【解決手段】キャリアテープは、電子部品を収容する包装体用のキャリアテープであって、テープ本体と、複数の部品収容部と、を具備する。上記テープ本体は、第1軸方向に長手を有し、上記第1軸に直交する第2軸方向に幅を有する。上記複数の部品収容部は、上記第1軸及び上記第2軸に直交する第3軸方向に深さを有する部品収容空間を形成し、上記第1軸方向に間隔をあけて上記テープ本体に配置される。上記複数の部品収容部は、それぞれ、上記第2軸方向に相互に対向して配置された一対の側壁と、上記一対の側壁の上記第3軸方向外方に配置され上記第3軸方向外方に突出する一対の突起部を含み、上記第3軸方向外方に向いた裏面と、を有する。
第1軸方向に長手を有し、前記第1軸に直交する第2軸方向に幅を有するテープ本体と、前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸方向に深さを有する部品収容空間を形成し、前記第1軸方向に間隔をあけて前記テープ本体に配置された複数の部品収容部と、を有するキャリアテープと、
前記複数の部品収容部にそれぞれ収容された複数の電子部品と、
前記複数の部品収容部を覆うように前記キャリアテープに貼り付けられたトップテープと、
を具備し、
前記複数の部品収容部は、それぞれ、
前記第2軸方向に相互に対向して配置された一対の側壁と、
前記一対の側壁の前記第3軸方向外方に配置され前記第3軸方向外方に突出する一対の突起部を含み、前記第3軸方向外方に向いた裏面と、を有する
包装体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の構成では、重なったキャリアテープ同士が幅方向等に大きくずれた場合に、トップテープへの電子部品の貼り付きを十分抑制することが難しかった。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、電子部品の実装効率を高めることが可能なキャリアテープ、包装体、及び包装体を巻き取った包装体巻取リールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るキャリアテープは、電子部品を収容する包装体用のキャリアテープであって、テープ本体と、複数の部品収容部と、を具備する。
上記テープ本体は、第1軸方向に長手を有し、上記第1軸に直交する第2軸方向に幅を有する。
上記複数の部品収容部は、上記第1軸及び上記第2軸に直交する第3軸方向に深さを有する部品収容空間を形成し、上記第1軸方向に間隔をあけて上記テープ本体に配置される。
上記複数の部品収容部は、それぞれ、
上記第2軸方向に相互に対向して配置された一対の側壁と、
上記一対の側壁の上記第3軸方向外方に配置され上記第3軸方向外方に突出する一対の突起部を含み、上記第3軸方向外方に向いた裏面と、を有する。
【0009】
キャリアテープは、部品を収容しトップテープで封止された包装体としてリールに巻き取られる。リールにおいて、包装体は、第3軸方向に重なり合うように巻回され、第3軸方向上側の部品収容部の裏面が第3軸方向下側のトップテープと接触する。上記構成では、突起部により、これが配置された裏面と、当該裏面に接触し得るトップテープとの間の摩擦係数が高められる。これにより、第3軸方向上側のキャリアテープの突起部が、第3軸方向下側のトップテープの側壁上の領域と接触し、重なり合うこれらのキャリアテープの第2軸方向におけるずれを防止することができる。したがって、位置ずれした第3軸方向上側の部品収容部が、第3軸方向下側のトップテープの部品収容空間上の領域を押圧することが防止される。この結果、第3軸方向下側の部品収容部内の部品がトップテープに貼り付いて、実装効率が低下することを抑制できる。
【0010】
上記一対の突起部は、それぞれ、上記第1軸方向に延在してもよい。
これにより、上記リールにおいて、第3軸方向上側のキャリアテープの裏面が、突起部の延在方向である第1軸方向と直交する第2軸方向に特にずれにくくなり、第3軸方向下側のトップテープ上に安定して配置される。
【0011】
上記一対の突起部は、それぞれ、上記第3軸方向に突出する複数の突起を含んでいてもよい。
これにより、突起部に細かな複数の突起を付与することができ、リールにおいて、第3軸方向上側の部品収容部の裏面と第3軸方向下側のトップテープとの摩擦係数をより大きくすることができる。
【0012】
上記キャリアテープは、上記第1軸方向に間隔をあけて上記テープ本体に形成された複数の送り孔をさらに具備し、
上記複数の送り孔の上記第1軸方向に沿った列は、上記複数の部品収容部の上記第1軸方向に沿った列と、上記第2軸方向に間隔をあけて配置されてもよい。
上記構成のように、部品収容部がキャリアテープの第2軸方向の中心から第2軸方向に偏って配置され得る場合でも、突起部によって、リールにおいて重なり合うキャリアテープ間の第2軸方向におけるずれを効果的に抑制することができる。
【0013】
本発明の他の形態に係る包装体は、キャリアテープと、複数の部品と、トップテープと、を具備する。
キャリアテープは、テープ本体と、複数の部品収容部と、を有する。
上記テープ本体は、第1軸方向に長手を有し、上記第1軸に直交する第2軸方向に幅を有する。
上記複数の部品収容部は、上記第1軸及び上記第2軸に直交する第3軸方向に深さを有する部品収容空間を形成し、上記第1軸方向に間隔をあけて上記テープ本体に配置される。
上記複数の電子部品は、上記複数の部品収容部にそれぞれ収容される。
上記トップテープは、上記複数の部品収容部を覆うように上記キャリアテープに貼り付けられる。
上記複数の部品収容部は、それぞれ、
上記第2軸方向に相互に対向して配置された一対の側壁と、
上記一対の側壁の上記第3軸方向外方に配置され上記第3軸方向外方に突出する一対の突起部を含み、上記第3軸方向外方に向いた裏面と、を有する。
【0014】
本発明のさらに他の形態に係る包装体巻取リールは、リール本体と、包装体と、を具備する。
上記リール本体は、コアと、上記コアの両端に設けられた一対のフランジと、を有する。
上記包装体は、上記コアの外周に巻回され、上記一対のフランジの間に配置される。
上記包装体は、キャリアテープと、複数の部品と、トップテープと、を有する。
キャリアテープは、テープ本体と、複数の部品収容部と、を有する。
上記テープ本体は、第1軸方向に長手を有し、上記第1軸に直交する第2軸方向に幅を有する。
上記複数の部品収容部は、上記第1軸及び上記第2軸に直交する第3軸方向に深さを有する部品収容空間を形成し、上記第1軸方向に間隔をあけて上記テープ本体に配置される。
上記複数の電子部品は、上記複数の部品収容部にそれぞれ収容される。
上記トップテープは、上記複数の部品収容部を覆うように上記キャリアテープに貼り付けられる。
上記複数の部品収容部は、それぞれ、
上記第2軸方向に相互に対向して配置された一対の側壁と、
上記一対の側壁の上記第3軸方向外方に配置され上記第3軸方向外方に突出する一対の突起部を含み、上記第3軸方向外方に向いた裏面と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、電子部品の実装効率を高めることが可能なキャリアテープ、包装体、及び包装体を巻き取った包装体巻取リールを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図面には、適宜相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は全図において共通である。
【0018】
[電子部品の構成]
図1は、本発明に用いられる電子部品10を示す斜視図である。
電子部品10は、例えば略直方体状であり、後述するキャリアテープ100に収容される。具体的に、電子部品10は、X軸方向に向いた一対の第1面10aと、Y軸方向に向いた一対の第2面10bと、Z軸方向に向いた一対の第3面10cと、を有する。電子部品10は、例えばX軸方向に長手を有する。
【0019】
第1面10a、第2面10b及び第3面10cは、平坦面でもよいし、曲面でもよい。第1面10a、第2面10b及び第3面10cは、微小な段差を有していてもよい。各面を接続する稜部は、例えば面取りされていてもよい。
【0020】
電子部品10は、例えば積層セラミックコンデンサ、チップバリスタ、チップサーミスタ、チップインダクタ、半導体素子等であってもよい。このような電子部品10は、例えば、略直方体状の素体と、素体の表面に形成された一対の外部電極と、を有している。一対の外部電極は、例えばX軸方向に相互に対向して配置され、第1面10aを構成する。但し、電子部品10は、上記電子部品に限定されない。
【0021】
[キャリアテープの構成]
図2及び3は、本発明の一実施形態に係るキャリアテープ100を示す図である。
図2は、キャリアテープ100の平面図である。
図3は、キャリアテープ100の
図2のA−A'線に沿った断面図である。
【0022】
キャリアテープ100は、電子部品10を収容する包装体用のキャリアテープである。キャリアテープ100は、例えば樹脂材料をエンボス加工することで形成される。キャリアテープ100を構成する樹脂は、ポリスチレン、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート、ボリプロピレン等を用いることができる。エンボス加工の方法は、特に限定されないが、例えば圧空成形、プレス成形、真空ロータリー成形(真空ドラム成形)等を採用することができる。
【0023】
キャリアテープ100は、Y軸方向に長手を有し、X軸方向に幅を有するテープ本体110と、Y軸方向に間隔をあけてテープ本体110に配置された複数の部品収容部120と、を有する。部品収容部120は、Z軸方向に深さを有する部品収容空間(空間)Sを形成する。テープ本体110のX軸方向の幅は、一例として4mm程度であり、Z軸方向の厚みは、例えば0.2〜0.5mm程度である。
【0024】
テープ本体110は、さらに、Y軸方向に間隔をあけて配置された複数の送り孔130を有する。送り孔130は、テープ本体110をZ軸方向に貫通し、例えばZ軸方向から見た際に略円形状を有する。この送り孔130は、図示しないテープ搬送機構と係合可能に構成され、キャリアテープ100をY軸方向に搬送するために用いられる。
【0025】
複数の送り孔130のY軸方向に沿った列は、複数の部品収容部120のY軸方向に沿った列と、X軸方向に間隔をあけて配置される。複数の部品収容部120の列は、テープ本体110の第1側縁111側に配置され、複数の送り孔130の列は、テープ本体110の第2側縁112側に配置される。第1側縁111及び第2側縁112は、テープ本体110のX軸方向における側縁である。
【0026】
[部品収容部の構成]
部品収容部120は、X軸方向に相互に対向して配置された一対の側壁121と、Z軸方向外方に向いた裏面122と、を有する。部品収容部120は、空間Sに電子部品10を収容することが可能に構成される。空間Sは、略直方体状に構成される。
【0027】
側壁121は、Y軸方向及びZ軸方向に沿って延び、X軸方向に厚みを有する。なお、側壁121は、X軸方向に直交している態様に限定されず、全体としてY軸方向及びZ軸方向に沿って延びていればよい。例えば、側壁121は、裏面122からZ軸方向上方に向かうに従い、X軸方向外方に0.2〜10度程度傾いたテーパ状に構成されてもよい。
【0028】
図4は、部品収容部120の裏面122を拡大して示す裏面図である。
図3及び
図4に示すように、裏面122は、一対の突起部123を含む。一対の突起部123は、一対の側壁121のZ軸方向外方(下方)に配置され、Z軸方向外方(下方)に突出する。「突起部123が側壁121のZ軸方向外方に配置される」とは、突起部123が、裏面122における、側壁121をZ軸方向外方に延長させた仮想的な領域と交わる領域に配置されていることを意味する。突起部123は、後述する中央部124からZ軸方向外方に突出する。
【0029】
裏面122は、さらに、空間SのZ軸方向外方(下方)に位置し、一対の突起部123の間に配置された中央部124を含む。中央部124は、
図3に示す例では、Z軸方向に膨出しているが、平坦に構成されていてもよい。但し、中央部124の最もZ軸方向外方(下方)に位置する部分は、突起部123のZ軸方向先端部よりもZ軸方向外方(下方)に位置しないように構成される。
【0030】
突起部123のZ軸方向における高さは、例えば60μm以上80μm以下である。突起部123の当該高さを60μm以上とすることで、裏面122の摩擦係数を確実に高めることができる。突起部123の当該高さを80μm以下とすることで、突起部123により部品収容部120を安定して支持することができる。なお、突起部123の当該高さは、中央部124の最もZ軸方向内方(上方)に位置する部分から突起部123のZ軸方向先端部(例えば後述する突起125の先端部)までのZ軸方向における寸法を意味する。
【0031】
一対の突起部123は、本実施形態において、それぞれY軸方向に延在する。突起部123は、例えば、裏面122のY軸方向全長にわたって形成されている。「突起部123がY軸方向に延在する」とは、突起部123のZ軸方向先端部(例えば後述する突起125の先端部)がY軸方向に延在することを意味する。
【0032】
各突起部123は、本実施形態において、Z軸方向に突出する複数の突起125を含む。突起125は、例えばY軸方向に延在する。この場合、複数の突起125の間には、Y軸方向に延在する溝126が形成されていてもよい。突起125の先端の形状は、鋭く突出してもよいし、曲面状に構成されてもよい。
【0033】
各突起125のX軸方向における幅dは、例えば50μm以70μm以下である。突起125の幅dを50μm以上とすることで、裏面122の摩擦係数を確実に高めることができる。突起125の幅dを70μm以下とすることで、突起部123の幅を側壁121の厚み以下に形成することができる。なお、突起125の幅dは、突起125をX軸方向に挟む凹部(例えば溝126など)の間のX軸方向における距離を意味する。
【0034】
突起部123を有する部品収容部120を備えたキャリアテープ100は、以下に示すように、包装体200の一部として用いられる。
【0035】
[包装体の構成]
図5は、包装体200の構成を示す断面図である。
包装体200は、キャリアテープ100と、部品収容部120に収容された電子部品10と、トップテープ210と、を備える。
【0036】
トップテープ210は、部品収容部120を覆うようにキャリアテープ100に貼り付けられる。トップテープ210は、例えば、X軸方向において、第1側縁111から送り孔130の手前まで配置されており、送り孔130を覆わないように構成される。
【0037】
包装体200は、以下に示す包装体巻取リール300として、流通及び保管される。
【0038】
[包装体巻取リールの構成]
図6〜8は、本実施形態の包装体巻取リール300の構成を示す図である。
図6は、包装体巻取リール300の概略平面図である。
図7は、包装体巻取リール300のB−B'線に沿った断面図である。
図8は、
図7の一部を拡大して示す図である。なお、
図6において、包装体200の部品収容部120等の構成は省略している。
【0039】
包装体巻取リール300は、リール本体310と、包装体200と、を備える。リール本体310は、典型的には、樹脂の成形品として構成される。
リール本体310は、コア320と、コア320の両端に設けられた一対のフランジ330と、を有する。
コア320は、X軸方向(キャリアテープ100の幅方向)に延びる軸状に構成される。包装体200は、コア320の周囲に巻回され、一対のフランジ330の間に配置される。
【0040】
図7に示すように、包装体200は、コア320側からフランジ330のZ軸方向における端部330a側まで、Z軸方向に重なるように配置される。具体的に、Z軸方向に重ねられた包装体200においては、
図8のZ軸方向上側(以下、単に上側と称する)の部品収容部120の裏面122が、
図8のZ軸方向下側(以下、単に下側と称する)のトップテープ210に接触するように配置される。
【0041】
一対のフランジ330は、キャリアテープ100の第1側縁111及び第2側縁112とそれぞれ対向して配置される。これにより、フランジ330は、Z軸方向に重ねられた包装体200のX軸方向の大きな位置ずれを抑制し得る。一方で、フランジ330間のX軸方向における距離は包装体200(キャリアテープ100)のX軸方向における幅よりも大きいため、当該位置ずれを確実に抑制することは難しい。
【0042】
また、フランジ330は、樹脂の成形品として形成される場合、反りの発生によって、コア320から端部330aに向かうに従ってX軸方向外方へ傾斜することがある。これにより、端部330a側の包装体200の側縁111,112とフランジ330との距離D1は、コア320側の包装体200の側縁111,112とフランジ330との距離D2よりも大きくなり得る。この場合、端部330a側でフランジ330の上記位置ずれ抑制作用がほとんど発揮されず、Z軸方向に重ねられた包装体200が大きく位置ずれすることもあり得る。
【0043】
そこで、本実施形態によれば、裏面122に突起部123を設けることで、Z軸方向に重ねられた包装体200間におけるX軸方向の位置ずれを効果的に抑制することができる。以下、比較例を用いて、本実施形態の作用効果について説明する。
【0044】
[本実施形態の作用効果]
図9は、本実施形態の比較例に係る包装体巻取リール300Aの断面図であり、
図7に対応する断面を示す。
図10は、
図9の一部を拡大して示す図である。なお、包装体巻取リール300Aの説明において、本実施形態に係る包装体巻取リール300と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
包装体巻取リール300Aは、リール本体310と、包装体200Aと、を備える。包装体200Aは、キャリアテープ100Aと、電子部品10と、トップテープ210と、を備える。キャリアテープ100Aは、テープ本体110と、部品収容部120Aと、を有する。部品収容部120Aは、一対の側壁121と、Z軸方向外方に向いた裏面122Aと、を有し、裏面122Aが略平坦に構成される。
【0046】
包装体200Aの巻取時及び輸送時等においては、包装体巻取リール300Aに振動が与えられ、Z軸方向に重ねられた包装体200Aの間にX軸方向の位置ずれが生じやすい。特に、キャリアテープ100Aでは、部品収容部120Aの列と送り孔130の列がX軸方向に並んで配置される。このため、比較的重い部品収容部120Aが、キャリアテープ100AのX軸方向における中心よりも、第1側縁111側に偏って配置される。したがって、包装体200Aの姿勢が不安定になりやすく、X軸方向の上記位置ずれがより生じやすい。
【0047】
さらに、上述のように、フランジ330によって、Z軸方向に重ねられた包装体200A間のX軸方向における位置ずれを確実に抑制することは難しい。
【0048】
Z軸方向に重ねられた包装体200Aの間にX軸方向の位置ずれが生じた場合、
図10に示すように、上側の部品収容部120Aが、下側のトップテープ210の空間S上の領域をZ軸方向下方に押圧することがある。この結果、下側のトップテープ210と電子部品10とが接触し、電子部品10がトップテープ210に貼り付く。
【0049】
図11は、トップテープ210に電子部品10が貼り付いた包装体200Aを示す模式的な斜視図である。
電子部品10の実装時には、リール本体310から包装体200Aが引き出され、当該引き出された包装体200Aのキャリアテープ100Aからトップテープ210が剥がされる。そして、電子部品10が、図示しないマウンタによって部品収容部120Aから取り出される。
図11に示すように、トップテープ210に電子部品10が貼り付いている場合には、マウンタが電子部品10を取り出すことができず、実装効率が低下する。
【0050】
一方、本実施形態では、
図8に示すように、部品収容部120の裏面122が、Z軸方向に突出した突起部123を含む。これにより、包装体巻取リール300において、上側の突起部123が下側のトップテープ210と接触した場合、これらの間に十分な摩擦力が作用する。したがって、包装体巻取リール300に振動が与えられた場合にも、Z軸方向に重ねられた上側の裏面122と下側のトップテープ210との間のX軸方向のずれが抑制される。
【0051】
この結果、フランジ330に反りが発生し、距離D1が距離D2よりも大きくなった場合でも、重ねられた包装体200間における摩擦によって、これらの間のX軸方向のずれが抑制される。
【0052】
また、突起部123は、側壁121のZ軸方向外方(下方)に配置されている。これにより、上側の突起部123が、下側のトップテープ210の側壁121上の領域に接触し、かつ摩擦によって当該領域からずれにくくなる。したがって、上側の部品収容部120が位置ずれして下側のトップテープ210の空間S上の領域を押圧することが抑制される。
【0053】
さらに、上記構成により、上側の突起部123が下側の側壁121によって安定して支持される。また、Z軸方向の荷重が大きくなるに従い、上側の突起部123と下側のトップテープ210との間の摩擦力が大きくなる。したがって、包装体200の重なり数が多くなった場合にも、Z軸方向に重ねられた包装体200間のX軸方向のずれが抑制される。
【0054】
また、Z軸方向に重ねられた包装体200間のX軸方向のずれを抑制するために、中央部124にのみ突起部を形成することも考えられる。しかし、その場合、突起部123が側壁121のZ軸方向外方(下方)に配置されている場合に比べ、上側の突起部が下側のトップテープ210の空間S上の領域を押圧し得る。上側の部品収容部120から下側のトップテープ210に大きな荷重が付加された場合には、上側の突起部によって下側のトップテープ210が電子部品10と接触し、上述の実装効率の低下につながる。
【0055】
本実施形態によれば、上側の部品収容部120が下側のトップテープ210の空間S上の領域を押圧することが効果的に抑制され、電子部品10がトップテープ210に貼り付くことがより確実に抑制される。この結果、実装時に電子部品10が部品収容部120に適切に収容された状態となり、実装効率を高めることができる。
【0056】
加えて、突起部123がY軸方向に延在することにより、突起部123によってX軸方向における摩擦力を確実に作用させることができる。これにより、包装体巻取リール300において、Z軸方向に重ねられた包装体200の間のX軸方向における位置ずれがより効果的に抑制される。
【0057】
さらに、各突起部123が複数の突起125を含むことで、これらの突起125によってより確実に摩擦力を作用させることができる。したがって、包装体巻取リール300において、Z軸方向に重ねられた包装体200の間のX軸方向における位置ずれがより効果的に抑制される。
【0058】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0059】
例えば、各突起部123が、単一の突起125を有する構成でもよい。
あるいは、各突起部123は、Y軸方向に延在していなくてもよく、例えば長方形状の裏面122の角部に配置された突起を含んでいてもよい。