【課題を解決するための手段】
【0021】
そこで、本発明は、自転車を搭載しているラックを上下動する第二の自転車移送機構において、バッファ機能を有さないバネと、バッファ機能を有する部材とを併用することによって課題を解決したのである。
そして、バッファ機能を有する部材としては、反発するバネ力を有するもの、例えば、ガススプリングのように流体スプリングでもよいし、あるいは、反発するバネ力を有さないもの、例えば、オイルダンパーのように伸びる場合や圧縮される場合に反発するバネ力が無いものでもよい。
【0022】
本発明の第一の特徴は、
支柱と、
バネによって前記支柱に沿って上下動し自転車を搭載するラックと
からなる駐輪装置であって、
前記ラックに自転車を搭載していないときは、第一のバネで前記ラックの上下動を支え、
前記ラックに自転車を搭載しているときは、前記第一のバネと、バッファ機能を有さない第二のバネと、前記第一及び第二のバネのバネ力による自転車の急激な上下動を抑えるためのバッファ機能を有する第三の部材を併用して前記ラックの上下動を支える
ことを特徴とする駐輪装置
である。
【0023】
本発明の第一の特徴によれば、重量が異なる自転車が搭載されうる駐輪装置において、自転車を搭載しているときに、バッファ機能を有する部材とバッファ機能を有さないバネを併用することによって、軽い自転車を上下に移送する際に自転車の跳ね上がりを防止するとともに、重い自転車を上下に移送する際に地面への急激な落下が防止し、しかも、適度の上下の移送速度の駐輪装置を提供することができる。
【0024】
本発明の第二の特徴は、
支柱と、
バネによって前記支柱に沿って上下動し自転車を搭載するラックと
からなる駐輪装置であって、
前記ラックに自転車を搭載していないときは、第一のバネで前記ラックの上下動を支え、
前記ラックに自転車を搭載しているときは、前記第一のバネと、バッファ機能を有さない第二のバネと、前記第一及び第二のバネのバネ力による自転車の急激な上下動を抑えるためのバッファ機能を有する第三のバネを併用して前記ラックの上下動を支える
ことを特徴とする駐輪装置
である。
【0025】
本発明の第二の特徴によれば、重量が異なる自転車が搭載されうる駐輪装置において、自転車を搭載しているときに、バッファ機能を有するバネとバッファ機能を有さないバネを併用することによって、バッファ機能を有する部材もバネ力を有することを明確にしたので、本発明の第一の特徴による効果がより確実に得られる駐輪装置を提供することができる。
【0026】
本発明の第三の特徴は、
支柱と、
バネによって前記支柱に沿って上下動し自転車を搭載するラックと
からなる駐輪装置であって、
前記ラックに自転車を搭載していないときは、第一のバネで前記ラックの上下動を支え、
前記ラックに自転車を搭載しているときは、前記第一のバネと、バッファ機能を有さない第二のバネと、前記第一及び第二のバネのバネ力による自転車の急激な上下動を抑えるためのバッファ機能を有する第三のバネを併用して前記ラックの上下動を支え、
前記第三のバネは、シリンダと前記シリンダ内で摺動するピストンと前記シリンダと前記ピストンに封入された流体とからなる流体スプリングであり、前記ピストンにかかる負荷により前記ピストンが前記シリンダ内を摺動することによって流体が前記ラックの急激な上下動を抑えるバッファ機能が働く
ことを特徴とする駐輪装置
である。
【0027】
本発明の第三の特徴によれば、本発明の第一の特徴によって得られる効果の他に、第三のバネが流体スプリングなので、本発明の目的が確実に実現できる効果がある。
【0028】
本発明の第四の特徴は、
支柱と、
バネによって前記支柱に沿って上下動し自転車を搭載するラックと
からなる駐輪装置であって、
前記ラックに自転車を搭載していないときは、第一のバネで前記ラックの上下動を支え、
前記ラックに自転車を搭載しているときは、前記第一のバネと、バッファ機能を有さない第二のバネと、前記第一及び第二のバネのバネ力による自転車の急激な上下動を抑えるためのバッファ機能を有する第三のバネを併用し、
前記第一のバネは、その一端側が前記支柱の上部で固定され、他端側が前記ラックに設置された上側台車に固定され、
前記第二のバネは、その一端側が前記支柱の下部に固定され、他端側が第一のワイヤと前記第一のワイヤの途中で前記支柱の上部に固定されている第一の滑車を介して前記支柱の下部に着脱可能に接続された下側台車に固定され、
前記第三のバネは、シリンダと前記シリンダ内で摺動するピストンと前記シリンダと前記ピストンの間に封入された流体とからなる流体スプリングであり、
前記シリンダの一端側は前記支柱の上部で固定され、前記シリンダの他端側にある前記ピストンに第二の滑車を有し、
一端が前記支柱の上部に固定された第二のワイヤが、前記第二の滑車と前記支柱の上部に固定された第三の滑車を介して前記下側台車に固定されており、
前記ピストンにかかる負荷により前記ピストンが前記シリンダ内を摺動することによって流体が前記ラックの急激な上下動を抑えるバッファ機能が働く
ことを特徴とする駐輪装置
である。
【0029】
本発明の第四の特徴によれば、第一、第二、第三の各バネの接続関係を特定している。また、第三のバネである流体スプリングのピストンが下向きに伸びて、第三のバネに負荷を与えるワイヤが下側台車に固定されていることを特定している。即ち、第一乃至第三の各バネが滑車やワイヤによって確実に機能する構成が特定されている。その結果、第一の発明及び第二の発明の特徴によって得られる効果の他に、本発明の目的がより確実に実現できる効果がある。
【0030】
本発明の第五の特徴は、
支柱と、
バネによって前記支柱に沿って上下動し自転車を搭載するラックと
からなる駐輪装置であって、
前記ラックに自転車を搭載していないときは、第一のバネで前記ラックの上下動を支え、
前記ラックに自転車を搭載しているときは、前記第一のバネと、バッファ機能を有さない第二のバネと、前記第一及び第二のバネのバネ力による自転車の急激な上下動を抑えるためのバッファ機能を有する第三のバネを併用し、
前記第一のバネは、その一端側が前記支柱の上部で固定され、他端側が前記ラックに設置された上側台車に固定され、
前記第二のバネは、その一端側が前記支柱の下部に固定され、他端側が第一のワイヤと前記第一のワイヤの途中で前記支柱の上部に固定されている第一の滑車を介して前記支柱の下部に着脱可能に接続された下側台車に固定され、
前記第三のバネは、シリンダと前記シリンダ内で摺動するピストンと前記シリンダと前記ピストンの間に封入された流体とからなる流体スプリングであり、
前記シリンダの一端側は前記支柱の上部で固定され、前記シリンダの他端側にある前記ピストンに第二の滑車を有し、
一端が前記支柱の上部に固定された第二のワイヤが、前記第二の滑車と前記支柱の上部に固定された第三の滑車を介して前記下側台車に固定されており、
前記ピストンにかかる負荷により前記ピストンが前記シリンダ内を摺動することによって流体が前記ラックの急激な上下動を抑えるバッファ機能が働き、
前記下側台車は、自転車を前記ラックに搭載するまでは前記支柱の下端部に接続され、自転車を前記ラックに搭載すると上下動が可能になり、自転車を前記ラックから降ろすと再び前記支柱の下端部に接続される
ことを特徴とする駐輪装置
である。
【0031】
本発明の第五の特徴によれば、前記第一の特徴乃至第三の特徴による効果の他に、下側台車が支柱の下端部で着脱するタイミングを明確にしたので、本発明の目的がより確実に実現できる効果がある。
【0032】
本発明の第六の特徴は、
支柱と、
バネによって前記支柱に沿って上下動し自転車を搭載するラックと
からなる駐輪装置であって、
前記ラックに自転車を搭載していないときは、第一のバネで前記ラックの上下動を支え、
前記ラックに自転車を搭載しているときは、前記第一のバネと、バッファ機能を有さない第二のバネと、前記第一及び第二のバネのバネ力による自転車の急激な上下動を抑えるためのバッファ機能を有する第三のバネを併用し、
前記第一のバネは、その一端側が前記支柱の上部で固定され、他端側が前記ラックに設置された上側台車に固定され、
前記第二のバネは、その一端側が前記支柱の下部に固定され、他端側が第一のワイヤと前記第一のワイヤの途中で前記支柱の上部に固定されている第一の滑車を介して前記支柱の下部に着脱可能に接続された下側台車に固定され、
前記第三のバネは、シリンダと前記シリンダ内で摺動するピストンと前記シリンダと前記ピストンの間に封入された流体とからなる流体スプリングであり、
前記シリンダの一端側は前記支柱の下部に固定され、前記シリンダの他端側の前記ピストンに第二の滑車を有し、
一端が前記支柱の下部に固定された第二のワイヤが、前記第二の滑車と、前記支柱の下部に固定されている第三の滑車と、前記支柱の上部に設置されている第四の滑車を介して前記下側台車に固定されており、
前記ピストンにかかる負荷により前記ピストンが前記シリンダ内を摺動することによって流体が前記ラックの急激な上下動を抑えるバッファ機能が働く
ことを特徴とする駐輪装置
である。
【0033】
前述の本発明の第四の特徴では第三のバネである流体スプリングが下方向へ伸びるように設置されているのに対して、本発明の第六の特徴では上方向へ伸びるように設置された場合の機構の構造を特定しており、第四の特徴と同等の効果を得られる。
【0034】
本発明の第七の特徴は、
支柱と、
バネによって前記支柱に沿って上下動し自転車を搭載するラックと
からなる駐輪装置であって、
前記ラックに自転車を搭載していないときは、第一のバネで前記ラックの上下動を支え、
前記ラックに自転車を搭載しているときは、前記第一のバネと、バッファ機能を有さない第二のバネと、前記第一及び第二のバネのバネ力による自転車の急激な上下動を抑えるためのバッファ機能を有する第三のバネを併用し、
前記第一のバネは、その一端側が前記支柱の上部で固定され、他端側が前記ラックに設置された上側台車に固定され、
前記第二のバネは、その一端側が前記支柱の下部に固定され、他端側が第一のワイヤと前記第一のワイヤの途中で前記支柱の上部に固定されている第一の滑車を介して前記支柱の下部に着脱可能に接続された下側台車に固定され、
前記第三のバネは、シリンダと前記シリンダ内で摺動するピストンと前記シリンダと前記ピストンの間に封入された流体とからなる流体スプリングであり、
前記シリンダの一端側は前記支柱の下部に固定され、前記シリンダの他端側の前記ピストンに第二の滑車を有し、
一端が前記支柱の下部に固定された第二のワイヤが、前記第二の滑車と、前記支柱の下部に固定されている第三の滑車と、前記支柱の上部に設置されている第四の滑車を介して前記下側台車に固定されており、
前記ピストンにかかる負荷により前記ピストンが前記シリンダ内を摺動することによって流体が前記ラックの急激な上下動を抑えるバッファ機能が働き、
前記下側台車は、自転車を前記ラックに搭載するまでは前記支柱の下端部に接続され、自転車を前記ラックに搭載すると上下動が可能になり、自転車を前記ラックから降ろすと再び前記支柱の下端部に接続される
ことを特徴とする駐輪装置
である。
【0035】
本発明の第七の特徴によれば、第三のバネが上向きに伸びることと、下側台車が支柱の下部で着脱するタイミングを明確にしたので、本発明の目的を、より確実に実現できる効果がある。
【0036】
本発明の第八の特徴は、
支柱と、
バネによって前記支柱に沿って上下動し自転車を搭載するラックと
からな駐輪装置であって、
前記ラックに自転車を搭載していないときは、第一のバネで前記ラックの上下動を支え、
前記ラックに自転車を搭載しているときは、前記第一のバネと、バッファ機能を有さない第二のバネと、前記第一及び第二のバネのバネ力による自転車の急激な上下動を抑えるためのバッファ機能を有する第三のバネを併用して前記ラックの上下動を支え、
前記第三のバネは、シリンダと前記シリンダ内で摺動するピストンと前記シリンダと前記ピストンに封入された流体とからなる流体スプリングであり、前記ピストンにかかる負荷により前記ピストンが前記シリンダ内を摺動することによって流体が前記ラックの急激な上下動を抑えるバッファ機能が働き、
前記第二のバネ及び第三のバネは、前記支柱の外部にあって前記支柱に着脱可能なカバーによって覆われている
ことを特徴とする駐輪装置
である。
【0037】
本発明の第八の特徴によれば、自転車を搭載したラックを上下移送する第二のバネと第三のバネである流体スプリングが支柱の外部にあって支柱に着脱可能なカバーに覆われていることによって、搭載される自転車の重量の変動に応じて、随時、第二及び第三のバネの取り換えをすることができるので、自転車の重量の変動に対応してバネの交換や保守に便利な駐輪機を提供することができる。