特開2021-1558(P2021-1558A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-1558(P2021-1558A)
(43)【公開日】2021年1月7日
(54)【発明の名称】発電装置
(51)【国際特許分類】
   F03D 9/37 20160101AFI20201204BHJP
   F03D 13/20 20160101ALI20201204BHJP
   F03D 13/25 20160101ALI20201204BHJP
   F03D 80/80 20160101ALI20201204BHJP
   F02C 1/04 20060101ALI20201204BHJP
   F01D 1/22 20060101ALI20201204BHJP
【FI】
   F03D9/37
   F03D13/20
   F03D13/25
   F03D80/80
   F02C1/04
   F01D1/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-114722(P2019-114722)
(22)【出願日】2019年6月20日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】谷岡 忠輝
(72)【発明者】
【氏名】宇麼谷 雅英
(72)【発明者】
【氏名】水谷 誠
(72)【発明者】
【氏名】中野 晋
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA22
3H178AA25
3H178AA26
3H178AA43
3H178AA62
3H178AA66
3H178BB31
3H178BB52
3H178BB77
3H178BB79
3H178CC23
3H178CC25
3H178DD04Z
3H178DD12Z
3H178DD18Z
3H178DD29X
3H178DD51Z
3H178DD57X
3H178DD61Z
(57)【要約】
【課題】設備の有効利用により効率的な発電が可能な発電装置を提供する。
【解決手段】発電装置は、風車ロータと、前記風車ロータを支持するタワーと、前記タワーの下部の周囲又は前記タワーが立設させる土台構造の周囲に設けられ、太陽熱により空気を加温するように構成された集熱部と、前記集熱部からの空気を前記タワーの内部に取り入れるための空気導入部と、前記空気導入部よりも上方に設けられ、前記タワーの内部の空気を外部へ排出するための空気排出部と、前記集熱部から前記空気導入部を通って前記空気排出部に向かう空気流により駆動されるように構成されたタービンと、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風車ロータと、
前記風車ロータを支持するタワーと、
前記タワーの下部の周囲又は前記タワーが立設される土台構造の周囲に設けられ、太陽熱により空気を加温するように構成された集熱部と、
前記集熱部からの空気を前記タワーの内部に取り入れるための空気導入部と、
前記空気導入部よりも上方に設けられ、前記タワーの内部の空気を外部へ排出するための空気排出部と、
前記集熱部から前記空気導入部を通って前記空気排出部に向かう空気流により駆動されるように構成されたタービンと、
を備える発電装置。
【請求項2】
前記空気導入部が、前記タワーの下端部に設けられた
請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
高さ方向における前記タワーの下端と前記タワーの上端との距離をHtとしたとき、前記空気排出部は、前記高さ方向において、前記下端を基準とした高さが0.8×Htの位置よりも上方に設けられた
請求項1又は2に記載の発電装置。
【請求項4】
前記空気排出部は、前記タワーの上部における前記タワーの壁に設けられ、前記タワーの内部空間と外部空間とを連通させる出口開口を含む
請求項1乃至3の何れか一項に記載の発電装置。
【請求項5】
前記風車ロータを回転可能に支持するように構成されたナセルをさらに備え、
前記空気排出部は、前記ナセルの後部に設けられた
請求項1乃至3の何れか一項に記載の発電装置。
【請求項6】
前記集熱部は、光透過性の材料で形成され、地面又は水面との間に空間を隔てて前記地面又は前記水面を覆うように設けられる屋根部を含む
請求項1乃至5の何れか一項に記載の発電装置。
【請求項7】
前記タービンは、軸方向に間隔をあけて配置された複数の円盤を有するロータを含み、前記複数の円盤の間の前記軸方向における隙間を流れる前記空気と、前記複数の円盤とのせん断力により駆動されるように構成された
請求項1乃至6の何れか一項に記載の発電装置。
【請求項8】
前記タービンは、前記タワーの壁の内部に設けられ、前記空気導入部から導入された空気は、前記壁の内部に設けられた流路を介して、前記タービンに供給される
請求項1乃至7の何れか一項に記載の発電装置。
【請求項9】
前記タービンは、前記タワーの壁の内部に設けられ、前記空気導入部から導入された空気は、前記壁の内部に設けられた流路を介して、前記タービンの径方向外側から径方向内側に向けて、前記複数の円盤の間の軸方向隙間に供給される
請求項7に記載の発電装置。
【請求項10】
前記タービンにより駆動される発電機と、
前記発電機で生成した電力によって駆動されるように構成された補機と、
をさらに備える
請求項1乃至9の何れか一項に記載の発電装置。
【請求項11】
前記土台構造は、少なくとも部分的に水上に設けられる基礎構造又は浮体構造である
請求項1乃至10の何れか一項に記載の発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽熱で加温された地表付近の空気から生成される上昇気流を利用した発電装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、地面を透明な屋根で覆って太陽熱により地表付近の空気を加温することで、屋根の中央部に設けた筒状のタワー内を上昇する上昇気流を発生させ、この上昇気流を用いて、タワーの下端部に設けたタービンインペラを駆動することにより、タービンに接続された発電機を駆動する発電システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4275309号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される発電システムにおいて実用的な発電量を得るためには、非常に高いタワー(例えば100m程度以上の高さのタワー)、及び、非常に広大な屋根の設置面積(例えば直径が40〜50m程度以上の面積)が必要となる。この点、広大な面積の土地を確保するのは容易ではなく、また、このように大規模な装置を建設するのでは、費用も膨大となる。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、設備の有効利用により効率的な発電が可能な発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る発電装置は、
風車ロータと、
前記風車ロータを支持するタワーと、
前記タワーの下部の周囲又は前記タワーが立設される土台構造の周囲に設けられ、太陽熱により空気を加温するように構成された集熱部と、
前記集熱部からの空気を前記タワーの内部に取り入れるための空気導入部と、
前記空気導入部よりも上方に設けられ、前記タワーの内部の空気を外部へ排出するための空気排出部と、
前記集熱部から前記空気導入部を通って前記空気排出部に向かう空気流により駆動されるように構成されたタービンと、
を備える。
【0008】
上記(1)の構成では、空気導入部と、空気排出部との間の空気流路として、一般的に背の高い風車タワーの内部空間を利用するので、空気導入部と、空気排出部との間に高低差を設けやすい。したがって、空気導入部における比較的高温の空気と、タワー外部における比較的低温の空気との間に生じる密度差に起因してタワー内部の比較的高温の空気に生じる浮力により、タワー内部を上昇する上昇気流を効率的に形成することができる。すなわち、集熱部から空気導入部を通ってタワー内部に導入され、タワー内部を上昇しながら空気排出部に向かう空気流を効率的に形成することができる。
また、上記(1)の構成では、集熱部をタワーの下部又は土台構造の周囲に設けたので、集熱部で加温した空気を、比較的下方に設けられる空気導入部に導入しやすくなり、このため、上述の空気流を効率的に形成することができる。
したがって、上記(1)の構成によれば、風車のタワーを有効利用して、集熱部から空気導入部を通って空気排出部に向かう空気流を効率的に形成できるとともに、この空気流によりタービンを駆動することができる。よって、上記(1)の構成によれば、効率的に発電を行うことができる。
【0009】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記空気導入部が、前記タワーの下端部に設けられる。
【0010】
上記(2)の構成によれば、空気導入部をタワーの下端部に設けたので、空気導入部と空気排出部との高低差を大きくとりやすい。したがって、空気導入部における比較的高温の空気と、タワー外部における比較的低温の空気との間に生じる密度差を大きくしやすくなるため、タワー内部を上昇する上昇気流をより効率的に形成することができる。よって、集熱部から空気導入部を通って空気排出部に向かう空気流をより効率的に形成して、タービンを駆動することができる。
【0011】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
高さ方向における前記タワーの下端と前記タワーの上端との距離をHtとしたとき、前記空気排出部は、前記高さ方向において、前記下端を基準とした高さが0.8×Htの位置よりも上方に設けられる。
【0012】
上記(3)の構成によれば、風速が大きくなる比較的高所に空気排出部を設けたので、風車の周囲を流れる風によるエゼクター効果が得られやすくなり、これにより、タワー内部を上昇する上昇気流をより効率的に形成することができる。よって、集熱部から空気導入部を通って空気排出部に向かう空気流をより効率的に形成して、タービンを駆動することができる。
【0013】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記空気排出部は、前記タワーの上部における前記タワーの壁に設けられ、前記タワーの内部空間と外部空間とを連通させる出口開口を含む。
【0014】
上記(4)の構成によれば、タワーの壁に空気排出部としての出口開口を設けた比較的簡素な構成で、集熱部から空気導入部を通って出口開口(即ち空気排出部)に向かう空気流を形成することができ、これによりタービンを駆動することができる。
【0015】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記発電装置は、前記風車ロータを回転可能に支持するように構成されたナセルをさらに備え、
前記空気排出部は、前記ナセルの後部に設けられる。
【0016】
上記(5)の構成によれば、空気排出部をナセルの後部に設けたので、タワー内を上昇してきた空気流を、ナセルの内部を通過させてから外部に排出することができる。よって、ナセル内部を通過する空気流により、ナセルの内部に設置された機器を冷却することができる。このため、風車を効率的に運転することができる。
また、ナセルの後部は、通常、風車の周囲を流れる風の風下側に位置する。この点、上記(5)の構成によれば、ナセルの後部に設けた空気排出部を介して空気流を外部に排出するようにしたので、風車の周囲を流れる風により空気排出部の排気能力が低減されるのを抑制することができる。
【0017】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、
前記集熱部は、光透過性の材料で形成され、地面又は水面との間に空間を隔てて前記地面又は前記水面を覆うように設けられる屋根部を含む。
【0018】
上記(6)の構成によれば、光透過性の材料で形成された屋根部を含む比較的簡素な構成により、集熱部から空気導入部を通って空気排出部に向かう空気流を形成することができ、これによりタービンを駆動することができる。
【0019】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、
前記タービンは、軸方向に間隔をあけて配置された複数の円盤を有するロータを含み、前記複数の円盤の間の前記軸方向における隙間を流れる前記空気と、前記複数の円盤とのせん断力により駆動されるように構成される。
【0020】
上記(7)の構成によれば、複数の円盤と、複数の円盤の間を流れる空気とのせん断力により駆動されるタービンを採用したので、上記(1)の構成により形成される空気流(すなわち、集熱部から空気導入部を通って空気排出部に向かう空気流)の流量が少なく、比較的低圧であっても、気体の温度がある程度確保された低熱源の空気から効率的に発電を行うことができる。
【0021】
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、
前記タービンは、前記タワーの壁の内部に設けられ、前記空気導入部から導入された空気は、前記壁の内部に設けられた流路を介して前記タービンに供給される。
【0022】
上記(8)の構成によれば、タービンと、タービンに空気を供給する流路とを、タワーの壁の内部に設けることができる。
【0023】
(9)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記タービンは、前記タワーの壁の内部に設けられ、前記空気導入部から導入された空気は、前記壁の内部に設けられた流路を介して、前記タービンの径方向外側から径方向内側に向けて、前記複数の円盤の間の軸方向隙間に供給される。
【0024】
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れかの構成において、
前記発電装置は、
前記タービンにより駆動される発電機と、
前記発電機で生成した電力によって駆動されるように構成された補機と、
をさらに備える。
【0025】
上記(10)の構成によれば、上記(1)の構成により形成される空気流(すなわち、集熱部から空気導入部を通って空気排出部に向かう空気流)により駆動されるタービンを用いて生成した電力によって補機を駆動するようにしたので、風車ロータを含む風車を効率的に運転することができる。
【0026】
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(10)の何れかの構成において、
前記土台構造は、少なくとも部分的に水上に設けられる基礎構造又は浮体構造である。
【0027】
上記(11)の構成によれば、風車ロータ及びタワーを含む風車は、水上に設けられる洋上風車であるので、風車の周囲に、集熱部を設けるための広い設置空間を確保しやすい。よって、風車の設置エリアを有効利用して集熱部を設けることで、上記(1)で述べたように、集熱部から空気導入部を通って空気排出部に向かう空気流を効率的に形成して、タービンを駆動することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、設備(風車等)の有効利用により効率的な発電が可能な発電装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】一実施形態に係る発電装置の概略図である。
図2】一実施形態に係る発電装置の概略図である。
図3図1のIII−III矢視図である。
図4】一実施形態に係る発電装置の概略図である。
図5】一実施形態に係る発電装置の概略図である。
図6】一実施形態に係る発電装置の概略図である。
図7】一実施形態に係る発電装置の概略図である。
図8】一実施形態に係るタービンの概略断面図である。
図9】一実施形態に係るタービンの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0031】
図1及び図2は、それぞれ、一実施形態に係る発電装置の概略図である。図1及び図2に示すように、発電装置1は、土台構造2に立設されるタワー3と、タワー3に支持されるナセル5及び風車ロータ4と、を含む風車100を備えている。なお、図1及び図2に示す風車100は、風車ロータ4の回転によって発電機14を駆動するように構成された風力発電装置である。
【0032】
風車ロータ4は、回転シャフト10に接続されるハブ6と、ハブ6に取り付けられる少なくとも1本のブレード8と、を含み、ナセル5によって回転可能に支持されている。風車ロータ4は、風を受けて回転するように構成される。風車ロータ4の回転エネルギーは、風車ロータ4と発電機14との間に設けられるドライブトレイン12を介して発電機14に伝えられる。ドライブトレイン12は、回転シャフト10の回転を増速して発電機シャフトに伝えるように構成される。ドライブトレイン12は、ギア式の増速機であってもよく、あるいは、油圧ポンプ及び油圧モータを含む油圧トランスミッションであってもよい。なお、他の実施形態では、ドライブトレインを介さずに、回転シャフト10の回転により発電機14を直接駆動するようになっていてもよい。回転シャフト10、ドライブトレイン12、及び、発電機14を含む種々の機器は、タワー3の上に設置されたナセル5に収納されている。
【0033】
タワー3は、水上又は陸上に設けられた土台構造2に立設される。土台構造2は、水上又は陸上に設けられる基礎構造であってもよく、あるいは、水上に設けられる浮体構造であってもよい。なお、図1及び図2に示す例示的な実施形態では、土台構造2は水上に設けられており、土台構造2の一部が水面SLよりも上方に位置している。
【0034】
発電装置1は、タワー3の周囲又は土台構造2の周囲に設けられる集熱部16と、集熱部16からの空気をタワー3の内部に取り入れるための空気導入部18と、空気導入部18よりも上方に設けられ、タワー3の内部の空気を外部へ排出するための空気排出部20と、タービン22と、をさらに備えている。また、発電装置1は、タービン22により駆動されるように構成された発電機74(図8参照)をさらに備えている。
【0035】
集熱部16は、タワー3の下部の周囲又は土台構造2の周囲に設けられ、太陽熱により空気を加温するように構成されている。ここで、タワー3の下部とは、タワー3の下端3aを基準とした高さが0.5×Ht以下の範囲内の部分である。ここで、Htは、高さ方向におけるタワー3の下端3aと上端3bとの距離である。
【0036】
図3は、図1のIII−III矢視図である。幾つかの実施形態では、例えば図1図3に示すように、集熱部16は、地面又は水面(図1及び図2では水面SL)との間に空間を隔てて地面又は水面SLを覆うように設けられる屋根部30と、屋根部30を支持するための支持部31(図3参照)と、を含む。
【0037】
屋根部30は、タワー3又は土台構造2を囲うように設けられている。また、屋根部30は、太陽光が透過可能な光透過性の材料で形成されている。このような光透過性の材料は、例えば、ガラス、又は、アクリル樹脂や塩化ビニル樹脂等の樹脂であってもよい。屋根部30は、板材又はシート材により形成されていてもよい。
【0038】
支持部31は、屋根部30と地面又は水面との間に空間が形成されるように、屋根部30を支持するように構成されている。幾つかの実施形態では、例えば図3に示すように、支持部31は、タワー3の下部においてタワー3の周囲に放射線状に延びる複数の支持フレーム32を含む。支持フレーム32の両端のうち、径方向内側(タワーの径方向の内側)に位置する内側端32aは、タワー3の壁に固定され、径方向外側に位置する外側端32bは、地面又は水面よりも高い位置に維持されるようになっている。なお、他の実施形態では、支持フレーム32の内側端32aは土台構造2に固定されるようになっていてもよい。
【0039】
集熱部16によって覆われる地面又は水面の面積は、タワーの高さHtとしたとき、直径が0.5×Htの円の面積(すなわち、(0.25×Ht)^2×π)以上の大きさであってもよい。
【0040】
集熱部16において、太陽熱により、屋根部30と地面又は水面との間の空間の空気が温められる。また、集熱部16の空間と、タワー3の上部の外部空間とは、空気導入部18、タワー3の内部空間、及び、空気排出部20を介して連通している。したがって、集熱部16の空間及び空気導入部18における比較的高温の空気と、タワー3の外部における比較的低温の空気との間に密度差を生じさせて、比較的高温の空気に浮力を生じさせることができる。このように生じた浮力により、空気導入部18から空気排出部20に向けてタワー3の内部を上昇する上昇気流を形成することができるとともに、集熱部16からの比較的高温の空気を、空気導入部18を介してタワー3の内部に引き入れることができる。すなわち、集熱部16から空気導入部18を通ってタワー3の内部空間に導入され、タワー3の内部空間を上昇しながら空気排出部20に向かう空気流を形成することができる。なお、各図中の矢印は、この空気流を示す。
【0041】
タービン22は、集熱部16から空気導入部18を通って空気排出部20に向かう空気流により駆動されるとともに、発電機74(図8参照)を駆動するように構成されている。すなわち、タービン22は、上述の空気流の流路に設けられる。タービン22は、例えば、タワー3の内部、タワー3の壁の内部、又は、上述の空気流の流路のうち、空気導入部18よりも上流側の部位に設けられていてもよい。
【0042】
上述した発電装置1では、空気導入部18と、空気排出部20との間の空気流路として、一般的に背の高い風車タワーの内部空間を利用するので、空気導入部18と、空気排出部20との間に高低差を設けやすい。したがって、空気導入部18における比較的高温の空気と、タワー3の外部における比較的低温の空気との間に生じる密度差に起因してタワー3の内部の比較的高温の空気に生じる浮力により、タワー3の内部を上昇する上昇気流を効率的に形成することができる。すなわち、集熱部16から空気導入部18を通ってタワー3の内部に導入され、タワー3の内部を上昇しながら空気排出部20に向かう空気流を効率的に形成することができる。
また、上述の発電装置1では、集熱部16をタワー3の下部又は土台構造2の周囲に設けたので、集熱部16で加温した空気を、比較的下方に設けられる空気導入部18に導入しやすくなり、このため、上述の空気流を効率的に形成することができる。
したがって、上述の発電装置1によれば、風車100のタワー3を有効利用して、集熱部16から空気導入部18を通って空気排出部20に向かう空気流を効率的に形成できるとともに、この空気流によりタービン22を駆動することができる。このため、効率的に発電を行うことができる。
【0043】
幾つかの実施形態では、タービン22により駆動される発電機74で生成した電力は、風車100の補機の駆動電力として用いられるようになっていてもよい。すなわち、発電装置1は、タービン22により駆動される発電機74で生成した電力によって駆動されるように構成された補機をさらに備えていてもよい。この補機は、例えば、風車100の構成機器(増速機等)に潤滑油を供給するためのポンプ等であってもよい。
【0044】
あるいは、幾つかの実施形態では、タービン22により駆動される発電機74で生成した電力は、風車100のメンテナンス用の電力として使用可能となっていてもよい。
【0045】
このように、集熱部16から空気導入部18を通って空気排出部20に向かう空気流により駆動されるタービン22を用いて生成した電力によって補機を駆動し、あるいは、メンテナンス用の電力として用いるようにしたので、風車ロータを含む風車を効率的に運転することができる。
【0046】
幾つかの実施形態では、空気導入部18は、タワー3の下端部に設けられる。図1及び図2に示す例示的な実施形態では、タワー3の下端部に床部33が設けられており、空気導入部18は、床部33を通過するように設けられている。
【0047】
この場合、空気導入部18をタワー3の下端部に設けたので、空気導入部18と空気排出部20との高低差を大きくとりやすい。したがって、空気導入部18における比較的高温の空気と、タワー3の外部における比較的低温の空気との間に生じる密度差を大きくしやすくなるため、タワー3の内部を上昇する上昇気流をより効率的に形成することができる。よって、集熱部16から空気導入部18を通って空気排出部20に向かう空気流をより効率的に形成して、タービン22を駆動することができる。
【0048】
また、上述の実施形態によれば、空気導入部18をタワー3の下端部に設けたので、タワー3の下部又は土台構造2の周囲に設けられる集熱部16と、空気導入部18とが、上下方向において比較的近くに位置する。したがって、集熱部16で加温した空気を効率的に空気導入部18に送ることができ、これにより、上述の空気流を効率的に生成することができる。
【0049】
幾つかの実施形態では、空気排出部20は、高さ方向において、タワー3の下端3aを基準とした高さが0.8×Htの位置よりも上方に設けられる。
【0050】
この場合、風速が大きくなる比較的高所に空気排出部20を設けたので、比較的高所にて風車100の周囲を流れる比較的高速の風によるエゼクター効果が得られやすくなり、これにより、タワー3の内部を上昇する上昇気流をより効率的に形成することができる。よって、集熱部16から空気導入部18を通って空気排出部20に向かう空気流をより効率的に形成して、タービン22を駆動することができる。
【0051】
幾つかの実施形態では、空気排出部20はタワー3に設けられる。図1に示す例示的な実施形態では、空気排出部20は、タワー3の上部におけるタワー3の壁に設けられ、タワー3の内部空間と外部空間とを連通させる出口開口24を含む。出口開口24は、上下方向に延びるスリットを含んでいてもよい。また、出口開口24は、周方向に間隔を空けて位置するように設けられる複数のスリットを含んでいてもよい。
【0052】
また、空気排出部20は、出口開口24から排出される空気が上方に向けて流れるように案内するためのガイド部26が設けられていてもよい。ガイド部26は、タワー3の壁に接続される下端と、タワー3の壁よりも径方向外側に位置する上端と、を含んでいてもよい。
【0053】
上述のように、タワー3の壁に空気排出部20としての出口開口24を設けることにより、比較的簡素な構成で、集熱部16から空気導入部18を通って出口開口24(空気排出部20)に向かう空気流を形成することができ、これによりタービン22を駆動することができる。
【0054】
幾つかの実施形態では、空気排出部20はナセル5に設けられる。図2に示す例示的な実施形態では、空気排出部20は、ナセル5の後部に設けられた出口開口28を含む。
【0055】
このように、空気排出部20をナセル5の後部に設けることにより、タワー3内を上昇してきた空気流を、ナセル5の内部を通過させてから外部に排出することができる。よって、ナセル5の内部を通過する空気流により、ナセル5の内部に設置された機器(増速機等のドライブトレイン12や発電機14等)を冷却することができる。このため、風車100を効率的に運転することができる。
また、ナセル5の後部は、通常、風車100の周囲を流れる風の風下側に位置する。この点、上述の実施形態によれば、ナセル5の後部に設けた出口開口28(空気排出部20)を介して空気流を外部に排出するようにしたので、風車100の周囲を流れる風により空気排出部20の排気能力が低減されるのを抑制することができる。
【0056】
図4図7は、それぞれ、一実施形態に係る発電装置の概略図である。幾つかの実施形態では、風車100のタワー3が立設される土台構造2は、少なくとも部分的に水上に設けられる基礎構造又は浮体構造を含む。
【0057】
図4及び図5に示す例示的な実施形態では、風車100の土台構造2は、部分的に海底に埋設されるとともに、部分的に水面よりも上方に設けられる基礎構造34A,34B(以下、まとめて「基礎構造34」ともいう。)を含む。すなわち、図4及び図5に示す風車100は、着床式の洋上風車である。図4に示す基礎構造34Aは、モノパイル式の基礎構造である。また、図5に示す基礎構造34Bは、ジャケット式の基礎構造である。
【0058】
一方、図6及び図7に示す例示的な実施形態では、風車100の土台構造2は、水上に浮かぶ浮体構造36A,36B(以下、まとめて「浮体構造36」ともいう。)を含む。すなわち、図6及び図7に示す風車100は、浮体式の洋上風車である。図6に示す浮体構造36Aは、セミサブ型の浮体構造である。また、図7に示す浮体構造36Bは、スパー型の浮体構造である。
【0059】
図4図7に示す例示的な実施形態では、集熱部16は、基礎構造34又は浮体構造36の周囲に設けられている。また、集熱部16で加温された空気は、基礎構造34又は浮体構造36に設けられた通気口(不図示)を介して、一旦基礎構造34又は浮体構造36の内部に取り入れられ、基礎構造34又は浮体構造36の内部に設けられた通路(不図示)を介して、タワー3の下端部に設けられた空気導入部18(図1及び図2参照)に導かれるようになっている。
【0060】
上述の実施形態によれば、風車ロータ4及びタワー3を含む風車は、水上に設けられる洋上風車であるので、風車100の周囲に、集熱部16を設けるための広い設置空間を確保しやすい。よって、風車100の設置エリアを有効利用して集熱部16を設けることで、上述したように、集熱部16から空気導入部18を通って空気排出部20に向かう空気流を効率的に形成して、タービン22を駆動することができる。
【0061】
発電装置1におけるタービン22の種類は特に限定されず、タービン翼を備えたタービン等、周知のタービンを用いることができるが、幾つかの実施形態では、以下に説明するタービン22を用いてもよい。
【0062】
図8及び図9は、それぞれ、一実施形態に係るタービン22の概略断面図である。図8及び図9に示すタービン22は、タワー3の壁52の内部に設けられている。即ち、空気導入部18から導入された空気は、タワー3の壁52の内部においてタービン22の下方に設けられた流路53を流れて、タービン22に供給されるようになっている。
【0063】
図8及び図9に示すように、タービン22は、回転シャフト54と、回転シャフト54の周囲において、軸方向に間隔をあけて配置された複数の円盤56と、含むロータ50を備えている。回転シャフト54は、タワー3の内壁面52a側において壁52を貫通するように設けられ、回転シャフト54と壁52の間には空気流が通過可能な隙間68が設けられている。
【0064】
タービン22の回転シャフト54には発電機74が接続されている。発電機74は、タワー3の外部空間に設けられていてもよく、あるいは、タワー3の内部空間に設けられていてもよい。
【0065】
図8に示す例示的な実施形態では、回転シャフト54の一端は、タワー3の壁52を貫通するように設けられるシャフト72を介して、タワー3の外部空間に設けられた発電機74に接続されている。シャフト72によるタワー3の壁52の貫通部及びタービンケーシングと側壁円盤の間には、流路53からタービン22に供給される空気の、タワー3の外部空間への漏れを抑制するためのシール部67が設けられている。
【0066】
図9に示す例示的な実施形態では、回転シャフト54の一端は、タワー3の内部空間に設けられた発電機74に接続されている。この実施形態では、回転シャフト54の一端側に、複数の円盤56を含むロータ50が設けられているとともに、タワー3の内壁面52a側の回転シャフト54による壁52の貫通部を挟んで反対側に位置する他端側に、発電機74が接続されている。
【0067】
複数の円盤56は、軸方向において隙間68から最も遠くに配置される1枚である端部円盤56Aを含む。端部円盤56Aを含む複数の円盤56は、それぞれ、回転シャフト54に固定されている。端部円盤56A以外の円盤56Aの各々には、軸方向に沿って延びる貫通穴57が設けられている。貫通穴57は、径方向において回転シャフト54の近傍に設けられている。貫通穴57は、回転シャフト54の周囲に設けられた環状の穴であってもよいし、あるいは、周方向に離散して設けられた複数の穴を含んでいてもよい。ただし、環状の穴の場合、円盤を回転シャフトに固定する部位を環状穴中に設けてもよい。
【0068】
タービン22は、複数の円盤56の間の軸方向における隙間を流れる空気と、複数の円盤とのせん断力により駆動されるように構成される。より具体的には、集熱部16から空気導入部18に導かれた空気流が、タワー3の壁52の内部に形成された流路53を介して、タービン22の径方向外側から径方向内側に向けて、複数の円盤56の間の軸方向隙間に供給される。そうすると、空気流と円盤56の表面との間の粘性摩擦に起因するせん断力が円盤56に作用する。このせん断力により、タービン22のロータ50が駆動される。円盤56と円盤56の間の軸方向隙間を通過した空気流は、複数の円盤56に設けられた貫通穴57を介して軸方向に沿って流れ、隙間68を介してタワー3の内部空間に導入され、空気排出部20に向けてタワー3の内部を上昇した後、空気排出部20からタワー3の外部に排出される。
【0069】
上述の実施形態によれば、複数の円盤56と、複数の円盤56の間を流れる空気とのせん断力により駆動されるタービン22を採用したので、集熱部16から空気導入部18を通って空気排出部20に向かう空気流の流量が少なく、また比較的低圧であっても、気体の温度がある程度確保された低熱源の空気から効率的に発電を行うことができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0071】
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【符号の説明】
【0072】
1 発電装置
2 土台構造
3 タワー
3a 下端
3b 上端
4 風車ロータ
5 ナセル
6 ハブ
8 ブレード
10 回転シャフト
12 ドライブトレイン
14 発電機
16 集熱部
18 空気導入部
20 空気排出部
22 タービン
24 出口開口
26 ガイド部
28 出口開口
30 屋根部
31 支持部
32 支持フレーム
32a 内側端
32b 外側端
33 床部
34 基礎構造
34A 基礎構造
34B 基礎構造
36 浮体構造
36A 浮体構造
36B 浮体構造
50 ロータ
52 壁
52a 内壁面
53 流路
54 回転シャフト
56 円盤
56A 端部円盤
57 貫通穴
67 シール部
68 隙間
72 シャフト
74 発電機
100 風車
Ht 高さ
SL 水面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9