
(実施例23〜25及び比較例14〜18)
【0036】
下記表4に記載の処方は次の方法に従い調製した。まず、全量の10%程度の60℃の精製水にペクチンを溶解し、ペクチン濃縮液を作成した。別途、ペクチンを除く成分を全量の10%程度の水に添加し、基剤溶液を調製した。基剤溶液は塩酸又は水酸化ナトリウムでpHを調整した。基剤溶液とペクチンの濃縮液を、全量後に処方量となる割合で混合し、実施例23、24および比較例14〜17は全量の31.25%量、実施例25および比較例18は全量の12.5%量の飲料原液を調製し、80℃で25分の殺菌を行った。最後にこの飲料原液に炭酸水を加えて全量として炭酸飲料を得、190mlのアルミ缶に170ml充填した。
ガス抜け割合の算出は前述と同様の方法で行い、開封後20分のガス抜け割合の結果を表4に示した。
【0037】
【表4】
【0038】
表4に示したように、pH3及びpH5付近でも難消化性デキストリンを配合するとガス抜け割合が高くなり、コラーゲンペプチドとペクチンを組み合わせることでガス抜けが抑制された。また、ガスボリュームが3付近でも同様に、コラーゲンペプチドとペクチンを組み合わせることでガス抜けが抑えられた。
(製剤例1〜3)
【0039】
下記表5に記載の処方を次の方法に従い炭酸飲料を調製した。まず、全量の10%程度の60℃の精製水にペクチンを溶解し、ペクチン濃縮液を作成した。別途、ペクチンを除く成分を全量の10%程度の水に添加し、基剤溶液を調製した。基剤溶液とペクチン濃縮液を全量後に処方量となる割合で混合し、全量の25%量の飲料原液を調製し、80℃で25分の殺菌を行った。最後にこの飲料原液に炭酸水を加えて全量として炭酸飲料を得、190mlのアルミ缶に処方量となるように充填した。これら製剤例のガス抜け割合を前述と同様に評価した結果、十分にガス抜けを抑制する効果があることが確認できた。
【0040】
【表5】