特開2021-153724(P2021-153724A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイコク電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000003
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000004
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000005
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000006
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000007
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000008
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000009
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000010
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000011
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000012
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000013
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000014
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000015
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000016
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000017
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000018
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000019
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000020
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000021
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000022
  • 特開2021153724-遊技場用システム 図000023
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-153724(P2021-153724A)
(43)【公開日】2021年10月7日
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20210910BHJP
【FI】
   A63F7/02 328
   A63F7/02 350Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2020-55184(P2020-55184)
(22)【出願日】2020年3月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】小島 紹広
(72)【発明者】
【氏名】川邊 保
(72)【発明者】
【氏名】衣斐 大祐
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA27
2C088CA31
(57)【要約】
【課題】遊技機に対して信号を送信する必要性を低減させた上で遊技機と連動した演出処理を実行可能な遊技場用システムを提供すること。
【解決手段】特典を与えるための条件が成立した場合に特典を与える前に予告信号を送信し、所定期間が経過した後、報知演出を実行する遊技機5に対応して個別に設けられ、遊技に関する演出を実行可能な遊技装置1を複数含む遊技場用システム1Sは、いずれかの遊技装置1により予告信号が受信された場合に、他の遊技装置1に連動情報を送信する手段を含み、予告信号を受信した遊技装置1と連動情報を受信した他の遊技装置1とは、予告信号を送信した遊技機5による報知演出が行われるまでの所定期間に対応した連動演出期間において連動予告演出を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に対する特典を与えるための条件が成立した場合に当該特典を与える前に予告信号を送信し、所定期間が経過した後、前記特典を与える旨の報知演出を実行する遊技機に対応して個別に設けられ、遊技に関する演出を実行可能な遊技装置を複数含む遊技場用システムであって、
いずれかの遊技装置により対応する遊技機の予告信号が受信された場合に、当該予告信号を受信した遊技装置である成立装置以外の他の遊技装置に所定の連動情報を送信する手段を含み、
前記予告信号を受信した成立装置と前記連動情報を受信した前記他の遊技装置とは、予告信号を送信した遊技機による報知演出が行われるまでの前記所定期間に対応した連動演出期間において連動予告演出を実行する遊技場用システム。
【請求項2】
前記予告信号が受信された後、前記連動予告演出を開始するまでの遅延時間を、前記連動予告演出の実行単位で可変に設定可能な遅延時間設定手段を備える請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記予告信号が受信された後、前記連動予告演出が前記連動演出期間において実行されるように、前記遅延時間設定手段により設定された遅延時間に応じて、前記連動予告演出の実行期間を調節する手段を備える請求項2に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記連動予告演出は、前記成立装置か前記他の遊技装置かで共通の第1演出と、前記成立装置か前記他の遊技装置かで異なる第2演出と、に区分されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記遊技装置は、前記第1演出よりも優先度の高い演出である優先演出を実行可能であり、前記第1演出の実行中に前記優先演出の契機となるイベントが発生した場合、前記第1演出に優先して前記優先演出を実行し、前記第2演出の開始時点よりも前に該優先演出が終了している場合には、当該開始時点より第2演出を実行する請求項4に記載の遊技場用システム。
【請求項6】
前記成立装置は、対応する遊技機により前記特典が与えられる旨を表す当り演出を前記第2演出に対応して実行可能であり、当該当り演出を前記優先演出よりも優先して実行する請求項4または5に記載の遊技場用システム。
【請求項7】
前記成立装置は、対応する遊技機により前記特典が与えられる旨を表す当り演出を前記連動予告演出に対応して実行可能であり、
前記他の遊技装置は、前記連動予告演出の実行中に対応する遊技機から予告信号を受信した場合、当該実行中の連動予告演出に対応した前記成立装置による当り演出の少なくとも開始までは当該実行中の連動予告演出を継続し、当該当り演出の開始後に対応する遊技機を対象とした前記当り演出を実行する請求項1〜6のいずれか1項に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場に設けられる遊技場用システムの提案として、例えば下記の特許文献1のように大当り等の特典を遊技者に与えるための条件が成立した場合に、当該特典の事前に遊技機の周辺に設けられる演出用の遊技装置にて予告演出するような提案も見受けられる。この文献には、遊技装置だけで予告演出する遊技場用システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−102549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技者が注目しているのは遊技機であることから、やはり遊技機と遊技装置とが連動して予告演出することが望ましい。しかしながら、規則などの関係もあり、遊技機に対して信号を送信して遊技機を動作させることは困難であり、遊技機と遊技装置とを連動させて演出することは難しい。このような問題は予告演出に限らず、他の演出についても同様である。
【0005】
本願は上記事情に鑑み、遊技機に対して信号を送信する必要性を低減させた上で遊技機と連動した演出処理を実行可能な遊技場用システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技場用システムは、特典を与える前に予告信号を送信し、所定期間が経過した後、報知演出を実行する遊技機に対応して個別に設けられ、遊技に関する演出を実行可能な遊技装置を複数含むシステムである。この遊技場用システムでは、いずれかの遊技装置が対応する遊技機から予告信号を受信したとき、他の遊技装置に対して予告信号に基づく連動情報が送信される。この遊技場用システムでは、予告信号を受信した成立装置と、連動情報を受信した他の遊技装置とが、遊技機が報知演出を実行するまでの所定期間に対応する連動演出期間において、連動予告演出を実行する。
【0007】
本発明の遊技場用システムによれば、特典を与えるための条件がいずれかの遊技機で成立したとき、対応する遊技装置である成立装置と他の遊技装置とが連動して連動予告演出を実行可能である。複数の遊技装置による連動予告演出は、遊技機で報知演出が行われるまでの所定期間に対応する連動演出期間において実行され、遊技機による報知演出と連動するものとなっている。
【0008】
このように本発明の遊技場用システムによれば、遊技装置側から遊技機に何らかの信号を送信する必要性を低減させた上で、遊技機と遊技装置とが連動した演出を実行可能な優れた特性のシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1における、遊技場用システムの構成を示すシステム図。
図2】実施例1における、スロットマシンを示す正面図。
図3】実施例1における、図柄表示窓を示す正面図。
図4】実施例1における、スロットマシンが備えるリールの外周に配置された図柄の配列を展開して示す展開図。
図5】実施例1における、スロットマシンの役、入賞図柄、特典を示す説明図。
図6】実施例1における、遊技状態毎の各役の当選乱数の個数を示す説明図。
図7】実施例1における、スロットマシンに対して個別に設けられた遊技装置の正面図。
図8】実施例1における、遊技装置の電気的な構成を示すブロック図。
図9】実施例1における、スロットマシンの基本動作の流れを示すフロー図。
図10】実施例1における、レア役当選時のスロットマシンの当り制御を示すフロー図。
図11】実施例1における、連動予告演出を開始するまでの成立装置の制御の流れを示すフロー図。
図12】実施例1における、連動予告演出を開始するまでの未当選装置の制御の流れを示すフロー図。
図13】実施例1における、装置グループの各遊技装置が実行する第2演出の組合せの第1例を示す図。
図14】実施例1における、装置グループの各遊技装置が実行する第2演出の組合せの第2例を示す図。
図15】実施例1における、装置グループの各遊技装置が連動して実行する演出処理の流れを示すフロー図。
図16】実施例1における、装置グループの各遊技装置が連動して実行する演出の説明図。
図17】実施例1における、装置グループの各遊技装置が連動して演出を実行する際のタイムチャート図。
図18】実施例1における、連動演出期間中に呼出操作が行われた場合の未当選装置の動作を示すタイムチャート図。
図19】実施例1における、連動演出期間中に呼出操作が行われた場合の成立装置の動作を示すタイムチャート図。
図20】実施例1における、連動演出期間中に予告信号を受信した場合の未当選装置の動作を示すタイムチャート図。
図21】実施例2における、連動予告演出の遅延時間を可変にした場合の遊技装置の動作を示すタイムチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、スロットマシン(遊技機)5に対応して個別に設けられ、遊技に関する演出を実行可能な遊技装置1を複数含む遊技場用システム1Sに関する例である。この内容について、図1図20を用いて説明する。
【0011】
遊技場用システム1Sでは、同じ機種のスロットマシン5に対応し、かつ、横並びで設置された複数の遊技装置1が属する装置グループが設定されている。装置グループに属する遊技装置1は、同じ装置グループに属するいずれかの遊技装置1に対応するスロットマシン5で後述のプレミアムボーナス(PB)が確定したとき、連動予告演出を実行可能である。
【0012】
遊技装置1は、図1のごとく、スロットマシン5に対して個別に設置され、スロットマシン5の各種の情報を表示する装置である。遊技装置1は、スロットマシン5や貸出装置43と共に中継器42に接続されている。遊技場では、多数のスロットマシン5等を管理する管理装置41を中心として遊技場用システム1Sが構築されている。遊技場用システム1Sでは、スロットマシン5、遊技装置1および貸出装置43の組み合わせが2組ずつ接続された中継器42と、管理装置41とが、通信ネットワーク40に接続されている。なお、図1では省略しているが管理装置41には、スロットマシン5やパチンコ遊技機などの数百台の遊技機が接続されている。
【0013】
管理装置41は、CPU、ROM、RAM、I/O等を含む制御部やHDD(ハードディスクドライブ)等の記憶部等を含む本体413、モニタ411及びプリンタ等の出力部、キーボード412及びマウス等の操作部を備えている。管理装置41は、遊技機ID(台番)が割り当てられた各スロットマシン5の遊技情報を個別に集計等して特定する機能を備えている。
【0014】
貸出装置43は、遊技価値として遊技に使用されるメダルを遊技者に貸し出す装置である。遊技場では、貸出装置43から借り受けたメダルを利用してスロットマシン5の遊技を楽しむことができる。
【0015】
次に、(1)スロットマシン5、(2)遊技装置1について説明した後、(3)遊技場用システム1Sの基本動作を説明する。さらに、(4)遊技場用システム1Sの例外動作を説明する。例外動作には、連動予告演出中に呼出操作が行われた場合の動作、及び連動予告演出の実行中に新たにPB確定が発生した場合の動作、等がある。
【0016】
(1)スロットマシン
管理対象となるスロットマシン5(図2)は、遊技者に対する特典を与えるための条件が成立した場合に特典を与える前に予告信号を送信し、所定期間が経過した後、特典を与える旨の報知演出を実行するように構成された遊技機である。特典は、遊技者側に最も有利なプレミアムボーナス(PB)としてのAT状態の発生である。特典を与えるための条件は、後述するレア役の内部当選である。レア役の内部当選によってPBが確定する。
【0017】
スロットマシン5は、図柄の変動表示を遊技者に視認させるための図柄表示窓51、クレジットメダルを賭けるベットボタン54、メダルを投入するメダル投入口530、ゲームを開始させるためのスタートレバー521、回転中のリールを停止させるための3個のストップボタン522、入賞に応じた払出メダルの枚数を表示する払出数表示部551、クレジットメダルの枚数を表示するクレジット表示部552、払出されたメダルの受皿55、入賞を補助するAT報知や演出表示等を行う液晶表示部56等を備えている。
【0018】
図柄表示窓51は、図柄表示領域510L、C、Rを含む表示窓である。各図柄表示領域510L、C、Rは、いずれも縦に3図柄分の表示領域である。図柄表示窓51全体では、3行3列よりなる2次元マトリクス状に配置された9図柄分の図柄表示領域が形成されている。図柄表示窓51は、遊技者側から図柄520が見えるように、窓全体が透明な樹脂プレートにより形成されている。
【0019】
2次元マトリクス状に9個の図柄520が配置される図柄表示領域では、図3のごとく、入賞の対象となる入賞図柄の並び方向である入賞ライン511〜514が設定されている。本例の入賞ラインは、上段中段の2本の水平方向の入賞ライン514、511、及び対角方向の入賞ライン512、513よりなる4ラインにより構成されている。4本のうちの3本(入賞ライン511〜513)は、いずれも、中列中段の真ん中の図柄表示位置(図3ではベル図柄を例示。)を通過するように設けられている。
【0020】
各図柄表示領域510L、C、Rの裏側には、それぞれリール52L、C、Rが設けられている。リール52は、図4に示すごとく、その外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄520が配置された回転式のリールである。リール52が回転すると、対応する図柄表示領域510において、21個の図柄520が序列を維持しながら変動表示される。
【0021】
スロットマシン5の遊技状態としては、遊技者側に有利な特別状態であるBB状態、RB状態、PBとしてのAT状態のほか、通常状態がある。このスロットマシン5の遊技で遊技者が獲得できるメダル枚数は、BB状態よりもPBとしてのAT状態の方が多く、PBとしてのAT状態が最も有利である。
【0022】
スロットマシン5では、図5に示す通り、BB状態の契機となるBB役、RB状態の契機となるRB役、6種類の5枚役、7枚役、2枚役、1枚役A・Bなどの小役、リプレイ役、及びAT状態の契機となるレア役が設定されている。同図では、左列に入賞役の名称を、中列に入賞図柄を、右列に入賞に応じた特典を示してある。AT報知の対象役(以下AT役という。)である5枚役Aの入賞図柄は、左右リール52L・Rの停止図柄の定めがなく、中リール52Cのベル図柄のみが規定された図柄である。
【0023】
スロットマシン5では、後述する内部抽選により各役の当否が決定される。何れかの役が当選すると、対応する内部当選フラグがON状態にセットされる。各役の内部当選フラグは、その内部当選フラグが初めて成立したゲームで入賞したか否かに関わらず次のゲームを開始するまでにOFF状態(ゼロ)にリセットされる。したがって、各役が内部当選したゲームで入賞しなかった場合、全て取りこぼしとなる。
【0024】
BB役、RB役については、入賞の取りこぼしが生じないよう、入賞するまで内部当選フラグがON状態に保持される。AT状態の契機となるレア役については入賞図柄が未設定である。そのため、レア役は内部当選しても入賞することがない。本例の構成では、レア役の内部当選が、PBとしてのAT状態という特典を遊技者に与えるための条件となっているが、勿論、入賞しても遊技者が把握し難いようなレア役を設けて入賞させても良いし、レア役を設けずPBに内部当選するか否かだけを判断するようにしても良い。
【0025】
本例のスロットマシン5では、AT役である5枚役Aの内部当選パターンとして5通りのパターン(図6参照。)が用意されている。5通りのパターンは、全て、5枚役Aが5枚役B〜Fのうちの何れか1つと同時に内部当選するパターンである。5枚役Aが5枚役B〜Fのうちの何れか1つと同時当選した場合、その組み合わせとストップボタン522の押し順に応じて5枚役Aのベル図柄が中リール52Cの上段及び中段のいずれかで停止するように制御される。上段に停止した場合(有効ライン1本で入賞)にはメダル5枚のみの払出になる一方、中段で停止すれば、3本の有効ライン上で入賞するマルチ入賞となり、15枚のメダルが払い出される。
【0026】
5枚役Aと他の5枚役とが同時当選した際、5枚役Aのベル図柄を中リール52Cの中段に停止させるためのストップボタン522の押し順は、同時当選した他の5枚役の種類に応じて異なり、以下のようになっている。AT状態では、AT役である5枚役Aのベル図柄を中リール52Cの中段に停止させるためのストップボタン522の押し順が報知される(AT報知)。
・5枚役A・Bの同時当選のとき:中→左→右、あるいは中→右→左。
・5枚役A・Cの同時当選のとき:左→中→右。
・5枚役A・Dの同時当選のとき:左→右→中。
・5枚役A・Eの同時当選のとき:右→中→左。
・5枚役A・Fの同時当選のとき:右→左→中。
【0027】
スロットマシン5は、CPU(Central Processor Unit)やROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの電子部品が実装された制御部50を備えている(図1及び図2参照。)。制御部50は、例えばROMに格納されたソフトウェアプログラムをCPUで処理することで例えば以下の(a)〜(g)の各機能を実現する。また、液晶表示部56により下記(h)、(i)としての機能が実現される。
【0028】
(a)モード設定手段:1〜6の6段階のモードを設定する手段。モードは、内部当選役を決定するための内部抽選やAT状態に関する抽選などの各種抽選における遊技者側の有利度合いの設定である。例えば、モード5や6などの高設定ほど、AT状態の契機役であるレア役の当選確率が高く遊技者側に有利である。
(b)内部抽選手段:内部当選役を決定するための内部抽選を実行する手段。内部抽選手段は、当選乱数が規定された図示しない内部抽選テーブルに対して抽選用乱数(0〜65535)を照合することで、内部当選役を決定する。図6は、内部抽選テーブルにおける当選乱数の数の例示である。同図のごとく、AT役である5枚役Aが単独で内部当選する当選乱数はゼロ個であり、5枚役Aは必ず他の5枚役と同時に内部当選する。
(c)ゲーム数カウント手段:ゲーム数をカウントする手段。カウント対象のゲーム数としては、AT状態の終了後に実行されたゲーム数であるAT間ゲーム数、AT状態の残りのゲーム数、レア役当選によるPB確定後のゲーム数などがある。
(d)AT状態発生手段:AT報知が実行される有利なAT状態を発生させる手段。AT状態発生手段は、レア役の内部当選により特典(PBとしてのAT状態)を与えるための条件が成立した後、所定のゲーム数(本例では20ゲーム)が消化されたときにPBとしてのAT状態を発生させる。
(e)ATゲーム数抽選手段:PBとしてのAT状態で実行するゲーム数であるATゲーム数に関する抽選を実行する手段。ATゲーム数に関する抽選としては、AT状態で実行されるATゲーム数を決定するAT抽選、ATゲーム数に上乗せするゲーム数を決定する上乗せ抽選等がある。AT抽選は、レア役の内部当選時に実行される。上乗せ抽選は、AT状態下のゲーム毎に実行される。
(f)外部信号出力手段:遊技の進行中に外部機器に向けて信号を出力する手段。特に、本例のスロットマシン5は、レア役が内部当選したとき、特典であるAT状態を発生させる前に、個別に設けられた遊技装置1に向けて予告信号を送信する。
(g)計時手段:所定のイベントが発生してからの経過時間を計測する手段。特に、スロットマシン5は、レア役の内部当選後の経過時間を計測する。
(h)演出手段:遊技演出を実行する手段。遊技演出としては、特典(PBとしてのAT状態)を与える旨の報知演出、AT状態やBB状態やRB状態の遊技演出などがある。演出手段は、レア役の内部当選により特典(AT状態)を与えるための条件が成立した後、所定期間が経過したときにPB(AT状態)確定を報知する当り演出を実行する。なお、この所定期間は、レア役の内部当選後、AT状態発生までの上記の所定のゲーム数(20ゲーム)を消化するために必要な最短ゲーム時間である約80秒よりも少し短い70秒の期間が設定される。
(i)AT報知手段:5枚役Aをマルチ入賞させるためのストップボタン522の押順を報知するAT報知を実行する手段。
【0029】
スロットマシン5が遊技の進行中に外部出力する信号には、以下の遊技信号がある。スロットマシン5は、中継器42に遊技信号を入力する。遊技装置1等の外部装置は、中継器42経由でスロットマシン5が出力する遊技信号を取得する。
(a)アウト信号(ゲーム信号の一例):開始操作に応じてベット状態のメダル(本例では3枚)を消費したとして出力される信号。アウト信号は、ベットされたメダル1枚につき1回、パルス出力されるため、アウト信号数×1がアウト(消費価値、使用媒体数)となる。なお、リプレイゲームについても対応分のアウト信号が出力される。
(b)セーフ信号:メダルが1枚付与(払出)される毎に1パルス出力される信号。セーフ信号数×1がセーフ(入賞付与価値、払出媒体数)となる。なお、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分のセーフ信号が出力される。
(c)AT信号:AT状態の継続中(AT中)に出力される状態信号。
(d)BB信号、RB信号:BB状態、RB状態の継続中に出力される状態信号。
(e)予告信号:レア役の内部当選により特典を与えるための条件(AT状態(PB)の発生条件)が成立した場合に、特典を与える前に(AT状態の発生前に)出力される。スロットマシン5は、レア役が内部当選したとき、対応する遊技装置1である成立装置1Aに対して予告信号を送信する。
【0030】
(2)遊技装置
遊技装置1は、図7のごとく、大型の液晶ディスプレイよりなる表示部13を備える装置である。表示部13がなす表示エリア130の左側には、表示データを切り替える各種のデータ切替ボタン141、呼出ボタン145が配置されている。遊技装置1の上側の外周には、表示エリア130の上部を取り囲むようにランプ部12が配設されている。
【0031】
表示部13は、遊技に関する遊技情報を表示するデータ表示手段としての機能と、演出用の画像を表示する演出手段としての機能と、を併せ持っている。データ表示手段としての表示部13は、例えば、図7の通常画面を表示する。通常画面は、ボーナス状態や最も有利なPB(AT状態)等に関する各種の遊技データの表示を含む画面である。
【0032】
通常画面には、合計ボーナス回数表示欄130Aが大きく表示され、合計ボーナス回数表示欄130Aの左方及び下方を取り巻くL字状の領域に、ボーナス間ゲーム数表示欄130B、累計ゲーム数表示欄130C、累計獲得枚数表示欄130D、最高獲得枚数表示欄130E、グラフ表示欄130Fが配置されている。ボーナス回数表示欄130Aは、BB回数とRB回数の合計ボーナス回数の表示欄である。この合計ボーナス回数表示欄130Aには、本日、前営業日、2日前の営業日の合計ボーナス回数が表示されると共に、当日のPBの発生回数及びPBでの獲得枚数が表示される。なお、PBの発生回数が2回以上の場合には、平均の獲得枚数が表示される。
【0033】
ボーナス間ゲーム数表示欄130Bは、ボーナス(BB状態、RB状態)が終了した後(ボーナスが未発生の場合は当日の営業開始後)のゲーム数の表示欄である。累計ゲーム数表示欄130Cは、当日の累計ゲーム数の表示欄である。累計獲得枚数表示欄130Dは、当日の累計獲得枚数の表示欄である。最高獲得枚数表示欄130Eは、対応するスロットマシン5での獲得枚数の最高値の表示欄である。グラフ表示欄130Fは、過去7回分のPB(AT状態)の発生履歴を表す棒グラフの表示欄である。
【0034】
なお、遊技装置1では、データ切替ボタン141の操作に応じて、BB状態の履歴情報やPBの履歴情報などの過去の遊技情報を、通常画面から切り替えて表示エリア130(表示部13)に表示可能である。切り替えた表示エリア130にはボーナス間G数同様にPB発生後からのゲーム数、営業日単位のPB発生回数や平均獲得枚数、或いはPB単位の獲得枚数等のPBの発生状況を示す情報を表示可能とする。
【0035】
演出手段としての表示部13は、対応するスロットマシン(遊技機)5でPB確定によりAT状態が発生する旨を表す報知演出(当り演出)や、同じ装置グループに属する他の遊技装置1と連動する連動予告演出等を実行可能である。当り演出は、対応するスロットマシン5によるPB(AT状態)の報知演出(当選報知演出)と連動して実行される演出である。連動予告演出は、同じ装置グループに属する他の遊技装置1に対応するスロットマシン5で発生するPB(AT状態)を予告するための演出であり、同じ装置グループに属する遊技装置1が連動して実行する。なお、演出手段としての表示部13による演出の内容については、図16を参照して後で詳しく説明する。
【0036】
遊技装置1は、図8のごとく、制御部11を中心として電気的に構成されている。制御部11は、ソフトウェアを実行して各種演算を実施するCPU111、メモリ手段としてのROM112、RAM114、信号の送受信を行うI/O部115を含んでいる。制御部11に対しては、ランプ部12、表示部13、各種ボタン141・145、等が電気的に接続されている。
【0037】
I/O部115は、スロットマシン5の遊技信号を中継器42経由で受信する手段としての機能や、同じ装置グループの他の遊技装置1と直接、情報を送受する手段としての機能、などを備えている。遊技装置1が中継器42経由でスロットマシン5から取り込む遊技信号としては、(a)アウト信号、(b)セーフ信号、(c)AT信号、(d)BB信号、RB信号、(e)予告信号、等がある。他の遊技装置1との間で直接、送受する情報としては、連動予告演出のための連動情報(条件成立情報)等がある。また、遊技装置1は、中継器42を経由して貸出装置43から売上信号等を取得可能である。売上信号は、メダル貸出の対価として消費された貨幣価値を示す信号である。
【0038】
制御部11は、ソフトウェアをCPU111に実行させることで、以下の各手段としての機能を実現する。
(a)ゲーム数特定手段:累計ゲーム数やPB間ゲーム数やレア役当選後のゲーム数など、対応するスロットマシン5で実行されたゲーム数を特定する手段。
(b)発生特定手段:AT信号、BB信号、RB信号に基づき、遊技状態の発生を特定する手段。
(c)連動情報送信手段:いずれかの遊技装置1により対応するスロットマシン5の予告信号が受信された場合に、当該予告信号を受信した遊技装置1である成立装置1A以外の他の遊技装置1に向けて所定の連動情報を送信する手段。なお、対応するスロットマシン5の予告信号の受信は、予め設定される演出条件の一例である。そして、連動情報は、成立装置1Aが、複数の遊技装置1に対して送信する共通の条件成立情報の一例である。連動情報送信手段は、予め設定される演出条件が成立した場合に、複数の遊技装置1に対して共通の連動情報(条件成立情報)を送信する。
(d)演出候補管理手段:演出決定手段(後述)により決定される演出(本例では第2演出)を対象として、演出の実行中に順番に現れる複数の演出ステージのうち、いずれの演出ステージを通過できるかの当落に応じた演出候補を複数管理する手段。
(e)演出決定手段:遊技装置1の端末情報(本例では遊技機の台番)と受信した連動情報(条件成立情報)とに基づいて、演出を決定する手段。演出決定手段は、連動情報に基づく演出決定情報により後述する当選条件のうちのいずれが成立するかによって、複数の演出候補のうちのいずれかを実行対象となる演出として選択的に決定する。演出決定情報は、1〜99の自然数のうちのいずれかを返すランダム関数の戻り値である。特に本例で採用するランダム関数は、種数値(ランダム関数の引数)が同じであれば、演算の主体や実行時点等に関わらず、必ず同じ戻り値を返すという特性を有する関数である。
(f)当選条件設定手段:遊技装置1の端末情報(本例では遊技機の台番)と連動情報(条件成立情報)とにより特定可能な演出決定情報(ランダム関数の戻り値)と比較することで成立の有無を特定可能な当選条件を、演出候補に対応付けて設定する手段。当選条件は、演出決定状態であるランダム関数の戻り値の範囲を演出候補毎に区分した数値的な範囲に、戻り値が属するか否かという条件である。
(g)端末情報記憶手段:連動情報(条件成立情報)の送信対象となる遊技装置単位で端末情報である台番を記憶する手段。
(h)基準値記憶手段:当落の少なくとも一方を対象として各演出ステージ(第2演出)に設けられた遊技装置数の基準値を記憶する手段。
(i)演出特定手段:受信した連動情報(条件成立情報)と他の遊技装置1の端末情報とにより特定可能な演出決定情報(ランダム関数の戻り値、他演出決定情報)と当選条件とを比較することで、連動情報(条件成立情報)の送信対象となる他の遊技装置単位で、前記演出決定手段により決定される演出を特定する手段。
(j)当選条件変更手段:第2演出の実行中に順番に現れる演出ステージ単位で、前記演出決定手段により決定される演出により当落の少なくとも一方となる遊技装置数と基準値とを比較した結果により所定の基準条件が満たされない場合に、演出ステージの当選条件を変更する手段。
(k)計時手段:時間を計測する手段。計時手段は、少なくとも同じ装置グループに属する他の遊技装置1と同期して時刻を計時する。
【0039】
ROM112の記憶領域には、第2演出の各演出ステージの当選条件や、各演出ステージの当落の遊技装置数に関する基準値や、スロットマシン5で実行される演出に関する規定値などが記録されている。スロットマシン5の規定値としては、例えばレア役の内部当選後、当選報知演出が発生するまでの経過時間である前記所定期間(本例では70秒)等がある。この所定期間は、遊技装置1においては、連動演出期間として管理され、上記したスロットマシン5における演出手段により管理される所定期間(本例では70秒)に対応した期間となる。なお、フラッシュROMなど書換可能な記憶素子の記憶領域に当選条件や基準値や設定値などを記録しておくことも良い。この場合には、仕様変更への対応が容易になる。
【0040】
RAM114の記憶領域には、対応するスロットマシン5の遊技情報である各種の遊技データを記憶するデータ記憶エリアが形成されている。遊技データには、PBとしてのAT状態の発生状況に関する特別情報の一例であるPB情報(AT情報)が含まれている。遊技装置1は、スロットマシン5の遊技に関する各種の遊技データを生成し、データ記憶エリアに格納する。なお、遊技装置1は、アウト信号をゲーム信号として取り扱い、ベット数に当たる回数分、アウト信号を受信したときにゲームの実行を検知する。
【0041】
(3)遊技場用システムの全体動作
遊技場用システム1Sの動作につき、(3.1)スロットマシン5の動作、(3.2)遊技装置1の動作、(3.3)連動予告演出、に分けて順番に説明する。なお、以下の説明では、レア役の内部当選により特典(PBとしてのAT状態)を与えるための条件が成立したスロットマシン5に対応する(即ち、スロットマシン5から予告信号を受信した)遊技装置1を成立装置1Aという。また、成立装置1Aが属する装置グループのうちの他の遊技装置1を未当選装置1Hという。
【0042】
(3.1)スロットマシンの動作
スロットマシン5の動作につき、(3.1.1)ゲーム進行に関する基本動作、(3.1.2)PB確定(AT状態の確定)に応じた当り制御、(3.1.3)AT状態の概要、に分けて説明する。
(3.1.1)基本動作
スロットマシン5の基本動作について、図9のフロー図を参照しながら説明する。スロットマシン5では、メダル投入口530にメダルが投入されるか、あるいはベットボタン54の操作により、規定数のメダルがゲームに賭けられたとき(S101:YES)、ゲームを開始できる状態になる。この状態でスタートレバー521が操作されると(S102:YES)、内部抽選が実行され(S103)、各リール52による図柄変動が開始される。
【0043】
スタートレバー521の有効な操作に応じた内部抽選では、上記のごとく、0〜65535の範囲から抽出された乱数が各役の当選乱数が規定された内部抽選テーブルと照合されて内部当選役が決定される。このとき、レア役が内部当選していれば(S104:YES)、スロットマシン5は、プレミアムボーナス(PB)としてのAT状態が確定した旨の予告信号を出力する(S105)。なお、レア役の内部当選を契機とする当り制御の内容は、図10を参照して後述する。
【0044】
ストップボタン522が操作された場合、対応するリール52を停止させる制御が実行される(S106)。何れかの役の内部当選フラグが成立しており、かつ、ストップボタン522の操作タイミングを基準とした所定の引込範囲内にその役に対応する図柄520が存在していれば、いわゆる引込制御(すべり制御)を含むリール停止制御により、その図柄520が停止表示される。なお、上記のごとく、PB(AT状態)の契機役であるレア役については、入賞図柄が設定されていない。そのため、レア役が内部当選した場合には、内部抽選でハズレの場合と同様、ハズレ図柄を停止させるためのリール停止制御が実行される。
【0045】
全てのリール52の停止に応じてゲームが終了し、図柄表示窓51に設定された入賞ライン511〜514に沿って、何れかの役の入賞図柄が揃っていれば、その役の入賞となる。スロットマシン5は、いずれかの役が入賞した場合(S107:YES)、メダルの払出等の特典を遊技者に付与する(S108)。なお、BB役が入賞の場合の特典はBB状態の発生であり、RB状態が入賞の場合の特典はRB状態(RBゲーム)の発生である。なお、入賞図柄が設定されていないレア役が契機のPB(AT状態)は、レア役の入賞に依らず、その内部当選によって確定する。
【0046】
(3.1.2)PB確定に応じた当り制御
スロットマシン5の遊技中にレア役が内部当選した場合、PBとしてのAT状態が直ちに発生する訳ではない。レア役の内部当選後、スロットマシン5は当り制御を実行する。この当り制御により、レア役の内部当選後、所定期間が経過したときに当選報知演出が実行され、所定のゲーム数の消化に応じてPBとしてのAT状態が開始される。
【0047】
なお、本例では、所定のゲーム数として20ゲームが設定されている。1ゲームの消化時間は最短4秒程度であるので、所定のゲーム数の消化には最短で80秒程度を要する。一方、PBが確定した旨(AT状態が確定した旨)を表す当選報知演出の実行タイミングである前記所定期間としては70秒が設定されている。このような所定期間の設定により、当選報知演出は、必ず、AT状態の開始前に実行できる。
【0048】
PBとしてのAT状態の発生に至る当り制御の内容について、図10を参照して説明する。当り制御は、図9中のステップS103の内部抽選によってレア役が内部当選し、PB(AT状態)が確定した場合に実行される(S201:YES)。
【0049】
上記のごとく、レア役が内部当選した場合、スロットマシン5は、PB(AT状態)確定という当りが発生した旨を表す予告信号を出力する(S202)。スロットマシン5は、予告信号を出力した時点(当り発生時刻)を起点として経過時間の計測を開始すると共に、レア役の内部当選ゲーム後に実行された消化ゲーム数の計数を開始する。
【0050】
スロットマシン5は、上記の経過時間が所定期間(本例では70秒)に到達したとき(S203:YES)、PB(AT状態)が確定した旨を表す当選報知演出を実行する(S204)。そして、当選報知演出の終了後、上記の消化ゲーム数が所定ゲーム数(本例では20ゲーム)に到達するまでの間(S206:NO)、AT状態の開始を告知する告知演出を継続的に実行する(S205)。
【0051】
スロットマシン5は、予告信号を出力した後の消化ゲーム数が所定ゲーム数(本例では20ゲーム)に到達すると(S206:YES)、プレミアムボーナス(PB)としてのAT状態をスタートさせる(S207)。
(3.1.3)AT状態の概要
AT状態で実行されるゲーム数であるATゲーム数は、レア役の内部当選時に実行されるAT抽選により決定される。このAT抽選で決定されるATゲーム数は、高設定(モード6)ほど多く、50〜100ゲーム程度である。
【0052】
AT状態の継続中(AT中)では、5枚役Aが他の5枚役と同時当選したゲームでAT報知が実行される。AT報知は、液晶表示部56による表示演出によって実行される。上記のごとく、AT報知は、中リール52Cのベル図柄を中段で停止させることで3本の入賞ライン511〜513上で5枚役Aをマルチ入賞させ、これにより15枚の払出を得るためのストップボタン522の押し順の報知である。遊技者が、報知された押し順通りにストップボタン522を操作すれば、中リール52Cのベル図柄が中段に停止して5枚役Aが入賞し、15枚のメダルを獲得できる。一方、報知通りの操作がされないと、5枚役Aのマルチ入賞が不可能となり、15枚のメダルを獲得できなくなる。
【0053】
AT中の各ゲームでは、所謂上乗せ抽選が実行される。上乗せ抽選に当選すれば、ATゲーム数が増加する。上乗せ抽選の当選確率は2〜3%程度である。また上乗せ抽選に当選したときに、ATゲーム数に上乗せされるゲーム数は5G、10G、20Gのいずれかである。AT状態は平均で100G継続するが、モードの値が大きくなるほど継続ゲーム数が多くなる傾向にある。なお、PBであるAT状態では、平均2500枚の出玉を期待できる。
【0054】
(3.2)遊技装置の動作(連動予告演出開始まで)
説明対象の遊技装置1には、PB(AT状態)が確定したスロットマシン5に対応する成立装置1Aと、同じ装置グループに属する他の遊技装置である未当選装置1Hと、がある。成立装置1Aが属する装置グループの各遊技装置1は、AT状態を報知するための連動予告演出を実行する。詳しくは後述するが、この連動予告演出は、第1演出と第2演出とに区分されている。第1演出は、成立装置1Aから未当選装置1Hかによらず各遊技装置1で共通の演出である。第2演出は、第1ステージから第3ステージの演出ステージを含む演出であり、どの演出ステージまで到達できるかが各遊技装置1で異なる演出である。
【0055】
成立装置1Aは、第1ステージから第3ステージまで全ての演出ステージで当選する一方、未当選装置1Hは、第1ステージから第3ステージのうちのいずれかの演出ステージでハズレとなって脱落する。未当選装置1Hによる第2演出の候補としては、第1ステージでハズレとなる1回戦敗退演出、第2ステージでハズレとなる2回戦敗退演出、及び第3ステージでハズレとなる決勝進出演出、がある。以下、(3.2.1)成立装置の動作、(3.2.2)未当選装置の動作、について説明する。
【0056】
(3.2.1)成立装置の動作(連動予告演出まで)
成立装置1Aの動作について、図11のフロー図を参照して説明する。成立装置1Aは、対応するスロットマシン5から予告信号を受信した遊技装置1である。遊技装置1は、対応するスロットマシン5から予告信号を受信するか、装置グループ内のいずれかの遊技装置1から連動情報を受信するまでの間、対応するスロットマシン5に関する遊技データ等を表示する通常動作を実行する(S301:NO)。遊技装置1は、対応するスロットマシン5から予告信号を受信すると(S301:YES)、成立装置1Aとしての遊技装置1になる。成立装置1Aは、予告信号を受信した時刻を当り発生時刻として記憶すると共に、同じ装置グループ内の他の遊技装置1である未当選装置1Hに対して連動情報を送信する(S302)。
【0057】
なお、上記のごとく、スロットマシン5が記憶する当り発生時刻は、対応する遊技装置1である成立装置1Aに対して予告信号を出力した時点の時刻である。一方、成立装置1Aが記憶する当り発生時刻は、予告信号を受信した時点の時刻である。スロットマシン5によって出力された予告信号は、無視し得る程度の遅延をもって直ちに成立装置1Aによって受信される。そのため、スロットマシン5が記憶する当り発生時刻と、成立装置1Aが記憶する当り発生時刻とは、制御上、同時として取り扱い可能である。
【0058】
成立装置1Aが送信する連動情報は、成立装置1Aの端末情報と、上記当り発生時刻と、を特定可能な情報である。当り発生時刻は、上記の演出決定手段、演出特定手段が利用するランダム関数の引き数(入力値)である種数値の一部となる。なお、本例では、対応するスロットマシン5の識別情報である台番を、成立装置1Aを含む遊技装置1の端末情報として利用している。
【0059】
成立装置1Aは、連動情報を送信した後、連動開始時刻になるまで待機する(S303)。本例の連動開始時刻は、当り発生時刻を基準として10秒の遅延時間が経過した時刻である。なお、成立装置1Aは、連動情報を送信した後、同じ装置グループに属する他の遊技装置(未当選装置1H)1が実行する第2演出の種類を特定する処理を実行する。この処理は、未当選装置1Hがそれぞれ実行する処理と同様である。この処理の内容については、次項の(3.2.2)未当選装置の動作、において説明する。
【0060】
(3.2.2)未当選装置の動作(連動予告演出まで)
成立装置1Aと同じ装置グループに属する他の遊技装置1である未当選装置1Hが連動情報を受信した後、連動予告演出を開始するまでの動作について、図12のフロー図を参照して説明する。同図のフロー図は、各未当選装置1Hが、それぞれ並行して実行する処理の流れである。
【0061】
遊技装置1は、対応するスロットマシン5から予告信号を受信するか、装置グループ内のいずれかの遊技装置1(成立装置1A)から連動情報を受信するまでの間、対応するスロットマシン5に関する遊技データ等を表示する通常動作を実行する(S401:NO)。
【0062】
遊技装置1は、成立装置1Aから連動情報を受信すると(S401:YES)、未当選装置1Hとしての遊技装置1になる。未当選装置1Hは、まず、自身が属する装置グループの各未当選装置1Hについて、第2演出の種類を抽選により特定する(S402)。ここで、連動情報には、成立装置1Aの端末情報が含まれている。そのため、未当選装置1Hは、成立装置1Aの端末情報(台番)を特定できる。さらに各遊技装置1は、装置グループ内の遊技装置1の端末情報(台番)を全て記憶しているので、同じ装置グループ内の各未当選装置1Hの端末情報(台番)を特定可能である。
【0063】
成立装置1Aは、連動情報により特定される当り発生時刻と、抽選対象の未当選装置1Hの端末情報(遊技機の台番)と、を組み合わせて種数値を生成して上記ランダム関数に入力し、1〜99の自然数のうちのいずれかの戻り値(演出決定情報、他演出決定情報)を得る。例えば、当り発生時刻が9時32分の場合、抽選対象の未当選装置1Hが1番台であれば、端末情報である001に、当り発生時刻を表す0932を組み合わせて、種数値が0010932となる。
【0064】
ここで、本例で上記の演出決定手段、演出特定手段が利用するランダム関数は、上記のごとく、種数値が同じであれば、演算主体や演算のタイミングによらず、必ず同じ戻り値を返すという特性を備えている。それ故、未当選装置1Hは、上記のステップS402において、同じ装置グループ内の他の未当選装置1Hがランダム関数を利用して取得する戻り値(他演出決定情報)を特定可能である。
【0065】
未当選装置1Hは、自身が取得する戻り値(演出決定情報)の区分、及び同じ装置グループ内の他の未当選装置1Hが取得する戻り値(他演出決定情報)の区分により、自身が属する装置グループの各未当選装置1Hの第2演出の種類を暫定的に特定する。第2演出の各演出ステージの当選条件の一例をなす戻り値の区分としては、1〜33の第1の区分、34〜66の第2の区分、及び67〜99の第3の区分がある。
【0066】
第1の区分は、第2演出のうちの第1ステージでハズレとなる上記の1回戦敗退演出の当選条件に当たる区分である。第2の区分は、第2演出のうちの第2ステージでハズレとなる上記の2回戦敗退演出の当選条件に当たる区分である。第3の区分は、第2演出のうちの第3ステージでハズレとなる上記の決勝進出演出の当選条件に当たる区分である。例えば、戻り値が43である未当選装置1Hについては、第2演出として2回戦敗退演出が暫定的に特定される。
【0067】
各未当選装置1Hは、成立装置1Aを含めて同じ装置グループ内の各遊技装置1の各演出ステージでの当落が所定の基準条件を満たしているか否かを判断する(S403)。所定の基準条件は、各演出ステージで脱落する遊技装置1が1台以上であって、かつ、第3ステージまでに成立装置1Aを残して全ての未当選装置1Hがハズレとなるという条件である。この基準条件が満たされるよう、各演出ステージでは、当落に関する基準値が設定されている。第1ステージについては、ハズレが1台以上であって、かつ、当選する未当選装置1Hが2台以上(第2ステージ以降の2ステージで1台以上のハズレを確保するため)という基準値が設定されている。第2ステージについては、ハズレが1台以上であって、かつ、当選する未当選装置1Hが1台以上という基準値が設定されている。第3ステージについては、ハズレが1台以上であって、かつ、当選する未当選装置1Hがゼロ台という基準値が設定されている。
【0068】
このステップS403において、装置グループ内の未当選装置1Hの各演出ステージでの当落が所定の基準条件を満たしている場合には(S403:YES)、各未当選装置1Hは、そのまま、各未当選装置1Hの第2演出の種類を特定する(S404)。一方、各未当選装置1Hの各演出ステージでの当落が所定の基準条件を満たしていない場合には(S403:NO)、各未当選装置1Hは、所定の基準条件が満たされるよう、上記のランダム関数の戻り値に関する区分、すなわち当選条件を変更した上で(S414)、各未当選装置1Hの第2演出の種類を特定する(S404)。その後、未当選装置1Hは、連動開始時刻になるまで待機状態となる(S405)。なお、連動開始時刻は、成立装置1Aと同様、当り発生時刻を基準として10秒の遅延時間が経過した時刻である。
【0069】
ここで、第2演出の各演出ステージの当選条件の変更方法について、図13及び図14を参照して説明する。図13は、上記のステップS402により、第1ステージでハズレとなる未当選装置1Hが暫定的にゼロ台となった場合の例である。図14は、上記のステップS402により、第2ステージまでに全ての未当選装置1Hがハズレとなってしまい、第3ステージに進出する未当選装置1Hが暫定的にゼロ台となった場合の例である。
【0070】
図13及び図14において、横並びの8マスは装置グループを例示し、各マスがこの装置グループに属する遊技装置1を表している。同図(a)は、初期設定の当選条件によって決定された第2演出の種類を示し、同図(b)は、修正された当選条件によって決定された第2演出の種類を示している。
【0071】
図13(a)(b)における上段の8マスには、演出決定情報・他演出決定情報であるランダム関数の戻り値が示されている。下段の8マスには、中段に示す当選条件を適用して決定された第2演出の種類が丸囲み数字によって示されている。中段の当選条件および下段の8マスに記入された丸囲み数字は、第2演出の演出候補を示している。例えば、丸囲み1は、第1ステージでハズレとなる1回戦敗退演出を表している。丸囲み2は、第2ステージでハズレとなる2回戦敗退演出を表している。丸囲み3は、第3ステージでハズレとなる決勝進出演出を表している。
【0072】
図13(a)の例では、1〜33の戻り値の区分が1回戦敗退演出に対応し、34〜66の戻り値の区分が2回戦敗退に対応し、67〜99の戻り値の区分が決勝進出演出に対応するという初期設定の当選条件を適用したとき、第1ステージでハズレとなる未当選装置1Hが暫定的にゼロ台となっている。この場合、同図(b)のごとく、1回戦敗退演出の未当選装置1Hを1台確保できるよう、1回戦敗退演出に対応する戻り値の区分が1〜35に拡大される。このように当選条件を変更すれば、下段の8マスの通り、戻り値(演出決定情報)が最も小さい1番台が実行する第2演出の種類を、2回戦敗退演出から1回戦敗退演出に変更できる。
【0073】
図14(a)の例では、第2ステージで当選して第3ステージに進出する未当選装置1Hがゼロ台であり、基準値である1台に満たない。この場合、同図(b)のごとく、決勝進出演出の未当選装置1Hを1台確保できるよう、決勝進出演出に対応する戻り値の区分が61〜99に拡大される。このように当選条件を変更すれば、下段の8マスの通り、戻り値(演出決定情報)が最も大きい7番台が実行する第2演出の種類を、2回戦敗退演出から決勝進出演出に変更できる。
【0074】
なお、未当選装置1Hが実行する上記のステップS403〜S404に至る処理は、各演出ステージでの当落の基準値や当選条件の変更ルール等を含め、同じ装置グループに属する他の未当選装置1Hによる処理と違いがなく全く同一である。各未当選装置1Hは、装置グループに属する各未当選装置1Hが実行する予定の第2演出の種類について、全く同じ結果を得る。成立装置1Aもまた、連動情報を送信した後(図11中のステップS302)、未当選装置1Hによるステップ403〜S404に至る処理と同じ処理を実行する。それ故、成立装置1Aを含めて装置グループに属する全ての遊技装置1は、各遊技装置1が実行する予定の第2演出の種類について、全く同じ結果を得る。
【0075】
このように本例の構成では、同じ装置グループに属する全ての遊技装置1の間で、各遊技装置1が実行する第2演出の種類が同様に特定されている。つまり、同じ装置グループに属する各遊技装置1は、第2演出下の各演出ステージにおいて、いずれの遊技装置1が当選し、いずれがハズレとなるか、第3ステージで当選する成立装置1Aがどの遊技装置1であるか、等を共通して把握している。
【0076】
(3.3)連動予告演出
いずれかの遊技装置1に対応するスロットマシン5でレア役が内部当選し、PBとしてのAT状態が確定した際、同じ装置グループに属する各遊技装置1が実行する連動予告演出の内容について、図15図17を参照して説明する。なお、同じ装置グループに属する各スロットマシン5のうち、成立装置1A以外の未当選装置1Hについては、第2演出下の各演出ステージでの当落が特定されている。一方、成立装置1Aについては、第2演出下の全ての演出ステージでの当選が確定している。
【0077】
いずれかのスロットマシン5でレア役の内部当選による当りが発生した場合、装置グループの各遊技装置1は、連動開始時刻になったとき(S501:YES)、一斉に第1演出を開始する(S502)。なお、連動開始時刻は、当り発生時刻を基準として10秒の遅延時間が経過した時刻である。
【0078】
第1演出は、装置グループの全ての遊技装置1について共通の演出であり、同期して実行される。この第1演出は、連動予告演出の発生を報知する演出であり、カウントダウン表示を含んでいる。成立装置1Aであるか未当選装置1Hであるかに依らず遊技装置1は、カウントダウン表示がゼロに達して第1演出が終了すると、第1ステージから第3ステージの演出ステージを含む第2演出を開始する(S503)。なお、各遊技装置1における第1演出の実行時間は同じである。それ故、各遊技装置1では、最終画面131(図16)の表示により第1演出が同時に終了し、第2演出が同時に開始される。なお、最終画面131は、ヒーローと怪獣とのバトル演出である第2演出の開始を示唆する静止画である。
【0079】
各遊技装置1は、第2演出の開始に応じて、まず、第1ステージの開始を宣言する第1ステージ開始画面(図示略)を表示し、続いて、第1ステージの通過期待度を報知する通過期待度表示画面132(図16)を表示する(S504)。この通過期待度表示画面132には、装置グループの遊技装置1の台数を分母とし、当選する遊技装置数(成立装置1Aを含む)を分子とする分数が表示される。この通過期待度表示画面132は、第1ステージで当選候補となるスロットマシン5の台数のうち、何台が第1ステージを通過でき、何台が脱落するか、の当落情報を遊技者に報知する画面である。続いて、各遊技装置1は、上記のように特定された演出候補となる動画を表示することで図示しないバトル演出とカウントダウン表示とを交互に実行する(S505)。バトル演出は、ヒーローが怪獣と戦う動画であり、各演出候補となる動画の一部である。各遊技装置1は自身の各ステージの当落結果に応じて決定される演出候補となる動画に他の遊技装置の各ステージ当落結果を反映させて表示することで、以下のような一連の処理を行う。
【0080】
遊技装置1は、第1ステージでの自身の当落が当選の場合(S506:YES)、すなわち、自身が成立装置1Aであるか、あるいは2回戦敗退演出か決勝進出演出が第2演出として特定されている場合、遊技装置1は、第1ステージのカウントダウン表示がゼロに達したとき、第1ステージ当選画面133A(図16)を表示する(S507)。一方、ハズレの場合(S506:NO)、遊技装置1は、第1ステージ脱落画面133B(図16)を表示する(S551)。第1ステージ脱落画面133Bは、その後、白黒の静止画像よりなるハズレ確定画面139に切り替わる。このハズレ確定画面139は、当り発生時刻からの経過時間が連動演出期間(本例では70秒)に達するまで(S552:NO)、継続的に表示される(S552:NO→S551)。
【0081】
遊技装置1は、自身が第1ステージに当選している場合(S506:YES)、第1ステージ当選画面133A(図16)による当選表示(S507)の後、第2ステージに移行し、まず、第2ステージの開始を宣言する第2ステージ開始画面(図示略)を表示する。そして、第2ステージの通過期待度を報知する通過期待度表示画面134(図16)を表示する(S508)。この通過期待度表示画面134は、第2ステージで当選候補となるスロットマシン5の台数のうち、何台が第2ステージを通過でき、何台が脱落するか、の当落情報を遊技者に報知する画面である。なお、このとき、第1ステージで脱落した遊技装置1は上記のハズレ確定画面139を表示している状態にある。
【0082】
第2ステージに進出した各遊技装置1は、通過期待度表示画面134(図16)の表示の後、バトル演出とカウントダウン表示とを交互に実行する(S509)。第2ステージに進出した各遊技装置1は、第2ステージにおける自身の当落が当選の場合(S510:YES)、すなわち、自身の遊技装置1が成立装置1Aであるか、あるいは決勝進出演出が第2演出として決定されている場合、遊技装置1は、第2ステージのカウントダウン表示がゼロに達したとき、第2ステージ当選画面135A(図16)を表示する(S511)。一方、ハズレの場合(S510:NO)、遊技装置1は、第2ステージ脱落画面135B(図16)を表示する(S551)。この第2ステージ脱落画面135Bは、その後、白黒の静止画像よりなるハズレ確定画面139に切り替わる。このハズレ確定画面139は、第1ステージ脱落後に表示されるハズレ確定画面139と同じ画面である。ハズレ確定画面139は、第1ステージ脱落に由来するか、第2ステージ脱落に由来するか、に関わらず、当り発生時刻からの経過時間が連動演出期間(本例では70秒)に達するまで(S552:NO)、継続的に表示される(S552:NO→S551)。
【0083】
遊技装置1は、自身が第2ステージに当選している場合(S510:YES)、第2ステージ当選画面135A(図16)による当選表示(S511)の後、第3ステージに移行し、まず、第3ステージの開始を宣言する第3ステージ開始画面(図示略)を表示する。そして、第3ステージの通過期待度を報知する通過期待度表示画面136(図16)を表示する(S512)。この通過期待度表示画面136は、第3ステージで当選候補となるスロットマシン5の台数のうち、何台が第3ステージを通過でき、何台が脱落するか、の当落情報を遊技者に報知する画面である。なお、このとき、第2ステージまでに脱落済みの遊技装置1は上記のハズレ確定画面139を表示している状態にある。
【0084】
第3ステージに進出した各遊技装置1は、通過期待度表示画面136の表示の後、バトル演出とカウントダウン表示とを交互に実行する(S513)。第3ステージに進出した各遊技装置1は、自身が第3ステージに当選している場合(S514:YES)、すなわち、自身の遊技装置が成立装置1Aである場合、遊技装置1は、第3ステージ当選画面137A(図16)を表示し(S515)、当り発生時刻からの経過時間が連動演出期間(本例では70秒)に達するまで(S516:NO)、第3ステージ当選画面137Aの表示を継続する(S516:NO→S515)。
【0085】
一方、成立装置1Aではなく未当選装1Hの場合(S514:NO)、その未当選装置1Hである遊技装置1は、第3ステージ脱落画面137B(図16)を表示する(S551)。この第3ステージ脱落画面137Bは、当り発生時刻からの経過時間が連動演出期間(本例では70秒)に達するまで(S552:NO)、継続的に表示される(S552:NO→S551)。なお、第1ステージ及び第2ステージでハズレとなった場合と同様、第3ステージ脱落画面137Bをハズレ確定画面139に切り替えることも良い。
【0086】
第3ステージ当選画面137A(図16)の表示により成立装置1Aが確定した後の処理の内容は、成立装置1Aか未当選装置1Hかで異なる。成立装置1Aは、上記のステップS515での第3ステージ当選画面137Aの表示に続いて、ステップS516〜S520の処理を実行する。一方、未当選装置1Hは、上記のステップS551のハズレ表示に続いて、ステップS552〜S554の処理を実行する。
【0087】
成立装置1Aは、当り発生時刻からの経過時間が70秒(連動演出期間)に到達すると(S516:YES)、スロットマシン5による上記のステップS204の当選報知演出と連動する当り演出138Aを開始する(S517)。この当り演出138Aは、スロットマシン5による当選報知演出と同じ時間に亘って実行され、スロットマシン5と同様、告知演出に切り替わる。この告知演出は、対応するスロットマシン5からAT信号を入力するまで継続される(S518:NO→S517)。AT信号を入力すると(S518:YES)、成立装置1Aは、AT中に対応するAT中表示に切り替わる(S519)。このAT中表示は、その後、AT信号の入力状態から停止状態に切り替わるまで継続され(S520:NO→S519)、AT信号の入力停止に応じて(S520:YES)、成立装置1Aは、通常画面を表示する状態に戻る。
【0088】
一方、未当選装置1Hは、当り発生時刻からの経過時間が70秒(連続演出期間)に到達すると(S552:YES)、成立装置1Aによる当り演出と連動する連動当り演出138Bを開始する(S553)。未当選装置1Hは、所定の演出時間が経過するまで(S554:NO)、この連動当り演出138Bを継続し、所定の演出時間の経過に応じて(S554:YES)、通常画面を表示する状態に戻る。
【0089】
装置グループのいずれかのスロットマシン5でレア役の内部当選が発生し、プレミアムボーナス(PB)としてのAT状態が確定したときの各遊技装置1の動作は、図17のようになる。同図は、各遊技装置1について、図14のように第2演出の種類が決定された場合の例である。同図中の最上段のチャートは、PBが確定した3番台のスロットマシン5の動作の流れを示している。上から2段目のチャートは、成立装置1Aである3番台の遊技装置1の動作の流れを示している。上から3段目以降のチャートは、成立装置1A以外の他の遊技装置1である未当選装置1Hの動作の流れを示すチャートである。
【0090】
PB(AT状態)が確定したスロットマシン5(3番台)の動作を示す図17中の最上段のチャートは、図10のフロー図に対応するチャートである。スロットマシン5は、レア役の内部当選に応じた当り発生時刻の後、所定期間である70秒が経過すると、PB(AT状態)確定を報知するための当選報知演出を所定の演出時間(例えば10秒)に亘って実行する。当選報知演出が終了すると、スロットマシン5は、AT状態が開始される旨を告知する告知演出を開始する。そして、レア役が内部当選した後、所定ゲーム数である20ゲームが消化されたとき、スロットマシン5は、AT状態を発生させる。
【0091】
成立装置1Aであるか未当選装置1Hであるかに関わらず、装置グループの各遊技装置1は、予め定められた10秒の遅延時間が経過して連動開始時刻になると、第1演出を開始する。この第1演出の実行期間は、始期及び終期が各遊技装置1で一致している。また、第1演出の内容は、装置グループの各遊技装置1で共通である。
【0092】
一方、第2演出の内容は、成立装置1Aであるか未当選装置1Hであるか、によって異なっている。さらに、未当選装置1Hの中でも、第2演出として決定された演出の種類毎に内容が異なっている。遊技場用システム1Sでは、同じ装置グループに属する各遊技装置1が、前記演出決定手段により決定された演出を各々実行する。これにより遊技場用システム1Sでは、同じ装置グループに属する複数の遊技装置1による連動演出が実行される。各未当選装置1Hの演出決定手段は、受信した連動情報(条件成立情報)に基づく演出決定情報(ランダム関数の戻り値)により当選条件(図13図14参照。)のうちのいずれが成立するかによって、複数の演出候補(1回戦敗退演出、2回戦敗退演出、決勝進出演出)のうちのいずれかを、実行対象となる演出として決定する
【0093】
成立装置1A(3番台)による第2演出は、図17のごとく、第1〜第3ステージを全て当選して通過し、最後に第3ステージ当選画面137A(図16参照。)が表示される演出である。未当選装置1Hのうち、第2演出として上記の1回戦敗退演出が決定された1番台、5番台、6番台、8番台の未当選装置1Hは、第1ステージのみの第2演出を実行し、第2及び第3ステージに対応する期間では静止画像であるハズレ確定画面139(図16参照。)を表示する。第2演出として上記の2回戦敗退演出が決定された2番台、4番台の未当選装置1Hは、第2ステージまでの第2演出を実行し、第3ステージに対応する期間では静止画像であるハズレ確定画面139を表示する。また、第2演出として決勝進出演出が決定された7番台の未当選装置1Hは、成立装置1Aと同様、第3ステージまでの第2演出を実行し、第3ステージ脱落画面137B(図16参照。)の表示をもって第2演出を終了する。
【0094】
成立装置1Aであるか未当選装置1Hであるかに関わらず、同じ装置グループの各遊技装置1による第2演出は、レア役の内部当選に応じた当り発生時刻の後、連動演出期間(本例では70秒)が経過すると終了する。この連動演出期間は、スロットマシン5が当り発生時刻の後、PB確定を表す当選報知演出を実行するまでの所定時間に対応(本例では一致)する期間である。それ故、各遊技装置1は、第2演出の終了後、スロットマシン5による当選報知演出と同時に連動して当り演出あるいは連動当り演出を開始できる。
【0095】
(4)遊技場用システムの例外動作
次に、上記の(3)遊技場用システムの基本動作、に対する例外動作を説明する。例外動作としては、(4.1)連動演出期間中に呼出操作が行われた場合の動作、(4.2)未当選装置が予告信号を受信した場合の動作、がある。
【0096】
(4.1)連動演出期間中の呼出操作
遊技装置1は、連動予告演出の第1演出よりも優先度の高い演出として、例えば呼出ボタン145の操作に応じた呼出演出等の優先演出を実行可能である。連動演出期間中に呼出操作が行われた場合について、図18及び図19を参照して説明する。図18は、未当選装置1Hの動作であり、図19は、成立装置1Aの動作である。
【0097】
図18(a)は、呼出ボタン145の操作である呼出操作が行われない場合の未当選装置1Hの基本動作である。図18(a)は、図17中の7番台の未当選装置1Hの動作を示している。
【0098】
図18(b)は、第1演出の実行中の呼出操作により対応する呼出演出が開始され、その後、呼出ボタン145の再度の操作によるキャンセル操作によって第2演出の開始時点よりも前に呼出演出が終了している場合の動作例である。未当選装置1Hは、第1演出の実行中に呼出演出の契機となるイベントである呼出操作が発生した場合、第1演出を中断して呼出演出を優先して実行する。その後、第2演出の開始時点よりも前にその呼出演出が終了している場合には、その開始時点より第2演出を実行する。なお、同図の動作は、成立装置1Aの場合にも同様である。
【0099】
図18(c)は、第1演出の実行中の呼出操作により対応する呼出演出が開始され、その後、第2演出の開始時点を越えて呼出演出が継続した場合の動作例である。未当選装置1Hは、第1演出の実行中に呼出演出の契機となるイベントである呼出操作が発生した場合、第1演出を中断して呼出演出を優先して実行する。その後、呼出演出の実行中に第2演出の開始時点を過ぎてしまった場合には、第2演出をキャンセルする。この未当選装置1Hは、当り発生時刻からの経過時間が所定期間(70秒)に到達したとき、呼出演出が終了していれば、成立装置1Aの当り演出と連動して連動当り演出を開始する。なお、この場合の動作は、成立装置1Aも同様である。
【0100】
図18(d)は、第2演出の実行中の呼出操作により対応する呼出演出が開始され、その後、連動当り演出の開始時点を越えてその呼出演出が継続した場合の動作例である。この場合、未当選装置1Hは、連動当り演出をキャンセルする。その後、この未当選装置1Hは、呼出演出の終了に応じて通常動作に復帰する。
【0101】
図19(a)は、呼出ボタン145の操作である呼出操作が行われない場合の成立装置1Aの基本動作である。図19(a)は、図17中の3番台の成立装置1Hの動作を示している。
【0102】
図19(b)は、成立装置1Aが第2演出を実行している最中に呼出操作が行われた例である。同図は、当り演出の開始時点となったとき、呼出ボタン145の再度の操作によるキャンセル操作が行われていない場合の動作例である。この場合、成立装置1Aは、当り演出の開始時点となったとき、呼出演出を中断して当り演出を開始させる。成立装置1Aは、対応するスロットマシン5によりPB(AT状態)という特典が与えられる旨を表す当り演出を第2演出に対応して実行可能であり、優先演出の一例である呼出演出よりもこの当り演出を優先して実行する。なお、このように呼出演出を中断して当り演出を実行する場合にも、呼出モードで発光するランプ部12の動作は継続される。
【0103】
なお、この当り演出は呼出演出よりも優先して実行される一方、スロットマシン5での告知演出に連動して成立装置1Aが実行する告知演出の優先度合いは、呼出演出以下である。したがって、当り演出の終了時点で、呼出ボタン145によるキャンセル操作が行われていない場合、当り演出から呼出演出への切替が発生する。なお、イベントとして呼出演出を例示したが、他に不正や機器故障のような異常演出や通常のボーナス演出等も例示できる。
【0104】
(4.2)未当選装置が予告信号を受信した場合の動作
次に、未当選装置1Hが、連動予告演出の実行中に、対応するスロットマシン5(遊技機)から予告信号を受信した場合の例外動作の例である(図20)。この場合、予告信号を受信した未当選装置1Hは、実行中の連動予告演出に対応した第1の成立装置1Aによる当り演出(図20(a))の少なくとも開始までは、実行中の連動予告演出を継続する。そして、予告信号を受信した未当選装置1Hである第2の成立装置1Hは、図20(b)のごとく、第1の成立装置1Aの当り演出の開始後に、予告信号の送信元のスロットマシン(対応する遊技機)5を対象とした当り演出を実行する。
【0105】
第2の成立装置1Aは、このような時間的なスケジュールで当り演出を実行することで、予告信号の受信後、当り演出を実行するまでの連動演出期間として70秒を実現している。70秒の連動演出期間を実現できれば、第2の成立装置1Aについても、対応するスロットマシン5による当選報知演出に連動して当り演出を実行できる。
【0106】
以上のように構成された遊技場用システム1Sは、特典(AT状態)の事前に予告信号を送信する遊技機に対応して個別に設けられ、遊技に関する演出を実行可能な遊技装置1を複数含むシステムである。この遊技場用システム1Sでは、いずれかの遊技装置1が対応する遊技機から予告信号を受信したとき、他の遊技装置1に対して予告信号に基づく連動情報が送信される。
【0107】
この遊技場用システム1Sでは、予告信号を受信した成立装置1Aと、連動情報を受信した他の遊技装置1である未当選装置1Hとは、予告信号の送信元の遊技機による報知演出が行われるまでの所定期間に対応した連動演出期間において連動予告演出を実行する。
【0108】
成立装置1Aとなった遊技装置1は、対応する遊技機5から予告信号を受信するという演出条件が成立した場合に、複数の遊技装置1に対して共通の連動情報(条件成立情報)を送信する。連動情報を受信した遊技装置1は、自身の端末情報である台番と受信した連動情報とに基づいて、演出を決定する。遊技場用システム1Sでは、複数の遊技装置1の各々が同様に決定された演出を実行することで複数の遊技装置1による連動演出が実行される。
【0109】
遊技場用システム1Sによれば、特典(PBとしてのAT状態)を与えるための条件がいずれかの遊技機で成立したとき、対応する遊技装置1である成立装置1Aと未当選装置1Hとが連動して演出を実行可能である。この遊技場用システム1Sは、遊技装置1側から遊技機に何らかの信号を送信する必要性を低減させた上で、スロットマシン5などの遊技機と遊技装置1とが連動した演出を実行可能な優れた特性のシステムである。
【0110】
また、遊技場用システム1Sによれば、対応する遊技機からの予告信号の受信に応じて演出条件が成立した場合に、成立装置1Aが、ユニークな種情報を含む連動情報(条件成立情報)を複数の遊技装置1に対して送信する。その種情報を受信した他の遊技装置1である未当選装置1Hは、その種情報と、自身に対応して予め記憶される端末情報と、により演出(第2演出の種類)を決定する。この遊技場用システム1Sでは、複数の遊技装置1の各々が、このように決定された演出を実行することで複数の遊技装置1による連動演出が実行される。つまり、遊技場用システム1Sでは、複数の遊技装置1の各々が実行する演出を決定するため、複数の遊技装置1が連動演出を実行するに当たって、連動演出のための処理負担が特定の装置に集中するおそれを低減できる。
【0111】
特に本例では、複数段階(第1ステージ〜第3ステージ)の当落を特定して当落結果を示す報知演出である第2演出を採用している。本例の第2演出のように複数段階の当選結果を抽選形式で特定し報知する構成は、演出を盛り上げるために非常に有効である。しかし、段階毎に当選と非当選とを特定する必要があり、連動演出に要する処理負担が更に大きくなる可能性が高い。複数段階の抽選処理を含む処理を、管理装置などいずれか特定の装置に負担させる場合、その処理負担が限度を越えないよう、演出の内容を制限する必要性が生じる可能性がある。これに対して、本例の遊技場用システム1Sでは、第2演出中の各演出ステージでの当落を、各遊技装置1が特定可能である。それ故、この遊技場用システム1Sでは、当落結果を振り分ける処理が1つの装置に集中してしまう度合いを軽減あるいは回避可能である。このように本例の遊技場用システム1Sは、複数の遊技装置にて当選、非当選の報知演出を行う場合に、その当選結果を振り分ける処理負担を軽減し得る優れた特性のシステムである。
【0112】
また、遊技装置1による連動予告演出は、成立装置1Aか未当選装置1H(他の遊技装置1)かで共通の第1演出と、成立装置1Aか未当選装置1Hかで異なる第2演出と、に区分されている。連動予告演出を第1演出と第2演出とに区分すれば、演出ファイルのデータ容量を低減でき、管理し易くなる。さらに、このように連動予告演出を区分すれば、第1演出分は残すが第2演出分は差し替えるといった対応も容易になる。
【0113】
なお、遊技装置1は、第1演出よりも優先度の高い演出である呼出演出などの優先演出を実行可能である。第1演出の実行中に優先演出の契機となるイベント(呼出操作など)が発生した場合、第1演出に優先して呼出演出などの優先演出を実行し、第2演出の開始時点よりも前にその優先演出が終了している場合には、その開始時点より第2演出を実行する。
【0114】
第1演出中に優先度の高い呼出演出などの優先演出を行った場合に第1演出を中断して呼出演出を行うので、連動予告演出の実行中にも緊急度の高い報知を実行できる。そして、その優先演出が第2演出の開始時点で終了していれば、この開始時点より第2演出を実行する。例えば、途中から再生し難いような動画ファイル等の連動予告演出を採用する場合、途中で中断して再開すると違和感が過大となるおそれがある。連動予告演出を第1演出と第2演出とに区分すれば、第1演出の途中で優先演出が開始された場合であっても、第2演出から違和感少なく再開できる可能性を残すことができる。
【0115】
成立装置1Aは、対応する遊技機により特典(PBとしてのAT状態)が与えられる旨を表す当り演出を第2演出に対応して実行可能である。成立装置1Aは、優先演出よりも優先して当り演出を実行する。第2演出に対応して成立装置1Aが実行する当り演出は、他の演出よりも高い優先度にて表示される。このような構成によれば、成立装置1Aにおいて確実性高く当り演出を実行できる。
【0116】
成立装置1Aは、対応する遊技機により特典が与えられる旨を表す当り演出を連動予告演出に対応して実行可能である。同じ装置グループに属する他の遊技装置1は、第1の成立装置1Aから連動情報を受信することで未当選装置1Hとなり、連動演出期間が設定される。この未当選装置1Hが、連動演出期間において、対応する遊技機5から予告信号を受信して第2の成立装置1Aとなる場合が起こり得る。この場合、第2の成立装置1Aは、第1の成立装置1Aによる当り演出の少なくとも開始までは連動予告演出を継続する。そして、第2の成立装置1Aは、第1の成立装置1Aによる当り演出の開始後に、自身が対応する遊技機による当選報知演出と連動する当り演出を実行する。
【0117】
第2の成立装置1Aは、第1の成立装置1Aによる当り演出に呼応して一旦、連動当り演出を実行する。そして、第1の成立装置1Aでの当り演出の少なくとも開始後に、第2の成立装置1Aが当り演出を実行する。このような構成を採用する場合、第2の成立装置1Aに対応する遊技機は外部入力が制約されるので第1の成立装置1Aに呼応した連動当り演出が行われていることを特定できないため、予告信号送信の所定時間(本例では70秒)後に当選報知演出を実行することになるが、その場合であっても例えば当選報知演出前に当り演出を行うことにより、遊技機での当選報知演出に遅れることなく第2の成立装置1Aによる当り演出を実行可能となる。
【0118】
また、遊技装置1は、上記の演出決定手段により決定される演出を対象として、演出の実行中に順番に現れる複数の演出ステージのうち、いずれの演出ステージを通過できるかの当落に応じた演出候補を複数管理する手段、及び端末情報である台番と連動情報(条件成立情報)とにより特定可能な演出決定情報(ランダム関数の戻り値)と比較することで、成立の有無を特定可能な当選条件を演出候補に対応付けて設定する手段、としての機能を備えている。演出決定手段としての遊技装置1は、受信した連動情報(条件成立情報)に基づく演出決定情報(ランダム関数の戻り値)に応じて当選条件のうちのいずれが成立するかによって、複数の演出候補のうちのいずれかを実行対象となる演出として選択的に決定する。
【0119】
遊技装置1は、複数段階(第1ステージ〜第3ステージ)の演出ステージによる第2演出を含む連動予告演出を実行する。遊技装置1では、連動予告演出の段階単位で当選条件が設定されている。遊技装置1は、連動情報に含まれる種情報と端末情報(台番)とで、いずれの段階(演出ステージ)に対応した当選条件が満たされるかにより連動予告演出を実行する。このように連動予告演出を複数段階の演出ステージで実行すれば、演出をより盛り上げることができる。
【0120】
同じ装置グループの各遊技装置1は、連動情報(条件成立情報)の送信対象となる遊技装置単位で端末情報(台番)を記憶している。各遊技装置1は、受信した連動情報(条件成立情報)と他の遊技装置1の端末情報(台番)とにより特定可能な他演出決定情報と当選条件とを比較することで、同じ装置グループの他の遊技装置単位で、演出決定手段により決定される演出を特定する。そして、各遊技装置1は、連動情報(条件成立情報)を受信した場合、他の遊技装置1により実行される演出と連動して、演出決定手段により決定された演出を実行する。
【0121】
上記のように同じ装置グループの各遊技装置1は、他の遊技装置1の端末情報である台番を特定可能である。そして、連動情報に含まれる種情報と他の遊技装置の端末情報(台番)とにより遊技装置単位で演出対象の他の遊技装置1の当落情報を特定可能である。同じ装置グループの各遊技装置1は、複数の遊技装置1にて連動した報知演出を実行する際、遊技装置単位で他の遊技装置1の当落結果を特定可能とした上で連動した報知演出(連動予告演出)が可能である。
【0122】
同じ装置グループの各遊技装置1は、連動情報(条件成立情報)の送信対象となる遊技装置単位で演出ステージを通過できるか否かに関する当落情報を報知する通過期待度表示画面のような演出を実行する。本例の構成の場合、種情報を含む連動情報(条件成立情報)を送信するだけで、その後に他の遊技装置1との通信を行うか否かに関わらず他の遊技装置1の当落結果に応じて連動した報知が可能である。
【0123】
第2演出の演出ステージには当落の少なくとも一方を対象とした遊技装置数の基準値が設けられている。装置グループの各遊技装置1は、第2演出の実行中に順番に現れる演出ステージ単位で、演出決定手段により決定される演出により当落の少なくとも一方となる遊技装置数と基準値との比較を実行する。そして、この比較の結果により所定の基準条件が満たされない場合には、演出ステージの当選条件を変更する。
【0124】
本例の構成では、いずれかの演出ステージにて当落のいずれかの遊技装置数が最低値の基準値に達しない場合、あるいは最大値の基準値に達した場合に、当落結果を修正するための条件が別途設けられている。その条件に基づき当落結果を修正すれば、複数段階(第1〜第3ステージ)で報知演出をする場合に、例えばハズレとなって脱落する遊技装置1がゼロ台であって、到達した台数と当選する台数とが一致してしまうような演出ステージの出現を未然に回避できる。
【0125】
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では、遊技装置1の端末情報として、スロットマシン5の台番を採用している。台番とは別の識別情報を遊技装置1の端末情報として採用することも良い。この場合には、スロットマシン5の台番と、遊技装置1の端末情報と、の対応関係を表す情報が、同じ装置グループに属する各遊技装置1の間で共有されていれば良い。また、スロットマシン5の台番に代えて、対応する遊技装置1の端末情報を、連動情報に含めることも良い。
【0126】
本例では、遊技機上方の遊技装置1にてPB情報(AT情報)を表示する構成を例示したが、例えば隣り合う遊技機の間隙に設けられる貸出装置43等の遊技装置に本案を採用しても良い。
遊技装置1が表示するPB情報(AT情報)の内容を、インターネットを利用して閲覧可能なインターネットサイトで閲覧可能に構成しても良い。この場合には、遊技場側とインターネット等の通信回線を介して通信可能に接続されたサーバ装置を含めて遊技場用システム1Sを構成できる。
【0127】
本例では、特典としてPBとしてのAT状態を例示したが、特典は、遊技者側に有利な特別状態であれば良くAT状態には限らない。所謂ARTや大当りなどAT状態以外の特別状態を採用しても良い。また、モードに応じた遊技者の有利度合いの構成について、例示した以外の構成を採用しても良い。
本例では、当り発生時刻を記憶し、当該時刻を基準とした時刻管理により演出を同期させることを例示したが、時刻管理を行うことなく、予告信号を受信してからの期間や連動情報の送受信してからの期間により演出を同期させても良い。
本例では、当選条件の変更方法として戻り値の区分を変更することを例示したが、単純に戻り値が近似する(例えば最も小さい)台を変更対象とするといった条件変更を採用しても良い。
【0128】
本例では、第2演出に対応する演出候補となる動画を再生するだけで各ステージの当落結果を反映させた演出を行うことを例示したが、各ステージに対応した動画候補をそれぞれ設けて、各ステージの当落結果に基づき動画を変更することで第2演出を変更しても良い。
本例では、各ステージで脱落した遊技装置1にてハズレ確定画面を連動当り演出を開始するまで継続表示することを例示したが、一旦、通常画面を表示する状態に戻してから、連動当り演出の開始時に連動演出を再開するようにしても良い。
本例では、告知演出を呼出演出よりも優先度合いを低くしたが、当り演出同様に優先度合いを高くして表示しても良い。
本例では、遊技機による報知演出が行われるまでの所定期間に対応した連動演出期間として遊技機における所定期間と同じ期間を例示したが、対応する期間として少し短い期間を採用してシステム側での連動報知後に遊技機にて確定報知する構成や、少し長い期間を採用して遊技機での確定報知後にシステム側に連動報知する構成等も想定できる。
【0129】
本例では、連動予告演出における各遊技装置1の動作として、同じ装置グループに属する各遊技装置1が連動して一体的な演出を実行する構成を例示したが、連動により実現される一体演出は必須の構成ではない。例えば各遊技装置1が同期して、PBが確定したスロットマシン5による報知演出と同期した演出を実行して自身に対応する遊技者のみに報知するような構成も想定できる。
【0130】
また、本例では、PB確定のスロットマシン5からの予告信号を成立装置1Aが受信したことを演出条件として例示したが、遊技機からの信号受信は必須の要件ではない。例えば、所定時刻となったこと等を各遊技装置1の演出条件として採用することも良い。この場合、遊技機1における遊技上の特典ではなく例えば遊技場から遊技者へ粗品を提供するといった特典を付与する対象を演出するような運用が想定される。
【0131】
本例では、ランダム関数の引数となる種情報として、当り発生時刻などの日時情報を例示している。これに代えて、例えば成立装置における複数の営業日を対象とした大当り回数を並べた複数桁の数値や累計ゲーム数、或いは表計算ソフトとして著名なエクセル(登録商標)のRAND関数のように毎回異なる数値を抽選してユニークな数値を特定するような情報を、種情報として採用しても良い。この場合、時刻だけといった1種類の情報を特定可能な情報や、時刻と累計ゲーム数というような複数種類の情報を特定可能な情報のいずれを種情報として採用しても良い。成立装置1Aから未当選装置1Hに送信する連動情報として、このユニークな数値を含む種情報を採用すれば、各遊技装置1で同様に演出決定情報を特定できる。
なお、ランダム関数による演出決定情報の特定は必須の構成ではない。例えばランダム関数の引数の一部として利用した種情報(連動情報、条件成立情報)を、そのまま各演出候補の当選条件と比較するような構成を採用することも良い。
【0132】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、機種としては、メーカ単位やスペック単位等、遊技機の種類を示せばどの様な区分としても良い。
本例において示した数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。また、演算式については単なる例示であり例示した演算式と同様の値を示したり、同様の意義を持つ演算値を演算するのであれば、どの様な演算式を採用しても良い。
例示した数値の表示は数値自体の表示に限らず、グラフ表示とする等、数値を示す他の表現方法を採用しても良い。
【0133】
以下と未満についてはどちらを採用しても良く、「達していない」等の表現は以下或いは未満となった場合のいずれにも対応する表現となる。以上と超過についても同様で、「達している」等の表現は双方に対応する表現となる。
【0134】
第2演出の各演出ステージの当落のうちの少なくとも一方を対象とする遊技装置数の基準値については、適宜変更可能である。本例では、第1ステージでのハズレが1台以上で当選の未当選装置が2台以上、第2ステージでのハズレが1台以上で当選の未当選装置が1台以上、第3ステージでのハズレが1台以上で当選の未当選装置がゼロ台という基準値を例示している。各演出ステージでハズレとなる未当選装置が1台以上であって、第3ステージで当選する未当選装置がゼロ台という要件が充足されれば、基準値は適宜変更可能である。
【0135】
対象となる遊技機としては、スロットマシンやパチンコ遊技機等を例示できる。パチンコ遊技機の場合、単位遊技は所謂図柄変動とすれば良いが、その他に遊技媒体を排出せずデータ上のポイントを遊技に応じて更新する所謂封入式の遊技機等も想定できるため、玉やメダル等の遊技媒体や上記ポイントを包含する遊技価値という表現を適宜使用している。
また、モードの値が大きくなるほど遊技者に有利となる仕様を例示したが、モードの値が大きくなるほど継続ゲーム数が少なくなるといったように遊技者に不利となる構成を含む遊技機を対象としても勿論良い。
【0136】
遊技装置1が行う処理の一部を管理装置41、貸出装置43などの遊技装置、あるいは中継器42等にて行っても良いし、遊技装置1のみで全てを構成しても良い。管理装置41が行う情報処理の一部を中継器42等にて行う構成としても良いし、遊技装置1のみでシステムを構成しても良い。また、例示した構成を適宜設定に応じて採用するか否かを変更しても良いし、変形例を含む例示した構成をどのように組合わせても良いし、適宜構成を除外しても良い。
【0137】
(実施例2)
本例は、実施例1の遊技場用システムに基づき、連動予告演出に遅延時間を変更設定可能なように遊技装置の構成を変更した例である。この内容について、図21を参照して説明する。
【0138】
遊技装置1(制御部11)は、実施例1で説明した機能に加えて、下記の手段としての機能を実現する。
(1)遅延時間設定手段:予告信号が受信された後、連動予告演出を開始するまでの遅延時間を、連動予告演出の実行単位で可変に設定可能な手段。成立装置1Aとしての遊技装置1が遅延時間を設定する。そして、成立装置1Aが設定した遅延時間は、連動情報に組み込まれて他の遊技装置(未当選装置1H)に送信される。なお、実施例1では、10秒の遅延時間を例示したが、本例の遊技装置1(成立装置1A)は、5〜20秒の遅延時間を抽選により決定する。
(2)演出実行期間調節手段:予告信号が受信された後、連動予告演出が連動演出期間(70秒)において実行されるように、遅延時間設定手段により設定された遅延時間に応じて、連動予告演出の実行期間である予告演出期間を調節する手段。
【0139】
なお、ランダム関数によって遅延時間を決定することも良い。この場合には、装置グループで共通の種数値を利用すれば、ランダム関数によって各遊技装置1が同じ遅延時間を決定できる。この場合には、連動情報に遅延時間を含める必要がなくなる。ランダム関数の引数となる種数値は、例えば、当り発生時刻に基づく数値であっても良く、当り発生時刻と成立装置1Aの台番との組み合わせに基づく数値であっても良い。
【0140】
図21は、レア役の内部当選によりPB(AT状態)が確定したスロットマシン5のAT状態発生までの動作(同図(a))、成立装置1Aの動作(同図(b)、(c))を例示する図である。同図(b)と(c)では、当り発生時刻の後、第1演出が開始されるまでの遅延時間が異なっている。一方、当り発生時刻の後、スロットマシン5で当選報知演出が開始され、成立装置1A及び図示しない未当選装置1Hにより当り演出あるいは連動当り演出が開始されるまでの連動演出期間は70秒であって、遅延時間に依らず一定である。
【0141】
同図(b)と(c)との違いは、遅延時間のほか、第1演出及び第2演出によって構成される連動予告演出の実行期間である予告演出期間の長さにある。遅延時間の長短が、予告演出期間の長短によって吸収され、これにより、スロットマシン5の当選報知演出と同期した当り演出等の開始を可能としている。本例の構成では、第1演出及び第2演出の再生速度を変更することで、予告演出期間を拡縮している。
【0142】
本例の遊技場用システム1Sは、成立装置1Aによって予告信号が受信された後、連動予告演出を開始するまでの遅延時間を、連動予告演出の実行単位である装置グループ単位で可変に設定可能である。例えばPBなどの特典を与えるための条件に小役入賞が含まれる場合、対象となる小役入賞後、直ぐに予告演出を行うと、その予告演出がいずれの遊技機を対象として行われているのかが遊技者に分かり易くなってしまう。一方、予告信号の受信から予告演出開始までにランダムな遅延期間を設定すれば、予告演出がいずれの遊技機を対象として行われているのか、遊技者が予想し難くでき遊技の興趣を向上できる。
【0143】
また遊技場用システム1Sは、成立装置1Aにより予告信号が受信された後、連動予告演出が連動演出期間(本例では70秒)内に実行されるように、設定された遅延時間に応じて、連動予告演出の実行期間を調節する。この場合には、設定された遅延期間に応じて演出の少なくとも一部を短縮することで、可変の遅延期間に依らず遊技機と連動する演出を実行できる。
【0144】
なお、連動予告演出の実行期間を調節する方法として、本例では、演出用の動画の再生速度を変更する方法を例示している。これに代えて、例えば、一連の動画を繰り返し再生する連動予告演出を採用する場合であれば、その動画を繰り返し再生する回数を変更することも良い。例えば、複数種類の動画あるいは静止画を順番に再生あるいは表示する連動予告演出を採用する場合であれば、再生する動画あるいは静止画の種類数を変更することで、連動予告演出の実行期間を調節することも良い。さらに、例えば、動画の再生と、静止画の表示と、を含む連動予告演出を採用する場合には、静止画の表示期間を変更することで連動予告演出の実行期間を調節することも良い。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例1と同様である。
【0145】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0146】
1S 遊技場用システム
1 遊技装置
1A 成立装置
1H 未当選装置
11 制御部(ゲーム数特定手段、発生特定手段、連動情報送信手段、演出候補管理手段、演出決定手段、当選条件設定手段、端末情報記憶手段、基準値記憶手段、演出特定手段、当選条件変更手段、計時手段)
13 表示部(データ表示手段、演出手段)
130 表示エリア
40 通信ネットワーク
41 管理装置
42 中継器
5 スロットマシン(遊技機)
50 制御部(モード設定手段、内部抽選手段、ゲーム数カウント手段、AT状態発生手段、ATゲーム数抽選手段、外部信号出力手段、計時手段)
51 図柄表示窓
56 液晶表示部(演出手段、AT報知手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21