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特開2021-155097真空シール機、熱シール方法及び包装体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-155097(P2021-155097A)
(43)【公開日】2021年10月7日
(54)【発明の名称】真空シール機、熱シール方法及び包装体
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/10 20060101AFI20210910BHJP
   B65B 31/02 20060101ALI20210910BHJP
【FI】
   B65B51/10 320
   B65B31/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-59681(P2020-59681)
(22)【出願日】2020年3月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】滑川 剛
(72)【発明者】
【氏名】池田 敏之
【テーマコード(参考)】
3E053
3E094
【Fターム(参考)】
3E053AA09
3E053CB02
3E053FA01
3E053GA17
3E053GA18
3E094AA04
3E094CA02
3E094CA12
3E094DA10
3E094EA12
3E094FA11
3E094FA17
3E094HA08
(57)【要約】
【課題】包装体の内側の被包装物から液体が発生しても、包装体の良好な見栄えを保つ。
【解決手段】真空シール機60が、凹部621が形成されるアッパーボックス620と、凹部621に収容される熱盤625と、熱盤625を上下動させる第1駆動部623と、収容凹部611及び緩衝凹部612が形成されるロアボックス610と、ロアボックス610を上下動させる第2駆動部630と、空圧機器640と、を備える。ロアボックス610の上昇後且つボックス610,620内の減圧処理後、第1駆動部623が熱盤625を下降させることによって、下側フィルム3及び上側フィルム7がロアボックス610と熱盤625との間に挟み込まれて熱シールされる。その後、空圧機器640が緩衝凹部612を昇圧することによって、緩衝凹部612の縁の内側において下側フィルム3及び上側フィルム7が熱盤625に押し付けられて互いに熱シールされる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下側フィルムの上に重ねられる上側フィルムの上方に配され、下面に凹部が形成されたアッパーボックスと、
上下動可能となって前記凹部に収容される熱盤と、
前記熱盤を上下動させる第1駆動部と、
前記下側フィルムの下方に配され、前記下側フィルムの下面において凸状とされるとともに前記下側フィルムの上面において凹状とされるポケットに対向する収容凹部が上面に形成され、前記収容凹部から仕切られるとともに前記収容凹部に隣接する緩衝凹部が上面に形成されるロアボックスと、
前記熱盤及び前記アッパーボックスと前記ロアボックスとのうちの一方を上下動させる第2駆動部と、
空圧機器と、を備え、
前記第2駆動部が前記熱盤及び前記アッパーボックスと前記ロアボックスとのうちの一方を他方に向けて移動させることによって、前記ポケットが前記収容凹部に収容されるとともに、前記下側フィルム及び前記上側フィルムが前記凹部の周囲において前記ロアボックスと前記アッパーボックスとの間に挟み込まれ、
その後、前記空圧機器が、前記下側フィルムと前記上側フィルムの間の隙間と、前記収容凹部と、前記緩衝凹部と、前記凹部とを減圧し、
その後、前記第1駆動部が前記熱盤を下降させることによって、前記下側フィルム及び前記上側フィルムが前記収容凹部及び前記緩衝凹部の周囲において前記ロアボックスと前記熱盤との間に挟み込まれて互いに熱シールされ、
その後、前記空圧機器が前記緩衝凹部を昇圧することによって前記緩衝凹部と前記凹部の間に差圧を発生させ、その差圧によって前記緩衝凹部の縁の内側において前記下側フィルム及び前記上側フィルムが前記熱盤に押し付けられて互いに熱シールされる
真空シール機。
【請求項2】
前記緩衝凹部の昇圧時に、前記空圧機器が、前記収容凹部を昇圧することによって前記収容凹部と前記凹部の間に差圧を発生させ、その差圧によって前記収容凹部の縁の内側且つ前記ポケット内の被包装物の外側において前記下側フィルム及び前記上側フィルムが前記熱盤に押し付けられて互いに熱シールされる
請求項1に記載の真空シール機。
【請求項3】
下側フィルムの上に重ねられる上側フィルムの上方に配され、下面に凹部が形成されたアッパーボックスと、
上下動可能となって前記凹部に収容される熱盤と、
前記下側フィルムの下方に配され、収容凹部及び前記収容凹部から仕切られるとともに前記収容凹部に隣接する緩衝凹部が上面に形成されるロアボックスと、を利用して前記下側フィルムと前記上側フィルムとを熱シールする方法において、
前記熱盤及び前記アッパーボックスと前記ロアボックスとのうちの一方を他方に向けて移動させることによって、前記下側フィルムの下面において凸状とされるとともに前記下側フィルムの上面において凹状とされるポケットを前記収容凹部に収容するとともに、前記凹部の周囲において前記下側フィルム及び前記上側フィルムを前記ロアボックスと前記アッパーボックスとの間に挟み込み、
その後、前記下側フィルムと前記上側フィルムの間の隙間と、前記収容凹部と、前記緩衝凹部と、前記凹部とを減圧し、
その後、前記熱盤を下降させることによって、前記収容凹部及び前記緩衝凹部の周囲において前記下側フィルム及び前記上側フィルムを前記ロアボックスと前記熱盤との間に挟み込んで熱シールし、
その後、前記緩衝凹部を昇圧することによって前記緩衝凹部と前記凹部の間に差圧を発生させ、その差圧により前記緩衝凹部の縁の内側において前記下側フィルム及び前記上側フィルムを前記熱盤に押し付けて互いに熱シールする
熱シール方法。
【請求項4】
前記下側フィルムのうち前記緩衝凹部に対向する部分にはポケットが形成されていない
請求項3に記載の熱シール方法。
【請求項5】
前記緩衝凹部の昇圧時に、前記収容凹部を昇圧することによって前記収容凹部と前記凹部の間に差圧を発生させ、その差圧によって前記収容凹部の縁の内側且つ前記ポケット内の被包装物の外側において前記下側フィルム及び前記上側フィルムを前記熱盤に押し付けて互いに熱シールする
請求項3又は4に記載の熱シール方法。
【請求項6】
第1フィルムと、前記第1フィルムに重ねられて前記第1フィルムに接合された第2フィルムと、前記第1フィルムと前記第2フィルムとの間に挟まれるとともに、前記第1フィルム及び前記第2フィルムによって包装された被包装物と、を備える包装体において、
前記被包装物の周囲における前記第1フィルムと前記第2フィルムのシール部が、
前記被包装物を囲んだ矩形枠状の第1の強シール部と、
前記第1の強シール部の内側の領域を前記被包装物が存する第1領域と前記被包装物が存しない第2領域とに区切る第2の強シール部と、
前記第1領域のうち前記被包装物の周囲の領域となる第1の弱シール部と、
前記第2領域となる第2の弱シール部と、を有し、
前記第1及び第2の強シール部における前記第1フィルムと前記第2フィルムのシール強度が、前記第1及び第2の弱シール部におけるシール強度よりも高い
包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上側フィルム及び下側フィルムを熱シールする真空シール機及び熱シール方法に関するとともに、真空シール機又は熱シール方法を利用して作成される包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、深絞り包装装置の真空シール機が開示されている。この真空シール機は、上側フィルムと下側フィルムの間に被包装物を真空に密閉するものである。この真空シール機は、上側ボックス、下側ボックス及び熱盤を備える。上側ボックスの下面には凹部が形成されており、この凹部には熱盤が上下動可能に収容されている。下側ボックスの上面には、被包装物よりも大きな収容凹部が形成されている。
【0003】
真空シール機による密閉の前に、下側フィルムにポケットが形成され、そのポケットに被包装物が投入される。
次に、下側ボックスが上昇すると、ポケット及び被包装物が下側ボックスの収容凹部に収まるとともに、下側フィルム及び上側フィルムが上側ボックスの下面の縁部と下側ボックスの上面の縁部との間に挟み込まれる。
次に、上側ボックスの凹部及び下側ボックスの収容凹部が真空引きされるとともに、上側フィルムと下側フィルムとの間の隙間も真空引きされる。これにより、被包装物が上側フィルムと下側フィルムとの間に真空に密閉される。
次に、熱盤が下降すると、収容凹部の周囲において上側フィルムと下側フィルムが熱盤と下側ボックスとの間に挟み込まれて互いに熱シールされる。このように熱シールされた矩形枠状部分を強シール部という。
次に、下側ボックスの凹部が大気開放されると、上側ボックスの凹部と下側ボックスの収容凹部との間に差圧が生じ、その差圧により上側フィルム及び下側フィルムが熱盤に押し付けられる。そうすると、収容凹部の縁の内側において上側フィルムと下側フィルムが互いに熱シールされる。このように熱シールされた部分を弱シール部という。この弱シール部は強シール部よりもシール強度が低く、弱シール部では上側フィルムと下側フィルムが互いに剥離しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭56−35581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の第5図に記載されているように、被包装物が収容凹部の長辺方向一端部に偏って配置され、弱シール部が広く存在するラベル領域がある。被包装物から液体が発生すると、その液体がラベル領域に浸透し、深絞り包装体の見栄えが悪くなる。被包装物が例えば調味液等の液体を含む場合でも、同様な問題が発生する。
【0006】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、包装体の内側の被包装物に含まれる液体が広く浸透しないようにして包装体の良好な見栄えを保つことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、真空シール機が、下側フィルムの上に重ねられる上側フィルムの上方に配され、下面に凹部が形成されたアッパーボックスと、上下動可能となって前記凹部に収容される熱盤と、前記熱盤を上下動させる第1駆動部と、前記下側フィルムの下方に配され、前記下側フィルムの下面において凸状とされるとともに前記下側フィルムの上面において凹状とされるポケットに対向する収容凹部が上面に形成され、前記収容凹部から仕切られるとともに前記収容凹部に隣接する緩衝凹部が上面に形成されるロアボックスと、前記熱盤及び前記アッパーボックスと前記ロアボックスとのうちの一方を上下動させる第2駆動部と、空圧機器と、を備え、前記第2駆動部が前記熱盤及び前記アッパーボックスと前記ロアボックスとのうちの一方を他方に向けて移動させることによって、前記ポケットが前記収容凹部に収容されるとともに、前記下側フィルム及び前記上側フィルムが前記凹部の周囲において前記ロアボックスと前記アッパーボックスとの間に挟み込まれ、その後、前記空圧機器が、前記下側フィルムと前記上側フィルムの間の隙間と、前記収容凹部と、前記緩衝凹部と、前記凹部とを減圧し、その後、前記第1駆動部が前記熱盤を下降させることによって、前記下側フィルム及び前記上側フィルムが前記収容凹部及び前記緩衝凹部の周囲において前記ロアボックスと前記熱盤との間に挟み込まれて互いに熱シールされ、その後、前記空圧機器が前記緩衝凹部を昇圧することによって前記緩衝凹部と前記凹部の間に差圧を発生させ、その差圧によって前記緩衝凹部の縁の内側において前記下側フィルム及び前記上側フィルムが前記熱盤に押し付けられて互いに熱シールされる。
【0008】
以上の課題を解決するために、下側フィルムの上に重ねられる上側フィルムの上方に配され、下面に凹部が形成されたアッパーボックスと、上下動可能となって前記凹部に収容される熱盤と、前記下側フィルムの下方に配され、収容凹部及び前記収容凹部から仕切られるとともに前記収容凹部に隣接する緩衝凹部が上面に形成されるロアボックスと、を利用して前記下側フィルムと前記上側フィルムとを熱シールする方法において、前記熱盤及び前記アッパーボックスと前記ロアボックスとのうちの一方を他方に向けて移動させることによって、前記下側フィルムの下面において凸状とされるとともに前記下側フィルムの上面において凹状とされるポケットを前記収容凹部に収容するとともに、前記凹部の周囲において前記下側フィルム及び前記上側フィルムを前記ロアボックスと前記アッパーボックスとの間に挟み込み、その後、前記下側フィルムと前記上側フィルムの間の隙間と、前記収容凹部と、前記緩衝凹部と、前記凹部とを減圧し、その後、前記熱盤を下降させることによって、前記収容凹部及び前記緩衝凹部の周囲において前記下側フィルム及び前記上側フィルムを前記ロアボックスと前記熱盤との間に挟み込んで熱シールし、その後、前記緩衝凹部を昇圧することによって前記緩衝凹部と前記凹部の間に差圧を発生させ、その差圧により前記緩衝凹部の縁の内側において前記下側フィルム及び前記上側フィルムを前記熱盤に押し付けて互いに熱シールする。
【0009】
以上によれば、ロアボックスの緩衝凹部とアッパーボックスの凹部の間に差圧が発生することによって、緩衝凹部の縁の内側において下側フィルム及び上側フィルムが熱盤に押し付けられて互いに熱シールされる。そのように熱シールされた部分のシール強度が低く、この部分を弱シール部という。
一方、ロアボックスの収容凹部とロアボックスの緩衝凹部が仕切られているため、上側フィルム及び下側フィルムがその仕切り部と熱盤との間に挟み込まれ、互いに熱シールされる。そのように熱シールされた部分のシール強度が高く、その部分を強シール部という。
被包装物から液体が発生しても、その液体が強シール部によって遮られて、弱シール部まで浸透しない。よって、包装体の見栄えを良好に保てる。
【0010】
また、収容凹部及び緩衝凹部がロアボックスの上面に形成されているため、熱盤が上側フィルム及び下側フィルムを介してロアボックスの上面に当たる際に、収容凹部及び緩衝凹部の周囲において熱盤とロアボックスが均一に当接する。収容凹部及び緩衝凹部の縁の周囲において上側フィルムと下側フィルムが確実に熱シールされ、シール不良の発生を抑えられる。
【0011】
以上の課題を解決するために、第1フィルムと、前記第1フィルムに重ねられて前記第1フィルムに接合された第2フィルムと、前記第1フィルムと前記第2フィルムとの間に挟まれるとともに、前記第1フィルム及び前記第2フィルムによって包装された被包装物と、を備える包装体において、前記被包装物の周囲における前記第1フィルムと前記第2フィルムのシール部が、前記被包装物を囲んだ矩形枠状の第1の強シール部と、前記第1の強シール部の内側の領域を前記被包装物が存する第1領域と前記被包装物が存しない第2領域とに区切る第2の強シール部と、前記第1領域のうち前記被包装物の周囲の領域となる第1の弱シール部と、前記第2領域となる第2の弱シール部と、を有し、前記第1及び第2の強シール部における前記第1フィルムと前記第2フィルムのシール強度が、前記第1及び第2の弱シール部におけるシール強度よりも高い包装体が提供される。
【0012】
以上によれば、第2の弱シール部が第2の強シール部によって第1の弱シール部から区切られている。そのため、被包装物から発生した液体が第2の強シール部によって遮られて、第2の弱シール部に浸透しない。よって、包装体の見栄えを良好に保てる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、包装体の見栄えを良好に保てる。また、収容凹部及び緩衝凹部の縁の周囲において上側フィルムと下側フィルムが良好に互いに熱シールされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】深絞り包装体の斜視図である。
図2】深絞り包装体の断面図である。
図3】深絞り包装装置の斜視図である。
図4】下側フィルムの平面図である。
図5】真空シール機の断面図である。
図6】真空シール機の熱盤の上面図である。
図7】真空シール機の断面図である。
図8】真空シール機の断面図である。
図9】真空シール機の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0016】
<<1. 深絞り包装体>>
図1は深絞り包装体100の斜視図であり、図2は深絞り包装体100の断面図である。
【0017】
深絞り包装体100は第1フィルム103、第2フィルム107及び被包装物106を備える。深絞り包装体100、第1フィルム103及び第2フィルム107は平面視矩形状に形作られている。第1フィルム103及び第2フィルム107は透明な樹脂からなり、これらの一部又は全体に印刷加工が施されていてもよい。
【0018】
第2フィルム107は、第1フィルム103に重ねられて第1フィルム103に接合されている。被包装物109は、第1フィルム103と第2フィルム107との間に挟まるとともに、第1フィルム103と第2フィルム107によって真空又は亜真空に包装されている。
【0019】
被包装物109は、液だれが発生しやすい加工食品であり、例えば加工肉、加工魚若しくは加工野菜又はこれらの2以上の混合物である。被包装物は加工食品以外のものでもよい。
【0020】
第1フィルム103にはポケット105が形成されている。ポケット105は、第2フィルム107側において凹状とされ、第2フィルム107の反対側において凸状とされている。被包装物109がポケット105に収容されている。第2フィルム107がポケット105及び被包装物109を覆って、ポケット105の周囲において第1フィルム103にシールされている。
【0021】
第1フィルム103と第2フィルム107のシール部は、被包装物109を囲んだ矩形枠状の第1の強シール部111と、第1の強シール部111の内側の領域を被包装物109が存する矩形状の第1領域112と被包装物109が存しない矩形状の第2領域113とに区切る第2の強シール部114と、第1領域112のうち被包装物109及びポケット105の周囲の領域となる第1の弱シール部115と、第2領域113となる第2の弱シール部116とから構成されている。
【0022】
第1及び第2の強シール部111,114における第1フィルム103と第2フィルム107のシール強度は、第1及び第2の弱シール部115,116におけるシール強度よりも高い。従って、第1及び第2の弱シール部115,116においては第1フィルム103と第2フィルム107が互いに剥離しやすく、それと比較しても、第1及び第2の強シール部111,114においては第1フィルム103と第2フィルム107が互いに剥離しにくい。
【0023】
第2の弱シール部116においては、第1フィルム103若しくは第2フィルム107又はこれらの表面がラベル印刷加工されている。
【0024】
複数の深絞り包装体100が長辺方向に配列されて、これらが連なっていてもよい。複数の深絞り包装体100が短辺方向に配列されて、これらが連なっていてもよい。複数の深絞り包装体100が格子状に配列されて、これらが連なっていてもよい。以上のように複数の深絞り包装体100が連なったものを連包体という。深絞り包装体100が1つに分離している場合、各深絞り包装体100を個包体という。
【0025】
被包装物106から液体が発生すると、その液体が第1の弱シール部115において第1フィルム103と第2フィルム107の間に浸透するので、第1の弱シール部115においては第1フィルム103と第2フィルム107が互いに剥離する。その液体は第2の強シール部114によって堰き止められるため、その液体が第2の弱シール部116における第1フィルム103と第2フィルム107の間に浸透しない。そのため、第2の弱シール部116におけるラベル印刷が綺麗に保たれ、深絞り包装体100の見栄えが良い。
【0026】
深絞り包装体100の製造の際に、第1及び第2の強シール部111,114においては第1フィルム103及び第2フィルム107が通常の熱シールのように加圧及び加熱される。一方、第1及び第2の弱シール部115,116においては第1フィルム103及び第2フィルム107が加熱及び加圧されるもの、加圧の圧力が低い。以下、深絞り包装体100の製造方法及び製造装置(つまり、深絞り包装装置1)について詳細に説明する。
【0027】
<<2. 深絞り包装装置及び深絞り包装方法>>
図3は、深絞り包装装置1の斜視図である。
深絞り包装装置1は、下側フィルム供給機20、フィルム搬送機25、上側フィルム供給機30、成型機40、被包装物供給機50、真空シール機60、横カット機70及び縦カット機80を備える。
【0028】
(1) 下側フィルム供給機
下側フィルム供給機20は、帯状の下側フィルム3が巻回された原反ロール2から下側フィルム3をフィルム搬送機25の上流端部に供給する。ここで、上述の第1フィルム103は、下側フィルム3が切断されることによって得られる。
【0029】
下側フィルム供給機20は、互いに平行な支持シャフト21及び複数本のガイドローラ22を有する。支持シャフト21には原反ロール2が支持されている。ガイドローラ22が支持シャフト21からフィルム搬送機25の上流端にかけて配設されている。原反ロール2から引き出される下側フィルム3が、これらガイドローラ22に巻き掛けられることによって支持シャフト21からフィルム搬送機25の上流端に案内されている。
【0030】
(2) フィルム搬送機
フィルム搬送機25は、下側フィルム3の搬送経路の両側に設けられており、ガイドローラ22の下流側において水平となった下側フィルム3の両側部を把持して、下側フィルム3を間欠的に搬送する。
【0031】
フィルム搬送機25は一対のエンドレスチェーン、多数の爪及びモータを有する。一対のエンドレスチェーンは、ガイドローラ22の下流側に且つ下側フィルム3の搬送経路の両側に設けられた複数のスプロケットに巻き掛けられている。多数の爪がエンドレスチェーンに所定間隔で取り付けられており、下側フィルム3の側部が爪によって把持される。モータによってエンドレスチェーンが間欠的に走行されると、下側フィルム3が間欠的に搬送される。フィルム搬送機25による1回当たりの搬送距離は、後述の成型機40の1回あたりの成型動作によって成型されるポケット5の搬送方向の個数分(具体的には、2個分)に相当する。なお、多数の送り穴3a(図4参照)が搬送方向に一定間隔で下側フィルム3の両側部に形成され、爪が送り穴に通されてもよい。
【0032】
(3) 上側フィルム供給機
上側フィルム供給機30は、帯状の上側フィルム7が巻回された原反ロール6から上側フィルム7をフィルム搬送機25の中流部に供給する。ここで、上述の第2フィルム107は、上側フィルム7が切断されることで得られる。
【0033】
上側フィルム供給機30は互いに平行な支持シャフト31及び複数本のガイドローラ32を有する。支持シャフト31には、原反ロール6が支持されている。ガイドローラ32が支持シャフト31からフィルム搬送機25の中流部にかけて配設されている。原反ロール6から引き出される上側フィルム7が、これらガイドローラ32に巻き掛けられることによって支持シャフト31からフィルム搬送機25の中流部に案内されている。フィルム搬送機25の中流部よりも下流側においては、上側フィルム7が下側フィルム3に重ねられ、上側フィルム7と下側フィルム3が一緒に間欠的に搬送される。
【0034】
(4) 成型機
下側フィルム3の搬送経路には、上流から順に成型機40、真空シール機60、横カット機70及び縦カット機80が設けられている。成型機40は、上側フィルム7が下側フィルム3に重ねられる位置よりも上流側に設けられている。真空シール機60、横カット機70及び縦カット機80は、上側フィルム7が下側フィルム3に重ねられる位置よりも下流側に設けられている。成型機40と真空シール機60との間における下側フィルム3の搬送経路の側方には、被包装物供給機50が設けられている。
【0035】
成型機40は、下側フィルム3の搬送が停止する毎に、ポケット5を下側フィルム3に成型する。成型機40によって形成されるポケット5は、下側フィルム3の上面において凹状とされ、下側フィルム3の下面において凸状されている。成型機40による1回当たりのポケット5の成型数は、幅方向に2つ且つ搬送方向に2つの合計4つである。下側フィルム3のうちポケット5が形成されていない部分を平坦部という。
【0036】
図4は、成型機40によってポケット5が成型された下側フィルム3の平面図である。図4に示すように、ポケット5が2列で搬送方向に配列されており、これら列と列の間隔は搬送方向におけるポケット5のピッチよりも広い。
【0037】
ポケット5の2列の間を搬送方向に横切る線は縦切断予定線18である。搬送方向のポケット5の列と下側フィルム3のエッジの間を搬送方向に横切る線は縦切断予定線17である。搬送方向に隣り合うポケット5の間を一方の縦切断予定線17から他方の縦切断予定線17まで幅方向に横切る線は横切断予定線19である。縦切断予定線18、横切断予定線19及び縦切断予定線17によって区切られる矩形状の領域が、前述の第1フィルム103に相当する。ポケット5が占める矩形状の領域は、前述の第1領域112に相当する。幅方向に隣り合うポケット5の間であって縦切断予定線18の両側にある矩形状の領域13は、前述の第2領域113に相当する。領域13とポケット5を区切る部分14が第2の強シール部114に相当する。ポケット5、領域13及びそれらの間の部分14を囲繞する矩形枠状の領域11が第1の強シール部111に相当する。
【0038】
成型機40は上側の加熱装置41と下側の金型装置42を有し、下側フィルム3が加熱装置41と金型装置42との間を上流側から下流側へ搬送される。金型装置42の上面には、幅方向に2つ且つ搬送方向に2つの合計4つの矩形状凹部が形成されている。矩形状凹部の搬送方向の間隔は、矩形状凹部の幅方向の間隔よりも狭い。金型装置42には、バキュームが接続されている。
【0039】
上述のように下側フィルム3が間欠的に搬送されるところ、下側フィルム3の搬送が一時的に停止すると、加熱装置41と金型装置42の間に挟まれた下側フィルム3が加熱装置41によって加熱されて軟化する。そして、バキュームによって金型装置42の凹部内の気圧が負圧にされると、下側フィルム3が凹部の内面に密着するように変形し、下側フィルム3にポケット5が成型される。1回当たりの成型処理では、幅方向に2つ且つ搬送方向に2つの合計4つのポケット5が形成される。なお、バキュームの代わりにコンプレッサーを用いてもよい。その場合、コンプレッサーによって加熱装置41と下側フィルム3の間に圧縮空気が供給されると、下側フィルム3が凹部の内面に密着するように変形し、下側フィルム3にポケット5が成型される。
【0040】
(5) 被包装物供給機
この被包装物供給機50は、ポケット5内に被包装物を自動供給するものであって、例えば多軸マニピュレータである。なお、多軸マニピュレータに代えてシュートコンベアが被包装物供給機50に採用されてもよい。また、被包装物供給機50に代えて、人手による供給としてもよい。
【0041】
(6) 真空シール機
真空シール機60は、下側フィルム3の搬送が停止する毎に、下側フィルム3と上側フィルム7の間の空気を吸引するとともに、下側フィルム3と上側フィルム7のうちポケット5の周囲を熱シールする。1回当たりのシール処理では、幅方向に2つ且つ搬送方向に2つの合計4つのポケット5内の被包装物が下側フィルム3と上側フィルム7との間に密閉される。
【0042】
図5及び図6を参照して、真空シール機60の構成について以下に説明する。図5は真空シール機60の断面図であり、図6は真空シール機60のロアボックス610の上面図である。図6には、熱盤625の下面が2点鎖線で示されている。
【0043】
真空シール機60は、ロアボックス610、アッパーボックス620、熱盤625、第1駆動部623、第2駆動部630及び空圧機器640を備える。
【0044】
ロアボックス610は下側フィルム3及び上側フィルム7の下において昇降可能に設けられているとともに、第2駆動部630によって上下方向に駆動される。
【0045】
図6に示すように、ロアボックス610の上面には、幅方向に2つ且つ搬送方向に2つの合計4つの矩形状の収容凹部611が形成されている。収容凹部611の搬送方向の間隔は、収容凹部611の幅方向の間隔よりも狭い。また、搬送方向の収容凹部611の列と列との間には、幅方向に2つ且つ搬送方向に2つの合計4つの矩形状の緩衝凹部612が形成されている。従って、搬送方向の収容凹部611の列と、搬送方向の緩衝凹部612の列と、搬送方向の緩衝凹部612の列と、搬送方向の収容凹部611の列が順に幅方向に幅方向に配列されており、全体として4つの収容凹部611と4つの緩衝凹部612が所定間隔で格子状に配列されている。収容凹部611とそれに隣接した緩衝凹部612は、仕切り部614によって仕切られている。
【0046】
ロアボックス610には、収容凹部611及び緩衝凹部612に連通する空気流路613が形成されている。収容凹部611及び緩衝凹部612は空気流路613及び配管等を介して空圧機器640に接続されおり、収容凹部611及び緩衝凹部612内の気圧が空気流路613を通じて空圧機器640によって制御される。空圧機器640はバキューム、レギュレター及びバルブ等から構成されている。
【0047】
ロアボックス610には空気流路619が形成されている。空気流路619の端部がロアボックス610の上面において開口している。空気流路619は配管等を介して空圧機器640に接続されており、下側フィルム3と上側フィルム7との間の気圧が空気流路619を通じて空圧機器640によって制御される。
【0048】
アッパーボックス620は下側フィルム3及び上側フィルム7の上に設けられている。アッパーボックス620の下面には、矩形状の凹部621が形成されている。凹部621の外形はロアボックス610の上面の輪郭線よりも僅かに小さい。アッパーボックス620には、凹部621に連通する空気流路622が形成されている。凹部621は空気流路622を介して空圧機器640に接続されており、凹部621内の気圧が空気流路622を通じて空圧機器640によって制御される。
【0049】
凹部621には熱盤625が収容されており、凹部621の側壁面と熱盤625との間には隙間が存在する。熱盤625は、アッパーボックス620に対して相対的に昇降可能に設けられているとともに、エアシリンダ又は電磁ソレノイド等の第1駆動部623によって上下方向に駆動される。熱盤625には、熱盤625を加熱するヒーターが内蔵されている。熱盤625の下面には、幅方向に2つ且つ搬送方向に2つの合計4つの断熱材626が設けられている。断熱材626は収容凹部611の上方に対向しており、断熱材626の下面の輪郭線は収容凹部611の外形よりも小さい。
【0050】
以下に、真空シール機60の動作及び熱シール方法について説明する。
真空シール機60は、下側フィルム3及び上側フィルム7の搬送が停止する毎に、以下のような動作を1回行う。以下に説明するような順序の動作は、制御部が第1駆動部623、第2駆動部630及び空圧機器640を制御することによって実現される。
【0051】
下側フィルム3及び上側フィルム7の搬送が停止した時には、ポケット5が収容凹部611の上方において収容凹部611にそれぞれ対向し、被包装物9が断熱材626の下方において断熱材626にそれぞれ対向する。また、下側フィルム3のうち緩衝凹部612に対向する部分にはポケットが形成されておらず、その部分が平坦とされている。
【0052】
そして、図7に示すように、まずロアボックス610が第2駆動部630によって上昇する。そうすると、アッパーボックス620の凹部621がロアボックス610によって塞がれる。更に、下側フィルム3及び上側フィルム7は、凹部621の周囲においてロアボックス610の上面とアッパーボックス620の下面との間に挟み込まれる。更に、ポケット5及び被包装物9は収容凹部611に収容される。更に、空気流路619の端部のノズルが下側フィルム3の開口に連結されて、下側フィルム3と上側フィルム7の間の隙間が空気流路619に通じる。なお、熱盤625の下面がアッパーボックス620の下面よりも上に位置しているため、上側フィルム7が熱盤625の下面に接触していない。
【0053】
次に、空圧機器640が空気流路613,619,622をほぼ同時に減圧する。そうすると、収容凹部611、緩衝凹部612及び凹部621内の気圧が負圧になるとともに、下側フィルム3と上側フィルム7の間の隙間の空気が空圧機器640に吸引される。つまり、収容凹部611、緩衝凹部612及び凹部621の内側が真空又は亜真空状態になり、下側フィルム3と上側フィルム7の間の隙間も真空又は亜真空状態となる。
【0054】
次に、図8に示すように、熱盤625が第1駆動部623によって下降する。そうすると、下側フィルム3及び上側フィルム7が収容凹部611及び緩衝凹部612の周囲において熱盤625の下面とロアボックス610の上面との間に挟み込まれて、熱シールされる。これにより、第1及び第2の強シール部111,114が形成される。収容凹部611及び緩衝凹部612の縁の内側では、下側フィルム3及び上側フィルム7に対する熱及び圧力が収容凹部611及び緩衝凹部612によって緩衝され、下側フィルム3及び上側フィルム7が殆どシールされない。ここで、収容凹部611及び緩衝凹部612がロアボックス610の上面に形成されているため、熱盤625とロアボックス610の接触面積が小さい。それゆえ、収容凹部611及び緩衝凹部612の周囲において熱盤625とロアボックス610が均一に接触し、第1及び第2の強シール部111,114にシール不良が発生しない。
【0055】
次に、空圧機器640が、空気流路622の減圧状態を維持した状態で、空気流路613,619を昇圧して大気圧に開放する。そうすると、下側フィルム3と上側フィルム7の間の隙間と収容凹部611との差圧により、図9に示すように、ポケット5が収縮するとともに、被包装物106の周囲において第1フィルム103と第2フィルム107が密に接触する。更に、収容凹部611及び緩衝凹部612と凹部621との差圧により、上側フィルム7及び下側フィルム3が熱盤625の下面に押し付けられ、収容凹部611及び緩衝凹部612の縁の内側においては、下側フィルム3及び上側フィルム7が熱盤625によって加熱されて、第1及び第2の弱シール部115,116が形成される。収容凹部611及び緩衝凹部612の縁の内側において上側フィルム7及び下側フィルム3が差圧により熱盤625の下面に押し付けられる圧力は、収容凹部611及び緩衝凹部612の周囲において上側フィルム7及び下側フィルム3がロアボックス610と熱盤625との間に挟み込まれる圧力よりも小さい。そのため、第1及び第2の弱シール部115,116は、第1及び第2の強シール部111、114よりもシール強度が低い。なお、被包装物9が上側フィルム7を介して断熱材626に当たるため、被包装物9が熱盤625によって加熱されない。
【0056】
次に、空圧機器640が空気流路622及び凹部621を昇圧して大気圧に開放し、熱盤625が第1駆動部623によって上昇し、ロアボックス610が第2駆動部630によって下降する。
【0057】
(7) 横カット機
図3に示すように、横カット機70は、下側フィルム3及び上側フィルム7の搬送が1回停止する毎に、下側フィルム3及び上側フィルム7のうち、搬送方向に隣り合うポケット5の間の部分を横切断予定線19に沿って切断する。そのため、最終的に連包体が作成される。なお、複数の横カット機70が搬送方向に並んで設けられ、最終的に個包体が作成されるものとしてもよい。
【0058】
また、下側フィルム3の搬送が複数回停止する毎に、横カット機70が搬送方向に隣り合うポケット5の間の部分を横切断予定線19に沿って切断してもよいが、この場合、最終的に連包体が作成される。また、横カット機70は、最終的な個包体又は連包体の角に相当する部分を丸く切ってもよい。
【0059】
(8) 縦カット機
縦カット機80は、下側フィルム3及び上側フィルム7の両側部を縦切断予定線17に沿って連続的に切断するとともに、ポケット5の2列の間を縦切断予定線18に沿って連続的に切断する。なお、縦切断予定線18に沿った切断が行われなくてもよいが、この場合、最終的に連包体が作成される。
【0060】
下側フィルム3及び上側フィルム7が縦カット機80を通過することによって、個包体又は連包体が完成する。
【0061】
<<3. 有利な効果>>
(1) 収容凹部611及び緩衝凹部612がロアボックス610の上面に形成されているため、熱盤625が下側フィルム3及び上側フィルム7を介してロアボックス610の上面に当たる際に、収容凹部611及び緩衝凹部612の周囲において熱盤625とロアボックス610が均一に当たる。そのため、第1及び第2の強シール部111,114における不良の発生を抑えられる。
【0062】
(2) 緩衝凹部612の縁の内側においては、上側フィルム7及び下側フィルム3が差圧により熱盤625の下面に押し付けられて、第2の弱シール部116が形成される。そのため、第2の弱シール部116とその外側の第1及び第2の強シール部111,114との境界が目視で認識できず、第2の弱シール部116とその外側の第1及び第2の強シール部111,114が連続的にシールされているように見える。そのため、深絞り包装体100の見栄えが良い。
【0063】
(3) 第2の弱シール部116が第2の強シール部114によって第1の弱シール部115から仕切られている。そのため、被包装物106から発生した液体が第2の弱シール部116に浸透せず、深絞り包装体100の見栄えを良好に保てる。
【0064】
<<4. 変形例>>
以上、本発明を実施するための形態について説明した。上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明の実施形態は本発明の趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。以上の実施形態からの変更点について以下に説明する。
【0065】
上記実施形態では、ロアボックス610が第2駆動部630によって上下動される。それに対して、アッパーボックス620及び熱盤625が一体的に第2駆動部によって上下動されるものとしてもよい。或いは、ロアボックス610が第2駆動部によって上下動される上で、アッパーボックス620及び熱盤625が一体的に第2駆動部によって上下動されるものとしてもよい。
【0066】
上記実施形態では、フィルム搬送機25による1回当たりの搬送距離はポケット5の2個分に相当したが、ポケット5の1個分に相当してもよい。この場合、成型機40の1回あたりの成型動作によって成型されるポケット5の搬送方向の個数に相当する回数だけ下側フィルム3の搬送が停止するごとに、成型機40が1回の成型動作を行う。更に、真空シール機60の1回のシール動作によって密閉されるポケット5の搬送方向の個数に相当する回数だけ下側フィルム3の搬送が停止するごとに、真空シール機60が1回のシール動作を行う。
【符号の説明】
【0067】
3…下側フィルム
5…ポケット
7…上側フィルム
9…被包装物
100…深絞り包装体
111…第1の強シール部
112…第1領域
113…第2領域
114…第2の強シール部
115…第1の弱シール部
116…第2の弱シール部
60…真空シール機
610…ロアボックス
611…収容凹部
612…緩衝凹部
620…アッパーボックス
621…凹部
623…第1駆動部
625…熱盤
630…第2駆動部
640…空圧機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9