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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-155078(P2021-155078A)
(43)【公開日】2021年10月7日
(54)【発明の名称】易開封封筒
(51)【国際特許分類】
   B65D 27/34 20060101AFI20210910BHJP
【FI】
   B65D27/34
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-57238(P2020-57238)
(22)【出願日】2020年3月27日
(11)【特許番号】特許第6813252号(P6813252)
(45)【特許公報発行日】2021年1月13日
(71)【出願人】
【識別番号】599057397
【氏名又は名称】丸尾 章
(74)【代理人】
【識別番号】100150153
【弁理士】
【氏名又は名称】堀家 和博
(72)【発明者】
【氏名】丸尾 章
(57)【要約】
【課題】折曲線に略沿う等する折曲側破断線を設け、他方面体におけるフラップ先端縁が重なる箇所と折曲側破断線の間に先端側破断線を設けて、「中身の取出容易化」と「不本意な開封の抑制」などを実現する。
【解決手段】一方面体1aと他方面体1bで形成され、一方面体1aの端縁に折曲自在に設けられたフラップ2で開口Kを塞ぐ封筒1である。一方面体1aとフラップ2の間の折曲線3に略沿う等する折曲側破断線4を設け、他方面体1bにおけるフラップ2の先端縁が重なる箇所と折曲側破断線4の間に先端側破断線5を設ける。又、折曲側破断線4と先端側破断線5の一端部同士を連結する一端側破断線6や、折曲側破断線4と先端側破断線5の他端部同士を連結する他端側破断線7、折曲側破断線4から一方面体1aに亘る切込線8を設けたり、他方面体1bの折曲側破断線4等と先端側破断線5の間をフラップ2に接着して開口Kを塞いでも良い。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方面体と他方面体で形成され、前記一方面体の端縁に折曲自在に設けられたフラップで開口を塞ぐ封筒であって、
前記一方面体とフラップの間の折曲線に略沿って、又は、前記フラップにおける折曲線の近傍に、折曲側破断線が設けられ、
前記他方面体における、当該他方面体に折り重なったフラップの先端縁が重なる箇所と前記折曲側破断線の間に、先端側破断線が設けられていることを特徴とする封筒。
【請求項2】
前記折曲側破断線の一端部と、前記先端側破断線の一端部の間を連結する一端側破断線が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の封筒。
【請求項3】
前記折曲側破断線の他端部と、前記先端側破断線の他端部の間を連結する他端側破断線が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の封筒。
【請求項4】
前記折曲側破断線から一方面体に亘る切込線が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の封筒。
【請求項5】
前記他方面体における、前記折曲線に略沿った折曲側破断線と先端側破断線の間、又は、前記他方面体における、当該他方面体に折り重なったフラップの前記折曲線の近傍の折曲側破断線が重なる箇所と先端側破断線の間の少なくとも一部が、前記フラップに接着されて、前記開口を塞いでいることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の封筒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方面体と他方面体で形成され、前記一方面体の端縁に折曲自在に設けられたフラップで開口を塞ぐ封筒に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、郵便封筒の受取人が、ハサミやナイフなど道具を使用せず簡単に開封ができるようにした、引き破り開封口の付いた封筒が知られている(特許文献1)。
この封筒は、封筒本体に、2列の任意形状のミシン目状切込線で形成された、開封口を設けた引き破り開封口が付いている。
【0003】
又、従来、開口部を折り返えして塞ぐための開口側舌片が設けられ、この開口側舌片が接着剤を介して封筒の開口部側の外表面に接着される封筒が知られている(特許文献2)。
この封筒は、封筒の開口部側に沿って開封用のミシン目が形成され、開口側舌片はこれを折り返して開封用のミシン目を覆うように接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−35139号公報
【特許文献2】国際公開第01/28878号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された封筒は、2列の任意形状のミシン目状切込線で形成された開封口を引き破って開封するため、開封口から中身を取り出す際に、当該中身が、開封口周りの封筒本体やのりしろ部に引っかかり易く、中身を取り出し難い問題がある。
更に、特許文献1の封筒は、ミシン目状切込線が当該封筒の外部に露出しているため、封筒の配送中に何かの拍子でミシン目状切込線が破損して、不本意ながらも開封口が開いてしまう虞がある。
【0006】
一方、特許文献2に記載された封筒は、開口側舌片の外周側端部を指でつまんで開封しようとすると、開口側舌片は封止用の接着剤を介してミシン目の部分を引っ張ることで開封されるものの、特許文献2の封筒に、ケント紙等の丈夫な紙を用いず、クラフト紙等の紙質の弱い紙を用いた場合には、開口側舌片からその外周側端部が破れ易く、ミシン目の部分を引っ張って開封することが出来ない虞があるとも言える。
又、特許文献2の封筒がケント紙等の丈夫な紙を用いた場合、その丈夫さの分だけ厚みが増すため、ミシン目の形成が困難となり、ミシン目形成のみを行う工程が必要となって、製造効率の低下やコスト高を招くとも言える。
【0007】
本発明は、このような点に鑑み、折曲線に略沿う等する折曲側破断線を設け、他方面体におけるフラップ先端縁が重なる箇所と折曲側破断線の間に先端側破断線を設けることによって、「中身の取出容易化」と「不本意な開封の抑制」などを実現できる封筒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る封筒1は、一方面体と他方面体で形成され、前記一方面体の端縁に折曲自在に設けられたフラップで開口を塞ぐ封筒であって、前記一方面体とフラップの間の折曲線に略沿って、又は、前記フラップにおける折曲線の近傍に、折曲側破断線が設けられ、前記他方面体における、当該他方面体に折り重なったフラップの先端縁が重なる箇所と前記折曲側破断線の間に、先端側破断線が設けられていることを第1の特徴とする。
【0009】
本発明に係る封筒1の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記折曲側破断線の一端部と、前記先端側破断線の一端部の間を連結する一端側破断線が設けられている点にある。
【0010】
本発明に係る封筒1の第3の特徴は、上記第1又は2の特徴に加えて、前記折曲側破断線の他端部と、前記先端側破断線の他端部の間を連結する他端側破断線が設けられている点にある。
【0011】
本発明に係る封筒1の第4の特徴は、上記第1〜3の特徴に加えて、前記折曲側破断線から一方面体に亘る切込線が設けられている点にある。
【0012】
本発明に係る封筒1の第5の特徴は、上記第1〜4の特徴に加えて、前記他方面体における、前記折曲線に略沿った折曲側破断線と先端側破断線の間、又は、前記他方面体における、当該他方面体に折り重なったフラップの前記折曲線の近傍の折曲側破断線が重なる箇所と先端側破断線の間の少なくとも一部が、前記フラップに接着されて、前記開口を塞いでいる点にある。
【0013】
これらの特徴により、折曲線3に略沿って、又は、フラップ2における折曲線3の近傍に折曲側破断線4を設け、他方面体1bにおけるフラップ2先端縁が重なる箇所と折曲側破断線4の間に先端側破断線5を設けることで、他方面体1b(折曲側破断線4と先端側破断線5の間の一部等)をフラップ2に接着した場合に、フラップ2から開封した際には、開口K周辺におけるフラップ2や当該フラップ2に接着した部分も取り除くことが可能となり、特許文献1等とは異なり、開口Kから中身を取り出す際に、当該中身が、開口K周辺部に引っかかり難く、中身を取り出し易くなる(「中身の取出容易化」)。
これに加えて、特許文献1等とは異なり、先端側破断線5等がフラップ2に隠れて露出し難いため、封筒1の配送中に先端側破断線5等が破損し難くなり、開口Kが不本意に開くことを抑制できる(「不本意な開封の抑制」)。
尚、封筒1は、当該封筒1の受領者がハサミ等を使わずとも、破断線4、5を破断させるだけで開封できる(「易開封化の向上」が図れる)ことから、「易開封封筒」であるとも言える。そして、封筒1は、特許文献2とは異なり、クラフト紙等の紙質の弱い紙を用いた場合でも、折曲側破断線4と先端側破断線5の間の部分における一端部などのつまみ部が破れ難く、用いる素材を問わないため、余計な厚み増加がなくなり、ミシン目形成のみを行う工程等が不要となって、製造効率の向上やコスト低下も図れるとも言える。
【0014】
又、折曲側破断線4と先端側破断線5の一端部同士を連結する一端側破断線6を設けることで、まず一端側破断線6を破断させることで、折曲側破断線4と先端側破断線5の間の部分における一端部を指でつまむことが出来(謂わば、当該一端部はつまみ部と言え)、このつまみ部をつまんで折曲側破断線4と先端側破断線5を同時に破断させられるため、更なる「易開封化の向上」が図れる。
一方、折曲側破断線4と先端側破断線5の他端部同士を連結する他端側破断線7を設けても良く、この場合にも、折曲側破断線4と先端側破断線5の間の部分における他端部が、つまみ部となって、更なる「易開封化の向上」が図れる。尚、封筒1が一端側破断線6と他端側破断線7の両方を有している場合等であれば、互いに接着されたフラップ2と他方面体1bを封筒1から分離できるとも言える。
【0015】
更に、折曲側破断線4から一方面体1aに亘る切込線8を設けても良く、この場合にも、切込線8と一方面体1aの端縁の間の部分が、つまみ部となって、更なる「易開封化の向上」が図れる。
【0016】
そして、他方面体1bにおける折曲線3に略沿った折曲側破断線4と先端側破断線5の間、又は、他方面体1bにおける折曲線3の近傍の折曲側破断線4が重なる箇所と先端側破断線5の間の少なくとも一部をフラップ2に接着して開口Kを塞ぐことで、フラップ2から開封した際には、開口K周辺におけるフラップ2や当該フラップ2に接着した部分も取り除くことが出来ると共に、折曲側破断線4周辺や、先端側破断線5周辺は、フラップ2とは接着され難く、破断線4、5を破断させる際に支障がなく、より開封し易い(更なる「易開封化の向上」)。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る封筒によると、折曲線に略沿う等する折曲側破断線を設け、他方面体におけるフラップ先端縁が重なる箇所と折曲側破断線の間に先端側破断線を設けることによって、「中身の取出容易化」と「不本意な開封の抑制」などを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係る封筒の一方面体側を例示する図面代用写真である。
図2】第1実施形態に係る封筒の他方面体側で、フラップと共に折曲側破断線と先端側破断線を破断させ、開封している状態を例示する図面代用拡大写真である。
図3】第1実施形態に係る封筒を例示する図であって、(a)は封筒の展開図であり、(b)はフラップ以外を接着した状態を示す図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る封筒の一方面体側を例示する図面代用写真である。
図5】第2実施形態に係る封筒の他方面体側で、フラップと共に折曲側破断線と先端側破断線を破断させ、開封している状態を例示する図面代用拡大写真である。
図6】本発明の第3実施形態に係る封筒の一方面体側の一部を例示する図面代用拡大写真である。
図7】第3実施形態に係る封筒の他方面体側で、フラップと共に折曲側破断線と先端側破断線を破断させ、開封している状態を例示する図面代用拡大写真である。
図8】第3実施形態に係る封筒を例示する展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
<第1実施形態に係る封筒1>
図1〜3には、本発明の第1実施形態に係る封筒1が例示されている。
封筒1は、後述する一方面体1aと他方面体1bで形成された封筒であり、当該封筒1における開口Kを塞ぐ後述のフラップ2を有している。
尚、第1実施形態に係る封筒1では、開口Kやフラップ2の封筒1における位置は、封筒1が正面視で略矩形状であれば、長手方向に沿った2つの端部(長手端部)の何れか一方であり、フラップ2の正面視における形状も、主に略矩形状として以下に述べる。
【0020】
封筒1は、後述する折曲側破断線4と、先端側破断線5を有している。
その他、封筒1は、後述する一端側破断線6や他端側破断線7、切込線8等を有したり、その他方面体1bの折曲側破断線4と先端側破断線5の間の一部等がフラップ2に接着されていても良い。
【0021】
封筒1は、塞がれていない(封をしていない)状態(後述する開口Kを有する状態)であったり、封筒1内に手紙などの中身が入った状態で塞がれた(封をした)状態(開口Kを有さない状態)である等、何れの状態でも良い。
尚、封筒1における開口Kは、封筒1内に中身を入れた後に、後述するフラップ2で塞ぎ、接着剤や接着テープなどの固着手段により、封をされても良い。
【0022】
封筒1の形状も、特に限定はないが、例えば、正面視において、略矩形状や略正方形状であったり、略楕円形状や略円形状、略三角形状、略五角形状などの略多角形状などであっても良い。
以下、封筒1の正面視における形状は、主に略矩形状であるとして述べる。
正面視で略矩形状等の封筒1における角部も、特に限定はないが、例えば、丸かったり、角が略直線状に切られていたり、角部を略直線状に切られて出来た角を更に丸くしたものであっても良い。
【0023】
正面視で略矩形状等の封筒1の大きさも、特に限定はないが、例えば、正面視における形状が略矩形状であるならば、長手方向長さが180mm以上360mm以下、好ましくは190mm以上350mm以下、更に好ましくは200mm以上340mm以下であったり、短手方向長さが60mm以上170mm以下、好ましくは70mm以上160mm以下、更に好ましくは80mm以上150mm以下(235mm×120mmや、225mm×90mm、205mm×90mm、332mm×142mmや、277mm×119mm、220mm×110mmなど)であっても良い。
又、正面視で略矩形状の封筒1の大きさは、例えば、長手方向長さが170mm以上410mm以下、好ましくは180mm以上400mm以下、更に好ましくは190mm以上390mm以下であったり、短手方向長さが90mm以上320mm以下、好ましくは100mm以上310mm以下、更に好ましくは110mm以上300mm以下(332mm×240mmや、382mm×287mm、382mm×270mm、277mm×216mmや、267mm×197mm、240mm×190mm、229mm×162mm、205mm×142mm、197mm×119mmなど)であっても良い。
その他、正面視で略矩形状の封筒1の大きさは、例えば、長手方向長さが120mm以上260mm以下、好ましくは130mm以上250mm以下、更に好ましくは140mm以上240mm以下であったり、短手方向長さが55mm以上150mm以下、好ましくは65mm以上140mm以下、更に好ましくは75mm以上130mm以下(162mm×114mmや、235mm×120mm、176mm×120mm、148mm×98mmや、235mm×105mm、217mm×95mm、190mm×98mm、165mm×92mmなど)であっても良い。
【0024】
封筒1の厚さ(中身を入れていない封筒1の側面視における幅とも言え、後述する一方面体1aと他方面体1bそれぞれの厚さ等を足した値であるとも言える)も、特に限定はないが、例えば、0.02mm以上2.00mm以下(20μm以上2000μm以下)、好ましくは0.10mm以上1.50mm以下(100μm以上1500μm以下)、更に好ましくは0.20mm以上1.00mm以下(200μm以上1000μm以下)であっても良い。
【0025】
その他、封筒1の構成も、特に限定はないが、例えば、封筒1は、下方マチ(底マチ)、側方マチ(横マチ)などを有する構成であっても良い。
封筒1は、所望により、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、香料等を添加した素材を用いても良い。
【0026】
封筒1の色彩についても、赤色系、橙色系、黄色系、緑色系、青色系、紫色系、黒色系、白色系など何れの色調でも良く、色調の数や、彩度や明度についても何れの値でも構わない。
封筒1に表示された文字、図柄も、その有無や、色彩、数、デザインなど特に限定はなく、何れであっても良い。
【0027】
<一方面体1a、他方面体1b>
図1〜3に示したように、一方面体1aと他方面体1bは、上述した封筒1を形成する面体であり、それぞれの面体は、シート状物であるとも言える。
尚、一方面体1aは表面体1aであるとも言え、他方面体1bは裏面体1bであるとも言える。
【0028】
一方面体1aと他方面体1bは、それらの面体の端部同士が連結して袋状(封筒状)に形成されていれば、何れの構成であっても良いが、1つの封筒1を形成する面体の枚数は問わず、例えば、1枚の面体で袋状に形成(例えば、1枚の面体で、封筒1の一方面体1aや他方面体1b、フラップ2等を形成)されていたり、2枚の面体で袋状に形成(例えば、2枚の面体のうち、1枚の面体で封筒1の一方面体1aやフラップ2等を形成し、もう1枚の面体で封筒1の他方面体1bを形成)されていたり、3枚の面体で袋状に形成(例えば、3枚の面体のうち、1枚の面体で封筒1の一方面体1aを形成し、他の1枚の面体で封筒1の他方面体1bを形成し、更に他の1枚の面体で封筒1のフラップ2を形成等)されていたり、4枚以上の面体で袋状に形成されていても良い。
以下、封筒1における面体の枚数は、主に1枚であるとして述べる。
【0029】
図3(a)の展開図にて、1つの封筒1における一方面体1aや他方面体1bが1枚の面体で構成されている場合の1つを詳解すれば、1枚の面体を略2等分する折り目に沿って2つ折りにして、1枚の面体の半分を封筒1の一方面体1aとし、もう半分を封筒1の他方面体1bとして、フラップ2や折曲線3と開口K以外の2方向の端部を、略台形状等の舌片(のりしろ部分とも言える)などを介して接着させても良い。
又、1つの封筒1における一方面体1aや他方面体1bが1枚の面体で構成されている場合としては、封筒1が正面視で略矩形状であれば、1枚の面体を背貼りする(ピロー形状(合掌式)とする、又は、形成した後の封筒1において他方面体1b側の左右方向略中央となる部分を連結する)等であっても良く、詳解すれば、1枚の面体が筒状となるように、ある端部と当該端部に正対する端部を略矩形状等の舌片(これものりしろ部分と言える)などを介し連結し、その連結部分を挟んだ筒側面の周方向における所定距離部分が封筒1の他方面体1bとなり、その他方面体1b以外の部分が封筒1の一方面体1aとなり、当該一方面体1aのフラップ2や折曲線3と開口K以外の1方向の端部を、略台形状等の舌片などを介して接着させても良い。
【0030】
この他、面体が2枚で1つの封筒1を構成している場合、封筒1が正面視で略矩形状であれば、略同じ形状・大きさの2枚の面体を重ね合わせて封筒1の一方面体1aと他方面体1bを形成し、開口K以外の3方向の端部を略台形状等の舌片などを介して連結させても良い。
面体が3枚で1つの封筒1を構成している場合、封筒1が正面視で略矩形状であれば、3枚の面体のうち、略同じ形状・大きさの2枚の面体を重ね合わせて封筒1の一方面体1aと他方面体1bを形成し、開口K以外の3方向の端部を略台形状等の舌片などを介して連結させ、一方面体1aにおいて開口Kがある方向の端部に、略台形状等の舌片などを介してフラップ2を連結させても良い。尚、面体が4枚以上で1つの封筒1を構成している場合、封筒1が正面視で略矩形状であれば、例えば、4枚以上の面体のうち、3枚の面体で、上述したように、封筒1の一方面体1aや他方面体1b、フラップ2を形成し、その他の面体で封筒1の底マチや側方マチ等を形成しても良い。
【0031】
一方面体1aと他方面体1bの形状については、上述した封筒1の形状と同様である。
一方面体1aと他方面体1bそれぞれの厚さは、特に限定はないが、上述した封筒1の厚さの略半分であるとも言え、例えば、例えば、0.01mm以上1.00mm以下(10μm以上1000μm以下)、好ましくは0.05mm以上0.75mm以下(50μm以上750μm以下)、更に好ましくは0.10mm以上0.50mm以下(100μm以上500μm以下)であっても良い。
【0032】
一方面体1aと他方面体1bそれぞれの素材も、特に限定はないが、例えば、クラフト紙や、ケント紙、上質紙、薄葉紙、レーヨン紙、化繊紙、奉書紙などの紙類であったり、ポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレン(PE)樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン6(ONy)樹脂)等の合成樹脂であっても良い。
ここまで述べた一方面体1aや他方面体1b等で形成された封筒1について、当該封筒1における開口Kを以下に述べる。
【0033】
<開口K>
図1〜3に示したように、開口Kは、封筒1における開口Kであって、封筒1の端部に位置していれば、上述した一方面体1aの一端縁(又は、後述するフラップの先端縁)と、他方面体1bの一端縁の間に存在すると言える。
この開口Kの封筒1における位置は、特に限定はないが、例えば、封筒1が正面視で略矩形状であれば、長手方向に沿った2つの端部(長手端部)の何れか一方(第1、3実施形態)であったり、短手方向に沿った2つの端部(短手端部)の何れか一方(第2実施形態)であっても良い。
【0034】
開口Kの形状も、特に限定はないが、例えば、当該開口Kを挟む他方面体1bの一端縁は、浅い略三角形状に切り欠かれていても良く、逆に、この浅い略三角形状の切欠がなく、他方面体1bの一端縁が略平坦であっても構わない。
一方、当該開口Kを挟む一方面体1aの一端縁(又は、フラップの先端縁)は、略平坦であっても良い。
ここまで述べた開口Kを塞ぐフラップ2について、以下に述べる。
【0035】
<フラップ2>
図1〜3で示したように、フラップ2は、上述した開口Kを塞ぐ舌片状の部分であり、上述した一方面体1aの端縁に折曲自在に設けられている。
フラップ2の封筒1における位置は、上述した開口Kが存在する側の端縁であって、例えば、封筒1が正面視で略矩形状であれば、開口Kと同様に、長手方向に沿った2つの端部(長手端部)の何れか一方(第1、3実施形態)であったり、短手方向に沿った2つの端部(短手端部)の何れか一方(第2実施形態)となる。
【0036】
フラップ2の正面視における形状は、特に限定はないが、略矩形状や、略台形状であったり、その他、略正方形状や略半楕円形状、略半円状、略三角形状、略五角形状などの略多角形状であっても良い。
以下、フラップ2の正面視における形状は、主に略矩形状や略台形状であるとして述べる。
【0037】
正面視で略矩形状や略台形状等のフラップ2における角部も、特に限定はないが、例えば、丸かったり、角が略直線状に切られていたり、角部を略直線状に切られて出来た角を更に丸くしたものであっても良い。
正面視で略矩形状や略台形状等のフラップ2における端縁のうち、何れの端縁が、上述した略矩形状等の一方面体1aの端縁に折曲自在に設けられていても良いが、フラップ2が正面視で略矩形状であれば、当該フラップ2の長手端縁の何れか一方が、下底(略台形状断面における一対の平行な辺(底)のうち、長い方の底)側の端縁が、フラップ2が正面視で略台形状であれば、当該フラップ2の下底側の端縁が、略矩形状等の一方面体1aの端縁に折曲自在に設けられていても構わない。
【0038】
フラップ2の幅は、当該フラップ2が正面視で略矩形状や略台形状であれば、その長手方向の長さであるとも言え、その値も、特に限定はないが、例えば、上述した正面視で略矩形状の封筒1(一方面体1a)の長手方向長さ、又は、短手方向長さと同様であっても良いが、その他、正面視で略矩形状封筒1の長手方向長さや短手方向長さより短くても構わない。尚、フラップ2の幅が封筒1の長手方向長さや短手方向長さより短い場合、フラップ2は、正面視で略矩形状や略台形状である封筒1の一方面体1aにおける開口Kが存在する側の端縁の一部に対して、折曲自在に設けられていると言える。
フラップ2の長さは、当該フラップ2の先端縁から、後述する折曲線3までの長さであるとも言え、その値も、特に限定はないが、例えば、5mm以上50mm以下、好ましくは10mm以上45mm以下、更に好ましくは150mm以上40mm以下(30mmや、25mm、20mm、38mm、35mmなど)であっても良い。
【0039】
フラップ2の厚さは、上述した一方面体1aや他方面体1bの厚さと同様である。
ここまで述べたフラップ2と一方面体1aの間の折曲線3について、以下に述べる。
【0040】
<折曲線3>
図1〜3に示したように、折曲線3は、上述したフラップ2と一方面体1aの間に存在する線であり、この折曲線3に略沿って、フラップ2は一方面体1aに対して折曲自在となっている。
折曲線3の長さは、上述したフラップ2の幅と同様であると言える。
【0041】
詳解すれば、フラップ2の幅が、正面視で略矩形状の封筒1の長手方向長さ、又は、短手方向長さと同様である場合には、当然、折曲線3の長さは、正面視で略矩形状の封筒1の長手方向長さ、又は、短手方向長さと同様となる。
又、フラップ2の幅が、正面視で略矩形状の封筒1の長手方向長さ、又は、短手方向長さより短い場合には、折曲線3の長さは、フラップ2の幅と同様である。
【0042】
<折曲側破断線4>
図1〜3に示したように、折曲側破断線4は、上述した折曲線3に略沿って設けられた破断線、又は、上述したフラップ2における折曲線3の近傍に設けられた破断線である。
尚、本発明における「破断線」とは、この破断線を挟んだ2つの部分のうち、一方の部分のみに、当該破断線の長さ方向に沿って、引っ張るなどの力をかけたり、当該2つの部分の両方に当該破断線の長さ方向に沿って、互いに逆に引っ張るどの力をかける等により、当該破断線が破断し、当該破断線を挟んだ2つの部分が、互いに切り離される線を意味し、具体的には、ミシン目(図3等参照)であったり、所定間隔で切り離された部分(線状部分や、略く字状部分(図8等参照)など)と連結したままの部分が繰り返されるなど、力をかけることで破断するのであれば、何れの構成であっても良い。
【0043】
又、本発明における「折曲側破断線4が、折曲線3に略沿って設けられる」とは、文字通り、<1>折曲側破断線4が折曲線3に沿っている(折曲側破断線4が、折曲線3と重なっている)ケースの他、<2>折曲側破断線4全体が蛇行していたり、折曲側破断線4におけるが所定間隔ごとに一部が略三角形状等に曲がっているなど、折曲側破断線4が所定の幅を有する際に、折曲側破断線4の一部分が折曲線3に沿っているものの、折曲側破断線4の他の部分が折曲線3に沿っていない(折曲側破断線4の他の部分が、折曲線3から一方面体1a側、又は/及び、フラップ2側にはみ出している)場合において、折曲側破断線4のうち、折曲線3に沿っている部分の方が、折曲線3に沿っていない部分より大きい(広い、長い等の)ケースも含む。
更に、本発明における「折曲側破断線4が、フラップ2における折曲線3の近傍に設けられる」とは、上述した<1>、<2>のケースを除き、<3>折曲側破断線4全体が蛇行していたり、折曲側破断線4におけるが所定間隔ごとに一部が略三角形状等に曲がっているなど、折曲側破断線4が所定の幅を有する際に、折曲側破断線4の一部分が折曲線3に沿っているものの、折曲側破断線4の他の部分が折曲線3に沿っていない(折曲側破断線4の他の部分が、折曲線3から一方面体1a側、又は/及び、フラップ2側にはみ出している)場合において、折曲側破断線4のうち、折曲線3に沿っている部分の方が、折曲線3に沿っていない部分より小さい(狭い、短い等の)ケースや、<4>折曲側破断線4に折曲線3に沿っている部分がなく(折曲側破断線4に折曲線3と交差する部分はあっても良い)、折曲側破断線4全体(又は、大部分(折曲側破断線4のうち、フラップ2側の部分が一方面体1a側の部分より大きい))が、フラップ2における折曲線3から所定距離だけフラップ2の先端側に離れた位置に設けられているケースを含む。
【0044】
ここで、本発明における「折曲線3から所定距離だけフラップ2の先端側に離れた位置」における「所定距離」とは、特に限定はないが、例えば、後述するフラップ2の長さ(当該フラップ2の先端縁から折曲線3までの長さ)の0倍より大きく1/2倍以下(つまり、少なくともフラップ2の折曲線3寄りの位置)、好ましくは0倍より大きく1/3倍以下、更に好ましくは1/10倍以上1/4倍以下などであっても良い。
折曲側破断線4の長さは、折曲線3と略同じ長さでも良いが、折曲線3より短くても(折曲側破断線4が、折曲線3の一部に略沿っていたり、又は、フラップ2における折曲線3の一部の近傍に設けられていても)構わない。
【0045】
折曲側破断線4は、折曲線3と略平行であっても良いが、略平行でなくとも良い。
詳解すれば、折曲側破断線4が折曲線3に略沿って設けられている場合には、当然に、折曲側破断線4は折曲線3と略平行であると言え、一方、折曲側破断線4がフラップ2側において折曲線3の近傍に設けられている場合には、折曲側破断線4が折曲線3の近傍で且つ折曲線3と略平行であったり、折曲側破断線4が折曲線3の近傍で且つ折曲線3と略平行でないと言える。
【0046】
尚、本発明における「折曲側破断線4は、折曲線3と略平行である」とは、折曲側破断線4の長さ方向と折曲線3の長さ方向が、文字通り、平行である(折曲側破断線4の長さ方向と折曲線3の長さ方向の間の角度が0度である)場合だけでなく、折曲側破断線4の長さ方向と折曲線3の長さ方向が交差しているものの、折曲側破断線4の長さ方向と折曲線3の長さ方向の間の角度が所定角度(折曲側破断線4の長さ方向と折曲線3の長さ方向が互いに平行とみなせる角度であり、例えば、0°より大きく5°以下、好ましくは0°より大きく3°以下、より好ましくは0°より大きく1°以下など)以内である場合を含む。
【0047】
<先端側破断線5>
図1〜3に示したように、先端側破断線5は、上述した他方面体1bにおける、当該他方面体1bに折り重なったフラップ2の先端縁が重なる箇所と、折曲側破断線4の間に設けられている破断線である。
尚、本発明における「他方面体1bに折り重なったフラップ2の先端縁が重なる箇所」とは、封筒1における開口Kを塞ぐフラップ2を、当該開口Kを塞ぐように、他方面体1bに折り重ねた際、他方面体1bにおいて、フラップ2の先端縁に重なる端縁状(略線状)の箇所を意味する。ここで、例えば、フラップ2が正面視で略矩形状であれば、フラップ2の先端縁とは、フラップ2の長手方向に沿った2つの端部(長手端部)のうち折曲線3ではない方となり、フラップ2が正面視で略矩形状であれば、フラップ2の先端縁とは、フラップ2の上底(略台形状断面における一対の平行な辺(底)のうち、短い方の底)となる。
【0048】
又、本発明における「他方面体1bに折り重なったフラップ2の先端縁が重なる箇所と、折曲側破断線4の間」とは、他方面体1bにおいて、フラップ2の先端縁の長さ方向視及び/又は折曲側破断線4の長さ方向視で、当該フラップ2の先端縁が重なる箇所と折曲側破断線4との間に位置することを意味する。
例えば、フラップ2が正面視で略矩形状であれば、「他方面体1bに折り重なったフラップ2の先端縁が重なる箇所と、折曲側破断線4の間」とは、フラップ2の2つの長手端部のうち折曲線3ではない方と折曲側破断線4との間を意味し、フラップ2が正面視で略台形状であれば、「他方面体1bに折り重なったフラップ2の先端縁が重なる箇所と、折曲側破断線4の間」とは、フラップ2の上底と折曲側破断線4との間を意味する。
【0049】
先端側破断線5は、当該フラップ2の先端縁が重なる箇所の長さや、折曲側破断線4、折曲線3の長さと略同じ長さであったり(上述したフラップ2が正面視で略矩形状の場合)、当該フラップ2の先端縁が重なる箇所の長さや、折曲側破断線4等の長さより長かったり(上述したフラップ2が正面視で略台形状の場合、先端側破断線5は、当該フラップ2の先端縁が重なる箇所であるフラップ2の上底より長い)、その他、当該フラップ2の先端縁が重なる箇所の長さや、折曲側破断線4等の長さより短くとも良い。
尚、先端側破断線5が当該フラップ2の先端縁が重なる箇所の長さや折曲側破断線4等の長さより長い場合(フラップ2が正面視で略台形状の場合など)、フラップ2で開口Kを塞いだ際、先端側破断線5の一部がフラップ2に隠れず露出するとも言えるが、先端側破断線5の大部分は、当然、フラップ2に隠れており、特許文献1のように、先端側破断線5が完全に露出した場合と比べて、封筒1の配送中に先端側破断線5等が破損し難くなり、「不本意な開封の抑制」を図れるとも言える。
【0050】
先端側破断線5は、折曲側破断線4や折曲線3と略平行であっても良いが、略平行でなくとも良い。
尚、本発明における「先端側破断線5は、折曲側破断線4等と略平行である」とは、上述した折曲側破断線4と折曲線3と同様である。
【0051】
<一端側破断線6、他端側破断線7>
図1〜3に示したように、一端側破断線6は、上述した折曲側破断線4の一端部と、上述した先端側破断線5の一端部の間を連結する破断線である。
尚、本発明における「一端側破断線6が折曲側破断線4の一端部と先端側破断線5の一端部の間を連結する」とは、一端側破断線6を挟んだ2つの部分のうち、一方の部分のみに、当該一端側破断線6の長さ方向に沿って、引っ張るなどの力をかけたり、当該2つの部分の両方に当該一端側破断線6の長さ方向に沿って、互いに逆に引っ張るどの力をかける等により、当該一端側破断線6が破断し、当該一端側破断線6を挟んだ2つの部分が、互いに切り離された結果、折曲側破断線4の一端部と先端側破断線5の一端部も破断することを意味し、具体的には、折曲側破断線4や先端側破断線5と同様のミシン目が一端側破断線6にも連続していたり、折曲側破断線4や先端側破断線5と同様に、一端側破断線6でも所定間隔で切り離された部分(線状部分や、略く字状部分など)と連結したままの部分が繰り返されるなど、一端側破断線6に力をかけることで、折曲側破断線4の一端部と先端側破断線5の一端部も連なって破断するのであれば、何れの構成であっても良い。
【0052】
一端側破断線6は、折曲側破断線4の一端部と先端側破断線5の一端部の間を連結するのであれば、一端側破断線6は、折曲側破断線4や先端側破断線5と略直交であったり、略直交でなくとも良い。
尚、本発明における「一端側破断線6が折曲側破断線4や先端側破断線5と略直交である」とは、一端側破断線6の長さ方向と、折曲側破断線4の長さ方向及び/又は先端側破断線5の長さ方向が、文字通り、直交である(一端側破断線6の長さ方向と、折曲側破断線4の長さ方向及び/又は先端側破断線5の長さ方向の間の角度それぞれが90度である)場合だけでなく、一端側破断線6の長さ方向と、折曲側破断線4の長さ方向及び/又は先端側破断線5の長さ方向の間の角度それぞれが所定角度(一端側破断線6の長さ方向と、折曲側破断線4の長さ方向及び/又は先端側破断線5の長さ方向が互いに直交とみなせる角度であり、例えば、85°以上90°より小さい、好ましくは87°以上90°より小さい、より好ましくは89°以上90°より小さいなど)以内である場合を含む。
【0053】
図1〜3に示したように、他端側破断線7は、上述した折曲側破断線4の他端部と、上述した先端側破断線5の他端部の間を連結する破断線である。
尚、本発明における「他端側破断線7が折曲側破断線4の他端部と先端側破断線5の他端部の間を連結する」とは、上述した一端側破断線6と、折曲側破断線4の一端部と先端側破断線5の一端部の連結と同様である。
【0054】
他端側破断線7は、折曲側破断線4の他端部と先端側破断線5の他端部の間を連結するのであれば、他端側破断線7も、折曲側破断線4や先端側破断線5と略直交であったり、略直交でなくとも良い。
尚、本発明における「他端側破断線7が折曲側破断線4や先端側破断線5と略直交である」とは、一端側破断線6と、折曲側破断線4や先端側破断線5との略直交と同様である。
【0055】
<接着部10など>
図1〜3に示したように、封筒1は、上述した他方面体1bにおける折曲側破断線4等と先端側破断線5の間の少なくとも一部が、上述したフラップ2に接着されて、開口Kを塞いでいても良い。
ここで、本発明における「他方面体1bにおける折曲側破断線4等と先端側破断線5の間」とは、他方面体1bにおける折曲線3に略沿った折曲側破断線4と先端側破断線5の間であるか、又は、他方面体1bにおける、当該他方面体1bに折り重なったフラップ2の折曲線3の近傍の折曲側破断線4が重なる箇所と先端側破断線5の間である。
【0056】
又、本発明における「折曲側破断線4等と先端側破断線5の間の少なくとも一部」とは、折曲側破断線4等と先端側破断線5の間の一部として折曲側破断線4等の一端部と先端側破断線5の一端部の間の部分や、折曲側破断線4等の長さ方向の略中央部と先端側破断線5の長さ方向の略中央部の間の部分、折曲側破断線4等の一端部と先端側破断線5の一端部の間の部分、これらの組合せであったり、折曲側破断線4等と先端側破断線5の間において、折曲側破断線4等寄りの部分や、先端側破断線5寄りの部分、折曲側破断線4等と先端側破断線5の間の略中間の部分(それぞれの長さ方向と直交する方向における略中央の部分、これらの組合せなど)であっても良く、その他、折曲側破断線4等と先端側破断線5の間の部分全体でも構わない。
【0057】
他方面体1bにおける折曲側破断線4等と先端側破断線5の間の少なくとも一部がフラップ2に接着される具体的な構成は、特に限定はないが、例えば、他方面体1b側又は/及びフラップ2側に事前に設けられた接着部10であっても良い(図3(a)、(b)では、接着部10は、フラップ2側に設けられている)。
接着部10の設けられる位置について詳解すれば、他方面体1bにおける折曲線3に略沿った折曲側破断線4と先端側破断線5の間における他方面体1b側、又は/及び、当該他方面体1bに折り重なったフラップ2側であるか、又は、他方面体1bにおける、当該他方面体1bに折り重なったフラップ2の折曲線3の近傍の折曲側破断線4が重なる箇所と先端側破断線5の間における他方面体1b側、又は/及び、当該他方面体1bに折り重なったフラップ2側である。
【0058】
このような接着部10は、糊等の接着剤が事前に付着している部分であり、この部分に水等をつけて(切手等のように)、他方面体1bにおける折曲側破断線4等と先端側破断線5の間の少なくとも一部とフラップ2を接着して、開口Kを塞いでも良い。
接着部10は、剥離シールに覆われていても良く、当該剥離シールを剥がしてから、他方面体1bにおける折曲側破断線4等と先端側破断線5の間の少なくとも一部とフラップ2を接着して、開口Kを塞いでも良い。
【0059】
<第2実施形態の封筒1>
図4、5は、本発明の第2実施形態に係る封筒1を示している。
この第2実施形態において第1実施形態と最も異なるのは、開口Kやフラップ2の封筒1における位置が、封筒1が正面視で略矩形状であれば、短手方向に沿った2つの端部(短手端部)の何れか一方である点である。
【0060】
第2実施形態では、厳密には、フラップ2の正面視における形状も、略台形状となっている点も、第1実施形態と異なっている。
その他の封筒1の構成、作用効果や使用態様は、第1実施形態と同様である。
【0061】
<第3実施形態の封筒1>
図6〜8は、本発明の第3実施形態に係る封筒1を示している。
この第3実施形態において第1、2実施形態と最も異なるのは、後述する切込線8を有している点である。
【0062】
<切込線8>
図6〜8に示したように、切込線8は、上述した折曲側破断線4から一方面体1aに亘る切込線である。ここで、図6、7で例示した封筒1は正面視で略正方形状又は略矩形状であり、図8で例示した封筒1は正面視で略矩形状である。
尚、本発明における「切込線」とは、当該線を挟んだ2つの部分を切り離すように、線状に切れ込んだ部分を意味する。
【0063】
又、本発明における「折曲側破断線4から一方面体1aに亘る」とは、折曲側破断線4が折曲線3に略沿って設けられている場合には、折曲側破断線4のうち折曲線3に沿っている(重なっている)部分又は折曲側破断線4のうち折曲線3に沿っていない(折曲線3からはみ出している)部分から、一方面体1aまでに亘って切り込まれていることを意味し、折曲側破断線4がフラップ2における折曲線3の近傍に設けられている場合には、折曲側破断線4のうち折曲線3に沿っている(重なっている)部分、折曲側破断線4のうち折曲線3に沿っていない(折曲線3からはみ出している)部分又はフラップ2における折曲線3から所定距離だけフラップ2の先端側に離れた位置に設けられた折曲側破断線4から、フラップ2を通り、一方面体1aまでに亘って切り込まれていることを意味する。
ここで、折曲側破断線4は、破断線であるため、切り離された部分と連結したままの部分を有するが、切込線8は、折曲側破断線4のうち、切り離された部分から一方面体1aに亘っていたり、逆に、連結したままの部分から一方面体1aに亘っていても良い。
【0064】
切込線8の一方面体1aにおける端の位置や向き(角度)、長さは、特に限定はないが、例えば、切込線8の折曲側破断線4寄りの一端は、折曲側破断線4(折曲線3)の一端(又は他端)から所定距離の位置であっても良く、この当該所定距離の位置から、折曲線3の一端までの線分においては、折曲側破断線4が存在せずとも構わない。
切込線8の一方面体1aにおける向きとしては、例えば、当該所定距離の位置から一方面体1aの端縁に近接する向きに(封筒1の長手方向や短手方向に対し斜めに)延びていても良く、切込線8の一方面体1aにおける長さとしては、例えば、当該所定距離の位置から一方面体1aの端縁までの長さであったり、当該所定距離の位置から一方面体1aの端縁に近接するように延びるものの、一方面体1aの端縁までには届かない長さであっても構わない。
切込線8の本数も、特に限定はないが、例えば、1本であったり、2本や3本以上等の複数本であっても良く、切込線8が複数本である場合、複数本の切込線8のうち少なくとも2本が略平行であったり、略平行でなかったり、複数本の切込線8が略互い違い状に配置されている等であっても構わない。又、切込線8それぞれの形状も、特に限定はないが、例えば、略直線状であったり、カーブ状である(湾曲している)等の他、略Z字状や略S字状などであっても良い。
その他の封筒1の構成、作用効果や使用態様は、第1、2実施形態と同様である。
【0065】
<その他>
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。封筒1等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
封筒1は、一端側破断線6や他端側破断線7を有していなくとも良く、この場合、例えば、折曲側破断線4と先端側破断線5が略三角形状(略V字状)に設けられていても構わない。又、この場合、折曲側破断線4と先端側破断線5が略三角形状に設けられた部分における当該略三角形状の先端部分をつまみ部としても良い。
【0066】
封筒1は、切込線8を有していなくとも良く、又、切込線8と略同じ位置に、切込線8の代わりに、破断線(謂わば、一方面体側破断線)を有していても構わない。
封筒1は、当該封筒1を形成する一方面体1aや他方面体1bを構成する面体におけるのりしろ部分に破断線(のりしろ先端側破断線5’等)を有していても良く、(図3(a)、8参照)又、のりしろ部分における角部も丸くしたものでも構わない(図8参照)。
封筒1は、一方面体1a側に切欠部20(例えば、正面視で略矩形状の封筒1の一方面体1aにおける角部を略三角形状に切り欠いた切欠部20など)を有していても良い(図1、2参照)。
【0067】
封筒1は、折曲側破断線4等と先端側破断線5の間の少なくとも一部をフラップ2に接着して、開口Kを塞がなくとも良く、フラップ2の他方面体1b側の全面を、当該他方面体1bに接着させたり、フラップ2と他方面体1bにおける折曲側破断線4等や先端側破断線5の少なくとも一方にかかる範囲を接着させたり、逆に、フラップ2と他方面体1bにおける折曲側破断線4等のより折曲線3側や、先端側破断線5のよりフラップ2の先端側などを接着させても構わない。
封筒1は、接着部10を有していなくとも良く、フラップ2の他方面体1b側への接着は、開口Kを塞ぐ際に、フラップに糊(のり)等の接着剤を塗布しても良く、その他、粘着テープ等の別の固着手段によって、フラップ2で開口Kを塞いでも構わない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明に係る封筒は、当該袋体内に、手紙や書面であったり、硬貨や紙幣、金券などであったり、USBやDVD、CD等の記憶媒体であったり、書籍や小物などの商品などを入れるものとして利用可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 封筒
1a 封筒の一方面体
1b 封筒の他方面体
2 フラップ
3 折曲線
4 折曲側破断線
5 先端側破断線
6 一端側破断線
7 他端側破断線
8 切込線
K 開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2020年9月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方面体と他方面体で形成され、前記一方面体の端縁に折曲自在に設けられたフラップで開口を塞ぐ封筒であって、
前記一方面体と前記フラップの間の折曲線に略沿って、又は、前記フラップにおける前記折曲線の近傍に、折曲側破断線が設けられ、
前記他方面体における、前記他方面体に折り重なった前記フラップの先端縁が重なる箇所と前記折曲側破断線の間(前記他方面体に折り重なった前記フラップの先端縁が重なる箇所及び前記折曲側破断線上を除く)に、先端側破断線が設けられ
前記一方面体に設けられた前記フラップを挟む2つの角部のうち少なくとも1つの角部において、前記折曲側破断線から前記一方面体に亘る切込線が設けられ、
前記切込線における前記折曲側破断線寄りの端は、前記折曲線の端から所定距離の位置にあり、
前記切込線は、前記所定距離の位置から、前記一方面体における、前記フラップが設けられた端縁とで前記角部をなす端縁に近接する向きに、前記角部をなす端縁に対し斜めに延びていて、
前記折曲側破断線の長さは、前記折曲線より短く、
前記折曲側破断線における、前記切込線が設けられた前記角部寄りの端は、前記折曲線の端から前記所定距離の位置にあり、
前記切込線は、前記折曲側破断線における、前記切込線が設けられた前記角部寄りの端から、前記一方面体に亘っていて、
前記切込線と前記角部をなす端縁の間の部分が、つまみ部となっていることを特徴とする封筒。
【請求項2】
前記切込線の長さは、前記角部をなす端縁までの長さである、又は、前記角部をなす端縁に近接するように延びるものの前記角部をなす端縁までには届かない長さであることを特徴とする請求項1に記載の封筒。
【請求項3】
前記切込線は、略直線状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の封筒。
【請求項4】
前記切込線は、1本であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の封筒。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明に係る封筒1は、一方面体と他方面体で形成され、前記一方面体の端縁に折曲自在に設けられたフラップで開口を塞ぐ封筒であって、前記一方面体と前記フラップの間の折曲線に略沿って、又は、前記フラップにおける前記折曲線の近傍に、折曲側破断線が設けられ、前記他方面体における、前記他方面体に折り重なった前記フラップの先端縁が重なる箇所と前記折曲側破断線の間(前記他方面体に折り重なった前記フラップの先端縁が重なる箇所及び前記折曲側破断線上を除く)に、先端側破断線が設けられ、前記一方面体に設けられた前記フラップを挟む2つの角部のうち少なくとも1つの角部において、前記折曲側破断線から前記一方面体に亘る切込線が設けられ、前記切込線における前記折曲側破断線寄りの端は、前記折曲線の端から所定距離の位置にあり、前記切込線は、前記所定距離の位置から、前記一方面体における、前記フラップが設けられた端縁とで前記角部をなす端縁に近接する向きに、前記角部をなす端縁に対し斜めに延びていて、前記折曲側破断線の長さは、前記折曲線より短く、前記折曲側破断線における、前記切込線が設けられた前記角部寄りの端は、前記折曲線の端から前記所定距離の位置にあり、前記切込線は、前記折曲側破断線における、前記切込線が設けられた前記角部寄りの端から、前記一方面体に亘っていて、前記切込線と前記角部をなす端縁の間の部分が、つまみ部となっていることを第1の特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明に係る封筒1の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記切込線の長さは、前記角部をなす端縁までの長さである、又は、前記角部をなす端縁に近接するように延びるものの前記角部をなす端縁までには届かない長さである点にある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明に係る封筒1の第3の特徴は、上記第1又は2の特徴に加えて、前記切込線は、略直線状である点にある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明に係る封筒1の第4の特徴は、上記第1〜3の特徴に加えて、前記切込線は、1本である点にある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】